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zombie ゾンビその9

1 : ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 12:57 ID:l9oyQkxd
このスレはゾンビ好きな人がゾンビをネタにした小説をupするスレです。

PART1:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://curry.2ch.net/occult/kako/1030/10304/1030468085.html
PART2:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その2
http://curry.2ch.net/occult/kako/1034/10343/1034309472.html
PART3:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1036704369/
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その4
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1047896148/
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1052060297/
zombi ゾンビその6
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1054460858/
zombie ゾンビその7
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1055955467/
ZOMBIE ホームセンター攻防編 八日目
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1062185351/

雑談用スレ
★【喋って】ホームセンター休憩所【食われる?】
http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1056185489_1&bbs=itou&ls=100
●作品投下専用(作品保管庫)
★【死霊】ZOMBIE【復活!!】
http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1055642709_1&bbs=itou


2 : ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 12:58 ID:l9oyQkxd
【スレのお約束】
1 基本的にsage進行。
2 作品投稿のage・sageは作者の任意。
3 作品には感想をお願いします。感想についての批判は作者・読者ともに控えましょう。
  「感想・意見・批評」と「誹謗中傷」は異なります。また表現にはくれぐれも気をつけましょう。
4 煽り・荒らしは放置、反応なしで。


【マナー。その他】
1 連続投稿数は5〜10レスを目安に。
2 作品投稿は間隔に気をつけてください。場合に応じて間隔をあけましょう
  投稿前と投稿後に宣言するとスレの流れがスムーズになります
3 自分の意見に返事を期待する方はトリップを付けましょう
4 個人攻撃、的外れな批難の類は流して。
5 496KBで警告メッセージが出力されます。512KBでスレッドが終了なので、950からか450KBを過ぎた時点で新スレッドへの移行の話し合いを


3 :ルシファー ◆BscOKdBOXY :04/04/30 12:58 ID:zVD3jBjs
2

4 : ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 13:00 ID:l9oyQkxd
●【ネタ例】
「夢落ち」
・夢の中のゾンビから逃れ、目覚めるとゾンビがすぐ側に.....。
「特撮ヒーロー」
・よい子を守る筈のヒーローが、怪人達と一緒に血に濡れた刃を観客に向ける!!
「コミケ」
・沢山のコスプレゾンビが会場を覆い尽くす。しかしその中に本物のゾンビが紛れていた....。
「映画」
・ゾンビメイクのまま撮影中に死んだ俳優。あたらなる血肉を求めエキストラの
ゾンビ達へと歩み寄る!!
「船舶」
・逃げ場のない密閉空間の中で、ゾンビ達が容赦なく乗客に牙を剥く!! 
生き残った人々を港で待ち受けていたのは? 安堵?それとも恐怖?

「列車編」
・悪態を付きつつ、いつもの様に通勤快速列車に揺られる若きサラリーマン。
同時刻に別の車両で年輩のサラリーマンが急死。その後ゾンビ化。
身動き出来ない車内で次々と近くの乗客を襲うゾンビ。
瞬く間に全車両の乗客がほぼゾンビ化。
首を極限までねじり、虚ろな瞳で獲物を見つめる周りの乗客達。
・旅の良きパートナー大陸横断列車。希望に満ちた乗客に紛れ、奴らも乗り込んでいた!!
旅は道連れ、世は情け.....しかしゾンビに情けの文字は無い!!!

5 : ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 13:01 ID:l9oyQkxd
「飛行機」
パニックになる間も与えられず、乗客のほぼ全員がゾンビ化。 残り少ない燃料、最後のドアを叩き続ける死人の群れ....
もう残す時間は後僅か。 着陸か、それとも全人類のために尊い犠牲となるか...。
苦渋の末に機長が下した最後の決断とは!?

「ゾンビ・ハンター」
ゾンビ化した母から生まれし双子。しかし皮肉にも神は二つの小さな運命を引き裂いた。
狩る者と狩られる者....姉弟の命をかけた戦いの火ぶたが切って落とされる!!

「ドラキュラ」
急激に増加するゾンビによって未曾有の食糧危機に陥る吸血鬼。
昼夜の区別無く行動できる知性皆無な数勝負のゾンビ達と、夜しか行動は できないものの知性もパワーもあるプライドの高い吸血一族。
2つの種族が一族の存亡を掛け火花を交えるその時、双方にとっての食料で しかない人類に残された道はあるのか?
「遊園地編」
・観覧車...長い停電の復旧後、園内にてゾンビが発生。ゴンドラの最終地点で次々と襲われる乗客。
刻一刻と迫る死の恐怖に貴方は耐えられるか!?
・ジェットコースター........スリルと恐怖を楽しむ乗客に、本物の恐怖がゴールに待ち受
けていた! 乗客の安全を守るはずのシートベルトが皮肉にも重い枷となる!
・着ぐるみ......子供に夢と希望を与えるカラフルなアイドル、某ミッキーネズミ。
しかしその正体は絶望と死を与えるだけのゾンビだった!! いま子供達の命をかけた鬼
ごっこが始まる!!

・入場口.......客の流れを一本化するため、出入り口を一本化してあるネズミーランド。
でもその流れが激流へと変わったとき、そこは地獄への入り口と化す!!
・チケット.....ゲートをくぐる時に渡されたチケットには「期限:無し。永劫に有効。譲渡、廃棄不可」
と記載されていた。不審に思いつつも楽しい音楽と着ぐるみ達に誘われるまま園内へ。
しかしそこで待ち受けていたのは....。
・パスポートチケット.....オープンを記念してスタンプラリー好評開催中。全ての施設を制覇された
方には素晴らしいプレゼントが.......。

6 :屍霊怪異禄 ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 13:02 ID:l9oyQkxd
 雨音が響く。
 暗く湿った場所で、私は目を覚ました。
 何も見えない。瞼が開けない。
 全身が暑く、重い。指先まで泥を詰め込まれたかのような疲労感。頭の中を何かが駆け回っているように痛む。
 いっそのこと額を突き破って外にはじけ飛んで欲しいぐらいの苦しみだ。
「……!――っ!!」
 大粒の雨音にあわせるかのように、何者かが聞き覚えの無い言葉で騒いでいる。
 遠く、近く。
 大きく、小さく。
 途切れて、途絶えず。
 縫い付けられたかのように固着した瞼を、引きつる痛みをこらえながら徐々にこじ開けていく。
 呼吸が止まった。
 驚愕に瞼が見開き、癒着していた皮膚が裂ける。
 まず目に入ったのは私を見下ろす巨大な顔だった。
 天井の代わりに視界のほとんどを埋め尽くす女の半顔は腐りかけ、白い蟲にたかられていた。
 目と目があうと、女は蛆のたかった顔を笑いの形に歪める。
 その動きに耐えられず、かろうじて表面をはいずっていた蛆虫が周りに降り注ぐ。
 それで気がついた。
 私が聞いていたのは雨の音ではなかった。
 大量の汁気を含んだ蛆虫が、零れ落ち地を打つ音だったのだ。
 恐怖はそれで終らなかった。
 女は信じられないほど長い舌をたらし、生臭くねばったそれで私の体を舐め回し始めたのだ。
 限界を超えた嫌悪感に、金縛りが解ける。
 はじけたように飛び起き、目の前にそびえる襖を突き破らんばかりに開く。
 そこにあったのは私の背丈ほどもある、節くれだった掌だった。

7 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 13:06 ID:l9oyQkxd
以上です。
ゾンビ好きのみなさん、ゾンビ作品を書いたり読んだり楽しんでいきましょう。

8 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/30 13:29 ID:zzDMOuur
PIPさん乙!
ゾンビスレは長いですね。

9 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/04/30 18:18 ID:l9oyQkxd
休日で人がいないみたいですね。
週末には新作も貼られていくでしょうから、即死ラインを超えるまで繋いでいかないと。

えーと書き始めた怪異禄についてちょっとみなさんのご意見を伺わせてください。
この話は10レスほどで終わらせるつもりなんですが、同じ人物・設定でいくつか書きたい話があります。
ただ、話の中には主人公たちが死ぬものもあるんです。

つまり前の話では死んでいたのに、次の話ではみんなそんな事件がなかったかのように話が続くというわけです。
ゲームブックあたりが形式としては近いかもしれません。
主人公が前話で失敗した経験を次話で(経験してはいなくても)受け継いでいくのはずるいですかね?
メタ的な手法ですが、どうでしょう?

10 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/30 19:02 ID:zJVdUiPK
まったく抵抗ないんで、ドンドンUPして下さいな。



11 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/04/30 21:08 ID:sVnA/lNt
皆様お疲れ様です!
毎日楽しみに携帯から見てます。
周りの知り合いにはゾンビ好きがいないので、このスレが心の拠り所です。
新旧の職人さん頑張って下さい!

12 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/01 09:30 ID:W/aEdGW/
PIPさん、スレたて乙華麗様です。
同一主人公が様々な人生を経験する...ゲーム的で面白そうですね。
唐突に始まると混乱してしまいそうですが、事前にそう言うタイプの
物語だと知っていれば、何の問題もなく楽しめると思います。

屍霊怪異禄...何故この主人公がこのような目に遭うのだろう。
この巨大な腐乱女性自身に恨みを買ったのか...それとも、たまたま
運悪く遭遇してしまったのか...それとも物語の第三者に仕掛けられ
た物なのか...と初回は心霊タッチで想像し楽しみました。

2度目はゾンビFAN的に.....逃げる最中に倒してきたゾンビや
犠牲者の腐乱した遺体が脳裏に残り、逃げ込んだ場所での仮眠
中に悪夢となって彼らが鮮やかに蘇った...って感じで楽しませ
て頂きました〜。
続きが楽しみです!

13 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/01 14:14 ID:M6CM+vJa
PIPさん、和風テイストですね。
天井に浮かぶ腐った顔なんてみたら、私だったらそのまま気絶です。
しかも蛆虫の雨なんてめちゃくちゃ怖いですね。

気になっていたのですが、前スレの949〜951はPIPさんですか?
もしそうだったら前の話とこの話はつながっているのですか?

14 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/02 00:53 ID:msd4NCtp
>>13さん、繋がってます。
倒れた私が意識を取り戻したのがこの場面です、ハイ。

GWは連日出勤。
まあなんといいますか働けるだけ幸せですね。

15 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/02 21:40 ID:M5tpZQTk
あのさ


前スレ全部つかっとこうぜ

16 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/02 22:56 ID:g72cZiAQ
ageてまでいうことか?
490k過ぎてるし950レスオーバーもしてる。
つーかひろゆきが埋め立ては鯖に負荷かかるから止めれっていってんべ。

17 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/02 23:33 ID:gsfBGKzz
理解できなかった。
吐き気を催さずにはいられない腐敗臭。
その発生源たる身の丈ほどの幅がある手のひら。
なぜそれが目の前にあるのか。
あまりに常識を超えた光景に、脳が恐慌をきたし思考が止まる。
凍りついた私を、巨大な手があっさりと握り締める。
すさまじい圧迫と苦痛に呼気が喉から漏れ出すが、苦鳴とまでは至らない。
胸部を圧縮されているというのもあるが、それよりも締め付ける掌の感触が悲鳴をあげさせなかった。
服を通してもはっきりと伝わる冷気。腐りながら蛆たかられし屍体の感触。
屍者だ。幽冥に属するものだ。
皮膚を突けば穢れた腐汁が吹き出るに違いない。なぜか私の直感がそう告げる。
これは生者でも亡者でもない。死にきれずにうごめく屍者だ。
おぞましさにもがくが、腕は気にした様子も無く私の体をもとの部屋に押し込める。
嘔吐をこらえるために新鮮な空気を求めて顔をあげるが、狂笑を浮かべる女の顔でさらに胃液が逆流した。
苦しさと気持ちの悪さに、涙が浮かび視界がぼやける。
いっそ先ほどのように気を失ってしまいたかった。
だが緊迫される苦しみで意識はさらにはっきりとしてしまう。
ふいに笑いたくなった。現実逃避し一時的な躁状態に陥っている。
腐った巨顔から逃げ出した先に待ち構えていたのは、腐りかけた腕だった。
ならば残りはどこに行ったのだろう。
いや、にわか作りの牢獄を形作るこの腕は男のものだ。
ならば、彼らは屍人の夫婦というわけか。畳の上をはいずる蛆虫が子供の代わりか。
 腕だけの父親、顔だけの母親、子沢山の蛆虫。あまりにおぞましく、それがために笑うしかない。

18 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/02 23:57 ID:gsfBGKzz
 では、私の役割はなんだろう。
客ということは無いだろう。あまりに扱いが無体だ。
起きた私を舐めまわしたところから考えつくのは一つしかない。
一家団欒の食卓に花を添える役目を仰せつかったようだ。
久しぶりに故郷に戻ってきたというのに、幻影を見て意識を失い、熱にうなされたあげくに屍女の穢れを受けた。
必死の思いで逃げ出そうとすれば腐濁の詰まった皮袋に捕まり、惨めにも壁に磔られている。
無力でただ汚されるだけの存在でしかない。
ひとしきりの笑いが去り、ついで訪れたのは久しくなかった感情だった。
平静を失った心はたやすく穢れに堕ちる。分かってはいたがその感情を抑えることができない。
なぜ、私がこんな目に。絶望とともに怒りが吹き出してくる。
 一体私が何をしたというのだ。
 こんな非常の怪魔になぜ襲われる。
 こんな苦痛をなぜ受けさせられる。
 こんな穢れをなぜ身にまとわせる。
 おぞましい黒不浄。
 死穢に触れたものはその身と魂も穢れ、忌み人へと堕ちる。
 忌み人は新たな忌み人を産み、禍津毘はさばえなして地に満ち満ちる。
 感染、同化、増殖。
 死が屍を呼び、汚れが穢れを呼ぶ。
 千引き岩を越えずとも、屍者はここにある。
 まかるさはり、うむさはり、やまいのさはり、とつぎのさはり、つきのさはり、きたなきくひもの、くさぐさのくひもののけがれ。
 世に穢れは満ちている。
 流すべき汚れは多く、禊祓を行おうにも流れは澱んでいる。
 吹き払おうにも風は絶え、身を締め付けられて息吹も発せられない。

19 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/03 00:38 ID:YivVxq1n
 このまま穢れを感染されてしまうのだろうか。
 死穢に汚れた屍衣をまとい、永劫に魂無き物怪と同道する。
 あまりのおぞましさに叫び出す寸前、耳朶に聞き覚えのある声で聞き覚えのある言葉が届く。
「なおびっ。なおび!!どうしたのっ!!障子を開けなさい!!」
 なおび。
 直毘。
 その意は穢れを禊祓いて、物事を正常に復すなり。
 それは私の名だ。
 それは禊祓いの神咒だ。
 神につかえし血統の乙女が唱えることにより、二柱の神の威で穢れを払う。
 一度だけでなく二度三度、だれかが私の名を呼ぶ。
 それに答えて、私の口から祝詞が自然に漏れ出す。
「ひふみよいむなや、こともちろらね」
「しきるゆゐつ、わぬそをたはくめか」
「うおゑにさりへて、のますあせえほれけ」
 ひふみ祓詞だ。
 習った憶えのない神咒がすらすらと流れる。
 一音ごとに圧迫感は失せ、半ばを唱えたあたりで腕は完全に消え失せた。
 最後の言霊を発し終わると同時に、天井の顔もこぼれ落ちた蛆虫も部屋になかった。
 部屋の陰気も薄れ、蛍光灯の明かりがあたりを照らす。
 痛む頭を振りながら、先ほどまで腐った腕で占められていた空間に目をやる。
 開け放たれた襖、隣の間、そして障子を開け放って突進してくる褐色の何か。
 ――突進?
「何やってんのよ!」
 褐色の何かは聞き覚えのある声で叫びながら、私に飛びかかってきた。
 もとより体の弱い方だ。まして今の体調は最悪と言っていい。
 だから布団の上に押し倒されたのも仕方がないことだろう。
「病人のくせに障子を閉めて何やってたっ!さらに祓詞だぁ?それはこの家が汚れているって言いたいんだな?よし、喧嘩なら買うぞ!っていうか黙ったままかっ!!」
 ……何を言われているのかよくわからない。
 ただ、ふらつく病人の上に馬乗りになって頭を揺さぶるのは良くない。それだけはよくわかった。

20 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/03 00:42 ID:YivVxq1n
本日分ここまで。
かじりとかに間違えがあったりしたらごめんなさい。
あと3つぐらいでこの流れは終わらせます。
では。

21 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/03 21:06 ID:XgTbStuj
 先ほどまでの騒動で乱れていたせいもあるのだろう。
 揺さぶられた拍子にあっさりと寝巻きがはだけた。
「……感心しないよ。いきなり服をはぐのは」
 気まずいのだろうか?顔をこわばらせて黙り込んだ馬乗り従姉に冗談めかす。
 だが、彼女は小麦色をした顔を驚愕にこわばらせたまま、じっとはだけた胸を見ている。
 一体何に驚いているのだろう。
 私も自分の胸元に視線を落とす。
「!」
 胸元が青黒く染まり微かに異臭を放っている。
 鼻腔に届く臭いは先ほどまでいやというほど嗅がされた腐臭だった。
「な、なお。これって……」
 馬乗り娘が確かめようとしたのか指先を伸ばしてくる。
 私は思わず手を伸ばし、彼女の手首をつかんで胸元から突き放した。
 勝気な彼女は文句をつけようとしたが、私の表情に沈黙した。
「降りて。これに触っちゃだめだ」
 素直に降りて、私の横に彼女が座る。
「まさか、重い病気なの?」
 おずおずと聞いてくる。語尾が心配に震えていた。
 ……こういうところは変わらないんだな。
 三年の間、一度も連絡を取ったことが無かった。
 正直不安だった。
 彼女たちが変わっている事がじゃない。
 彼女たちに会ったときの自分が怖かった。
 もしかして何も感じないんじゃないか。
 望郷の念は単なる無いものねだりで、郷愁に引きずられているだけじゃないのか。
 そんなものに変わってしまっているんじゃないのか。
 もしそうだとしたら。
 それが怖かった。

22 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/03 21:09 ID:XgTbStuj
 私は両親を早くに無くしたそうだ。
 だがそれを悲しいと思ったことは一度もない。
 いないものは仕方がない。無いものは無い。ただそれだけだった。
 離れた時間が、叔母一家のこともそう思うようにするのではないのか。
 それが怖かった。
 杞憂だった。
 昔と同じく彼女は、元気で、明るくて、乱暴で、そして優しかった。
 それが嬉しかった。彼女の自然な態度全てが、私を受入れてくれている証のように思えた。
「どっかぶつけちゃった?お医者さん呼んだ方がいい?」
 私が沈黙したことを苦痛のしるしと見たのか、盛んに容態を案じる。
「大丈夫だよ。ありがとう」

以上ここまで。
従姉の名前が決まらず、馬乗り娘だの従姉だの彼女だのとごまかしてみた。
なんかぴったりくる名前がないかなぁ?

23 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/04 18:25 ID:qAqS6VaZ
人がいないのに次スレ立てんな

24 :バタリアン一杯 ◆BAvmdD6bXs :04/05/04 21:27 ID:9+K/+RE7
みなさんお久しぶりです。
もうそろそろネットが繋がるので復活できそうです。
無事に次スレも立ってて、新しい作者様も一杯いらっしゃるようでなにより♪
量がものすごいのでのんびり読んできま〜す。
次の登場をお楽しみに(挨拶だけしにきた模様)

25 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 11:44 ID:LLwNeKwG
◆dve/1Ebaqs はこういうときだけ出てきて仕切ってあとは書かない
で名無しで批評するとかたまに出てきてなんか言い訳する、これのくり返し
新しい人が育たんでしょ>こんなんじゃ
ちゅうと半端に中心にいようとするなはイクナイ

26 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 11:53 ID:LLwNeKwG
書き方悪くて反省
ようはここの住人はふだんはだんまりなのに自治とかの話のときだけ活気づくのがだめぽっていいたいだけ
批評批判と自治話ばかりで感想すくないし肝心なとこだけ◆dve/1Ebaqsらが仕切ってしまうから新しいひとすぐ消えてるでしょ
個人批判もくてきではないいので参考意見としてくろ

27 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 14:39 ID:FGZrtkTx
禿同
◆dve/1Ebaqsは糞

28 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:01 ID:FGZrtkTx
◆dve/1Ebaqsは新人潰し

29 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:05 ID:DGNpzPN6
個人名はアレだが、それ以外の部分にはおおむね同意。  

30 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:23 ID:FGZrtkTx
ようはここの住人はふだんはだんまりなのに自治とかの話のときだけ活気づくのがだめぽっていいたいだけ

プ
同人くさいオナニーだしw
板違いは創作文芸板でひきこもってろw


31 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:25 ID:i0WFUajq
このスレまだあったんだねー。
一番最初のスレッドで色々と書いてたけど、批判されて止めたのさ。

32 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:44 ID:X4MLgI5o
一番最初はひどかったねー。
リレーがめちゃくちゃだったからさ。

>ようはここの住人はふだんはだんまりなのに
ようは黙ってつづきかけ。
感想なんかもとめるからだめぽっていいたいだけ 。

33 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:47 ID:2xuLQNRh
★【喋って】ホームセンター休憩所【食われる?】
http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1056185489_1&bbs=itou&ls=100
話しあいようのすれっど

34 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 15:52 ID:2xuLQNRh
新しいスレッドが話題になったのが4月25日でスレッドがつくられたのは4月30日です。
丸六日あったときに何も言わないで今になってから本スレの方で議論ですか。
過疎スレッドのふいんき(←なぜかへんかんできない)です。

35 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 16:04 ID:ISCsjPqg
俺の文章そんなに難解?

>丸六日あったときに何も言わないで今になってから本スレの方で議論ですか
つまりそれだけいつも34はここを見てるわけだろ?
なのに自治とかだけでふだんは作品書くわけでも感想つけるわけでもない
六日なんて週一の休みに来るだけの人間には長くないよ
それをさも長く言うってことは34はそれだけ常に見てるってことだね

つまり仕切り話のときだけ出てくる連中は作者が名無しで自演レスしてるってことか
それとも作品も感想も書かないくせにエラそうなごたくだけ吐き捨てるROMか
どっちにしてもそういうとこが問題といってるだけなんだけどね

36 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 16:29 ID:2xuLQNRh

http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1056185489_1&bbs=itou&ls=100
ここを見て。
おれはここを見て新規スレッドの話が25日には出てますと言っただけです。
どうしてそれが毎日見ていると言うことになるのですか。
おれはだまってROMしているだけなのでごたくは吐き捨てないし文句もつけません。

37 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 16:34 ID:2xuLQNRh
それと創作や議論系のスレッドでは新しいスレッドのときに人が多くなります。
SF板をみればたいていそんなスレッドばかりです。
作品も感想も書かないくせにというのならあなたから作品や感想を書いてください。

38 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 16:39 ID:2xuLQNRh
おれもスレッド違いでした。
ROMにもどります。

39 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 18:19 ID:ISCsjPqg
いままでにも見たことあるパターンだね

自治話ばかりしてる→そんな話のときだけ出てこないでふだん感想つけたらという→
だったらお前書けよ、あと俺はROMに戻るからな、←険悪ムードだけ残してという>黄金パターン

前にほかのひとがやってたのをみたことあるけどそれを自分がやるとは鬱だ




40 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 18:26 ID:ISCsjPqg
ま折れも同類だからこれで消えるけど
>おれはだまってROMしているだけなのでごたくは吐き捨てないし文句もつけません。

こういうやからが自治話のときだけこうやってでてきて最後はROMに戻る発言
これが二大問題のひとつだといってるだけだよ





41 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 19:28 ID:ISCsjPqg
 「どうしてこんなところに来ちまったんだ。来るんじゃ・・来るんじゃなかった」
 篤史はもう幾度と無く繰り返してきた言葉を口にしながら髪を掻き毟った。
 最初は軽い気持ちだった。否、覚悟が出来ていた。少なくともそのつもりだった。現実を体験するまでは。
 篤史は死ぬつもりでいた。希望のない毎日に嫌気がさしていたのだ。そんなとき東京で暴動が発生した事を知った。
 どうせこんな人生生きていても辛いだけ、いっそ最後に命がけの戦いをしてその中で死のう、どうせ死ぬなら・・・そう、だれか殺してみたい、今の東京ならそれだって・・・
テレビのニュースを見ながら篤史がそう思うまでにそれ程の時間は必要なかった。篤史の心は病んでいたのだ。
 愛車に飛び乗った篤史は血と暴力、そして自らの死地を求めて東京を目指した。
 強引に検問を越えた時は気分最高だった。まるで映画の主人公にでもなった気分だった。
 「最高だ」束縛すべてを振り切り人生の自由を得た気分で愛車を猛スピードで奔らせた。
  

 
 

42 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 19:53 ID:ISCsjPqg
 ゴス!
 凄い音だった。それが人を撥ねたものだと気づいた時、篤史の心は一瞬にしてどん底に突き落とされた。
 覚悟はあるつもりだった。だが、唐突に訪れた現実が篤史の良心をあっという間に呼び覚ましていた。小心者
には悪に染まりきる事さえ出来ないものだ。
 狼狽した篤史は車を飛び降り、被害者の姿を確認しようと近づいた。
 若い女だった。ひしゃげた腕が宙を掴もうと奇妙な動きをしていた。
 瀕死に見えた女が急に身を起こし、そして篤史の方に顔を向けた。その顔は見るもおぞましく変形していた。
 奇怪な叫び声とともに女は篤史に掴みかかってきた。
 篤史は恐怖に駆られ、夢中で逃げた。
 車に飛び乗ると女は信じられない事に追いすがり、窓ガラスを叩き割ろうとしてきた。
 気がつくと、そこかしこから女と同じような不気味な姿の者達が篤史の車に周りに集まりだしていた。
 ・・・そこから先はあまりよく覚えていない。 

 


43 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 20:08 ID:ISCsjPqg
 篤史はアクセルを全開にし車を走らせた。何人撥ねたか、いや、そもそも撥ねたのは人なのか、それさえ分からない。
 かろうじてその場を離れたものの、車から見える景色はいたるところにいる人とは思えない奴らの姿だった。
 安全なところを求めて車を走らせても走らせても化け物としか見えない連中がどこにでもいた。
 車を止めるどころか少し速度を落とそうものなら、あっという間に取り囲まれた。
 「どうしてこんなところに来ちまったんだ。来るんじゃ・・来るんじゃなかった」
 呪文のように同じ言葉をつぶやきながら、篤史はただひたすら車を飛ばし続けた。
 カチ、カチ、カチ
 ランプが無常にも点滅し始めていた。そう、ガス欠だった。
 あと何分走れるのか?
 停まったらどうなるのか?
 
 

44 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/05 20:11 ID:ISCsjPqg
>作品も感想も書かないくせにというのならあなたから作品や感想を書いてください

37に言われ37と同じくROMに戻るのは無責任だから書いてみました。

45 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/06 17:55 ID:lXR1W0BI
その意気や良し。
人を殺したくて自分から来たってところが新しくていいとおもたよ。
がんがれ!

46 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/06 19:27 ID:MuQKblL4
まとめサイトって存在しないんでしょうか?
過去ログのURLは別のサイトになっていたりと・・・・・

47 :篤史:04/05/07 00:15 ID:+d4gCSVJ
 突然だった。最初は化け物の一匹が襲ってきただと思った。だが違った。
「た、助けてくれ」
 血まみれの男が物陰から飛び出すなり、車のドアを開けようと必死になっていた。
 ロックされたドアをガチャガチャと引っ張り窓を叩きながら男は哀願した。
「お願いだ、開けてくれ。入れてくれ、はやく!」
 男のすぐ背後には怪物どもが迫っている。
 篤史は男の言葉に慌ててドアのロックを確認した。だがそれはドアを開けるためではなかった。
 それは単純な事だった。篤史は単に男が車に入って来れないことを確認したのだった。
 とにかく怖かった。恐ろしかった。男もその後ろの気味の悪い連中も。
 男の哀願と絶望の入り混じった眼を振り切るように篤史はアクセルを目いっぱい踏みこんだ。
 「待ってくれ!お願いだ!」
 男が悲痛な声で叫んだが、それも一瞬だった。男の叫びは瞬く間に悲鳴と絶叫に変わっていた。
 バックミラーには凄惨な光景が映し出されていた。得体の知れないあいつらが男に群がっていた。
 それが男の全身に喰いついているのだと気づいた時、篤史は強烈な吐き気と目眩を感じた。
 あまりの光景にミラーから目が離せなかった。完全に釘付けになっていた。
 そして、篤史が気づいた時には車は曲がりきれずにマンションらしき建物に突っ込んでいた。

 
 


48 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/07 11:44 ID:0BpCHdBG
旧スレを使い切れよ!!

49 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/07 15:02 ID:K9vIJjo2
15 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/05/02 21:40 ID:M5tpZQTk
あのさ


前スレ全部つかっとこうぜ


16 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/05/02 22:56 ID:g72cZiAQ
ageてまでいうことか?
490k過ぎてるし950レスオーバーもしてる。
つーかひろゆきが埋め立ては鯖に負荷かかるから止めれっていってんべ。

50 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/08 13:14 ID:Xepm3XBQ
PIPさん、乙です。
シンシンと降る雪のように、とても静かに、そしてズシッと
重みのある恐怖が感じられる作品ですね。
どんな形でゾンビが出てくるのかも楽しみだけれど、
主人公と勝ち気な女の子の今後(ロマンス!?)も気になるところです。

>41さん?篤史さん?
初めまして。
いきなりメインデイッシュ!!って感じで、唐突に始まる
スピード感ある展開に、ドキドキしながら読ませて頂きました。
もう今にも食われてしまいそうな状況の主人公が、どんな活躍や
心の変化を魅せてくれるのか....続きが楽しみです。

前のスレの感想を書いていないのですが、新スレに入って
しまったのと、あまりにも時間が経ちすぎているので
失礼ながら感想を省略させて頂きますね。
済みませんです。
でもどの作品もとても面白く、改めて「ゾンビ小説」は
最高〜!!と思ってしまいました。

51 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/09 19:59 ID:rZeeCr/D
巡査部長さんのファンです。

52 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/10 12:52 ID:TdOdmHCM
このスレの人達はこの映画観るよね?

ttp://dotd.eigafan.com/top.asp

53 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/10 22:03 ID:W0K1y9Mf
51さん
ありがとう、さしあたっては目立たんように
配慮して頂けると嬉しいです。
ロシアの田舎で暮らしている間に書き溜めた分を
投下します。
連投規制と多忙な日常業務の関係で一日辺り
2個の投下で行きますのでヨロシコ。

54 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/10 22:14 ID:W0K1y9Mf
「64」

撤退準備が進展し、徐々に人気が少なくなって行く署内で、残った幹部と
自衛隊さんとで打ち合わせをした。
自衛隊さんは、本隊より連絡があり九州に対しては中部方面隊より増援部隊を
派遣する必一方で関東の東部方面隊からも戦闘車両を中心に
当座の戦力の抽出を行うとの事だった。
東北方面隊の第6師団が、北海道の部隊と交代して南下してくる予定なのだが
避難民による混乱の為に進展は遅かった・・。
また、戦闘予想地域からの避難民が随時北上する為に幹線鉄道の一時確保が
急務になった。
初期の予定では、戦力と避難場所の関係から関西方面と東北方面に国民を
一時的に分散非難させてから、海路で北海道方面に適時非難させる予定であったが
状況はそれを許さず、分散し各個孤立の事態ならば一人でも多くの避難民を
安全地域に移動させる為の最大限の努力をする事となった。
幸い関東地域の非難は計画通りに進展していたので、関西方面からは避難民を
列車輸送により受け入れ、市ヶ谷で検疫検査の後に適時千葉方面に送る事となった

55 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/10 22:21 ID:W0K1y9Mf
「65」

関西方面から到着する難民が長旅で疲れきった表情で降車してゆく・・・。
「斉藤隆は知りませんか?どなたか斉藤好美を見かけませんでしたか?」
生き残りつつも家族と離れ離れになってしまった、女性の悲痛の叫び声が空しく
響き渡るが、誰もどうする事もできない。
この騒ぎが始まってから見慣れた光景だ。
そんな人々を哀れむ気持ちを抑えて残っている人を半ば強制的に下ろして
次の到着に備える。
感傷的になるには余りにも時間が少な過ぎた、関西方面から到着する列車は
ぎりぎりまで過密化されていた、一人でも多くの国民を比較的安全な江戸川の
向こう側へ送らなければならない。
そして、我々にはもっと大きく深刻な問題が存在していた・・・・。
「須藤さん、こっちです。」
ホームに倒れている30代半ばの男性とそれに取りすがる女性の姿・・。
まただ!ゾンビに噛まれ、感染した患者は基本的に乗車させない規則である
しかし、恋人に対する愛情や家族に対する見捨てがたい思いがいとも簡単に
絶対厳守の規則を破らせる・・・・。
愛する人と大勢の知らない他人、両者を天秤にかけると前者が勝る。
平時ならば微笑ましい話も、この事態では放置できない話である。
前後不覚に陥った患者を縛り上げて、別室に放り込み半狂乱になって抗議する
女性を強制的に退去させる。
本来ならばもっと丁寧に扱うべき事も際限なく繰り返される内容に全ての職員が
疲れ果て、誰も説得すべきだとは言わなかった。
ましてや、患者をもっと丁寧になどと思ったとしたら発言者の神経を疑うだろう
何故ならば患者はもう死んでいるのだから、、、死んで我々を襲う敵になるのだから・・。

56 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/10 22:22 ID:QXlQixTM


57 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/11 09:43 ID:yXPnpbOQ
2個投下します。


58 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/11 09:44 ID:yXPnpbOQ
「66」

数え切れないほどのゾンビを轢いて血に染まった新しい列車が入線してくる。
しかし、この列車は通過の予定だ。
車内で患者が発生して救出不能の判定が下されていた。
ホームを速度を落として通過してゆく列車の運転乗務員と目が合った。
彼は静かに敬礼した、、この後自衛隊さんで設定した鉄道待避線に入線後に
爆破処理が予定されている、、それまで運転室が突破されない事を祈った。

通り過ぎてゆく客車は窓ガラスが真っ赤に染まり、無数の手形が見えた
内部で何かが動く気配があるが生気は感じられなかった。
3両目の車両で追い詰められた生存者が必死の抵抗を続け、10歳位の
女の子が助けを求めて必死に窓ガラスを叩く。

彼らだけならば助ける事もできた・・・だが、この後次々と来る列車には
もっと多くの人々が助けを待っている。
別の駅を制圧して迎える戦力的余裕が無い以上、危険を犯して数人の
生存者を救うことは出来なかった。

ガラスに張り付いた、必死の顔を次々と見送る・・・
(彼らはもう・・死んで居たんだ、既にゾンビに噛まれていたんだ)

59 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/11 09:45 ID:yXPnpbOQ
「67」

最後尾の車両で鉄道警察と車掌が敬礼するのを見て答礼をした。
彼らの10時間以上の努力は数人のかけがえの無い愛情によって
無残に打ち砕かれてしまった・・・・。
いったい人を愛するというのはどう言うことなのだろう?
千人にせまる人達全てを犠牲にして尚且つ自分たちも助からない。
分からない、、俺はそんな事が分かる前に純子を失ってしまった。
いや、果たしてこのまま何事も無く純子と付き合ったとしたら理解出来たのだろうか?
全ては仮定であり、闇の向こうである。
今はただ、現実の仕事があるだけだ、、一人でも多くの人々を少しでも
安全な地域に非難させる為に最後の努力を行う・・。
血に染まった列車はホームを離れると次第にその速度を上げていった。
今日も赤い夕日が人々を照らす、、そして急速に光を失い闇が全てを支配する
毎日確実に訪れる恐怖の時間だ・・・希望の明日も無い・・。


60 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/11 11:15 ID:Del30dd8
まとめサイトとかありませんか?
過去ログ漁ってみましたが、別サイトになってて・・・・・

61 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/11 12:54 ID:5oFJrWLh
なしてあげて聞くん?
なしてしたらばのほうで聞かんの?

まとめサイトは沈没中。

62 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/13 02:24 ID:TtfdzeQY
昔の話から読みたいけどまとめサイトないのね。
誰か作って。
【他力本願】

63 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/13 15:39 ID:U3XxxCUk
う〜ん、協力は出来るけど、運営が出来ないので
先頭切って作るのは難しいなぁ・・・。

取り合えず、2個投下します。


64 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/13 15:41 ID:U3XxxCUk
「68」

「須藤さん・・・私は残りますよ・・・。」
交代で入った仮眠室の中で吉田巡査が、つぶやくように言葉少なげに語りかけた。
昼間会議で知らされた話だ、、、この輸送業務も、もうじき終わる。
避難民を運び切ったからではなく、鉄道の維持や動力の保守管理の問題だ・・。
各鉄道管区ではゾンビの活動のために、殆どの区間で保守管理が不可能で
一定以上の降雨による地形変化や、障害物除去などは非常に困難であり
これに対処する為に作業車両を連結編成して対処していたのだが、保線管理が
いよいよ怪しい状況に陥り、枕木が破損している区間や敷石が流されて陥没している
区間の報告が目立ってきていた、保守作業は最低限度で行われる為に場所によっては
大きく沈み込む大変危険な状況になり、最早いつ不通になってもおかしくない状況で
あった。
車両輸送が不可能になった段階で陸路輸送は放棄して海路の輸送に移行するのだが
陸上の連絡を完全に遮断する訳にも行かない状況となった為に、一定の保安要員を
署内に残すことになったのである。

65 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/05/13 15:42 ID:U3XxxCUk
「69」

暗い仮眠室に吉田巡査のタバコが蛍のように点滅する。
「千葉方面に撤退して、、、県警の指揮下に入っても・・・今更何になるんです?」
誰もが思った、、自分自身でも自問自答していた問題だ・・。
「しかし、、、残れば助からんぞ・・。」
主力が撤退する以上、保安要員が単独で署を守り切るのは難しい、大規模な襲撃があれば
あっさりと全滅する可能性の方が高かった、故に保安要員の編成は志願者のみとなっていた。
「分かっています、、しかし、、、ゾンビの対処方法が確立出来ない以上は
何処に逃げても同じではないですか?結局は追い詰められて皆死ぬのでは無いですか?
同じ死ぬのならば、、私は、、私は自分の知っている町で死にたい・・・。」
虚無が心を支配する、、誰もが口には出さずとも思い、誰もが必死に否定し
しかし、逃れようも無い現実・・・。
妙に気になるあごの無精ひげを弄りながら須藤巡査長は、返す言葉も無くタバコの
灰を落とした・・・ポケットにあと3本、支給の予定はもう無い・・闇は何処までも深かった。



66 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/14 21:52 ID:wP52PGXR
>>52

トリビア

他力本願とは、仏・神の力に祈る事である

67 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 00:31 ID:/HNW3aP1
            ,r――――-、_                              | 続いては
             ,r'⌒        \                             |   こちらのトリビアです!
             / )”´ ̄ ̄⌒ー-、   l                          \_ _________
             }  )        ヽ }                            ノ
             ト、「 二。ニ  ニ。二 |ノ|                  / ̄⌒⌒ ̄\           __
              |ハ   ̄    ̄  リ                 /   , , , ,、   \         ト.L
       「ヽ      ヽl  /-__-\   /ノ                 / ,ィj j j ’’’ハ`ヘ  ヽ        ,ト !|
      .ノ /)ヘ.    {   ー--‐‐ !./                  j  j ,,_、  ,_、ヽ {        .トヾ!|
      | ///) _/\   ̄  ノ!                   ト十(ー・=)=(=・ー)十┤       }  .|
   ,r‐:ァ}'/ ./ ノフ   \  ゝ--‐ァ' /\                  Yハ   ィ_ _,   /! /        !  ノ、
   / / |    イ _.   \へ!  ヘ./  `ー-、_              `-ヘ  _____,  /~        ト、 ノ )
  ノ l ノ   .ノ  Xi、     | 。 |    _   ー-、             .\  ー‐ " /         |ヽ _ ハ
../  ヾ_  ,イ」   Xi、.     !  j  へ jX'     >、            人ゝ---‐',. イ、         L ___.人
爪     ̄ラ'     Xi、   、 //  jX'     ,ィ  |          _ ノト==rvっ==彡/ー‐-、__, -― ト   〃 )

68 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 01:43 ID:UooXPvRB
KTV(テレ東?)で「ドーンオブザデッド」キタ━━━━(³∀³)━━━━ッ

69 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 02:24 ID:ylSmsBuA
ロメロ版ドーンオブザデッド、DVDキターー

70 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 19:41 ID:UgOseTxX
鉄道警察と車掌さんが切ない・・・。
巡査長の無事を祈ります。

71 :カスケード:04/05/18 01:16 ID:kPzpUIR6
「腹減ったな」
「ああ」
「・・・」
「・・・」
「何か食うモン無かったっけ」
「無ぇ」
「・・・」
「・・・」
「最後に喰ったの何時だっけ」
「忘れた」
「・・・」
「・・・」
「水の残りは」
「無ぇ」
「・・・」
「・・・」
「あのさ」
「あに」
「・・・」
「・・・」
「今日で何日目だっけ」
「忘れた」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

72 :カスケード:04/05/18 01:17 ID:kPzpUIR6
「腹減ったな」
「ああ」
「・・・」
「・・・」
「何か食うモン無かったっけ」
「無ぇよ」
「・・・」
「・・・」
「最後に喰ったの何時だっけ」
「知るか」
「・・・」
「・・・」
「水の残りは」
「無ぇ」
「・・・」
「・・・」
「あのさ」
「あンだよ」
「・・・」
「・・・」
「今日で何日目だっけ」
「知らねぇよ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

73 :カスケード:04/05/18 01:18 ID:kPzpUIR6
「腹減ったな」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「何か食うもんなかたっけ」
「無ぇってんだろ」
「・・・」
「・・・」
「最後に喰ったの何時だっけ」
「知らねぇよ」
「・・・」
「・・・」
「水の残」
「無ぇ」
「・・・」
「・・・」
「あのさ」
「あ゙」
「・・・」
「・・・」
「一昨日外出た時油断して噛まれちゃったんだよね、俺」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「腹減ったな」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

74 :カスケード@johanまで・・・:04/05/18 01:21 ID:kPzpUIR6
新スレおめでとございます

GW前にDVD見てたときふと思いつき
今思い出して速攻で掻いてみた駄文、ザブン、ドブン、どんぶらコッコ。

すいません、しこたま呑んでます月曜なのに。
いや、月曜だから。
ちうか木曜から呑み続け。

それにしても相変わらずゾンビのゾの字も出てこない。
d−んは必ず見に行こう楽しみだなぁ。

75 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/19 20:45 ID:HyHO4cN8
ドーンは面白かったですよ。
公開日のレイトショーで見に行ったらほぼ満席。
チケットを買った際に映画館で初めて「込み合ってますのでお急ぎください」といわれました。

映画作品板のスレもなかなか盛況で、ついつい楽しんでます。
ゾンビ好きの皆さんが思いのたけをぶつけてますので、ゾンビものを書く上でかなり参考になってます。


76 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/22 10:32 ID:0jRUHi4w
何故かずっと51以降が表示されず「皆、DOTDで盛り上がってる?」と
思いこんでいたのですが...別ルートで辿り着いたら書き込みもあるは
投下もあるはでちょっと嬉しい驚きでした。(^^)

巡査物語さん
まるでこの星の何処かで起こっている様な錯覚を
覚えるほどリアリティ溢れる作品、堪能させて頂きました。
自分ならどうするだろう...やはり全人類の為に感染者は切り捨てる!?
でもフッと大切な人の顔を思い出し、もし実際にその場に居たら...
助けを求められたら...果たして切り捨てる事が出来るのだろうか...。
切ないテーマを自問自答してみたのですが、答えが出ませんでした。

カスケードさん
台詞だけで作られている作品なのですが、徐々に憔悴していく
二人の様子が浮かんできました。
シンプルなだけに色々と想像出来る作品でした。
やはりこの後は派手なお食事シーンに突入するんですよね?

77 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 12:47 ID:+3RB879L
最後の「腹減ったな」の台詞が怖ひ・・・

ドーンみてーー

78 :1/3:04/05/23 15:17 ID:BwMpZsk9
 お姉ちゃんが男の人をどこからか連れてくる。
 お姉ちゃんが地下室の入り口に案内して、隠れていた僕が後ろから押す。
 人の落ちる音。そして怒る声。
 少しすると、悲鳴。
 そしてお母さんが大人を食べる音。
 静かになる地下室。
 僕は、大人が置いていった荷物を調べる。
 缶詰があった。
 久しぶりのご飯。
 お姉ちゃんが缶詰を開ける。
「おいしいね」
「うん」

79 :2/3:04/05/23 15:18 ID:BwMpZsk9
 ゾンビに噛まれた日、お母さんは自分で地下室に入ると、ハシゴを外してしまった。
「二人とも、お母さんのことはいいから早く逃げなさい」
 僕とお姉ちゃんは嫌だと答えた。お母さんを置いていくことなんてできない。
 最初は、近所の人やときどき通っていく人から食料を分けてもらったりしていたのだけれど、
近所の人は避難してしまい、通りすがりの人たちも何もくれなくなった。
 だから僕たちは食料や、食料と交換できるものを毎日探していた。
 ある日、お姉ちゃんが泣きながら帰ってきた。手にはたくさんの食料を持っていた。
 お姉ちゃんは、何もいわずお風呂に入った。
 怪我をしたみたいで、足下には血が流れていた。僕は心配したけれど、お姉ちゃんはすぐに笑って大丈夫だと言った。
 多分、食料を持った大人と喧嘩をしたのだと思う。お姉ちゃんは喧嘩をして食料を盗んでくれたんだ、僕のために。
 それから少しして、お姉ちゃんが男の人を家に連れてきた。
「最初っから、そうしてりゃよかったのによ。暴れるからあんな目に遭うんだよ」
 笑いながらいう男の人。なんか嫌な人だなと思っていると、お姉ちゃんが男の人を地下室に突き落とした。
 その日から、僕たちはときどきお母さんに食べ物を渡すことにしている。


80 :3/3:04/05/23 15:19 ID:BwMpZsk9
 お腹はいつも空いていたけれど、お姉ちゃんとお母さんが一緒にいるから、僕は我慢できる。
「私たち、いつまでこんなことしてるのかな」
 夜、お姉ちゃんが突然そう言った。
「世界中がゾンビだらけで、みんなどこかに避難して。避難先にゾンビが増えるとまた別の場所に避難して。
たくさんいた人間の残した、たくさんの遺産。飲み水、食料、燃料。
それを今の人間が全部食べ尽くしたら、何処に避難するんだろう?」
「僕は避難しないよ。お母さんとお姉ちゃんと一緒にいるよ」 
「うん」
 お姉ちゃんの涙が僕の頬に落ちた。
 お姉ちゃんが僕の身体の上にいる。
「どうしたの?」
「動かないで」
 お姉ちゃんは笑った。


81 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 15:21 ID:BwMpZsk9
 続きは後日

82 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 15:23 ID:Wi9+NSn1
一番怖いのは、人なんだよね。


83 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 15:28 ID:3sq91o4E
>>82
なんか悲しいねぇ…

84 :須藤巡査長 ◆4Lb73Lq62Y :04/05/24 00:05 ID:jiZRujFc
2/1

毎日毎日、、下等生物の管理が続く・・・・
もう良い加減に全部ぶち壊して、お仕舞いにしてしまいたい
気晴らしに作った星の生物は、高度文明を築く所までは上手く行ったが
気象や自然環境のコントロールに失敗して殆ど消滅した。
別の生物は順調に進展したかに見えたが、惑星外に出た所で
勝手に他の星と星間戦争をした挙句共倒れで消滅した。

「・・なかなか上手く行かないものだな・・・。」

物思いに耽っていると、助手が入ってきた。

「Mr ゴット!朗報ですよ。」

んっ?何だ先日解き放った新惑星のカエルが文明を獲得したか?

「惑星番号TRA−14532の猿の進化生物による異常増殖が
緩和されました」

あぁ、”地球”とか言う奴か・・・途中までの進化過程は良かったが
突然に進化過程が暴走状態になったんだっけ?
兎に角増え過ぎた進化生物を制御する為に、手を打ったのだが末期状態で
あと20〜30年程度で消滅の判定が出ていた筈だが・・・・。

「環境破壊を承知で大規模戦争でも企画したか?あぁ、救い用も無い
性病を流行らせたんだっけ?あんなんで効果があったのか?」

全く、、この連中ときたら好戦的でしょっちゅう戦争するし安易に
目先の利益や快適を求めて、すぐに環境破壊を仕出かすし他生物の
弾圧も見過ごし難い、、なんちゅう下等生物だ!
・・・面倒臭がって7日間で天地創造したのは間違いだったな・・・。

85 :須藤巡査長 ◆4Lb73Lq62Y :04/05/24 00:06 ID:jiZRujFc
2/2

「Mr ゴット! 最近新開発の微生物をテストで散布しました
 結果は好調で進化生物の暴走は緩和され数も減少しつつあります」

何だ、、もう使ったのか?しかし死んだ生物を動かして共食いさせる
生物なんて悪趣味なものをよく作ったなぁ・・・、恐ろしい連中だ。

「総数は現在の所30億前後で最盛期の半分まで抑制しました、
 文明進展度は3500パーセクで最盛期の65%です、他生物や環境にも
 現在の所影響は出ていません、当面は文明崩壊の危機は免れたと考えます」

おっなかなか好調だな・・、全く進化速度が速過ぎるとろくな事がないからなぁ。

「良くやった! まぁ、絶滅させ無いように上手くやってくれ給え!」

会心の笑みを浮かべて助手は胸張った。

「ありがとうございます!全力尽くします。」

軽いステップを踏みながら立ち去ってゆく助手を尻目に、また物思いに耽る。

「次は、、ナメクジの惑星でも作るかな・・・。」


86 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/24 01:39 ID:OKFs5VeD
暇なので、まとめサイト休眠中のようですし
自分も読みたいので立てようかな、と思ったのですが、
過去ログほとんど読めないのですね。
辛うじて何故か残っていた3スレ目の一部のログだけ
サルベージしている最中なんですが、
官能小説っぽいのは、どうしたらいいんでしょうか。。。

87 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/24 01:41 ID:31dNfREs
>>86
21禁印でもつけておけばいいんじゃない。

88 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/24 02:09 ID:TWdauQkf
映画板に3レス分投下。
あとで手直しをしてからこっちに貼ります。

>>86
明日の夜ぐらいに私の持っている過去ログをupしましょうか?
一応ほとんどあるはずです。

89 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/24 03:06 ID:OKFs5VeD
>>87さん
分かりました。X指定ですね。

>>◆dve/1Ebaqsさん
ありがとうございます。ファイル形式は何でも大丈夫です。

ページの形式ですが、洒落怖のまとめページの
ような形で逝きたいと思います。
名無しさんで投下された方の作品は特にタイトルが無い場合、
こちらで便宜的にラベリングすることになるかと思いますので、
ご了承お願いいたします。

90 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/24 14:06 ID:/gYo+Im2
最初期の作品をまとめた奴なら、持ってるよ。
どこかに上げるか?

91 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/24 20:21 ID:TWdauQkf
http://up.isp.2ch.net/up/cf2c82fd8309.zip
過去ログを上げました。pass無しです。

OKFs5VeDさん、このぐらいしか手伝うことができませんが、作品保管庫の方よろしくお願いします。

92 :86:04/05/25 00:11 ID:U/y40Vcf
>>90さん
頂いたログを見てみましたが、膨大な量になっているので、
ご協力願えるのならば幸いです。

>>◆dve/1Ebaqsさん
頂きました。順当に進められれば、水曜の夜位には
3スレ目まではまとめられそうですね。がんばります。

93 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/25 07:17 ID:9eQdUIqF
>86さん
新しい保管庫を作って下さるのですか、嬉しいですね〜。
お役に立てる事は少なそうなので、陰ながらですが....
応援させて頂きます。
頑張って下さい!!

94 :90:04/05/25 11:12 ID:lf42IU7f
>>86

以下にUPしました。
内容は、錆取り氏が作った初期纏め版と
ゾンビスレの1〜7までです。

http://up.isp.2ch.net/up/d61045d0b4ee.ZIP



95 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/25 20:24 ID:KlWGf9vq
1日目:午前3:47。
寝付けず、BGM代わりに見ていたアニメ(録画中)に、ニュース速報のテロップが。
(うわ・・・また兄貴が文句ブチブチ言って、DVD買えって言いそう・・・今月もキツイな)。
『O市中央区M筋の路上にて、十数人の若者による傷害事件発生。警察が現在出動中』
「・・・・・・」
部屋の外に在る電話が鳴りました。
こんな時間に私の家へ電話を掛けてくる人、1人しかいません。
「もしもし佐橋です」
「おはよー。ヘイヘイ!お嬢さん、TVかラジオつけてみ」
やっぱり。朝から元気だわね。
「本郷、また徹夜?いい加減にしとかんと身体壊すよ?。今NBK見ててん、傷害ってね?」
「そうそう。もしかしたら、どこぞの市民団体か宗教か。@ルカイダかも知らないけどなー・・・
出勤までに収まってないなら、休んだ方が良いかも知れない。お前さんのトコ、M筋沿いだし」
本郷は高校の同級生。今でも付き合いがある、数少ない友人。
私とは違う会社に勤めている。部署は設計だけど、納期近くには旋盤回したりもするとか。
自分は労災で足を折ったり、肺炎なりかけでも出勤するくせに、人には何かと無理するなー
駄目なら休めと言ってくる。

96 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/25 20:25 ID:KlWGf9vq
学生時代から、腰を痛めたり風邪を引き易かったりと休みがちな私へ、ノートやプリントを帰宅
途中に持ち寄ってくれたっけ。
「それで電話してきたん?こんな時間に」
「君、いつも朝ギリギリに起きて〜TVもラジオも聞かない人だから。たまの早起きも良いかと」
早すぎるだろ。
朝7:45に家を出る人に言われたくな・・・お互い生活リズムを知り過ぎてるというのも、問題ね。
「そやけどね・・・、今日どうしても仕上げないとマズい書類があるねん」
「そう。・・・じゃ、気を付けていきなされ。爺には爺のお勤めが」
「爺って誰よ!アンタもまだ20代でしょうが!」
「はは、そうだよー。気を付けてナ〜」
電話を切ってから、ふと今年32歳になる兄の部屋の方を見る。
まだ寝ているのだろう。いい気なものだ。
父は2年前に他界した。母は私が5歳位に?おぼろげな記憶しかないけど、最期は病院。
団地住まい、借金が無いだけましな生活。
家計を支える働き手は、私。
本郷は、兄を生活保護が受けられるよう世帯分離し、すぐにでも手続き・別居しないと私の
青春(・・・プ)台無しと言う。
けれど特に何をしたいでなく、だらだら生きていたりする。
今日も、勿論そのつもりだった。

97 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/25 21:01 ID:KlWGf9vq
1日目:午前7:47。
遅刻確定・・・・・・orz。
寝過ごしました。佐橋 友美、今日は多分、2時間遅刻決定。
あたふたと化粧等の身支度を済ませ、兄の部屋の入り口に今日は残業するかもと付箋
メモを貼り、部屋のドアを開けて出る。
目の前で、何かが落ちた。

同じ団地の別の棟。正面の棟で、何かが落ちた。
私、何故か(・・・ダッチワイフが落ちたの?)と思ってしげしげと見てしまいました。
でも、ダッチワイフが手足をバタつかせて落ちる訳がない。
4階から落ちた「それ」は、ダンっと音を立てて地面のコンクリに当たり、すぐ遠目にも
赤っぽい液体が流れ出始めているのがわかる。
「・・・・・・」
『何か危険と感じたら、すぐ身体を捻って避ける事。女の感は怖いから』
そう本郷にいつも言われていたけど、私は突っ立っていた。
多分、時間的には・・・。世の中超スローって感じ。
携帯を鞄から出して掛ける。掛からない!掛からないよ!?。

あ、電源切ってる。
そうだ、だから本郷、家の電話に掛けてきたんだ。こっちは黒電話だし・・・・・・。
電源を何度か入れ直すけど、掛からない。ちょっと手が震えて、鞄と携帯を床に落とす。
部屋の前だからいい!。ま、まず119をダイヤル  話中だよー!!!
どうして!?
『世の中、色んな人がいるんだから、自分と同じ事を考えている人が一杯いてウザくても、
一々文句言わない。OK?』
うう、なんか本郷とのやり取りが走馬灯みたいに蘇ってきます。
ちょっと待って〜。

98 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/25 21:02 ID:KlWGf9vq
はじめまして。
今日は3つ。続きは明日書いてみますです。

99 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/25 22:34 ID:9eQdUIqF
78さん
必死で生きる姉弟を責める事は出来ないですよね。
一番怖いのも人だけれど、弱い物を守ろうとする事が
出来のもまた人ですよね。

須藤巡査長さん
お墓参りの帰りに一家全員が交通事故で即死...。
こんなニュースを聞く度に「神様っているのかな」と
やりきれない気持ちになります。
でもこんな神様!?だったら怖いですね。

DTさん
初めまして&乙華麗様です。
今時の女の子がゾンビの世界に巻き込まれたら.....
こんな感じなのかな?と思いつつ読ませて頂きました。
この後の「(多分)血湧き肉裂ける展開」に期待をして
お待ちしています。

100 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/26 07:24 ID:7ZX8f4h5
>>99 王都座夢さん
レスありがとうございます。頑張りたいです。
2つ いきます。

101 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/26 07:27 ID:7ZX8f4h5
1日目:午前4:10。
佐橋に電話を掛ける直前から、本郷はネット掲示板を色々巡っていた。
ちょっと過剰反応だったかなと思いながら、ある掲示板で新着レスを待っている。

   1: 【また】M筋暴動実況生中継【大阪か】 (1)

やはりスレが建った。
記者は現場近くのコンビニ店員。
店を離れるわけにはいかず、時々店の外から顔を出しての様子見が精一杯だという。
テロップの事と、店の明かりに惹かれて暴徒が寄ってくるかも知れないから注意汁とやり取り
をしているうちに、パトカー計6台と救急車2台が現場に到着。
他にもサイレンが近付いているらしい。
本郷には、近くを通る阪神高速上をサイレンの輪唱が中央区へ向かうのが聞こえた。

   108 名前:名無しさん :**/**/** 04:27 ID:23ruhhef
   DQNが喚き散らしててイヤーン。・゚・(ノД`)・゚・。 うおおDQNを警棒で滅多打ちぃ!!

本郷は何か聴けるかなと、机上に置いてあった無線機のスイッチを入れる。
伊丹空港、関空の航空無線を聴く為に購入したハンディレシーバー。
デジタル無線は聴けない。
消防無線では、警官が腕や首筋を噛まれて軽傷〜重傷、救急隊員も噛まれたとの事。
試しに、大阪市内をカバーしている他の消防本部に合わせてみると、こちらも頻繁に怪我人の
搬送を指示している。市外の尼崎、豊中、伊丹方面も少し混雑している感じがする。
本郷は子供の頃、夜9時頃からTV放送された「ゾンビ」を観てからモンスター物、ウィルス物、
戦争物といった方面の映画や小説を特に読むようになった。
あれが無ければ、それプラス叔父の存在がなければ完璧に違う性格に育っていたと思う。
(噛む?酔っ払い、ヤク中の錯乱・・・狂犬病とか?。まさか、いくらなんでも・・・)
ゾンビなわけないだろと突っ込みつつ、押入れの中から非常食等を入れたバッグを引っ張り出
し、中身をざっと見る。
大震災。あの時以来、日に一度は中身を確認する日々が続いている。

102 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/26 07:31 ID:7ZX8f4h5
『もう、死んだ方が良い』
「自分で死ぬのは、勇気と決断力と実行力がいるんだよー・・・」
通院しても一向に消えない声に答え、バイク用ジャケットとグローブ、ブーツ等を着込む。
無線は右肩後ろのポケットへ、右耳にイヤホン。ノートパソコンは、すぐ使えなくなるか
も知れないがバッグに入れて持つ。
@raiのオフロード用ヘルメットを2つ掴んでマンションの部屋を出る。
エレベーターを使わず階段を降りながら、ここへは二度と戻れない気がした。

午前5時になる前に、M筋で暴れていた人間は全員取り押さえられ、連行。
一旦実況終了という記者の書き込みで、スレの進行が緩やかになる。
類似スレが騙りも含めて建ち、大阪・兵庫・京都・奈良等は都道府県別統合スレが。
「小林〜、初めて現場から実況しちゃったよ」
相川が写メを撮り損なったと笑いながら言っている。
「こういう事もあるんだな。つか、走ってこっち来るし。マジ大丈夫?病院行った方が・・・」
「強く噛まれてないし、これからお客さん増える時間だし。あと1時間したら退けるし」 はっ
「いらっしゃいませ〜!!」^2。

「はい、じゃこれ領収書」
川井は黙って運転手から領収書を貰い、新大阪駅前でタクシーを降りた。
工場の視察という事で一昨日の朝、大阪着。
視察は特に問題も無く、―作業行程に改善が無い、社員に覇気も無い―。
接待に招かれたが、どうにも関西の趣向が自分に合っていなかった気がする。
パトカーや救急車のサイレンが耳障りで、一刻も早く町を出たい。
「お客さん、どうされましたか?」
「ちょっと酔っ払ってます。大丈夫ですから」
駅員は、それ以上何も尋ねず「お気を付けて」と言って通り過ぎた。
10分後、新大阪06:00発 新幹線のぞみ100号、700系がホームに入ってくる。
昨日深夜、接待からホテルに戻る道中、溜息をついたり「あ゛〜・・・ぁ」と小声で呟いて
いると、酔っ払いに右手を噛まれた。凄いぞ大阪っ!噛んでくるか普通!?。
噛まれた掌だけでなく、身体中が熱を持ちつつあるのを感じる。酒と疲れだな、これは。
相手の連れの謝り方で、こっちの気が済んだし、浅い傷だったから病院にも行かず。
少し意識が朦朧とする中、川井は車両に乗り込むと席で一眠りしようと瞼を閉じた。

103 :DT ◆RXByrmg3oU :04/05/26 07:36 ID:7ZX8f4h5
続きは、また。
地名伏せるの、一部やめてしまいました。ぅぅ。。。

104 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/26 16:52 ID:b/XDFacv
保守

105 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/26 17:22 ID:sQnL3xn5
>DTさん
当方関西在住なので、関西が舞台なのがなんだかうれしい!
これからの展開も期待しています!

個人的には登場人物の会話をもっと関西弁にしてほしいなあと思いますが、
そうすると締まるシーンも締まらなくなるんだろうなあ…

106 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/26 17:43 ID:xluLsw/8
今日初めてこのスレを見つけました・・が
今まで皆さんが投稿された分を見るにはどうしたらいいんでしょうか・・

前スレなど見れなくなってしまってるようなので非常に残念です。
他にゾンビ小説読めるところがあれば教えて下さい・・。゚(゚´Д`゚)゚。

107 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/26 18:26 ID:4USDjIl/
>>106
上にも書いてありますが、今まとめサイトを作って下さって
ますので、もう暫くしたら読めるようになると思いますよ。
だから有志の方々を応援しつつ、新しい投下を楽しみに
待ちましょう〜。

もう作品保管庫へは行かれましたか?

108 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/26 18:41 ID:4USDjIl/
DTさん
乙です。
被害がジワリジワリと広がってきましたね。
続きが楽しみです。

大阪在住ではありませんが、味のある関西弁は大好きなので
関西弁ゾンビ小説読んでみたいな〜。

109 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/26 18:53 ID:xluLsw/8
>>107
ご丁寧な回答ありがとうございます。
現スレの見落としでしたスイマセン(´ヘ`;)

それと・・重ね重ねお手を煩わせて申し訳ないのですが・・
作品保管庫へはどう行けばいいんでしょうか?
初心者丸出しでスイマセン・・ヽ(τωヽ)ノ モウダメポ


まとめサイト楽しみにしています。
有志の方々・・頑張ってください〜ヽ(´ー`)ノ


110 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/26 19:55 ID:4USDjIl/
106さん
作品保管庫はこのスレ先頭にある1を読んで頂ければ辿り着けますよ。
彼方では比較的最近の作品を読む事が出来ます。
とてもお勧めです。

それと、このスレはもう全部に目を通されましたか?
スレのお約束や最新の作品が数多く投下されていますので、
一度目を通して頂くと良いと思います。(^^)

111 :106:04/05/26 21:04 ID:xluLsw/8
>>110さん 重ね重ねありがとうございます。
現レスはざーっと目を通しただけだったので
見落としが多かったと思います。

今から現レスをゆっくり読み直します。
作品保管庫も見つかりました。本当にありがとうございました。(*゚ー゚)


112 :86:04/05/26 22:38 ID:2CJ9pw5e
>>90さんに上げていただいた以前の保管庫のログを
仮設ということで、ひとまずは以下のページに挙げさせていただきました。
うpありがとうございました。

http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/

非常に色々な面で問題があると思われますので、
早急に新しいものにかえていきますので、しばらくの間ご理解とご協力をお願いいたします。

>>王都座夢さん
お気遣いありがとうございます。上で書かせていただいたとおり、
ひとまずは、旧保管庫様のログ+8スレ目のまとめを挙げさせていただきたいと思ってます。

113 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/26 23:34 ID:xluLsw/8
>>112
キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
お疲れ様です!!よくぞここまで・・。゚(゚´Д`゚)゚。

ゆっくり時間かけて読む事ができるので嬉しいです!
ありがとうございました!!

114 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/27 00:24 ID:2wWH7YgC
>>DTさん
本郷さんは、佐橋ちゃんの元に間に合うのかな?
禿げしくしくしく気になる・・・(;;)。
きっと、実際にあったら また大阪かってスレが
立つだろうなってニヤけてしまった。

112さん、乙―。

115 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/27 04:31 ID:hIPtHPgZ
>>112
乙〜

で、現状で何が問題なのでつか?
現状のを発展させれば楽ですよ。
初期版を引き継いだ人も独自版にするとか言ってたけど、
結局挫折してしまったし。
楽なやり方を選択した方がいいと思います。

116 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/05/27 09:34 ID:GDjjF2SY
86さん
乙華麗様です!
こんなに短期間で名作達を一部とはいえ蘇らせて下さるとは!!
嬉しい〜♪d(⌒o⌒)b嬉しいよ〜♪
...頑張れと応援しておいて何ですが、ご無理はなさらないで下さいね。

117 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/28 11:00 ID:9VtlIUNE
マテリアルさん ◆zNU3ykSU様の作品読んで泣きました。
ジョンのお話・・最高です。素敵な作品をありがとう

118 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/28 12:14 ID:a88fTkH6
過去スレ読みました!
ゾンビにもいろいろあるんですね。
  ∧_∧
 ( ・∀・) どきどき 
 ( ∪ ∪  (皆さんの投稿、心待ち。でも無理しちゃイヤン。ゆっくりね)
 と__)__)

119 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/28 20:53 ID:OAC4G2Ue
よーしパパ、来月になったら投降するぞ

120 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/28 23:40 ID:v0W37L4V
作品集読んでみた。
よくぞ、あれだけまとめたね。
やった人に感謝。
でも、作業工数は相当かかっているんだろうな。

121 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/29 00:05 ID:tyMghiXU
>>115さん
いや、さすがに以前は本人様の許可があったのでしょうが、
今回は頂いてませんので、若干問題があるかなぁ、と。

現在は90さんから頂いた旧まとめ分にと
◆dve/1Ebaqsさんから頂いたログを編集中なので、
すでにまとめられていた03/06/dd以降の投稿分に関しては
今しばらくお待ちくださいませ。

122 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 01:55 ID:NoP3bUEm
 ゾンビの発生からしばらく過ぎた。
 街は混乱を通り越し、混沌と化していた。
 かつて賑わっていた大通りには今も人影が絶えないが、その全てがゾンビとあっては話にならない。
 無論私はそんな場所には近づかない。
 確かに豊富な食料や生活用品は貴重だが、わざわざリスクを冒すほどのものではない。
 だから私はホームセンターや町の中心部のように人が集まりやすい場所は避けた。
 同様に公の避難場所も避けた。
 公的な施設ということは、誰もが利用できるということである。
 冗談ではない。
 警察官が次々と襲われ、テレビは映らなくなり、ライフラインは途切れる。
 こんな状況では国の対応を待っていることなど出来ない。
 この国の昨今の腐敗ぶりを見れば、国の対応を待つなど馬鹿のすることだ。
 有事に際して最も活躍できるであろう自衛隊は、マスコミと市民活動によって年々規模が縮小されている。
 自分のことは自分で守らなければいけない。
 それだけではない。私はもう一人も守らなくてはいけないのだ。
 都合のいいことに今は全国どこに行ってもコンビニエンスストアがある。
 無論離島や過疎地には無いが、そういう場所にはゾンビ自体が少ないからまあ例外としておいていいだろう。
 被害が拡大し周囲の様子が騒がしくなり始めた時点で、私は少人数で安全に過ごせる場所の目星をつけておいた。
 混乱が広がる前、家庭教師先の一つに警備会社重役の家があった。

123 :2/5PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 01:56 ID:NoP3bUEm
 そこの父親にずいぶんと気に入られて、いろいろと仕事の話を聞かせてもらっていた。
 大学の専攻が電子機器制御だったこともあり、『うちの会社に就職したらどうだい?一度職場を見学しに来なさい』と誘われるほど気に入られていた。
 案内されるうちに話が進み、所属していた研究室とその会社間で警備機器の共同研究までしたぐらいだ。
 結果、私はこういった倉庫や様々な企業施設に詳しくなった。そのうちのひとつがここの倉庫街だ。
 私はよく知っている事務所のひとつをねぐらにして、この状況を生き延びることにした。
 出入り口は三ヶ所。一階のシャッターと裏口、二階の事務所入口だけだ。
 あとは内部の事務所と倉庫を結ぶ階段を封鎖すれば基本的に出入りはできない。
 事務所には宿直用の施設もあり、贅沢を言わなければ何とかやっていけるはずだった。
 騒ぎが大きくなり始めたときには、よく山菜取りや釣りに出かけた渓流のある山で過ごすつもりだった。
 水と山菜、野山の獣に畑の野菜。食料の当てはあった。
 基本的に人気のない場所なので、ゾンビの心配も少ない。
 道が険しく、万が一ゾンビが来ても近寄れないように細工するのもたやすい。
 一人で生き延びるのならば、間違いなく山に向かっていたはずだった。
 途中にあるのは寒村だけなのでたどりつくのにも苦労はしないだろうし、そのあたりの地形も良く知っている。
 だが、止む無い事情により私は治安回復時のことも考えて港のほうを選んだ。
 海は天然のバリケードであり、また万が一の脱出路でもある。
 船の運転に尻込みする必要も無い。小型船舶の運転はオートマ車とさほど変わりないからだ。
 免許を取るのもさほど難しいものではなかった。
 必要なもののうちいくらかは周囲の倉庫から失敬させていただいた。

124 :3/5PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 01:57 ID:NoP3bUEm
 しばらくは持ちこたえられる。その思いが油断を生んだ。
 あたりの巡回を終えて事務所に戻ってきた私は、信じられない光景を目の当たりにした。
 一瞬ありえない事態に思考が止まり、それの意味する事実が氷柱となって背筋を刺し貫く。
 いつも締め切ってあるはずの二階入り口が開いていた。
 ありえない。
 絶対にありえない。
 だってあそこは中から開かなければ閉まったままのはずだ。 
 事務所は基本的に中からしか開けられないようにしておいたはずだった。
 鍵穴を埋め、中から心棒で抑えてある。
 また、『この扉は施錠されています。御用の方は正面警備室までか、正面インターフォンを使用してください』という掛札もそのままにしておいた。
 不思議なことに、この非常事態でも日ごろの習慣や常識は破りがたいものらしい。
 障害者や車椅子用の駐車場スペースは開いていることが多いし、相変らず人は扉から出入りしようとする。
 さらにこういった掛札があると、ほとんどの人間は扉を普通に開けることに疑念を抱かない。
 鍵を壊して扉を開けることは思いついても、蝶番自体を取外してまで侵入しようとは考え付かないのだ。
 一階の裏口だけは万が一に備えてダイヤル錠で施錠しておいたので、中の人間が扉を開けられない状態でも私は出入りできるようにもしておいた。
 偶然ダイヤル錠を開錠したのだろうか。それこそありえない話だ。

125 :4/5PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 01:58 ID:NoP3bUEm
 足音が当たりに鳴り響くのも構わず、私は全速力で階段を駆け上がった。
 ゾンビがいようと知ったことではなかった。
 誰かに聞きつけられる恐れなど頭から消え去っていた。
 ただただ中の様子を確かめる為に一目散に駆け上がり、扉を潜り抜けた。
 そこにいたのはひきつり驚いた顔で私を見つめる十人ほどの男女の姿だった。
 移動する私の後をつけたのだろう。
 それで事務所に気がついたようだ。
 なんてことだ。
 問い詰めようとさらに一歩踏み出す。
 ジャリッ!
 靴と床の間からガラスのこすれる嫌な音がした。
 ガラス窓を破って入り込んだらしい。
 窓から入り込めないように板を打ち付けると、かえって人目を引く気がして事務所入口のガラスには透明なテープを張るだけしかしていなかった。
 それでもゾンビの侵入を防ぐには十分と思っていた。
 いや、なにより日の光がいとおしかったのだ。
 暗闇の中、かすかな物音に怯え、枯れ尾花を恐れるのはつらい。
 せめて日中だけは光の中で暮らしたかった。
 それが仇になってしまった。
 入り込んでいたのはどこぞやの市民団体の連中だった。
 まだ入り込んだばかりなのを確認して、少し安心する。
「助けてくれ」に始まり「君の持ち物じゃないんだろう」と続き、最後は「われわれ同じ地球市民として助け合おうじゃないか」ときた。
 私は日本国民で、地球市民という幻想世界の住人ではない。
 国から恩恵を受ける代わりに納税し、働き、投票し、法を守る。
 国全体の利益を考えて多少の不利益も我慢する、単なる一国民に過ぎない。

126 :5/5PIP ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 02:04 ID:NoP3bUEm
「冗談じゃない!」
 私は思わず声を荒げた。
「君たち自称プロ市民とやらが反対したせいで自衛隊がまともに動けないんだ!君たちはこの国が嫌いなんだろう。だったらさっさと他の国に逃げれば良いじゃないか」
 彼らが口にするのはぶつぶつとはっきりとしない返事だけだ。
「君たちは話し合えばなんでもできると思っていたんだろう。だったらゾンビと話し合えよ」
 どうやら痛いところをついたらしい。押し黙ったまま彼らは私を睨みつける。
 こんな奴らをいっしょに生活できるはずが無い。
 サバイバル用の鉄の杖を振りかざして追い返そうとした時だった。
 カタンと小さく物音がなる。
 まずい!
 物音の方を奴らが見る。
 そこにいるのは中学生になったばかりの少女だ。
「なるほど。だから私たちを追い返そうとしたんですね」
 中年の女がいやらしい目つきで私を見る。
 他の奴らも同じような眼をしている。
 私はため息をついて、少女に上に上がるように言う。
「どういう関係なんだね。まさか援助交際なんて言わないですよね」
 腐った物言いに思わず手を出しそうになる。
 彼女は家庭教師先の教え子だ。両親を失い、他に頼る相手もいない少女相手に援助交際?
 良くもそんな考えができるものだ。
 まずは安否を確かめるのが人間として当然だろうに、開口一番下卑た詮索とは。
 さらに言えば、仮にそういう関係だったとしてもまず少女を庇うべきだろう。
 それが常識だ。
 この秩序の崩壊した中で、弱者への思いやりを失ってしまえば人とゾンビに変わるところなどない。
 だというのにいい責め口を見つけたとばかりの言葉に、私はむしょうに腹が立って仕方がなかった。
 何より自分たちの口にした言葉が、少女の心をどれほど傷つけるのか分からないのだろうか。
 口々に喚きたてる彼らは、外をうろつくゾンビよりも確実に醜かった。

127 : ◆dve/1Ebaqs :04/05/29 02:17 ID:NoP3bUEm
むしゃくしゃして書いた。
ゾンビものなら何でもよかった。
今は反省している。


このあとで少女と脱出するパターンは2レス分で書き終わっているんですが、なんかもったいないような。
でも書きやすいパターンだと
1)私と少女だけで逃げる
2)私だけ別の場所に旅立つ
3)いがみ合っているうちにみんなはさ〜ん
4)誰かがゾンビになって私もかまれる。私の犠牲を見て少女が自立する
こんなところぐらいですね。

5)誰かがゾンビなって私をおいて少女が逃げる
6)少女が市民団体のほうを信頼して私をゾンビの餌にする
このあたりになるとちょっと書きにくいですね

7)いがみ合っているさなか別の団体(暴徒)が侵入。それこそ地獄絵図に。
……もうダメポ

128 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/29 18:20 ID:DKi8p9Lx
乙―!!
少女だけ残したら、碌な目にあわない気がムンムン。
がんがれ家庭教師って感じです。

129 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/29 22:38 ID:ghzL4vgu
実際の地震(阪神大震災)にしろ、創作上の物語にせよ、
プロ市民というのは、碌な事しないのね。

ゾンビ以下だな。

130 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/30 01:32 ID:UA0svfdi
神戸の地震のときも邪魔だったし、そのあとも礼もしなかったみたいだしね。
中国やロシアににらみをきかせてきたから平和が保たれたのにさ。

>国から恩恵を受ける代わりに納税し、働き、投票し、法を守る
禿同。
漏れも非常時には国に頼る気満々なのでまともな一般市民として暮らしている。

本当にゾンビが出たとしたらさ、プロ市民はどんな反応するのか創造してみると面白いかも。

131 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/30 14:34 ID:Yaaj3LBH
          ,. -───-: 、
          /::::::::::::::::::::::::::::::::\
          / '':::::::::::::::::::::::::::::::''''' ヽ
         !::::::::::ィ::ハ:::;::::::::::::::::::::::::::!
       i::|:::i::/l/  i;::ト、:、:::i:::::::::::::::i
       |::i/レ'-i''  'ヽi-ヾ,ヽ!:::::::::::::l
       |::ハ -‐-   -─- i::::::::::::::l    また大阪や・・・
       |::::::l|  |     |  | |::::::::::::::!
       |::::::ヽ | r---、! l,.!::::::::::::::l
       l::::::::::::`;'-'=,‐,='r''i~!:::::::::::::::|
         !:::::::l、::r'"´'. ' l ' i::::::::iヽ:::l
       i:l、:::|./、_____,l::::;l:/‐'ヽ!
        '!ヽ;i'>l____,.//-‐'''"ヽ
            !/ |.VVVVVVVV.lV\!. i
         |  |        |    l
お約束ですがW
地名は伏せないくていいと思います。
近畿の中の一人としては、直球でも親近感涌きますよん。

ゾンビが出たら、きっとプロ市民は逃げて安全なとこ・・・・今と変わらんか。
下手にいい訳がましい分、うっとおしさ兆倍ってとこかも。読みたいな〜。

132 :Щ(゚皿゚ Щ:04/05/30 22:01 ID:cX3dNR3I
まとめページ7スレ目分の一部を更新しました。
遊園地編ということでワールドシェアされている作品群は
あとでまとめて更新します。
節穴eyeなので、採掘し忘れている作品、書き込み
などもあるかもしれないので、
おかしい部分などがあればご指摘お願いします。

>>◆dve/1Ebaqsさん
勝手に命名してしまいますが、『一之瀬尚也編』の第5スレ目186レス目の
書き込み以降の最新の投稿がつかめません。。。お手すきでしたら、
該当するレス番をお教えください。

>>巡査物語さん
黒歴史っぽい6スレ目からシベリア物語2をサルベージして掲載しております。
問題があるようでしたら、もうしつけください。



133 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/30 23:46 ID:PnuMUrFU
どなたか、こんなブログを作ってみませんか?

ブロガー、ゾンビに包囲される
http://www.med-legend.com/column/urbanlegend12.html#trapped_by_undead

134 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/31 12:30 ID:ohb/6xzl
今  夜  11  時  だ  れ  か  が
                                書  く

135 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/31 22:58 ID:bVT2BlwY
まもなく朝鮮半島でリアル・ドーン・オブ・ザ・デッドが起きるw。朝鮮半島
のヤシは全員、銃や大砲で武装したドーン型ゾンビが「地獄」から溢れ、
食い荒らされて終了w。

十年後の韓国
http://ex5.2ch.net/test/read.cgi/korea/1078289279/

345 名前:マンセー名無しさん 投稿日:04/04/25 14:06 ID:sPqDKi2d
北朝鮮は金正日一人だけが狂気なのではありません。
あの国で生きている人民全員が狂気です。
将来、北主導であろうと、南主導であろうと、南北が統合されたら、

その1800万人の「狂気」が南に解放されます。

韓国国内の治安は消滅し、正常な経済運営は困難となります。
韓国は終わります。




136 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:20 ID:ruuM+9uQ
ちょっと投下します。
関西弁については、某香山さんみたくガチガチな人は文字通り
の親父キャラが出てからになるかなと。すみません。

137 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:25 ID:ruuM+9uQ
1日目:午前4:50頃。
本郷は、同じ区内に住む母の元へと急いだ。
合鍵で中に入り、ベッドの上で少し寝ぼけ眼の母に誰かがドアをノックしても絶対に
返事も開きもしないよう念押しし、叔父に会うと言い残して吹田市へ単車で向かう。
既に混乱が始まっているかと思いながら16号線沿いを走るが、道行く人々は特に焦る
風でもない。
レシーバーから流れる消防無線は、徐々に平静さを取り戻しつつある。
「我ながら浮いてるな…いつもながらとゆーか、いつにも増してとゆーか」
このまま行くと、妄想逞し過ぎとか何とか、晒し者にされる気がしないでもない。
道端に単車を寄せ、エンジンを掛けたまま停車。叔父の家と携帯に電話を掛けてみる。
繋がらない、繋がらない、掛からない、出ない。
他に、自分の同僚に電話が繋がるも、やはり常識外れな時間の電話と思われている。
今日は急用で会社を休むと伝えた。
内山、中村といった友人・知人にも電話をすると、類は友を呼ぶのか自宅立てこもりと、
人気の少ない所へ行く者に分かれた。
小林と相川という高校の後輩には繋がらなかった。今時分は、きっとバイトだろう。
消防無線が、再び慌ただしさを増す。今度は天王子区と生野区で複数の傷害事件。
中央区の事件現場から、約4km。警察が来る前に逃げた連中が、南東に徒歩で移動した
とすれば時間的には合う。
逃亡者が一体何人いるのか、そこから北方には来ないで欲しいと願いつつ、道を急ぐ。
叔父の店に電話が繋がるも、留守電。そちらへ向かっている旨、伝言を残して走り出す。
吹田市に入り、通勤サラリーマン、パート出勤かママチャリの人。子供の姿も増えてきた。
信号待ちをしていると、道端では暴動が…怪我人がといった単語が聞こえる。
皆、何も知らずに行動している訳ではない。
しばらくして、叔父の店が見えてきた。フェンスが閉まり、シャッターも降りている。

138 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:31 ID:ruuM+9uQ
看板に目印のシールが無い=いないという事だ。
停車せずに店の前を通り過ぎ、第2目標の民家――四条畷市郊外――に向かう。
叔父に、有事の際の待ち合わせ場所等を相談した当時、本郷は高校生だった。
20歳になると、猟銃所持の為にN警察署へ初心者講習とテストの申し込みに行った。
生活安全課の佐伯という人は、「猟銃は危ないよー。事故も起きるよ?」と諭す感じ
だったが、特に強い反対をするでなし、手続きの説明や面接も簡単なものだった。
――相手に嘘をつくのは嫌なものだ。佐伯のいかつい顔は、在りし日の父を思い出させる。

叔父宅の2階、窓のカーテンは閉じられている。
ガレージ前で停車すると、何もせずともシャッターが上がり、全部上がる前に単車を入れ、
ガレージ内部の開閉ボタンで閉める。いつも通り合鍵で家に入ると、叔父が出迎えた。
「こんちは、叔父さん。朝早くからすみません」
ヘルメットを脇に抱え、グローブを脱ぐ。ブーツは脱がずにスリッパと決まっている。
史郎は姪の雪を見て思う。
短髪、ちょい丸顔。身長は162cmで止まり、中肉中背。親父の血か、白い肌。
色気が表に出てないのは良い事だ.。少なくとも今は。
「おう。電話しても全然通じんから、来るん待っとった。和枝姉さんは駅前の自宅か?」
「はい。ドアを開けないよう念押ししてきました。ところで、中央区の…あれって」
言いながら史郎の部屋に2人で入ると、そこでも消防無線が鳴っている。
「無線聴いてるか?そういやLANZAは?」LANZAは、前回雪が乗ってきたバイクだ。
「LANZA、人に譲りました。…よう乗りこなせんかった。2系北方面とか聴いてます」
部屋の無線が、難波で多数の負傷者発生と告げた。
叔父はフーンと鼻で答えると、クローゼットの更に奥、壁の中に備え付けられたロッカー
のチェーンを外し始める。
「かなりマズいんでしょうかね?」

139 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:34 ID:ruuM+9uQ
「そう思ったから、俺ん所に来たんだろ」ロッカーの中身が、全てテーブルに出される。
「……」
「用心し過ぎて、違ってたら笑い話。巻き込まれたら死ぬ。筋トレしてるんか?」
「なんとか続けてます」
「頼んないなー。ほれ、そっちの2丁持って来て」
M1Aと3ヶ月ぶりのご対面。腕落ちてるな…絶対。
その他、無線機を車に積みこんだり、広げていた地図の類も片付け車に乗せる。
「車に積んでる店の分。場合によっては、移動して隠したと警察に連絡しよ。じゃ、
お母さん迎えに戻ろーか」
「友も連れて行きたいです」
「ああ、同級生な。その娘の居場所、わかんの?」確か、佐橋友子…友美?。
時刻は午前7時を回っている。
佐橋家の電話は、話中で誰も出ない。先の電話が終わった後で、鳴らないよう受話器を
上げたままにしていた。
勤め人の携帯は繋がらない。
地下鉄にいるか、早番の事務所掃除とかで携帯の電源を切ってなると本郷は思った。
「会社に通勤途中か、着いた頃かなと」
本郷は知らない。佐橋が寝坊して、まだ団地にいる事を。
「会社どこよ?」
「御堂筋です。母の事、頼みます。花博覧入り口辺りで降りて、友迎えに行きます」
「…状況理解して言ってるんかいな?それ」
単車を車に積み、固定しながら史郎が尋ねる。本音は御堂筋なんぞに行かせたくない。
「わかってますよ。一緒に来るかどうか聞いて、その気なら連れてきます」
多分、彼女の兄との関係で来ないだろうが。
聞かずに行くのは、後々一層後悔する事になるかも知れない。

140 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:40 ID:ruuM+9uQ
そうか、とつぶやいただけで史郎は姪を助手席に促し、車に乗り込む。
ガレージから車を出し、シャッターが閉まりきるのを見てから、その場を離れた。

大阪市内に戻る途中、初めて悲鳴を聞いたのは、門真市に入った直後だった。
「叔父さん、10時の方」
「見えてる。普通でないんもな」
女性らしき人が、2人の人間に絡まれ、道路へ引き倒されていた。
気付いた他の通行人が助けようと4〜5人で向かっていく。
向かっていくのは、20〜40代の男性だけらしい。
それ以外の通行人。特に女性は悲鳴を上げたり、早く助けてよと激を飛ばしている。
「今のうちだけかもな、ああやって立ち竦んでられるんは」史郎がぼそっと呟く。
自動車学校近くで雪はバッグを1つ持って単車に乗り、叔父と別れた。
彼女は国道163号を少し逸れ、府警第1機動隊の詰所を通り過ぎてみる。
3台の大型車が急発進していくところだった。

午前7:51。
団地の3階で佐橋が部屋と廊下を行ったり来たりしていると、右隣の部屋から専業主婦
の高橋さん(58)が出てきた。
「おはよー友ちゃん、さっきから何バタバタしてんの?」
佐橋は黙って向かいの団地の駐輪場を指差す。
「あらまぁー、人が………えええええええっ!!?」
「さっき、4階から飛び降りたんです!!電話繋がらないんです!!どうしよう!?」
焦る佐橋を置き去りに、高橋さんは、2件隣の扉を叩く。
女性が出てきて、一緒に あー まー ひゃーとか言ってる。
「どおしよぉ〜!!」佐橋、叫ぶ。

141 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:43 ID:ruuM+9uQ
「と、とりあえずアンタ、電話掛けとき!私、見てくるから!!」
その騒ぎが聴こえたのか、何軒かのドアがゆっくり開き、何々?と顔を見合わせる住人達。
佐橋は何人かのご近所さんと共に、落下した人に向かう高橋さんの様子を見ていた。
高橋さんと、何人かが怪我人の傍に寄り声を掛ける。
その真上。ドアが開いたままの部屋から、誰かが出てきた。
「……何あれ」
出てきた人の胸元から下、服の模様としては不自然に赤い。
何か棒が刺さっている様子だ。
「田中さんの旦那さん……じゃあ、落ちたん奥さん?」
野次馬の半数は、田中夫妻の夫婦仲が危機的状況というゴシップを知っていた。
じゃ、これ…。夫婦喧嘩なん?奥さん自殺したん?
もう1人、田中さんトコから人が出てくる。物凄い派手さを持つ女性だった。
野次馬のテンションが益々上がる中、田中さんトコの隣から人が出てきた。
田中さんの姿に腰が抜けたか、尻餅をついたまま、部屋の中に戻ろうとする。
田中さんも一緒に付いていき――絶叫が辺りに響く。
女性がこちらを向いた。化粧濃いにも程がある…。好かんわ。
「おい、あの女、逃げるんちゃうか!?」
何人かの野次馬が、我先にと階段の方へ走る。
ええい、取り囲んで罵倒すんでしょうけど、まず救急車でしょ!
119繋がった!!。ヨッシャぁぁぁー!!!
名前と住所、4階から落ちた人1人、血塗れ1人、喧嘩が始まりそうと言い、電話を切る。
何人かの男女が女性と田中さんを取り囲み、取り囲まれた方が相手に掴みかかっていった。
救急車とパトカーが来た頃には、2対数十の大喧嘩。
2人は、ぴくりとも動かない。その傍で、警官が消火器とバットの凹みを見ている。
別の警官に、正当防衛だと唾を飛ばして主張する人達。……複雑な心境やね。

142 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:52 ID:ruuM+9uQ
噛み付かれた部位を見せる姿に、なんてゆーの?子供の怪我自慢?って印象をもちました。
最初から見ていた私と高橋さんは、もう30分位、パトカーの中で色々尋ねられている。
しんどいなぁ…。8時半、過ぎたよもー。
こんな事なら、本郷のゆう通り部屋から出ないで休んでたら良かった。
     ―――実は、午前3:47の電話で起こされて二度寝しなければ
        この事件に関係うわなにをfぽjkvghggggg―――
「大丈夫かー?友。あっちで『夫婦喧嘩の挙句に奥さん飛び降り自殺』とか聞いたけど」
「……なにしてんの?アンタ」
見慣れた青いジャケットの人が、私の部屋の前で待っていた。
グローブと暑そうなズボンは、白地に青と黒のカラーリング。今日はブーツまで履いてる。
髪でも伸ばせば多少色っぽくなるのに、化粧より、髪より、バイクの方が大事な人。
こんな大騒ぎになってても、兄貴は部屋から出てこん。
高橋さんは、主婦グループ総動員の井戸端会議の音頭をとってる。入ってけん…。
むっちゃ心細かったんよ。
「なんでここ…来たん?」 くあ〜自分でも捻くれてるんがが〜。・゚・(ノД`)・゚・。
「お前さんの会社行ったら、出勤してない、無断欠勤しとるっ!て怒られてなー。佐橋、
昨日から体調崩してて、電話も何か調子悪いし、会社まで様子見に来たて誤魔化した。
水野とかいう人が、今日は大事とって寝とけって。で、会社から地下鉄の駅までバイクで
戻ってやねー、ここまで来たんだな。…ところで、20分で手荷物まとまるかー?」
ごく普通に話しながら、家人を先に部屋へ入れ、本郷もブーツを脱いで入ってくる。
佐橋は、この時少し勘違いをしていた。
彼女は、これから気晴らしにツーリングへ連れて行ってくれるのかと思っていた。
以前にも、落ち込んでいる時に半ば無理矢理、琵琶湖へ連れて行かれた事がある。
今日は、地獄巡りになるかもしれんけど一緒に来るか?と本郷が話し始めた。
「ごめん・・・むっちゃ頭痛いねん。地獄って何処よ本郷」
私、冗談と思ってました。よくいるでしょ?変な言いまわしの人って。

佐橋も本郷も、それが冗談で済まないと分かったのは、それから約30分後の事だった。

143 :DT ◆RXByrmg3oU :04/06/01 19:53 ID:ruuM+9uQ
以上。
また後日に〜

144 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/01 22:56 ID:JjpjFLcf
>>DTさん
「本郷キタ━━━(゚∀゚)━━━!!」
以上、佐橋さんの心の気持ちを代弁してみました。
ちょっと意外なタイプの人でしたよ。
停車して形態とか、ピーのテストを受けてたりとか。
専業主婦の高橋さんが気になります。きっとオバタリアンうわなにくぉ

145 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/06/02 08:09 ID:EIDo7veX
PIPさん
乙華麗様です。
何やらとげとげされている様ですが...一体どうされたのでしょう。
攻撃的なリメイク版ゾンビに噛まれてしまいましたか?(^^i
その後の二人の運命、一体どうなるのだろう。
(この物語と)別の作品の世界が繋がっていて、ピ〜ンチの所に
偶然通りかかった尚也さんが主人公と少女を助けてくれる...
なんてパラレルな展開はベタすぎて駄目ですよねぇ。

Щ(゚皿゚ Щさん
激しく乙華麗様です!!
過去の作品が次々に読めるのは最高に嬉しいですね〜。
もう何とお礼を言ったらいいのやら。

DTさん
乙華麗様です。
実在の地名が入るとよりリアルに物語を楽しめて良いですね。
その土地に馴染みのある人なら、より楽しめるのだろうなぁ。
ちょっと羨ましい。
ゆっくりと、そして確実にゾンビ達が包囲網を狭めてきていますね。
30分後には一体どんな事が起こるのだろう!
続きとこれからの展開が楽しみです。

146 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/02 23:13 ID:Pf0YzUui
>DTさん
ニュー速から、まだ5時間弱ですよね。
1日目どこまでいくか。1日で関西壊滅な気が・・・

匿名掲示板ゆえのスレ違いっ。ありそうですね
後輩と先輩、これっきりなんでしょうか。

147 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/06/03 17:41 ID:MLk/rkCp
Щ(゚皿゚ Щさん

激しく乙です。
反応が遅くなって申し訳ないです。
全く問題はありません、必要なものがございましたら
ログを引っ張り出します。
来週末にシベリア出張が決まりましたので
また、ちこっと連絡不能になるかも試練です。


148 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/03 20:46 ID:o8kMuh05
巡査物語さん、またシベリアですか。
今度は安全なところですよね?
ちょっと心配。

DTさん、その地方独特の言葉や情景は物語にいいリアルさを付け加えてくれますね!
日常の崩壊はあっけなく訪れる。あとで後悔しても遅い。
足元の現実が崩れていく怖さ、楽しませていただきました。

Щ(゚皿゚ Щ さん、まとめページの管理ご苦労様です。
拙作の尚也篇の第5スレ目186レス目以降は1レス分しかありません。
とりあえずそこは書き直している最中なので、確認できた分だけでまとめていただけると幸いです。
それと中途半端なまま放置しているシリーズ中篇を一気に片付けていますが、
書きあがった時点で初めから(昔貼った分も)貼ったほうが良いですかね?
いちいち過去ログを見ながら読むよりも、そのほうが楽だと思いますが編集のお手間でしょうか?


149 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/04 02:10 ID:fr6QGfHq
鯖の調子がめちゃくちゃですね。
繋がりにくく、繋がっても最後まで読み込まない。
家庭教師の話と直毘の方が一区切りつくまで書いたのに。
こうなりゃ調子が戻るまで、書きためるか〜。
次はエヌ氏とアール氏に取りかかります。
その次は書きやすい遊園地か娘のために本土に渡った父親の方で。
これも書き込めるかどうか。

150 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/04 02:46 ID:2NnTP6jW
「バタリアン」復活!
ホラーの巨匠ジョージ・ロメロの記念すべき第1作目「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」のストーリーが実際にあったという前提で作られた間接的な続編である「バタリアン」。
パロディ感覚のゾンビ映画で、三作までシリーズ化されていたが、この度パート4、5と続けざまに製作される事になった。タイトルはそれぞれ「Return of the Living Dead 4: Necropolis(共同墓地)」、
「Return of the Living Dead 5: Rave From the Grave(墓場のうめき)」。撮影は6月からルーマニアで行われる。

ttp://www.monster-legend.com/news/index.html

マジっすか?

151 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/06/05 11:30 ID:ZzFNDSBo
>「バタリアン」復活!
いよいよ来ますかね!?ゾンビブーム♪
本当だったら凄く嬉しいな。

152 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/05 14:10 ID:DRFtZP2s
鯖の重さについてですが、
スレ違いだが、2ch運用情報板で以下のスレ有り。

携帯からのアクセスを議論するスレ
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1086309933/l50

6月1日からNTTdocomoのFOMAによるパケホーダイのサービスが
開始され、それにより2ch各鯖のトラフィックが急増。
パケット定額制は、NTTの他にもauやDDIPOKECTにもあるが、
激増したのが、6月以降なのでFOMAによるアクセスと思われるという事です。

153 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:39 ID:lQkLmMfr
>>6>>17-19>>21の続きです。

 私は両親を早くに無くしたそうだ。
 だがそれを悲しいと思ったことは一度もない。
 いないものは仕方がない。無いものは無い。ただそれだけだった。
 離れた時間が、叔母一家のこともそう思うようにするのではないのか。
 それが怖かった。
 杞憂だった。
 昔と同じく彼女は、元気で、明るくて、乱暴で、そして優しかった。
 それが嬉しかった。彼女の自然な態度全てが、私を受入れてくれている証のように思えた。
「どっかぶつけたのか?医者とか呼んだ方がいいか?」
 私が沈黙したことを苦痛のしるしと見たのか、盛んに容態を案じる。
「大丈夫だよ。ありがとう」
 幸いと言ってよいものか、痛みや妙な感覚は無い。
 隣りの和室から障子を開けて縁側に下りる。
 素足のまま庭に下りた私に、彼女は何か言いたげだったが結局何も言わなかった。
 二、三歩進み、ゆっくりと空を仰いだ。
 月が出ていた。きれいに整った庭園は白い光に包まれていた。
 大小の池を結ぶせせらぎが優しく歌い、夏の虫が庭のそこかしこから涼やかな音を奏でている。
 風が熱気を吹き払い、庭の草木を凪いでいく。
 足元の庭石から背筋を抜けて頭長へと伝わる冷気が心地よい。
「なおび?」
 黙ったまま庭に立ち尽くした私を心配したのだろう。
 縁側に立って心配に顔を歪めている。
「裏の滝に行こう。たぶん、そこでならこの汚れも落ちる」
「はぁ?ふらふらの病人を連れて行けるわけ無いだろ。馬鹿なこといってないでさっさと風呂に入れ」
「君が洗ってくれるのなら、別に滝に行かなくてもいいけどね」
「……デッキブラシと金ダワシどちらがいい?サービスでクレンザーはたっぷりつけてやる」
「刺青でもこすり降ろすみたいだね、それって」

154 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:39 ID:lQkLmMfr
「やっぱり後ろまでついてる?」
 私は滝につくなり従姉の了承も得ないまま、やにわに寝巻きを脱ぎ捨てた。
 あまりに異様な痣に気圧されたのだろう。目の前で裸になったが、予想された怒声が聞こえない。
 私は徐に水面へ足を踏み入れ、腰のあたりの深さに達するまで進んだ。
 ここに来るまで大分汗を流したが、その不快さが一気に拭い去られていく。
 滝とは言ってもそれほど水量があるわけではない。
 夏場はよく水浴びをして遊んだ記憶がある。
「落ちたかな?まだ残っている?」
 前面の穢れはかなり薄くなっているが、擦れない背中の方が気になった。
「全部落とさないとまずいから。残っていると帰れない」
 答えが無いので振り返ると、従姉は驚愕した顔のまま固まっていた。
 無理もない。あれだけの痣がついているのを見れば、だれだって言葉が出ないだろう。
 とりあえず目に見える範囲の穢れは流し終えたので、一度水から上がることにした。
 水を掻き分け、ゆっくりと従姉の方に戻る。
「何か背中を洗えるようなものを持ってくるべきだった」
 水辺のやわらかい草の感触が、足裏に気持ちいい。
 おかしい。
 水から上がった私を見ても、従姉は眼差しを俯かせて無言のままだった。
「どうしたの?」
 重ねて問う。返答は無し。さすがに変だ。
 私は微かにうつむいた従姉の顔を腰をかがめて覗き込んだ。
「……」
 従姉は目をつぶったままなにやらつぶやいている。
「607、613、617、619、631、641、643……」
 何故に素数を数えているのだろうか?

155 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:41 ID:lQkLmMfr
「とはいえ、脱ぐなら脱ぐと言えってんだ」
「身の穢れを禊払いをするからには脱がないと。それに寝巻きを濡らすと帰りで困る」
 たっぷり997まで数えた後で、ようやく従姉は目を開いた。
 私は待っているのに飽きて、再度水につかりながらそれを眺めていた。
 数え終わった後で彼女は思いっきり息を吸い、ついで私に向かって悪罵を叩きつけ始めた。
「変態露出狂恥知らず浮気者痴漢色気狂い鈍感間抜け――」
 聞くに堪えなくなり、私は水の中にもぐって罵詈雑言をやり過ごした。
 息の限界まで潜り続けゆるりと水中から顔を出した時には、従姉は悪口の種も尽きたのかこちらを軽く見据えるだけで瞳に怒りは残っていなかった。
「で、どうして寝ている間にそんなおかしな汚れがつくんだ」
「うーん、おかしな夢をみてね。そのせいかもしれない。それよりも」
「それよりも、何だよ。言いたいことがあるならはっきり言え」
「前は落ちたけど、後ろはどう?」
 背を向けて立ち上がる。
「まだ、残っている。青黒くて蛇みたいだぞ。だいだら法師にでも握り締められたのか、お前」
「当らずとも遠からず。相変わらず勘が鋭いね」
 何とか手の届く範囲を擦るが、大部分は残ってしまうだろう。
 後は滝に打たれてこそげ落とすしかない。
「ちょっとまて」
 滝のほうへと行こうかと足をあげたとき、なんとなく小さくなった声で従姉が呼び止めた。
 素直に従って立ち尽くしていると、滝音に混じって衣擦れの音が聞こえる。
「振り向くなよ」
 すぐ後ろから声がして、左肩に小さな手がのる。
 水音。背中を伝う清水の感触。何か濡れた布のようなもので背中が洗われる。
 洗いやすいようにと左肩に添えられた掌から熱が伝わってきた。
「助かるよ。ありがとう」
「勘違いするな。見ていていらいらしたからだ。……本当だぞ」

156 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:45 ID:lQkLmMfr
 背中の穢れは自分で落とすよりもはるかに簡単に落ちた。
 彼女の一拭いごとに体だけでなく心も軽くなっていく。
「はい、お終い。きれいになったぞ」
 ぱっちん!
 小気味のいい音があたりに響く。
「痛いよ」
 恐らく背中には季節外れのもみじが咲いているだろう。
「おーおー。きれいに浮かんだ。なまっちろい色しているから目立つな」
 感心したように言わないで欲しい。私は書物が好きで部屋にこもりがちだったので、さぞかし紅く目立つだろう。
「じゃあ、いいって言うまで振り向くなよ、露出狂」
 背中に添えられていた手の重みがうせる。
 私は手が離れるや否や、くるりと振り返り添えられていた左腕をつかんだ。
「な、なに「ただいま、狭霧姉さん」」
 驚いて身を引こうとする彼女の右肩を抑えて、私は帰郷の挨拶をした。
 本来ならあってすぐにでも挨拶をしたかった。
 だが、黄泉の穢れを受けた身で彼女の名前を口に出したくなかった。
 大切な人だから、しっかりと穢れを落としてからと思って、今まで名前を呼ばなかった。
 大切なことだから、これだけはちゃんとしておきたかった。
 彼女は、いや狭霧姉さんは日に焼けた顔にこれ以上はない笑顔を浮かべるとまっすぐに私の瞳を見返す。
「お帰り、直毘」
 その笑顔は昔のままで、懐かしさが改めて私にも故郷があったことを雄弁に物語っていた。

157 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:47 ID:lQkLmMfr
「昔も、こんなことあったな。憶えているか」
 狭霧姉さんはにっこりとしたまま、聞いてくる。
 もちろん憶えている。たしか、あれは夕立で泥まみれになって帰ってきたときのことだった。
 あの時も姉さんにお風呂に入れてもらって、確か――
「泥まみれで帰ってきて、汗と泥で目もあけられないぐらいだった直毘を風呂に入れてやったよな」
「うん。廊下まで汚しちゃったのを覚えているよ」
「で、肝心なのはその後だ」
 その後?確か一緒にお風呂に入って、頭を流してもらって、そして?
 ――!
 よみがえる悪夢に顔が引きつる。
「思い出したか。あんたこういったんだよな。『お姉ちゃんおひげが生えてる』ってさ」
「ハイ、タシカニイイマシタ」
「あたしはあの時も見るなって言ったよな。むっつりは治ってないな」
「スイマセン、ツイ」
 視線を落とすと水にぬれた下着が危険なことになっている。
「歯ぁ食いしばれ、ませ餓鬼」
 勢いよく従姉は右腕を振りかぶる。
 ……水鏡に映る頬に咲いた紅葉はこれ以上も無く色づいていた。


158 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:50 ID:lQkLmMfr
 帰り道は行きで話せなかった分、思い出話から始まり今までの生活や最近あったことまでとりとめもなく話題が弾んだ。
 ひとつ話すごとに三年分の隙間が埋まっていくかのようだった。
 山道は坂を境界として家と山を隔てている。登りきってしまえば、家まですぐだ。
 あまりに楽しく、坂を登っていくのが惜しいぐらいだった。
 この坂を越えれば後は家まで一直線に下っていくだけだ。
 なんとなく坂を登ってしまうのが惜しいような気がして、私は隣を歩く元気な従姉の手を握り歩みをゆるめた。
 彼女も同じ気持ちだったのか、手を握り返すと同じように足の運びを休める。
「昔もよくここを駆け回ってたよね」
「あーそうだな。でも大抵ほかに誰かがいて、二人だけで歩いたことはあんまり無かったぞ」
 心なしか彼女の握りが強くなる。
「手、大きくなったな。昔はあたしの方が大きかった」
 なんと答えていいのかわからず、前を向いたまま彼女のやわらかい掌をそっと握り返した。
 そのまま会話が途切れる。道の両脇から虫の無く声と風のざわめきが響いた。
 道の真ん中で立ち尽くすのもおかしく思えたので、私は従姉の手を引いて道端の石に腰をかけるよう促した。
 並んで座り、何とはなしに空を見上げて月を見る。
 肩に心地の良い重みが加わり、シャンプーと微かに汗の混じった香りが心を落ち着かなくさせる。
「どうした。緊張しているのか」
 従姉の声にはどこか嬉しそうな響きが漂っている。
「独り占めできるのは、ちょっと役得だな。いいものも見られたしな」
 けらけらと明るく笑いながら、視線を私の一部に向ける。
「ぼくはよく見れなかった」
 言い負かされてばかりも癪に思えたので、私は何とか言い返そうと試みた。
「仕方ないさ。男と女じゃつくりが違う。それにそう簡単に見れたんじゃありがたみがないだろ?」
 やっぱり勝てそうにない。それも昔のままでなんだか嬉しかった。
「仲がいいね。そのまま思い出してくれると手がかからなくていい」
 周囲の物音が途絶え、それに気がつくと同時に横合いから突然子供の声がした。
 いきなりの声に身を凍らせながらも、声の方を見る。白木綿の小袖をまとった子供が立っている。
 聞き覚えのあるその声の主は、三年前の私の姿をしていた。

159 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:53 ID:lQkLmMfr
 立ち上がるのは狭霧姉さんの方が早かった。
 私は立ち上がろうとしたが、胸中より湧き上がる恐怖に指先すら動かすことが出来なかった。
 山。夜。屍者。何かおぞましい記憶が脳髄を引き裂いて、理性を食い破りそうだった。
 従姉はさっと立上り、私をかばうように少年に対峙する。
「だれ、アンタ。いたずらもほどほどにしなよ」
 姉さんの声がきつい。敵意というよりも殺意という方がふさわしいほどだ。
「そこに震えている依童の縁のモノさ。巫女の背に隠れ庇護を求めるとは手足の爪も剥がれきったようだな」
 死衣をまとった少年が顔を私の方へと向けてくる。が、従姉がすかさず掌で視線をさえぎる。
「いい加減にしな。こいつに何かしようってんならあたしが相手になる」
「真逆。場所が悪い。御山の託宣を告げたら消えるさ。直毘、明日黄昏より屍が邑を覆う。止めたければ戻って――」
 言葉の途中で少女が襲いかかる。
 しなやかに引き締まった足を鞭のようにしならせ、少年の鳩尾を蹴りつける。
 ひとたまりも無く小柄な体は吹き飛ばされ、道端の雑草の中へとまぎれた。
 少年の姿が視界から消えるのに合わせて、草木と虫の音が復活する。
 怖い。怖い。コワイコワイコワイコワイ――
 私は少年の気配すら失せたというのに、恐怖に固まり歯を鳴らし続ける以外の何も出来なかった。
 気遣うように身をよせた従姉にしがみつき、ぎゅっと抱きしめる。
 やわらかく暖かい姉にすがりつかなければ、何かを思い出してしまいそうだった。
 狭霧姉さんはそんな私の背をさすり、震えの止まるまで「大丈夫だ」と耳元で繰り返し続けてくれた。
 どれほどの間震えていただろうか。
 ようやく落ち着き震えも止まると、姉から伝わる感触が急に気恥ずかしくなった。
「ね、姉さん。もう大丈夫だから」
 従姉は赤く染まった私の顔をしげしげと見つめると、やわらかい指先で私の目じりに浮かんだ涙をそっと拭い取った。

160 :屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs :04/06/06 02:59 ID:lQkLmMfr
「直毘、今から出て行ってもいいんだぞ。無理して帰ってくることはないんだ」
 家への道を下る途中、従姉は私の手をしっかりと握り締めてそう言った。
「ありがとう、心配してくれて。でも、多分あちらにいても同じ事が起きると思う。そんな気がする」
 根拠のない考えだが、おそらく間違っていない。
「それにみんなに会いに帰ってきたんだ」
「そうか。ならいいんだ。あたしはお前が決めたことなら文句は言わない」
「ありがとう」
「馬鹿野郎。家族だ。礼なんか言うな」
「うん。でも思ったことは伝えておきたいよ。だからありがとう、狭霧姉さん」
「ま、まあかわいい弟を守ってやるのも姉の勤めだからな!」
 どちらかというと、それは兄貴分の役目ではないだろうか。
 無論身の危険を冒してまで指摘するようなことではない。
「さ、帰って飯にしよう。腹へって仕方がない。今日はお前の好きなもんを用意したぞ。たっぷり食えよ」
「うん」
 まるで小学校の頃に戻ったかのような会話が嬉しかった。
 だけど、胸の奥では先ほどの言葉が消えることなく木霊していた。
『明日より屍が村を覆う』
 そして腐った巨顔と身の丈ほどもある死腕。
 一度は身を覆った穢れ。
 坂道から街を見下ろす。
 なぜか、明日の夜は今夜よりも灯りが少ない。
 そんな気がした。


以上です。これで屍霊怪異録一部は終了。
このあとでややゲームブックテイストな町の探索篇に移る予定でございます。
それを書く前にエヌ氏とアール氏を仕上げて貼ります。
家庭教師ものはプロ市民をどうしようか思案中。一人ぐらいまともな人がいて、
その人と協力してサバイバルってすると面白そうなんですよね。

161 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/07 17:43 ID:uxByhjlx
(-_-)
(∩∩) 保全しなきゃ。。。。。。

162 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/07 19:03 ID:193FGd4g
保守はsageでもできる

163 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/07 22:46 ID:qror7NxH
屍霊怪異録 ◆dve/1Ebaqs さんのSSはおもしろいけど
でもゾンビをネタにした小説ではないように思える。
DT ◆RXByrmg3oU さん巡査物語 ◆B6gHTT4PmE さんみたいに町に普通のゾンビがでるSSが読みたい。


164 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/09 20:38 ID:Iq+EYey5
ようするに長編は嫌だと言うことだね

165 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/09 21:16 ID:NKzjPnp4
【篭城】ゾンビが発生したら2匹目【デパート】

で、お話し書き込みしてたらここに行ってみては?
と言われました。
続きいかがでしょうか?

166 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/09 22:49 ID:1Qs0V5MZ
お話カキコは下記でよろ
雑談用スレ
★【喋って】ホームセンター休憩所【食われる?】
http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1056185489_1&bbs=itou&ls=100



167 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/09 22:53 ID:LN2fu6e1
165さん激しくщ(゚Д゚щ)カモォォォン

168 :王都座夢 ◆T6J3cL3e6. :04/06/10 07:37 ID:6NXdvXW6
dve/1Ebaqsさん
姉弟の心温まる?交流に不思議な少年の出現。
今回は比較的まったりムードなので、ハラハラ
しないで読む事が出来ました。
第2部は屍人ウジャウジャな動きの速い展開に
なるのかなぁ!?楽しみです〜。

165さん
「お話し書き込み」と言うのは雑談ではなくて
「物語=小説」って事ですよね!?
続き、楽しみにしております!

169 :165:04/06/10 13:49 ID:G6IgZUPm
書きかたマズ―でした。
反省。
読み手の方が選択できるタイプにしようかと思います。
よろしく。

170 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/10 14:07 ID:z3PGFFrG
うほっ 新しい作者さん!

【篭城】ゾンビが発生したら2匹目【デパート】には絶対このスレの作者さんもいると思う。

171 :165:04/06/10 19:24 ID:G6IgZUPm
いまゾンビに襲われ中です。
暇でしたらどぞ。

172 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/10 19:44 ID:cAbp5Pg1
ちょっと待つんだ。
165さんはゾンビに襲われ中なのに冷静に書き込んでいる。
つまりあれだ。
165さんはゾンビになりかけているんだよ!


次の話は明日投下します。
エヌ氏とアール氏の話です。
これはゾンビをネタにした短編ですので、ご安心を。

173 :165:04/06/10 19:57 ID:G6IgZUPm
又書き損じたw
以下にて↓

ゾンビが発生した世界の人になりきるスレ

とにかく書いて慣れないとイカンということで…

174 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 00:08 ID:PvETWQp/
 薄暗いバーのカウンターに二人の男が並んで座っていた。
 年のころは同じぐらいだが、体つきは正反対だった。
 アール氏はがっしりとしたいかにも男性的な体つきをしており、エヌ氏は反対に頼りない体つきをしていた。
「しかしお互い大変だな」
 アール氏はグラスを傾けながら、エヌ氏に言った。
「ええ、いつになったら自由になれるのでしょうか」
「それは稼げなくなったらだろう。いっそのこと会社が倒産してくれればすぐにでも離婚するんだろうな」
 二人は対照的な性格をしていたが、共通の悩みを持っていた。
 それはお互いのワイフのことだった。
 アール氏のワイフは良く言えばおとなしく慎ましい性格をしており、活動的なアール氏にしてみれば陰気で物足りなかった。
 エヌ氏のワイフは活発で行動力にあふれ、休日は静かに本を読んでいたいエヌ氏からすると騒々しすぎた。
「相変わらず大変みたいですね」
 二人が何度目かのため息をついたときにマスターが囁きかけてきた。
「そういえば、この前面白いお客さんがいましてね。何でも縁結びみたいな仕事をやっている方らしいのですが、別料金で離婚の相談にも応じるそうですよ。今までどちらの仕事も失敗したことがないと言ってましたね」
「それは本当ですか?それならぜひ相談したい」
「ああ、多少値が張ってもかまわない。マスターその人はどこで仕事をしているんだ?」
「確か、この先のビルに事務所を借りていると言ってましたよ」
 二人は早速支払いを済ませると、教えられたビルへと行ってみることにした。
「しかし、本当に離婚できるのでしょうか?」
「分からん。だが相談だけでも役に立つかも知れないぞ」
 教えられたビルに看板はなく、ぽつんと地下への階段に小さな文字で「ロメロ相談所」とあるだけだった。
 狭い階段を下りると小さなドアがあり、そこにも「ロメロ相談所」というプレートがかかっていた。
 プレートの下には「結婚への的確なアドバイス。確実な縁結びをお約束します」とはっきりと刻まれている。

175 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 00:13 ID:PvETWQp/
 インターフォンを押すと老人らしき声が流れてきた。
「こちらロメロ相談所。相談にみえた方ですかな?」
「ああ。二人とも離婚したいのだが、いい手が思い浮かばない」
「なるほど、とにかく中へどうぞ。受け付け奥、右のドアが相談室になっています」
 言葉と同時にドアの鍵が開く音がした。
 中に入ってみると、受付に人はなく照明もほとんどない。
「営業時間をちょうど過ぎてしまったのかもしれませんね」
「かもしれないな。だが、あってくれるのだからそう過ぎた訳でもないだろう」
 小声で囁きながら、二人は言われた部屋に入った。
 その部屋は明るく、大きなテーブルを挟んで革張りのソファーが並べてあった。
 奥の方のソファーに品の良さそうな老人が腰掛けている。
「ようこそ、当相談所へ。私が所長のロメロです。お掛けになって事情をどうぞ」
 二人は向かい側のソファーに並んで座り、それぞれの家庭の不満を並びたてた。
「私のワイフは陰気でいけない。言いあいになってもぼそぼそと呟くだけではっきりとものも言わない。気が滅入って仕方がない」
「ぼくのワイフはうるさくてたまりません。人がゆっくりと本を楽しんでいるのに無理やりスポーツクラブや催し物に駆り出すのです」
 二人の不満は対照的で、アール氏は妻は活発的であるべきと言い、エヌ氏はおしとやかに夫を立てるべきだと言った。
「これはまた対照的ですな。どうです、お互いの奥さんを交換してみては」
「冗談を言ってもらっては困る。そもそもワイフは上司から紹介されたのだ」
「ええ、今やワイフ同士も親友の間柄なんです」
「となりますと、あなた方から離婚を言い出すわけにはいきませんな」
 ロメロ氏の相槌に二人はそろってうなずき、息のあったため息をついた。
「では、奥様方はどうです」
「ワイフたちは私たちに深い愛情を抱いています。もし事故か何かで私たちが死んだら、確実に後を追ってくるでしょう」
「死んでも離れないというやつだ。あの世でもつきまとわれるかと思うと、心底ぞっとする」
「ふむ、お二人は何とか離婚をしたい。だが自分たちから言い出すわけにはいかない。そもそも相手が離婚を受け入れるはずがない。こういう状況ですな」

176 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 00:15 ID:PvETWQp/
「ああ、その通りだ。弁護士を雇い無理に離婚する手もあるのだろうが、そうなると今度は慰謝料が払いきれない」
「ええ、性格があわないから離婚させてくれと言っても、ワイフたちにその気は全くないのですから」
「では、奥様方が愛想を尽かしたらどうなりますかな。しかも訳のわからない理由で」
「それは願ったりだが、話したとおりワイフたちの愛情は凄まじいのだ」
「もしや何か方法があるのでしょうか?」
「無いわけではありません。だが、それを教える前に秘密を守る誓いの儀式を行っていただきます」
 儀式と言うが、思っていたような重々しいものではなかった。
 誓約書にサインをし、二人の髪と爪をそれぞれの誓約書で包んで終わりだった。
「これでいいのですか?儀式と言うからにはもっと大変なものと思いました」
「ああ、髪の毛と爪を出せと言われたときには少々驚いたが」
「ええ、それが当相談所の流儀でしてな。いわばジンクスとも言うべきものなのです。さて、こちらへとどうぞ。当研究所の秘密の手段をお見せいたしましょう」
 ロメロ所長は誓約書を小さなファイルに閉じ、二人を連れて地下への階段へといざなった。
 階段は急で幅も狭く、薄暗いせいもあって歩きにくい。
「足元に気をつけてください。企業スパイ対策に秘密の手段は別のビルに保管してあるので、少し歩いてもらいますよ」
「なるほど。しかしその割には身分証明などをしなかったが、大丈夫なのか」
 老人の言葉に、アール氏は気がついた疑問を口に出した。
「心配はご無用。誓約書を書いていただきましたし、こういった商売をするからには人を見る目はありますしな」
「言われてみれば、その通りですね。怪しいかどうか見抜けなければこういった商売事は難しいでしょう」
 感心したようなエヌ氏に、所長は笑いを含んだ言葉でさらに続けた。
「実はお二人のことはずいぶん前からあの酒場のマスターから聞いていたのですよ。それで悩んでいるようならば私を紹介してみてはと持ちかけておいたのです」
「なんだ。あのマスターも口が軽いな。人の悩みを話して回っているんじゃないだろうな」
「まあ、そのおかげでこうやって紹介もしてもらえたのですから」

177 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 00:19 ID:PvETWQp/
 そんな風に会話を交わしながら下り続けていると、頑丈そうな金属製の扉に突き当たった。
 ロメロ所長はまず扉についたパネルに指を押し当て、次にレンズを覗き込んだ。最後に「開け」と声をかけると、扉は音もなくゆっくりと横にスライドして開いていった。
「これはすごい。なんという厚さだ。ゴリラでも破れないな」
「ええ、本当にすごいですね。指紋と虹彩だけでなく、声紋のチェックもしている」
 扉の向こうから光がさし、石造りの広い通路が見えた。通路はひんやりとしていて、両脇に扉がいくつも並んでいた。
「ここが当相談所の奥つ城、秘密の隠し場所です。さあ、どうぞご覧下さい」
 老人は手近な扉の前に二人を招き、のぞき窓を指差した。
「なにかが動いている音がしているな。よし、先に見せてもらおう」
 アール氏は腰をかがめ、やや低い位置についている窓から扉の中を覗き込んだ。
「……うおっ!」
 何を見たのか急にアール氏はのけぞり、その勢いのまま通路に尻餅をついた。
「どうしたんです?何が中にいるのですか」
 蒼白な顔のアール氏に向かってエヌ氏は問い掛けたが、アール氏は首を振るばかりで答えようとしなかった。


178 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 00:20 ID:PvETWQp/
「さあ、あなたもどうぞ。こういうものはご自身の目で見るのが一番というものですよ」
 にっこりとしたまま、ロメロ氏が中を見るように促す。
 エヌ氏は恐る恐るのぞき窓に目を当てて、薄目で中の様子を探った。
 中には鉄格子らしきものが見え、その奥に何かがいるのが見える。
 その何かは床においてある赤茶けたものからホースのようなものを引き出しては、盛んに口に咥えていた。
 エヌ氏は好奇心にかられて、薄目にしていた瞳を見開きその何かに焦点を合わせる。どうやら人間の男のようだった。
 一体何者かは知らないが、中にいる男はくちゃくちゃと音を立てながら絶えず咀嚼を繰り返している。
(一体何を食べているんだ?ずいぶんと大きいが。人一人分はあるぞ)
 そのときだった。一心不乱に食事を続けていた男がエヌ氏のたてた音に気がついたのか、いきなり顔をエヌ氏の方へと上げた。
「ひっ!!」
 男の瞳は白くにごり、口元から胸元一面真っ赤に染まっていた。顔の半面は茶色くただれている。
 エヌ氏はようやく男の食べていたものの正体に気がついた。
 男は足元に倒れた人間の内臓を盛んに喰らい続けていたのだった。


以上です。本当はこのあとまで書くつもりでしたが、なんとなく筆が進みませんでした。
残り5レスちょいでこの話は終ります。

179 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/12 02:19 ID:PvETWQp/
したらばの雑談スレに書き込めない
_| ̄|○

最近書いて貼ってもとんと反応がない。
一人だけ方向性が違うから浮いてるのかなぁ。
オーソドックスなゾンビものも書かんと。
エヌ氏とアール氏の後半でがんばるか……

180 :165:04/06/12 02:53 ID:FVYmPlFu
先に紹介したスレが中々良スレになりました!
せっかくの場所だったので気合入れて
燃料投下しました。

ゾンビが発生した世界の人になりきるスレ

181 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/13 00:02 ID:/+Z5SFdc
私もゾンビが発生スレにちょいと投下。
メールや掲示板への書き込み形式で、だんだんとゾンビに包囲されていくってのは書きやすいですね。

182 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/13 12:48 ID:LI1mmuBJ
ゾン発すれ面白いですね
最近ゾンビスレが増えてるような

183 :165:04/06/13 15:19 ID:GX75LP/e
ドーンの影響もさる事ながら
バタリアンの続編が製作中との情報も
で、ドーンガ売れればネタが無い映画製作会社は
似たようなものを…ゾンビもの好きにはたまらん展開。

184 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/16 09:25 ID:+KE1OOIx
保守上げ

185 :ダリオ ◆ZSvgiJ/0NE :04/06/17 12:18 ID:l4Q41Yho

 少女の手には、その細い腕にはあまりにも不釣合いな銃が握られていた。
お嬢様趣味としか思えない純白のフリルのワンピースは、今や
返り血で上半身部分は真っ赤に彩られている。
名前はレイン・ファレイアード、16歳、ヨーロピアン系で
ウェーブがかったブロンズの髪とコバルトブルーの瞳が印象的だ。
レインはリボルバーから薬莢を落として、弾丸を装填する。
レイジングブル8.345インチの454カスール弾仕様のそれは、拳銃の中でも
トップクラスの破壊力を持つ、その分5発までしか装填できず
反動も半端なものではない、こんな華奢な少女が撃てば反動で関節が外れてしまうだろう。
しかし、少女は目の前に広がる路地裏を軽く一瞥すると、片手で軽々と銃を構えた。
「キシャー」
闇の中から聞こえる死者のうなり声、その姿を確認するとレインはトリガーを絞った。

 真の天才とは彼女のことを言うのではないだろうか。
大金持ちの家に生まれ、運動も勉強も感覚もズバ抜けていた。
一度読んだ本は完全に暗記し、各種目のスポーツの本を読めば
まったく経験のないスポーツまでもをこなした。
14歳にして異例の大学受験も1点の減点もなく合格した。
まさに完璧な人間だが問題はあった、表情がまったくないのだ。
喜怒哀楽が表情どころか仕草や動作にも表れない。
それどころか「おいしい」「きれい」「かわいい」等、自分の感じたことを
口にすることは一切なかった。 それこそがレインの唯一絶大な問題点だ。
両親は幾度となくレインを連れ、精神科医を訪れたがまったくの無駄足だった。
レインには完全なる脳と体がある反面、「心」と呼ばれるものが皆無に等しいのだ。

 セントラルシティ医大に急患が運び込まれたのは、レインが研修として
外科医に就いた3日後のことである。
わずか3日の間に、教授もびっくりするほどの医学の知識を得て
教授の支持の下、彼女が初めて手術をすることになった。

186 :ダリオ ◆ZSvgiJ/0NE :04/06/17 12:56 ID:l4Q41Yho
急患は30代前半と思われる小太りの男性だった。
レインは男の腕にある大きく開かれた傷口を見る。
傷は深く上腕四頭筋までえぐられている、傷口からは
とめどなく血が溢れ、周囲は青紫色に変色している。
彼女は教授に目をやると、教授も首を振る、今までにない事例だ。
すぐに教授とベテラン医師が患者の元へ寄ってきた。
さすがのレインも医学書に書いてないことは分からない、
ここは場数を踏んでいる人に譲った方が懸命だと考えたのだろう、
レインはすんなりと場所を譲った。

 レインはしばらく様子を見ていたが、あることに気づいた。
「・・・先生」
止血剤を打っていた医師の一人がレインの声に顔を上げた。
「患者さんが」
みると、さっきまで脂汗を顔中一杯に溜めて荒い息をしていた患者は
今はおだやかそうに呼吸をしている。
すかさず看護婦が患者の額に手を置くと、「冷たい」と漏らした。
これほどの感染症の傷で熱が出ないわけがない。
その場にいた全員が、信じられない事態に手を止めて患者を見た。
ピーーーーーーーーーーーー。
心音停止を示す電子音が静寂の手術室に響いた。


187 :ダリオ ◆ZSvgiJ/0NE :04/06/17 12:57 ID:l4Q41Yho

 「すぐに血液サンプルを。 レインは明日、夜間に入ってもらうから今日は帰っていいぞ」
「はい、失礼します」
レインは騒然とする手術室を後にする、
あの患者の死因や体調の異常を考えながら、レインはロッカールームへ向かった。
ロッカールームの窓の外から大量の救急車の音が聞こえる。
どこかで災害でもあったのだろうか、それとも・・・
いつもの純白フリルワンピースを着ながらレインは窓から外を覗く。
次々と到着しては出発する救急車から降ろされるのは、いづれも血だらけの人々だった。
首、肩、足、中には顔の半分がえぐられている人もいる。
何が起こったのだろうか。
不思議に思いロッカールームから飛び出すと、教授が目の前をものすごい速さで通り過ぎた。
「先生、どうしたんですか?」
「どうもこうもあるか!さっきの患者が生き返ったんだよ」
よく見ると、教授は肩を抑えて荒い息をしている。
「生き返った?」
「あぁ、しかも俺に噛み付きやがったんだ、何が何だか・・・」
エレベータが開き、大量の担架が運ばれてきた。
担架に乗っているのはさっき窓から見た人たちだった。



188 :ダリオ ◆ZSvgiJ/0NE :04/06/17 13:38 ID:l4Q41Yho
「一体何事だ、次から次へと」
教授が担架を運ぶ一人の看護婦を捕まえて問いただす。
「私たちにもわかりません、何だか町で暴動が起きているみたいで」
担架に乗せられている首から血を吹き出させている若い男性は、
もはや呼吸ができない状態だった。
レインは首に当たられているガーゼを抑えたがまるで効果がなかった。
男性はゆっくりと目を閉じた、首元に手を添えると脈がなくなっていた。
そんな事にも気づかず、まだ教授と看護婦は言い合っている。
レインは軽く十字をきると男を見る、その瞬間レインは大きく目を見開いた、
男の目が開いているのだ、焦点の合わない瞳でゆっくりと起き上がる。
それに気づいた看護婦が、あわててガーゼを取り出し、首を押さえようとしたとき。
男だった「もの」は突如、「キシャー」と声をあげて看護婦の喉元を食いちぎった。

 病院は阿鼻叫喚の世界に変わっていた。
周囲を見渡すと、50代くらいの男性が血だらけの人に追いかけられ、
廊下の奥のドアはダンダンともの凄い音を立てて歪み、
目の前では男だった「もの」が看護婦の腹を引き裂いている。
教授はレインの手を取ると、一目散に自分の診察室に飛び込んだ。

 教授が机の引き出しの鍵を外すと、いくつかの銃が出てきた。
「これを使ってくれ」
教授がレインに向かって銃を差し出す。ベレッタM92FSだ。
レインはそれを受け取ると、手馴れた手つきでマガジンを取り出し弾丸を確認する。
教授はデザートイーグルの50AEを取り出し、ベルトに挟む
「暴徒がこの病院まで来たんだ、危ないと思ったら躊躇せずに撃て」
レインは頷くと、教授は部屋を飛び出していった、しばらくベレッタを眺めた後、
開いたままの引き出しを見た。
そこには明らかに他の銃とは長さの違う銃があった。
レインはレイジングブルをそっと持つと、大型口径の弾の入っている箱を取り出し、
ポシェットがはちきれんばかりに弾をつめた、そして
ベレッタを手に持ち、レイジングブルをポシェットの紐に結び付けて部屋を出た。

189 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/17 14:23 ID:i2Vd6W4t
デフォルト名無し変更についてのアンケート実施中
http://cgi.f44.aaacafe.ne.jp/~ocult/index.html


190 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/18 01:59 ID:roOPL/7B
明日の夜に短編いくつか投下するね。
他のスレに書いた奴だからみんな見ているかもね。

191 :神社 ◆dve/1Ebaqs :04/06/18 17:38 ID:3mRiqqUF
ここしばらくの騒ぎではっきりしたことがある。
ひとつ。神様はいない。
だから天罰ではない。
ゆえに善人悪人問わずに死んでいく。
ふたつ。人間は脆い。
だから心も体もあっけなく壊れる。
ゆえに人でなくなったモノは強い。

「つまるところ昔も今も大差はないということだ」
階段を上ってくる人影を見ながら一人つぶやく。
騒ぎの起きる前と比べて格段に来客が増えたわけでもない。
今も昔も変わることなく、訪れるものはみな願いをかなえようとやってくる。
本日最初の訪問者はリウマチで悩んでいた佐藤さんだ。
参詣を拒むかのような長階段を休み休み登って来たのを良く覚えている。
休まず登ってくる所を見ると、いまは関節の痛みはなくなったらしい。
あと少しで登りきろうという所で、構えていた鉄棍を振り下ろす。
ゾンビになると避けようとする知能は失われるのだろう。過たず頭蓋を砕く。
これで死穢は持ち込まれずにすんだ。境内の掃除もしなくてすむ。

というわけで当神社は昔と変わらず皆様の参詣をお待ち申し上げています。
朱塗りの門を潜り抜けられるかどうかはあなた次第ですが。

192 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/18 17:43 ID:3mRiqqUF
「以下に、ゾンビ禍発生後受信したメールの一文を公表する」

漏れさ、もうだめだ。
さっき漏れの所に知り合いが逃げてきたんだ。
会社の同僚の女の子で、そんなに話とかも出来なかったけどさ、漏れその子のことが好きだったんだ。
映画のゾンビっぽいなって初めのうちから思ってたから、冗談交じりで水とか色々集めたりもしてた。
で、この騒ぎじゃんね。で、漏れ調子にのってその子にメール出したんだ。
「食べ物もあるしバリケードとかもしっかりしてる。逃げ道もしっかりしてるから、もし良かったら漏れの所にこない?」って感じで。
そしたらさ、彼女一人暮らしで不安だったからすぐに来るって返事が来たんだ。
漏れいい気になってさ、うまくいけば恋人とかになれるかもなんて浮かれてたんだ。
で、彼女が来たわけ。車で駐車場に。
もう分かるよね。駐車場にさゾンビが隠れてたんだ。さらに停めてあった車の中にもいたんだ。
彼女、助手席の鍵をしめてなかったみたいで、ゾンビが藁藁とおしよせて……
漏れ、怖くて助けにいけなかった( iДi)
彼女必死で助けを求めてたのに。漏れの名前呼んでたのに。
本当に彼女のことが心配だったら、漏れが迎えに行くべきだったんだ。
怖くてそれに気がつかない振りしてたんだ(´;ω;`)
今もがたがた震えてるよ。自殺も怖くて出来ない。

「このような悲劇を繰り返さぬ為にもゾンビ発生についての調査は必要であり、けして過去の災害と思わずに……」

193 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/18 17:50 ID:3mRiqqUF
祐子へ。
これが最後のメールになるでしょう。
祐子と竹早さんの結婚写真みました。
とてもキレイで、お父さんといっしょに嬉しくて泣いてしまいました。
無理をして衣装をそろえてくれた竹早さんに、私たちが本当に感謝していたと伝えてください。

二人に会いたいけれど、もうそれはかないそうにありません。
朝方、お父さんが外で不良達に襲われて怪我をしました。
どこかの女の子を襲っているところをお父さんが割って入ったら、刺されてしまったのです。
お父さんはとても出血がひどく、お母さん何もしてあげられませんでした。
お父さんは祐子のことを最後まで心配していました。
お父さんは最後の最後まで立派な警察官でした。

祐子は昔からおっちょこちょいなところがあるので、とても心配です。
でも素敵な彼氏が見つかって、お母さんは少しほっとしました。

そろそろお母さんもお父さんのところにいかなくてはいけません。
お父さんは生き残れと言いましたが、ついさっきお母さんはゾンビに噛まれてしまいました。
このままでは祐子を襲うようになってしまうかもしれません。
だからお父さんのそばで、お父さんの銃で後を追います。

最後に、祐子の好きだったプリンとチョコケーキを作っておきました。
冷蔵庫の中にあります。

これからはふたりで天国から祐子のことを見守ることしかできません。
ごめんなさい。あとのことは竹早さんにお任せします。
愛する祐子へ。 母より。


194 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/18 17:53 ID:3mRiqqUF
以上ゾンビ禍発生後にありそうな一場面でした。

道端で拾った携帯。
そこに残されたメッセージ。
その大多数は届かず、読む相手も生きていない。

ゾンビによる災害が収まったあとでそういった記録がまとまって本になったら。
読んでみたいですね。

195 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/18 23:48 ID:24nec0zh
 2chの泣けるスレ総集編を思い出したよ;;

196 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/19 10:45 ID:nkzutzBU
泣ける・・・

197 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/20 15:36 ID:AmYRRvcc
人いない
 保守をするなら
  今のうち

198 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/20 17:29 ID:K7t4XmZf
-死霊島-(仮

旧日本軍の毒ガス製造施設があったという通称『軍艦島』に来た
某大学軍跡探索サークルの一行。
近年のリゾートブームにあやかって本土から様々な思惑を乗せた
定期便が今日もやってくる。
島民達のそれを見る冷ややかな目。
この島に眠る忌まわしき秘密が惨劇と共に明らかにされる。

なんつって。

これで人がついて着てくれたらライブをまとめ直して小説化してUP!

199 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/21 00:38 ID:qooE1Lfi
設定を教えてくれたらみんな参加しやすくなるよ。
どんな施設があって、大きさはどの程度で、交通の便や島民の数とか。
後はライフラインも。
どっかのサイトに地図でも載ってないかな?
廃墟の写真もあるとさらに話が作りやすくなりますよん。

したらばのほうに書き込めないんですが、新スレが必要なのかな?

200 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/06/21 19:20 ID:Ni6oCV60
うぃ〜す、ロシアから帰国スマスタ。

国内の毒瓦斯研究施設案内です。

広島県:大久野島 
面 積:外周4.3キロ
人 口:30人程度
所 属:東京第二陸軍造兵廠忠海製造所
現 在:国立国定公園、竹原市が主体で島全体を
    休暇村として観光活用
    宿泊施設やキャンプ場、海水浴場の他
    各種レクリエーションが整備。

陸軍の毒ガス
旧帝国陸軍では、毒ガスはその効果を色分けで識別した。
代表的区別として、黄色(糜爛剤)赤(刺激性くしゃみ剤)
茶(神経剤)青(窒息剤)など

201 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/06/21 19:31 ID:Ni6oCV60
オマケ
旧帝国陸軍では、独逸軍のモデルとして主に
対ソ戦用に開発した結果、その不凍性に特徴がある。
うろ覚えですが、過去に北海道の湖底から数十発の
黄色(糜爛剤)弾が数十発発掘され、自衛隊が処理を
行ったのですが不凍剤と糜爛剤の混合バランスが
絶妙過ぎて通常の中和処理が上手く行かず、非常に
手間が掛かったそうです。


202 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/21 19:40 ID:T9ZqcfMj
毒ガス研究の島というと、強制移住で無人島になってたりしますね。
軍事機密だから当時の地図からは消されていたりして、存在そのものがないことにされたりして。

203 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/21 19:40 ID:UPUIfsUm
このスレほんとにおもしろいです!!みなさんこれからもがんばってください!!!

204 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/21 19:41 ID:UPUIfsUm
すみません

205 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/21 21:55 ID:Ro0gKCYK
>>200
兔が大量にいる島ですね!
・・・と、いうか毒ガスが残ってたり漏れてたりしないかチェックするために兔を放しているとか・・・

206 :198:04/06/21 23:09 ID:NHZSll/E
どもどもです。

ある程度骨子が決まったら又UPシマス。
>200.201
THX有難うございます。

207 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/23 13:04 ID:64D924iY
扶桑社から出た新刊で、サイモン・クラークの『地獄の世紀』がゾンビっぽくていいです。
ある日19歳以上の大人が知性を失って子供を殺し始めるという話しです。
各地での小規模コミュニティの設立、暴力の台頭によりコミュニティの私物化、崩壊といった過程が面白いです。
けっこうおすすめ。

208 :198:04/06/24 12:57 ID:WguRUZ4u
買いに行こうっと♪
他にお勧めの本有りますか?
(キングから離れてるので指針がない状態です)

209 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/26 14:11 ID:1L+WXnFG
台湾に行ってきました

言わずとしれた著作権無法地帯のご当地ですので、ありました
「バイオハザード台湾版」ケーブルテレビでやってた
ゾンビに襲われ、デパートに立て籠もる。何故か出演者のステータスが表示され
保管庫のある部屋もある。
最終的にカップルだけが脱出できるが、立ち寄った先のガソリンスタンドで恋人を
車に残して給油中の男が無人の事務所の中から聞こえるラジオ放送が
「ゾンビ化の原因が細菌を混ぜられたコーラ(飲み物の)にある。絶対に飲まない様に」
との放送があるがちょうどそのとき恋人は何も知らずにコーラを飲み干してしまう
男は静かに車に乗り込む。彼女は「どうかしたの」って聞き返すが
男は黙って車を発進させるってエンディングでした

コーラに恨みでもあるのかな?

210 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:41 ID:43dUOpRY
少々長文になりますが、投下させていただきます

211 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:43 ID:43dUOpRY
ビルの中の夕闇に、制服姿の少女が舞う。
美しく、そして妖艶に。
細い腕に握られたものは日本刀。
少女…ミヨコは自らに襲い掛かる人間の成れの果てを素早い動きで牽制し、後ろに回りこむと
それの首を切り落とす。刀から骨を断つ感触が手に伝わってくる。なんともグロテスクな感触に
美夜子は顔を少し顰めた。
舞い散る毒々しい鮮血が彼女を引き立てていく。
ビルの一室が掃除され、成れの果て…ゾンビがいなくなったことを確認すると、
扉をロックし、適当なディスクに腰掛ける。
ディスクの上にあった可愛いキャラクターもののハンカチを手に取ると
刀についていた血を丁寧にふき取る。
視線の先には刀ではなく、ディスクの上にあった写真立てであった。
父親らしき男とその妻らしき女。その二人の間にいるのは
まだ年端もいかない少女と少年。おそらく家族だろう。
その父親らしき男は、どうやら今しがた始末した男のようだ。面影がある。
男はこのビルの中で残業でもし、その途中でゾンビに襲われたのだろうか。
あるいは、帰り支度の途中に襲われたのか。もうすぐ妻の待つ家へと帰れるだろう時に。
その妻子も、恐らく今は…。
「家族か…」

212 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:46 ID:43dUOpRY
ミヨコはクラスの中でも浮いた存在だった。
どこか影のある立ち振る舞いに加え、高校二年という年齢に似つかわしくない美貌。
必要最低限の会話、行動を奇異な目で見る同級生も少なくなかった。
彼女には生まれつき、なのかどうかわからないがある才能があった。
「戦場のエキスパート」。戦いの天才児とフランスの特殊部隊では謳われていた。
父親がフランスの軍人ということもあり、フランスに長く住んでいた。
彼女の才能が開花を始めたのは僅か5歳の時。自分をレイプしようとした
数人の大人を、欺き、逃げながら作った簡易トラップで再起不能にしたのである。
周囲の大人達はわずか5歳の、しかも少女がそのようなことをしたとは信じられなかったが、
軍人である父親だけは娘の驚くべき才能を見抜いていた。
父親はその日から戦闘のノウハウを娘に叩き込み、徹底的に鍛え上げた。
もちろん、それは実践向きの術(すべ)であり、人を殺す術だった。
15歳の時に、父の友人・部下を数十名集め、簡易サバイバルを実施した。
そして父親は一言。
「この子を襲え。手加減しなくてもいい。殺すつもりでやってくれ。」
皆最初は意味なく、戦地でもないのに少女に乱暴をすることに戸惑いを露にしていたが、
それが始まると彼女に手加減をしたら、たかが15歳の小娘に再起不能にさせられる危険を悟った。
手練れの軍人でさえ、感嘆の声を漏らさせた。
最終的に手を抜いていた軍人はいないだろう。
「わずか15歳の小娘がまさか」
「ありえねぇ」
「だけどあの結果を見たらよ…」
「ありゃ天才だな。女に産まれて来たのが惜しいな」
周囲の人間は口々にそう漏らした。

213 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:48 ID:43dUOpRY
厳しかった父は1年前に他界。彼女は単独母のいる日本を訪れ、母と生活を共にすることを選んだ。
父と母は既に離婚しており、母は親権を父親に取られたことを悔やんでいたのか
元夫が他界した悲しみよりも娘・ミヨコが自らの元に来たことを喜んだ。
ゾンビ騒動は美夜子がようやく日本に馴染んできたかという矢先に起こった。
様子がおかしいと学校からの帰り道に気が付いた時、母は既に…ゾンビと化していたのだ。
急いで帰宅した彼女の目の前にいたのは母ではなく、ミヨコの血と肉を求めているモンスターだった。
苦渋の決断(それでも早かった)で母を殺し、母をそれに変えたモノを殺し、適当な家に入り武器を調達した。
何か危険なものを感じ、身を守る武器を手に入れようと思ったからだ。
幸いにもその家は人影がなく、ゾンビに出くわすこともなかった。
まだゾンビがいる、様子がおかしい、という事態に気が付いていない人間もいるだろう。
平和な日本では、立派な家にあったこの日本刀ぐらいしか武器になりえるものはなかったのだ。
本当は銃器がほしかった、というのが本音だ。
だが日本ではアメリカのように銃器をホイホイ手に入れることは現実的に不可能である。
やっと手に入れた日本刀は非常に重量があり、なおかつ扱いにくい。腰を据えて振らないと、まともな
動作さえできないであろう代物だった。素人物ではない。


214 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:49 ID:43dUOpRY
しかし美夜子は持ち前の戦闘のセンスですぐに使いこなすことができた。
刃物類は役にたつだろうが、あまりにも大きすぎるものは行動の邪魔にもなるし、
かといって打撃系のものは耐久力と攻撃力の面でかなりの不安があった。
刃物、としては最適のものかもしれないとミヨコはそれを手にとったのだ。
小型のラジオを取り出し、局番を合わせる。
『…ています。この現象は世界規模で起きています!皆さん、くれぐれも外出をしないように、
厳重に戸締りをしてください!繰り返します、暴徒と化した…』
ふんっ、とミヨコは自嘲気味に笑った。
これが暴徒?人間の肉を求めるモンスターじゃないの?
このビルに逃げ込む前に、噛み付かれ致命傷を負い倒れたはずの人間が
即座に起き上がり、周りにいた人間を同じように襲いだしたのをミヨコは見ていた。
あまりにも非科学的だ。オカルトの世界か、ファンタジーのお話レベルだ。
だが、目の前に突き付けられた現実は非情だ。
人間の肉を求める理性を失った人の形をした死人たち。
殺らなければ、殺られる。
首を切り落とした男だったものを一瞥し、静かに写真立てを前に倒した。

215 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:52 ID:43dUOpRY
「なぁコウイチ、どうするんだよ」
「どうするったってよ。俺はやるだけのことはやった。相手のヘッドが向かってきたんだから
しゃーねーだろ。やるしかなかったしよ。ヤス、お前ならどうしてたよ」
「まぁ…噛み付いてくるとは思わなかったからな。でも、『ブルースカイ』とは
仲悪くなるだろうよ」
ヤスと呼ばれた痩せぎすの男は気だるそうに答えた。
筋肉質の男・コウイチが言葉を繋ぐ。
「あー、ヤス、俺らどうなるんだろな〜」
「ブルースカイってよ、結構顔広いんだよなぁ…もしかしたらだぜ、あいつら総動員して
俺らつぶしにかかってくるかもしれねぇなぁ」
「やめろよ、ぞっとする」
「今更の話かよ?」
「はははっ」
ヤスとコウイチは、ストリートギャングと呼ばれていた人間だった。
彼等はチームを作り、つるみたがる。そして虚勢を張っている。
そして基本的に楽観主義のために、極力ケンカも抑えている。
二人にケンカの強さがないわけではない。場数はそれなりに踏んでいる。
「最強の二人組」と恐れられたこともあった。
元々二人はこの町のトップのチームのヘッドだったからだ。
血の気が多い、犯罪も犯すことは少なくないチームだった。
しかしある時に二人は思い立つ。疲れた、と。
ケンカと女の話しかしない自分達に嫌気が差し、チームを解散させ、どこにも属さない
ただのヤンキーとなっていた。
ただし、別チームとの交友は続いていた。二人の姿を見て頭を下げる人間も少なくはない。
ケンカが強くて皆から崇められる。それを既に二人ともなんとも思わなくなっていた。
今二人にあるのは、18歳という年齢から来る「将来への不安」これだけだった。
そして今、新たに少しの不安がのしかかってきたのだ。

216 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:53 ID:43dUOpRY
交友のあるチーム『ブルースカイ』。そのヘッドが二人の姿を見るなり
突然襲い掛かってきたのだ。文字通り噛み付いてきたのだから二人は仰天した。
近くまで黙って近づいてきたかと思うと本当に噛み付いてきたのである。
口を張り裂けんばかりに広げ、生気のない目で二人を見やり襲い掛かってきた。
噛み付かれる一歩手前でコウイチがなんとか応戦し、偶然にも川に突き落としてきた。
「まさか…死んじゃあいねぇよな」コウイチが漏らす。「下、川だったしな…」
「大丈夫だろ。浅瀬じゃないし自力で泳げるだろ。あんまダメージ与えてないし」
「でも、あいつなんか正気じゃなかったっぽくね?」
その言葉にヤスは思ったことを言った。
「それなんだよな…」
「ん?」
「俺、お前に会いに行くときにさ、街中の駅前だったんだけどよ、町でなんか事件があったっぽくて野次馬できてたんだよ。
遠目に見たんだけどさ、なんか女も男も血塗れでさ。人追い掛け回してるんだよ」
「へぇ…」
「だって、それによ、おかしくねぇか?この時間、こんなに人いなかったか?」
二人は辺りを見回した。
河川敷の通りには人っ子一人いない。夕刻も終わろうというのに帰宅するサラリーマンの姿さえない。
少なくとも二人の住んでいる町は賑わいを見せ始める時間帯だ。
その時間帯に、人一人いないのは、絶対におかしい。
「まぁ…な…」
「街中へいってみようぜ。おかしいぜ絶対。」
世界に、二人だけぽつんと取り残された感覚。
その感覚は二人を静かな恐怖へと誘っていた。


217 :くるぶし ◆FlnzPSnKL2 :04/06/26 17:54 ID:43dUOpRY
長文大変失礼しました。
二つの話は繋がっています。続きますです。

218 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/26 20:03 ID:ISJroga/
「これは一体何なのです!あなたは人を閉じ込めているのですか!」
 心がまえができていため、先にショックから立ち直ったエヌ氏がロメロ所長に避難の声をあげた。
「そうだ!これは犯罪だぞ。何の為に我々にこんなものを見せるんだ!」
 エヌ氏に続けてアール氏もロメロ所長につめよったが、所長は慣れた様子で二人をなだめはじめた。
「まあそう声を大きくせずに。お二人の見たものは人ではないのです。だから犯罪ではありません。第一もし人だとしてあなた方に見せる理由がありますか?そんなことをしたらすぐに捕まってしまうではありませんか」
 所長の声は落ち着いており、その話しの内容も二人の興奮を収めるのには十分だった。
「となるとあれは何だ。悪趣味にも程がある。驚きはしたがあれと我々に何の関係があるのだ。さっぱりわからん」
「そうです。私たちはうまく離婚をするために相談に来たのです。ロボットだか映画だかは知りませんが、趣味に客を巻き込まないでいただきたい」
 アール氏は怒りに顔を赤くし、エヌ氏はショックに顔を青くしたまま当然の文句をまくし立てた。
「いやいや、あれがあなたたちの離婚に役にたつのですよ。ゾンビというものについて聞いたことがありますか?」
「テレビで見たことがある。歩く死人だろう?それがどうした」
「そう、そのゾンビなのですよ、あれは。生きていないからどうとでも扱って問題ないでしょう。遺族には賃金も支払って了承を得ています」
 ロメロ所長は懐から契約書の写しを出して二人に見せた。確かにしっかりとした雇用計画が結ばれている。
「しかし遺体を傷つけるのは犯罪のはずだ」
「そのあたりには目をつぶっていただくしかありませんな。法律とはおかしなもので、杓子定規に当てはめていては生きていることすら罰せられかねませんよ。
まあ半死人という立場については法での規定が無いので、罪になるかどうかも微妙なところ。それよりも重用なことはこのゾンビがお客様の助けになるということです」

219 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/26 20:06 ID:ISJroga/
「そうか!ワイフたちを襲わせるのだな!いい手だ。死人が相手では見つかりようがない」
 アール氏は名案だとばかりにロメロ氏に笑顔を向けた。反対に血なまぐさいことが苦手なエヌ氏は渋い顔をして首を振った。
「さすがにそこまでは。今まで生活をともにしてきたワイフを襲わせてまで離婚したくはありませんよ」
 その言葉に、今度はアール氏が難しい顔をする。
「いやいや、そんな物騒な手は使いませんよ。第一お二人にも面倒ごとが降りかかる恐れがあります。とにかく一度上に戻ってください。そこで我が相談所ならではの手段をご説明します」

 応接室に戻った二人にロメロ氏は飲み物を勧めながら、何枚かの資料を渡した。
 それは映画で使われる特殊メイクについての資料だった。
「まずお二人の顔そっくりに地下のゾンビをメイクします。その次にこちらが指定した場所に奥様と一緒においでください。
その場所には予めゾンビたちを放しておきます。奥様方と一緒に指定したコースを回ると、ゾンビたちが共食いをしているところがしっかりと見えるはずです。
そのあとで時期を見計らってお二人が整形したゾンビと入れ替われば、奥様方は必死になって身を守ろうと反撃に出るでしょう。
私はその場面をしっかりと記録しておきます。傍から見ればいきなり夫を殺そうとしているようにしか見えませんから、裁判所で記録を見せれば離婚も簡単に出来るでしょう」
 ロメロ氏は計画を説明しながら、メイク前後のゾンビの顔を写真で見せた。確かに注意してみなければ違いがわからないほどそっくりで、これならワイフでも見破れないだろうと思われた。

220 : ◆dve/1Ebaqs :04/06/26 20:09 ID:ISJroga/
 アール氏は計画に乗り気で、既に契約書を読んで料金やその支払いについての箇所に目を通し始めていたが、エヌ氏はいくつか気にかかる点があるようで、何度も資料を繰り返し調べていた。
「何か気になる点があればどうぞ。お疑いのままではうまく計画も進みませんから」
「そうですね、気になったのはうまくワイフが信じてくれればよいのですが、そうでないときはどうすればいいのでしょう。それとワイフに危険はないのですよね」
「それに関してはあなた方のご協力しだいというところで。まずはゾンビについての映画を奥様と一緒にご覧下さい。
できれば当方で推薦したものがよろしいですな。映像としてみたことがあるのとないのではまったく異なりますから。
映画を鑑賞された数日後から奥様だけの目に入るようにゾンビをうろつかせます。ただしお二人は相談されても、見たこと自体を否定してはいけません。
そしてゾンビの存在を否定しきれなくなったのを見計らい、計画を実行します。予め期日は指定しますので、ご都合をつけておいてください」


書き込みが長いだの時間がたってないだの。
3秒ぐらいまけてくれてもいーじゃん。しかもそのあとさらに30秒待たなくちゃいけないし。

>>くるぶしさん
お灸を据えられたり、唯一の弱点だったりしそうな名前ですね。
ちまみれの日本刀をもった少女なんて、傍から見るとゾンビよりも危険ですね。
勘違いしてゾンビに助けを求める人が出るとみた。

221 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/28 21:21 ID:Zx7oyetg
ども。いつも楽しく拝見させていただいておりまつ。このスレ大変おもしろいですね!!
PIPさんの過去に書かれたものも読ませていただきました。尚也かっこいいです!!続き
が早くみたいです!あっ、催促しちゃいけないんでしたっけ!?でも見たいのです!
わがままいってすいません。
そーいや、さんげりあさんはどうしたのでしょうか?気になります。LOST、HERO
続きがほしい。

222 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/28 22:38 ID:HYjEOEHd
漏れも続きキボン
それとメール欄には半角でsageを入れようね


223 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/28 23:41 ID:bulzpG5F
実はおいらも続き気になっててず〜とチェックしてたりします

さんげりあタソ復活してくれないかな

224 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/29 00:18 ID:BefDciaD
ダリオさんの大口径銃を操る少女の続き
PIPさんの尚也と直毘の続き
くるぶしさんの日本刀少女の続き
巡査物語さんの警察物語の続き
DTさんの大阪暴動の続き
さんげりあさんの篭城脱出の続き

まだーマチクタビレター

225 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/29 23:13 ID:eFEPg8Zk
俺もたのしみにしてます。
しかし面白い新作も次々と発表されているので気長に待ちます。
作者さん方もまたーりがんばって下さい。
またーり

226 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/30 01:01 ID:1MBaF3RN
藻前ら、楽しみにしているのなら感想の一つでも書こうよ。

作品保管庫。過去ログもあるでよ。
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/

言い出しっぺの漏れから。
PIPさんの尚也がすっげーカッコイイ。
ヒーローなんだけどその能力がゾンビになりつつある証(だよね?)なのがすげーと思った。
思い出の恋人を殺したあたりが一番のお気に入りです。
遊園地の誕生日の話も好きです。女の子にハァハァシマスタ

227 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/30 01:37 ID:/9uK6Iii
さんげりあ殿、寝る前にお話して

228 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/30 01:39 ID:1MBaF3RN
寝る前にゾンビ話されたら怖くて眠れねー
眠れてもトイレにいけねー

漏れは消防のときにゾンビが怖くてトイレにいけなかったこと思い出あり

229 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/06/30 19:21 ID:LwRuYkRw
賢二からメールがきた
「今ヒマ?ボーリングいこうぜ」
「OK、誰が行くの?」返信した
てっちゃんと鈴木が来るそうだ 着替えてチャリで発進

着いた 賢二がいた
5分くらい待ってるとてっちゃんと鈴木が来た
ボウリング場へ突入

シューズを借りて2ゲームで申し込んだ
席へ行った。荷物配置
靴を履いてボールを取りに行く
ちょっと重めの銀色のを選んでみた 指がきつくて入らん
似たような緑のマーブルを選んだ よさそうだ、コレに決定
てっちゃんが言う「ちょっとジュース買ってくんね」
便乗して注文、午後の紅茶
鈴木と賢二もなんか頼んだ スタンバイOK
てっちゃんが帰ってきた、飲み物確保 プレイ開始

鈴木から。綺麗なフォームで投げた
5列に並んだゾンビの頭めがけてボールが勢いよく転がる
わずかに左にそれて10頭の左半分7頭くらいが血飛沫を上げて吹っ飛んだ
「ああ〜」鈴木のリアクション。相変わらず変だ
「おしい」「おお〜」なんだかわからない俺達
スペア狙いで投げる 1頭残して他全部潰した
「うわーちくしょう」さらに変な鈴木のリアクション
次は俺の番である

230 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/01 14:54 ID:0bzv5B76
喪主

231 :Щ(゚皿゚ Щ:04/07/01 19:11 ID:bZjW5Wid
>>◆dve/1Ebaqsさん
>>巡査物語さん
>>王都座夢さん
>>スレ住人皆様
ご連絡・レスありがとうございます。
返答が大変遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
忙しくなってしまったために更新分が滞っておりましたが、
土日にかけてHTML化したものをUP致します。
予定は、遊園地編および8レス目となっております。

232 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/07/03 19:06 ID:PX1ogXEQ
警告、もしくは驚愕の叫び
外壁部で爆発音、そして強い振動の伝達
部屋全体いや城全体が衝撃に揺らぐ、その音と家具等の鳴る音
また砲撃か。
数秒後
怒声あるいは救援の呼び声が廊下の壁の反響効果を付随された形で耳に入る
死傷者が・・・死傷者はふさわしくないな、だがやはり死傷者だ、死傷者が出たな
当然だ。被害状況を推定してみる
すると駆け寄ってくる足音
「マハトレさん、また砲撃です」ケビンが報告に入ってきた
うむ知っている。
「西側の壁が少しやられました、あと3人死にました。怪我人も5名います」
「そうか・・・5人は大丈夫なのか?」
「重傷1名です。ショーンというやつで、下半身まるごと吹っ飛ばされてます。他は軽傷です」
「そいつはどこか空いてる仕事にまわすしかないな。工房にでも。4人でもそこの任務は継続できそうか?」
「まあ問題ないでしょう。今は壁の補修をしています」
「砲撃地点は?西の森か」
「そうです。増援は来ていないはずですから、連中の砲弾の残りはたぶん2発だけですね」
「ふむ・・・今夜森に偵察を出すか。連中にばらけて撤退されると厄介だからな」
「砲撃するんですね?」
「勿論」
「でも奴ら全員まとまっているんでしょうか?」
そこだ。分散していては砲撃など弾と労力の浪費に過ぎない。
「なんとかしてまとまらせよう。作戦を考えるよ、それかお前か誰かが考えてくれ」
「ああ、お任せしますよ」
ケビンが笑い、私も笑った。
                        つづく

233 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/04 19:41 ID:85NmZBE+
新作きぼん


234 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/04 19:45 ID:85NmZBE+
たのむ

235 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/04 21:18 ID:2mELv4ij
ネタはあるが、文章にならない。
書き終わってから見直せば効率がいいとわかってはいても、ついつい表現をいじくりながら書いてしまう。
そのうち自分の悪文を直す作業に嫌気がさして、途中で止めてばかりだ。

たぶん、PCだと校正が楽だからだろう。
楽なので、いちいち修正しながら書いてしまう。
昔ながらに自分の手で書いたほうが早いのかもしれない。

中途半端に暇でもよくない。
忙しくてストレスが溜まっている時の方が筆の進みがいい。
暇な時に書くとストレスが溜まり、仕事でストレスが溜まると無性に何か書きたくなる。

などと無駄にスレを使い潰してみた。
あたらしく雑談スレを立て直したいね。
連絡用にも使いたいから。

236 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/04 21:41 ID:oBZIQpKc
ああ、やっぱりいいなこの雰囲気。
しばらくずっとROMってたけどまた書きたくなったよ。
どうするかな。

237 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/04 21:42 ID:oBZIQpKc
しまった、ついアゲてしまった。
すんません。

238 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/05 03:06 ID:++6TPLsq
235さんも236さんも昔からの作者さんなのですね。期待しておまちしてます。

239 : ◆dve/1Ebaqs :04/07/07 01:53 ID:78kVJ+rA
とりあえず中途半端の短編を片付け中。
エヌ氏とアイスクリームを作る話はなんとか今週中に片付きそうです。
長編のほうは昔の書きかけを読んでいたら、ようやく書きたい場面が決まりました。
直毘の方で書きたい話があるけど、短編と尚也のほうを進めないと手がつけられない。
手を広げすぎたことをいまさら後悔。

雑談用のスレは必要ですか?
最近いい雰囲気なので、ここでもいいのではと思ってます。
活気があるほうが書く気も起きると思うのですが、皆さんいかがでしょうか?

240 : ◆dve/1Ebaqs :04/07/08 19:15 ID:icjz+cOZ
クーラーをセットして仮眠をとっていたのに、あまりの暑さでうなされました。
社員寮ぼろ過ぎ。担当者プロ意識なさ過ぎ。
テレビの受信状態も最悪で砂嵐。

おかげでゾンビの出る悪夢を見ました。

嬉しいやら哀しいやら。

241 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/08 19:57 ID:Cs6TcA5b
ゾンビの出る夢なんて見たら、確実にオネショですよε-(´ー`*)

242 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/08 22:15 ID:jS8DTyrm
こちらは北海道なのにジメジメ・・・
ゾンビとか出たら腐臭とか酷そうです

243 : ◆dve/1Ebaqs :04/07/08 23:16 ID:icjz+cOZ
うがぁー

クーラー壊れているのを連絡したのに直してねぇー!
いつ直るのか連絡すら入ってねぇー!!
他の部屋の奴もブチギレテ文句言いに行ったら「扇風機ですませば」とほざかれたってー!!!
ッたく、あの窓際社員全然使えない。
とりあえず現状と故障原因、緊急時の連絡先を形にして残すようにFAX。
無駄に年をとって、いまだに社会人としての常識がない人は相手にしたくないですねぇ。

暑くて続きなんて書けやしねぇ。
明日も直らなかったらファミレスにノートPC持ち込んで書くか……

244 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/10 12:30 ID:1h/iTXBS
>> 243
それは、寮なんて帰らないで会社にいなさいと言う、有り難い会社の配慮ですよ。
で勤務時間外にいるのだから、残業代はサービスと言う事で

245 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 19:59 ID:dbd7tMsy
そんなときこそゾンビ

246 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/12 18:54 ID:pyfBH8PG
月曜日になっても新作がない。
書かないなら今週中に片付くとかいうな。

247 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/12 22:12 ID:q+7+WX8S
毎度の事なんだから腹立てるなよ。

248 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/13 17:30 ID:z7kEbmkt
でも続けて書いているのも◆dve/1Ebaqsだけなんだよな。

249 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/14 00:53 ID:h17N7gBU
よくゾンビネタが続いているもんだ。
遊園地の洗脳ネタが面白かった。

250 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/14 23:54 ID:YD3ZCvGe
まだ社員寮のクーラーが直ってないと見た

251 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/15 01:21 ID:ymgUDpPZ
この時期クーラーがないと死ねるぜ

252 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/15 02:48 ID:apcRZH69
作品がないなー。みなさん忙しいんでしょうか。

253 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/17 01:50 ID:t7Qg0PzL
ほしゅ

254 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/17 01:50 ID:1EgrUylO
作者さん来るまでの暇つぶしにどぞ〜
バイオモナード
ttp://kure352.fc2web.com/bio/bio.html
結構良く出来てました。

255 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/19 08:11 ID:Pz5hf0Oo
posyu

256 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/19 16:08 ID:xw+4ySZG
ゾンビと言えば、平井和正のゾンビーハンター
最高に面白いです。外出だよね?


257 :yakitori:04/07/19 17:01 ID:5LZJxDJ4
 マイケルはNEC製の15インチ液晶モニターを見ていた。
ウインドウズXP、インターネット・エクスプローラー6.0。
開いているのは”雪子の占い館 愛(アムール)”というサイトだ。
タイトル画像は遠近法によって強調された飾り文字で、その下左寄りに
店舗の画像と住所、営業時間と基本料金―8000円/1時間、ぼったくりだとマイケルは思った―
などが書いてある。彼はいつもこう考える、ホームページの出来は店の質に比例する。
そしてそこはお世辞にも出来がいいとは言えなかった。
さきほど"雪子”のプロフィールを見てみたところでは、”雪子”はフランソワ―ズ雪子であり、
45歳の国際的占い師(魔術師、祈祷師、超自然科学研究者・・・などなど)だということだった(その横に、
厚化粧をしているがどう見ても70歳にしか見えない悪徳そうな老婆の写真があった)。
 この老婆に行き着いたのも、やはり何か超自然的なものの導きのようであった。
彼らは、この危機にあって突如、自分と同じ種類の人間を探し出し結束する能力を目覚めさせた。
本来なら雪子のような人間と関わることは絶対ありえなかった、それなのにマイケルはこのサイトを開き、
”雪子”と通じ合ったのだ。このように見知らぬ同類と引き合うことになったのは彼女で3人目だった。

 全世界規模の異変が日本に襲いかかってからも、現在までのところインターネットは正常に機能している。
NTTの電話網は健在であり、都市部では生き残ったわずかな技師や学生たちがシステム維持に文字通り命をかけていた。
ニフティやSO-NETなどのプロバイダは使用不可になったが、ビッグローブ・OCN・ヤフーBBはほぼ完全に機能している。
かろうじて生存している者たちは、その恩恵にあずかり、ネットの真の有効性を思い知り、そのことを神に感謝した。
だが一方で、パソコン以上に生存性を高める携帯電話は、都内や首都圏の一部にわずかなエリアが残るのみとなった。
この心強くかよわい生命線が明日にも途絶えるかもしれない状況のなかで、生き残った人々は絶望とたたかっていた。

258 :yakitori:04/07/19 17:03 ID:5LZJxDJ4
早朝の閑散とした時雨街道に、3日ぶりのエンジン音が響き渡った(3日前に響かせたのはマイケルたちのミニバンだった)。
道を歩く死人が車に気づいてすばやく頭をむけるが(急に首を回したために首がとれてしまった者もいた)、
時速170キロで走り去るポルシェ・ボクスターは、彼らの目に黄色いラインを一瞬残しただけで、
あっというまに消失点を超えて行ってしまった。

ポルシェは駅に隣接した巨大な複合デパートのメインエントランス前で停まった。
マイケルたちは立て篭もる砦があまりに大きいので、労力を惜しんで玄関にいちいち施錠をする防衛策を放棄した。
付近にたむろしていたゾンビがポルシェめがけてのこのこやってきた。たいていは車内の人間を襲えないものだが、
まれにガラスをぶち破るだけの力を持ったゾンビもいた(雪子はゾンビが知恵を使ってガラスを割ったとは信じなかった。
ゾンビにはサルほどの知恵もないわ単に力が強いだけなのよ)。ゾンビはざっと見たところ5匹。
だいじなポルシェに傷や汚れがついては困る、雪子はドアを開け立ち上がった。
黒い動物の毛皮のコートが、雪子のバサバサの白髪と白塗りした顔を引き立てていた。
世界の破滅の時をなんとか生きている人間にはまるで不釣合いな、無駄に豪華で非実用的(ハイヒールも含め)、そのうえうさんくさい服装だった。
この餌は珍奇な服装をしてるな、食べよう、ババアだが美味かもしれない(するめみたいにな)、とゾンビが一斉に襲いかかった。


259 :yakitori:04/07/19 17:04 ID:5LZJxDJ4
袖口の隠しポケットからすばやくタロットカードを手にとる。紫紺のつけ爪を施した指で1枚抜き取り、
人差し指、中指、親指の3本でカードをホールドし、その手を斜め横に勢いよく振り、空気を裂く音がして、
最初のゾンビの頭が眉間の上で切断されて飛んでいった。
二匹目と三匹目は雪子の背後から掴みかかったが、雪子はアイスダンスのプロのように瞬時に回転し、
振りぬいた腕を曲げ回転の勢いでそのままゾンビに叩きつけ、2匹の頭を失敗したスイカ割りのように粉砕した。
頭の内容物がポルシェや自分に飛び散り、「女性が高価な物を損失した場合の法則」により、ショックを受けた雪子はゾンビに激怒した。
手に持つ血まみれのタロットカードの絵柄を見る。右手に神の喇叭を、左手に戦いの剣を持つ天使だった。
「汝神に背くことあらば悪魔の烙印をめがけて滅ぼす獣が牙をむく」
フランソワ―ズ雪子がラテン語で呟くと、晴天だったはずの空に雲がかかり、雷鳴が鳴って雲が割れそこから日差しが洩れて、
大地が鳴動し空気が震えたかと思うと、カードから目が眩むほどの閃光がほとばしり、光が薄れると二匹のゾンビはたちまち朽ちて土に還った。わずか3秒ほどの出来事だった。
光はなくなり、血の染みが消えたカードをしまって、ポルシェの周囲に結界を描いてから、
雪子はいかにも老婆らしい足どりで、ゆっくり回転ドアをくぐった。

260 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/07/20 17:42 ID:c6MLHmap
期待age

261 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/20 18:46 ID:Uq4xLx9r
いいねー。期待sage。

262 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/07/21 18:20 ID:NyTpLRsr
だからageだっつってんだろ!続き!来いよ!

263 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/21 23:11 ID:Uu9J4IbL
雪子萌え

264 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/21 23:37 ID:GfcRfO6s
えーだってageたら荒れるかもしんないじゃん

265 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/22 00:55 ID:c1iwmnVY
つーかageるやつは荒らしを呼び込むのが目的だし。
AAスレでも小説スレでも本当に職人を待つやつはあげない。

266 :yakitori:04/07/22 19:02 ID:g/tolD9Q
 そこは駅ビルのショッピングモール区画だった。
幅十数メートル、奥行きは100メートルほどもあるかと思われる広いコンコースで、
5階まで巨大な吹き抜けになっている。2階から上は吹き抜けに面して通路が設けられ、
左右の通路に沿って数箇所に各階へ繋がるエスカレーターと階段があり、
4階と5階は一箇所だけ空中通路が左右を繋いでいた。
コンコースの中央に沿って2つ、木と植物が植えられ、小さな滝が池に注ぐ石造りの憩いの場があり、
今そこは生きた人間の代わりに死んだ人間の休憩所となっていた。
各階には無数の店舗が並んでいて(当然ながらすべて休業中である)、
ゾンビは生前とは異なりそれらの店舗の前をまったく興味がなさそうに通り過ぎていた。
あちこちの床の上にゾンビの残骸が見え、おそらくこれはマイケル一行の仕業だと思われた。
異変後1ヶ月半も経っているにしては、略奪された跡がまったくないのが不思議だったが、
屍骸の数から見るに、あまりにゾンビが多すぎたため一般市民はここを避けたか、
あるいは侵入したものの次々に襲われてゾンビとなったかのどちらかに違いなかった。

 雪子はむやみに接近戦を行いこれ以上汚れが付くのは嫌だった。
ゾンビが徘徊する通路を突破するのを避けてエレベーターで直行しようかとも考えたが、
エレベーターのドアが開くと無数のゾンビがてぐすね引いてウェルカム状態に陥る危険は冒したくない。
仕方なく右側の手近なエスカレーターに向かったが、そこでゾンビに気づかれた。
反対側を向いていた2匹が振り向き、獲物の認識に一瞬かかったのち駆け寄って(ゾンビ速度だが)きた。
雪子は無視してさっさとエスカレーターに乗り込み、ゾンビが後を追って登ってくる頃には
3階へのエスカレーターを半分まで進んでいた。
だが、3階にいたゾンビが一匹感づいて、エスカレーターの降り口側で雪子を待ち受けていた。
雪子はコートからどこかの首狩り族制作の干した生首を取り出し、現地語の呪文を唱えてゾンビに投げつけた。
生首は投げられている間に蘇生し、牙を剥き出した男の頭部となってゾンビの顔面に噛み付いた。
怯んだゾンビは後退しようとしてバランスを崩し転倒してしまい、雪子はその隙に4階へのエスカレーターへ移り、
その前に転倒したゾンビをハイヒールの踵で思いっきり踏んづけておいた。

267 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/23 00:28 ID:3yDO2KYX
マイケルとは?続きたの

268 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/07/23 11:23 ID:nIc7miPm
これ何気に今年一番面白くね?続き期待age
yakitoriさんトリップつけたほうがいいかも。あと順番があると見やすいね

269 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/24 15:54 ID:U2QqHveU
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270 :yakitori:04/07/24 18:51 ID:SoJq8zL7
えーと、>>257シリーズの5番めです

雪子はエスカレーターを一段ずつ上がっていった。
振り返ると、倒れていたゾンビが起き上がり、
雪子の乗っているほうの左に併設されたエスカレーターを登っていたが、
それは4階から下ってくるエスカレーターで、そのためゾンビがいくら登っても一向に進めないのだった。
 エスカレーターを登り切ったところで、雪子は危機を察知し、
瞬時に2メートルほど跳躍して、降り口の床に開いた大きな穴をなんとか飛び越え着地した。
直径1.7メートルほどの、爆撃後のクレーターのような穴をのぞくと、
3階の床に多量の血飛沫と数々の体組織、腕や脚が曲がったりちぎれて飛散したりしている数体のゾンビの屍骸が見えた。
それは要するに単なる落とし穴で、何も考えずエスカレーターで登ってくるゾンビは例外なく、
穴から9メートルを落下し、階下の床に叩きつけられることになるのだった。
当然マイケルたちの仕掛けたものであろう。こんな物騒な罠を仕掛けておいて予め報せないとは、
私が腰を傷めでもしたらどうしてくれるというのか。あとで仕返ししてやろう、と思った。
 トラップは自らの職務を完全に遂行しているらしく、4階にはゾンビがまったく見当たらなかった。
雪子はこの時点ではまだ知らなかったが、
ショッピングモール区画内で4階へ通じるすべての経路にはこういった防護策が仕掛けてあった。
駅ビルの他の区画へ繋がる扉も完全に封鎖されているため、ショッピングモールの4階と5階はゾンビからは隔絶されているのだった。

雪子はマイケルからのメールで指示された通りに通路を進んでいった。
すると、スポーツウェアの展示スペースに男が一人座っているのを見つけた。男は挨拶するように片手を軽くあげた。


271 :yakitori:04/07/24 19:05 ID:SoJq8zL7
男は腕と脚の外側に黒いダブルラインの入った黄色いジャージを着ていた。
どこかで見た覚えがする・・・そういえば男の顔も髪型も、誰かによく似ている気がしたが、
雪子はそれが誰か思い出せなかった。
「あなたがマイケルかい?」
「違う」中国人風の日本語で男は答えた。「俺は趙傭袢、あんたは雪子か」
チョウ・ヨンファンと言ったらしいが、雪子にはチャーハンと聞こえた。
「そうよ。マイケルの仲間だね?案内しとくれ」
チャーハンは気迫のある笑みを浮かべると、身軽な動きで立ち上がった。
「そう、そのために待ってた」
何歩か進んで雪子を振り返り、腕を振る。「こっちだ」
先を行くチャーハンの後姿を見ながら、雪子はなぜかヌンチャクのことを考えていた。


272 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/24 22:11 ID:Z8AUShs8
おっこれは久しぶりのヒットか!?
雪子カッコイイ!
楽しみにしてます

273 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/25 02:24 ID:+WpBK7At
いいねー。かなりいい。
他の作者のように途中でやめたりしないでくださいね。

274 :yakitori:04/07/25 18:11 ID:Y7tkvUnU
>>271からの続き

かすかな音が聞こえた。チャーハンは音のするほうへと歩いていっているようだ。
近づくにつれそれが音楽だということがわかり、さらに近づくとそれがラップであることがわかった。
雪子はラップが嫌いだった(ラップが音楽だなどというのは戯言だ)。
ほどなく2人はそこへたどり着いた。スピーカーから大音量でチャカチャカ鳴る音楽が非常に耳障りで、不快だ。
チャーハンがにっこりして言う。
「ここだ」
そこはレコードショップ、新星堂だった。CDラックが無数に、だが整然と並んでいる。
ニューリリースは目立つようにパネル展示されていた(アヴリルとR・ケリーが雪子の方から見えた。
邦楽コーナーのほうはケミストリーだけわかった)
見回すと店内はかなり広く、店の左半分はすべてCDコーナー、奥の壁沿いには試聴/検索ブース、少し離れた隣には音楽雑誌が置いてあり、
右はDVDコーナーで、隣接する楽器店と繋がっていた。
そして中央手前のレジでは少年が一人、パソコンに向かっていた。ラップを聴いてるのは間違いなくこの子供だと、服装でわかった。
「ちょっとあんた。このうるさいのを消しな」雪子は近寄り、声をかけた。
彼はうざったそうにリモコンでアンプの電源を切り、顔を上げた。「あんた雪子?」
「そう、あんたがマイケルだね・・・私を呼んだ」
少年は白い歯を見せ、笑顔になった。「そうだよ」
マイケルは15か16くらいの、小麦色の肌をした黒人だった。
黒人の特徴が薄いのと、日本語が流暢なところからするとハーフなのかもしれない。
「本当は舞蹴惹尊って名前なんだけど、もうマイケルで決まってるからね。
ええと、本日はこんなとこまでわざわざご足労頂きまして誠にありがとうございます。
俺はマイケル・ジャクソン。よろしく、雪子」
大人になりきってはいないが力強い右手を差し出す。
雪子も細い手を出し、握手した。「ええ、よろしく。フランソワ―ズ雪子です」

>>273 
できるだけそうならないようにしたいです・・・が
殆ど場当たりで書いてるので、話の先がどうなるかまだ決めてないです

275 :yakitori:04/07/25 18:49 ID:Y7tkvUnU
(ユキコ?雪子だって?)
マイケルは思った。”雪子の占い館”で名前を見たときから、
「雪子」の読みが自然と「セツ子」というふうにインプットされていたのだった。
(だってどう考えても普通セツ子だろ、ババァだし)命が危ういので口に出すのは止めておいたが、
マイケルは心の中で密かにセツ子と呼び続けることを決意した。

「雪子、チャーハンはもう知ってるね、」チャーハンはDVDの映画を見ていたが、名前が出ると素早く振り向いた。
「あと2人いるんだけど、どうせ後で会うんだから別にいいか。出かけてんだけどね。
メールでも言ったけど、あんたの能力は非っ常ぉーに役に立つよマジで。
俺たちが確実に生き残るためには、あんたが必要。あんたのほうも一人じゃアレだし。
そーこーで結束するわけ」マイケルは言葉を強調するように手振りを交えて言った。
「ありがたい話だわね」雪子は礼を述べた。
「こちらこそ。これも最初に言ったけど、一番大事なのは生き延びるってこと。
俺たちは5人全員が助け合わなきゃいけないし、常に安全じゃないといけない」
「よぉぉーっくわかってるわ」
「オーケー。別にただの再確認だって」
「私をボケだと思ってるんじゃないだろうね」
表情一つ変えていないのに、マイケルは睨まれたような気がした。
「ああ、今はもう思ってないよ」店の奥の開いている関係者用ドアを指差す。
「喉渇いてたらどうぞ。冷蔵庫に入ってるよ。食べ物も少しあるし」
「ありがたい話だわね」雪子は紅茶が飲みたくなった。

276 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/26 01:50 ID:x76mkAvB
yakitoriさん。今あなたがこのスレの主役です。
いやオカ板代表といっても過言ではないでしょう!!

277 :yakitori:04/07/27 18:49 ID:7qo4Gryt
つづき

 正午になると、彼ら三人は昼食をとった。
冷凍食品が主だが、なんとマイケル達は千葉にある無人の農地をいくつか占拠し、
メンバーの一人(どうも天才的な発明家のようだ)が制作した自動水撒き機や監視ロボットが
維持・管理を行う畑やビニールハウスで野菜を育てており、
そこでとれたという新鮮なトマトもひとつ食卓に出された。
 マイケルの話によれば、事故発生後は保存食をあちこちから奪取してきたものの、
長期保存可能なものはあまり食べないことにして、可能な限りは農業を行い、
加えて魚釣りや山菜採りなどでもかなりの食料を得ているという。
また、無数にいて人に慣れすぎたため簡単に捕まえられる鳩も、貴重な食料源となっている。
さらには放棄されたマンションのガーデンテラスなどでも作物の栽培を試みていて、
味はともかく、すでにレモンや葡萄などが実をつけているらしい。
これにはさすがの雪子も驚くほかなかったし、
また同時に、長期的な視野と適確な判断力と実行力とを完備したマイケル達に、
敬意すら感じ、全面的な信頼がおけることも心から確信できた。
(雪子がマイケルの誘いに応じたのは食料面の不安もあってのことだった。
マイケルはこちらがちゃんと義務を果たす限り食料の供給を多分約束できると言った)
 事態が日本全域に波及してからからほぼ3ヶ月がたち、
ごく一部の保存食を除いて市販の食品はすべてだめになってしまって、
ここにくるまで雪子は米と冷凍食品と缶詰くらいしか食べるものを得られなかったのだった。
現在ここにある食料で、供給を一切しなくても5人が3週間くらいはちゃんと食事をとれる
(ただし、かなり切り詰めている。災害時にあっては腹八分でも食べすぎなのだ)。
マイケル達はこのビル以外にも数箇所食料庫を作ってあったが(点在させれば一度にすべて失うことはなくなる)、
他の生存者に奪われている可能性も充分あったし、食料目当てでマイケル達自身が襲われないとも限らない。

278 :yakitori:04/07/27 18:52 ID:7qo4Gryt
 とりあえず自給自足しているとはいえ、ゾンビ問題解決の見通しがまるでないため、
現状維持でいつまでも持つわけではないことも明らかだった。
マイケルが言うには、世界の国の中にはゾンビ問題を完全に解決した国、
あるいはゾンビとまったく関係をもたずに済んだ国もあるはずだという。
断絶するまえのニュースでは、全世界の文明地域にはすべてゾンビが発生したと報道していたが、
現実的に考えれば、ゾンビなんかいない所でもそれをわざわざ声高に発表したりはしない。
あちこちから避難民が押し寄せるに決まっているからだ。
また、完全に自給自足の可能な、太平洋の離島やアフリカの密林のようなところでは、
人々は世界を襲ったゾンビ問題とはまったく無縁に生活しているかもしれない。
チャーハンは、俺たちはいずれそういうところに逃げるつもりでいると言った。
 それに付随する最大の難点は、世界の現状が把握できないことだ。
全人口の60パーセントを失ったとも言われる(誰が調査したのか知らないが、この数ばかりが一人歩きした)ゾンビ災害後、
日本も含め、世界中の政府機構はことごとく崩壊した。
アメリカやイギリス、インド、オーストラリアなど少数の国では、中央政府がまるごと存続しているものの、
軍を少しばかり指揮できる程度で、国家としての機能は完全に消失していた。
最初のうちは食料供給などでなんとか国民の統制を保てたが、
今その人々が混乱の極みにある状態では、国家などというシステムはもはや意味を持たなかった。
インターネットに繋がっている国自体は少なくないものの、
どの人々も自分の国の状況さえ詳細に説明することはできなかった。
あらゆるメディアが消え、場所によっては電気も得られない、食料も水も自力で得なくてはいけない、
突然そんな環境におかれたら、人は太古の記憶を呼び覚ます間もなく、ただ死んでいくのみであった。

つづく

>>276
そんな。大仰な。何をおっしゃる。拙者など。

279 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/28 02:01 ID:CzkgxEAE
人に慣れた鳩
これはだれも目をつけなかった所。勝手に繁殖するし、食う人間が少なければ
無限の食料だね。

280 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/28 09:32 ID:E/nQ+wL9
なんというか、もはや天才ですね!!スレ史上最高傑作に一票

281 :本当にあった怖い名無し:04/07/28 12:17 ID:0Jv40ybu
ageて褒め殺し?


282 :本当にあった怖い名無し:04/07/28 18:30 ID:81X3EyaY
ラノベ風味で描写が薄いかな。
でもこういう方向もありなのがここのいいところだ。

現実派:巡査部長さん
ラノベ派:yakitoriさん
ファンタジー派:PIPさん

リアル任侠風ゾンビなんてのはさすがに無いよね。

283 :本当にあった怖い名無し:04/07/28 18:57 ID:CzkgxEAE
ラノベってなんですか?無知ですまんが教えて。

284 :本当にあった怖い名無し:04/07/28 18:58 ID:CzkgxEAE
すまん ageてしまった

285 :yakitori:04/07/28 19:14 ID:2NOXbPzG
ラノベってのはライトノベルのことですよ

なんとなく意識した面もあるんですが
自分で読み返すと確かにかなり薄い描写ですね
あっさりし過ぎというか。一考します

286 :本当にあった怖い名無し:04/07/28 19:41 ID:DVXgUlZW
>>285
深けりゃいいってもんでもないでしょ
漏れは読みやすくて好きよ
頑張ってください

287 :283:04/07/28 19:53 ID:CzkgxEAE
おお yakitoriさん直々に
ありがとう。

288 :本当にあった怖い名無し:04/07/29 17:26 ID:Fajs+gus
もうダメぽ

289 :本当にあった怖い名無し:04/07/29 18:26 ID:yNlx/o+Q
>>288
落ちつけ!
気持ちは何となくわかる。

290 :本当にあった怖い名無し:04/07/29 18:48 ID:1Cgr1L92
>>288
前よりはまし

291 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 01:47 ID:KbhQ7sY6
荒れるよりはましかもね

yakitoriさんがんばってるし

292 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 18:56 ID:6UWyLNTQ
まだ来ないな

他の職人はどうした?

293 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 19:46 ID:CrfQWIqS
自作自演のカヲリがするのは自分だけだろうか

294 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 20:07 ID:KbhQ7sY6
ん?!どいつが?

295 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 20:42 ID:QbDl4kux
ほとんどが、だよ

296 :本当にあった怖い名無し:04/07/30 22:01 ID:5tHxmiuW
 なんか規制されててかけないときがやたらある。
 ツボ入れても意味ないじゃん。

297 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 01:23 ID:W7wfudQ5
教えていただきたいのですが、テンプレにありました作品保管庫
http://www.shitaraba.com/cgi-bin/read.cgi?key=1055642709_1&bbs=itou
が見られないのですが、どこかに移転したのでしょうか?

ご存知の方いらっしゃいましたら、教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。

298 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 01:55 ID:bvw0S8CG
さぁ?
こっちだとダメなんでつか?

http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/

299 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 01:58 ID:bvw0S8CG
調べてみた

>現在、掲示板リストのメンテナンスを行っております

なんだとよ

300 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 11:02 ID:W7wfudQ5
>>298-299

ありがとうございました。298さんの貼ってくださったアドからみることができまし

301 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 13:53 ID:QkTCaHsd
300さん、昔は作者さんがイパイいてよかったんですよ

302 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 15:29 ID:bvw0S8CG
特にpart2と4の頃が勢いあったよねぇ
その頃に刷れを支えてた作者さんたちはほぼ皆完全に姿を消してしまった

303 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 19:18 ID:kqZQmK2f
唯一頑張ってくれてるyakitori氏が起爆剤になるかどうか

304 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 19:27 ID:uhl1xqzt
昔は感想やリクも良くついていたもんだ。

305 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 20:21 ID:kqZQmK2f
そうだね、読者が多かったから作者さんもやりやすかったんだろうね〜

306 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 22:36 ID:eQXfhHzP
ここしばらくだれも感想をつけてないしね〜
昔はみんなしてマンセー+ちゃんとした批評をつけていた。
誹謗と批判を繰り返す人もいたけど、無視されて消えていった。
いまはだれも何も言わない。
読者がいなければ作者さんも書かなくなるよね。

307 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 22:42 ID:YDqojHIL
そうか? 良くついてたなんて言うほど感想はなかったと思うが…
逆に煽りとか多いなかで書いてる作者さんのほうが多かったような…

308 :本当にあった怖い名無し:04/07/31 23:44 ID:Fa4zAuHi
過去スレのどの辺りから見始めたかで、印象がかなり違うと思うよ。
307のようなときもあったし、304のようなときもあった。

309 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 00:26 ID:DzpCjn9y
過去のものでいえば、実は俺、はず氏の作品が好きだった。
禁句か?!
さんげりあ氏のLOST、HEROも好きだった。
PIP氏はずっといたのになぜやめてしまったのだろう。
復活してくんないかな。途中でやめられると、非常にこまる。


310 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 00:51 ID:+willgiU
はず氏は別に禁句じゃないと思うよ。
あれは外から入ってきた荒らしにみんなが釣られていただけだしね。
さんげりあ氏もぱったりと書かなくなっちゃった。
PIP氏なんか過疎期に一人で書いていたのに、最近見ないなー。
このスレを盛り上げれば帰ってきてくれるかな?

311 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 12:38 ID:/OcCIg8E
俺も数年前からいました。
錆取り中さんやマテリアルさんの作品で一気にひき込まれました。
はず氏の作品はポジティブなところが好きでした。
過疎化が進んでいたときに一人でも作品を投下してくれていたPIPさん。
さんげりあさんの作品が起爆剤になって続々と新規参入してきた作者さん方。
戻ってこないかなぁ・・・

yakitoriさんがんばって!

312 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 15:59 ID:qkohAtIZ
個人的にはさんげりあさんの復活を切に願います。
なんだかんだで投稿回数も量も期間もトップクラスのひとだったのに
なんでやめちゃったんだろ…

313 :yakitori:04/08/01 19:06 ID:u+uX8S9J
>>278 つづき

日が暮れる頃、出掛けていた残りのメンバー2人が帰ってきた。
チャーハンとプレステ2でゲームをしていたマイケルが顔を上げた。
「なんか見つかった?」
若い女のほうが答えた。「まあ色々。必要なものはあったみたい」
もう一人の男が雪子に気付いた。「ん、この人は?」
確認するようにマイケルのほうを見、また雪子に視線を戻す。「雪子さんかな?」
「そうよ」「そう、雪子」雪子とマイケルが同時に言った。雪子がじろっと一瞥したが、マイケルは気付かないふりをした。
「ふむ。あなたが雪子さんね。僕はコルソ」
まとまりのない黒髪、細い黒縁の丸眼鏡に口髭。顔立ちは端正だが、黒い服のせいもあって
どことなく陰気な雰囲気を漂わせる男は、軽く頭を下げ丁寧な挨拶をした。「よろしくどうぞ」
「ええ、コルソ」雪子も頷いた。「そちらのお嬢さんは?」少女はマイケルを追放し、プレステで遊んでいた。
17前後かと思われる少女は少しだけ顔を向けた。「リサ。よろしく」内心の面倒臭さが表面に出たのか、そっけない口調になった。
雪子はリサの非礼に気を悪くしたのかもしれなかった。
窓もないのに一瞬だけ風が吹きぬけたような、そんな気がして、みんなそう思った。
雪子がその場を離れると、空気の緊張が目に見えるように解けたのが感じられた。
チャーハンが、奴には逆らうな、というような目でリサを見たが、彼女はなぜか雪子を嫌いになった。
「ところで、マイケル」コルソが言った。「さっき奇妙な奴を見た」
マイケルは楽器店から持ってきたウクレレを弾きながら訊いた。「どんな奴?」
癖なのか、眼鏡に触れる。「ビルの屋上を飛んでいた」
「なんだって?」ウクレレの奏でる南国の調べは休符に遮られた。

つづく

応援してくれる方どうもです。スレに活気をってほど凄いのは書けませんが
他の実力派作者さんが来るまでのつなぎ程度にはできるよう頑張ります

314 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 19:38 ID:fU/JDNtH
謙遜不要。
がんばるぇ!!

315 : ◆dve/1Ebaqs :04/08/01 22:12 ID:q6TVPCpv
仕事が一段落ついたと思ったら、明日から台湾行きと相成りました。
続きを貼るのは帰国後になりそうです。

yakitoriさん。
今までと方向性の違う作品なので、とても楽しんでます。
いろいろなタイプのゾンビ作品があった方が、スレも盛りあがるので今後ともよろしくです。

316 :本当にあった怖い名無し:04/08/01 22:17 ID:DzpCjn9y
ももしろい!

317 :本当にあった怖い名無し:04/08/02 00:45 ID:WrExHCcD
おぉ(゚Д゚) PIPさん!
はやくかえってきてね。
おれ的にまず尚也シリーズを最後まで読みたい!!

318 :本当にあった怖い名無し:04/08/02 03:18 ID:nuMQG/Cc
>>317
私も!激しく同意!!
尚也シリーズ見たいです

319 :本当にあった怖い名無し:04/08/02 12:48 ID:gTulcLST
>>315
台湾は暑いと思いますががんばって下され1

320 :yakitori:04/08/02 19:09 ID:9lWW2UVz
つづき

「帰り道、交差点のあたりまで来た時に、リサが音を聴いた。
そこのビルの屋上に誰かがいるというので見上げてみると、確かに人影が見えた」
「それで?」マイケルは”奇妙な果実”をウクレレアレンジで爪弾きつつ先を促した。
「ほんの一瞬で、結局何かはわからなかったんだ。そいつはそのまま逃げてしまったよ。
リサがそいつの移動を探知して、どうもビルからビルへギネス級の走り幅跳びをしているらしい、と言うんだ」
「まさかゾンビなわけないよな。俺らの同類かな?」奇妙な果実は鳥に啄ばまれるくだりに差し掛かった。
コルソは頭を傾けた。「人間じゃないそうだ」
「リサ!」マイケルが呼ぶと、彼女は嫌な顔一つせずにすぐやって来た。
「なーに?」スツールに座り、「ああ。あの話ね」
「どんな奴だった?」
少し考えこみながら答える。「んー・・。人間でもゾンビでもないと思う。呼吸がひとつ・・・たぶん動物の呼吸音、犬だと思う。
でも、サーチしてもそいつ以外には犬とか全然いなかったから」
「ひょっとしたら狼男ではないかと思ったよ」コルソが付け加えた。
「狼男ー?まあ別にいてもおかしくないけどさぁ、あれは夜でしかも満月だろ」冗談だろという調子でマイケルは言ったが、半分は既にそう信じていた。
「そいつの形状まで細かく分かればよかったんだけど、すぐ逃げられちゃった。
身長174センチくらい、隣のビルまで14メートルの距離を軽々飛び越えたってことは分かったけど」
「スパーイダマーンスパーイダマーン」マイケルは世界的ヒット映画第2作のテーマソングをハミングした。
「そういえば(本物の)マイケル・ジャクソンも狼男に変身してたな」コルソがふと思い出したようなさりげなさで言った。「確かあいつも最終的にゾンビになって踊っていた」
リサに爆笑され、マイケルは気が滅入ったように首を振りつつ言った。「あいつの話はやめてくれ」
だが、彼はあっちのマイケルの整形史の初期段階に(控えめにいえば)少々似ていた。「今頃本当にゾンビと一緒に踊ってるんだろ・・」
リサがまたバカ笑いしてマイケルを叩いた。「それお前だろ!」コルソもマイケルも笑った。こういう仲間がいるというのは本当にいいことだ。


321 :yakitori:04/08/02 19:12 ID:9lWW2UVz
 チャーハンは夕飯を作っていた。料理はほとんど彼が一人でこなしていた(単に火を起こせるせいかもしれないし、
料理がそこそこ上手なせいかもしれない。たまにリサやコルソが手伝ってくれたが、マイケルは二回しか手伝わなかった。考えてみれば、
料理以外でも色々な雑用はほぼ彼がやっていた。しかし誰に強制されたわけでもなく、頼まれたり自発的にやったことが自然と彼の仕事として定着した感じだった)。
リサ達の笑い声が聞こえると、ナスを切りながら微笑んだ。頼れる仲間がいるのは、こういう状況では何よりも大切なことだった。

 ひとしきり続いた笑いが収まると(マイケルは「腹痛てー」と言いながらまだ笑いの発作を抑えようとしていた)、
リサが言った。「で、どうするの?」
横隔膜の収縮をなんとか抑えたマイケルが言う。「うーん、今は情報不足だな。そもそも敵かどうかもわかんないだろ?
まあ味方ってことはないと思うけど・・・とりあえず様子見だな」
「それがいい」コルソも同意した。
「でもそういえば、174センチだっけ?狼男にしては小さい様な」
「それは猫背だったせいじゃないかと話していたんだ。狼男が背筋を伸ばしていたら、不自然な気がしないかい」コルソが言った。
「ハマー・フィルムならともかく、そうだね」マイケルはこの説を受け入れた。
「ねえ、狼男だったらもうすぐまた来るかもよ」リサが言った。「考えてみたら今日は満月だから」

つづく

できる範囲で頑張りたいです。
誤字脱字脱毛校正案憲法改正案疑問回文砒素温泉入浴剤混入脱税疑惑等御座いましたらぜひ御指摘ください。

322 :本当にあった怖い名無し:04/08/02 22:53 ID:/rHo7cnj
いままでにも吸血鬼などは出ていましたが、狼男とは意表を突かれました!
個性豊かな登場人物達もイイ!!

回文

反戦派

323 :本当にあった怖い名無し:04/08/03 08:42 ID:jfb18H7Z
よし、指摘してやる
1:脱毛の件ですが、俺の右足の脛毛円形脱毛症起こしてるんですが
2:俺の先祖が今来て「俺も昔脱税やったもんだよ」と得意げに語っているのですが

どうしたらいいですか?
それとこれ等の物とゾンビの因果関係は?

324 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/03 19:51 ID:yGOA28cf
2個ばかり投下しますんでヨロシコ。

325 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/03 19:54 ID:yGOA28cf
「70」

職員の予想通り、最後の日がやって来た。
全てが予定外であり、幾度繰り返され打ち砕かれた計画の中で恐らくは全職員が
望まないであろう事態だけが確実な歩調でやってきた。
本日以降は残地職員を除き、本庁は千葉方面へ撤退するのである。
未だに非難し切れない大勢の民間人を置き去りにし日本の半分を見捨てての撤退である。
連日連夜の激務の中で、希望の光を失いつつも戦い抜いた職員が新しい職場を求めて
次々と輸送車両に乗り込み撤退してゆく、、どの顔にも憔悴と苦悩の中で積載荷物に
寄りかかりながら去っていった・・・。
最終日に小学校攻防戦で一緒に指揮を取った安藤三尉と最後の挨拶をした。
彼は、指揮下の部隊を引き連れて中国地方に侵攻しつつある中国軍との攻防戦に参加する為に
西進するそうだ、、途中に点在する都市部のゾンビを排除しながら防衛地点に向かうのは
どれだけの苦難が待ち構えているだろう?
たどり着けるかも分からない道のりを越えて彼らは戦場に向かうのだ、、絶対死の覚悟で・・。


326 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/03 19:59 ID:yGOA28cf
「71」

1本のタバコを2人で割って吸った・・。
特に悲壮感も無く、淡々とした様子で安藤三尉は手帳程の小冊子をくれた。
「生存適者」と書かれた冊子には天体観測法や劣悪環境下での装備保存法や応用法など
サバイバル状況下での情報がぎっしり記載されていた。
「よいか、生き残ると言うのは基礎体力や技術なんかも関係するが何より大切なのは
 生き残ろうとする意思だ、、生物として自然界で生きる全てに共通するルールだ」

全てが絶望の中で光を失わず、淡々と任務に最善を尽くす安藤三尉の目を見つめる・・。

「貴様は指揮官として、最後の部下が倒れるまでは絶対に死んではいかん
 最後の瞬間が訪れても最善を尽くし指揮官としての義務を果たせ。」

短い煙草をくわえたまま敬礼した後、部下を促してジープで去っていった。
彼の部下も初期の頃と比べて随分少なくなっていた、出会ったころに火炎放射器を
使った戦闘法を説明してくれた安中陸士長も今はいない・・。

こうして各部職員が去って行き、志願者を中心として残置職員が30人ばかり残る事になった。

327 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/03 20:00 ID:yGOA28cf
では、また明日。

328 :本当にあった怖い名無し:04/08/03 20:32 ID:bRXmZXwI
ぬおぉぉぉーーーーーー!!!!!
巡査物語さんーーーーーーーー!!!!
しかも明日またきてくれるのかーーーーー!?
首あらってまってます

329 :本当にあった怖い名無し:04/08/04 00:02 ID:2QqNW+4V
 巡査物語氏健在なりや。
 続きを楽しみにしています。


330 :本当にあった怖い名無し:04/08/04 03:13 ID:0wDSmmUU
巡査さんありがとう。
期待してます。

バタリアンサンはまだネト環境復旧してないんでしょうか?
侍衆とても好きですよ。

331 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/04 20:27 ID:YUC7gXHu
2個投下します

332 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/04 20:29 ID:YUC7gXHu
「72」

中沢巡査部長を中心として15名の警察官と5名の救護班、自衛隊さんから6名の通信班と
4名の機械保守要員である。
須藤巡査長の部下は全員志願した。
当面の任務は、当該管轄区の監視と避難民の一時預かりである。
救出困難地区や立て篭もり、その他何らかの事情により相等多数の残置者が予想された。
彼らと西側より退避する一般市民の避難場所としての機能を要求されたのである。

須藤巡査長は、部下と新しい任務に付いての打ち合わせを行ってから中沢巡査部長に申告を
行うため署長室に向かった。
元の主を含め署員の大半が撤退して最高階級者が彼なのだから署内の何処を使おうが勝手なのだが
残置組が決定した後でどうやら彼は、沢山有る機能的な部屋の中では此処がお気に入りとなったようだ・・・。

そもそも須藤巡査長にとっては、中沢巡査部長が今回のような危険な任務に志願した事が
不思議でならなかった・・。
須藤巡査長から見た彼の性質は小役人と言うか・・もっと悪く言うと狡猾で今までも比較的安全な
勤務ばかりを選んでいた人であった・・。
(何か、有るのだろうか?それとも、、いゃ考え過ぎだろうか?どうも嫌いな人物には点が厳しいな・・。)


333 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/04 20:31 ID:YUC7gXHu
「73」

署長室・・およそ彼には似つかわしくないような気がする扉を軽くノックする。
「誰か!」との声に申告すると「入れ!」と返事が来た。
中に入ると、偉そうにふんぞり返った中沢巡査部長を筆頭に三枝巡査長や池澤巡査といった彼の部下が
並んでいた、、(偏見かも知れん・・・しかし好意を持ちかねる連中だ・・。)
「おう須藤か、ミーティングは終ったか?」
顔を硬直させながら、指示手続きが終った旨報告する。
「そうか、、まぁ、焦らずに気長にやれ、、暫くは連日連夜の疲れを回復するのが任務だ、心配しなくても
 、、そうだな・・2〜3日は何事も起こらん、、多分な・・。」
「了解しました。」
敬礼して踵を返そうとする・・と・・。
無作法にも署長の机に腰掛けていた三枝巡査長が話し掛けて来た。
「あぁ、須藤巡査長、、どうせ貴様は何もわかっとらんだろうが、、現在の状況下で最良の選択をしたな・・」
「はぁ?」全く理解の外である・・・決死の任務が最良の選択?
ニヤニヤする三枝巡査長を制して中沢巡査部長が答える。
「なに、すぐに分かる、、いゃ遠からずかな?、とりあえず物資の確保が最優先だ監視は2の次で救助は最小限だ。」
「失礼します」
何だか凄く嫌な空気に堪らず逃げ出すように署長室を引き上げた・・。
(彼らは一体何を企んでいるんだ???)

334 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/04 20:33 ID:YUC7gXHu
明日は、、、ちと忙しいので、無理ぽー

335 :本当にあった怖い名無し:04/08/04 23:06 ID:X77ViGKt
久しぶりに巡査物語さんの作品を読めて嬉しい限りでそ
お仕事のほうもがんばって下さい。

336 :本当にあった怖い名無し:04/08/04 23:37 ID:2QqNW+4V
 巡査物語さんに引き続いて復活するのは誰ですか?

337 :本当にあった怖い名無し:04/08/05 01:46 ID:7aGgWNJh
巡査物語さん、どうやらゾンビ災害の裏でなにやら陰謀がありそうですね。
一番怖いのは人間なのかというのを考えさせられます。
がんばってください。応援してます。

338 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:34 ID:KHJeScim

ちょっと小説を書かせていただきます。
予定では、投下ペースを週2で考えています。

339 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:35 ID:KHJeScim

「ZOMBIE」(1)

わたしはまだ、生きている。
しかしそれをあざ笑うかのように、冷たい風の音に混じって、たくさんの
汚らわしい呻き声が聞こえて来る。
コンクリートの壁にもたれながら、わたしは目を閉じた。
この世界が「彼ら」の手に堕ちてから、どれだけ経ったのだろうか。
人類はもう、滅びてしまったのだろうか。
だがそんなことは、いまのわたしにとって、どうでもいいことだ。
呪いの叫びを振り払うように立ち上がると、鉄格子に守られた窓から外を眺める。
月明かりに照らされた、死臭の漂う夜の世界が広がっていた。

世界がこうなる前、わたしは普通の女子高生だった。
退屈な日常にうんざりしながらも、別になにをするわけでもなく、学校と
家をただ毎日往復し、社会に大切に守られて日々を過ごしてきた。
いまにして思えば、なんという贅沢な時間だったのであろうか。
でもあの頃のわたしは、そのことに感謝するわけもなく、当然の権利であるかの
ように時間を浪費し、傲慢な大人たちを鼻でせせら笑っていた。
そんなどこにでもいるような、ただの子供だったのだ。


340 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:36 ID:KHJeScim

「ねぇ、ねぇ、あいつ、またキョウコを見てるよ」
「えっ・・・?」
「ゾンビの奴、あんたのことが好きなんじゃないの?」
そんな友達の笑い声を聞きながら、わたしはため息をついた。
ゾンビというあだ名が指し示すように、その男は死人のように生気がなく、
骨と皮でできたガリガリの体と青白い肌、無表情な眼つきをしていた。
クラスメイトだった彼の本名は、もはや思い出すことはできない。
ただ「ゾンビ」という名前に相応しい風体が、わたしの記憶の中に
いまでも深く刻み込まれている。
彼はなにも言わず、じっとこちらを見つめていた。
薄気味悪くて仕方がない。
「ちょっと文句でも、言ってきてあげようか?」
友達のアケミは、やる気満々で腕まくりをしている。
「べつに放っとけばいいじゃない。ただ見ているだけだし・・・」
「あら〜?ひょっとしてゾンビのこと、好きだったりして?」
「バッ、バカなこと言わないでよ!」
自分でもビックリするくらいの大声だった。


341 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:37 ID:KHJeScim

「まあ、いーから、いーから。キョウコは黙って見ていなさいって。
ああいうストーカーみたいなオトコ、あたし大嫌い・・・」
アケミはツカツカと、ゾンビの元に毅然と足を進めていく。
「ちょっと、あんた!なに物欲しそうな眼で、キョウコを見てんのよ!」
アケミの威勢のいい言葉に、ゾンビはビクッと肩を震わせる。
彼は一瞬、恨めしそうな表情を浮かべた。
だがそれもアケミの顔を直視することすらできず、やがて力なくトボトボと
自分の席に戻っていく。
そんな卑屈なゾンビに、サディスティックな感情を刺激されたのか、
「逃げんじゃねぇよ、この変態野郎!」
と背中に蹴りを入れたアケミである。
その蹴りは、たいして力が入っていなかったのだが、無防備な背中への
一撃だったことや、ゾンビ自身がヘタレだったこともあり、ブザマに床へ
這い蹲る醜態を見せた。
その姿に教室中が、爆笑の渦に巻き込まれた。


342 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:38 ID:KHJeScim

「ギャハハ・・・カッコ悪すぎじゃん、こいつ!」
「だっせ〜〜!ゾンビの奴、オンナよりも弱いのかよ!ww」
それまでニヤニヤと、アケミとゾンビのやり取りを黙って見ていた
クラスメイトたちは、ここぞとばかりにからかい始めた。
わたしは自分が原因で起こった騒ぎが、どんどんエスカレートしていく
ことに焦り、オロオロしていた。
とても笑う気にはなれない。
ゾンビは無言で立ち上がると、アケミに眼を向ける。
もちろんただ見ているだけで、なにをするわけでもない。
それが彼女を、再び苛立たせたようだ。
「あんたさあ、オトコだろ?
怒ったり、殴りかかったりもしないで、ただ立っているだけ?
そんなんだから、てめぇはクラスでイジメられんだよぉ!
少しは根性を見せてみろや、オラッ!」
アケミは、相手が反撃して来ないという安心感のためか、ゾンビに対して
屈辱的な挑発を繰り返し、やがては暴力という形へと繋げていく。
それを咎める者はなく、アケミの行為はむしろクラスメイトたちからの
喝采を浴びていた。
だが彼女の精神的余裕は、何度目かの殴打ののち、ゾンビに腕を掴まれた
ことによって、終わりを告げる。
「キャアアア・・・!?さっ、触んないでよ、この変質者!!」
金切り声が教室に響き渡った。


343 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/06 00:39 ID:KHJeScim

いくらゾンビと笑われる貧相な肉体であっても、やはり男と女では体格に
差があるようで、アケミの細い腕では彼の手を振り払うことができなかった。
「やめてよ!放して!・・・痛いってば!!このっ・・・!!」
パ――ンッという、軽快な音がした。
ぶちキレたアケミが、ゾンビの頬を平手打ちしたのだ。
ゾンビの青白い顔のなかで、叩かれた箇所だけが赤みを差している。
だが被害者は、加害者であるはずのアケミになっていた。
「こっ、こいつ、オンナに暴力を振るいやがった!
ねぇ!みんなも見てたでしょ!?こいつ、許せない!!」
ゾンビに反抗的な態度(腕を掴まれた)をされたのがショックだったのか、
ヒステリックに喚くアケミに、わたしが知っている彼女の面影はなかった。
誰にでも好かれる、明るく前向きな性格と、頼りがいのある姉御肌という
こともあり、アケミはクラスの人気者だった。
この騒動も、もともとはアケミが、面倒見が良かったから起こってしまった。
大人びている普段のアケミと同一人物とは思えないほど、取り乱した彼女の
眼に宿るモノは、まさに狂気そのものだ。
ヒトは極限状態に陥ると、こうなってしまうのだろうか。
アケミの乱れようにビックリしてしまったが、しかしやがてそんな反応をする
人間たちを目の当たりにするのが日常的になることなど、このときのわたしは
まだ知る由もなかった。

(つづく)


344 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 01:54 ID:lFtGCRZ/
おおお。新しい作者さん。年頃の女の子が主人公なんですね。
長編の予感。うれしいかぎりです。

345 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 06:22 ID:nNTlFWSm
むっ…良いところでお預けイヤーン

346 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 09:05 ID:tbj2GREp
巡査物語様、復活おめでとうございます。
また、新しい作家さんも来ましたね。とても嬉しいかぎりです。

yakitoriさんはどうしたのでしょうか?
早く続きが見たいです。

347 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 11:19 ID:CE1VNSHg















348 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 11:43 ID:hZFZ6VLD
 あー、新しい人もいるようなので一応説明しておくと、
一時期、どっかの馬鹿がこのスレを荒らしに来ていた訳よ。
で、馬鹿の一つ覚えで「キンタ○キ○タマ」言ってたわけな。
ま、スルー推奨って事で。

349 : ◆GjQHdrlHdw :04/08/06 17:44 ID:9NJyySFR
荒らしはスルー
評価は、作者さんへの燃料でつ。

350 :yakitori:04/08/06 19:09 ID:50MtuoTZ
>>321の続き

 チャーハンの手料理(ナスとトマトのおいしいパスタだった。
食事中、5人は”狼男”について、今夜の計画を簡潔に話し合った)を食べ終えると、
一同はモールの屋上に出た。このモールは本来駅ビルの一区画に過ぎず、
屋上は13階建てのそびえるビル本体に南側の視界を遮られていた。
「ちょっと曇ってるな」マイケルが雲に覆われぼんやり拡散された光を見て言った。
時刻は7時半、月は天球の左下にあった。薄曇りの空だが、月明かりに照らされる雲の流れは速いようだった。
地平まで拡がる街にはぽつぽつと小さな灯りが燈っていた。
灯火はそこに人間が生存していることの証しのように思われた、だがそれはすべて光センサーで作動する街灯や照明に過ぎないのだった。
「来るかなぁ」マイケルが誰に言うともなく呟いた。5人はそれぞれ散開して、暗い夜景に目を凝らした。
「リサ、何か聴こえるかい」コルソが訊いた。もちろんリサには何かが聴こえているに決まっている。
彼女はこの世で発生する音と言う音をすべて―人間の可聴域をはるかに超える周波数でさえも―聴くことができる。
リサはいつものように、目を瞑って耳を澄ませていた。リサ以外の4人にとって、夜の街は恐ろしいほど無音だった。
「特に変わった音はなにも・・・ん、待って」耳に手をあてて、さらに集中する。
遠くの一点を指差して言った。「あのへん、700メートルくらい向こうに、多分あいつ・・・それか大型犬がいる」
4人はリサが”聴いて”いる東側(昼間目撃した場所も東だった)を一斉に見た。
また少し聴いてから付け加える。「近づいてきてる。4足歩行、走ってる」マイケルを振り返って訊く。
「探知(サーチ)する?」答えを待たずにまた顔を戻す。
マイケルは口に人差し指を当て、ほかの三人に”絶対静かにしろ”の意を伝えた。
リサは再び目を瞑り、耳に手を当てると、歌うように口を開いた。
マイケル達4人にはまったく何も聴こえないが、
そのときリサは34万ヘルツという超高周波を使い、エコロケーションを行なっているのだった。

つづく
作者さんいっぱい居るとヒートアップしそうです。ドキドキです。

351 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 19:40 ID:lFtGCRZ/
いやいや、こちらこそです。
毎日作品がよめてうれしいかぎりです。

352 :本当にあった怖い名無し:04/08/06 23:37 ID:yz8ks+Oi
おおーっ!新しい作者さんにyakitoriさんと!面白くなってまいりました!


353 :本当にあった怖い名無し:04/08/07 01:08 ID:BVioyGPg
>>349=読者代表
鳥が同じ

354 :本当にあった怖い名無し:04/08/07 18:59 ID:IXKO05C4
z

355 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 11:24 ID:qpbWcmVN
>>353
そういえばそういう人もいたね。
2年くらい前じゃなかったっけ?

まぁまたーりといきましょ。


356 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 23:38 ID:IfDLucKc
 空白空白空白。
 白く染まった思考。
 何も見えず、聞こえず、感じない。
 甘く錆びた匂いだけが鮮烈に届く。
 唯一の感覚をさらに味わうため、無駄なノイズを遮断していく。
 視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚。その全てから無駄を排除する。
 自我が薄れ、境界が曖昧になっていく。
 空となった自我は仕切る意味を失わせる。
 中身も入れ物も失われた時、そこにあるものは個に縁らない阿頼耶の化物だ。
 尚也の場合噴出するものは、極めて純粋な殺戮衝動の塊だ。
 自分以外のもの全てを殺し尽くす。ただそれだけの殺戮器械。
 尚也が心のそこに沈めていたものは、いま身に迫る死の予感によって揺り起こされようとしていた。
 銃声。銃声。銃声銃声銃声銃声――
 連続して鼓膜を揺さぶる咆哮に、途切れていた意識が蘇る。
 分散する思考。周囲の情報が並列に入り込み、処理が追いつかない。
 顔をあげると、見覚えのある何かが駈け寄ってくるのが見えた。
 ――ひ、なた?
 少女は一目散にこちらを目指していて、周囲の異形が目に入ってないようだった。
 脇から異形が跳びかかるが、それに反応した様子がない。
 疾走、跳躍、落下。耳元を轟音が駆け抜け、灰色の空についで血に染まったアスファルトが視界を占める。
 鈍い破砕音が二度響き、崩れ落ちる異形との距離があっという間に離れた。
 温もりと芳香が左手に抱えた少女から伝わってくる。
 単身奮闘する爬虫類顔の男の横まで飛び退ると、抱えていた少女を下ろし退路を確認する。
「ひゃ、ひゃぁ!な、尚也さん!」
「日向。逃げるぞ」
 少女の悲鳴を名前を呼ぶことで遮り、撤退を指示する。
「たいしたもんだな。時間を稼いでやるから先に走れ」
 爬虫類顔の男は、大口径の銃を構えながら背後の路地を指差した。

357 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:40 ID:KQuBD1Jb

「ZOMBIE」(2)

アケミの悔し涙に対し、ゾンビはただぼうっと立っているだけだった。
怒るわけでもなく、呆れるわけでもなく、逃げるわけでもなく・・・
彼には感情というものがないのだろうか。
勉強も、運動も、やる気がないのか、成績は最低ランクだった。
彼の人生とは、いったいなんなのだろうか。
彼はなんのために、生きているのだろうか。
無気力な彼を見ていると、いささか傲慢ながらも、そんな疑問が
頭の中に浮かんでくる。
そのとき教室のドアを開けて、サッカーボールを持った数人の男子生徒
たちが、雑談しながら入ってきた。
それを見て、アケミの顔がパッと明るくなった。
「あっ、フミヤ!」
涙を浮かべているアケミに、彼氏のフミヤはすぐに反応した。
「どうした?」
「ゾンビの奴が、あたしに・・・!」
フミヤの片眉が、釣り上がった。
彼は不良だった。
そして空手を習っているため、ケンカがとても強かった。
タチの悪いことに、非常に凶暴な性格をしている。
わたしは彼のことが嫌いだった。
アケミがなぜ、このオトコと付き合うことになったのかは知らないけれど、
それは彼女にあまりいい影響を与えないような気がしていた。


358 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:45 ID:KQuBD1Jb

「てめぇ!糞ゾンビのくせしやがって!!」
フミヤは手に持っていたサッカーボールを、ゾンビに投げつけた。
そして机の上にすばやく乗ると、飛び蹴りを入れた。
ゾンビはそれを無抵抗に受け入れ、体が宙を舞った。
床に倒れこんだ彼に、フミヤは容赦なく何度も蹴りつけた。
フミヤの怒りは、アケミに対する愛情からではなく、自分の所有物である
ことを知りながらも手を出したゾンビに、腹を立てていたのだと思う。
その証拠に、アケミへの労わりの言葉などなく、フミヤは彼女を放置したまま、
床に転がるイジメられっ子を踏みつけることに熱中している。
それは一種の娯楽だった。
それ以外の意味はない。
アケミも笑っていた。
「ねぇ、もういいよ!やめるようにフミヤくんに言って、アケミ!」
「ちょっとさあ、これ見てよ!あたしは、あいつに傷つけられたのよ?
あんな酷い奴、野放しにしておいたらロクなことにならないわ。
ふん、いい気味よ。フミヤに、あいつを退治してもらわなきゃ」
なんの変化も見られない、白く細い腕をわたしに差し出しながら、彼女は
興奮気味に言った。


359 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:48 ID:KQuBD1Jb

もっともわたしも、この凄惨なイジメを積極的に止めさせようという気には
なれなかった。
なぜならそれは、クラスの実力者であるアケミとフミヤのコンビを、敵に
回すことを意味していたからだ。
そんなことをすればゾンビともども、わたしもイジメられる側になってしまう。
当時のわたしの日常生活は、その半分を学校生活によって占められていた。
つまりとても狭い世界のなかで、生きていたのだ。
逃げ場のない世界で、イジメられるのが怖かった。
無力なわたしはどうすることもできず、ただ罪悪感で心が一杯になっていた。
ドカッという音とともに、ゾンビがわたしの足元まで転がってきた。
彼が顔を上げるとき、眼が合った。
その眼差しに一瞬、粘っこい光が浮かんだように思えて、ぞっとした。
見てはいけないものを見てしまった気がする。
そう思う傍ら、わたし自身、なんでこんな窮屈な思いをせねばならないのか、
腹立たしくもなってくる。
だから床に這い蹲っている、この青白い男を見下した眼で見てやった。
彼の卑屈な眼が、わたしのカラダを厭らしく包み込んでくる。
あんたなんか、大嫌い。
そう叫んでやりたかった。
自分が女王様にでもなったような気がして、少しだけ興奮した。


360 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:49 ID:KQuBD1Jb

ウゥ〜〜〜・・・ウウウゥ〜〜〜・・・
ピーポー、ピーポー、ピーポー・・・
学校から家に帰る途中、パトカーや救急車のサイレンが聞こえてくる。
それに反応して、犬たちが遠吠えを始める。
建物の影はよりいっそう深くなり、明かりがつき始めた家々からは
夕餉の匂いが漂ってくる。
空は赤く染められていき、それを見上げるわたしがいる。
いつもと変わらない、しかしどこか物悲しい風景。
この頃から、世界が変質していく予兆はあった。

本来なら塾に行っている時間だったが、夜間の外出を両親が認めなかった。
世界的に広がっている、意味不明な暴動のせいだ。
最初にニュースが報じられたのが、ちょうど4日前。
アメリカの小さなケーブルテレビのスクープだったそうだ。
しかし世間からはイロモノ的な扱いを受け、大手マスコミは黙殺していた。
それが昨日あたりから、急に新聞やテレビで緊急特集が組まれるほど、
騒ぎが拡大していったのだ。
マスコミの情報では当初、この暴動騒ぎは血液・体液から感染するウイルスに
よって引き起こされる、集団ヒステリー現象だと言われていた。
これにヒトが感染すると暴徒と化し、見境なく襲いかかってくる。
だがこの暴動騒ぎは、世界で同時多発的に発生していたのだ。
そして当時の日本でも、この奇病による被害が出ていた。
これはあきらかに、直接接触感染によるウイルスが原因ではなかった。


361 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:50 ID:KQuBD1Jb

「なんだかおかしな事件が多いわねぇ・・・」
夕方のニュース番組を観て、母が不安げに言った。
わたしは居間で、ケータイのメールをやりながら、そんな母の言葉を聞き流す。
テレビのブラウン管から流れてくる映像は、ただの女子高生のわたしからすれば、
別世界の出来事のように思え、現実感が伴わないものでしかなかったのだ。
もっともなんとなくだが、漠然とした不安感はあった。
だから普段なら部屋にいるのに、独りになるのが嫌で、こうして居間にいる。
お気に入りのぬいぐるみたちをソファに並べ、メールでたわいもない会話を
やり取りしながら、早く明日になるのをただじっと待っていた。
ピーポー、ピーポー、ピーポー・・・
「あらやだ、また事故かしら。最近、救急車がよく走っているわねぇ・・・」
母がまた、独り言を言う。
わたしとの会話を求めているのだろうが、当時のわたしは親と話すことが
なんとなく気恥ずかしい年頃だったので、また聞こえないフリをした。
テレビから不安感を煽る、恐ろしいBGMが流れてきた。
わたしは傍らのぬいぐるみの手を、キュッと握り締めた。


362 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:51 ID:KQuBD1Jb

父は珍しく、7時前に帰ってきた。
「おかえりなさい、パパ」
わたしと母は、父が帰ってきたことにホッとして、思わず玄関まで
出迎えてしまった。
やはり女だけでは、どこか心細かったのだ。
中学に入ってから、そんなことをすることもなくなっていたわたしの
姿を見て、父は嬉しそうに笑っている。
父の顔は、なんとなくやつれていた。
その晩の夕食は、カレーライスとカニのサラダ、そしてコンソメスープだった。
ありきたりのメニューだったが、久しぶりに家族3人揃ってする食事は、
いまでも時おり夢に見てしまうほど、とても温かく、そして美味しかった。
こうしてわたしたち家族の、ささやかな最後の晩餐は、穏やかな雰囲気に
包まれながら終わったのだ。

(・・・続く)


363 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/08 23:54 ID:KQuBD1Jb

ぎゃっ、すいません!>>356さん!
書き込みが被ってしまいました!!
直前まで、チェックしてたんですが・・・

それとですね。
週2(1回3レス程度)投下ペースを考えていましたが、
週1(1回6レス程度)投下ペースに変更します。
仕事が忙しいもので、量産できず、申し訳ないです。

そろそろageとかないと、マズくないっすか?
地獄の底が見える位置にいますよ・・・


364 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/08/09 00:08 ID:3MKPzuoi
というわけでようやく尚也篇の続き、しかも1レスと少量で申し訳ないです。
とはいえ一番書きにくかった部分(今後の敵役となる男とどうやって同道させるか)が書けましたので、
この先はさほどつまづかずに書いていけると思います。

目標は尚也篇は週1、2〜3レス。その他を週一で同じく2〜3レスぐらいはいきたいですねぇ。

ちなみに台湾では夜店の雰囲気や、うらぶれた路地裏などが大変面白かったですね。
大通りに面した建物の二階が廃墟だったりと、様々な舞台につかえそうな風景が多くて興奮しっぱなしでした。

東京くだん ◆pxvKLXYkO6さん、仕事が忙しいとなかなか書く気力もわきませんしね。
それとですね、別に最下層にスレがあっても何の問題もありません。
dat落ちはスレの位置ではなく最終書き込みの時間で決まります。
その板の限界までスレが立つと、最終書き込みが古い順にdat落ちするのです。
荒らし避け、特に今の時期はスレが低いほどいいのでなるべくsage進行願います。


365 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/09 00:28 ID:Bjb3c6wT
>>364

PIP ◆dve/1Ebaqs さま。
了解しました。
昔、スレが消えたのは圧縮とかだったのかな。
なんか基本的なことが、いまだよく理解してないオレですが。
ではまた来週。

366 :本当にあった怖い名無し:04/08/09 02:02 ID:hOzJY4Xg
東京くだん様!
面白い!そして、これからも面白くなりそう!

平和な家庭がどう崩れてしまうのか?
ごく普通の女子高生の主人公は、この災害(?)をどう乗り切って行くのか?

私も書いてみたいのですが、パソコン持ってないので、キツいんです…
携帯からでは…

なので、感想だけで申し訳ないのですが、これからも頑張って下さい!

367 :数学屋 ◆Z62ETnTQww :04/08/09 18:46 ID:P24GPY16
 えー。久しぶりなのでまずはトリップ確認。

368 :数学屋 ◆Z62ETnTQww :04/08/09 18:48 ID:P24GPY16
 1/2

「食料くれるなら、好きにしてくれていいよ」
 顔のいい女が男をたぶらかすのは実に簡単だ。
 ゾンビに噛まれた傷は、うまく隠している。
 まさか、目立たない部分をわざと噛ませたとは向こうも思ってないだろう。
 私は、男たちが来るのを待っている。
 …気が遠くなるのを堪えながら。
 我慢。我慢だ。
 まだ、まだ我慢。
 まだ駄目。ここで気が遠くなっちゃ駄目。
 もう少し。もう少し待って。
 お願い、保って、私の意識、私の身体。
 この男がもうすぐ仲間を連れてくる。南高の連中を連れてくる。それまで。
 あと、5分でいいから。
 お願い、保って、私の意識。
 もう少し。もうすぐだから。もうすぐだから。
 私は、友達の仇を討つんだから。
 襲撃されたとき、たまたま地下のボイラ室にいた私だけが助かった。
 仇は討つ。私はゾンビに食われる前に死体を焼いて、そう誓ったんだ。
 こいつらを食い尽くしてやる。
 だからまだ、まだゾンビにならないで。
 疼く傷口を忘れて。あいつらの仲間が揃うまで、私の意識よ、お願い。
 仲間が揃ったら、ゾンビになってやる。食い尽くしてやる。ぶっ殺してやる。
 だからそれまで…

369 :数学屋 ◆Z62ETnTQww :04/08/09 18:49 ID:P24GPY16
 2/2

 昭輔がぼうっとしている。
「毎日屋上で何見てんだ、お前」
「あ、いや、町をね」
「んなもん、見飽きてるだろ。おめ、毎日見てるじゃねか」
「いやいや、いざというときのためにね、こっからでも結構ゾンビの位置判るし」
「判ってどうする」
「役に立ってるジャン、俺。この前、東高に籠もってる連中潰したのだって、
俺の情報のおかげジャン。こっから見張りの盲点見つけたんだぜ」
「んー。そりゃ認めよ。おかげで残りは三校だ」
 この市の生き残りは、市の東西南北にある四つの高等学校に集まっていた。
基本的にはそれぞれの在校生がメインの生き残りで、彼らは自分たちの所属を現すためにわざと学生服を着続けている。
 最初は友好的な関係を築いていたが、籠城が長引くにつれて険悪な雰囲気となる。
 最近では小競り合いも続いて一触即発の状況だったのだが、その一つ東高は先日彼らの襲撃により全滅した。
「ま、しかし、作戦参謀が俺だってのも忘れんなよ?」
「作戦参謀? 殴り込みの先頭立って美味しい思いしただけジャン。男殺して女襲って食料奪って」
「ばっか。これ見ろよ」
「なにそれ…」
「南高のバッジ。この前の襲撃ん時、これわざと置いてきた」
「なんでまた?」
「ゾンビが来たらまずいってんで、取るもん取ったら速攻逃げたろ? 生き残りの確認なんかしてねえべ?」
「あ?」
「そ。生き残りがいたら、間違えて南に復讐すんだぜ? うわっ、すっげぇ間抜け」
 ゲラゲラ笑う二人。
「あれ?」
 昭輔が望遠鏡を覗いた。
「なんか、東高の焼却炉から煙が?」
「火葬でもしてんじゃねえの?」
 二人はゲラゲラ笑い続けた。

370 :本当にあった怖い名無し:04/08/09 19:34 ID:AX8ENsXx
新人作者様の連投!
それに続いて他の作者様の復活!
黄金時代再来━(゚∀゚)━!
美少女ゾンビハンター!
狼男?そりゃゾンビもかなわないよ!
一般家庭の悲劇!
須藤巡査は暗躍する裏話に気づくのか!
久しぶりの尚也!先生!どうやってゾンビを倒したのかよくわかりませんでした!
数学屋さん!秩序の崩壊した恐怖!助けあうよりも奪いあうのが人の本性なのか!

ゝ( ゚∀゚)メ(゚∀゚ )ノ アヒャヒャヒャ
作品イパーイ!!
感想がおいつかねーっす!!

371 :本当にあった怖い名無し:04/08/09 23:32 ID:Ny8qLWMS
東京くだんさんおもしれーー!
PIPさに・巡査さんに続き、数学屋さんも復帰
高校生の勢力争い!

約1年ぶり
久しぶりに大波がキターー!




372 :yakitori:04/08/10 19:19 ID:iX4DtTMe
>>350からのつづき

 リサは探知を行ないつつ右手の指を順に折り、何かを数えはじめた。
「あの子はなにをやっているの」雪子が小声で(ほとんど吐息で)コルソに尋ねた。
「エコロケーション、つまり反響定位だよ」同じくかすかな吐息で答えが返ってくる。
「コウモリや鯨類が持つ能力だ。音波を発し、その反響音を聴くことで環境認識ができる」
「レーダーみたいなものかい?」
「簡単に言ってしまえば。原理的に同じものだからね。
ただ、エコロケーションは視覚に勝るとも劣らないほどの情報を得ることができる。
目では捉えられないものが、耳でははっきりと”見える”んだ」
雪子は理解したようだった。「あの子は地獄耳ってことね」
「そうとも。現に僕らの会話だって筒抜けさ」


373 :yakitori:04/08/10 19:21 ID:iX4DtTMe
 リサは雑音を一切無視し、目を瞑って視覚からの情報も遮断して、
脳によってシンプルに処理された反響音がもたらす無数のデータのみに集中していた。
色のない三次元の地図が作成された彼女の頭の中には、廃棄された車や割れた窓ガラス、
並木の枝でそよぐ木の葉の一枚一枚、餓死した野良猫と食い荒らされた〈にんげんの〉死骸、死骸に群がるハエと蛆虫、
電柱にぶつかるゾンビ、風に飛ぶチラシ、転がる空き缶など道路や歩道や建築物とそこにあるすべてが存在していた
(さながらテクスチャをつけるまえの3DCGのように・・・だが”立体地図”は映像ではなかった。一種のイメージではあっても、
リサの頭の中にあるものはただ音だけがかたちづくる三次元世界だった)


374 :yakitori:04/08/10 19:22 ID:iX4DtTMe
対象物との距離は620メートル、619メートル、618、617、616・・・・・・一秒、二秒、・・・右手の指で計ってみた。
1秒でおよそ12メートル。コンクリートの道路上を(まっすぐこっちへ向かって!)疾走してくる。
反響音は刻々と迫ってくる相手の姿を鮮明に映し出していた。
やはり狼男に違いない。体躯は人間に近い、しかし頭部は狼もしくはそれに近い犬種と同様だった。
胴体の詳細は服を着ているため不明だが背骨は滑らかに反っている、腕は前腕部分が人間の手に毛と鉤爪を生えさせたようなもので、
関節のつき方が人間と異なっていた。脚は人間とはまるで異なり、股関節の構造も違うし、膝の関節がひとつ多い(ように見える)。
人間でいえば足首にあたる関節が逆関節になり、足の甲にあたる部分が脛になっている。靴は消えていて、やはり鉤爪のついた細い爪先が地面を蹴っていた。
外見上は衣服の切れ端を纏った大きな狼と言うのが最も適切な表現だろう。
直立時の身長は周囲との対比でほぼ正確に予測できた。187センチ。昼間目撃した時は二足歩行していたのだ。
ビルの屋上でほんの一瞬だけ探知したのとは違い、今は周囲の建物にも反射して全方位から反響音が生じる。
そのため対象物を恐るべき精細さで立体的に捉えることが可能になった。
 リサは考えた。狼男だった。こっちへ向かってる。とてもすばやく。おそらく目的を持って。おそらく目的とは私達。
さて、どうしたらいいのだろう? 対象物との距離417メートル。

つづく
色々レスしたいのですが書くのに時間を取られてしまいます。
読む方も書く方もがんばってください。がんばります。

375 :カスケード1/8:04/08/12 00:21 ID:XQ5s3b4/
普段から普通じゃないとは思ってた。
稽古終わった後のお茶、と称した飲み会
(平日休日昼夜を問わず平均およそ3時間)
その時に飛び出す雑談、自慢、武勇伝。
よくあるヤクザに喧嘩売っただの、暴走族壊滅させただのに始まり
飲み屋で空手屋の集団と喧嘩してみんなで仲良く警察のお世話になった。
近くに道場できたから道場破りされる前にしておいた。
部屋の中で真剣振り回して家具たたっ切り奥さんに入院するほどぶちのめされた。
酔った折車にはねられ走って追いかけた、etc,etc・・・・
(やばいので略)
自慢だか汚点かわからないけど、とりあえずみなさん今日まで無事で何よりです。
そういえば一度、夜の稽古終えて帰って次の日昼の稽古行ったらまだ飲んでた。
で、その酒臭いまま稽古突入。
ぼっこんぼっこんにされて、なんで俺はそんな真昼間っから酔っ払って
便所で吐いてるような奴らに勝てんのだと本気で辞めよう思ったこともあったさ。

376 :カスケード2/8:04/08/12 00:22 ID:XQ5s3b4/
そんでもって何だか分け判らん化け物騒ぎが起こってから2日目
一人で家に引きこもってた俺は師匠に電話で
 「酒は無事か?無事だったらとっとと持って道場に来い」
って有無を言わさず呼び出された。酒?
電話繋がったのにも驚いたけど、俺の安否はアルコール以下ですか。
とりあえず部屋にあった焼酎、日本酒ザックに詰めておっかなびっくり自転車漕いで
片田舎のそれこそだだっ広い畑のど真ん中にポツンとあるような道場へ行ったのさ。
入ってびびったよ。中には数枚の畳が無造作に敷かれ、
その畳一面に無数の日本刀が抜き身で突き刺され怪しい光りの林を作り出している。
その横では師匠たちがこれまた抜き身の真剣振り回しながら酒かっくらっている。
空になったのであろう一升瓶が1,2,3,4,5,6,,,,。

377 :カスケード3/8:04/08/12 00:23 ID:XQ5s3b4/
、、、、、え、えっと、、、、、、これはいったい?
 「ど、ど、どこからパクってきたんですかこの刀」
多少パニックに陥りつつ師匠に尋ねると返事はべつの方から返って来た
 「わし、わし、いやー、やっぱ刀は切って何ぼのもんだろ。
  とりあえずうちにあるの全部もってきたから好きなの使いな」
と一升瓶抱えた師匠の馴染みの刀屋のオヤジ。あんたも大丈夫か。
 「、、、、なんで突き刺してあんですか、、、、」
と尋ねたら
 「一度やってみたかった、なんか絵にならんか、7人の侍思い出さんか」
って、師匠。本気で頭おかしいぞあんた。
と思っていたら酔った師範がデジカメで撮った画像を見せてくれた
なんか前衛アートっぽくてかっこよかった。上下逆だったけど。
で、みんな集まって何するのか聞いたら
この混乱した状況を打破するため自衛団をやろうって事になったんだってさ。
でも俺が思うにそれは建前で本音は
 「真剣で人間(だったもの)を切ってみたい!!」
だと思うんだよなー。

378 :カスケード4/8:04/08/12 00:25 ID:XQ5s3b4/
門下の一人、飯田のおっちゃんが
 「なんかシンセン組みたいだからと思ってお揃いの羽織作ってみたんだよ」
で嬉しそうに持ち出してきた青い布。ちゃんちゃんこ?
おっちゃん曰く家のカーテンで作った羽織(?)
は背中に大きくマジックで

     新 戦 組

間違っている気がしない、つか新撰組なら「誠」だろが、、、、わざと?
 「もう一種類ある」
ってそっちには

     山 口 組

、、、、いや、ちゃんと師匠の苗字の山田って書いてあるんだけど
生地の模様に重なった上に十の部分が微妙に薄くて田が口に見える。あれじゃまるでどこかの指定暴力・・・
いや、多分恐らく9分9厘わざとじゃないとは思うし、
実際それっぽいから問題ないというかむしろそっちの方がmore betterって気もするんだけどさ、、
さすがに師匠怒っちゃって
 「馬鹿野郎、てめぇ!!俺に抗争起こせってか!なんなら起こしてやるぞ今ここで!
  もういい、俺の分は自分で作る、」
で、作ったは良いけど、探してきた生地は鮮やかなパステルブルー
そこにやたらと達筆で黒々と書かれた 新 撰 組 の堂々たる文字。
いや、だから、、、、いいっす師匠がそれで満足なら。
そう思っていたら 師匠暫く眺めて

 「これお前にやるからそこらの刀、鞘に収めとけ」


379 :カスケード5/8:04/08/12 00:27 ID:XQ5s3b4/
雲ひとつ無い抜けるような青空の下,太陽光に煌く抜き身の日本刀を振りかざす
お揃いの青いちゃんちゃんこ着た厳つい酔っ払いおっちゃん集団の後ろを
これまた薄水色のポンチョをかぶった俺と達若い衆がリヤカー一杯の刀をひいて練り歩く。
最初防具付けた上から着ようとしたら怒鳴られた
 「馬鹿かおめぇは、そんなものしてたら一般市民の皆様が怖がるだろうが」
師匠は付けてください一般市民の皆様が怖がります、と思ったのは絶対俺だけじゃないはずだ。
んで、立てたのぼりにでっかく書かれた【PKO】
意味わかって書いてます?って聞いたら
 「peace knock out、平和なんて糞食らえ。 冗談だよ、わははははは」
って、まったく冗談に聞こえないんですけど、いや、マジで。
自衛団ちゅうより見た目も雰囲気もまるで盗賊。
途中で生きてる人間にも出くわしたけどみんな全速力で逃げてったよ。
治安乱してるの俺たちじゃねぇのか?


380 :カスケード6/8:04/08/12 00:29 ID:XQ5s3b4/
でもさ、実際めちゃくちゃ強いんだ、これが。
寄る化け物どもを片っ端からばっさばっさ。
殆ど首を一撃で落としてく。
しかもいくら動きが鈍いって言ったって5体、6体まとめて襲って来る奴らの間
すり抜けるようにして切り倒していくなんて真似、とてもじゃないけど俺にはできねぇ。
俺も一回試しに切りつけてみたけど首落ちなかったよ、やばかった。
さすがに何体か切ると切りづらくなったらしく、
後ろにいる俺や、若い奴らに刀抜き身で放ってよこして(危ねぇ)
 「早く新しいのよこせ。俺が化け物になったらお前等最初に襲ってやるから覚悟しとけ
  それからその刀ちゃんと手入れしてから鞘収めとけよ」
だって。やめてください、お願いします、勘弁してください、これ以上迷惑かけないで・・・。
と心の中でなるべく静かに穏やかに抗議をしつつ、とっとと師匠たちに刀を渡し、
とりあえずできるだけ血やら油やら拭って
簡単に粉打って拭っ、、、、うぉ、すげえ、刃こぼれしてねぇ!
そうそう、切った奴に知り合いいなかったんですか、と心に浮かんだ疑問を口にしたところ
「いたよ、他の奴より丁寧に切ってやったぞ、気合も込めて。がはははは
 しかし何だな、腐りかけの死体と生身じゃなやっぱり感触が違うもんだな」
だそうだ。なんかすげー物騒な事口にしてた気もするけれど、いいや聞かなかったことにしよう
斬られた皆様ご愁傷様です、迷わず成仏してください。
そんでもって散々切り散らかしたあげくの台詞が
 「弱えー、つまんねー、飽きたー」
たたられちまえ。

381 :カスケード7/8:04/08/12 00:31 ID:XQ5s3b4/
そんな師匠達をなだめ誉め上げ何とか自衛団らしく活動をを続行。
ところが師匠、暫く行くと突然顔つき変えて立ち止まり、えらく気合の入った声で
 「今からここの住人の救出と化け物の殲滅を行う。いいか、皆気を引き締めてかかれ」
その一言に古参の方々の顔つきも一気に引き締まる。
師匠、やってる事は粗暴で見た目もおっかなし多少逝っちゃってるところもあるけれど
さすが武術家、剣術家、いいところあるじゃん、見直した。
と、目の前には一軒の酒屋。人居ないじゃん、化け物も居ないじゃん。
一通り店の中見回って
 「化け物はの殲滅は一人の被害者を出すことも無く無事完了した。ご苦労だった。
なお店主のご好意により店の商品を少し分けていただけることとなった。
各自好きなものをリヤカーに積み込め」
その言葉に勝鬨(?)をもって答える門下一同、
あんたらマジで盗賊ですか。


382 :8/8:04/08/12 00:33 ID:XQ5s3b4/
かくしてリヤカーに戦利品の酒とつまみそれから刀を溢れんばかりに満載し、
桃太郎の凱旋よろしく道場に帰還。
それでそのままいつ果てるとも知れない呑み会に突入。
 「自衛団はやらないんですか?」
って聞いたら
 「酒が切れたらな」
いやー、人生って素晴らしい(ヤケクソ)。
酔いつぶれた俺の瞳が辛うじて写した光景は
首無くなった化け物に添い寝している刀屋のオヤジと
道場の片隅で真剣で切り結びあう師匠と師範の姿だった。
あんたら正真正銘のキ○○○だよ。
あー頭痛てぇ。

383 :カスケード@もしかしてsuicideも無くなった・・・:04/08/12 00:36 ID:XQ5s3b4/
最近暑い日が続いておりますが
作者の皆様ならびにこのスレにお越しの皆々様方はいかがお過ごしでしょうか。
ってなにやら大盛況ですな。ご苦労さまです。
私は暑いの苦手なんでこのままだとマジでリアルゾンビになりそうです。
川ん中泳いでる魚の涼しそうな事といったらもう。仲間に入りたい。
早く冬にならないかなぁ。

んで、先週の日曜、酔った勢いで書いてみました。
取り合えず一寸素面に戻った状態で誤字脱字大修正&やばいところカット
内容は、、、、まあいいや。
実際の先生と道場生の方々はこんな粗暴ではないんですけどね。
先生酒あんま飲めないし、なにより剣道じゃないし。
武勇伝?に関しては……ま、昔の人はおっかなかったってことで。
それにしても後何回暑気払いやるつもりなんだろう?
今宵も酔い感じに酔っぱです。
さ、明日から短い夏休み♪

384 :カスケード@日常の疑問:04/08/12 00:37 ID:XQ5s3b4/
連続かきこすいません。
後一個だけ書いたら寝ます、消えます。

ゾンビって食べた物消化できないですよね。
胃も腸も死んでるわけだし。
ある程度喰ったら常時リバース状態?
あんまりちゃんと噛んでなさそうだからあっという間に詰まりそう。
それでも齧るの止めないから喰った端からボロボロこぼして。
なんとも勿体無い。

385 :巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :04/08/12 21:53 ID:1npjAUq2
カ・・カスケードさん、、、、私の友人(居合道を中心に武道全般)に似過ぎ・・・。
言動とか・・・・、、、、やべぇ、読んでたらシメられるな・・・。

386 :本当にあった怖い名無し:04/08/13 16:21 ID:1nBkaRhX
カスケードさん面白すぎ
自分は柔道をやってるけど、強い人は豪快だなぁと。


387 :本当にあった怖い名無し:04/08/13 18:59 ID:urhJgLd8
デッド・ブリゲイド 1

一機の宇宙船が地球の静止軌道に入ってきた。
より正確に言えば、この機体は帰還してきた。
NASAのロゴと機体名が簡素に記された角張った胴体に、コクピットを囲む細い窓のついた鋭角的な機首、
機体後部を取り囲む五つの主推進器と、
それに繋がる一対の折り畳み式の大きな主翼、
機体上部中央を背骨が変形した板のごとく走る垂直尾翼。
スター・ウォーズにでも出てきそうな、灰褐色の宇宙船だった。
スターブリゲイド号は時速二万キロから徐々に減速し、
地球へと静かに近づいていった。

388 :1/2:04/08/13 21:34 ID:7Wosv5XP
【着床前診断】
着床前診断は体外受精時に受精卵が8分割程度になった段階で割球を一つか二つ取り出し、
取り出した割球について染色体、あるいは遺伝子を調べる技術。
残りの割球はそのまま培養し、診断が確定した段階で胚移植を行う。
流産、感染症の恐れのある羊水検査とはことなり、妊娠前の検査となるため母体の心身への負担が少ない。
優生思想につながりかねないとして、一部の障害者団体が規制を訴えている。

「……まことに残念ですが、Z反応が確認されました」
「そ、そんな。今度こそは大丈夫って!」
「そうよ!私の体に異常はないわ!誤診じゃないんですか!」
 沈痛な面持ちで結果を伝えた医師に、若い夫婦は愕然とした表情のまま食って掛かった。
 Z反応。それは胎児のゾンビ化であり、現在最も深刻な生殖問題だった。
 もともと受精後にすべての受精卵が胎児へと成長し無事出産できるわけではない。
 だがこの常識はゾンビ禍発生後、一変することになった。
 受精しさえすれば、ほぼ全ての胎児が流産することなく妊娠後成長するようになったのだ。
 それは人という種が絶対的な危機を体験したが故の変化として受け止められた。
 悲劇は最悪の形を伴って訪れた。
 新生児の大半がすでにゾンビ化していたのである。
 駆逐されたかに思えたゾンビウィルスは胎児を感染主として選ぶことで、その存在を残そうとしたのだ。
 受精後本来ならば成長へと至らなかったはずの命。
 その命を永らえさせ、かわりに自分たちの存在を残す。それがウィルスの新戦略だった。


389 :2/2:04/08/13 21:51 ID:7Wosv5XP
「なんでこんなことに……」
「何か手段は無かったんですか」
「ゾンビ禍の前には存在していたのですが、現在は禁止されています」
「それは一体どんな手段なんですか!」
「着床前診断といいまして、体外受精を行い受精卵の状況で遺伝病の有無を調べる方法です。これなら母体への危険性もありません」
「そんな方法がなぜ禁止されているんです!」
「優生思想による障害者差別につながる恐れがある。そう国が判断したからです。ただしくは極一部の障害者団体からのクレームによるものでした。
たとえ障害があっても彼らには生きる権利がある。これはゾンビ化した胎児を妊娠した方へ、その団体が叫んだ言葉です」

「狂ってる……」
「そうかも知れません。でも勘違いはしないで欲しいのです。ほぼ全ての障害をもった方はこう言ったのです」
『私たちは苦しんできた。だから子供たちにその苦しみを与えたくない。まして親は子より先に死んでいくのだから』
 語る医師の顔には暗い影が落ちていた。法に定められているとはいえ、みすみす救う手段を放棄していいのだろうか。
 出生前診断は流産や感染症の危険がある。またゾンビ化していればほとんどの夫婦が堕胎を望む。
 そのとき最も傷つくのは母親だ。
「……」
「……」
「もしもあなた方がご希望するのならば。着床前診断を行なっている病院を紹介することは出来ます。ただし保険は利きませんし、さまざまな問題もあります。それでもよければ」
 
 それから季節が二度巡ったある日、医師は新生児への予防接種の準備をしていた。
 違法行為を奨めた疑惑により地方の病院に飛ばされ、毎日が激務に追われている。
 ふと彼は受診者の中に見覚えのある名前を見つけた。
 受診者の列を見ると、そこには確かに見覚えのある夫婦の姿があった。
 その腕に抱かれ元気に泣いている新生児の姿を見て彼はある言葉を思い出し微笑んだ。
【すべての嬰児は、神がなお人間に絶望していないというメッセージをたずさえて生まれてきている】

390 :本当にあった怖い名無し:04/08/14 19:19 ID:sTbJBuGK
この国は本当の被害者よりも「被害者の側についているモノ」と「加害者」の権利を重んじるから。
先の戦のあとで決定的に歪んでしまったんだよな。

391 :本当にあった怖い名無し:04/08/15 19:04 ID:cCpB9uPO
[ 01 ]

ガチャッと音がして、書斎の扉が開いた。デュークだ。
こちらへ歩いてくる彼の脚関節のサーボモーターは、動作のたびにかすかな唸りをあげていた。
VT社製一般家庭向け汎用ロボット、DFM-CR224。
戦闘の完全無人化をめざすアルフレッド計画の一環として、
多額の開発費とともに米陸軍から発注を受け、4年の開発期間と数多の運用試験を経て
サイバーテクニクス社との競合のすえ制式採用された戦闘用ロボットSVT-2から、
戦闘用の装備を省きすべての性能を五分の一以下に抑えた民間転用モデルだ。
家庭用とはいっても、結局のところその性能は人間を楽に凌駕していた。
やろうと思えばピアノの搬入からジープのジャッキアップまで難なくこなしてしまうほどの怪力で、
そのため発売当初は直径わずか10センチの金属アームに殺人的な恐怖を感じる人々がおおぜいいた。
テレビの人気トークショーで、DFM-CR224がマネキンを文字通りこまぎれに引き裂くという
センセーショナルな実験結果を示してしまって以来、このロボットを問題視する風潮はさらに強まり、
VT社に対しては前月比12パーセントの収益減というかたちで襲いかかってきた。
けれども結局アンチ・ロボブームを収束させたのは、他ならぬVT社の広報担当が
ペットの猫に引っ掻かれたときに思いついたひじょうに簡潔なコピーだった。



392 :yakitori:04/08/15 19:06 ID:cCpB9uPO
[ 02 ]

    - 信頼は、ルールがなければ生まれない -

        〇 ロボット三原則 〇
第一条
[ 当社のロボットは、あなたとあなたの財産に決して危害を加えません。
また、あなたやあなたの財産に及ぶ可能性のあるいかなる危険についても、当社のロボットはそれらを決して見過ごしません。 ]

第二条
[ 当社のロボットは、第一条に抵触しないかぎり、あなたのあらゆる命令に従います。 ]

第三条
[ 当社のロボットは、第一条と第二条に抵触しないかぎりにおいて、自身をまもります。 ]

  - VT社は、すべてのロボットがこの絶対的ルールを永久に破らないことを保証します -

アシモフのロボット三原則をほんの少しばかり改変したこのコピーは、
青地に白抜きの大きな太文字ではっきり記されたCMとして放送されると、めざましい効果をあげた。
実際には、どんな程度でも軍需用でない人工知能搭載型ロボットには三原則を遵守させることが
メーカーに連邦法で義務づけられていて、これは言わずもがなの大前提だったが、
マニュアルの片隅に追いやられていた文句を大々的に使用したこのCMのおかげで、
DFM-CR22とVT社への不信はみごとに拭い去られた。
かくしてこのロボットはVT社の主力製品の座に収まり、同社の業界最大手の座も併せて維持しつづけることができた。


393 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:30 ID:7g+iSRuK

「ZOMBIE」(3)

夕食が終わると、父はテレビのスイッチをつけ、NHKのニュース番組を観る。
とたんに怒声と罵声が飛び交う、議会の様子が映し出された。
このとき日本政府は、「テロ対策関連法」と「改正自衛隊法」を適用し、自衛隊による
暴徒鎮圧と、それに伴う戒厳令も同時に施行しようとしていた。
午前中に安保会議と閣議決定を終え、あとは国会承認をするだけだったが、
これに野党側が猛反発した。
そのため夜になっても、いまだに結論が出ないような状態に陥っているらしい。
「血液・体液感染によるウイルス感染病患者」は、病人であって暴徒ではない。
被害者なのにもかかわらず、彼らをテロリストとして扱うのはいかがなものか、
というのが、このときの野党の理屈だったらしい。
「いいですか、みなさん!たとえ治安維持のためであろうと、戦争でもないのに
自衛隊を使うのは、民意に反した行為だとは思いませんか!?
そしてこの国では、戒厳令などというものは、存在そのものが憲法違反なんです!」
そう番記者相手に熱弁を振るうのは、有事法制に最後まで反対していた野党の
ひとつ、社会主義を標榜する小さな政党の女性党首だった。
彼女は得意満面な笑顔で、国民に呼びかける。
「いまこそ憲法第九条の精神を、護憲の精神を、国民の手に取り戻す必要が・・・」
父はため息をついて、チャンネルを民放の番組に変えた。


394 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:32 ID:7g+iSRuK

わたしは政治のことがよく判らなかったので、お気に入りの歌番組でも観たかった。
しかしいまやどのテレビ局でも、いやテレビ東京だけはいつも通りの編成だったが、
12chを除く、民放各局はどこも暴動パニックに関する緊急特番をやっている。
わたしが毎週見ていた歌番組も放送中止になっていた。
部屋に戻るのも怖かったので、ケータイのスイッチを入れ、このままメールの続き
でもやろうかと思ったが、しかし実のところ、わたしもいま世界でなにが起こって
いるのか、知りたい気持ちも確かにあった。
そのためだろうか、ずっとあとになってからだが、無人の図書館や本屋で当時の
状況を知ろうと、保存されていた新聞記事や政治の本を読み漁ることが多くなった。
もっともそのころには、娯楽など一切なくなっていたので、ただの暇つぶしという
こともあったのだけれど・・・

TBSでは、サイケデリックなBGMが流れるなか、「殺すな」という看板をスタジオに
掲げ、政府与党内でも自衛隊出動による治安回復に関し、意見が割れているという
ことを伝えていた。
ゲストで呼ばれた政治評論家たちは、野党でも同じように意見が分かれている点を
指摘し、政界再編が近いうちに起こるのではないか、とうれしそうに語っている。
そんなことは、わたしたちにとってはどうでもいい事柄だった。
いまなにが起きているのかを、ちゃんと教えてもらいたいだけなのだ。
しかし初老の人気キャスターは、手元の台本を読みながら、フンフン、ハアハアと
頷くばかりで、真面目に仕事をする気がないように、わたしには思えた。


395 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:33 ID:7g+iSRuK

チャンネルを変え続ける父は、ふと手を止めた。
テレビ朝日では、CNNから入手した映像が流れている。
燃え盛るクルマとパニックに陥っている人々。
遠くから聞こえてくる緊急車両のサイレン。
途中何度か、PAM!PAM!という乾いた発砲音がする。
カメラを持っている人は、なにかに追われるように走っており、そのためか
画像はブレまくり、上や下を無意味に往復していた。
はぁはぁ、という息遣いと衣服の擦れる音が、臨場感を演出している。
広い交差点の真ん中で、装甲車と軍隊のような集団が土嚢を積み上げて作った
防御陣地に、その人は滑り込むようにして逃げ込んだ。
そして彼は震える手で、自分が逃げてきた方向へとカメラを向けた。
そこに映し出されたのは、青空に黒煙が舞い上がるなか、何百人という人の
群れが、ふらつきながらこちらに向かってくる不気味な光景だった。
先頭にいる者は、血まみれだったり、黒コゲだったりしている。
呻き声を上げ、両手を突き出しながら、よろよろと歩いてくる・・・
オウとか、ジーザスとか呟いているのは、カメラマンだろうか。
別の声が彼らに向かって、フリーズとかダムシットとか怒鳴り始めた。
瞬間、PAPAPA!PAM!PAM!と軽快な音が響き渡る。
当時のわたしには、それがまるで映画の一場面のように感じられた。
「さすがアメリカは、やることが豪快だな・・・」
わたしと同様、父は現実感が伴わない、呆けた感想を漏らした。


396 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:34 ID:7g+iSRuK

しかし銃で撃たれた暴徒は、衝撃で倒れるもののすぐに起き上がり、何事もなかった
かのように再び行進を開始する
そのとき急に、彼らにモザイクがかけられた。
銃で抵抗している州軍兵士に襲いかかる暴徒が多くなるほど、モザイクも比例して
多くなり、ついには画面全部を覆い尽くしてしまった。
なにがなんだか判らないボヤけた映像から、悲鳴のような声が流れてくる。
「Holy Shit! Holy Shit!DAME!!DAME!!」
「Suck my ○!Beack Your Neck! Kiss my ○!!」
恐怖と絶望、そして興奮した言葉が飛び交う。
それらはスラングと放送禁止用語のためか、ところどころピー音で音声がかき消され、
やがて凄まじい絶叫と、狂ったように鳴り響く銃声、そして装甲車の重々しい
エンジン音が響き渡った。
その瞬間、ド〜〜ンという爆発音とともに、映像が途切れてしまう。
「・・・・・・」
わたしたち家族は、息もつかず、ただじっと彼らのその後の運命を見守り続ける。
しかしテレビ画面は急に、コミカルな音楽が流れるCMに切り替わった。
ジュウウ〜〜という肉が焼ける効果音と、それを美味しそうにほお張るタレント。
先ほどまでの息が詰まるような展開との落差が、わたしたち家族の緊張感を
失わせ、そしてどうしようもないほどの脱力感が広がっていく。


397 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:35 ID:7g+iSRuK

ホッとしたのか、母はお茶を入れるべく席を立ち、父はタバコに火をつけた。
わたしはソファの上で膝を抱え、電源の切れたケータイを手の中でくるくると回す。
あのモザイクやピー音は、お茶の間のわたしたちに配慮したためではあるまい。
おそらくスポンサーに気を使う大手広告代理店や、差別に敏感な人権団体の
圧力を恐れたマスコミ上層部による、事なかれ主義がそうさせたのだ。
こうした報道機関の怠慢が、国民から真実を遠ざける一因となったのだろう。
日本があっという間に壊滅してしまったのは、情報利権を握っていた大企業の
せいだと多くの国民が気付いたときには、もはや手遅れだった。

そのことをまだ知らないわたしたちは、わりとのん気にお茶などを啜っていた。
テレビ朝日はモザイクだらけになってしまったCNNの映像を何度も流し、
その合間にお抱え評論家たちのコメントを入れていく。
「ウイルスのせいで、撃たれても痛みを感じなくなった『血液・体液感染による
ウイルス感染病患者』に、情け容赦なく銃弾を打ち込むのはいかがなものか」
「世界的に混乱が広がっていくなか、『血液・体液感染によるウイルス感染病患者』
に対する、日本政府の対応が遅いのは困ったものだ」
セクシーさをアピールしたいのか、シャツを第二ボタンまで外した白髪混じりの
コメンテーターは、白い歯を見せながら、カメラ目線でしゃべり続ける。
具体的な対策をまったく挙げず、批判ばかりに終始する番組に嫌気が差したと
いうより、この男に対する生理的な嫌悪感があったため、父からリモコンを奪い
取ると、わたしはチャンネルを変えた。


398 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:36 ID:7g+iSRuK

フジテレビでは、「テロ対策関連法」に基づく、自衛隊の治安維持出動に対し、
衆参両議院で記名採決による投票が、現在行われていることを報じていた。
野党は牛歩戦術で対抗しているようで、投票箱の前で笑いながら足踏みする初老の
議員や、カメラに向かってピースサインを出す女性議員などが映っている。
このため明日一杯は、国会が空転する見通しとなってしまったそうだ。
本来なら、今日の午前中には自衛隊が出動するはずだったが、野党の抵抗が予想
以上に大きく、また政党間の根回しも不十分だったせいか、議会では長時間演説
(フィリバスター)による時間延ばし作戦が行われてしまった。
このとき、先の選挙で選ばれた野党の新人議員が、壇上で演説をせずに歌い始めて
しまい、これを議長が制止させると、野党側が待っていましたとばかりにいっせいに
抗議し始め、いままで6時間近くも議事進行がストップしていたのだ。
与党が、押しボタン式採決や投票時間打ち切りといった強行姿勢を取らなかったのは、
彼らの間でもわざわざ自衛隊を出さなくても、警察や救急隊員で対処できるはず、
というひどく楽観的な意見があったからだ。
連立を組んでいたカルト教団が母体の政党の意向も、かなり影響しているようだった。
番組のご意見番でもある、ちょっと太目のおじさんは、武器を捨ててみんなで歌を
歌おうと語っている、沖縄出身の新人議員を興奮気味に罵り出した。


399 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/15 23:37 ID:7g+iSRuK

苛立たしげに、また父はチャンネルを変える。
日本テレビは「闘志に燃える女性議員たち」という、なんだかよく判らない特集を
組み、ロッキーのテーマ曲とともに、自衛隊出動を論じる与党議員に飛びかかる
彼女たちを面白おかしく報じていた。
カ〜〜ンというゴングの音と、もの凄い形相をした女性議員の飛び蹴り。
「お〜とっ、これはジャンピングハイキックだぁ〜〜!」
ナレーションはプロレスの実況のように、ハイテンションで絶叫している。
すると今度はタイガーマスクの主題歌がかかり、プロレスラーだった経歴を持つ
タレント議員が、倒れこんだ中年男性を助けるべく登場。
その彼に、何人かの女性議員がしがみつく。
もはや感染症による暴動騒ぎなど関係なく、番組はバラエティーと化していた。
やがて総理を始めとする、与党議員たちの疲れきった表情をいくつか映し出し、
それを東大出身が売りのバラエティーアイドルが、
「議員の皆さんたちはお疲れのようですね。まさに時代は女の時代なのでしょうか」
とふざけ半分のコメントを付け加え、CMに切り替わる。
ジュウウ〜〜という肉が焼ける効果音と、それを美味しそうにほお張るタレント。

わたしたち家族は互いに顔を見合わせ、またため息をついた。

(・・・来週に続く)


400 :PIP ◆dve/1Ebaqs :04/08/16 00:07 ID:TXnK8yqO
悪夢ですね。
しかも現実味を帯びているので、底なしの悪夢ですね。
人民軍の研究病院からSARSが漏れ出したときにも、この国の対応はお粗末なものがありましたし。

しかし風景が脳裏に浮かびまくってますよ!
某番組とか、某番組とか、某番組とか。
イメージがすんなり出来る分、読み終わった後の恐怖もひとしおですね。
じっさい空気感染する致死性の伝染病が広まったりしたらどうなるのでしょうねー。

401 :本当にあった怖い名無し:04/08/16 19:05 ID:DJpIssb/
[ 03 ] >>391-392 [ 01-02 ]

私は栞をはさみ、本を閉じて膝に乗せた。
「デューク、どうした?」
ロボットは、よほどの用がなければわざわざ入ってくることはない。
携帯電話やインターカムを通じての連絡が可能だからだ。
「じつは」デュークはためらいがちに話しだした。
「来訪者です」
私はこの答えにいささか拍子抜けした。
なにか重大なことを報告されるものと思い込んでいたのだ。
「なんだ・・・それならわざわざ来るまでも・・・」
「ですが」ロボットが遮った。
「通常のケースではありません」
通常どおりに作動していないのはデュークのほうではないかと思えてきた。
「誰が来たんだ?」
「むずかしいです。思うところを申しあげても信じてくれないでしょう」
「・・・どういうことなんだ?」どこかがおかしくなったのはほぼ間違いない。
今日中にサービスセンターに問い合わせておいたほうがいいだろうか。
「説明しますが、そのまえに一点だけ確認しておいてください。
ロボットは人間に危害が及ぶ可能性のある嘘をつくことができません」
「そのとおりだ」デュークは何を言うつもりなのだろう?
「では、はっきり申しあげますが、さきほど玄関のまえにいたのはゾンビに違いありません」
私は耳を疑った。


402 :yakitori:04/08/16 19:07 ID:DJpIssb/
[ 04 ]

「・・・なんだって?」私は半分笑いながら聞き返した。
「この家をゾンビが訪ねてきた、と言ったのです。
来訪者を総合的に判断した結果、あなたがたがいうところのゾンビの特徴と一致しています。
冗談のようにきこえるかもしれませんが」
「面白い冗談だ!」デュークに笑わせられたことはめったになかった。
「だからさっき第一条を持ち出したのか!この嘘は危害を加えない!」
デュークはどこかがおかしいわけじゃない、ただ手の込んだ冗談を仕組んでいただけなのだ。
しかし、ロボットの反応は予想外のものだった。
「冗談ではありません」いたってまじめな口調で言う。
「ゾンビはあなたに危害を及ぼす恐れがあります。嘘をつくことはできません」
笑いがさめてしまった。
「まさか・・・本当なのか?」
「本当です」
やはりデュークは故障しているに違いない、それも深刻な損傷だ。
それともデュークの誤認識かなにかだろうか?
「なぜゾンビとわかる?」
デュークは少し間を置いて答えた。
「ゾンビの定義と照合しました。ですがわたしにはゾンビを認識することはできません」
「いったいおまえは何を見たんだ」
「私が見たのは・・・人間です」


403 :yakitori:04/08/16 19:09 ID:DJpIssb/
[ 05 ]

デュークは明らかに混乱している。彼の言葉がそれを如実に物語っていた。
「人間?ゾンビじゃなかったのか?」
デュークの後頭部からブーンという静かな音がした。
空冷ファンだ。あまりに難解な処理のせいで、水冷システムだけでは追いつかないほど電子回路が過熱しているということだった。
「・・・私が見たのは人間です、でも死んでいる。死体でした。死後まもない」
またしばしの沈黙。
「・・・ですが・・・それにもかかわらず、死体は歩いていた。動いていました!
チャイムを押しました!扉をノックしました!それはあなたがたの言うゾンビそのものです!・・・でもわたしに、ロボットにとっては・・・」
私はどう受け止めたらいいのかまったくわからなかった。
デュークは本当のことを言っているのかもしれない。
本当にゾンビと遭遇した場合、ロボットは実際にこう言う反応を示すのかもしれなかった。
これが嘘なら、危害を加えないにしてもプログラムに組み込まれた道徳観念に反するはずだ。
仮に故障だとしても、三原則と道徳観念は電子頭脳の基盤であり、
これらを無視する行動をとるのは構造的に不可能なのだ。
それでも私にはロボットの言うことが信じられなかった。
「・・・デューク、お前は自分が見るものを分析しているはずだ」
「分析しました」空冷ファンが停止し、惰性でゆっくり回転速度を落とした。
「見たものの事実だけを言ってくれ」
玄関にはインターホンに繋がるカメラが設置してあり、
デュークは来客時にその視覚情報を受信するよう設定してある。
「人間の死体です。身長170センチの女性です。
体温およそ摂氏11度。右肩から首筋にかけて、非常に深い傷。
右腕外側および左上腕、右脹脛にも傷があります。いずれの傷も血液の凝固がみとめられます。
傷は衣服ごと傷つけられたものです。
腐敗の度合いは判別できない程度です」
これだけ詳細な描写を捏造できるほどゆたかな想像力はDFM-CR224にはないはずだ。
私はデュークの言葉が何を意味するのか、考えようとするほど何もわからなくなっていった。


404 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/17 21:00 ID:l8aMINcU
>>400 PIP ◆dve/1Ebaqsさん

お察しの通り、これらは元ネタがあったりするんですよw
というわけで、日本でゾンビ騒動が起こったら、それはそれは笑うに笑えない
ブラックユーモア的な展開になるでしょうね、たぶん。
実は書いている本人が、一番ショックを受けていたりしますw

最近、保管庫の作品を読んでいるんですが(まだ読みきっていませんが)、
ゾンビというテーマで、よくもまあこれだけのバリエーションがあるなあと
感心しますね。
上のYakitoriさんのやつも、最初誤爆なのかと思ったら、ちゃんとゾンビに
絡めてくるし、そう来たかw、と思わずヒザを打ってしまいましたよw

それにしてもロメロ監督のゾンビ映画4作目「DEAD RECKONING」(Land of the Dead)は
かなりマジっぽくなってきましたね。
ちゃんと完成するのかどうか、気になるところですが。
まあ、それを記念してかどうかは判りませんが、オイラのへっぽこ小説のタイトルに
「ZOMBIE 〜One of The dead〜」
と副題をつけることにしました。


405 :本当にあった怖い名無し:04/08/20 11:59 ID:pqCW7rjQ
移転保守

406 :sage:04/08/20 14:18 ID:uckPzzls
「艦長、みんなが待ってますよ。」
「やれやれ、私はこんなの、苦手なんだが。」
「長年、潜水艦乗りとして頑張ってきた艦長の労をねぎらおうとしてるんですよ。」
「うん。だが、あの格好は何だ?ゾンビじゃないか。ははは。」
「ははは。何と悪趣味な。艦長の勇退セレモニーはゾンビですか。うちの司令らしい演出ですね。」
「凄いな。みんな全力疾走だ。必死にこちらに向かって来る。」
「海上自衛隊員として、みんな艦長を尊敬してます。手を抜くなんて出来ません。」
「有り難いな。よし!私も海自のはしくれだ。最後まできちっと敬礼で応えよう。」
「はい、艦長!」


407 : ◆zemCWucttw :04/08/20 14:18 ID:uckPzzls
ショートストーリーにしては短すぎるな。
しかも、面白くねぇ・・・
噛まれて来る・・・・


408 :本当にあった怖い名無し:04/08/20 16:25 ID:pqCW7rjQ
ショートショートは日本が誇る文化でごんす。

メール欄に半角でsageを入力願うでごんす。

409 :ショートフィールド:04/08/21 02:07 ID:bJ0kEXBM
おー痛ぇ。あのくそ馬鹿キチガイ野郎、思いっ切り噛みつきやがって。しかも、治療費自腹だし。
でも、助けてくれたお巡りさんが、あの馬鹿の身元が分かったら教えてくれるって言ってたし、
絶対、お金ふんだくってやる。そう言えば、あのお巡りさんも噛まれたんだよな。あー、けど、
何かダリぃな。ちょっと、熱っぽいし。風邪でも引いたかな。電車に乗んの面倒臭ぇなぁ。でも、
乗んないと帰れねぇし。電車ん中で寝るか。えっと、切符売り場は・・と。わ!人、一杯じゃん。
何でこんな時間に、人一杯かな?あー、そうだ。上野駅って、東北新幹線とか、北陸とか北日本と
繋がってやがんだ。あー、ダリぃ。まじで、ダリ・・・うっ、何か、すっげーダリぃよ。ちょと、うぅ・・ごほっ、ごほっ・・・
目眩が・・・うう・・苦し・・・息が・・げほっ、げ・・た、助け・・て・・・


410 :ショートフィールド:04/08/21 02:08 ID:bJ0kEXBM
ショートストーリー第2弾!
今回も・・・面白くねぇ・・・
また、噛まれてくる・・・

411 : ◆dve/1Ebaqs :04/08/22 00:11 ID:rgklsyM7
投下しようとしたら、毎度の事ながら「長すぎます」だそうで。
2レスに分けると中途半端な量なので、きりのいいところまで書きためてから投下することにします。

ショートショートは難しいんだよねぇ。
限りある分量で落ちをつけないとしまらないから。
描写で分量を書きつぶしちゃいけないし。
私には無理でした。

412 :ショートフィールド:04/08/22 01:14 ID:UlBKIAvV
アナウンサー
  「東京ジャイアンツ、選手の交代をお知らせいたします。ショート土井に変わりまし
   て、ゾンビ。ショートはゾンビ。」

観客
  「わー、ゾンビだ!逃げろー!!」


413 :ショートフィールド:04/08/22 01:15 ID:UlBKIAvV
いくらショートってったって、これじゃあ・・・
最早、ヤケクソなのがバレバレじゃん。
全然、怖くねぇし・・・
やっぱり、噛まれてくる・・・

414 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/22 23:02 ID:H9dym/mU

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(4)

実はあとで知ったことだが、マスコミは事態の真相をほぼ正確に掴んでいたらしい。
しかしストレートに発表すると、世間がパニックになると考えたようだ。
そうなったら誰が責任をとるのか。
そんな的外れな恐怖心が、政府官僚はおろか、報道に携わる人たちにまで
広がっていったのだという。
事実に触れないような報道となると、けっきょくはいつものように予定調和な
政権批判や、視聴率目的のバラエティーでお茶を濁すしかなかったのだ。
「悪しき相対主義ってやつだよ。オレらはただのサラリーマンで、正義の味方
じゃねぇんだ。悪いのはオレらの言うことを鵜呑みにした、バカな国民のほうさ」
ちびちびとシケモクを吸う、自称元ジャーナリストは悪びれた様子も見せず、
ニヤニヤと厭らしい眼つきで、毛布に包まれた全裸のわたしを見ていた。
彼らの理念なき行動の結果、日本は他国と比べ、まるでダムが決壊するかのように
あっという間に社会が麻痺してしまった。
たしかに自衛隊を出そうが出すまいが、日本が国家として機能し続けることは
難しかっただろう。
だが、きちんと事実が伝わっていれば、もう少し心構えができていたはずだ。
なにもかもがいきなり始まった、あの地獄のような日々を思い出しながら、
わたしは元ジャーナリストに馬乗りになって、硬い石で何度も何度も、
彼の頭を殴り続けた。
わずかばかりの食料を得るために、カラダを売らなければ生き残れない終末の世界。
その責任を彼に押し付けるのも酷な話だが、湧き上がってくるどうしようもない
怒りと憎しみを抑えることはできなかった。
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
狂ったように石を振り下ろすわたしは、泣きながら、ずっと叫び続けていた。


415 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/22 23:04 ID:H9dym/mU

「血液・体液感染によるウイルス感染病患者」
そういう長ったらしい固有名詞で呼ばれていたせいか、当時の日本社会では危機感が
十分に伝わらず、またマスコミも訳の判らない報道ばかりを繰り返していた。

父はNHKに、再びチャンネルを戻した。
「かつて日本軍は、わが中国人民を5000万人も南京で虐殺した歴史がある。
そして現在、靖国参拝や尖閣諸島問題、日本人留学生による裸踊りや売春事件で、
多くの人民たちが日本に対し、不信感や不快感を抱いている。
わが国は、自衛隊による治安活動など、絶対に認めることはできない。
これこそまさに、日本が軍国主義時代に戻りたがっている証拠だからだ」
「韓国の世論も同様の見解だ。自衛隊の出動は、アジア各国に危機感を与えてしまう。
日本はわが国に対し、植民地支配による謝罪もせず、強制連行に対する賠償責任も
いまだ行っていない。自衛隊を使おうという動きは、我が領土の独島に軍隊を派遣する
示威的行動に繋がる危険性がある。最近の日本の軍事大国化には、まことに遺憾だ。
とくにネット掲示板は酷い。ここにいるヒトたちは、ネットを見たことがあるのか?
あなた方はなぜ、わが国への敵意と悪意と捏造に満ちた中傷を放置しているのか」
たどたどしい日本語を使う、どこかの大学の外国人教授や外国の新聞社幹部たちが、
我が物顔で持論を展開し、番組の司会者や進歩的文化人と称する大人たちは、
難しそうな顔をしたまま頷いているだけで、なんの反論もしなかった。
それどころか、彼らの意見に賛同する始末だ。
「おっしゃる通りです。最近のこの国は、おかしな方向に・・・」
父はうんざりしたように、テレビのスイッチを切った。
「けっきょくなにがどうなっているのか、オレにはさっぱり判らん」


416 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/22 23:05 ID:H9dym/mU

父は腕組みをしながら、おもむろに語り始めた。
「テレビではなにも言ってなかったが、都心では感染患者が暴れ回っているらしい。
今日も会社近くで、パトカーが何台も出動する騒ぎがあった」
「パパ、大丈夫だったの?」
母は心配そうに、父に言った。
「ああ、警官たちが感染者をなんとか取り押さえていたみたいだがな。
・・・オレは行かなかったが、見物していたウチの若いのが・・・噛まれたそうだ」
「えっ、じゃあ、感染しちゃったの?」
わたしも思わず、会話に参加していた。
「それは判らんが、一緒に現場にいた同僚の話では、彼はその場で救急車に
乗せられて緊急入院したらしい。ただ気になるのは、ほかの・・・」
そこまで言いながら、父は急に口を噤んだ。
「・・・長野のおばあちゃんのところにでも、行ったほうがいいかもしれんな」
「ええ〜〜っ!」
わたしは父の提案に反対した。
あんななにもない田舎には、行きたくなかったのだ。
「キョウコは昔から、おばあちゃん子だったじゃないか。ちょっとした旅行
だと思って、楽しんできなさい。ハハハ・・・」
背伸びをしたい年頃だったため、わたしをいまだ子ども扱いする父に腹が立った。
けっきょく親にとって子供とは、いつまでたっても子供のままなのだろう。
もっとも子供が産めないカラダになってしまった、いまのわたしにとっては、親の
心情など永久に判らないものだけれど、たぶんそんな気がする。


417 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/22 23:06 ID:H9dym/mU

「パパも一緒に、長野に行けるんでしょ?」
母の問いかけに、父は困ったように言う。
「・・・それが、そうもいかないんだ。会社の仕事が滞っていてな。
営業中に暴徒に襲われて、入院した社員が実は何人かいるんだ。
だからいま、会社は人手不足で大変なんだよ」
そんな話は初めて聞いた。
ひょっとしてこの暴動騒ぎは、かなり深刻なものではないのかという不安感に
襲われ、母とわたしは泣きそうな顔で父を見つめた。
「おいおい、別に世界が滅びるわけじゃないんだから、そんな心配することは
ないって。国はなにも言わないし、ニュース番組だって暴動騒ぎよりは、むしろ
自衛隊を出すか出さないかのほうが、問題みたいだったじゃないか。
日本が危ないなら危ないと、ちゃんと報道をするはずだろ、普通は。
案外ワクチンとか、もうできているんじゃないかな。
マスコミはそれを知っているから、自衛隊なんかいらないと思っているんだよ。
だからこの騒ぎは、じきに収まるさ。大丈夫、大丈夫」
父の話を聞きながら、わたしたちは必死で頷いた。
「あっ、そうだ、ママ。明日から、水や保存食を買っておいたほうがいいぞ。
マスコミの報道では、それほど深刻な事態ではないらしいが、アメリカのように
感染者が爆発的に増加したら、東京の流通機構が麻痺するだろうからな。
念のために万が一の備えぐらいは、しておいたほうがいい」
「じゃあ明日、スーパーでなにか買ってきます。
長野のおばあちゃんのほうは、いつ行きます?」
「今度の週末あたりにするか。明日、オレのほうから連絡を入れておくよ」

(・・・来週に続く)


418 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/22 23:07 ID:H9dym/mU

クダンがホントに・・・
イタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!

それはともかく、やはりあの国では、鳥インフルエンザが豚に感染していた
ようですね。
しかも最初の発見は、去年だったそうで。
ヤバイ、ヤバイ。
詳細は世界がショックを受けるのでヒ・ミ・ツ、とか平然と言っちゃってます。
おいおい、ちゃんと報告しようよ、マジで。
世界が滅びちゃうよ。

>>413 ショートフィールドさん

話を1レスに凝縮しているから、そのぶん読者の想像力が恐怖感を演出するんだよね。
潜水艦の話は、読み終わってしばらくしてから、いや〜んな恐怖が来たw


419 :ショートフィールド:04/08/23 00:48 ID:Y3bgWdYm
>>408タソ

 ゴメンよ。レスしたつもりが何も書いてなかった。>>409は、最初にメモ帳に書いてコピペ
したんだけど、 >>408タソ宛の部分をコピし忘れた。メル欄にsage入れとくよ。

>>418 東京くだんタソ

レス、トンッ!
ショートは、読んでる人が経験した事ならかなり有効だと思うけど、こう言うフィクション系の
シチュエーションだと ほとんど無力だね。実際、このスレでもゾンビをネタにしてって言う条件を
前もって知らなければ、俺の作品は理解 できないもんね。でも、俺の ショートで”あの時の事を
思い出した”なんてヒトが出てきたら・・・って何か、このレスもちょっとしたショートになったような・・・・

くだんタソの作品は来週までお預けか。そんじゃ、その間に俺がまたショートでも・・・
やっぱ、やめた。くだんタソの作品を待った方が良さそうだ。

420 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/23 22:01 ID:ET7Zpfo/
>>419 ショートフィールドさん

いや、どんどん書くべきですよ。
あと1000話くらい。

これは個人的な見解ですが、出来の良い小説というのは、短くて面白い文章
(だいたい10〜20行くらい)の連続体だと思っています。
だからショートショートみたいな短い作品が得意な人は、長編も面白かったりします。
わたしは新参者ですが、ゾンビスレの長編小説職人さんには、同時に短編も書いている
人も多いんですよね。
この理屈で行けば、ショートフィールドさんが1000本くらいショートショートを
書き続けられれば、史上最強の創作職人の栄誉を手に入れることができると思います。

がんばってくださいw


421 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 00:17 ID:IP/8GCs4
いちいち自分で面白くないとか言わなくてもいいよ。

422 :ショートフィールド:04/08/24 00:46 ID:ZAvVwYG0
おい、何をしてるんだ?お前は・・?俺は・・・一体・・・ああ、思い出した。そうだった。
何てこった。奴らに襲われて、俺は意識を失ったはずだが、まだ死んじゃいなかった
んだな。おい、お前は俺の喉を喰い千切ろうとしてるのか?良いだろう。どうせ俺は
痛みなど感じない。最早、抵抗すら出来ないんだ。好きにするが良いさ。おい、
そいつは何だ?それが俺の喉の肉か?おい、ちゃんと噛み切れよ。お前が口に
くわえてる俺の喉の肉は、まだ俺の喉に繋がってるぞ。おい、引っ張るな。肉がまだ
繋がってるんだ。お前が引っ張る度に、俺の頭がグラグラ揺れるじゃないか。噛み切れ。
噛み切るんだ。こら!パパの言う事を聞きなさい。

423 :ショートフィールド:04/08/24 13:10 ID:ZAvVwYG0

>>420
 くだんタソ

ごめんよ、>>422でレスしたつもりが、またコピドジって遅レスになっちまった。
>>420のくだんタソの考えは、その通りだと思うよ。でも、ショート1000話は、ムリ!!
俺の場合、文章は文章、言葉は言葉ってな感じで妙な垣根があるからさ。
1000話書くつもりで経験を積めば、少しぐらいは改良されるとは思うけど。
ホントに1000話書けって言われたら、あと何百万光年かかる事か・・・

でも、書くよ。俺は、書く。連発で書き込みは出来ないけど、俺は書く。

ありがと、くだんタソ!


424 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 15:18 ID:HSpVKdL6
>>何百万光年
 
 いや、そりゃ長さの単位だが……

425 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 18:40 ID:I6JzXauB
なんかバカが二人(もしくは一人)いるな
リア厨だろうが、もっと色々な小説を読んで、
洗練された文章を書けるようになってから来てくれ
あらゆる箇所で稚拙さが目に付いて、とても読めたものじゃない

426 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 22:26 ID:2GZRj6eS
このスレは結構好きなんだが
ショートショート(か?これ)おもんないッス。

427 :本当にあった怖い名無し:04/08/25 18:57 ID:xeCr+hNh
ここの作者さんたちは今や、叩かれても続けた人ばっかりになってるからね。
ショートフィールドさん、そういうことですよ?
ようこそ、ゾンビスレへw

428 :本当にあった怖い名無し:04/08/26 02:28 ID:lKdTgoqG
自分は書く才能も実行力もないのに、人を叩くだけのやつはほんと馬鹿で
子供。ショートフィールドさん、気にせずがんばってください。

429 :本当にあった怖い名無し:04/08/26 03:34 ID:JF2TDJK3
書く才能も実行力も無いんでこれからに期待します。

ま、最初っから上手く書けるわけないもんな。

430 :本当にあった怖い名無し:04/08/26 03:42 ID:JF2TDJK3
ただ書いた後で自分で面白くないとか言ってるのが
頑張って書いてる他の職人さんにもちょっと失礼な気がしてつい…。

これ以降は黙っときます。スレ汚しスマソ。

431 :本当にあった怖い名無し:04/08/27 19:02 ID:TtA3Kr4G
今度からさー小説書く前に名無しで10行程度のショートショート書いてもらって、
それで審査してからトリップつけてコテにして書いてもらうようにしたら?

それなら面白く書ける人だけが続けられるでしょ?

432 :本当にあった怖い名無し:04/08/27 19:41 ID:7JAvgdEC
ショートと普通の短編は、使う頭が別もんだぞ。

433 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 00:26 ID:Dv6lT1Rx
>>431
そうやって読者代表がまた沸くわけだ。
しかも大量にね。

書きたい人が好きに書けばええんと違う?
つまらなければローカルあぼーんすればいいし。

審査なんてするより、どこをどうすれば面白くなるか意見を書く方が100倍マシ。

434 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 16:27 ID:/LZswlNn



PS2 『バイオハザードアウトブレイク ファイル2』 9月9日発売

http://www.capcom.co.jp/biohazardoutbreak/



435 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 17:11 ID:+GC8WIGY
>>432
へぇ?どう違うというの?
長編とアンソロジーを読み比べても、
その指摘が当てはまるような差違はとくに見受けられないけど?

面白い長編を書く人はショートでも面白いものを書けると思う。

>>433
それは従来のやり方でしょ。
話がより良くなるように意見を出せればいいけど、現状ではそれを実践してる人は誰もいないよね。
ま、新提案を書いただけだから、実際にするしないはどうでもいいんだけど。

ただスレが盛り上がらないで小説だけ垂れ流し、というのもどうかと思ってね。

436 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 18:02 ID:O0WsVcgP
感想も出さない名無しがそんなこと言っても説得力無いね。
作者さんならともかくただの名無しなのにすごい上から見下ろす発言で気分が悪いね。

ただスレが盛り上がらないで小説だけ垂れ流し、というのもどうかと思ってね。
                  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何様?
お前読者代表じゃないのか?
長編はより細かい描写やシチュエーションも楽しめる。
短編は字数が限られているから分かりやすい表現や何よりアイデアを楽しむ。
こんな違いもわからないなんて。

437 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 18:03 ID:+oUH5qt6
 >>435
 お前、創作したことないだろ。
 あるいは、俺らが想像も付かないような才能の持ち主か。


438 :本当にあった怖い名無し:04/08/28 18:20 ID:O0WsVcgP
空気が悪くなってきたので、この辺でスルーということにしましょう。
ボクの書き込みもスレの雰囲気を汚すものでした。
みなさん、すいませんでした。

439 :本当にあった怖い名無し:04/08/29 17:13 ID:g34hZOBf
>>436
わざわざ丁寧にアンダーラインまで引いてくれて御苦労様

名無しということを理由にするなら説得力ないのはお互い様だね
下線引いてくれた箇所だけど、自分の感覚からすれば
現状を見たままに述べたに過ぎないんだけどね。立場が何か関係あるわけ?

>短編は字数が限られているから分かりやすい表現や何よりアイデアを楽しむ。
これはもちろんわかるよ。でもこのことを「使う頭が違う」なんて曖昧な言葉で表したつもりなの?
それと、どうも食い違いがあるみたいだ。自分は「作者」のほうのことだと思ってたけど
そっちは「読者の使う頭が違う」って言いたいようだね
いずれにしろそれには同意しかねるけど。
短編はシンプルな要素を、長編は加えて詳細なディテールを楽しめるというのには異論無いけど
それがどうしうて「使う頭が違う」ことになるのか、
せっかくだからスルーしないで説明して欲しいとこだけどね。

>>437
プロファイリングのつもりならどっちもハズレ

440 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/29 19:06 ID:kKCaZLKC

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(5)

もう10時近かったので、わたしはお風呂を手早く済まし、部屋に戻って寝る準備を
始めた。髪をとかしている最中、また救急車のサイレンが聞こえてくる。
父は心配ないと言っていたが、やはりなんとなく、どんよりとした不安感が
わたしの心に重くのしかかってきた。
ふとベッドに放り出してあったケータイを見る。
いつもメールをやり取りしているエリの顔が浮かんだ。
眼がクリッとしたふくよかな彼女は、冗談ばかりを言って、クラスメイトたち
をよく笑わせていた。
アケミがフミヤと付き合うようになってからは、エリと遊ぶことが多くなった。
朗らかで、明るい性格のエリとはウマが合い、休日にショッピングをしたり、
夜遅くまでメールをやり取りする、蜜月の仲が続いている。
当時のわたしたちはお小遣いの関係上、会話はメールで済ませてしまうのが常識
だったが、心細いせいか、彼女の声が無性に聞きたくて仕方がなかった。
ケータイの電源を入れると、エリからのメールが何通か届いていた。
可愛らしい絵文字とともに、奇妙な文面が書かれている。

『*死( -.-)人*が 街を(*'-'*)うろついている(>_<) yo!
気(^o^) を(^O^) つ(^。^) け(^o^) て(^O^) ね(^-^)ノ゛』

「・・・もう、エリったら・・・」
絵文字と文面の落差に、例えようもない薄気味の悪さを感じながら電話をかける。
もう寝ているかな、と思っていると、ケータイはすぐに繋がった。


441 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/29 19:07 ID:kKCaZLKC

「キョ〜〜ちぃ〜ん!!マジで、死んじゃったのかと思ってたじゃん!!」
電話口のエリは、いきなりそう叫んだ。
「ちょっとマジに、ナニそれww」
彼女の反応にビックリしつつも、なにかの冗談かと思って、わたしは笑った。
「ていうかさあ、何度もメール送ってもぉ、ケイタ、シカメルするしぃ〜」
「ごめ〜ん、ていうかさあ、親がさあ、いろいろとウザイし、みたいな?」
「ていうか聞いたぁ?暴徒の正体?死人なんだって!死人!」
「ていうかさあ、エリエリ〜、ちょっとあのメール、シュールすぎて笑えないよぉ〜」
わたしは怖がりなので、ああいうオカルト的な冗談は苦手だったのだ。
「ちがうんだって!ぶっちゃけ、めっさ死人なんだって! 死人がヒトを、めっさ
襲ってるんだって!ちょ〜〜信じらんない!これって、マジ、ヤバくない?」
「ちょっとぉ〜、マ〜ジ〜でぇ〜?テレビじゃそんなこと、言ってなかったじゃん?」
「鬼マジ!報道管制じゃないかって、アニキが言ってたよ。ちょ〜〜ヤバくない?
MG5って、カンジ?ていうかさあ、キョ〜ちんって、ネットやったことなかったっけ?
いまネットじゃ、ちょ〜マジで、ちょ〜スゲェ騒ぎになってるしぃ!」
このとき2ちゃんねるを始めとするネット掲示板では、マスコミが尻込みして
出せなかった情報が飛び交っていたという。
とくに衝撃的だったのは、実際に人肉を喰い漁っている暴徒や、暴徒たちに発砲する
警官たちの映像が、モザイクなしで流されていることだった。
これらはすべて一般人が、デジカメやケータイ動画で撮影したものである。
ネットの情報が真実だとマスコミが認めたのは、これより半日経ってからのことだ。
もっともその頃には、すでに日本の崩壊が始まっていたのだが。


442 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/29 19:09 ID:kKCaZLKC

ネットでは、暴動事件が発生した直後から死人、その後は「屍人」(しびと)か
アンデッド(不死人)という呼称がよく使われたそうだが、ともかくその屍人たちが、
この騒動の原因ではないのかという噂が、密やかに流れていたらしい。
最初はただの悪趣味な冗談だったのだろう。
しかしその後、マイナーだがそれゆえに、ストレートな報道をする海外のケーブル
テレビやwebメディアから、情報を直接入手するようになると、その噂が次第に
真実味を帯びてくるようになる。
曰く−−

屍人たちは、人間の肉を喰らいたがる。
屍人たちは、銃で撃たれても死なない。
屍人たちは、脳の中枢神経を破壊しなければ、活動を停止しない。
屍人たちに噛まれたり、喰い殺されたりした人間は、屍人の仲間になる。
普通に死んだ人間も、数時間後には屍人になる。

それはまさに、かつてジョージ・A・ロメロが作った恐怖映画「ゾンビ」と
同じだった。(わたしは観たことがないから、実はよく知らないけど)
しかしまさかゾンビが本当に現れて、暴れまわっているなどと誰が信じようか。


443 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/29 19:10 ID:kKCaZLKC

ネットが世間に定着するようになると、以前にはよく見られた根拠のない噂と
いうものは、ユーザーから忌み嫌われるようになり、それらはどちらかというと
確信犯的な遊びという側面を持つようになった。
暴動事件をゾンビと結びつけていた人たちも、最初はちょっとしたイタズラ心や
遊び感覚で話を作っていたようで、受け取る側も笑いながら楽しんでいたようだ。
しかしネットはでたらめな噂話が多いものの、また同時にソース元を開示した
正確な情報源が、数多く存在しているのも事実だ。
ネットを愛用する人間には、玉石混淆するカオス世界で鍛えられているためか、
真贋を見極める高い知能を有しているユーザーたちがいる。
そしてネットにおける情報の共有化現象は、テレビや新聞といった大手情報産業に
比べ、驚くほど進んでいた。
一方的な情報の押しつけと、双方向マルチメディアのちがいである。
このように、利用する側の熱意と特殊な環境により、多くの草の根ネットワーク
では、ほぼ正確に事実を掴み、世間に真相を報告していた。
しかしネットというものは、自立した個人が集まって形成している疑似社会であり、
もともと現実社会でなにかをしようとして集まっているわけではない。
たとえネットのなかで異常な熱気に包まれようと、現実世界における行動に安易に
結びつくことは少ないのだ。
とくに日本は非常に居心地のいい社会であり、多少の不満はあっても、行動でなにかを
変えようとするほどの鬱憤もなく、またかつての学生運動のみっともない終焉を知って
いるため、問題意識を持っている身軽な若者たちの間ですら、デモのような行動をする
ことは、とても格好の悪いことだと受け取られている。
日本のネット文化とは、あくまでも娯楽の延長線でしかなかったのだ。

(・・・来週に続く)


444 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/08/29 19:12 ID:kKCaZLKC

みんな仲良くやろうよ。

445 :本当にあった怖い名無し:04/08/29 21:42 ID:xDhoSipX
>>439
>>説得力ないのはお互い様だね

 ああ、それを理解しているなら特に言うことはないです。絡んですまんかった。
 しかし、432は俺だが、436は俺じゃないので誤解するなよ。
 俺の言った言葉を何故か436に説明させようとしているので一応。

446 :本当にあった怖い名無し:04/08/29 21:43 ID:xDhoSipX
ちなみに、
>>説得力ないのはお互い様だね
は、絡んだ者全員に対する言葉と解釈したので。

447 :本当にあった怖い名無し:04/08/29 22:45 ID:cc8NosNo
>>445
じゃあこれ以上の議論は無用かな。では。

448 :本当にあった怖い名無し:04/08/31 22:21 ID:/kAEn4KC
posyu

449 :本当にあった怖い名無し:04/09/01 17:09 ID:oYrgyr4s
>>444
誰のせいだと思ってんだテメー

450 :本当にあった怖い名無し:04/09/02 17:46 ID:OFZOYZo0
THE お姉チャンバラ ってゲーム買った(PS2)お姉ちゃんがゾンビを
チャンバラで倒していくゲーム。2000円くらい。安さと
お姉ちゃんのコスチュームの得ろさとゾンビに惹かれた。
安い割りにぼちぼちかな。あきるし、怖さはないけど。

451 :本当にあった怖い名無し:04/09/03 18:19 ID:qDjcCncH
ファンタジー系ゾンビもの書こうと思うんですけどどうですか?

452 :本当にあった怖い名無し:04/09/03 19:02 ID:v7vep1Uc
よいと思いますよ。てか、断らなくても書いちゃってください(゚∀゚)
ん?! まさか他の作品も書いてます? だとしたら、2作や3作を
同時進行するのは・・・    他には書いてないですよね?
とめる権利はありませんが。

453 :本当にあった怖い名無し:04/09/03 22:58 ID:Wo/SRpYY
>>452
PIPのことかーーーっ!!

すいません、早く続き書いてくださいorz

454 :本当にあった怖い名無し:04/09/04 00:59 ID:CDAKlN/z
保管庫みてマターリ汁

455 :本当にあった怖い名無し:04/09/04 19:01 ID:xRRarXX9
☆ゾンビのキラメキ☆

あたし、刎屡之飛美羅は女子高生。
今日も原チャで爆音鳴らして登校するの。
右手はケータイ、左手は金属バットだから、事実上両手放し運転ね。
でもおまわりはノータッチだわ。だってあたしのパパは県警本部長の愛人だもの!
彼ってゲイなのよね。同性婚できるようにって言ってるけど、
実現したらパパが二人になっちゃうじゃない?ちょっとアレよねー。
あっゴメーンこのメロ身湯鬼からだわ。それじゃー続きはあとでね〜。

456 :本当にあった怖い名無し:04/09/05 12:30 ID:jSki3zjm
誰かageろよ。即死寸前じゃねえか。

457 :本当にあった怖い名無し:04/09/05 13:43 ID:p1UwXRPK
初心者を装ったage荒らし?
dat落ちは最終書き込み時間で決まるのでスレの位置は何の関係も無し。
ageると荒らしが来たりするので大抵のスレはsage進行が基本です。

次スレにはdat落ちはスレの深度に関係がないと書いたほうがいいかもね。

458 :本当にあった怖い名無し:04/09/06 06:36 ID:72yYgqxy
ttp://www.movie-faq.com/main-721.htmlの
レーザーで指が切れた男が死んだ理由て
後、そういや、何で死体消えたんだっけ?

459 :本当にあった怖い名無し:04/09/06 12:11 ID:dj3+2fYm
そういやコンピューターの再起動後ウイルスの説明受けてる時
隊員の誰かがゾンビとして目を開けるシーンがあったけど
別にその後出てこなかったような…。TVではカットされたのかな。

460 :本当にあった怖い名無し:04/09/06 17:30 ID:72yYgqxy
主人公が電車のボタンかなんか押そうとするところに
倒れてた奴て知り合いのゾンビだったんだろか

461 :本当にあった怖い名無し:04/09/06 18:35 ID:eYLvDGuQ
>>459
そいつはゾンビに襲われた隊員のDJ。
最後の方で出てくる。


462 :本当にあった怖い名無し:04/09/06 18:54 ID:nP1ROPhg
>>451ですけど、構想中です
話まとめるのに暫らくかかると思うんですけど

463 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:33 ID:QJbGYkoU

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(6)

「正しい情報を受け取っても、みんなはそれをどうやって活用したらいいのか、
よく判らなかったんだと思う。それに屍人が、ネズミ算式に増えていったからね。
事件の一報が流れてから、わずか5日で日本の社会がストップしちゃった。
もう少し時間があれば、なんとかなったのかもしれないけど・・・」
そう静かに語る男性は、寝物語に当時のネット状況をくわしく教えてくれた。
彼は自分のことを「2ちゃんねらー」と称していた。
わたしにはよく判らなかったが、彼が「2ちゃんねる」という言葉を使うときに見せる、
とても懐かしげな、そしてどこか誇らしい眼差しが、すごく印象的だった。
「・・・ボクたちはあの頃、必死で情報をかき集めていた。
テレビや新聞は、まったく当てにならなかったしね。2ちゃんねるを基点に、そこで
拾ってきたソースを、自分のまとめサイトに貼り付けたりしてさ」
日本が崩壊してから一年半近く経っても、彼が缶詰などの保存食を持っていたのは、
かなり早い段階から備蓄活動を始めていたからだった。
会社を無断欠勤すると、口座から預金をすべて引き出し、サバイバルグッズや
食料品を根こそぎ買い集めたのだという。
すごかったのが、彼がこうなることを見越して、あらかじめ2tトラックを手に
入れていたことだ。
(半年前にタイヤがいきなり脱輪して、トラックは放棄したらしい)


464 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:34 ID:QJbGYkoU

「もちろん新車なんか買わないよ。値段が高いし、納車にだって時間がかかるしさ。
レンタカーだよ。ネットを見てたら、こりゃマジでヤバイかもって直感してね。
サイトを更新するどころじゃなかった。ボクは臆病だったから、本当に怖かったんだ。
一週間借りる契約をして、すぐその足で大型スーパーに行って、食料品の箱買い。
でも目端の利く奴って、わりといたみたいでさ。売り切れのところが多かったな。
ボクはこれでもけっこう早く、対応していたつもりなんだけど、世の中には上がいる
もんだね。次の店、次の店、なんて移動しているうちに、屍人たちが道路にチラホラ
現れ始めてね。もう限界だなって思って、アパートには戻らず、そのまま郊外へ
一目散に逃げちゃったよ。その頃でさえ、ラジオからは歌謡曲が流れていたっけ」
子供の頃、両親を交通事故で亡くした天涯孤独な彼にとって、いまでも心残りなのが、
ほかの2ちゃんねらーたちのことだった。
「生真面目に、ずっとサイトで情報を集めていた、ねらーの有志たちは、たぶん
逃げられなかったと思うよ。あっという間に、街に屍人たちが溢れ出して
来ちゃったしね。キョウコさんの友達の・・・ああ、エリさんだっけ。
彼女がキョウコさんに教えていた、屍人の動画の件。
あれってさ、実はその日の夕方まで、ネットには流れてなかったんだよね。
いくつか流れていたものは、あまり鮮明じゃないものとか、警官に取り押さえられる
屍人を遠景で撮ったやつとかね。そういうものばかりだったんだ。
あれじゃあ、たしかに政府やマスコミが言ってたような、興奮する暴徒に見えるよね。
・・・でも不思議に思わない?あるときを境にして、いっせいに屍人たちが人を襲ったり、
警官が堂々と発砲したり、屍人が人肉を食べる、ものすごい映像が出てくるなんて」


465 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:36 ID:QJbGYkoU

それはわたしも、ずっと疑問だった。
なぜいきなり屍人たちが、山のように襲いかかってきたのだろうか。
屍人たちは、それまでどこにいたのだろうか。
両親と一緒にテレビで観た、あのアメリカでの騒動なんて、この日本にはなかったはずだ。
もしあのような規模の騒ぎがあれば、さすがのマスコミも報道せざるを得ないだろう。
日本における屍人騒動は、ある日、いっせいに始まったように思う。
こういう展開を見せたのは、先進国では日本だけだったそうだ。
「日本はわりと厳しい法治国家だったからね。
外国では屍人を化け物と割り切って、極秘で駆除して回っていたみたいだけど、
日本ではあくまで暴徒として扱っていたから、問答無用で撃ち殺すことはしなかった。
つまり警官たちは、素手で彼らを押さえつけていたんだ。
その過程で、噛まれたりして感染する。
放り込まれた病院でも、患者として扱うから、素手でベッドに押さえつける。
そしてまた、医者や看護婦が感染する。
屍人たちは捕まえられても、殺されることはないし、そして時間が経つにつれ、
感染していった人間たちが増えてくる。
そんなことを繰り返しながら、屍人たちは国民の眼に見えないところで、
確実に増殖していったんだよ」


466 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:37 ID:QJbGYkoU

彼は布団のなかで、カラダをぶるっと震わせながら話し続けた。
「・・・あの繁栄を極めた日本が、あっけなく崩壊しただなんて、ボクにはいまだに
信じられないよ。いや、事情を知っていた当時の人たちにだって、これは予測
できなかったことだと思う。・・・あまりにも早すぎた。
こういうのって、外国人の眼から見たら、甘いって言われるのかな・・・
でもさ、ほかの国に比べたら、日本はかなり誠実だったと思うよ。
たとえば中国やアメリカみたいに、屍人だろうが、一般人だろうが、お構いなしに
まとめて撃ち殺しちゃって、遺体なんかも適当に放置しちゃうずさんなことをする
から、屍人の数が異常に増えたりした、バカな国もあるんだよね。
日本はあくまでも理性的に、事を治めようとしたんだ。
でも正しい情報が、国民にきちんと公表されなかったのは、とても致命的だったね。
そして軍隊、というか自衛隊の投入ができないまま、政府が消滅したのもマズかった。
みんなが平穏な日常生活を送っている傍ら、屍人から市民を守る警官たちや、
屍人を病院に閉じ込めている医者たちが、次々と彼らの仲間になっていく。
それはつまりさ、減った分だけ敵の数が増えてしまうわけだからね。
ボクたちの知らないところで、ついに押さえる側の数と屍人たちの数が逆転した。
だからダムが決壊するみたいに、ものすごい勢いで、街に屍人が溢れ出したわけ。
ネットで衝撃的な映像が出回ったっていうのは、もういままでのやり方では
屍人たちを押さえつけることができなくなっていた証拠でもあるんだよ。
数の少なくなった警官たちが銃を持ち出しても、すべては手遅れだった。
けっきょく政府やマスコミの危機意識が薄かったから、外国よりも早く、そして
もっとも悲惨な最期を迎えたんじゃないのかな。
なにも知らない無抵抗な国民に、いきなり屍人の群れが襲いかかって来たんだからさ」


467 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:38 ID:QJbGYkoU

それゆえに自衛隊が求められたのだ。
自衛隊の任務は、国民を守り、屍人たちを殺すことだった。
しかし現実を見ようとはしないバカな人たちによって、それは阻止されてしまう。
問題を先送りし、責任を放棄し、互いに罵り合い、歌を歌ったり、カメラにピース
サインを送ったり、それらを面白おかしく報じたりするそばで、屍人たちは人間の
血肉を喰らうため、無防備になった街をさ迷い歩いていた。
わたしの父や母や友達たちを、地獄の底に引き入れるべく・・・

「あーあ、平和だった、あの頃が懐かしくてたまらないよ。煽り煽られ、殺伐としたなか
にも、どこか人間的な温かみが2ちゃんねるにはあったんだ・・・いい時代だったよなあ・・・
毎晩さ、どこの誰とも判らない奴らと話し合ったり、ギャグを言ったり、ケンカしたり、
Hな画像を貼ったり、それを見たり、たまにブラクラ貼るバカがいてさ、ムカつくよね。
ハハハ・・・モナー、可愛かったなあ。あのFLASH、最後にもう一度だけ観たかったなあ。
そういえばあのスレの続き、どうなったんだろう・・・
・・・テレビとかやってるとね、みんなで実況するんだ。
つまらない番組ほど、なんか盛り上がっちゃってさ、これがまた楽しいんだよ。
昔、台風の実況のときに、コロッケを16個も買ったお調子者がいてね。
おいおい、そりゃ買いすぎだろうって、みんなで爆笑したっけ。
屍人騒ぎのときも、実況とかしちゃって・・・トラックのなかで、ボクは最後までずっと
見てたんだ・・・真実に一番近い場所にいるくせに、実際には逃げられなかった人が、
ほとんどだったよ・・・ネットやってるうちに、街中が屍人だらけになっちゃって・・・
さよなら、とか書き込む奴、多くてさ・・・バカだよな・・・ホント、バカだよ・・・」
そこまで言うと、彼は鼻を啜りながら、背中を向けてしまった。
だいぶ経ってから、彼は布団のなかで呟いた。
「・・・みんな、いなくなっちゃった・・・」


468 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/06 23:39 ID:QJbGYkoU

翌朝、眼が覚めると彼はいなかった。
犯るだけ犯って、そのままトンズラする男もいるので、いつも注意していたのに
彼は大人しそうなヒトだったので、つい油断してしまった。
あわてて布団から飛び起きて、すばやく隠し戸棚を調べると、御代にもらった
白桃の缶詰はちゃんと残っていた。ほっとひと安心したわたしは、彼の持ってきた
ナップザックが、畳に置きっぱなしになっているのに気がついた。
なかを開けると、チョコレートとコンビーフの缶詰が3個、そして手紙があった。

『昨日はありがとうございました。もうこれだけしか残っていませんが、
全部キョウコさんに差し上げます。さよなら』

隠れ家にしていた廃屋を出ると、彼は外で自殺していた。
屍人化したときのための配慮か、縄で手足を縛り、後頭部にサバイバルナイフを
突き刺したまま、息絶えている。
わたしはどっと疲れて、長いため息をついた。
しかしなんと言うか、不器用ながらも律儀で、誰かのために涙をこぼす優しい心を
持っているヒトに出逢ったのは、本当に、本当に、久しぶりだった。
そのためなのか、屍人たちに見つかる危険性があるにもかかわらず、彼の遺体を
丁寧に穴へ埋め、ちゃんとお墓を作ってあげようと思った。
いまのわたしに、まだこんな感情が残っていたとは、自分でもビックリする。
名前を聞かなかったので、墓標に『2ちゃんねらー ここに眠る』とだけ書いた。

(・・・来週に続く)


469 :本当にあった怖い名無し:04/09/08 20:40 ID:0z4Eg782
日本が崩壊した後、こーゆー状況になる人もいるんですよね。
体を売って、生き延びるナオン。ちょっと萌え上がったクズな自分が
いますた('A`)
くだんさんがんばってください!!

470 :本当にあった怖い名無し:04/09/09 18:17 ID:0y1Q0/5y
ELVIS VS ZOMBIE

ヴェガスの街に木霊する
その悲鳴は彼を呼ぶ
彼は死んではいなかった
青空のもと、ビルの狭間で
ブロンド女が叫ぶ時
ロケンロールの響きとともに
彼が、彼がやってくる
ELVIS



471 :本当にあった怖い名無し:04/09/09 21:20 ID:toQ0LwbK
バイオゾンビVSロメロゾンビ

472 :おやじ:04/09/10 19:25:41 ID:6jBKo5Kk
 オレはさいたまで土建屋やってるおやじだ。
 前の晩、しこたま飲んじまったオレは、あれが起こった日、良い気分で寝てたのさ。そしたら、かかあが慌ててオレを
起こしに来やがった。「テレビに変なモンが映ってる」ってんだ。
 寝ぼけ眼でテレビを見たら、キャスターがアシスタントの女を食ってるじゃねぇか。・・・まっ昼真っからスプラッター映画なんか
やるんじゃネェよ。ガキの教育に良くねぇって、テメぇらもさんざん言ってたろ。
 でもよぅ、あっちこっちチャンネル回しても録画らしいドラマは映ってるけど、生放送のワイドショーは真っ白け。・・・たまに
動くモンが映ったと思ったら、黒い顔してふらふら動くゾンビ野郎じゃねぇか。
 それでオレは、かかあに外の様子を見に行かせたんだが、ちっとも帰って来やしねぇ。そのうち、あっちこっちで爆発音は
するし、物がぶっ壊れる音が響いてきたから、こっちも慌てちまった。
 何だか判かんねぇけど、やべぇことが起こってる。
 オレは玄関に置いてあったボウズの金属バットを持って外に出たのさ・・・。
 ・・・かかあは、商店街の方に200m行って見つかったよ。・・・ゾンビ野郎が5、6匹、よってたかってオレのかかあを
食ってやがった。
 頭に血が昇っちまったオレは、金属バットを振り回したぜ。・・・3匹目のゾンビの頭を吹っ飛ばしたところで、我に返って
驚いた。内蔵と両足を食われて死んだと思ったオレのかかあが、真っ黒い顔をして、地面を這い擦って来るじゃネェか。
 それでオレは、一目散に家まで飛んで帰ってボウズを呼んだのよ。
 ・・・・ボウズも片腕が無かった・・・。

473 :おやじ:04/09/10 19:26:32 ID:6jBKo5Kk
 ・・・情けねぇ。・・・オレは・・・その・・・、愛情ってやつより・・・、恐怖が先に来ちまったのさ。
 裏に止めてあった10トンダンプに飛び乗って一目散に逃げ出した。途中で何匹かのゾンビ野郎を引き殺してやったよ。
・・・そりゃ、涙で前が見えなくて、避けようったって出来やしねぇさ。
 郊外の田舎道で頭を冷やしたオレは、車のラジオを聞いてみたんだが、やっぱりウンともスンとも言わねぇ。
・・・思い直してパーソナル無線のスイッチを入れてみた。
 何人かの奴と話し合えたけど、誰も何が起こったのか教えちゃくれねぇ。けど、そのうち、東京の偉い学者先生と
繋がったのよ。
 学者先生の話じゃ、4日前の夜中、でっかい隕石が神奈川に落ちたんだと。そんで、そこから何かが出てきたらしいな。
・・・いや、化け物じゃねぇよ。細菌みてぇな物だとよ。そいつが人間の体に取り付くと、遺伝子ってのをいじくって、
人間をゾンビに換えちまうんだと。
 ああ、学者先生の話じゃ、風邪みてぇに空気感染はしねぇってよ。奴等の体液がこっちの体内に入らなきゃ大丈夫
なんだとさ。
 学者先生は、研究室にずっと閉じこもって実験してたから、助かったらしいけど、校内をゾンビ野郎がうろついてるんで
出られねぇんだと。
 聞いちまったからには、何とかしなくちゃならねぇだろ。・・・それでオレは、ダンプのギアを入れて走り出したのよ。
でもよ、その前にちょっと寄っていく所があるんだ。・・・ダチがクレー射撃の散弾銃の所持許可を取ったって言ってた。
 まだ使える携帯で、そいつに電話してみたけど、呼び出し音だけで応答は無しだ。・・・けどよぅ、オレとあいつの仲だから、
勝手に使ったって文句は言わねぇだろ。
 そいつが使えりゃゾンビ野郎も、ちっとは大人しくしてくれるかも知れねぇからよ。

474 :おやじ:04/09/10 19:28:52 ID:6jBKo5Kk
軍事版のゾンビスレにも書いたのだが、こっちの方に書けって言われたんで、とりあえず書いてみる。
読むヤシが居るなら、続きを書くよ。

475 :本当にあった怖い名無し:04/09/10 20:55:19 ID:cv9+Zg6M
>474
続き禿キボンヌ

476 :本当にあった怖い名無し:04/09/10 23:11:27 ID:NSOTEDGb
>>474
マジ読む。ここのヤシらは反応が薄いし、なんくせつけてくるが。気にせず。
しかもまじめに読んでるヤシらはあんま感想レスつけない。気にせず。
俺は(ほかのまじめ読者)はしっかりみてるぜ。よろしくおやじ!


477 :本当にあった怖い名無し:04/09/11 19:18:00 ID:yiyyEevg
>>476
感想レスがないと続き書いていいのかどうかわかんないし
書く側も戸惑うんじゃないか?
普段から良かった悪かったの一言も書けよ

478 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/11 19:36:49 ID:/K8jzp0f

>>469さん

いやー、どうもウチのキョコさんを気に入ってくれて、ありがとうございます。

キョコさんはですね〜、悲しいぐらいフツ〜〜〜の女の子なんですね。
なのでこれから、どんどん酷い目に会うことになるでしょう。

神の視点を持っているオイラたちからすると、今後のキョコさんが取るであろう
行動は、悲惨で、卑怯で、ブザマで、滑稽で、格好悪くて、不道徳的で、非衛生的な
ものばかりで、萌えるどころか萎えてしまうかもしれません。
でも彼女は、とにかく必死なんですね。
必死に、この狂った世界で生きていくんですよ。
それはある意味、とても強い力なんだと、オイラは思うわけです。
だから彼女は、ねらー男のように、自殺とかはしないんですね。
これからもキョコさんは、いろんなヒトとの出会いや別れを繰り返しながら、少しずつ
成長していくんでしょう。
そういうお話になる予定です。(たぶん)

そんなキョコさんを今後とも、どうぞよろしくお願いしますw


479 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/11 19:38:03 ID:/K8jzp0f

>>おやじ様

どんどん書くべきです。

>>477さん

感想がないところで書くのは、まさにし〜〜んと静まり返った廃墟で
こっそりサバイバル活動する、生き残った人間みたいな気分です。
ある意味、雰囲気(←変換できた!)がピッタリだったりw

480 :476:04/09/12 17:43:26 ID:gCTwVCvf
>>477

おれは感想書いてますよ。>>469とかおれですし。
はず氏がもう書かないっていった時とか、良くも悪くも結構多くレスつきま
したよね。あのころからはだいぶたってるから今はどうか解らないけど、
今も住人はたくさんいると思う。なのに感想レスがあまり少ないので、皮肉
をこめて言ってみましたw 別に作者ではないんですけど。
>>477さんはおやじさんじゃないですよね?



481 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/12 21:06:03 ID:h+iOovan

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(7)

「2ちゃんねる?・・・とかいうの、ぜ〜んぜん、興味ないしぃ〜、みたいな?」
わたしは笑いながら言った。
「ていうかさあ、ケイタからだって、ぶっちゃけ見れんじゃん」
そう得意げに語るエリだって、実はパソコンなんて持ってやしないし、ネットにだって
興味がなかったはずなのだ。
引きこもりがちだった彼女のお兄さんが、その日の夕方、あわてて自分の部屋から
飛び出してきて、暴動騒ぎの動画ファイルを家族に見せてくれたそうだ。
エリのお兄さんは学校でイジメられていたらしく、それが原因で不登校になり、
家に引きこもりがちだった。
彼がパソコンを持っていたのは、親が将来の就職に役立つと思い、買い与えたもの
だったが、実際には朝から晩までネット三昧の生活に浸ってしまい、ますます
世間との乖離が激しくなってしまった。
世捨て人のような生活をするお兄さんに、家族の誰もが愛想を尽かしていた。
そのせいなのか、この暴動騒ぎの真相を興奮気味に語る彼の姿に、家族の誰もが
驚き、耳を傾け、そして頼もしく感じたらしい。
お兄さんと一年以上、会話がなかったエリも、どこかうれしそうだった。
「ウチのアニキも、たまには役に立つなってカンジ、みたいな?」
しかしわたしは、死人がヒトを食べる話など、恐ろしくて想像すらできず、思考が
停止状態になってしまったためか、2ちゃんねるなどというサイトにはまったく
関心がいかなかった。


482 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/12 21:07:11 ID:h+iOovan

ネットでの盛り上がりに感化されたのか、エリはなおも熱く語り続ける。
暴徒の正体は死人であり、それをマスコミが伝えないのは、国による報道管制か、
もしくは報道する側が事態を軽視している可能性がある。
また真実を明らかにした際に、発生するかもしれないパニックの責任を取りたくない
という、先送り体質も問題だ。
社会的なステイタスが欲しいという理由だけで、報道に携わる仕事に就いた人間が
とても多く、だからマスコミというものは、個人的な事情で平然と事実を捻じ曲げる、
非常に当てにならない存在なのだ。
それゆえに利害関係が薄いネット社会では、人々の本音が集まりやすく、こうした環境
であれば、真のメディアリテラシーを体現できるはずであろう、云々・・・
早い話が、どうやらエリはネットに、すっかりハマってしまったらしい。
わたしは苦笑いしながら、軽いあくびを漏らした。
そのときだった。
「・・・きゃっ!?」
「えっ、ナニ?ナニ?どうしたの?」
「・・・なんかいま、下で物音がしたっていうかぁ〜・・・庭かな?」
「ええっ〜〜〜!?ていうかさあ、それってフツーにヤバくなぁ〜〜い?」
「ちょ〜〜ヤバいってカンジ?マジで、死体がウチに来たりしてw」
「ちょっと〜〜〜!や〜め〜て〜よ〜!!」
「ていうかさあ、なんか・・・」
そこでいきなり会話が止まった。
しばらくするとケータイの向こう側から、男の人と会話するエリの声が、かすかに
聞こえてきた。


483 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/12 21:08:14 ID:h+iOovan

「・・・お父さんとアニキがいま、外まで様子を見に行った・・・」
なんとなくこわばった口調のエリは、すぐにまたいつもの明るい雰囲気に戻った。
「わたしも行ってみようかなあ〜。ケイタで動画撮ってさ、アニキのパソコンに
繋げて公開すれば、わたしも一躍有名人ってカンジ?
マジにヤバかったらさあ、ガ〜パンチして、ガ〜蹴って、Bダッシュ、ソッコ〜
逃げるっしょ!即サリ100%確実ww」
「ていうかさあ、エリエリ〜、やめときなってば。ちょ〜ヤバくない?」
「ばっちノープロ!ていうかさあ、キョ〜ちんって、マジに怖がりだよねぇ。
すぐ、バビるしさwお子チャマは、もう寝なきゃww」
「もうっ!ちょ〜ムカつく!マジでわたし、寝るからね!」
「バイバイキ〜ン、キョ〜ちん、マジで愛してんよぉ〜ん♥」
「キャハハハ・・・わたしも愛してるぅ〜 チュッ♥」

わたしはエリのことが、とても好きだった。
周囲の大人は顔をしかめていたかもしれないけど、わたしたちはいろんな形で
コミュニケーションを取り合い、寄り添うようにして、あの時代を生きてきた。
もっと彼女と一緒にいたかったし、まだまだ話したいこともたくさんあった。
わたしの一番の友達。
エリ。
あのあと、何度も何度も、電話をかけてきてくれたんだよね。
ごめんね、ちゃんと話を聞いてあげられなくて。
すごく怖かったんだよね、きっと。
ごめんね。
ごめんね、エリ・・・

(・・・来週に続く)


484 :本当にあった怖い名無し:04/09/12 23:35:14 ID:8HQvESe5
ヤバイヨヤバイヨー

485 :本当にあった怖い名無し:04/09/13 00:20:42 ID:05QIi82q
東京くだんとかいう奴は何かアレだな…少々煽られても応えんし、色んな意味で凄いな。
早く続きを書いてクレよ。

486 :おやじ:04/09/13 19:31:22 ID:VHlvFfcS
要望があるようなんで、続きを書いてみるわ。詰まったら止めるかも知れないから期待せずに待っててくれや。
それに、人の作品を読んだときはコメントしたほうが良いんだろうけど、俺みたいなモンがどうこう言える
筋合いじゃないから・・・。
でも、ホント、みんなよく考えてるよ。

487 :おやじ:04/09/13 19:33:31 ID:VHlvFfcS
 オレはダチの家にダンプを走らせたのよ。あいつの家は東の方で、岩槻って所なんだ。
 あっちこっちに車が止めっぱなしになってるから、大通りだってなかなか進めやしねぇんだが、ぶっつけたって構やしねぇ。
ダンプで押したり、踏みつ潰したりしながら進んだのよ。
 たまぁに、車で逃げてく奴等とすれ違ったな。そいつ等も、何だか訳がわからねぇけど、ゾンビ野郎が怖くって逃げて
来たんだと。
 オレは学者先生が言ったことを教えてやったのさ。噛まれたりするんじゃねぇってことと、頭をカチ割らねぇと、
野郎は、どこまでも追いかけて来るってことをな・・・。
 夕方ってのもあったけど、火事らしい煙が南風に乗って来やがるから、そのうち辺りは薄っ暗くなってきやがった。
 そしたらよぅ。上の方をヘリコプターが飛んでくじゃねぇか。薄緑と茶色のぐちゃぐちゃ模様だったから、ありゃあ
自衛隊のヘリだな。
 どっから来たのか知らねぇけど、いつも高けぇ税金払ってんだから、ゾンビ野郎どもを、みんな纏めてぶっ殺してくれよ。
 オレは、挨拶代わりに、ホーンをガンガン鳴らしてやったのよ。
 奴等、気が付かなかったみてぇで、南の空に飛んでっちまった。・・・けどよ、そのホーンに答えるクラクションが有ったじゃ
ねぇか。
 何だか知らねぇけど、気が狂ったみてぇにクラクションを鳴らすモンで、オレも気になっちまって、そっちの方向に
ハンドルを切ったのさ。
 そしたら、溝に落っこちて立ち往生した乗用車に、ゾンビ野郎が群がってるじゃねぇか。・・・オレは、かかあの事を
思い出して、またカッときちまった。
 ダンプのアクセルを踏み込んだ頃には、野郎どももこっちに気が付いて、向かって来やがる。
 ゾンビ野郎が何匹か、ダンプに飛び付いてきやがった。オレはその乗用車にぶっつけてサンドイッチにしてやろうと
思ったのよ。

488 :おやじ:04/09/13 19:34:10 ID:VHlvFfcS
 でもよ、車に、まだ噛まれてねぇ人間が乗ってたら、可哀想じゃねぇか。・・・それで、思い直して左のブロック塀に
サンドイッチしてやったのよ。
 バンパーに挟まれて、一匹のゾンビ野郎の首が胴体から離れたんだが、そいつは窓越しにオレに歯をむき出しながら、
後ろの方へ飛んで行っちまった。
 ざまぁ見ろってんだ。
 一度バックしたオレは、乗用車にダンプを近づけたけど、野郎どもは恐怖って事を知らねぇみてぇで、構わずダンプの
前に寄って来るじゃねぇか。背筋がゾッとしたぜ。・・・けどよ、それで車の中の人間が、チラッと見えたんだわ。
 どうやら女らしいヤツが、泣き叫んでいやがるのよ。
 オレは、乗用車とブロック塀の間をすり抜けながら、前に居る野郎どもを轢き殺してやろうと思ったのさ。それで、
思いっきりアクセルを踏んだんだが、1匹を踏んだ拍子にタイヤが滑って乗用車のケツに体当たりしちまった。
 乗用車のガラスは割れちまって、女はますます悲鳴を上げやがる。・・・その上、一匹のゾンビ野郎が割れた乗用車の
フロントガラスに首を突っ込み始めやがった。
 オレは焦っちまって、足下に放り込んだままのボウズのバットを持って、ダンプを飛び降りたのよ。
 乗用車のボンネットに乗っかってた1匹を、金属バットで殴りつけてフッ飛ばすと、鈍い音がしやがった。バットが
曲がっちまったのよ。
 それで、しょうがねぇ。バットを放り出すと、乗用車に潜り込もうとしてた、もう1匹のゾンビ野郎の足首を掴んで、
思いっきり引っ張り出した。
 そのゾンビが女だったんで、ちっとビックリしたけど、オレに突っかかってきたモンで、構わず出足払いを掛けて、
アスファルトの路面に叩きつけてやった。
 若けぇ頃、柔道やっててホント、良かったよ。
 ゾンビ野郎が集まって来ねぇうちに、乗用車の女を助け出してやろうと思ったんだが、女はギャアギャア叫いて、
訳がわからねぇみてぇだ。横っ面を引っ叩いて黙らせると、ダンプの助手席に押し込んだ。
 そんで、金属バットを拾ったのよ。ボウズの形見だから、置いてく訳にはいかねえよなぁ。

489 :おやじ:04/09/13 19:34:48 ID:VHlvFfcS
 ダンプを走らせながら、オレはその女を観察したのよ。そりゃあ、どっかが噛み付かれてて、運転してるうちに、横から
飛びつかれちゃ、敵わねぇからな。
 まだ若けぇ。姉ちゃんみてぇだ。どうやら大丈夫と見たオレは、自分の名前を言って、安心させてやった。でもよ、
姉ちゃんは、放心状態で膝を抱えたまま、黙りこくってやがるのさ。
 こんな時は、酒でも飲ませてやれば落ち着いて、何か喋ってくれるかも知れネェけど、あいにくとダンプの中には
無ぇんだな。
 それに、オレのタバコも切れちまった。オレは走りながらコンビニでも無ぇもんかと探したのよ。
 通りにセブンイレブンが見つかったんで、用心しいしい駐車場にダンプを入れたのさ。荒らされた形跡は無いけど、
何が出てくるか、判からねぇからな。
 さぁて、それで、オレは考えちまった。ボウズのバットは使い物にならねぇ。いくらオレでもこの状況じゃ、手ぶらで
降りたくはねぇからな。何か手頃な獲物は無ぇかと座席の後ろを探ったのよ。
 タイヤを外すときの、レンチが見つかったんでホッとした。長さは1メートルぐらい有るし、重さも十分だ。けど、
握りの部分が細いから、うっかりして手が滑っちまうかもしれねえから、気をつけた方が良いな。
 オレは、姉ちゃんに一声掛けると、ドアを開けてゆっくり降りたのさ。・・・まじまじ見ると、オレのダンプは酷ぇ状態だ。
バンパーはヘン曲がってるし、そこらじゅうゾンビ野郎の破片が飛び散ってる。
 けど、ゆっくり見てる状況じゃねぇよな。・・・そんで急いでコンビニの方に近づいたのよ。中は電気が点いてるから
よく見えた。誰も居ねぇみてぇだけど、油断しちゃならねぇ。
 用心のために、自動ドアをレンチでブチ割ってやった。ゾンビ野郎が中に隠れてて、逃げるときドアが開くのを待つ間で
食い付かれちゃたまらねぇからな。
 オレは、少し様子見てからコンビニに入ったよ。棚の後ろに隠れてる野郎が居ねぇかざっと見回してから、レジの
カゴを引っ掴んで、食い物やらペットボトルやら手当たり次第に放り込んだ。
 そんで、ふと気が付いたら驚いた。トイレのドアがちょっとずつ開いてるじゃねぇか。

490 :おやじ:04/09/13 19:35:22 ID:VHlvFfcS
今日はここまでな。

491 :本当にあった怖い名無し:04/09/13 23:17:40 ID:OkGYCZb6
うほっ!いいSS!

492 :本当にあった怖い名無し:04/09/13 23:55:05 ID:XD6eB9V1
今日はここまでな。

渋いじゃねーかおやじ。ほんとにおやじな年齢だな?!そしてトラック野郎。
途中でやめずに最後までみせてくれ

493 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 01:45:13 ID:WWyObLOv
ダンプ強ぇな。ダンプの運転に慣れてないと
到底ゾンビ数匹に突っ込もうとは思わないな

494 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 09:14:17 ID:ATYEWkez
おやじさん渋い!

ガテン系の足の短い、ネジリハチマキの似合いそうなオヤジを想像してしまいました。

続きは!?気になる!

495 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 13:16:42 ID:3YGWtzAS
はい自演乙。
自演じゃないにしても東京なんとかとおやじって奴のは
口語体なのはいいが文章が研ぎ澄まされてない。あまりに不自然
状況説明を加えたいならもう少し考えるか第三者視点にするかして文語体にしろ
どうでもいいが書きかけで終わってる奴ら、続き書けよ

感想書いてる奴らもまじめに批評しろ。
つまんないやつは素直につまんないと書け
どんな作品でも読んだらレスつけろ
普段からテーマ提供やリクエストしろ
題材提示してコンペティションで書かせてみ
多分盛り上がるから

496 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 18:15:29 ID:tNfcn/9Q
>>495
つまんない。







で、宜しいんですかね?

497 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 18:40:29 ID:PWO1f0hR
>>495
後半同意。
前半死ね

498 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 19:09:13 ID:ot8ZHqrk
>>495
 おま、もしかしてついこの前湧いてきたアレか?

499 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 19:28:35 ID:CikAFTfb
>>495
何だ。また読者代表のご降臨か?
あんたも暇だね。

500 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 19:54:14 ID:KcgOK1yJ
>>495
んじゃおめーが手本見せろよクソが。逃げんなよ。


501 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 20:00:43 ID:KcgOK1yJ
>>495
はい自演乙 ?   馬鹿が。
>>492だけはおれだがなにか?

502 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 20:03:12 ID:jAvqLoi1
口語文法:近・現代の共通語の文法。決して話し言葉ではない。
文語文法:古典語の文法。古語である平安から江戸まで、それ以降明治までとに分けられる。

文語で書けというのは書き手、読み手の双方に多大な労苦を求めるものだ。

503 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 20:07:33 ID:bIAiYW+q
>>495
てか中学国語やり直せボゲ

504 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 21:06:40 ID:jAvqLoi1
>>495に同意できる部分もあるけど、ものの言い方がひっかかる。
意見は相手に受け入れられて何ぼだから、表現の仕方も考えないとね。
高いところから見下ろすような書き方だからみんなに反発されるのも当然だよ。

505 :本当にあった怖い名無し:04/09/14 21:57:12 ID:WWyObLOv
他のゾンビスレ全滅状態だからねぇ
つまんないことはないよ
>つまんないやつは素直につまんないと書け
読みとばす

506 :本当にあった怖い名無し:04/09/15 17:11:17 ID:Eau9vsln
>>502
たぶん古典大好き人間なんだな。

507 :本当にあった怖い名無し:04/09/16 13:04:53 ID:Imf5z0Rb
釣られんなよ。

508 :本当にあった怖い名無し:04/09/16 18:50:57 ID:o+mgvIKr
途中で終わってるやつで続き読みたいものはある?
カスケードさんと巡査物語さんの続きが気になる

509 :本当にあった怖い名無し:04/09/16 20:38:30 ID:hzSIAqNG
kone--


510 :本当にあった怖い名無し:04/09/16 20:41:13 ID:hzSIAqNG
>>508
侍衆がよみたい

511 :本当にあった怖い名無し:04/09/17 01:07:40 ID:6QAMbJZo
PIP氏の
>>122
>>174〜220

512 :本当にあった怖い名無し:04/09/17 01:44:47 ID:KfIwfAqk
おれも>>174からの続きが読みたい。
どーやって巧く離婚させるのか気になる。
えぬ氏とあーる氏のふたりともゾンビに食われそうだが。

513 :おやじ:04/09/17 21:23:41 ID:hBqLrZS8
 いや、ビックリしたぜ。誰も居ねぇと思ってたコンビニのトイレのドアが、ゆっくり開きやがるからよ。ゾンビ野郎でも
隠れてたかと思って、腰抜かしそうになっちまった。
 そんで、とっとと逃げようと思って、ドアの方に走りかけたのよ。
 でもよ。よく見たら、トイレの奥に丸いおかっぱ頭の小娘の顔があったじゃネェか。そのガキが、涙でぐしょ濡れの
真っ赤な目を見開いて、オレを見つめていやがるから、オレもそいつとにらめっこしちまった。
 どうやら噛まれちゃいねぇらしい。
 オレは、話しかけようとしたんだが、何て言って良いんだか判んねぇ。だってそうだろ、オレみてぇなおやじが、
ちっちゃい子に話しかけてみろ。そうじゃなくったって警戒されちまうんだから、やたらに声は掛けられネェよ。
 そしたらよ。その子が蚊の鳴くような小さい声で「おじちゃん、たすけて。」って言うじゃねぇか。オレはなるたけ優しい声で、
こっちに出でてくるように話しかけたのよ。
 どうしたんだか訳を聞こうと思って、その子に近づいたんだが、途端にダンプのホーンが鳴ったモンで、ビックリして
そっちを見たのよ。
 ゾンビ野郎が1匹、ふらふら歩いて来やがった。・・・それに気が付いたダンプの姉ちゃんが、気を効かせて教えてくれた
みてぇだ。
 この状況じゃ、逃げるが勝ちよ。片手にレンチと買い物カゴ、もう一方にガキを抱えると、コンビニを飛び出したんだが、
あいにく野郎と目が合っちまった。
 オレが先か、野郎が先か、ダンプのドアまで駆けっこよ。ゾンビ野郎は、そんなに早く走れネェみてぇだけど、
こっちは大荷物だから、気だけ焦って足が出ねぇ。そのうち、小娘が、驚いて泣き出したんだが、暴れたって放すモンかい。
 どうやら金メダルは野郎の物に、なっちまうみてぇだ。ゾンビ野郎が口からアワ吹いて近づいて来やがる。

514 :おやじ:04/09/17 21:25:15 ID:hBqLrZS8
 一か八か。・・・野郎がオレに組み付こうとした瞬間、オレは思いっきりそいつを、蹴っ飛ばしてやった。
 野郎の体重より、オレ+小娘の方が勝ったみてぇだ。野郎は肋骨がへし折れる音を立てながら、大の字に
ひっくり返ったのよ。
 作業靴ってのは、重宝なモンで、現場で作業してて、足の上に重たいモンが落っこちてきても、大丈夫なように
靴の先っぽに鉄チンが入ってるんだが、そいつを食らったからには、肋骨5、6本は、お釈迦だろうなぁ。
 そんで、オレは、でっけぇ声で「ドア開けろ。」って叫んだのよ。姉ちゃんも、オレが野郎を蹴っ飛ばしたのを見てたらしくて、
真っ青な顔しながらも、運転席のドアを開けてくれた。
 それで、オレは買い物カゴと小娘を、ドアん中に放り込んだんだが、野郎が立ち上がろうとしたモンで、行きがけの駄賃に、
そいつの頭をレンチで思いっきりブン殴ってやったのさ。
 レンチが野郎の両目の間まで、めり込んじまったんで、抜くのに苦労したけど、片足踏ん張って引き抜くとダンプに
飛び乗って逃げ出した。
 ガキがビービー泣きやがる。普段のオレなら「うるせぇ。」って怒鳴って、引っ叩いてやるんだが、この状況じゃそれも
可哀想だ。・・・助手席で姉ちゃんが小娘を宥めてるから、そのうち落ち着いて泣きやむだろうよ。
 しかし、とんだ道草食っちまった。ダチの家に行くつもりが、いつの間にか真っ暗よ。そのうえヘッドライトが片っぽ
割れちまったんで、暗くて運転に苦労したけど、やっとこさっとこたどり着いた。
 ダチはオレと同じ土建屋で、建築資材販売や家屋解体なんか結構手広くやってるから、オレより羽振りは良いんだが
女癖が悪くてよ。かかあとガキに逃げられちまって、今じゃこの住宅兼資材倉庫に一人で済んでいるって訳よ。
 もしかしたら従業員で二号の女を連れ込んでるかも知れネェけどな。そんで、オレは用心しながら、資材置き場にもなってる
広い敷地にダンプを突っ込ませたのよ。

515 :おやじ:04/09/17 21:28:39 ID:hBqLrZS8
 そいつの家は、資材やら機械を盗まれねぇように、高けぇブロック塀やフェンスで囲まれてるから、泥棒だって簡単に
入っちゃ来れねぇ。だから、ガラガラと重たい門さえ閉めちまえば、ゾンビ野郎も怖かぁねぇだろ。
 オレはダンプのエンジン止めると、助手席のダッシュボードに仕舞ってあった懐中電灯を出したのよ。
 姉ちゃんが、ビックリしたように身を引きやがったけど、いくらオレだって、こんな時に変なことは、しやしねぇよ。
 懐中電灯で周りの様子を覗ったんだが、ダンプの宿命で後ろの方は、ちっとも見えやしねぇ。しかたなしにオレは、
ドアを開けると、下に降りたのよ。・・・もちろん神様、仏様のレンチはしっかり握ってるぜ。
 ダンプの後ろを廻って誰も居ねぇのを確かめると、なるたけ音を立てねぇように門を閉めて、でっけぇ閂(かんぬき)を
掛けたのさ。
 そんで、ざっと周りを見渡したけど、動くモンは無ぇみてえだ。オレは念のため、ヤツの携帯にもう一回、電話してみた。
 ・・・ヤツの携帯呼び出し音、「やだねったら、やだね。」が、遠くの方で鳴り出しやがった。・・・早く出ろってんだ。バカやろ。
出なきゃ、こっちが「やだねったら、やだね。」だろ。
 でもよ。ちっとも出やしねぇし、「半次郎」がどんどん近づいて来やがる。・・・逃げ出したくなっちまったよ。
 仕方なしに、オレは助手席の姉ちゃんに訳を話すと、空っぽのダンプの荷台に這い上がったのよ。倉庫の方からふらふらと
人影が現れやがった。
 間違いねぇ。オレのダチだ。但し、顔は真っ黒、目は真っ白。ありゃあ間違いなく噛み付かれてる。
 姉ちゃんはダンプのドアにロックしたから、簡単には開きゃしねぇし、ゾンビ野郎は薄らバカになっちまうらしくて、
ドアの開け方を知らねぇみてえだ。
 でも、鼻は良いらしい、オレが荷台に乗ってることを嗅ぎ付けると、荷台の枠に飛びついて来やがった。オレはダチの
手が荷台の枠を掴むたんびに、「バカやろ。バカやろ。」って言いながら、レンチでその指を引っ叩いたのさ。
 マブタの奥から熱いモンが出てきやがって、その指が何本にも見えたっけ。

516 :おやじ:04/09/17 21:30:46 ID:hBqLrZS8
こんなんでホントに良いのかい?。適当に書いてるから、先のストーリーなんてちっとも考えちゃいねぇよ。
どうなるかは、オレだって知らねぇんだ。
じゃ、また来週な。

517 :本当にあった怖い名無し:04/09/18 00:44:23 ID:pzgDKYzj
おやじとゾンビってのがミスマッチというか新鮮でいいな
俺難しい文見ると頭痛くなるけど読みやすいし

518 :本当にあった怖い名無し:04/09/18 01:34:23 ID:96Cp5bO3
初めて書き込みます。リメイク・ドーンオブザデッドが公開される前後からこちらのスレを定期的に読むようになった者です。
小説の過去ログはむさぼるように読みました。まとめてくださった方、そして大勢の作者さんに感謝です!どれとは申しませんが多くの作品に泣き、笑い、怒り、興奮しましたですよ。
最近の作品もなかなか面白い作品が多くて、続きを待ち望んでいる状態です。
感想とかなかなかカキコする余裕はありませんが、私みたいな読者もきっと多く居ると思いますですよ。
ですから作者さんたちには、とにかく(新作でも続編でも)もっと書けと、書きまくれと、そして私たちを楽しませてくれと、斯様に熱烈に要望したいわけでありまス。

もっと鮮血を!さらなる腐肉と虐殺と混沌と衝撃を!
ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!



519 :サワデー:04/09/19 19:14:56 ID:S+ntDfdc
「・・・では、あなたは、つまり、幽霊を見たと、そうおっしゃるわけですね」
受話器からハウリングした怒声が返ってきた。
「違う!何度言ったらわかるんだ!!幽霊じゃない!ほんとにいるんだよ!!」
耳がキンキンする。電話口の向こうで喚いている男に、レイチェルはいい加減うんざりしていた。
「しかし、あなたはその、亡くなった・・・・奥さんがそちらにその、いらっしゃると」
「そうだよ!!だが、あれはぜったい幽霊なんかじゃないぞ!死体だ!わかるか、俺のいう意味
が?ゾンビなんだ!!妻のゾンビだ!墓から這い出た死体だ!!いいから今すぐ警官隊をよこしてくれ!」彼の声のうしろで、ドンドンドンという音がした。
男はものすごくびっくりしたようだ。「うわっ!妻だ!扉を叩いてるぞ!!助けてくれ、殺される!早く!あんたと悠長に話していられる状況じゃないんだよ!」
急に怯えた様子で話し出した。半年に一回くらい、こういう人間と電話するはめになることがある。
「わかりました。近くの警官をそちらへ行かせましょう。でも、その前にひとつよろしいですか?」
「なんだよ、早くしてくれ!」「酔っていらっしゃるのでは?」耳のスピーカーがハード・ロックのギターよろしく、ガーピーとがなりたてた。
「なんだと!酔ってなんかいない!俺がいかれてるとでもいうのか!!」またドンドンドンという音がした。「ああ・・・まだいる!!早く警官をやってくれ、約束した
ろう?俺は正常なんだ、あんたよりも!俺が殺されてもいいのか!」ほとんど泣き声になっている。
「すみません、でも今までになにか・・・ドラッグとか」受話器のコイルが吹っ飛ぶか、相手の男の頭が爆発するんじゃないかと思うほどの怒声が響いた。
「いい加減にしろ!!俺の命がかかってるんだぞ!!お前ら警察は俺を殺したいのか!!いいから警官をよこせ!今すぐだ!」なにかに殺されるという幻覚はよくある症状だ。

520 :本当にあった怖い名無し:04/09/19 19:16:22 ID:S+ntDfdc
ディスプレイを見ると、地図のうえの赤く光るポイントに向かって、8という数字のついた青い光点がひとつ進んでいる。
「落ち着いて、ニールさん。今そちらへ向かってますよ。5分くらいで着きますから」「それでいいんだ!5分だな?ほんとうだな?」少し心が休まったようだ。
「ほんとうですよ。ハワードとジョシュがそちらへ伺います」ニールが何か言おうとしたが、ドンドンドンという例の(あるいは・・・霊の)音に遮られた。しかもさっきより大きく、激しくて、ずっと叩きつづけている。
ドンドンドン。彼はまた怯え始めた。「ああ、ドアが・・・!5分も持たないぞ!!」ドンドンドン。
「その音はなんなんです?」訊かなければよかったものを、つい口がすべってしまった。
ドンドンドン。「なんだと!おれの話を聞いてなかったのか!?」ドンドンドンドン。「ゾンビだ!ゾンビがドアを開けようとしてる!!」ドンドン。
愚かにも二度目のうっかり。「ドアには鍵をかけてないんですか?」ドンドンドン。「かけた!机でも塞いで、今も抑えつけてるんだ!」音が急にやんだ。
「だいじょうぶですか?」静寂に合わせて、声のトーンも落ちた。「・・・わからない。だが、まだいるぞ」
直後、受話器の向こうでドゴッ、バキッという物凄い音がして、ニールが悲鳴をあげた。受話器を投げ捨てたかなにかしたらしく、ゴツッという音もした。
家具を全部ひっくり返したかのような、ガタガタ、ドカドカいう音、誰かと争っているような、ニールの悲鳴と喚き声が続いた。悲鳴はやがて絶叫に変わり、すぐに途絶えて、
ピチャピチャいう湿っぽい音と、何かの動物にも似たシュー、シューという音だけが聞こえた。

521 :本当にあった怖い名無し:04/09/20 01:33:16 ID:iqtsxkPF
>>519
あなたのコテがツボに填った

522 :本当にあった怖い名無し:04/09/20 02:41:53 ID:drGclAnp
一言言わせていただくと、おやじ最高ですよ。
つづきが凄く気になる。

先生と無事に合流できるんかな。

523 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:06:21 ID:XGFOWmFg

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(8)

朝、6時半に眼を覚ます。
充電器からケータイを取り出して、メールのチェックをする。
メールの代わりに、電話が4件あったようだ。
全部、エリからのものだった。
留守電のメッセージは入っていない。
昨日あれからすぐ、何度も、わたしに電話をかけていたみたいだった。
「・・・?」
それがなにを意味するのか理解していないわたしは、いつものように念入りに
可愛い絵文字でいっぱいの、おはようメールを送った。
居間に下りると、父はすでにいなかった。
仕事がたくさん残っているらしく、早い時間に家を出て行ったようだ。
母が顔をしかめる横で、朝シャンを台所で済ます。
歯を磨き、髪をとかす。
マスカラやファンデを使って、鏡の前で化粧の真似事に没頭する。
いつものように朝は、あわただしく過ぎていった。
トーストにバターを塗りながら、ふと昨日、エリが言っていた「暴徒の正体は
死体説」を思い出す。
「ねぇ、ねぇ。ママ、知ってる?死人が街を歩き回っているんだってさ」
トーストを齧るわたしを見ながら、母は呆れたように言った。
「食事中にそういうことを言うのは、やめなさい。お行儀が悪いですよ」
だからママと話すのって、イヤなんだよね。
わたしは将来、こんな説教臭いオバサンになんか、絶対になりたくない。
なにも知らない子供だったわたしは、心の中で舌を出しながらそう思った。


524 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:07:40 ID:XGFOWmFg

玄関で靴を履きながら、ケータイを確認する。
まだエリからの返事はない。
いつもなら2回ぐらいメールが来てもおかしくないほどの、マメな彼女らしからぬ
シカトっぷりに、首を傾げるわたしだった。
高校入学のお祝いに買ってもらった自転車に乗って、駅まで15分の道のりを急ぐ。
あのうるさい救急車のサイレンも、今日はまったく聞こえてこない。
雲ひとつない青空が広がるなか、大塚愛の歌を口ずさみながら、駅へと向かった。
心地よい風が頬に触れ、とてもさわやかな気分だ。
そのときふいに、グエエッという、短く低い悲鳴のような声がした。
猫だと思った。
自転車を止め、辺りを見回すが、なにもいなかった。
「・・・?」
気のせいかと思い、また自転車をこぎ始める。
住宅街を抜け、商店街に入る交差点に差しかかると、今度はドンドンドンッという、
なにかを叩いている音がした。
その音のほうを見ると、派手な赤いシャツを着た男の人が、玄関に寄りかかるように
して、ドアを激しく叩いている。
上と下の服の色が、全然合っていない。
趣味の悪い服装の酔っ払いなのかと思い、無視してそのまま信号待ちをする。
やがてドアを叩く音が聞こえなくなった。
わたしはそれにつられて、なんとなくまたその男をこっそりと覗き見た。
すると彼も首を捻じ曲げるようにして、わたしを見ているではないか。
ろれつが回らないような言葉を発して、コッチに来る気配がする。
気持ちが悪くて、信号が変わるや否や、「とおりゃんせ」のメロディーが流れるなか、
後ろも見ずに一目散で逃げた。


525 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:08:55 ID:XGFOWmFg

クラスでは、いくつかの席が空いていた。
もうそろそろHRの時間なのに、それらは一向に埋まらない。
エリもまだ来ていなかった。
わたしはケータイを何度もかけ、メールも送り続けたが、反応はなかった。
「おっは〜、キョウコ」
アケミが笑顔で、わたしの席に来る。
「アケミ、エリ見なかった?」
「そういえば今日は見てないよねえ。
ていうかさあ、あの子がバックレんのって、珍しいじゃん?」
わたしは昨日のエリとのやり取りを、アケミに話した。
「マジで?ナニそれ?死体が歩き回ってんの?キショ〜い!うわっ、なんか、
鳥肌立ってきた!それさあ、エリが一発、かましたんじゃないの?」
「だよねぇ〜・・・ていうかさあ、なんかケイタが繋がらないんだよねぇ〜」
返事の来なくなったケータイをいじくりながら、わたしは苦笑いした。
そのとき、わたしたちの会話を横で聞いていた男子たちが、話に入ってくる。
「それって、けっこうマジらしいぜ?ネットとかでさ、なんかそれ系の動画が
流れてるって話、野球部の先輩が言ってたしよぉ〜」
「あっ、それ、オレも聞いた。3年のナガヤマ先輩だろ?」
「あとさ、写真部の顧問のあいつ、その動画とか持ってるっぽいぜ?」
「昨日の夕方の話?そうそう、部員の何人かに見せたっていう、例のアレな」
わたしたちそっちのけで、クラスはたちまち噂話で盛り上がる。


526 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:10:33 ID:XGFOWmFg

「お〜い、おまえらぁ〜!チャイム鳴ったぞぉ〜!席につけぇ〜!」
クマセンという愛称の、担任のクマカワ先生が教室に入ってきた。
それと同時に、みんな気だるそうに、机をがたがた鳴らしながら席につく。
「今日は学校なぁ〜、HRだけで終わりにすることになったからなぁ〜」
妙に間延びする口調のクマカワ先生に、クラスの誰もがポカンとする。
そしてざわつき始めた。
「はい、は〜い!騒がなぁ〜い!騒がなぁ〜い!うるさいぞぉ〜!!」
手をパンパンと叩きながら、クマカワ先生は話を続ける。
「例の暴動騒ぎでぇ〜、電車とかの交通機関に支障が出ているようでぇ〜す!
先ほど教育委員会のほうからぁ〜、臨時休校するようにとの連絡がありましたぁ〜!!」
その瞬間、クラスが歓声と拍手に包まれた。
アケミは、わたしや仲の良い女の子のほうに向かって、
「今日、みんなでマルキュウにでも行かない?」
と明るく笑っている。
クマカワ先生は、アケミの頭を出席簿で軽く叩きながら言った。
「はい、は〜い!いいかぁ〜みんなぁ〜!これは遊びじゃないんだぞぉ〜!
電車が止まったら、大変なことになりまぁ〜す!絶対に、寄り道はするなぁ〜!
でないとみんな、ウチに帰れなくなるぞぉ〜!!」


527 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:11:55 ID:XGFOWmFg

「・・・とか言ってるけどさあ、フツーにどっか行くよね、みんな?」
アケミは校門をくぐりながら笑う。
「だよねぇ〜、電車止まるとか言ってたけどさあ、朝はワリと平気だったしぃ〜」
「じゃあさあ、駅前でデニるか、ジョナる?」
「ていうかさあ、まだ朝だけど、ファーキチ、開いてるかなあ?
あそこのでっかいハンバーガー、一度でいいから喰いてぇ〜w」
「マジ、でかすぎて喰えねぇよw、つーかさ、金ないしぃ〜、やっぱ定番のマック?」
思いがけない休みをもらったためか、みんな、はしゃぎ回っていた。
ただわたしはエリのことが気にかかり、笑いながらも会話に加わることはなかった。
「キョウコ、大丈夫だよ。エリはたぶん、電車とかが遅れて、学校に遅刻してる
だけかもよ? ていうかさあ、なんかわたしのケイタも、繋がりにくくなってるしさ」
アケミがわたしを気遣って、慰めるように声をかけてくれた。
それがとても嬉しい。
「・・・うん。あれ?そういえば、フミヤくんも来てなかったよね」
「あいつさあ、お母さんいないから、夜遊びとかして、すぐサボるんだよねぇ〜。
わたしが尻叩かないと、なんもしないのよ、マジで。あいつ、ガキだからさ」
ふいにアケミは大人びた表情を見せ、なんともいえない翳りのある笑いを浮かべた。
わたしは彼女がなんで、フミヤのような素行の悪いオトコに惹かれ、愛し合うように
なったのか、その経緯をよく知らない。
アケミの彼氏は、どちらかというと苦手なタイプだったので、あまり詳しく聞く気には
なれなかったし、彼女もそのことについて、周囲に話すことはほとんどなかった。
たぶんわたしが知らないトコロで、なにか別の物語でもあったのだろう。
いまとなっては、それを知る術はないのだが。


528 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:13:13 ID:XGFOWmFg

「・・・あっ!」
わたしは自分のケータイを、教室に置き忘れてきたことに気がついた。
クマカワ先生が教室に入ってきたとき、ケータイが見つかって没収されるかもしれない
ことに焦ってしまい、あわてて机のなかに隠し入れたままだった。
「わたし、ちょっと教室に戻るね!」
「キョウコって、ドジねぇ〜w」
校門前のバス停に、学校中の生徒たちが並んでいる。
学校がバス会社に掛け合って、間もなく臨時のバスが大量に来るはずだったが、
それでもこの位置からバスに乗り込むまでには、たっぷり20分はかかるだろう。
列の横入りになるが、いまからダッシュで戻れば、ぎりぎり間に合うかもしれない。
みんなに手を振られながら、わたしは駆け足で校舎へ向かった。

シンッと静まり返る無人の教室に、ガラガラッとドアが開く音が鳴り響く。
「やっぱり・・・!」
愛用の我がケータイは、机の中にあった。
これがなくては、いまどきの女子高生はやっていけない。
そのときだ。
ホッとするわたしの背後から、急に声が聞こえたのだ。
「・・・もうすぐ世界が、終わるよ・・・」

(・・・来週に続く)


529 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/20 21:14:14 ID:XGFOWmFg

(´-`).。oO(毎晩徹夜で、大変でした・・・)

530 :本当にあった怖い名無し:04/09/20 22:31:58 ID:WJ7HoIV4
世にも奇妙な物語で地獄が満員で死者が蘇るってやってて期待したが
やはり世にも奇妙な物語だな。

531 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 01:01:42 ID:qZ/+IQQX
くだんさん、おつかれです。苦労が実ってまつよ。
おもろいっす。

532 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 12:57:32 ID:tIO6uIvQ
ここっておやじと東京しか褒めてないが
二作ともつまらないと思うが、なぜ褒める?自演か?
明らかに他の作品のほうがおもしろくないか?
深夜の書き込みの時間が集中してることからも自演くさいんだが・・・・・

533 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 16:54:26 ID:+s8wyCP7
んじゃ他を褒めれば

534 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 17:00:17 ID:gjkfd5Rz
正直誉めたいやつがない

535 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 17:58:31 ID:Igt236WN
>>534
褒めたくなるような見本ギボンヌ

536 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 18:44:27 ID:gjkfd5Rz
>>534
ここは面白くないって言うの禁止なの?

537 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 18:45:18 ID:gjkfd5Rz
>>535

538 :本当にあった怖い名無し:04/09/21 19:37:45 ID:qZ/+IQQX
>>536
面白くないって思う人はこのスレにくる必要がないんじゃないか?
作者同士が評価しあうならいいが、俺らはただの観客じゃん。
つまんない = 興味ない なんだろうから、そーゆーやつはここに
こないでほしい。ただ盛り上げたいからいってる人なら、どこが
どうつまらないかいえばいいんじゃないかな。ただつまんないって
言われると、作者も面白いって思ってる住人もいい気がしないじゃん。


539 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/22 02:00:29 ID:JuuLy1Oh

>>531さん

いやあ、そう言っていただけるとありがたいですね。
でもまあ、このまま黙っているのも心苦しいので、正直に白状しますが、
自分が連日徹夜していたのは、実はオカ板の、ある祭に参加していたからですw
今回はストック分に少し書き足して、かろうじて事なきを得ました。

前々回投下したとき、なんか妙に上がっているスレがありまして、
なんだろうと思って覗いたのが運の尽き。
それから一週間、グダグダグダグダ・・・・・・
で、祭りは先ほど終了しましたが、あのレスを送ったときは住民一同、

(´-`).。oO(こんなカンジで、ヒソヒソ話をしていたわけです・・・)

最近思うのですが、創作は現実には敵わないのかもしれません。
創作はひとりで作っていくものですが、現実世界はたくさんのヒトが関わって
いますし、それだけ世界が限りなく広がっていきます。
コントロールが効かないぶん、まさにカオスのような深みがあります。
自分も曲がりなりにもひとつの世界を構築しておりますので、複雑な
混沌の渦を作っていきたいなあ、と思ったり思わなかったり・・・

(´-`).。oO(楽しかったけど、祭の後は少し寂しいな・・・)


540 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/22 02:02:22 ID:JuuLy1Oh

>>536さん

オレに対しての批判はかまわないよ。
ただ、まあ、お手柔らかにな。

541 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 10:04:39 ID:I9n4+s9q
スレ違いで申し訳ないのだが。

俺は538さんに同意。
面白いと思わないんだったら、来なければ良い。
好みは人それぞれあるんだから、そういうのに文句付けてもしょうがないよ。

少なくとも俺は面白いと思うし、新しく投稿されるのを心待ちにしている。



542 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 16:52:57 ID:jqP8IX60
>>538>>541
排他的で非建設的な意見だね。

543 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 17:29:47 ID:Csd7OQvc
実際そうじゃん、んな事言うなら見なければいい
これって排他的か?俺の知っている排他的って言葉の意味は
「自分に属する者意外の者を、排斥する」って感じなんだが
最近は新しい意味が加わったのか?
それとも俺が莫迦なだけ?ああきっとそうだな俺が馬鹿なんだな

544 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 18:35:26 ID:jNz109mE
>>542
そうだね。んじゃ自分で面白いと思うスレを建設すれば。どのスレか
教えてね。俺がそこにいって、あなたを批判してあげるから。

545 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 19:14:43 ID:jqP8IX60
>>543
まさにその意味だろ。他の意味なんてあるの?

>>544
飛躍し過ぎ。それと理由もなしに批判するのを肯定してるね?

546 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 19:38:07 ID:jNz109mE
>>545
すまん。好みはひとそれぞれってことをいいたかったのだが

547 :本当にあった怖い名無し:04/09/22 20:32:17 ID:6Zq8Emg2
面白いならどこが面白かったのか、つまらないのならどこがつまらなかったのか。
相手に受け入れられる文章で感想を書こう。
ただ単につまらないというだけじゃ作者さんが直しようがないっしょ。

548 :本当にあった怖い名無し:04/09/23 22:18:18 ID:c3sP1jvh









549 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 06:54:35 ID:NxAvNTWz
はず氏 かえってきて

550 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 07:01:17 ID:Sf9sDunm
社会復帰したゾンビの話知ってる?
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/mondo/m_03/m03_1.html

ゾンビかと思った。。。。
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p5147929

551 :おやじ:04/09/24 18:53:53 ID:iNoy94jT
 ゾンビ野郎は、諦めるって事を知らねぇらしい。・・・両手の指を潰してやったのに、何度も何度も、ダンプの枠に
飛び付こうとしやがる。
 そのうち、また手が出てきやがった。・・・でも、おかしいじゃネェか。あいつの指は全部潰したはずだろ。
 懐中電灯で照らしたら、・・・畜生、もう一匹居やがった。・・・いや、・・・もう二匹だ。
 オレは力一杯レンチを振るったぜ。手の指だけじゃなく、届くようなら奴等の横っ面も、引っ叩いてやったんだ。けどよ、
片手に懐中電灯持ってて、ダンプの荷台の上から、レンチを振り下ろす格好じゃ、力が入らねぇモンだから、野郎どもに
致命傷を与えられネェ。
 下に降りて、ブチのめすか?。でも三対一じゃ、嫌だよな。そんで・・・、もっと強力な獲物でも無ぇかと思って、奴等を
引っ叩きながら、あっちこっちに懐中電灯を向けたのよ。
 ・・・有ったぜ。いいモンが。・・・・敷地の奥に置いて有るのよ。
 オレは一匹のゾンビ野郎に、スナップ効かせた一撃を食らわせると、思い切ってダンプの荷台から飛び降りたのさ。
そんで、そいつに向かって、全力疾走したよ。
 そいつが何かって?。・・・ユンボだよ。ユンボ。・・・知らねぇかな?。建設現場で長いアームを伸ばして、土を
ほじくり返してる、あの黄色いヤツ。
 ダチん所のユンボは、土掘りのバケットの代わりに、家屋解体用のフォークが付いてるのよ。・・・フォークってのは、
正式にはフォークグラップルって言うんだが、でっかいカニのハサミに似たヤツで、そいつで家の柱や壁なんか挟んで、
バリバリってぶっ壊しながら、そのままダンプに積んじまえる便利な道具なんだぜ。
 でもよ、チョッと心配なことがあるのよ。あれを動かすにゃ、鍵が必要なんだが、それが有るかってことだ。ダチの事だから、
ユンボの鍵は、付けっぱなしだろう。・・・いや、絶対に付いてるハズだよなぁ。
 オレは走りながら、神様に祈ったぜ。

552 :おやじ:04/09/24 18:56:38 ID:iNoy94jT
 「オレが真っ当に生きてる。」ってことを、神様は、ちゃんと見ててくれたぜ。
 ・・・鍵は付けっぱなしだったのよ。
 それでオレは、ユンボの運転席に飛び乗って、キーを捻ったんだが、悲しいかなジーゼルよ。・・・グローを使って、
暖めてやらねぇと、すぐにエンジンは掛からねぇんだ。
 そんなことしてる間に、目の前に野郎どもが来ちまった。一匹は運転席のドアをバンバンぶっ叩きやがるし、もう一匹は
前の方に廻って、汚ねぇ顔をフロントガラス一杯に、押しつけていやがる。
 ・・・おっと、その汚ねぇ顔をよく見たら、オレのダチだ。あんまり、しつこくすると、オレだって、堪忍袋の緒が切れるぜ。
 硬質ガラスの窓が、軋んでぶっ壊れる寸前、やっとグロー完了のランプが点きやがった。
 エンジンさえ掛かればこっちのモンよ。オレだって、伊達に土建屋やってる訳じゃねぇ。ギヤを二速に叩き込むと、
作業ライト点けて、フットペダルを思いっきり踏み込んだ。
 フロントガラスのダチは、キャタピラに巻き込まれて、前のほうに吹っ飛んでった。
 そんで、オレは、ユンボを旋回させながら、横に居たゾンビ野郎との距離を見計らって、アームを操作したのよ。
奴の横っ面に鋼鉄のフックが炸裂したぜ。
 おっと、もう一匹来やがった。正面から攻めてくる。
 奴らバカだから、良い子のお友達でも守れるお約束「作業半径に入っちゃならねぇ」ってのを知らねぇのさ。構わず
向かってきやがるから、オレもお付き合いしてやった。
 ・・・こいつのベース機はよぅ。コマツのコンマハチ(0.8立米級)だから、重量は20トンぐらい有るだろ。重たくたって
文句は言うなよ。
 野郎はキャタの下で、煎餅になったみてぇだから、そいつの上で、ユンボを旋回させながら挽肉に替えてやったのさ。
 そんで、更に周りを見回したんだが、さっき鋼鉄のフックで、リングに沈めたと思った奴が、力石みてぇに立ち上がって
来やがったのよ。
 オレはもう一回アームのフックをお見舞いしてやったんだが、やりすぎちまって倉庫の壁までぶっ壊しちまった。
けどよ。テンカウントで立ち上がる前に、念には念を入れて、そいつもキャタで踏んづけてやったぜ。

553 :おやじ:04/09/24 18:59:15 ID:iNoy94jT
 ここらには、もうゾンビ野郎は居ねぇはず・・・。いや、ライトが照らす端っこに、モゾモゾ動くモンが居やがった。
 何だか判らねぇが、オレはそいつに、ユンボを近づけたのよ。
 ダチの野郎だ。シブトいじゃねぇか。・・・野郎は、千切れた下半身を、どっかに置いて来ちまったみてぇで、
はみ出た内臓を引き摺りながら、こっちの方に這い寄って来やがる。
 オレはユンボのアームと先端のフォークを操作して、野郎を掴み上げてやった。・・・でもよ、奴はフォークの隙間から、
両手を伸ばして、無駄な足掻きをしてやがる。
 ・・・可哀想だがここまでよ。オレはフォークのレバーを押して、カニの大爪で挟み潰そうとしたんだが、どうしても
レバーが動かせねぇ。
 いや、壊れた訳じゃねぇよ。オレの手が言うことを効かねぇのよ。それで、オレはしょうがなしに、両手でレバーを握って、
目を瞑ったまま、グイと押したよ。
 油圧のキックバックで、レバーがちょいと震えやがった。・・・オレのダチが、「痛てぇじゃねぇか、この野郎。」って
言ったみてぇだ。
 ・・・オレは、でっかい溜め息つきながら、ユンボの頭を旋回させて、作業ライトであっちこっち照らしたよ。ついでに、
手持ちの懐中電灯で、暗がりを探ったりしたんだが、どうやらもう大丈夫みてぇだ。
 でも、ユンボが轟音立てたから、奴等が外に集まってるかも知れねぇだろ。オレは、エンジンを切ると、しばらくじっとしてたのよ。
 前の通りを、フラフラっと歩って行く野郎は居たけど、門の前に陣取ってる奴は居ねぇみてぇだ。それでオレは、
ユンボを降りると、奴等の破片を踏まねぇように気をつけながら、ダンプの側に行ったのさ。
 姉ちゃんとガキは、懐中電灯の明かりで、オレが来たのに気が付いたらしい。けど、オレがゾンビに変身するかも
知れねぇって、疑いの眼で見てやがる。
 オレは、小声で状況を説明しながら、噛まれて無ぇってことを伝えたぜ。ついでに、「ダチの家で一休みするつもりだから、
ヤツの家ん中を確かめてくる。」ってことと、「いつまで経ってもオレが戻って来ねぇ時は、そのダンプで、正面のフェンスを
ぶち破って、遠くの方に逃げろ」ってこともな・・・。

554 :おやじ:04/09/24 19:00:08 ID:iNoy94jT
ホントに先に進まねぇ。いつになったら終わるだろ。
付き合ってくれてる読者諸君もご苦労なこった。
あっ、オレはおやじだからよ。リアルでも十分叩かれてるから、何言われたって、ちっとも痛くは無ぇよ。
意見はどんどん言ってくれ。
じゃ、また来週な。・・・って、来週は忙しいから、UPできるかどうか判らねぇけどよ。

555 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 19:36:36 ID:NxAvNTWz
おつかれ、おやじ。主人公の男のやさしさがにじみでてんぜ。
まー体に気をつけながらいい作品書いてくれ。まってるぜ。

556 :本当にあった怖い名無し:04/09/24 21:55:54 ID:A+l7CqqT
まず噛まれないよう顎を潰すか歯を根こそぎ潰す(鈍器で集中攻撃)
埋葬する死体も同様にする。噛まれやすい部分を金属で覆うのもいい。
これだけでも多少はマシかも、思考は人間以下、行動も野生動物並み、脅威は数の多さと打たれ強さのみ。

557 :本当にあった怖い名無し:04/09/25 09:13:31 ID:0/dM+I8z
日本ブレイク工業

558 :本当にあった怖い名無し:04/09/25 12:43:54 ID:H+F28eiQ
>>557
俺もそれ思い出した
おやじさん、次回もブレイクなやつを頼むぜ。

559 :本当にあった怖い名無し:04/09/26 18:28:53 ID:0y+k4mVX
こいこいこい

560 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:26:07 ID:VDlnjapn

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(9)

ビクッとして振り向くと、ゾンビが俯きながら机に座っていた。
教室に入ったときは、誰もいないと思っていたのに。
さすがにここまで存在感がないと、薄気味悪いというよりも、恐ろしくなってくる。
彼はわたしに話しかけているのか、ブツブツと、なにやら独り言を呟いていた。
狂ってる・・・
得体の知れない恐怖が、わたしの全身を駆け巡っていく。
相手をむやみに刺激しないよう、そっと後ずさりして、教室のドアに近づく。
心臓がドキドキ鳴り出し、手のひらには汗が滲んでくる。
ゾンビのわたしを見る眼は、最近とくに異常だ。
昨日見た彼の眼には、明らかに妄執が入っていた。
その狂気の光に、わたしは思わず引き込まれそうになり、そして気がついた。
うまく言葉で言い表せないのだが、なんというかつまり、妙に波長が合ってしまうのだ。
これが相思相愛ならば、まったく文句がない、素晴らしい体験だろう。
でもわたしはゾンビが生理的に苦手で、出来ることならあまり近づきたくはない。
まとわりつかれるのが鬱陶しく、ムカついてしょうがなかった。
にもかかわらず、なぜかココロとカラダを射抜かれるような、屈辱的な感触に襲われる。
それはいわゆる、送信と受信のような関係だ。
わたしが意識的に避けたいと思うからこそ、逆に彼の注目を浴びてしまうのだろうか。
愛情と憎悪は表裏一体、というのはこういうことなのかもしれない。


561 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:28:09 ID:VDlnjapn

もちろんこのときのわたしには、物事を達観する余裕もなく、早くここから
逃げ出して、アケミたちと合流しなければ、とひたすら思っていた。
後ずさりしながら、出口まであと何メートル、何メートルとカラダで覚えている
距離感で測りながら、ダッシュするタイミングを掴もうと必死だった。
頭の中で、以前ニュースで見たストーカー殺人の顛末が、走馬灯のように流れる。
ナイフで刺され、死亡。
頭を鈍器で殴られ、死亡。
首を絞められ、死亡。
・・・誰もいないこの教室で、彼とふたりだけなのがすごく怖い。
ちょっと離れているが、同じ階に職員室があるので、悲鳴を上げれば先生が
来るかもしれない。
しかしやはりそれは、最後の策として残しておきたかった。
ここでことを荒立ててゾンビの恨みを買えば、ずっと尾を引きそうだったし、
ヘタに刺激して殺されたりするのもイヤだった。
そもそもいまのわたしに大声を出す気力があるのかどうか、それも甚だ怪しかった。
足がガクガク震え、眼は確実に涙で潤んでいる。
逃げなければ。
そのとき急に、ゾンビが立ち上がった。
わたしは、ひいっ、と身がすくんでしまう。
腰に机が当たり、ガタタッと音がする。
もはやヘビに睨まれた、カエル状態だった。


562 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:30:06 ID:VDlnjapn

「・・・世界が終わる前に・・・」
「・・・ふたりの儀式を・・・」
「・・・永遠の生命を・・・」
訳の判らないことを呟きながら、ゾンビは近づいてきた。
わたしはガタガタ震えながら、冷静になろうと思った。
このヒトはただ、わたしと話がしたいだけなのかもしれない。
ストーカーだとか、殺されるだとか、そんな後ろ向きな考え方をするのはやめよう。
なにか用?と普通に言えばいいのだ。
「・・・あっ・・・なっ・・・うっ・・・」
だが口から出てくるのは、恐怖で細切れになった、言葉の欠片だけだった。
本能が拒絶している。
頭のなかがパニックになり、体が硬直してしまった。
そうこうしているうちに、ゾンビが目の前まで来て、わたしの両肩を掴んだ。
眼を閉じ、ぎゅっとカラダを硬く閉ざしているわたしの肩を揺らしながら、
ゾンビはなにやら早口でしゃべり始めたが、なにを言っているのか判らない。
本能的な恐怖心と、体を触られている不快感とが交じり合い、わたしは
「・・・いっ、いやあぁぁぁ・・・!!」
と悲鳴を上げながら、彼を思い切り突き飛ばした。
ゾンビは軽々と後ろに跳ね飛ばされ、ガンッという、机にぶつかる鈍い音が聞こえた。
「・・・・・・?」
恐る恐る眼を開けると、床にゾンビが寝そべっている。
その口元は、不自然に歪んでいた。
笑っているのだ。


563 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:32:16 ID:VDlnjapn

ゾンビは床に仰向けになったまま、ピクリとも動かない。
「・・・えっ?・・・えっ?・・・なにっ?」
相手が怒って立ち上がってくるような気配はまるでなく、ただ物のように床に
転がっている。
殺してしまった?というショックと、人間はこんな簡単には死なない、という理性が
交互に頭のなかを駆け巡った。
「・・・ねぇ・・・大丈夫?」
わたしは震えながら、彼に声をかけた。
「・・・ちょっと・・・ねぇ・・・ウソでしょ?」
答えはない。
足のつま先で、ゾンビのカラダをチョンッと触る。
反応はない。
わたしはただ、ぼうっと立ち尽くしている。
まるで世界が変貌を遂げていくように視界がグラリと歪み、頭が妙にクラクラする。
(・・・死んだ?・・・ウソでしょ?・・・わたしはただ、軽く突き飛ばしただけよ・・・
それでなんで死んじゃうの?・・・ウソ・・・そういえばさっき、机に硬いものがぶつかる
音がしたけど、そのせい?・・・後頭部を机のカドにぶつけて死んじゃった、とか・・・
テレビのサスペンス劇場とかで、よくそういうシーンがあったっけ・・・
・・・マジ?・・・マジで?・・・・・・わたし、刑務所とかに行くの!?・・・マジで・・・!?)


564 :本当にあった怖い名無し:04/09/26 21:34:02 ID:/soqkimn
(((( ;゚Д゚))))

565 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:34:12 ID:VDlnjapn

わたしはぼんやりと、動かなくなったゾンビをじっと見ていた。
ただただ、時間だけが過ぎ去っていく。
どれだけ経ったのか。
静謐に満ちていた教室のドアが、ふいにガラガラと開かれ、その音でわたしは現実の
世界へと引き戻された。
「キョウコ〜、見つかった?」
アケミだった。
「みんなバスに乗って、先に行ったからさ。
駅前のどっかの店で、落ち合おうって・・・」
わたしは真っ青な顔で彼女を見た。
涙がこぼれてくる。
「・・・アッ・・・アケミ・・・どうしよう、わたし・・・わたし・・・」
アケミの笑顔が消え、引き締まった表情になる。
「どうしたの?」
彼女はわたしのそばに来て、机の陰に隠れていたゾンビの死体を見つける。
「・・・なんか、動かないの・・・こっ、殺しちゃったのかな・・・わたし・・・殺すつもりは・・・
・・・突き飛ばしただけなのに・・・だってさ、死ぬとか全然、思わなかったから・・・
・・・ど、どうしよう・・・警察に・・・イヤだ・・・どうしよう・・・ねぇ、アケミ・・・」
「落ち着いて、キョウコ。大丈夫だから。ねっ?」
アケミはわたしの肩を抱き寄せ、冷静に言った。


566 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:36:13 ID:VDlnjapn

わたしたちはあらためて、ゾンビの死体を見下ろした。
顔が引きつったような笑いを浮かべており、眼は見開かれたままだ。
アケミはさっきわたしがしたように、つま先でゾンビのカラダをつついた。
「・・・ねっ?・・・動かないでしょ?・・・死んでるみたいなの・・・どうしよう・・・」
無言のアケミは、ゾンビのすぐそばでしゃがみ込むと、首筋に手を当てる。
しばらくそのままだった彼女は、ちょっと首を傾げると、今度はゾンビの口と
鼻に手を持っていった。
おそらく呼吸の確認をしているのだろう。
やがて彼女は、ゾンビの胸に直接耳をくっつけて、心臓の鼓動を診ている。
あれほど彼に触れることを嫌がっていたのに、実に堂々としたものだった。
たぶんわたしのためだからだ。
アケミはわたしのような引っ込み思案な女の子に対して、いつでも庇ってくれたり、
面倒を見てくれたりする。
彼女がこの教室に来たのも、エリのことで落ち込んでいるわたしが心配だったから、
独りにしておくことができなかったのだ。
アケミはポケットからケータイを出すと、見開かれたゾンビの眼にフラッシュを焚いた。
写真でも撮っているのかと思ったが、そうではなかったらしい。
「・・・瞳孔が縮瞳しない・・・」
何度もフラッシュを焚いてから、アケミはそう呟いた。
「・・・やっ、やっぱり・・・しっ、死んでるの・・・?」
「・・・うん、死んでるみたい」
わたしは、バカみたいに泣き出した。


567 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:38:06 ID:VDlnjapn

顔を両手で覆いながら泣いているわたしに、アケミは少し大きな声を出す。
「キョウコ!コイツが死んでから、何分経ってる!?」
「・・・ううっ・・・・わっ、判んないよ・・・10分か・・・もっと経ってるかも・・・ぐすっ・・・」
「あんたが教室に入ってから、すぐこうなったの?」
「・・・ひっく・・・うん・・・いっ、いきなりカラダ、掴まれちゃって・・・ひっく・・・」
「・・・だいたい20分くらいか。もうダメだな、コイツ」
アケミの冷静な言葉に、わたしはカラダを震わせた。
「・・・イヤだ!・・・殺しちゃった!・・・殺しちゃったよぉ!・・・どうしよう、アケミ!!」
わたしはただオロオロするばかりで、なにもできなかった。
「落ち着いて、キョウコ。どうしてこうなったのか、話してくれる?」
混乱しながらだったためか、うまく言葉が出てこないわたしをそっと抱きしめ、
そしてやさしく髪を撫でながら、アケミは何度も相槌を打つ。
わたしは子供のように、泣きじゃくるしかなかった
「大丈夫。あなたは悪くないのよ。あたしがついているから、安心して」
話を聞きながら、アケミはわたしのことを落ち着かせようと懸命だった。
「・・・わたし、捕まっちゃうのかなあ・・・パパとママになんて言ったら・・・」
鼻水を垂らしながら、しゃくり上げるわたしに、アケミはやさしく語りかけた。
「キョウコ。これは正当防衛だし、不可抗力なの。あなたが悪いんじゃないわ」
「・・・ホントに?・・・捕まらない?・・・わたし、捕まらない?」
アケミのカラダにすがりつきながら、呆けたようにわたしは呟く。
死んだゾンビなどどうでもよく、自分のことだけしか考えられなかった。
そんな自分勝手なわたしを、アケミは辛抱強く、ずっと励ましてくれた。
「大丈夫よ。捕まるわけないじゃない。悪いのは全部、コイツなんだから」
彼女のおかげで、わたしは少しずつ冷静さを取り戻していった。


568 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/09/26 21:40:04 ID:VDlnjapn

わたしが落ち着いたのを見計らって、アケミは優しく言った。
「さっ、職員室の先生のところまで一緒に行こう」
「・・・でも、わたし・・・」
「大丈夫。あたしがついてるでしょ?
一緒に先生に事情を説明しに行こう?ねっ?」
「・・・うん」
アケミがいれば、怖いことなどなにもない。
そう思いながら鼻を啜り上げるわたしは、ふとゾンビの死体を見た。
指先が動いたような気がしたのだ。
「・・・・・・」
気のせいかと思ったが、次の瞬間、ゾンビは上体をゆっくりと起こしていく。
「どうしたの、キョウコ?」
アケミはわたしを抱きしめているので、後ろでなにが起こっているのか判らない。
「・・・生きてる」
「えっ?」
アケミは振り返る。
その頃には、ゾンビはゆらりと立ち上がっていた。
わたしはホッとしながら言った。
「・・・良かった。死んでなかったんだ・・・」
ヒトが生き返る奇跡が、本当にあるなんてビックリした。
でも、そういえばなんか、大切なことを忘れているような気がする・・・
頭がまだ麻痺しているわたしは、それがなんなのかを思い出せないでいた。
そしてアケミが・・・
アケミが・・・

(・・・来週に続く)


569 :本当にあった怖い名無し:04/09/27 17:44:51 ID:mRjr0q5u
アケミは死なない、何故なら愛に目覚めたから

570 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 01:30:58 ID:X+zIto2r
先を予想するのもおもしろいかもね。
でもアケミは愛に目覚めたというより、
冒頭からキョウコにはよくしていたと思うんだけど。

571 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 12:27:49 ID:s1YkFupp
>>560-570
アケミとキョウコってお前らアニメの見すぎだろ
頼むからゴミ同然の駄文でこれ以上スレを汚さないで
露骨な自演も含めて見ていてあまりにも痛すぎる
才能がない辛さはよくわかるけど無理しなくていいんだよ
君は文才とは無縁の生まれなんだから他のことに力を注いだほうが君自身の為になるよ
こんなところで時間を無駄にしちゃいけないよ

572 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 15:03:57 ID:X+zIto2r
>>571
妄想もここまで来ると哀れ。
自分と合わない意見を見ると
すぐ「自演」にしたがるやつは意味不明だ。

このスレがゾンビの小説をアップするスレなんだから、
スレを汚すな、とかいうのはお門違いだよ。

まあ、ゴミ同然やら駄文やらは勝手だと思うが。

573 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 16:09:52 ID:IVCB0to5
>>571
 ここって2ちゃんだよ?
 どれだけ文才があろうともここに来ている段階で時間の無駄だってば(笑)
 無駄を楽しめや。

574 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 16:17:52 ID:Va5MO4zB
アケミとキョウコのでてるアニメっつったら
一刻館の奴か

575 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 20:34:24 ID:YjcKzGsZ
>>571
今度は名無しでご降臨でつか?
読者代表さん。

576 :本当にあった怖い名無し:04/09/28 21:06:12 ID:WibWEp/2
>>532->>547の時もいたものだが、なんかもう>>571のようなやつはスルー
でいいんじゃないか?つりな気もするし。反応するのも嵐とみなしてスルー
にしないかい?
おれはここに作品あげるやつ、全員好きだぜ。


577 :本当にあった怖い名無し:04/09/29 00:22:41 ID:FE1np4r8
>>576
禿胴。スルースルー。

578 : ◆T0ARMD6X22 :04/09/29 00:31:18 ID:S8+Py7Cb
ようやく試験終了。
ぼちぼちとリクエストに応えつつ長編を進めてます。
とりあえず夜勤中に時間がとれるので筆が進められそうです。

おやじさんは現場関係の描写が生き生きとしていてすごいですね。
無事生き残ったあとで、屋台でコップ酒二杯と熱々おでんを楽しみながら武勇伝を語ってそうですね。

579 :本当にあった怖い名無し:04/09/29 21:43:46 ID:ghAC/49S
アケミが・・・・!

580 :本当にあった怖い名無し:04/10/01 12:30:55 ID:pIpjziJQ
ふう。危ないところだった。

581 :おやじ:04/10/01 13:17:36 ID:CCFRnPNd
 それで、オレは一生懸命走ったんだ。そりゃ当然だよな・・・追いかけられてちゃあよ。
全部で一、ニ、三・・・いや五匹も、オレを食おうとして猛ダッシュだぜ。信じらんネェ。
 だが、オレは死に物狂いで走ったんだ。道路はずっとまっすぐで、障害物もネェ。だから、逃げ切れると確信したのよ。
 ・・・でもまさかな?。予想外だったぜホントの所。今振り返ってみても、ホント自分が情けネェよ。
まさか、オレが・・・滑って転ぶなんてな?しかもバナナだぜ?。・・・コントでもネェよ今時な。
 それで、オレはスッ転んで・・・あとはご想像のとおりだ。五匹がまとめて・・・ガブッ、ってな。
 ・・・オレの人生はこんなモンだったのかって、泣きたいのを通り越して笑えてきたぜ。
悔いが残ってるワケじゃネェ、オレは精一杯やってきたからな。・・・でも、死ぬときはもう少しマシに逝けるモンだと思ってたんだがな・・・
 今となっちゃァどうしようもネェけどな・・・ああ、上で誰か呼んでら・・・。あばよ、みんな。



       完

582 :本当にあった怖い名無し:04/10/01 16:41:35 ID:u40b+bBR
お疲れさま!

583 :本当にあった怖い名無し:04/10/01 19:40:20 ID:kW+OpR+S
本物のおやじよ。偽者がでてきたので、トリップつけてくれないか。

584 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/01 23:31:45 ID:t9DoQ72O
偽物が出るとは、オレも有名人になたモンだぜ。
でも、お前のも悪くはネェよ。オレが書いても、そうなるだろう。お終いはその手でいくかな・・・。
検索するとき困んねぇように、これからトリップ付けとくな。

585 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/01 23:33:33 ID:t9DoQ72O
 オレは、頼もしい相棒のレンチを片手に、ダチの家に近づいた。・・・おっと、玄関の鍵が閉まってら。・・・ドアノブを
ガチャガチャやったんだが、誰も出てこねぇし、中の動きも無ぇみてえだ。
 それで、オレは脇に廻って、リビングの方に行ったよの。・・・雨戸が閉めてあるから、中の様子は判らねぇけど、
ひっそりとして物音一つしやしねぇ。
 もしやと思って雨戸をチョッと弄ってみた。・・・やっぱりダチだ、いいとこ有るぜ。雨戸もサッシもロックなんぞ、しちゃいねぇ。
 懐中電灯を照らして、中の様子を確認してから、靴履いたまんま、そっと中に入ったよ。・・・真っ暗だから怖ぇえけど、
勝手知ったる他人の家で、電気のスイッチを入れてみた。
 蛍光灯に照らされた室内は、男やもめの一人暮らしにしちゃ、それなりに片づいたリビングよ。
 それから、オレは、一部屋一部屋確認して廻ったよ。いや、神経が磨り減ったけど、押入れん中まで確認して、
やっと人心地ついたのよ。
 そうそう、ここに来た目的が、ダチの寝室で見つかった。・・・ヤツの散弾銃は寝室のガンロッカーに仕舞ってあったぜ。
ダチの野郎は、根が単純なヤツだから、ロッカーの鍵なんぞ、リビングのサイドボードの引出しン中に入れっぱなし
だったのよ。
 ・・・いや、ここだけの話、オレは以前、ダンプの仕事で長野に行ってた時、地元のダンプ仲間にカモ撃ち猟に
連れてってもらったことがあってよぅ、そん時、山ン中で散弾を何発も撃たせて貰ったから、銃の扱いだって
知ってるぜ・・・。
 それでオレは、その12番口径の上下二連散弾銃を取り出したのさ。ズシリとした貫禄で、頼り甲斐が有るってモンだ。
タマは隣の装弾ロッカーよ。・・・法律じゃ銃と弾薬を一緒に保管しちゃならねぇんだが、隣にあったら同じだよなぁ。
 昔のことを思い出しながら、その散弾銃のバレル(銃身)を折って、仕舞ってあったタマを込めたよ。
 機関部に筆記体で「P.BERETTA」って、彫り込みがしてあって格好いいぜ。
 オレはその散弾銃の安全装置が「S」の位置になってるのを確かめると、、有りったけのタマを置いてあったバックに
詰め込んで玄関に向かったよ。

586 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/01 23:34:37 ID:t9DoQ72O
 姉ちゃん達は、ダンプの中で、大人しく待ってた。
 それで、オレは、安全だって事を話して、建物の方に連れて行こうとしたんだが、思い直して偉い学者先生に無線で
呼びかけてみたのよ。
 学者先生は、まだ無事みてぇだけど、昨日から丸1日、何にも食って無ぇんだと。それに、そろそろ都内じゃ水道や電気も
危ねぇらしい。頻繁に停電するし、遠くに見える火事は広がる一方で、消える気配も無ぇそうだ。
 先生がパソコン使って、世界中のあっちこっちに、連絡取ったっらしいけど、アメリカや中国も同じ状況みてぇだから、
どうやら例の隕石は、世界中に落っこちたようだぜ。
 日本じゃ大阪の方も似たような状況で、関東や近畿には非常事態宣言ってのが出されたらしけど、宣言したところで
ゾンビは大人しくしちゃくれねぇよ。
 でもよ、先生はホントに偉い人だよ。・・・東京はゾンビの比率が7割を越えてるから、自分は助からねぇだろうけど、
出来る限り実験続けて資料を残すから、その研究を誰か他の先生に引継ぎてぇんだと。
 それでオレが、自衛隊の偉い人に連絡とって、資料だけでも回収して貰えるように手配しろって言ってるのよ。・・・
バカなこと言うなよ。オレが何とかしてやらぁ。
・・・けど、「ラジオの地方局が生きてるから、注意して聞いてみろ」って言葉を最後に、無線が切れちまったのよ。
ヤベェよなぁ。
 オレは気を取り直して、ラジオのダイヤルを弄ってみた。・・・そしたら雑音は多いけど、福島の局が入ったよ。
 ゾンビ野郎を封じ込めるために、関東と東北の国境を封鎖したんだと。無理に越境する奴は射殺するとか言ってるぜ。
 福島のやつら知らねぇみてえだけど、ゾンビになるのは人間だけじゃネェよ。大型のほ乳類はどれでも感染するって
学者先生が言ってたから、野良犬だってゾンビかも知れネェよ。
 そんなことはどうでもいいや。ラジオのアナウンサーは、関東の中で生きてる奴は近くの避難所に向かえって言ってる。
埼玉の避難所で、ここから一番近けぇのは、浦和のサッカー場だから、朝になったら、姉ちゃんと娘っこを連れてってやるか。
 それでオレは、取りあえず二人を建物の中に案内したのよ。

587 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/01 23:35:47 ID:t9DoQ72O
 明かりが点いてるってことが、どれほどホッとすることか。・・・今まで緊張し通しだった姉ちゃんとガキも、ダチの家の
ソファーに座ると、安心したのか食欲が出たみてぇで、オレがコンビニで手に入れた菓子パンを頬張りながら、
自分たちのことをポツリポツリと話し始めたのよ。
 ガキは由佳里って言う名前で小学の1年らしい。・・・あのコンビニの近くのアパートに、母ちゃんと二人で住んでたんだが、
今朝、学童の教室に行く途中、ゾンビ野郎に襲われて、母ちゃんが食われちまったんだと。・・・それで泣きながら家に
帰ったけど、アパートの前で隣のおばちゃんが血を流して倒れてたから、怖くて中に入れネェ。
 あっちこっちに隠れながら、大人が来るのを待ってたらしい。そのうち、ひもじくなって誰も居ねぇコンビニに入ったけど、
人は来ねぇし、外にゾンビ野郎がふらふらしてたから、怖くて出られなくなっちまった。って涙目で言うモンだから、オレも
チッとばかしウルウル来ちまったぜ。
 姉ちゃんの方は、優子っていう名で看護婦だってよ。・・・夜勤明けでマンションに帰った所をゾンビ野郎と鉢合わせ。
命からがら逃げてきたんだが、疲れて運転してたから、うっかり側溝に脱輪しちまって、野郎どもに囲まれたって訳よ。
 姉ちゃんの話じゃ、昨日の夜から、東京の方はおかしかったらしい。・・・救急指定でも無ぇその病院に、都内の急患
引き取ってくれって、消防から連絡が来たモンだから、夜中に先生を呼び出したり、ベッド用意したりで大変だったって
言ってる。
 患者は昏睡状態で、あっちこっち傷だらけ。それで傷の手当てして、そのまま寝かしといたんだと。
 ・・・姉ちゃん、運が良いよ。学者先生の話じゃ、噛まれてからゾンビに変身するまでの個体差は、早い奴で2〜3時間、
遅くても12時間ぐらいだから、夜勤のまんま残業してたら、命は無かったかも知れネェな。
 オレは奴の寝室から毛布を引っ張ってくると、姉ちゃんとガキに渡してやった。神経が高ぶって寝られねぇかも
知れねぇけど、チョッとでも休んで鋭気を蓄えねぇと、明日は自分がゾンビかも知れネェからな。

588 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/01 23:37:07 ID:t9DoQ72O
時間やりくりして、やっと書いたぜ。けど残念ながら、ブレイク工業は無しだから、まぁ適当に読んでくれ。
題名考えてなかったんだが、何が良いかな・・・?。やっぱり「おやじ」かな。
じゃ、また来週な。・・・って、週刊誌の連載に、投稿してるみてぇだな。

589 :本当にあった怖い名無し:04/10/01 23:43:10 ID:kW+OpR+S
トリップさんきゅー。来週を楽しみにしてんぜ

590 :本当にあった怖い名無し:04/10/02 00:50:55 ID:gxCI966O
おやじ乙。今回もおやじらしくて面白かった。

くだんさんの続編も楽しみだ。


591 :本当にあった怖い名無し:04/10/02 19:30:06 ID:zeghcNkp
失礼ですが、>>578はどなたですか?
すいまそ

592 :本当にあった怖い名無し:04/10/02 21:00:57 ID:lNwusr7G
おやじさん凄い。面白い。
がんばれ。
他の作者さんも気が向いたらカムバック。(オレモナー)

593 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/03 22:10:44 ID:VuaJSRVC

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(10)

起き上がったゾンビを見た、アケミの行動は素早かった。
「キョウコ!!逃げてぇ!!」
わたしのカラダを押し出すように、教室のドアまで走り出す。
目の前にドアが迫った瞬間、なぜか急に視界が歪んだ。
「・・・?・・・?」
はっと気がつくと、5メートル近く後退していた。
不思議な瞬間だった。
誰かに引き戻されたというよりも、ぐるぐる回った末に、同じ場所に辿り着いて
しまったような感じがする。
「・・・ア、アケミ・・・」
ビックリして、わたしは後ろのアケミに声をかけた。
振り向くと、彼女のカラダは宙に浮いていた。
化け物。
わたしがヤツを見た最初の印象は、まさに化け物そのものだった。
生き返ったゾンビは、アケミのカラダを羽交い絞めにしていた。
右手でアケミの口を塞ぎ、左手で彼女のカラダを抱え込んでいる。
だが、それは異様だった。
ゾンビの身長は、アケミと同じくらいの高さだったはずが、どう見ても彼の方が
一回り大きい。
いや、四肢が不自然に長いのだ。
そのせいで制服の裾から、ゾンビの青白い手足が、くねくねと飛び出していた。


594 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/03 22:12:05 ID:VuaJSRVC

ふたりの姿が歪んで見える。
頭がキリキリと痛い。
「・・・えっ?・・・なに、コレ・・・」
アケミの顔を覆っている手は、とても大きく、そのツメは鋭く尖っていた。
首が、ゾンビの首が、まるで亀のように伸びているではないか。
首だけではなく、舌、そう、あれは舌だ。
口から出ている舌も、蛇のように長く、邪悪に蠢いていた。
その妙に紅い舌は、アケミの首筋を唾液とともに這いまわる。
「・・・!・・・・・・!!」
声にならない悲鳴を上げるアケミだが、カラダを動かすことも許されず、後ろから
抱きかかえられるような格好で、床から離れた両足をばたつかせていた。
彼女の大きな眼から、大粒の涙がこぼれている。
わたしに助けを求めているようだった。
いつも冷静で、大人びていて、なにかと面倒を見てくれたアケミ。
わたしはやさしくて、そして強い意志を持った彼女に、とても憧れていた。
アケミがフミヤと付き合うのを知ったとき、それがものすごく嫌だったのは、フミヤが
彼氏として相応しくないからというより、単なる嫉妬だったと思う。
彼女と過ごす時間が、少なくなってしまうことが不満だったのだ。
アケミのそばにいることで、わたしは安心して甘えることができた。
わたしにとっての彼女とは、まさに精神的な拠り所そのものなのだ。


595 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/03 22:14:03 ID:VuaJSRVC

しかしいまや、アケミは恐怖で発狂寸前だった。
その眼に宿る光は、彼女がゾンビに腕を掴まれたときに見せた狂気に彩られていた。
塞がれた口から出る、くぐもった言葉は、たぶんわたしの名前のような気がする。
わたしを励まし、そして逃がそうとしてくれた彼女は、もはやなりふり構わないかの
ように涙を流し、身悶え、わたしの名を叫び、助けを求めていた。
だが、どうしていいのか判らない。
いま目の前で起こっている光景は、わたしが嫌いなホラー映画の一場面のようだ。
悪夢だった。
ポカンとした表情で、絡み合うふたりを眺めているしかなかった。
そのとき、ゾンビが大きく口を開けた。
牙が見えた。
瞬間、アケミの白い首筋に噛み付いた。
赤い鮮血が飛び散り、生臭い匂いが教室中に充満する。
口を塞いでいたゾンビの手から、次から次へと血が溢れ出てきた。
アケミはカラダを痙攣させながら、ゴホッ、ゴホッ、と咳き込むような声を漏らした。
ショートカットの黒髪は赤く染まり、ネコのように大きな眼は白目を向いた。
わたしの憧れが、価値観が、世界が、壊れていく・・・
視界が歪み、それとともにアケミとゾンビの姿も、捩れていくように見えた。
頭が痛い。
キリキリと、頭がなにかに締め付けられるように、痛くてたまらない。


596 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/03 22:15:58 ID:VuaJSRVC

ゾンビのカラダは、さらに大きくなっているように見えた。
アケミの首筋から肉を噛み千切ると、この化け物は嬉しそうに咀嚼し出した。
くちゃくちゃくちゃ・・・
嫌な音が聞こえた。
(やめて・・・もうやめて・・・いやだ・・・こんなの、いやだよ・・・アケミ・・・)
ゾンビがわたしを見て、笑ったような気がした。
そして血を滴らせながら生肉を嚥下すると、今度は顔半分を掴んでいる右手だけで
アケミを持ち上げ、黒板に彼女のカラダを押さえつけた。
彼女の息はまだあったが、抵抗する意志は皆無のようで、朦朧としている。
乱暴に押し付けられたので、下半身がブラブラと揺れていた。
あのアケミが、モノ扱いされている・・・
空いている左手のツメで、アケミのブレザーとワイシャツを無慈悲に切り裂く。
血に染まった赤いリボンが、床に落ちた。
形のいい乳房があらわになり、その豊かな肉のなかに、遠慮なく牙を突き立てた。
またくぐもった悲鳴が聞こえる。
激しく動かしている足が黒板に当たり、ドスンドスンッと教室を揺らした。
その妙にリズミカルな音を聞きながら、ぼんやりと思う。
わたしは、なにをするんだったっけ。
・・・そうだ、職員室の先生のところに行くんだった。
わたしはフラフラと立ち上がり、血の匂いに汚された教室から、独りで出て行く。
後ろで誰かが、呼んでいるような気がした。
でも振り向かずに、わたしはドアを閉めた。

(・・・来週に続く)


597 :本当にあった怖い名無し:04/10/04 01:04:18 ID:TGBt6Erx
アケミーーーッ!!
貴重な…貴重な…

598 :本当にあった怖い名無し:04/10/05 03:31:45 ID:wbmYubOU
>激しく動かしている足が黒板に当たり、ドスンドスンッと教室を揺らした。


599 :本当にあった怖い名無し:04/10/05 17:34:01 ID:E4BGoxlJ
>>598
>激しく動かしている足が黒板に当たり、ドスンドスンッと教室を揺らした。



???????????????
もしかして想像力とか読解力ないの?

600 :本当にあった怖い名無し:04/10/05 20:57:10 ID:OF4Q6Hn0
とうとうゾンビがキョウコの前に!!悲劇の始まりですな

601 :本当にあった怖い名無し:04/10/05 21:28:44 ID:wbmYubOU
>もしかして想像力とか読解力ないの?
いやばたばた→首かまれ→無抵抗→胸かまれ→教室がゆれる程の蹴り?

602 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/06 11:27:04 ID:4TY08imF
>>188の続き(今更かよ、しかもトリップ忘れたし)

廊下に出ると飛び交う絶叫の世界が今もなお広がっていた。
レインは廊下の端にある病室を目指して走り出した。
途中のT字路を過ぎる時に角をチラっとみると、先ほどの看護婦の死体を
取り囲んでいる群れが視界に入る。
奴らが何をしているか、それは分からない・・・いや、信じたくない。
レインは思考を働かせるのをやめて病室に飛び込んだ。
幸か不幸か、部屋には誰もいなかった。
レインは窓際に置いてあるラジオのスイッチを入れた。

しばらくラジオを聴いていたレインは、事態がどれだけ深刻かを悟った。
この病院や地域だけでなく世界中がこの病院内と同じ状況だということ。
そして、人を襲っているヤツらは死人だということ。
ヤツらは脳か首の骨を破壊しない限り、どこを攻撃しても襲ってくること。
本当ならバカバカしいと笑い飛ばすような内容だが、実際に目の当たりにした光景は
皮肉にも真実を物語っている。
レインはため息をつくと、手元のベレッタに目を落とす。
マガジンに15発の9mmの鉛の塊、これでもうまく眉間に当てれば倒せるだろう・・・
レインはベレッタを腰のベルトにはさむと、次に紐に吊るされているレイジングブルを引き抜く。
8.375インチの巨大な銃身を眺める。
454カスール弾仕様の恐ろしいまでの破壊力を誇る大型拳銃。
しかしリボルバーで5発しか装填できない上、その反動は大きく華奢な女性では耐えられないだろう。
メインに使うならベレッタだろうが、弾丸の数は・・・
ポシェットに詰め込まれたカスール弾の箱、明らかに弾丸には差がある。
レインはレイジングブルに弾が入っていることを確認すると、ラジオを腰に下げ
レイジングブルを手に病室を後にした。

603 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/06 11:57:16 ID:4TY08imF
医者のヒース・ティンサーは今も尚激しく音を立てている扉を睨んでいた。
「バケモノめ・・・。」
吐き捨てるように言うと、精神安定剤を口に放り込む。
薄暗い薬品庫、その部屋の隅に座り込むと、ヒースは今日の出来事を思い起こした。

朝、愛する妻と息子に見送られていつものように車で病院まで来ると肥満警備員のビスの
脂っこい笑顔が向かい入れた。
やれやれと作り笑いで返すと、正面へ向かう。
正面の自動ドアまで来ると看護婦が血相を変えて飛び出してきた、
「どうしたんだ、慌てて。」
「いえ、何だかまた急患が着くそうなので。」
「また?」
「はい、今朝はこれで3人目なんです。」
「そりゃ大変だな。」
面倒なことにならなきゃいいがな、と付け加えて自室に向かう。
歯科医師である俺には今朝の騒動はどうでもいいものに思えた、
大方どっかのチンピラどもが暴れたんだろう、たいした騒ぎではないと・・・。
朝一番の患者は入れ歯が合わないとヌかしたあのジジイだ、もう食事を楽しむ歳でもないだろうと思いながら
異臭漂う口に手を突っ込んで型を取ったんだ、ああ腹だたしい。
そして、ガキの虫歯を見てその後・・・そうだ、昼になればいつも食堂へ誘ってくる小児科のアリサが
来なくて、仕方なく一人で食堂に向かったんだ。
んで食堂に向かう途中、助手のバレットが来て次に俺の元へ来る研修生が今日は
手術をするとかホザいていたな。
何でもどこぞの大富豪の天才らしいがそんなのはどうでもいい、女というだけで俺は
ツラ拝んでやろうと食事の前に手術室へ向かったんだ。
んで、手術室の前まで行ったら・・・そうだ、いきなりバーンの野郎が腕押さえて飛び出してきたんだ
「どうした!?」
と聞いても野郎はわけわからねぇこと叫びながらどっかいっちまって
手術室を覗いてみると・・・。
・・・あぁ、あの瞬間から俺はおかしくなっちまったんだな。

フッッフッフとヒースは笑い出すとバンっと持っていた薬ビンを地面に叩きつけた。

604 :本当にあった怖い名無し:04/10/06 13:14:44 ID:gBuJuCBV
「やっと」まともな作者が戻ってきたな
「このスレにはしばらく居なかった」からな、ちゃんとしたSSを書ける人が
これで「ようやく面白い話が読める」ようになったよ
ぜひ頑張って続けてくれ>>602-603

605 :本当にあった怖い名無し:04/10/06 19:01:03 ID:fc7M8QM8
なんだその強調は

でも同意。

606 :本当にあった怖い名無し:04/10/07 10:17:39 ID:EHLAF0tx
続きマーダー チンチン


ここのSSは楽しみなんですよ

607 :本当にあった怖い名無し:04/10/07 16:37:53 ID:XCGG9MPQ
>601
>いやばたばた→首かまれ→無抵抗→胸かまれ→教室がゆれる程の蹴り?
首かまれ→無抵抗→(彼女の息はまだあったが、抵抗する意志は皆無のようで、朦朧としている。意識朦朧状態)
→胸噛まれ→(またくぐもった悲鳴が聞こえる。意識戻る)→教室が揺れる程の蹴り(断末魔)
と読み取れるのだが・・・・(GCS:2-2-4→2-2-3〜2位かな?)

608 :本当にあった怖い名無し:04/10/07 17:03:48 ID:RM5zN6DI
首噛みきられてるというのにタフなお方ですね

609 :本当にあった怖い名無し:04/10/07 18:04:57 ID:CqDqYz0c
つまりバイオハザード2のクレアでいうと
「あぁっ…あぁ…」→グチャッグチャッ…→「あぁあああ…!!」か

610 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/08 00:30:03 ID:Dd8WG0Rb

昔さ、テレビで見たモンスター映画でさ、巨大カマキリが出てくるやつがあったのな。
お約束通り、冒頭でイチャついていたカップルが襲われるんだよ。
ギャグばっかり言ってる明るい男の子と、かなりかわいい女の子。(たしか学生だった)
彼らは善人だったのね。
で、そのふたりが終盤で再登場するんだけど、生きたまま卵を産みつけられていて、
カマキリの卵の房(って見たことある?)の中に、別々に入れられてるわけだ。
巨大カマキリの巣の中は、なぜか逆光になっていて、房の中がうっすらと見える。
その中に、おそらく全裸状態のままで、彼らは押し込められているんだよ。
主人公たちがそれを見て、彼らはもうダメだ、焼こうってことになる。
で、ファイヤー!って火炎放射器みたいなので、巣を焼くんだけど、その瞬間、
「ひいいいいい・・・」
って、房の中の彼らは弱々しくも、異様な悲鳴を上げる。
それを見て、ああ、あいつらはまだ生きてるんだ、って主人公たちは思うんだけど、
どうしようもなくて、見捨てちゃうのね。
「エイリアン」の小説でもそういうシーンがあってさ。
最初の作品のノベライズでは、あの怪物は雌雄同体で、捕まえた船員に、これまた
生きたまま卵を産みつける。
リプリーが船内の巣を見つけたとき、仲間が繭みたいな中に入れられているんだけど、
船長だけ意識があって、オレらはもうダメだ、焼けって言うんだよね。
で、またファイヤー!ってやるんだけど、船長の悲鳴以外に、ほかの船員の悲鳴も
炎の中から聞こえてくる。
それを聞いて、ああ、みんなはまだ生きていたんだ(ry

生きたまま卵を産みつけられる展開って、トラウマ的に嫌だけど(でも好き)、
それ以外に、死んでいたと思っていた人が、今わの際にブザマに叫んだり、暴れたり
するのも嫌なんだよねぇ(でも好き)。
「灰とダイアモンド」みたいな感じですよ。
アケミの死に方は、自分的には怖い死に方なんだよな。
でもまあ、彼女とはそのうち再会できるでしょ。
なにしろそれが、ゾンビものの醍醐味ってなもんだしよ。

611 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/08 00:40:27 ID:Dd8WG0Rb

あ、忘れてた。
「見捨てる」というのも、ポイントが高い。
キョコさんは、今後も多くの人を見捨てますよ、ええ。


612 :本当にあった怖い名無し:04/10/08 10:45:54 ID:Yq/eIpn/
き、きょうこぉぉっぉあぁ いいのかそれd

613 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/08 21:59:35 ID:iM7ozbiJ
 夜中に寝酒を飲まなかったモンで、朝っぱら早くから、目がさめちまった。
 オレは、姉ちゃんや娘っこを起こさねぇように、そっとリビングを抜け出して玄関ドアの覗き穴から、外の様子を伺ったのよ。
どんな時でも、晴れた朝ってのは気持ちがいいモンだよな。けど、こんないい天気でも、外に出る気がしねぇのは
奴等の顔がちらつくからさ。
 穴から覗く外の景色に、動くモンは見あたらねぇけど、用心するに越したことはねぇ。・・・オレは、昨日の残りの
菓子パン食いながら、念のため2階に上ってベランダからも、外の状況を確認したのよ。
 ・・・やっぱり居たぜ、生きる屍野郎がよ。何だか知らねぇけど、奴等の顔見るとゾクゾクして来やがる。・・・奴等
元々人間なんだから、親兄弟も有ったろうに、ゾンビになった途端、記憶や感情を失っちまって動物以下の生き物に
変身しちまうんだぜ。
 けど、よく考えたら、元は人間なんだから、オレが奴等をやっつけるってことは、殺人にはならねぇだろうな?。
・・・正当防衛や緊急避難って言葉があることぐらい、オレだって知ってるけど、細けぇことは、後で学者先生にでも
聞いてみた方が良いかもな。
 まぁ、オレみてぇな馬鹿は、考えたってしょうが無ぇや。行く手を邪魔する奴は、ぶっ飛ばして進むだけよ。
 それで、オレは下に降りると、姉ちゃんとガキを叩き起こして、食い物や使えそうな物を集めろ、って言ったのよ。
オレの方も、愛用のレンチの他に散弾銃を手に持つと、他に武器の代わりになる物は無ぇかと、家ん中を探したんだが、
包丁ぐらいしか見つからねぇ。
 倉庫の方に、何か有るかも知れネェと思って、勝手口からそっと外に出たんだが、昨日のドンチャン騒ぎの後が、
もの凄い状況になってたから、オレもたまげちまった。
 奴等の肉は、腐らねぇらしいけど、あっちこっちに手や足が散らばってるし、脳みそ垂らした顔がこっちを
向いてたモンだから、うっかり朝食を戻しそうになっち待ったぜ。
 それでオレは、そいつ等をなるべく見ねぇように、倉庫の中に入ったんだが、めぼしいヤツは建設足場用の短管パイプに
ワイヤーロープぐらいしか見当たらねぇ。・・・でも、工具の棚を探ったら、良いモンが見つかったぜ。

614 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/08 22:00:14 ID:iM7ozbiJ
 チェーンソーよ。チェーンソー。・・・昔、映画でやってただろ。ホッケーマスク被ってる変態野郎のお気に入り。エンジン
チェーンソーが有ったのよ。
 しかも、その隣にゃ肩掛け式の草刈り機まで置いてあるから、オレもちっとはホッとした。・・・何しろ上下二連の散弾銃じゃ、
巧く当たっても、二匹が良いところだから、奴等がゾロゾロやってきたら、タマを詰め替えてる時間も無ぇよなぁ。
 やっぱ接近戦には、こういうのが意外と使えるのよ。それでオレは、燃料が入ってるかどうか確認してから、
そいつのプルスターターを引いてみた。
 ツーサイクルの甘ったるい排気煙が倉庫中に広がって、力強い回転音を響かせたから、頼もしくって涙が出らぁ。
側に置いてあるポリタンクには、混合油が少しだけ残ってたから、一緒に外に運び出したぜ。
 それで、さっき見つけた短管パイプやらワイヤーロープやら使えそうな物と一緒に、オレのダンプの荷台に積み込んだんだが、
ダンプの荷台じゃ固定する物も無ぇから、荷物は暴れて飛び出しちまうかも知れねぇだろ。倉庫にあった段ボールを
クッション材にトラロープを使って、落っこちねぇように縛ったのよ。
 そうそう、オレの大事なダンプの方も補強しねぇと、どこまで行けるか判らねぇ。取りあえずはヘン曲がったバンパーだよな。
ゾンビ野郎を押し潰すには、頑丈な方がいいに決まってら。
 バンパーに鉄パイプでも溶接してやろうかとも思ったんだが、オレは土建屋だから溶接の技術は無ぇんだよなぁ。何でも
いいから、堅そうな物をワイヤーロープで括り付けとけば、結構な戦力にはなるだろう。
 敷地内を探したら、ちょうど良いのが見つかった。・・・ビルを解体したときのH型鋼材の切れっ端だが、2メートルぐらい
有るからバンパーの代わりにゃちょうどいい。
 オレは、100キロぐらい有りそうな、その鋼材をダンプの前まで引っ張ってくると、ワイヤーロープ使ってダンプの
バンパーに固定したのよ。あんまり重てぇモンで、途中で辞めようかとも思ったけど、肝心なことを端折ったら、
生きて帰れネェかも知れねぇから、必死こいてやったぜ。

615 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/08 22:01:04 ID:iM7ozbiJ
 そんなことしてるうちに、道路の方が騒がしくなってきたぜ。何匹かのゾンビ野郎が、物音に気づいて集まって
来やがったのよ。
 オレは腕試しのつもりで、散弾銃を構えて引き金を引いてやった・・・。
 おっと、安全装置を外すのを忘れてたから、1回目はスカしちまったけど、今度は本気でブッ放したぜ。
 ・・・肩にガツンと反動が来たけど、狙った奴に当たりゃしねぇ。カモよりでっかい目標なんだから、擦ったっていいだろうに、
意外と難しいモンだなぁ。
 奴等は、門の鉄ゲートに遮られて、なかなかこっちに入っちゃ来れねぇから、じっくり狙える時間は有るのよ。
オレはもう一回、よーく狙って引き金を引いた。
 散弾が門の鉄板に当たって、すげぇ音がしたけど、狙った奴の頭の天辺を吹っ飛ばしてやったぜ。・・・けど、そんなこと
してるうちに、野郎の仲間がどんどん集まって来やがった。
 ヤベェと思ったオレは、散弾銃の音にビックリして、玄関先に来てた姉ちゃんと娘っこを呼んだのよ。囲まれねぇうちに
逃げ出した方が良さそうだからな。
 姉ちゃん達をダンプの運転席に押し込んだんだが、ゾンビ野郎が2〜30匹も集まって来たモンで、簡単には
脱出できそうも無ぇ。
 オレがユンボで奴等を牽制しながら、フェンス突き破って道路まで先導するから、姉ちゃんはダンプを運転してくれ。って
頼んだんだが、教習所以来、マニュアルのギアに乗ったこと無ぇって駄々こねるのよ。
 それで、オレは一発引っ叩いて「死にたくなけりゃ、やれ」って言ってから、ユンボに向かったのさ。出来なくったって、
やらなきゃならない時もあるってモンだぜ。
 オレはユンボのエンジンを余熱させながら、散弾銃のタマを詰め替えたんだが、運転席は窓ガラスで囲まれてるから、
中からはガラスが割れねぇ限り、散弾を撃てネェだろうな。先に撃ったら、割れた窓から、奴等に引き擦り出されるのが
オチだからよ。
 おっと、何匹かが鉄門を越えて来やがった。・・・用意はいいか、姉ちゃんよ。付いて来なけりゃ、いくらオレだって
ここでおさらばだぜ。

616 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/08 22:02:13 ID:iM7ozbiJ
今週もきつかった。
時間が無くてヘロヘロな文章じゃ、お恥ずかしい限りだけど、取りあえずUPしとくな。
じゃ、また来週。・・・って、ホントに来週はダメかもな。

617 :本当にあった怖い名無し:04/10/09 21:55:35 ID:DL0barpA
ぐっじょぶおやじ
はやく学者先生とこ行けると良いな

618 :本当にあった怖い名無し:04/10/09 22:33:04 ID:qmXMse2h
おやじ乙
仕事もほどほどに頑張って

619 :本当にあった怖い名無し:04/10/09 22:48:52 ID:iBgWGWIl
おやじよく疲れをとってくれよ

620 :本当にあった怖い名無し:04/10/10 03:31:29 ID:4WcuxEUh
おやじってマジでおやじなのかな…
寒くなってきたから風邪には気を付けてな。

621 :本当にあった怖い名無し:04/10/10 16:25:52 ID:Wr2A3BIG
どなたか過去スレうpしてもらえませんでしょうか…?
仮保管庫にある過去スレは小さくて読みずらいんです
作品だけで読むより過去スレごと読んで臨場感を楽しみたいので…

ttp://rupan.zive.net/~kain/cgi-bin/upload/



622 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/10 21:55:05 ID:XZXkPhLl

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(11)

廊下は静まり返っている。
苦痛に満ちた悲鳴や、肉を切り裂き血を啜る音は、どうしたわけか、まったく
聞こえてこなかった。
血の匂いも、血で濡れた床も、この静寂に包まれた廊下にはない。
まるで教室での出来事が、ウソだったかのように思えた。
力の抜けた足を動かしながら、まるで夢遊病者のように歩く。
急に笑いがこみ上げてきた。
アレは、なんだったのか。
夢?
なんという現実感のない、バカバカしい夢なのだろうか。
化け物?
怪物?
くだらなくて、笑うしかなかった。
ふと足元を見ると、上履きが血の色に染まっていた。
わたしはクスクスと、笑った。
後ろを振り返る。
静まり返った廊下の向こうに、いつもの教室が見えた。
紅い色をした、わたしの足跡が点々と付いている。
わたしは笑い続けた。
その笑いは、止まらなかった。


623 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/10 21:56:59 ID:XZXkPhLl

職員室の前にある女子トイレから、年配の女性教師が出てきた。
ニヤニヤ笑っているわたしを、怪訝そうな眼で見ている。
「・・・クマ・・・カワ先生は・・・いますか・・・」
笑いながら、その教師に話しかけた。
「・・・え?ああ、職員室に・・・ちょっと、あなた!?」
彼女は、わたしの上履きと靴下を見て、驚いたように言った。
「なによ、コレ!?どうしたの!?」
廊下に点々と跡が残っている、わたしの足跡に気が付くと、彼女は職員室に行くよう
言うや否や、教室に向かって走っていく。
わたしはぼんやりと、職員室のドアを開けた。
先生たちは、みんなでテレビを観ている。
ぼうっと立っていると、そのうちのひとりが振り向いて、声をかけてきた。
「・・・なんだ?まだ残っていたのか?早く帰らないと、ダメじゃないか」
そのとき、ものすごい悲鳴が廊下から聞こえてきた。
「ぎゃああああ・・・・・・!!!!」
どうやらあの女性教師のようだった。
先生たちはテレビを観るのをやめて、みんな一斉に振り向いた。
「なんだ!?」
「いまのは誰だ!?」
担任のクマカワ先生は、わたしの顔を見ると駆け寄ってきた。
「どうした?帰らなかったのか?・・・いまの悲鳴はなんだ?」
「・・・あっ・・・あのっ・・・ひっ・・・わっ・・・わたしっ・・・」
ガチガチと歯が震えるわたしは、涙をこぼしながら、その場にへたり込んだ。


624 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/10 21:59:06 ID:XZXkPhLl

「これを飲みなさい」
椅子に座った放心状態のわたしに、温かい紅茶が差し出された。
「あなた、あの教室にいたの?・・・なにがあったのか、先生に話してくれる?」
英語を担当している若い女性教師が、わたしにやさしく話しかけてくる。
とはいえわたし自身、なにが起こったのか説明しようにも、理解できないことが
多すぎて、なにを話したらいいのか判らなかった。
そしてあの陰惨な出来事を思い出すことも嫌だったのだ。
「いいのよ、無理しなくて。紅茶でも飲んで、とりあえず落ち着きましょうか」
教室のなかを覗いてしまった、もうひとりの女性教師のほうは、完全に錯乱している
ようで、ヒステリックに泣き喚いていた。
彼女をなだめるように、わたし同様、先生がひとりそばについている。
クマカワ先生は、いまは教室の前におり、誰かが間違って入って来ないように、
見張っているらしい。
「ダメだ、繋がらない!」
警察に電話をかけようとしていた数学教師は、誰に言うでもなく苛立たしげに呟いた。
「しかたないですよ。いま日本中が混乱しているみたいですからね」
英語教師は、諦め顔で言った。
彼女はアケミの遺体を見ていないためか、とても落ち着いていた。
あの教室に行った何人かの男性教師たちは、そのあまりの酷さにショックを受けた
ようで、怒りをあらわにするか、震えて無口になるか、どちらかの反応を示していた。
そして犯人がまだいるかもしれないと、校長を始めとする先生たちは、ふたり一組に
なって興奮気味に(もしくはオドオドしながら)校内を巡回している。
だから職員室は、いまはがらんとしていた。


625 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/10 22:01:02 ID:XZXkPhLl

「おい、犯人はどこに行った!?あそこで、なにがあった!?」
電話をかけるのを諦めた数学教師は、わたしを厳しく問い詰めた。
「ちょっと待ってください。この子だって、ショックを受けているんですから。
そういうことは警察が来てから・・・」
英語教師に、数学教師は怒鳴り返した。
「その警察がアテにならないんだよ!電話が繋がらないんだからな!!
犯人がこのなかをうろつき回っているんなら、オレたちだって危ないじゃないか!
おい、せめて犯人の特徴ぐらい、教えろよ!」
どうもこの教師は、わたしが犯人かもしれないと疑っているようだった。
そのためだろうか、先生らしい言葉遣いではなく、普通の喋り方になっている。
見かねた英語教師は、わたしを間に挟み、数学教師と口論を始めてしまい、それが
申し訳なくて、わたしはまた泣き出してしまう。
そのとき職員室に、ふたりの教師が入ってきた。
「なんかあったんですか?廊下が、すごい匂いなんですけど・・・」
それを聞いて、現場を見てしまったもうひとりの女性教師も、再び大声で泣き出した。
「猟奇殺人犯が、2−2の女子生徒を・・・」
わたしを横目で見ながら、数学教師が説明を始める。
「いま、クマカワ先生が、教室の前で見張っているんですけど、いやあ、見ないほうが
いいですよ。アレは酷いもんですわ。生徒を素っ裸にして・・・」
「この子の前で、そういう話はやめてください!」
英語教師は、わたしの身を案じて、無神経な数学教師の話をやめさせようとした。
また険悪な雰囲気になっていく。
「あれ?クマちゃん、廊下にいたの?」
あとから来た先生たちは、首を傾げながら言った。
「わたしたちが階段から上がってきたとき、廊下のほうをチラッと見たんですが、
誰もいませんでしたけどねぇ?」

(・・・来週に続く)


626 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/10 22:05:44 ID:XZXkPhLl
>>621さん

にくちゃんねるか、ボランティアさんに頼めばいいと思うよ。
一応、にくちゃんで検索しといた。

ttp://makimo.to/cgi-bin/search/search.cgi?q=%83%5D%83%93%83r&andor=AND&sf=0&H=&view=table&G=%8E%D0%89%EF&G=%95%B6%89%BB

627 :621:04/10/11 00:20:51 ID:DCuhU2+g
乙です、前回よりどんどん怖くなってきましたね 先生のキャラが怖さを引き立ててるというか…今後の展開が楽しみです

>626
サンクス、にくちゃんで過去スレ探して、3を読んだんですけど4は無かったのでここでお願いした次第です。
すっごい良いところで終わってて、とても気になる毎日・・


628 :本当にあった怖い名無し:04/10/11 02:26:55 ID:9Z0FI74H
ttp://makimo.to/cgi-bin/search/search.cgi?q=%83%5D%83%93%83r&andor=AND&sf=0&H=&view=table&G=%8E%D0%89%EF&G=%95%B6%89%BB


629 :本当にあった怖い名無し:04/10/12 00:50:33 ID:HNm+FJXS
嗚呼…アケミ(´;ω;`)ウッウッ・・・

630 :本当にあった怖い名無し:04/10/12 01:16:05 ID:qQhNKAPQ
アケミは今もゾンビの腹の中に…

631 :本当にあった怖い名無し:04/10/12 16:07:13 ID:eGZD4+Op
また会えるよ

632 :本当にあった怖い名無し:04/10/12 18:37:23 ID:eAn8+6S4
がんばれ、おやじ。
これだけ続きが気になる連載は初めてだよ、マジで。

633 :本当にあった怖い名無し:04/10/13 09:56:04 ID:Ds/9sFIR
未完結の作品が多い…

634 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/13 13:35:29 ID:h8DRRSlC
>>633
公務員の悲劇なんだ、許してくれ(ノД;) 他の香具師は知らんが(藁

廊下の角に身を潜め、辺りを窺うレイン。
もはや「人間」と呼べる姿はどこにもなかった、ただ徘徊するだけの影があちらこちらにあるだけ。
もう逃げ出したのだろうか・・・いや、大半の人は・・・。 頭を振り脱線した思考を払う。
とにかくこれ以上病院にはいられないだろう、レインはベレッタのグリップを握り締め立ち上がる。
ズシャ・・・。 背後で音がする、即座に振り向くとバーン教授が、いや教授「だったもの」が歩いている。
「・・・教授。」
蒼白となった顔、今にもちぎれそうな腕、そして濁って焦点を失った瞳。
教授はレインの姿を確認すると、ア〜といううめき声と共に獲物を捕らえようと腕を伸ばす。
レインはベレッタを構えて眉間に狙いをつける、銃を扱うのは慣れていた。
ボーイフレンドの1人にガンマニアがいて、よく射撃場にご一緒していたからだ。
だが、「実戦」で銃を撃つのはこれが初めてである。
ポイントの付いた白い板ではなく、「本物」の的がそこにいるのだ。 手が震える足が震える、
常に冷静な言動をしているレインを知っている者が見れば、異様な光景に見えるだろう。
深呼吸を一回して息を止め、相手を見据える。 もうレインの瞳に迷いは無い。
そして頭の中で張り詰めた糸がプツンと切れ、トリガーを引く。
パン!


635 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/13 13:36:02 ID:h8DRRSlC
教授の額に穴が開き血が幾筋か流れ、そのままうつぶせに倒れた。
「・・・ハッ! はぁはぁ。」
止めていた息を吐き出す、再び震えがレインを襲う。
あちこちからうめき声が聞こえる、どうやら銃声で気づかれてしまったようだ。
無理やり足に力を入れて抜けそうな腰を曲げながら廊下を突っ切ろうとするが
突き当たり、すぐ横にある曲がり角、後方から近づく影。 気づけばレインは囲まれていたのだ。
足を止めて周囲を見回す、どこかに逃げ道は・・・。
その時、レインの目は消火栓を見つけた。 咄嗟にホースを取り出して腰に絡め、銃をハンマー代わりにして
窓を割るとそのまま5Fの窓から身を投げた。
ドン! 外壁に体をぶつける。 どうやらうまくいったらしい。
見上げると、飛び出した窓からいくつもの手や顔が飛び出してレインを見つめている。
これからどうすれば・・・。 見回すと足元に窓がある。
「位置的にこの窓は、薬品庫だわ。」
日に弱い薬品を守るために黒いカーテンがかかっている、間違いない。
ただ、この部屋の中がどうなっているのか、もしかしたらヤツらで埋め尽くされているのでは・・・。
しかし、もう残された逃げ道はここしかない。 覚悟を決めて窓を蹴破った。

636 :本当にあった怖い名無し:04/10/13 19:06:51 ID:Ds/9sFIR
>634-635
乙です。 滅相もないです。せかしているわけでは無いので、ゆっくりと最後まで書いてくださいな〜


後、レインたんはブロンドでいいんですよね?ブロンズは青銅…

637 :本当にあった怖い名無し:04/10/13 20:10:24 ID:kuctr93I
聖闘士なんだよ。きっと。

638 :本当にあった怖い名無し:04/10/14 02:38:04 ID:ZHBg9iSR
ベレッタが出てくるだけで妙に興奮するぜ

639 :本当にあった怖い名無し:04/10/14 03:38:03 ID:mh2mwxoP
ブロンズ:青銅のような茶褐色。暗い赤みの黄色。
青銅色:年月を経た青銅器が呈する彩度の低い緑色。

ヘアカラーでも、数種類のブロンズが存在しているよ。
ブロンドと素で間違ってる人も多いのでなんともいえんけど。

640 :コンバット:04/10/14 05:05:17 ID:sN+wHSsy
すみませーん!ラーメン かゆうまで!
すみませーん!かゆうまカタメンで!

641 :本当にあった怖い名無し:04/10/14 11:52:30 ID:UhYnK7Ps
悲観して自決

ゾンビとして襲う側に

(゚Д゚)ウマー

642 :本当にあった怖い名無し:04/10/14 13:11:05 ID:wezMuMbg
>>639
そもそもカッパーと混同したせいだろ

643 :本当にあった怖い名無し:04/10/14 14:37:47 ID:dQSo8lhy
レインはブロンズって言うお笑いユニットの一人だよ?

644 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/16 12:27:13 ID:vKTMlbMb
 奴等が跳びついてくるのと、ユンボのエンジンが掛かるのがほとんど同時だったな。・・・オレは、何匹かのゾンビ野郎を
ユンボで引き摺りながらも、ダンプの近くに移動したのよ。
 前にも言ったが、このユンボには解体用のフォークグラップルが付いてるから、カニの大鋏で奴等を挟み潰してやることも
出来るんだ。
 それで、姉ちゃん達が乗るダンプに群がってた、ゾンビ野郎を何匹か纏めて挟みこむと、胴体のところで上と下に
別けてやった。・・・けど、奴等はそんな事じゃ簡単にくたばらねぇ。上半身だけでも這って動きやがるから、面倒でも
キャタピラのスタンプを、その顔に押しつけたのさ。
 敷地内に入り込んで来る奴らは更に増えて、いよいよやばくなってきた。オレは何匹かのゾンビをキャタで踏み潰し
ながら、フェンスの方に向かったんだが、野郎が一匹、とうとうユンボのエンジン部分に取り付きゃがった。
 ユンボのエンジンってのは、運転席のちょうど後ろ側に有るモンで、気がつかねぇうちに這い上がられたのさ。
 それで、オレは、アームを旋回させながら、振り落とそうとしたんだが、ユンボは中心に行くほど遠心力が弱いから、
エンジンの上じゃ、簡単に落ちやしねぇ。
 後ろの奴に気を取られてるうちに、更に何匹かに囲まれちまって、にっちもさっちも行かなくなっちまったけど、こうなったら
破れかぶれだ。
 オレはユンボをバックさせながら、後ろのフェンスに体当たりした。・・・その衝撃で、ゾンビ野郎を叩き落とすのに
成功したし、ついでにフェンスを半分ほどぶっ壊したから一石二鳥って言うモンだ。
 ユンボのフォークでフェンスの金網を引き千切って、ダンプが通れるぐらいに広げると、ホーンのスイッチを押して
姉ちゃんに合図を送ったぜ。
 ・・・姉ちゃんも踏ん切り付けたらしい。ガクガクさせながらもダンプを発車させたから、オレもホッとして、そのまんま道路に
ユンボを進めたのさ。
 けどよ。・・・ゾンビ野郎御一行様は、オレの到着を心待ちにしてたらしい。向こうの方から、がん首並べて、オレの
ユンボに迫って来やがったのよ。

645 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/16 12:29:57 ID:vKTMlbMb
 嫌なモン見ちまったが、ここで逃げたら男がすたる。オレはユンボのギアをトップの3速に入れて、思いっきり
前進させた。
 トップって言っても、時速は4キロぐらいしか出ねぇから、キャタの餌食になる奴は、そんなに多くは無かったな。
2〜3匹は踏み潰したが、後の奴等はユンボの周りを取り囲んで、這い上がろうとしやがるのよ。
 この状況じゃ、止まったら負けだろ。それでオレは、ユンボを前進させながら、アームを左右に振って運転席に
取り付かれねぇように操作したのよ。
 解体仕様の強化アームが唸りを上げて、何匹かのゾンビ野郎を薙ぎ倒したんだが、そんなことぐらいじゃ奴等は
へこたれネェ。
 ダンプ運転する姉ちゃんも、半べそかきながら、何とかユンボについて来たけど、ゾンビ野郎との団体行動だから、
オレが向こうに乗り移れなくて、あっちも奴らに囲まれる一方だ。
 そのうち、ユンボのアームの向こう側にハゲ頭のゾンビ野郎が一匹、這い上がってきやがった。
 オレはアームを前後に振って、振り落とそうとしたんだが、野郎は馬鹿力があるらしく、そのアームにしがみ付いて、
こっちに近づきやがる。
 オレも焦ったけど、運転席からじゃ、レンチでぶん殴れねぇから、歯痒いモンさ。
 そしたら、奴は、左のウインドウに、真っ黒い顔を押し付けながら、毛の無ぇ頭でヘッドバットを食らわしてきた。
 窓ガラスが何時まで耐えるか判らねぇ。それに、奴の頭突きで頭の油だか、血だか知らねぇモンが、強化ガラスに痕を
残しやがるから、こっちも胸クソ悪くなってきた。
 これでもかって、ユンボを左右に回転させたんだが、アームが、道路脇の生垣やブロック塀をぶっ壊しただけで、
野郎は下に落ちやしねぇ。
 そのうえ、奴の20数発のヘッドバットが効いたのか、強化ガラスにヒビが入って、いよいよやばくなって来た。
 オレはガラスが割れたら、すかさず散弾銃を使うつもりで、アームを操作しながら、銃に手を伸ばしたのよ。

646 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/16 12:35:01 ID:vKTMlbMb
 次の一撃で、遂にガラスが割れて、野郎の汚ねぇ顔が運転席に、飛び込んできやがった。
 オレは、奴がこっちを引きずり出す前に、大きく開いたそいつの口に、散弾銃の銃口を突っ込んで、思いっきり引き金を
引いてやったぜ。
 おかしな体勢で、散弾銃を撃ったから、手首や肘が痛くなっちまったが、野郎の後頭部が、きれいさっぱり無くなって、
チョッとだけ残ってた、奴の後頭部の髪の毛も吹っ飛んだから、これでさっぱりスキンヘッドよ。
 その野郎は、運転席の床に首だけ突っ込んで、ぶっ倒れやがって邪魔たから、オレは足で蹴って下に落っことしながら、
更にユンボを前進させた。
 そんなことしてるうちに、ユンボとダンプはゾンビ野郎御一行様を引き連れて、大通りに進出したのよ。・・・片側2車線
あるから、ダンプが追いついてこられるってモンだろ。
 オレは、ユンボで追い越し車線を走りながら、向こうのダンプに飛び移ろうと思って、レンチをつっかえ棒にして、
フットペダルを走行状態に固定した。
 そんでオレは、割れた窓から首を出して、ダンプの姉ちゃんにユンボの側に来るように合図を送ったんだが、ゾンビ野郎が
間に居るんで、簡単には近づいちゃ来れねぇみてぇだ。
 けど、オレがやろうとしていることは、姉ちゃんにも判ったみてぇで、ダンプがグイッと加速して近づいてきた。
何匹かのゾンビ野郎が、ダンプのタイヤの餌食になったのはいいが、姉ちゃんは引きつったような目つきのすごい形相で
こっちを睨んでる。・・・よっぽど怖ぇえんだろうなぁ。
 オレは割れたサイドのガラス窓をくぐって、ユンボのボディの上に移ると、ゾンビ野郎に気をつけながら反対側に回って
飛び移る用意をしたのよ。
 ダンプが、周りの野郎どもを引き擦りながら近づいてきた。・・・ちょっとでもタイミングを誤れば、下に落っこちて、
タイヤの餌食か、奴らの腹の中だ。
 オレは必死の覚悟でユンボの上から、ダンプの運転席の後ろ側に取り付けられてる、荷台点検用の梯子にジャンプした。

647 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/16 12:36:29 ID:vKTMlbMb
ちっと遅れちまったが、やっと書いたぜ。
仕事の合間に書いてるから、ちっとも先に進まねぇよ。そろそろスピードアップするかな・・・。
だんだん寒くなってきたから、お前らも体に気をつけろよ。
じゃまた来週な。

648 :本当にあった怖い名無し:04/10/16 12:42:19 ID:cRInI8Ig
おお、おやじ乙。

649 :本当にあった怖い名無し:04/10/16 13:43:10 ID:yZdtla+j
おやじ乙。風引かないでね

650 :山、早朝 ◆dve/1Ebaqs :04/10/16 20:48:36 ID:mxm/q+vA
 山水豊富な庭のもたらす涼気も、増すばかりの暁光の前に退きつつあった。
 雀たちのさえずりと蒸した空気に眠りから呼び覚まされて、私は目を開いた。
 額の汗を拭い、壁にかかった時計を見上げる。
 まだ時間に余裕がある。
 ……もう少ししたらシャワーを浴びて、店の掃除をしよう。棚は揃えてあるから、ほかにやることはない。いつもよりゆっくりできる。
 私は慣れ親しんだ店の様子を思い浮かべながら、頭の中で書棚の確認をした。
 こじんまりとした薄暗い古書店。新古書店と呼ばれるリサイクル屋に比べれば品数は少ないが、他では手に入りにくいものを揃えてある。
 単に絶版したものだけでなく出回った部数の少ないものや不定期に刊行された全集など、足で探し回る本好きのための品揃えだ。
 出版社の倉庫や亡くなった本好きや作家の資料集、残念ながら店を閉めることになった書店の在庫。
 叔父はそういった放っておけば廃棄されてしまう本たちを集めて回っている。
 必然と店は留守がちになる。だから店番を引き受けた。
 客のいない時は手当たりしだいに本を読み、また近所のなじみの客たちあいての雑談に花を咲かせた。
 店にはテーブルといすがあり、大抵常連たちが茶菓子を持ち寄って静かな時を過ごす。
 緩やかに流れていく時を楽しむ店であり、私にとっては壊れかけた心を癒す場所でもあった。
 ……でも暑いな。この分だと店の空調が壊れているのかもしれない。店を開ける前に連絡しないと。
 本は湿度や温度の影響を受ける。直射日光などもってのほかだ。だから本たちの書棚で新たな主を待つまでの眠りを妨げぬよう、空調には気を使っている。
 もう一度時計を見る。壁にかけられた時計は古びていかにも時代を感じさせるが、振り子の音は心地よく何より正確だ。

651 :山、早朝2 ◆dve/1Ebaqs :04/10/16 20:50:05 ID:mxm/q+vA
 ……振り子時計?おかしい。そう言えば朝はいつもデジタルの目覚し時計を見ていたはずだ。
 ようやくぼんやりとした寝起きの頭に、昨夜までの記憶が広がり始める。
「――そう言えば里帰りしていたんだった」
 三年前まで、ずっと過ごしていた部屋は何の代わりも無く、ゆえに何の違和感も感じさせずに過去へと私を引き戻していた。
 私、か。昨日、姉の前では自然と「ぼく」と言っていた。
 何時の頃からだろうか、自分のことを私と呼称するようになったのは。
 眠りの残滓をこびりつかせて重い頭は、取りとめも無いことを思うのに向いているのかもしれない。
 駅、蝉時雨、小道、影法師、姉さん、屍人、穢れ、姉さん、禊、滝、姉さん、裸、影法師、小麦色の肌……
 昨日のことを思い出そうとしたが、もっとも記憶に残っているのは喧嘩友達で幼馴染で従姉の裸体だった。
 恐ろしい幻覚を見て、化け物に襲われ、黄泉の穢れをなすりつけられたというのに、何より印象に残っているのがそれだとは。
 股間の痛みと疼きがなんとも情けない。
 あの後家に帰るなり、私は深い眠りに襲われた。
 心の疲れが体にも影響していたのだと思う。
 従姉妹たちの心配する顔が昨晩最後の記憶だ。
 それにしても暑い。だが洗面所で汗を流そうにも、治まるべきものが治まっていないままでは下手に廊下をうろつくわけにも行かない。
 とくに狭霧姉さんに見られた日には、握りつぶされるかもしれない。
 私は熱をもった布団を蹴り飛ばし、敷布団の上で転がって平静に戻るのを待つことにした。
 私、か。何時からだろう、ぼくから私へと変わったのは。

652 :山、早朝2 ◆dve/1Ebaqs :04/10/16 20:58:42 ID:mxm/q+vA
 たぶん物事を傍目で眺めるようになってからなのだろう。
 落ち着いて物事を見極める。それにはまず筋の通った思考経路を要する。そのためには第三者からの視点で観察することが適している。ゆえに「私」という呼称のほうが使いやすい。
 そんなところだろう。
 自己を省みることで思考を理に傾かせて、屹立したままの厄介者を自然へと戻そうとする。
 だが、物事は悪いほうへと動くものらしい。
 廊下から誰かが近づいてくる。
 一瞬昨日の怪魔を思い浮かべたが、徐々に大きくなる足音と会話で従姉たちだと分った。
「だからさー、あいつ昨日は大変だったんだから寝かせてやれよ」
「大変だったからこそ様子を確かめないと。大体あなた一人だけなんだから。昨日直ちゃんと話していたのは。ずるいと思うわ」
 片方は昨夜褐色の肌を見せてくれた狭霧姉さんだ。もう一人もすぐわかった。次女の狭霧姉さん相手にたしなめるように話せる女性はたった一人の姉だけだ。
「だったら早く帰ってくればいいだろ?ずるいも何もあたしだけがあいつの時間に合わせたんだから、その分話せるのも当たり前だ」
「その言い方はないと思うの。たまたまあなたが偶然暇をもてあましていたときに直ちゃんが来ただけであって、それで一人だけ仲良くお話をするのは正当化されないと思うわ」
 気のせいか二人の足音がどんどん大きくなってくる。
「正当化も何も、あたししか家にいなかったんだ。思い出話で盛り上がってどこが悪い」
「独り占めした挙句に連れ出すのも思い出話なの?暗くなっているのに連れ出すなんて直ちゃんに何かあったらどうするつもりだったの?」

653 :山、早朝、長女次女 ◆dve/1Ebaqs :04/10/16 21:00:23 ID:mxm/q+vA
 気のせいでもなく、二人の足音のテンポが確実に上がっている。なぜか話し声も一足事に高まっている。
 部屋の前に着いたときには、そろって競歩並に歩を早めていた。
 障子に二つの人影が浮かんだかと思うと、遅滞無く左右均一に開いた。
 左を引いたのは次女の狭霧姉さん。右を引いたのは長女の狭立姉さんだった。
「「おはよう」」
 朝の挨拶も双子のように揃っている。
「お、おはよう」
 寝起きのかすれた声で返事する。
 何とかタオルケットを腰にかけて、朝特有の生理現象をごまかす。
「直ちゃん、体の方は大丈夫?」
 狭土姉さんが顔色をうかがいながら隣に座り、心配したように形の良い眉根を寄せて繊指を私の額にのばす。
 額に当たる指先が熱を吸い取り、懐かしさを伴った心地よさを生み出す。
「少し熱があるみたいね。直ちゃん冷房が好きじゃないからこの部屋は昔のままにしてあるけど、熱が下がるまで私の部屋で寝起きした方が良いわ。ドライで運転しておけば冷房病にもならないと思うから」
 じっと瞳を合わせて額に指を当てたままで問いかける。その声は昔のまま優しくて知らずに頷きそうになった。
「直毘!お前子供じゃないんだからさ、自分の体ぐらいちゃんと管理しなよ。細い腕してさ、運動もしてないんだろ?とりあえずあたしが鍛えてやるよ。冷房なんて浴びてばかりだとどこかのだれかみたいに肉つくぞ」
 懐かしい会話だった。昔からこの二人は何かと張り合っていた。
「あ、あのさ。着替えたいから、ちょっと部屋から出てもらえるかな」
 空しい抵抗を試みる。左右を憧れていた女性二人に固められ、しかも薄着で良い匂いまでしている。危険だ。
「何言ってたんだ。汗も拭かないで着替えたら風邪をひくぞ」
「そうよ。昔みたいに汗疹になっちゃうでしょ。汗を拭いて汗疹用のお薬塗ってあげるから」
 二人は張り合うとどこまでも競い合った。そしてその被害者は常にボクだった。
 二人の手がタオルケットとシャツにかかったとき、ボクはため息をついてそのあとの惨劇を覚悟した。

654 :直毘篇朝の風景 ◆dve/1Ebaqs :04/10/16 21:08:17 ID:mxm/q+vA
というわけで久しぶりの続編、直毘編の続きちょこっとです。
このあともうちょこっと書いて早朝編が終わったあとで本編のゾンビ遭遇編の予定です。
とりあえず書く気と時間が折り合いがついているので、今のうちに書きためて尚也編の続きも書いていかんと。
んではまた明日。

655 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/17 01:57:44 ID:sb7bhPW7
もう何とでも言ってくれ〜レインの髪はアナタ達の想像の中でビダルサスーンが
ハーバルエッセンスのサスーンクウォリティなんですよ。

あまりにも突然の出来事にヒースは目を見開いたまま硬直していた。
何かが窓ガラスを突き破ってきたのだ。 ゴソっとそれは立ち上がった。
「な・・・何だ?」
「ふぅ、良かったわ、運がいいみたい。」
周囲を見渡してレインがつぶやく。
「キミは?」
「レイン・ファレイヤード、『元』実習生です。」
「あぁ、キミが・・・ほぅ、ウワサ通りなかなかキュートだな。」
いまだに爆発しそうな心臓をおさえてヒースは冷静を装う。
「あなたは?」
「俺はヒース・ティンサー、次の君の担当医者の予定だったが残念だ君が研修に来るのはかなり先のようだな。」
互いに皮肉を言い合いながらも、2人の自己紹介が終わる。
「ヒース教授、ケガはありませんか?」
「いや、どうしたんだ?」
「いえ・・・」
レインはヒースの隣に座り込むとラジオを取り出して電源を入れた。

656 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/17 02:19:41 ID:sb7bhPW7
「・・・。」
ラジオが告げる真実、ヒースは信じられないといった感じで聞き入っている。
レインは部屋の隅にあるナップザックを見つけると、ポシェットの中身を移す。
弾を移し、銃を取り出す。 ヒースはふとそれを見て言う。
「かなり大型な銃を持っているな。」
レイジングブル8.375インチ454カスール仕様。
「ええ、この銃の威力なら急所を外しても着弾すれば血液が逆流してショックで殺せるわ。」
シリンダーをカチャッと取り出し、再び戻して続ける。
「・・・普通の生き物ならね。」
「ヤツらには?」
「まだ・・・。」
レインは先ほどの事を思い出す、バーン教授を撃った時の心の衝撃。
例えあれが敵で死者だとしても、やはり心にだかまりが渦巻く。
「私はこの銃が撃てるのだろうか・・・。」
ヒースはハハッと小さく笑いをこぼした。
「お前のその細い腕じゃ、無理だろ。」
ヒースの視線がナップザックのベレッタとレインの手のレイジングブルを行き来する。
「しかし、どうしてお前がそんな物騒なものを?」
「バーン教授の部屋から・・・。」
あぁ、とうなづく。 ヒースは狂人並のガン狂いで有名な教授の名を聞いて納得した。
「そういや、あいつは腕をケガしてたな・・・。」
ラジオの情報が確かなら・・・
「私が撃ったわ。」
レインはポツリとつぶやくと使えそうな薬品をナップザックに詰め込みだした。

657 :本当にあった怖い名無し:04/10/17 02:56:27 ID:SFfAZMKC
作者さん、大量発生!

地道に活性化してきましたね、数スレ前から見てる者としては嬉しい限りです。

作者のみなさんがむばって下さい!

658 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/17 02:59:50 ID:sb7bhPW7
女子供が撃つと肩が外れるとまで言われる44マグナム。
「女」で未成年の「子供」であるレインの手には44マグ以上の威力を持つ銃。
ヒースはハァとため息をついた。
「その時、部屋にはバーンとお前しかいなくて、銃や弾丸もいくつかあったんだったな?」
レインはコクリとうなづく。
「何でまた・・・。 お前、頭いいんじゃないの?」
それはレインにも分からなかった、あの時この銃を手にしたとき『なんとなく』『強そうだから』とは違った感じを
受けた。 何事にも打算的だったレインにとって、今思えば不思議な事だった。
「何なら、俺が使わせてもらおうか? 丸腰じゃやってられないしな。」
すると、レインはベレッタを取り出してヒースに差し出した。
「おいおい、別に弾数多いからじゃなくて、お前がそれを・・・」
「大丈夫、最初は怖かったけど、どうにかなりそう。」
ヒースは頭に?マークを浮かべながらベレッタを受け取る。
「さてと、どうする?レイン。 いつまでもここにいられないだろ。」
レインは今後の事を考え出す。 次にとる行動は・・・

1:病院を突っ切って、正面からヒースの車で脱出。
2:危険を避け病院の壁やパイプを伝って裏から脱出。
3:もうしばらくラジオの情報を仕入れて考える。

ここからレインの行動は666さんの発言で決めます。
では、おやすみなさいませ。


659 :本当にあった怖い名無し:04/10/17 04:01:54 ID:CCDR77ms
銃が出てくると燃えるよ!

660 :本当にあった怖い名無し:04/10/17 13:03:06 ID:XOWlmnDF
>>666は何も言わないぜ

661 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:13:00 ID:qN8eKQXT

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(12)

「ところで警察には、もう連絡したんですか?」
「いやあ、それが電話が全然繋がらなくって、ホントまいりました・・・」
「ああ、ホラホラ。例の暴動騒ぎの影響ってやつですよ」
「高い税金を取っているワリに、こういうときには役に立たないんですからねぇ・・・」
教師たちは、どこか他人事のように笑いながら話す。
つけっぱなしになっていたテレビは、ヘリコプターからの実況を流していた。
煙が立ち昇っている東京を眼下に、フジテレビの女性アナウンサーが絶叫する。
「見てください!暴徒です!暴徒の群れが、国会に向かって歩いています!」
昨日までとはうって変わって、あからさまな煽り調子の報道になっていた。
画面はいきなり切り替わり、国会議事堂が映し出された。
「えー、こちら国会正門前です。国会前から、中継でお送りいたしております。
先ほどから何度もお伝えしておりますが、感染した暴徒の群れが、国会周辺に押し
寄せて来ることが、ほぼ確実となってきているようです。
現在、ここ国会では、与党と野党が自衛隊の出動を巡って、激しく・・・
あーっと、増援された機動隊のバスから、隊員たちが次々と降りてきています。
国会周辺に配備された機動隊の・・・えっ!?ちょ、ちょっとこれ、全員武装してるの?
ええ〜っ、ホントにいいんですかぁ、これぇ〜?ほら、カメラさん、撮って撮って!
ここは日本ですよぉ〜?これは問題だなぁ・・・カメラ、ちゃんと撮れてる?」
現場実況している男性アナウンサーは、興奮しているのか、すっかり素に戻っていた。
強化プラスチックの盾とプロテクターに包まれた機動隊員は、全員拳銃を携えていた。
このとき常設の機動隊と臨時編成された方面機動隊(第二機動隊)、それと総理大臣
官邸警備隊からも応援が駆けつけ、国会正門前だけでも300名近い隊員が集結し、
周辺を警備するすべての部隊を含めると、総勢800名を超えていた。
機動隊員は38口径回転式拳銃「ニューナンブM60」や、新型の「S&W−M37 エアー
ウエイト」で武装しており、官邸警備隊のなかには自動小銃まで携帯している者も
いるようだった。
「官憲横暴だ!!」
テレビを観ていた先生のひとりが叫んだ。


662 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:15:05 ID:qN8eKQXT

屍人たちには、視力や聴力といった感覚がないと言われている。
では彼らはどのようにして、外部の情報を収集し、認識しているのかというと、これが
まったくの不明なのだそうだ。
多くの科学者たちが研究していたにもかかわらず、その腐敗した体が動き回る仕組みや
行動原理、人間から屍人に変異するウイルス等、解明できない点がほとんどだった。
とはいえ屍人が生きている人間を捕食するため、なんらかの探知能力があるのは紛れも
ない事実だと思う。
現に国会に集まった屍人たちは、なかにいる政治家たちを狙っていたらしい。
早朝、霞ヶ関に数千人規模で集まっているのは国会議事堂ぐらいだったため、屍人が
そこへいっせいに集中した、という分析もある。
しかしほかの人間たちには目もくれず、国会に向かっていた屍人の群れが数多く目撃
されたことから、そういう目的が最初からあったのか、もしくは政治家という人種の
肉が屍人たちの好物だったのではないか、という噂ものちに出回ることになる。
いずれにせよ派遣された機動隊が、警棒や催涙弾ではなく、拳銃を装備していたこと
から、政府のなかでも一応、ある程度の危機感を抱いていたことが伺える。
そのとき、わたしは信じられないものを見た。
「ここにぃ〜、結集されたぁ〜、すべてのぉ〜、労働者〜、感染者〜、諸君!!」
スピーカーから出るがなり声とともに、さまざまな色の旗を掲げたヒトたちが、屍人の
群れに合流して、国会へと行進を始めたのだ!
「われわれはぁ〜、本来病人たる諸君たちを〜、テロリストと称し〜、親米軍拡路線を
企てる〜、国家権力に対し〜、断固たる意志を持って〜、街頭実力闘争を開始するべく〜、
感染者諸君らと共に〜、共闘路線を構築し〜・・・・・・」
国会に向かう屍人たちの群れに、青春時代を安保闘争で過ごしてきた自分たちの姿を
重ね合わせた人々が、悪乗りしてデモ活動を始めたようだった。


663 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:17:08 ID:qN8eKQXT

向かい合う機動隊も、スピーカーで応戦する。
「あー、あー、こちらは警視庁の第一機動隊隊長のオオムラ警視正です。
デモをしている方々に警告します。危険ですので、ただちにここから離れてください。
警告、午前10時12分、警視庁オオムラ警視正。以上」
最後に時間と名前、そして役職を言うのは、相手が権力の乱用だとかなんとか、裁判を
吹っかけてくるため、たしかに事前警告をしました、という証拠を残しているのだそうだ。
そんなわけの判らない牧歌的な光景のなか、ヘルメットと手ぬぐいで顔を隠し、角材を手に
持ったデモ隊らしき人たちも、負けじと元気よくスピーカーで返答する。
「うるせぇ〜、この犬百姓がぁ〜、中卒低学歴が偉そうにぃ〜、吠えるなあああ!」
「あー、あー、こちらは警視庁の第一機動隊隊長のオオムラ警視正です。
繰り返し警告します。危険ですので、ただちにここから離れてください。
警告、午前10時13分、警視庁オオムラ警視正。以上。
・・・あー、なお、わたくしは東大を卒業しております。
それから、わたくしの父は、銀行の頭取をやっておりました。訂正を願います。
午前10時13分、警視庁オオムラ警視正。以上」
双方から笑い声が漏れた。
「懐かしいなあ、オレも昔、70年安保で国会に行ったことあるよ」
「ナンセンス、ナンセンスw」
「君が代なんか歌ってやらんぞ、この反動勢力の手先めw」
テレビを見ている先生たちも、腕を組みながら笑っていた。
わたしの友達が無残にも殺されたのに、この緊張感の無さはなんなのだろうか。
暴徒たちが国会議事堂まで押し寄せているのに、政治家や警察やマスコミ、そしてデモを
やっている人たちは、本当に大丈夫なのだろうか、と子供ながらに心配するわたしだった。


664 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:19:03 ID:qN8eKQXT

「シュプレッヒィ〜〜!コォォ〜〜ル!!」
「安保〜粉砕〜!!闘争〜勝利〜!!」
「世界〜〜同時革命〜〜、ばんざ〜〜〜い!!」
聞いたこともないようなスラングが街中を飛び交い、道幅いっぱいに広がったおじさん
たちは、ジグザグを描いて楽しそうに行進を始めた。
迫り来る屍人とデモ隊の連合軍に対し、機動隊はあわてて威嚇射撃をする。
PAM!PAM!と、運動会で使われる「用意ドン」のピストルのような軽い音が、青空に
向かって晴れやかに響き渡った。
だがデモ隊は見透かしたように、平然と行進を続けていく。
彼らの何人かは、火炎瓶を次々と投げつけ、それが機動隊の盾にぶつかり燃え上がった。
やはり生身の人間を撃つことに抵抗があるのか、機動隊側は大慌てで持ってきたガス筒
(ガス銃と呼んではいけないそうだ)で催涙弾を撃ち、周囲がたちまち白煙に包まれた。
激しく咳き込みながら、フジテレビを始めとする、各マスコミのカメラマンたちは、
プロ根性丸出しで、興奮しながらデモ隊と機動隊の小競り合いを撮っている。
この光景を実況していた若手アナウンサーも、メガネを取り、眼と鼻をハンカチで
押さえながら、必死で喋り続けた。
「すごい煙で・・・ゲホッ・・・え〜、ただいま、機動・・・ゴホゴホ・・・ゲホゴホ・・・」
スタジオの中年人気キャスターは
「おいおい、大丈夫かよ、おいw」
と苦笑交じりの合いの手を入れる。
悲劇はこのときに起きた。


665 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:21:07 ID:qN8eKQXT

デモ隊は屍人たちの盾のような形で展開しており、前に機動隊、後ろには屍人の
群れ、といった状態で彼らに挟まれるような位置にいた。
催涙ガスはかなり苦しいらしく、行進は止まり、みんな後ろのほうに逃げていく。
だがそこは、牙を剥いた屍人たちが口を開けて待ち構えている、狩場だったのだ。
周囲は白煙でよく見えないものの、ひとり、そしてまたひとりと、彼らの餌食に
なっていき、絶叫が聞こえてきた。
デモ隊は年配者たちばかりだと思っていたが、映像をよく観ると、なかにはかなり
若い男女が、混じっているようだった。
ヘルメットやタオルで顔を隠していない、ごく普通の格好をしていたので、最初は
ただの見物人かと思っていたのだが、英語で書かれたカラフルなプラカードや垂れ幕を
手に持っていたので、たぶんデモ隊の仲間だったのだろう。
デモの端っこにいた彼らも、ついには凶暴な屍人たちに襲われていく。
どこかで見たような気がする、髪の短い三白眼の青年は、煙のなかから伸びてきた
大きな腕に首根っこを掴まれるや、そのまま身体ごと引き込まれてしまった。
その横を、ピンク色の水着を着た女性が、泣き声をあげながら血塗れ姿で走って来る。
フジテレビの若手アナウンサーが、今のお気持ちは?と咳き込みながらマイクを向けた。
彼女はピンク色が好きなのか、ピンク色の傘を振り回しながら、
「噛みつくなんて、ちょ〜〜信じらんない!あいつら、ケダモノよ!」
と腕の傷口をカメラに見せながら泣き叫び、その場を走り去って行った。
パニックになったのは、機動隊も同じだった。
自ら撒いた催涙弾の白煙で視界が封じられ、なおかつ煙のなかは屍人とデモ隊が
入り混じっており、通常の人間に弾が当たってしまうことを恐れた隊員たちは、拳銃を
使おうにも使えない状況下に陥っている。
放水車が配備されていないためか、そのぶん武装を強化したのが裏目に出てしまい、
発砲することをためらう者が多かったようだ。


666 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:23:09 ID:qN8eKQXT

>>658

4:空を飛んで脱出する。

      ゴオーーーーーッ
     ゜     ゜  。
   ゜。 ゜////。  ゜
    /′::::::::/_∧  あひゃひゃひゃひゃ・・・        .
   /::∧∧::::::::ノ ::=___ _____ ‥.‥
  ⊂(゚∀゚⊂⌒二つ:::::≡:::≡ ̄::::: ::::::::::::::::″.… ..….
   \::::::::::: ̄::::::/″ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ¨.….
    `\√ゴオーーーーーッ
      ′。 ゜ ゜   。
      ゜。 ゜// //。  ゜
       /′::::::::/_∧   あ〜ひゃひゃひゃひゃ・・・     .
      /::∧∧::::::::ノ ::丿___ _____ ‥.‥
     ⊂(゚∀゚⊂`つ≡≡≡::::: ::::::::::::::::″.… ..…. ..….
      \:: :::: :::::::::::/″ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ¨.….
       `\√ズゴオーーーーーッ          ..….
        ゜。 ゜。 ゜ ゜   。
          ゜     ゜ 。


667 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:25:10 ID:qN8eKQXT

「・・・しかたがない、発砲を許可する!・・・ああんっ?上への連絡が、なんだって?
一般人に当たるかも、だとぉ?この状況で、報告もクソもあるか!?オレが許可する!
発砲だ!!発砲しろ!!・・・おい、なにをしてる?早く、撃てよ!撃て!撃てぇ!!
・・・撃っていいんだってば!撃ち殺せよ、おまえら!!撃てってばよぉ〜〜!!
・・・なにっ?煙が濃くて前が見えない、だと?
誰だ!?あんなにいっぱい、催涙弾を撃ち込んだバカは!?
・・・えっ?・・・マイクがどうしたって・・・あっ!! 」
スピーカーのおかげで、秘密の会話がまる聞こえになっていた。
「あー、あー、こちらは毎度おなじみ、警視庁の第一機動隊隊長のオオムラ警視正で
ございます。ただいまの会話は、マイクのテストでございます。
ただのジョークでございます。けっして越権行為ではございませんので、
裁判所の方々は、くれぐれも誤解をなさらないように、お願い申し上げます。
午前10時・・・ぎゃあああっ・・・・・・!!!!」
スピーカー越しに、すさまじい絶叫が聞こえてきた。
もはや催涙弾の白煙どころではなく、周辺一帯は霧のようなもので覆いつくされ、
テレビの画面もモヤでまったく見えない有様だった。
スタジオは、実況班を呼びかける声でパニックになっていた。
「おい、もういいよ!早く逃げろって!・・・聞こえてるか?お〜い!」
「お願い!もうやめて!逃げて!早く逃げて!」
しかし現場のスタッフたちは、霧に包まれて方向感覚が失われているようだった。
「えー、ちょっとマイクが聞こえ・・・えっ、ちょっと、あなた、なに・・・ぎゃっ!!」
音声はいきなり掻き消えたが、画像はまだ送られてくる。
やがて霧のむこうで、ゆらゆらと揺れる人影がカメラの前方に立ちふさがり、何本も
手が伸びてきたその瞬間、映像はブツッと途切れてしまった。

(・・・来週に続く)


668 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/17 23:28:07 ID:qN8eKQXT

つーわけで、ダリオ氏よ。
ここはひとつ、「空を飛ぶ」で頼んだぜ!
ちなみにここだけの話だが、玉を捜せば、
なんか良いことがあるかもしれないらしいよ。

669 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 00:08:15 ID:nyqJcPAZ
すげー展開を期待しても良いのだろうか…?

670 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/18 00:47:50 ID:Hm6O89ok
「たいしたもんだな。時間を稼いでやるから先に走れ」
 一人生き残った男が、大口径の銃を構えながら背後の路地を指差した。
「とりあえずまっすぐ行け。路地を抜けると川に突き当たる。そこから逃げられる」
 爬虫類顔の男は腰に下げた円筒形の物体からピンを抜きながら、先に行くよう促した。
「日向、行くぞ」
 腰のナイフを抜き、尚也は薄暗く狭い路地へと歩を進めた。
 少女は殿を買って出た男に不信の眼差しを向けたが、尚也の判断に従うことにした。
 見晴らしの良い広場では、跳躍を得意とする異形に抗する術はないと判断したからだ。
「先に行く。援護を頼む」
 左右のビル壁に窓が無いことを確認すると、無人の路地を身を低くして壁に沿って駆けだした。
 日向は三メートルほど距離をとり、青年とは向かい側の壁際を並走する。
 二人が路地を駆け出したのにわずかに遅れて、背後から激しい閃光とともに爆発音が鳴り響いた。おそらく円筒形の物体は警察からでも持ち出した閃光手榴弾だったのだろう。
 続けて鳴り響く銃声に押されるように、二人は薄汚れた路地を駆け抜けていく。
 平時において人気のない場所には、屍人たちも立ち寄ることがない。
 かつての記憶をとどめているのか、それとも単に獲物がいない場所には興味が無いのかは分らないが、例に漏れずこの裏路地にも物騒な住人は存在していないようだ。
 そのため日向には、前方を無言で進む尚也の様子を観察する余裕があった。
 何かがおかしい。一体何がというわけではないが、疾駆する尚也の姿に違和感が感じられる。
 ナイフを構えた姿に慣れていないためだろうか。尚也はサバイバルツールとしての使い方は教えてくれたが、殺傷手段としての扱い方は通り一遍等で済ませていた。

671 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/18 00:50:33 ID:Hm6O89ok
 戦闘は避け、必要なら中距離から最大火力で一気に殲滅を図ること。感染の恐れがあるため、接近戦は絶対に避けること。
 武器や弾薬の補充は基本的にできないものと考え、無駄な消耗は避けること。効果がない場合は使用を即時中断すること。
 訓練中、青年は何度も基本的な心構えとして物資の貴重さを説いてきた。
 それは尚也に会う前に、死の恐怖と隣り合わせで食料を探していた日向にはよく理解できることだった。
 物資の限られた状況で行動をせざるを得ないために、繰り返して利用できるナイフの重要性は高かったが、それは道具としてだ。
 そもそも重要性を問うのならばその最高位にあるものは生命であり、生き延びるためには貴重な弾薬といえども使用をためらう理由はなかった。
 ゆえに青年はナイフを使った戦闘を基本的に行わなかった。だから、今のようにナイフを構えている姿に違和感を感じるのだろうか。
 日向はナイフ一本で先を進むことの危険性を再認識してグロックを構えなおし、そこで気がついた。
 尚也は左手でナイフを握りしめている。青年の右手は先ほどから力なくたれたままなのだ。
 青年が右側のビル壁に添って走っているので見えにくいが、確かに右手首から先が腕振りに合わせて力なく揺れている。まるで糸の切れた人形のようだ。
 そう言えば先ほどの跳躍時に、青年は左の腕で自分を抱きかかえていた。
 もしかして怪我でもしているのだろうか。それならば何時、どのようにして、どれだけの怪我を負ったのか。
 問いかけの言葉を口にのせようとした時だった。
 前方から潮の香りが届く。見やると路地は終わりを告げており、よどんだ雲を映して灰色に染まった水面が広がっている。
「日向、停まれ!」
 十数メートル先を走っていた尚也は急に立ち止まり、少女をかばうように左手を横に突き出す。
 青年の背後に陣取った少女の目に、小さな桟橋の先に小型ボートがつけられていて一人の少年が銃を構えているのが映った。
「だ、だれだ!何か言ってみろ!!」
 急に走り寄ってきた二人を屍人と警戒してか少年は銃――形状からして小型のリボルバー、おそらくS&W-M37エアーウェイトだろう――を向けたまま詰問する。
 小刻みに震える銃口が暴発の危険性を感じさせて、日向は少年に見えないように保持したG26を握りなおした。

672 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/18 00:56:50 ID:Hm6O89ok
とりあえず二つ投下です。
ちょっとばかり間があいてしまいましたね。
遅筆なのにこんなことを言うと矛盾しているかもしれませんが、
やっぱり尚也編が一番書いていて楽しいです。

明日も尚也編を投下するつもりです。
出来れば感想プリーズ。
……と言ってもこんなに細切れでは読み返す気もなくなるだろうなと他人事のように言ってみる。

>>666
「あくまのすうじ」らしい過酷な条件ですね。
空を飛ぶとなるとグライダーかなぁ。
台風が近ければ傘を持ってジャンプしてみるとか。

673 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 02:32:47 ID:M8Q6Ti1l
戦闘に慣れた人カッコイイ!でもソンビ相手だとどうなるか判らなくてドキドキ♪
色々出てくる銃カッコイイ!でもソンビ相手には勿体ない気がしてドキドキ♪
尚也の怪我が気になる!でも尚也ならきっと…でドキドキ♪

674 :ダリオ ◆Nygo1KWMYo :04/10/18 11:45:12 ID:HUDDVVS7
・・・(゜д゜;

「力の法則を利用するのよ。」
レインはレイジングブルを眺めながらつぶやく。
「え?」
「薬莢の火薬の量と銃身の重さ、撃った瞬間の力のベクトル、角度。
 それらを計算すれば、確かにこの銃の反動に対する力量は大きい、
 私の腕では持ちこたえられない。 でもね、反動というのは『エネルギー』が極めて小さくなるの。」
ヒースはポカンとしたままレインを見つめる。
レインは立ち上がるとレイジングブルを構えた。
「お、おい。」
バァン! 激しい音を立ててレイジングブルは火を噴いた。
「・・・え。」
レインはそのままの姿勢で立っていた、ヒースはキーンとする耳をポンポンと叩く。
「バズーカって、何で撃ったとき反動がないか知ってる?」
「そりゃ、逆側から・・・あ。」
ヒースは耳鳴りのせいで遠くなった声を拾って答えた。
「そう、反動は相殺するの。 こうやってね。」
レインは撃ったときの構えをすると、それとは逆の壁に角度を付けて叩いてみせた。
「銃を撃ったとき、発砲の瞬間から反動が伝わる瞬間の間に力が加わらない時間が存在する。
 この時に逆側から力を加えれば反動を抑えることができるの。」
「・・・日本のジュードーのウケミと同じようなものか?」
「同じような考え方だけど、ちょっと違うかな。」
ヒースは愕然とした、銃の反動の計算式を昔チラっと見たことあるが、とても複雑な方程式だった。
あの式に瞬間的に数値を入れて暗算したレインに恐怖さえ覚える。
「ま、欠点はあるわ。 壁を背にしなきゃ撃てないから・・・。 でも、草原に放り出されない限り
 街中なら大丈夫。」
ヒースはレインの才能を改めて認識させられるのであった。
「んで、これからどうする?お嬢さん。」
ヒースは窓の外を見やる、すでに病院の周りはヤツらで一杯だった。
「屋上に行きましょう・・・あそこにはヘリがあるはずよ。」


675 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 13:21:32 ID:/1s1Y2Fl
>>670-671
上手いね。スレ随一と言える位。面白いからぜひ頑張って


676 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 19:58:55 ID:O+XFDq9t
◆dve/1Ebaqsさんの話は読みやすい。
……(三点リーダー)や――(ダッシュ)の使い方もしっかりしてる。
でも間が空くと長いのよねー(´・ω・`)前スレは一つも貼られていなかった。
今のペースでおながいします。

677 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 21:01:01 ID:fIYRXizp
映画・ゾンビのゾンビは目視と音で獲物確認してるみたいだな。
エレベーターの中に獲物いると思ってドア叩き、群がるが、ドアが開くと実はゾンビしか居ないってのを確認すると
がっかりしたように去っていったってシーンがあるから。

678 :本当にあった怖い名無し:04/10/18 23:46:10 ID:OJ2LIza1
>>674

>「屋上に行きましょう・・・あそこにはヘリがあるはずよ。」

そう来たかっ!
結構好きなんで頑張ってくだされ。


679 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/19 00:42:31 ID:I3wtPyW2

>>674

マジで空中飛行 キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!

笑い飛ばして、スルーするかと思ったのに、ダリオさんはいい人だね。
オレも見習おうっと。(たぶん無理)

>>672

PIPさん、いつも(というか最近、ご無沙汰でしたが)楽しく読ませていただいております。
爬虫類顔の男、いいっすネ。
今後の怪しげな活躍に超期待。
ちなみにオレは、尚也を「地雷震」の飯田に脳内変換してたりしますw
あの謎を秘めたクールさが、ビジュアル的に合うんだよなあ〜。


680 :本当にあった怖い名無し:04/10/19 02:03:24 ID:ZoHLdrKY
>>679
>地雷震の飯田
わかるわかる!
ちょっと逝った感じの尚也がすごいイメージ被る!

681 :本当にあった怖い名無し:04/10/19 02:09:48 ID:ZoHLdrKY
いままではデジタルデビルサーガのサーフで脳内変換してた。
無口で無表情でどこか歪んでいるキャラっぽいから。

682 :本当にあった怖い名無し:04/10/20 15:17:30 ID:mEVNhAWN
付き合って2ヶ月の彼女に「今日親いないから」って家に呼ばれた。
まだ交わりをかわしてなかった俺は今日がその日だと思った。
彼女の家のあるマンションに着いて、大事なものを用意していないのに気付いた。
運よくマンションの一階に薬局が入ってた。
店主がおっさんだったので気楽にゴムを買えた。
レジでそのおっさんがニヤニヤしながら「兄ちゃん、いまからか?」と聞いてきた。
俺もにやつきながら「今日初H」と答えた。
おっさんは「がんばれよ」とか言って送り出してくれた。
彼女の家に着くなり「ごめんもうすぐ親が帰ってくる」と言われた。
今日はダメか・・と思ったが「とりあえず挨拶だけしていって」ということだったので彼女の親の帰宅を待った。
5分ほどで彼女の父親が帰ってきた。
下の薬局のおやじだった。


683 :本当にあった怖い名無し:04/10/20 16:01:10 ID:mEVNhAWN
いいか、みんな
        (゜д゜ )
        (| y |)

Googleイメージ検索で「オナニー」を検索すると
エロ画像がたくさん出てくるが
    オナニー ( ゜д゜) …→エロ
       \/| y |)

「オナニー やり方」で検索すると
    オナニー ( ゜д゜) やり方
       \/| y |\/

        ( ゜д゜)
        (| y |)

        (∩д∩)ゴシゴシ
         | y |

        (;゜д゜)
        (| y |)

        (∩д∩)ゴシゴシ
         | y |
          _, ._
        (;゜ Д゜) …?!
        (| y |)
http://images.google.com/images?q=%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%8B%E3%83%BC%20%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9&num=50&hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=Shift_JIS&inlang=ja&c2coff=1&sa=N&tab=wi


684 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/20 23:49:23 ID:spKKyZTJ
「落ち着いてくれ。俺たちは路地の出口で会った男に、ここから逃げろと言われて来ただけだ。君も彼の仲間か」
 尚也はボートのエンジンを瞳をかすかに動かして確認する。
 エンジンは止められているが、始動はひもを引っ張るだけでかなうだろう。
 後ろに隠れた日向が背後の様子を探っている気配が伝わる。これで正面に集中できる。
「阿波海さんのことか? 他のみんなはどうしたんだよ」
「路地の出口で戦っている。時間を稼ぐ言っていたからすぐに来るだろう」
 少年は青年の言葉に不安げな顔をして路地の奥を見つめるが、何の人影も見えない。
 銃口が内心の迷いを如実に表して、青年達と路地奥双方にせわしなく向けられる。
「襲ってきたのは見たことのない獣だった。彼が到着次第逃げられるようにエンジンをかけておいた方がいい」
 尚也の返答は常と変わらず冷静で的確だったが、それが少年には上から命令されているように聞こえたらしい。
「うっせぇっ。そんなこと言ってボートを乗っ取るつもりだろ。そんな嘘に騙されるかよっ!!」
 少年は尚也に銃をむけ、顔を紅潮させて叫ぶ。先ほどまで感じていた不安が反動となって怒りを増幅させているようだ。
「ナイフを捨てろ!後ろに隠れてる女も出てこい!」
「……出るな。あの口径なら防弾着で止まる。いざとなれば隙間から撃て」
 尚也は少年に見せつけるようにゆっくりとナイフを足下に置いた。さらに両の掌を見せて徒手空拳だと誇示する。
「武器はない。だから銃をおろしてくれ。それでは怖がって仲間が出てこられない」
「ぁあ? お前が指図すんじゃねーよ。いいから出てこいっつってんだろ」
 少年の声に得意げな響きが混ざる。それは尚也が素直に武装解除しただけでなく、不安げに眉を寄せたからだろう。
 手持ちの武器を放棄した青年はなにか気がかりなことでもあるのか、表情をわずかに曇らせていた。

685 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/20 23:53:41 ID:spKKyZTJ
「尚也さん、大丈夫ですか。ゆっくりと横に出ます。武器は見えないようにしますから」
 青年の様子を敏感に察した少女が声を固くして問いかける。
 青年の左側から出れば、右腕に握った銃を最後まで隠しておけると考えたからだ。
「それより背後と頭上に気を配れ。何かが屋上を走って近づいてきている。かなり早いぞ」
 青年の言葉に耳を澄ますと、確かにかすかな物音が背後から近づいてきていることに少女も気がついた。
 未知の何者かの接近に銃を握る手がじっとりと汗ばむ。
「シカトしてんじゃ――!?」
 自分に従わない二人にいらだった少年が再度叫ぼうとしたときだった。
 ようやく青年の横に少女が姿を見せたと思ったら、その姿が一瞬にして小さくなった。
 同時に今まで二人の立っていた場所に何者かが飛び降りてくる。
 ――青年が少女を抱えて飛び退った。
 そう判断する前にさらなる来訪者が突如として現れ、何が起きているのかまったくわからなくなる。
「くぅるぅぅぅぅ!!!」
 大型の捕食中のような牙。節くれ立った指先にどす黒い爪。瘤のように盛りあがった筋肉。
 獲物を全て片づけたのか、それともあとを追ってきたのか。
 四肢と顔を朱に染めた異形が飢えと殺意の入り交じった咆吼をあげ、哀れな獲物を睨め付ける。
「……」青年は冷静に観察し、少女もそれに習う。
「え、あっ、うわ!」少年は何が起きたのかまったく理解できずただわめくだけだった。
 冷酷な光を宿し沈黙とともに相対する青年と、驚愕し事態の把握ができていない少年。
 当然異形が飛びかかったのは後者だった。

686 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/21 00:02:56 ID:mFQlPGYg
本日ここまで。
この少年はあっさり殺すつもりだったのに何故かまだ死んでない。
なんでだろ。
日向の影が薄くてどうしたもんか。

687 :本当にあった怖い名無し:04/10/22 03:10:22 ID:Wema3O2f
関連スレなので巡回に来ましたが過疎スレでありますな。
面白そうな話の割にはまさしく小官しかいないようなので撤退するであります。

688 :本当にあった怖い名無し:04/10/22 17:52:51 ID:Q8iRj85e
押忍!!影が薄いキャラは色気ムンムンにするとどうでしょうか押忍!

689 :本当にあった怖い名無し:04/10/22 21:32:10 ID:GAWgFSqs
日向は溜まったときに病人も剥いて弄んでいたが、さらにお色気ムソムソか!
いいじゃない!

690 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/23 00:34:00 ID:0/YQOQsx
アマゾンから届いた死霊のえじき完全版を(*゚Д゚)ムホホと鑑賞していたらびっくりニュース。

Night of the living deadの著作権が消失とのこと。
ロメロサイドが手続き上失敗したらしいとのことですが、早速無料公開されているのがなんとも。

>>688-689
お色気担当。
尚也が日向にルパンダイブする状況が思い浮かびません。
逆は十二分にあり得そうなのがなんとも。
日向の性格設定を間違えたのかと反省。
あのシーンも書く予定なんか全くなかったのに、話の流れで自然にああなったのが摩訶不思議。

691 :本当にあった怖い名無し:04/10/23 02:02:36 ID:Ei6G7YNb
話をblogでまとめてみるのも良いかもなーと思ってみたり

692 :本当にあった怖い名無し:04/10/23 17:58:40 ID:zaoYRFxc
なにがブログだ流行だからって

693 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/24 03:33:01 ID:Z2PRHKnv
 タン。
 かんしゃく玉一発。弱装弾の気の抜けた銃声。
 少年が自分の意思で立てた音としては、それが最後のものだった。
 もとより人が爪牙を備えた獣に打ち勝つ道理はない。
 知恵により作り出した武器と言う圧倒的な暴力でしか、道理を反転させる術はない。
 そして少年は自分の持つ暴力を使いこなす能力を持っていなかった。
 風切り音が嘲笑うかのように続き、裂けた喉元から漏れ出る空気音は桟橋のきしみにかき消された。
 波音。再度の風切り音。生肉とそれを包む布の引き裂かれる苦鳴。喜びに満ちた細い鳴き声。
 だが異形の奏でる歓喜の調べは連弾の轟きによってかき消された。
 異形の背に銃声と同じ数だけの血流が生まれる。
 だが日向の暴力も異形をしとめるには足りなかった。
 揺れる桟橋は異形の動きを止めると同時に、標的をずらしもしたからだ。
 これが固い台地の上でなら、異形の脊髄に集弾された直径9ミリの凶器が命を奪っていただろう。
 女性の護身用に用いられることの多いG26とはいえ、全弾を叩き込めば揺れる標的でも命は奪える。
 だが先ほどの戦闘で弾丸を消費した状態では、異形の命を奪いきるには力が足りなかった。
 頭部への着弾であれば充分な数ではあったが、足元の犠牲者へ爪牙をつきたてている状態では背骨ぐらいしか狙えないのも響いた。
 痛みと殺戮を邪魔された怒りに異形は吼え、新たなる獲物へと振り返った時だった。
 一閃した銀光が異形の眼球に深々と突き刺さり、怒りの咆哮を痛烈な悲鳴へと引きずり落とす。
 ナイフを投げつけた青年が、自らも投じられた凶器のごとく異形へと疾走する姿までは、少女にも視認出来た。
 黒い風が身をそらして泣き叫ぶ獣の頭上に渦巻き、日向の耳に鈍い破砕音が二度届く。
 先ほど異形から撤退する直前にも聞こえた音だ。
 桟橋に異形は崩れ落ち、青年もそのそばに膝をつく。
 駈け寄った少女は、目にした光景に破砕音の正体を気づかされた。
 捻れて反転した首と、あらぬ方向へと曲がったままの手首。
 青年は異形の首を支点として強力な握力に物を言わせたまま身を振ることで、頚椎を捻じ切っていたのだ。
 少女を守るために確実に異形を殺す方法。その代償は大きかった。尚也の両手首は完全に壊れていた。

694 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/24 03:40:08 ID:Z2PRHKnv
今日は一つだけ。
はい、これで尚也は両手が使えない状態です。
とはいってもいざとなればナイフを口にくわえて敵兵の喉に突き刺したり、四門を開いて分身した挙句朱雀とかかましたりしそうですが。
実際、両手骨折とかでトイレまで家族のお世話になったりという話は聞きますが、
いざ自分がその立場になったらつらすぎるでしょうね。
身内よりも他人の看護士に世話していただくほうがまだ傷つかなくてすみそうですが。
おトイレを自分で始末できないのはつらいですよ。
ぎっくり腰で小学生の息子の世話になった父親がぼやいてました。
感想やら要望やら引き続き募集中です。
では。

695 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/24 16:02:37 ID:uuIOhfCZ
>>691
まとめサイトが複数あると安心ですね。

まとめて読めれば感想つけてくれるのかなぁorz

696 :本当にあった怖い名無し:04/10/24 16:44:23 ID:Tlk/pljz
ここはレスポンスの無い投下専用スレですから

697 : ◆dve/1Ebaqs :04/10/24 17:59:11 ID:uuIOhfCZ
>696
。・゚・(ノД`)・゚・。

次スレはどうしましょう?
スレタイやローカルルール、関連スレにまとめスレのテンプレも作った方が立てやすくなるかな。

698 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/24 21:26:27 ID:NmYJa4Dv

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(13)

フジテレビのスタジオは、シ〜〜ンと静まり返っていた。
女性アナウンサーは、シクシクと泣きながら、ハンカチで眼を覆う。
その傍らで、おばさん視聴者たちから人気がある、上品な顔立ちの若作りっぽい男性
アナウンサーが、いかにも生放送らしく、ピンマイクとイヤホンで、プロデューサー
と軽い打ち合わせを行っていた。
「・・・ヘリ中継は・・・だめ?・・・音信不通?・・・はい?・・・CM?・・・CMですか?
・・・いかない。このままで。ああっ、そうですか。判りました・・・
・・・えー、さて、ちょっとハプニングが起こってしまったようですが・・・」
中年人気キャスターは、男性アナウンサーの言葉をいきなり遮ると、強引に話し出した。
「あのさあ、もう言っちゃおうよ。暴徒って、けっきょくゾンビなんでしょ?」
それだけ言うと、中年人気キャスターは男性アナウンサーのほうをじっと見つめる。
「・・・えっ?そこで、ボクに話を振るんですか?・・・いやあ、なんていうか・・・w」
糊の効いたベストを着こなす男性アナウンサーは、苦笑いしながら口ごもった。
「ソレは、良くナイですヨ。ゾンビというのは、映画のタイトルですからネ。
版権元から著作権の侵害や営業妨害で、訴えられますヨ。
そういうところがですネ、日本はアメリカに比べて、まだまだ遅れていますからネ」
流暢な日本語を早口で喋る外国人コメンテーターは、どこか得意げに言った。
そんな彼に、中年人気キャスターはフランクに名前を呼び、フレンドリーに尋ねる。
「じゃあさ、なんて言ったらいいと思う?」
「ソレはですネ。サンゲリアとかゾンゲリアとかデモンズとかオバタリアンとか・・・」
「・・・おいおい、オバタリアンはちがうだろうw」
スタジオに失笑が起こった。


699 :本当にあった怖い名無し:04/10/24 21:29:42 ID:NmYJa4Dv

中年人気キャスターは、根っからの仕切り屋なのか、ニュースそっちのけで、屍人の
名称について、異様なこだわりを見せている。
「じゃあさ、感染者でいいよ。感染者は・・・」
「あ〜ら、それもどうなのかしらねぇ・・・」
今度はオカマのコメンテーターが、ねっとりとした口調で、新たな異議を唱え始めた。
「世の中には感染症で苦しんでいるヒトも多いんだし、そういうヒトたちの差別を
助長するような言葉は、いけないんじゃないかしらぁ〜、とアタシは思うのよねぇ〜」
「じゃあさ、なんて言ったらいいと思う?」
「死体でいいんじゃないかしらぁ〜?ストレートで判りやすいカンジでしょ?」
「いや、だってさ、それこそおかしいでしょ。あのさあ、死体は死体だよね?
死体は動かないもんでしょ?だったらいっそのこと、死人でいくかい、おい?」
「それは死人差別よぉ〜。身内で亡くなったヒトがいて、お葬式の真っ最中の遺族に
してみたら、納得のいかない呼び方だと、アタシは思うのよねぇ〜。
だってホラさあ〜、オカマはさあ〜、差別に敏感なナイーブな感性があるからさあ〜」
「死体も死人も、たいして変わらねぇだろ、おい?」
「あららっ、じゃあさあ〜、あなたの嫌いな2ちゃんねる風に、屍人にするぅ〜?」
「いやね、ボクはね。別に2ちゃんねるなんて、全然気にしていませんよ。
あのさあ、だってあいつら、ただのキチガイでしょ?社会的な責任感もないような、
キチガイの引きこもりの落ちこぼれの底辺に、なんでボクがいちいち相手をするわけ?
あのさあ、ボクは会社をいくつも経営してるし、毎日睡眠3時間なのね。
人間、寝ないほうがいいんですよ。一生懸命に仕事して、遊びもやって、人の倍を生きて
いる大人なんですよ。そんなボクと2ちゃんねる、どっちが信用できますかって。
世間様は、無責任な匿名掲示板の言うことなんて、これっぽっちも信じていませんよ」


700 :本当にあった怖い名無し:04/10/24 21:32:37 ID:NmYJa4Dv

「・・・あの、それでけっきょく、なんて言えばいいんでしょうかね・・・」
男性アナウンサーは苦笑いしながら、他人事のように言った。
「あのな、だからな、いまそれをさ、みんなで決めているわけだよな。
流れをよく見ろって、企画会議でいつも言ってるだろ?昨日の酒、まだ残ってる?」
「・・・ははは・・・」
乾いた愛想笑いで、男性アナウンサーはその場を適当に流した。
「もうゾンビでいこうよ。ゾンビで。なっ?」
「いや、それを言うならオバタリアンですネ」
「もういいよ。同じネタを何度も言うのはさ、くどいからやめようよ。なっ?」
「ちょっと待ってぇ〜、アタシの死体ってのは、どうなったわけぇ〜」
「だから死体はさ、全然ちがうじゃないかって、さっき結論が出たじゃない?」
「あら、なによ、アンタ。ちょっとカンジ悪いわねぇ〜。オカマ舐めると、怖いわよ〜」
「それでゾンビは・・・」
「あら、ヤダ!アタシのこと無視するわけ?自分の決定がすべてってヤツ?
そういう傲慢なところがあるから、2ちゃんねるで叩かれるのよ、アンタ」
「2ちゃんねるのキチガイ連中がなにを言おうが、ボクは気にしてませんよ。
ボクだってね、ちゃんと自分のアタマのことはさ、講演会とかでアレですよ・・・
それをね、あいつらはさ・・・」
そのとき、いままで泣いていた女性アナウンサーが、スタッフからの指示で喋り始める。
「・・・ただいま、番組内で不適切な発言がありました。
視聴者の方々には謹んで、お詫びを申し上げます」
スタジオ内の出演者は、その言葉を聞くと、突然反射的にお辞儀をしだした。
ふいに中年人気キャスターの頭から、なにかが落下した。
カツラだった。
すると番組は、いきなりCMに切り替わってしまう。
ジュウウ〜〜という肉が焼ける効果音と、それを美味しそうにほお張るタレント。
わたしはこみ上げてくる吐き気をガマンできず、あわててトイレに駆け込んだ。

(・・・来週に続く)


701 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/24 21:36:37 ID:NmYJa4Dv

テレ朝の「寒いんだよ!ワッハッハ事件」もネタとして
入れたかったけど、ちょっと難しかった。
一人称小説だからね。
どうしても視点が狭くなっちゃうんだよな。
まあ、それが狙いでもあるし、時間軸をずらせる利点もあるし、
なにより一人称形式の方が(個人的に)面白いから
しょうがないんだけどよ。

さて次回より、いよいよゲロゲロな展開になるわけだが。
ようやく本編の開始ってなカンジだ。
グロが苦手なヒトは、NG指定奨励。


702 :本当にあった怖い名無し:04/10/25 00:13:24 ID:RseRM253
日向がナースとして登場するという振りですな( ̄ー ̄)ニヤリッ

>>701生放送でのハプニング面白いっす。

703 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/26 21:21:38 ID:Kj5Vxm8h
 アクション映画のヒーローなら、こんなジャンプは屁でもネェんだろうが、スタントマンの居ねぇ1発勝負じゃ、
いくらオレだって、キンタ○が縮あがったぜ。
 けど、ダンプの梯子に、やっと手が掛かったからには、こっちのモンよ。オレは死んでも放さねぇ覚悟で、荷台点検用の
梯子に掴まった。
 それで、オレは運転席の姉ちゃんに、「もっとスピードを上げろ。」って怒鳴ったんだが、姉ちゃんは、ギアの変速って事を
知らねぇのか、アクセルをべた踏みするだけだから、そんなに速度は上がらねぇ。
 そのまんまドアを開けて、ダンプの運転席に乗り込もうとしたんだが、突然脇の方から汚ねぇ手が出てきて、梯子を
掴んでるオレの左手を引っ張りやがった。
 ・・・畜生。どうやって乗ったんだか判らねぇが、ダンプの荷台にゾンビ野郎が居やがった。
 野郎は、もの凄い力で、オレを引っ張り上げようとしやがるから、腕の骨が折れそうなほど痛かったけど、奴がダンプの
荷台から身を乗り出した瞬間、咄嗟に右手で握ってた散弾銃を突き出して引き金を引いたのよ。
 野郎の後頭部から、花火が上がったのが、オレにもはっきり見えたなぁ。・・・奴は、オレの二の腕に真っ赤な手形を
残したまんま、荷台からサヨナラして仲間の方に消えていったが、それで終わりじゃ無ぇのが辛いところ・・・。
 もう一匹、荷台の枠から顔を出しやがったのよ。
 さっきユンボの上で、1発ぶっ放してるから、上下二連の散弾銃は、タマ切れのうえ両手が塞がってちゃ、装填も
出来やしねぇ。
 オレは野郎に掴まらねぇように、なるべく姿勢を低くしながら、運転席の姉ちゃんに「ダンプの荷台を上げろ。」って
指示を出したのよ。
 最初は姉ちゃんも、訳が判からなかったみてぇだけど、オレが必死で示したレバーを操作した途端、荷台がダンプし始めて、
ちょっとビックリした顔よ。
 恐る恐る後ろを振り返った俺の目に、1匹のゾンビ野郎が、固定されてなかった足場用の鉄パイプもとろも、道路に
転がり落ちてったから、これで一安心ってモンだろ。

704 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/26 21:22:25 ID:Kj5Vxm8h
 それでオレは、ダンプを運転してる姉ちゃんに指示して、荷台を下げさせると梯子を登って、用心しいしい荷台の中を
覗いたぜ。
 隠れてる奴は、もう居ねぇ。トラロープで縛って固定してあった、チェーンソーや草刈り機も無事みてぇだ。
 ダンプ走らせながら、姉ちゃんと運転を代わってオレもホッとしたが、その姉ちゃんも安心したのか「鉄砲撃つ時は、
合図ぐらいしろ。」って文句を垂れやがる。・・・運転席の横で発砲したから、ビックリして心臓が止まった。って言ってるよの。
 あそこで撃たなきゃ、みんなの心臓が止まってたぜ。
 ごちゃごちゃ言ってる暇があったら、空の散弾銃にタマでも込めといて貰いてぇモンだ。・・・オレはダンプ運転しながら、
銃の扱いを姉ちゃんに説明したんだが、人に物を教えたことが無ぇから、こっちもまどろっこしくて、つい怒鳴っちまう。
 おかげで、姉ちゃんとは険悪なムードよ。・・・けど、まぁ避難所までの道のりだから、気にしたって詰らねぇ。
 オレは、そのまんま大通りを突っ走って国道に合流させたんだが、頃合いを見て学者先生の無線に呼びかけてみたのよ。
・・・ウンともスンとも言わねぇから、たぶん電気が終わっちまったんだろうなぁ。早いとこ助けに行かねぇと、ホントに
ヤバイ状況だろ。
 暫くダンプを走らせたら、向こうの方に特徴のあるサッカー場の屋根が見えてきた。あそこがここらの避難場所なんだが、ちっと様子がおかしいぜ。
 道一杯に車が止めて有りやがるから、そこから先に進めねぇ。横道の方まで車で溢れてるうえに、うろうろ動くゾンビ野郎が
何匹も待ちかまえていやがった。
 どうやら避難場所目当てで車で逃げてきた連中が、渋滞で身動き取れなくなったところに、ゾンビ野郎のお出ましで、
奴等の新しい仲間に加わったらしい。
 オレは舌打ちすると、すかさずダンプのギアをバックに入れた。・・・二車線の道路じゃ、ダンプのUターンなんて出来ねぇ
からよ。
 そんなオレ達を見つけて、ゾンビ野郎がワラワラと集まって来やがった。オレは路側帯に止まってる乗用車に
ぶっつけながらも、必死こいてダンプをバックさせたのよ。

705 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/26 21:25:16 ID:Kj5Vxm8h
 二百メートルもバックして、やっとダンプをUターンさせる脇道が見つかった。・・・オレはダンプのケツで道路脇の
ブロック塀を薙ぎ倒しながらも、奴等に取り付かれる前に何とかそこを逃げ出したのよ。
 こりゃぁ、どこを通ってもサッカー場までは簡単に行けそうにもネェよなぁ。・・・姉ちゃんにラジオ放送の確認を
させながら、オレはパーソナル無線であっちこっちを呼び出してみた。
 福島のラジオ放送で、幾つかの避難所の情報は入ったけど、どこもゾンビ野郎に囲まれてて同じような状況らしい。
陸路は無理で、ヘリによる救出活動を実施中みてぇだけど、乗れる人間はたかが知れてら。
 ラジオのアナウンサーは、犬畜生のゾンビに潜入されて、あっという間に全員感染者になった避難所もあるから、動物にも
気を付けろ。って言ってる。・・・今頃言ったって遅せぇってんだ。
 関東と東北の県境に作られたゾンビ防衛線なんか、とっくの昔に破られて今じゃ福島までは感染地帯になってるぜ。
・・・かな切り声のアナウンサーは、もうすぐ放送局も閉鎖されるから、これが最後の放送だ。って抜かしやがる。
 そのうち無線の呼びかけに、所沢の方が通じたぜ。
 あっちの避難場所は西武球場なんだが、屋根が付いてるモンでヘリコプターが球場内に着陸出来ずに、救援活動も
ままならネェみてぇだ。
 向こうじゃ、避難してきた人間を球場内に入れてやりてぇんだが、ゾンビ感染者の進入を恐れて自衛隊の奴等が門を
開けねぇから、球場の外じゃゾンビどもが饗宴にありついてるらしい。・・・それに、「水も食料も無くなっちまって、
もうダメだ。」って泣いてやがる。
 オレは、「うだうだ言う前に、自衛隊の偉い奴を出せ。」って怒鳴ったんだが、向こうも自分たちのことが精一杯で、
学者先生のことなんぞ、気にしちゃくれねぇ。やっぱり、オレが行くしか無ぇみてぇだ。・・・。
 無線を聞いてた姉ちゃんも、真っ青な顔してるけど、さすが看護婦だから「学者先生を助けたい。」って気持ちも
ちっとは有るらしい。
 ・・・すまねぇが、お嬢さん方、もう少しお付き合いして貰うぜ。・・・行く先が天国か地獄かは判らねぇけどよ。

706 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/10/26 21:26:14 ID:Kj5Vxm8h
おう、みんな。久しぶりだな。
ちっと、忙しかったモンで、遅れちまったが、書けたところまでUPしとくぜ。
新潟の方じゃ、大変なことになってるみてぇだけど、ここを乗り切れば良いこともあるだろうから
がんばってくれや。って、電気も通じてなきゃ、2ちゃんねるなんて読めねぇよな。
じゃ、また来週な。

707 :本当にあった怖い名無し:04/10/27 03:47:06 ID:CZRDLLQG
>>706
おう、みんな。久しぶりだな。







だ れ で つ か ?

708 :YOU ◆/A10V7Igao :04/10/27 07:32:36 ID:w+OHLEep
1から読み直せよ。










と、釣られてみる。

709 :本当にあった怖い名無し:04/10/27 21:52:23 ID:CjckDN2m
面白い! ナンテコッタ!

710 :本当にあった怖い名無し:04/10/30 18:54:28 ID:G7OWnEzK
ボシュッ

711 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:40:08 ID:iJzr/jIw

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(14)

うら若き乙女には似合わない、下品な音を出しながら、トイレで嘔吐を繰り返す。
今朝食べたトーストらしき吐瀉物が、唾液とともに吐き出されていった。
わたしが通っていた高校は、学費が高い私立の進学校だったから、女子トイレはとても
清潔で、洋式の便座にはヒーターやウオッシュレットも付いていた。
トイレの掃除は生徒たちが放課後、交代で毎日やっているが、それ以外にも月に二度、
専門の清掃業者が入っているため、トイレの便器は顔が映るほど綺麗に磨き上げられて
おり、そこへ顔をへばりつかせても、あまり気にはならなかった。
(まあ、やっぱり多少は気になるから、直接触れないようにはしてたけどネ)
これが公立の中学校に通っていた頃の和式トイレだったら、と思うとゾッとする。
学費が高い高校に通わせてもらっていることを、いまさらながらに両親に感謝した。
もっとも清潔感があるヒトほど、こののちの世界で生き延びていくには、かなりの
精神的苦痛を受けねばならないことを、わたしはこれから身を持って体験していく
ことになるわけだが・・・
高校生というのは自尊心が強い時期であり、それゆえトイレで嘔吐している自分の姿に
嫌悪感があった。
だが無遠慮に流れるあの焼肉のCMと、アケミの死に様が重なり、吐き気が止まらない。
大人たちの無神経な笑い声にも、腹が立ってしょうがなかった。
しかし本当は、なにもできなかった無力な自分が、一番許せなかったのだ。
わたしは、アケミを見捨ててしまった。
怖かったから。
死にたくなかったから。
なんて自分勝手で、浅ましい人間なのだろうか。
時が経つにつれ、その事実がわたしの心のなかで大きくなっていく。
(ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・)
ついには胃液まで吐き出す自分が、あまりにもミジメすぎて、涙が止まらなかった。


712 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:41:59 ID:iJzr/jIw

肩で息をしながら、ハンカチで口元を拭う。
冷たい水でうがいをしたかったが、まだ吐き気が残っていたので、トイレの水を流し
ながら、じっとそこにうずくまっていた。
アレは、いったいなんだったのか。
アレは、ほんとうに現実だったのだろうか。
アケミがゾンビに食べられる光景は、なんだか悪夢を見ているような感じだった。
しかし生臭い血の匂いは、このトイレのなかにまで漂ってきている。
アレは、夢ではないのだ。
アレは、現実だったのだ。
事実を少しずつ受け止めていくわたしは、恐怖感と嫌悪感と罪悪感でいっぱいになり、
また吐き気がこみ上げてくる。
わたしは便座を跳ね上げ、トイレにへばりついた。
そのとき、キイイッ・・・とトイレのドアが開く音がした。
「・・・・・・」
自分が嘔吐していることを知られたくなかったので、口をハンカチで押さえたまま、
トイレの個室でじっとしていた。
それにしても、誰が入ってきたのだろうか。
職員室にいた英語の教師だろうか。
わたしのことが心配で、様子を見に来たのかもしれない。
だが、わたしに声をかけるでもなく、そのヒトはトイレのなかを歩き回っている。
ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ・・・
タイルの上を、裸足で歩いているような音がした。


713 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:44:04 ID:iJzr/jIw

「・・・・・・?」
来客用のスリッパでもなく、上履きでもなく、たしかに裸足の音だった。
なんで裸足なの?
そのヒトはトイレの端まで行くと、今度は反対側に向けて歩き始め、また端まで行くと、
反対側に向けて歩き始め・・・
ようはウロウロしているだけのようだった。
時々、ウウウッとか、グフウッとか、くぐもった声を漏らしている。
「・・・・・・?」
なんだか気味が悪くて、わたしはじっと隠れるように息を潜めていた。
それにしてもあの嗅ぎ慣れない匂いが、さらに強まったような気がする。
トイレのドアが、開けっ放しにでもなっているのだろうか。
ひどい匂いだ。
再び込み上げてくる吐き気を懸命に堪えながら、このヒトが早くいなくなってくれる
ことを心のなかで念じていた。
チャ〜チャチャ♪チャ〜チャチャ♪チャ〜チャチャ〜♪・・・
そのときふいに、平井堅の着メロがトイレのなかに響き渡る。
「・・・ひっ・・・!?」
わたしのケータイだった。
なんとなくここに隠れているのがバレてしまった感じがして、格好が悪いというか、
バツが悪いというか、赤面しながらあわててポケットからケータイを取り出す。
画面を開くと、メールが届いていた。
エリだと思ったら、先に駅前へ行っているクラスメイトたちからだった。


714 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:46:09 ID:iJzr/jIw

わたし宛に送られてきたメールは、要約するとこのようなものだった。

『・・・電車が本当に止まりそうだから、みんなと相談して帰ることにした。
アケミにメールをしたけど、返事がないので怒っているのかもしれない。
キョウコのほうからも、自分たちが謝っていたと伝えてほしい・・・』

そう言われても、アケミは殺されてしまったので、もう伝えることはできない。
こみ上げてくる涙をハンカチで拭いながら、みんなになんて説明をしたらいいのか
判らず、ケータイの画面をぼうっと眺めていた。
(・・・アケミ)
きゅうに、ドンッ!という、扉を叩く音がした。
「・・・えっ!?」
ドアに寄りかかっていたわたしのカラダが跳ね上がるほど、それはものすごい力だった。
ここの女子トイレは片側で四つ、そのうちのひとつは道具入れだから、合計で七室もの
個室がある、わりと大きな造りだ。
いまはわたししか使っていないはずなのに、なぜノックをする必要があるのだろうか。
ドンッ!ドンドンッ!!
今度はさらに力を込めて、そのヒトはドアを叩く。
「・・・はっ、入ってますぅ〜〜・・・」
我ながら情けない声を絞り出すが、そんなことなどまったくお構いなく、狂ったように
扉を叩き始めた。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!!!!
「・・・なっ、なに?・・・ちょっとぉ〜、なんなのよぉ〜〜・・・」
わたしは耳を塞ぎながら、床にしゃがみ込んだ。


715 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:48:28 ID:iJzr/jIw

この音を聞きつけて、職員室の先生が様子を見に来たらしい。
「どうしたの?大丈夫?」
その声の主は、わたしのことを気遣ってくれた英語の先生だった。
彼女が女子トイレのドアを開けると同時に、
「ぎゃああああ・・・・・・!!!!」
という、すさまじい絶叫が聞こえた。
「いやあっ!いやああっ!!ぎゃあああっ!!ひいいいっ!!」
先生は狂ったような悲鳴と泣き声を上げながら、職員室に駆け込んでしまったようだ。
するとドアの向こうにいたヒトは、彼女のあとを追うかのように、
ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ・・・
とトイレから出て行ってしまった。
シーンと、室内は静まり返った。
だがそれもつかの間、今度は廊下のほうから男女の怒声や悲鳴が聞こえてきた。
いったいなにが起こっているのか理解できず、言いようのない不安が募る。
わたしは恐る恐る、トイレの個室の扉を開けた。
ギギギギ〜〜〜ッ・・・
よほどすごい力で叩いていたのか、蝶番が外れかかり、ドアがガタガタと軋んでいる。
ふと床を見ると、タイルが紅く染まっているではないか。
「・・・なっ、なに、これ・・・?」
その紅いモノは、血痕だった。
綺麗に磨かれたタイルは、粘っこい血の塊でできた足跡で、ベタベタに汚されていた。


716 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:51:04 ID:iJzr/jIw

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ・・・

心臓が激しく鳴っている。
『ていうか聞いたぁ?暴徒の正体?死人なんだって!死人!』
エリの声が聞こえた。
そんなの、ウソよ。
ありえない。
『ねぇ、ねぇ。ママ、知ってる?死人が街を歩き回っているんだってさ』
わたしの声だ。
やめて。
そんなの、ただの冗談に決まってるじゃない。
『あのさあ、もう言っちゃおうよ。暴徒って、けっきょくゾンビなんでしょ?』
ゾンビなんでしょ・・・
ゾンビなんでしょ・・・
やめて。
やめて。やめて。やめて。やめて。
死んだはずのゾンビが起き上がってくる、あの不可解な光景が脳裏を横切る。

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ・・・

心臓が激しく鳴っている。
震える手で、ドアのノブを触る。
そして女子トイレのドアを、そおっと開けてみた。

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ・・・


717 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/10/31 21:53:15 ID:iJzr/jIw

目の前に、なにかがあった・・・

白く濁ったふたつの眼球・・・?

ドアの隙間から覗き込もうとしていたわたしを、ソレは同じようにして、じっと
こちらを覗き込んでいたのだ。
そして口を大きく開けて、いきなり噛み付こうとした。


















・・・アケミだった。



(・・・来週に続く)


718 :本当にあった怖い名無し:04/11/01 00:16:50 ID:UUGzxYnn
ああぁぁあああぁぁぁアアアアァァァああああ!!!!!!
良いところで終わったーーーッ!!
でもアケミが出てきたからイイや満足。

719 : ◆dve/1Ebaqs :04/11/01 00:26:16 ID:QaqEmm31
何と言うのか、怖いですよね。
「目があう」というのは。
ホラー映画だと、鍵穴をのぞいてみたらよく見えない。
ちょっと視線を離したところで「ナニか」も同じように覗いていることに気がつくとか。
それと「隙間」というのも怖いですね。
何がいるかわからないじゃないですか。

話は変わって450kbに到達。
次スレをどうするか決めないとゾンビのように彷徨うことになりそうですね。

720 : ◆dve/1Ebaqs :04/11/01 03:06:05 ID:QaqEmm31
夜勤中にちょこっと書いて、現在25行×5。
話が一纏まりするまで書けたら投下します。
人のいるときに投下しないと連投規制かかるかな?

721 :本当にあった怖い名無し:04/11/01 12:58:27 ID:0qUz8JO6
人のいるときなんかないよ

722 :本当にあった怖い名無し:04/11/01 15:45:10 ID:cTcM9FQx
ゾンビモノでのトイレシーンは最高のシチュエーションだ!

キョウコも次にあったらゾンビになってそうでイヤァァ

723 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/02 00:27:05 ID:YJ160kc+

>>718さん
アケミの今後の活躍に、ご期待ください。

>>721さん
まさに廃墟の街みたいで、萌えるぜ。

>>722さん
一枚隔てられた壁の向こう側に広がる異界と異形の人々。
ゾンビものの面白さのひとつは、息を潜めてじっと隠れる、鬼ごっこの要素に
あると思うね。
すばやく身を伏せたり、壁や建物を利用して姿を隠す。
耳をじっとすませて、そこから見えない部分を想像する。
そんで、状況を予測して、次の行動を計画しなくてはならない。
あとオレの話では、奴らの匂いが重要になってくるな。
はああ・・・この緊張感がたまらんのよ。
だから作品の出来はともかく、新丼のように走るゾンビには萌えない。
あとバタリアンも萌えんなあ。(嫌いじゃないが)

バケモノ相手の銃撃戦もやりたいんだけどね。
オレは、ああいうカタルシスも大好きなんだよ。
そのうちそういう展開にまで持っていきたいが、そこに至るまではとにかく
サバイバル一本で、逃げ回るキョコさんをひたすら書くしかねぇな。


724 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/02 00:31:42 ID:YJ160kc+

>>719 PIP隊長(前編)

タイトルは忘れたけど、ガキの頃聞いた怪談で、
「ここでもなぁ〜い」
とかいって、便所のドアをひとつずつチェックする幽霊の話があったんですよ。
端から始めて、奥にいる自分のところまで、だんだん近づいてくる。
で、いつの間にか静かになったんで、隠れているのがバレなかったかな?と思い
ホッとして上を見ると、ソレが天井と壁の間から、ジ〜ッとこっちを見ていた・・・
(ここだぁ〜!というバージョンもある)

この話が怖くてねぇ〜
コレって、「学校の怪談」とか、「本コワ」で、けっこう使い回されたりする、わりと
ポピュラーなオカルト話ですよね。
見逃してくれた?と思ってホッとしたら、実は見逃していなかった、という衝撃に、
静と動が組み合わさった日本独特の怖さ(憎悪・呪い)が、凝縮されているんです。
Jホラーとかいうジャンルが海外で受けたのは、心理的なもの(土着的・粘着的・
陰湿的)と、ビジュアル的なもの(江戸時代から受け継がれる妖怪画・グロ画)の
融合が、ハリウッド的なビックリさせる演出しか知らないヒトたちに、ウケたんで
しょうかね。


725 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/02 00:34:26 ID:YJ160kc+

>>719 PIP隊長(後編)

バケモノと眼が合ってしまった、というのは、異界と現実の境界線が崩れてしまった
象徴なんですよ、実は。
江戸の怪談話で言うところの、障子の人影とか、屏風の上から覗き込む幽霊ですわ。
ドリフの怪談コント(志村、うしろ〜)も、この流れにあります。
農耕民族特有の、ハレとケの文化が土壌になって作られた、独自のセンスなんでしょう。

思えば、ロメロのゾンビ作品「NOTLD」「旧丼」は、この延長線にあるような気がします。
禁断のカニバリズム、異界と現実の境界線である一軒家やショッピングセンター
(どちらも崩壊もしくは終焉するが、前者は現実世界へ、後者は異界へと繋がる扉になる)、
理由が説明されないことによる不安感、などといった展開は、のちのハリウッド映画や
欧州のゾンビ映画には引き継がれませんでした。
(まあ、計算して作ったわけではないそうだから当たり前か)
ロメロゾンビの第四作は、ちょっと違う路線になりそうですし、案外、日本人ならば、
「NOTLD」「旧丼」の正統な続編が作れるかもしれませんね。

ところでなにを話し合うべきなんでしょうか?
自分はよく判らないもんで。
とりあえず、作者さんに大量復帰してほしいっすね。


726 : ◆dve/1Ebaqs :04/11/02 01:43:43 ID:83wXSCss
東京くだんさん、めちゃくちゃ同意します。
『見えないもの』こそ一番怖いんです。見えたらどうとでもなるので。枯れ尾花はだれも怖がりません。
頭の中で想像している得体の知れない『気物(けもの)』こそがもっとも怖いんです。
これは対象への恐怖ですね。

もうひとつは『場』への恐怖だと思っています。
境が崩れるということは異種からの侵攻や現状の崩壊を意味します。
ゆえに道祖神を祭りマレビトを塞ぎってきたんですよね。
屍者というのは黄泉比良坂、つまり「坂(さか)い」を超えてきたものたちの象徴だと私は思っています。
だから主人公に「直(なお)」という音をあてているんです。旧態に復すという意味ですね。
狭霧も坂の守護をうけもつ天津神からとってきています。

次スレの話し合いはどんなタイトルで立てて、
テンプレ(ローカルルール、過去ログ、関連スレ紹介、まとめへのリンク)をどうしましょうかということです。

727 :本当にあった怖い名無し:04/11/02 04:18:26 ID:l2ZQ4iyj
   

728 :本当にあった怖い名無し:04/11/02 04:43:55 ID:aGhx1eDG
ドーンオブザデットを数日後レンタルする!購入しない!何故なら今、余裕がないから!!

729 :本当にあった怖い名無し:04/11/02 07:07:51 ID:CCUs59sc
テンプレの「ネタ例」ってどうなのかな?読んでる分には想像をかき立てられて「ネタ例」だけでも結構楽しめたけれど
実際に作る側の方からしたら、あって困ることはないんだろうか?

ところで上の方で作者さんたちが恐怖について話されてますが、その通りだと思いますね。
ハリウッド、欧州的ホラーは、身体の生理的なモノを利用してる恐怖感ですね。
音でビビらし、イキナリ出てきて身体を固まらせる。刹那的ですが、純粋にエンターテイメントとして楽しめます。
あれをもっと心理的に、人間の黒い影の面を掘り起こす形で突き詰めていったのが、日本的な怖さでしょうか。
観た後の後味なんかは、前者が「あー怖かった、面白かった!」なのに対し後者は人によっては嫌悪までしてしまいますからね。
もちろん、実際に起こったら…と考える事で、恐怖を再び楽しませてくれるのは前者も同じなのですが。

で、長々と書いちゃいましたが、ここで書かれているSSって、つまりはハリウッドホラーの日本化ですよね。
ハリウッドホラーを舞台に、日本人の感性が踊るわけです。(もちろん、過去日本人が書いたハリウッドホラーはありますが、最近はどうも)
つきましては作者の皆様、嫌悪するほどの恐怖と最悪の読後感を、エンターテイメント性を交えつつ、これからも書き続けていってください。

730 :本当にあった怖い名無し:04/11/05 00:08:42 ID:gw8wfYs5
復活したよ!職人さん降臨キボン!

731 :本当にあった怖い名無し:04/11/05 13:05:28 ID:pnU2jHqp
名無しのほうもこういうのが読みたいとか積極的にリクしたら?
書く方もテーマがあったほうがやりやすい場合もあるだろうしね。

732 :学校、夜:04/11/06 18:32:28 ID:uVxb/Ba0
 狭い廊下が暗幕でさらに狭く区切られている。
 ところどころ電灯の届かない小区域が出来ていて、さながら騙し絵の迷宮に迷い込みでもしたかのようだ。
 暗闇に目を凝らすと腐りかけた顔や割れた頭蓋骨が転がっているのがわかる。
 反面を赤黒く腫らした顔にウィンクをして、ボクは暗幕をさらにめくった。そろそろ目的の場所のはずだ。
 明るい。両脇に積み上げられたイスで通路は通りにくいが、足元がはっきりと見えるため問題はない。
 両脇には布を巻きつけたイスが積み上げられている。通路の終わりにはドアがあり、『出口』とかかれている。
 最後の暗幕をくぐりぬけようとした時、視界の片隅に何かが浮かんだような気がした。
 ――何もない。ただの布を巻きつけたイスだけだ。
 気のせいかと安堵し、そのまま通路を進んで出口のドアへと向かう。
 ちりん、と鈴の音。
 足元を見ると糸が張ってあり、それにつけられた鈴がなったようだ。
 足を上げ、再度下ろす。
 ちりん、ちりん。
 肩をすくめてドアへと歩こうとした時だった。
「――ッ!!」
 あまりの恐怖に悲鳴すら出ない。
 通路の片側から無数の腕が突き出していた。
 白、赤、紫とまだらに蝕まれた腕、腕、腕腕、腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕
腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕
腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕腕!!
 世界が揺れて傾くのを感じながら、ボクの意識は遠のいていった。

733 :保健室、夜:04/11/06 18:33:25 ID:uVxb/Ba0
 額に冷たく柔らかなものがふれる。その心地よさに目を覚ました。
 ベージュの天井と周囲を囲む白布が、ここが保健室であることを教えてくれた。
「起きた?」
 かすかに笑いを含んだ問いを、額の指の主が発する。
「うん」
 ボクの答えの何がおかしかったのだろうか、彼女はさらに微笑を深くして額から指を離した。
「志保、今何時?」
 ボクは時計というものを身に付けていない。だから時間を知りたい時には人に聞く。
「アンタが気絶してから15分。お目覚めの気分はいかが、すりーぴんぐびゅーてぃー?」
「気分快調。ご心配なく、Prince Phillip」
 軽口を返して起き上がる。
 ベッド脇に揃えられた上靴を履こうとして、軽いめまいで傍らに片手をついた。
「アンタ、本当に大丈夫なの?」
 志保が起き上がろうとしたボクの肩に手をかけると、体重をかけてベッドの上に押し戻す。抵抗するのも面倒だったので、そのまま押し倒された。
「……王子様、むりやり襲おうなんて品が無くてよ」
「……お姫様、誘っておいて覚悟がたりないのでは」
 瞬き三回分の時間、室内を天使が通り抜ける。
『っぷ。あはははは』
 声をそろえて笑い出す。
 ひとしきり笑った後で、寝そべったまま彼女はポツリとつぶやいた。
「ほんと、ごめんね。森山のやつがどうしても本番どおり腕で脅かすってきかなくて」
「いいよ。志保は反対してくれたんだろ。お前が謝ることじゃない」
 申し訳なさそうな彼女に肩をすくめながら答える。
「でもさ、どうして腕が苦手なの。このまえ見たDVDでも、壁から腕が出てくるところだけ見ないようにしてたよね」
 最近デジタルリマスター化された古いホラー映画をいっしょに見たときのことを言っているのだろう。
「話しても信じてもらえないような馬鹿な話だよ。それでも聞いてくれるのなら話すけど」
「腕」はきらいだ。隙間から這い出る腕。それは腐った屍人の腕を思い出させる。
 かつてのクラスメートたちが一人残った裏切り者へと伸ばす腕を。

734 :思い出、旅行:04/11/06 18:38:11 ID:uVxb/Ba0
「腕」に襲われるようになったのは事故のあと、入院した病院で見かけたときからだ。
 その年は台風の当たり年だった。年の後半に台風が上陸するたびに、記録が更新されていった。
 授業の一環で山間をバスでの移動中、横合いの斜面から泥水が噴出しているのが気にはなっていた。
 気にはなったが、わざわざ場の空気をしらけさせてまで言うほどでもないと思っていた。
 今思うと土砂崩れの前兆だと言っておくべきだったのかもしれない。
『今になって思えば。あとから考えると。あの時こうしていれば』
 無駄だ。それはもう終わってしまったことなんだ。後悔することで自己弁護をしてるだけだ。
 崩れ落ちる斜面。流れ出る土石流。低くもろいガードレール。横合いからの土砂崩れをどうやって防げというのだ。
 引率の教師や運転手に注意する?
 一介の生徒の意見で予定されている行事を取りやめて引き返す――わけもなかった。
 自然災害ではあるけれど、起こるべくして起こった必然と言うわけだ。
 気に病むこともない。周りの友達に注意はした。聞くか聞かないかはそいつらの問題だ。ボクの手から離れている。
 手付かずのまま放置された貧弱な国有林では、幾度と無く訪れる台風がもたらす豪雨に耐え切れなかった。
 あっという間に斜面は崩れ落ち、流れ出た土津波がバスを道路から突き落とす。
 転がるバスの中、どこかに頭をぶつけたのだろう。ボクは横倒しになったのを感じた直後に意識を失った。
 どれだけの時間がたったのだろうか。
 右腕の激痛に目を覚ました時、車内は沈黙と暗黒と甘ったるく錆びた匂いに包まれていた。
 だれかが左肩にもたれかかっているようだけれど、問いかけたのに返事がない。
 携帯を取り出し時間を確認しようと開く。液晶からのほのかな灯りが周囲を、ボクの右肩にもたれかかっているものを照らし出す。
 茶色く細い毛先。根元はワックスでも塗ったかのように黒い光沢を帯びている。光沢の正体はすぐにわかった。
 視線を外したいのにあまりの恐怖に固着してしまい車内の惨状全てが瞳に焼きつく。

735 :思い出、旅行、病院:04/11/06 18:40:41 ID:uVxb/Ba0
 割れた額。青黒く染まった顔。飛び出て白くにごった眼球。歪んで曲がりきった鼻。開いたままの口。唇に突き刺さった歯の破片。
 友達だった女の子は完全にモノになっていた。その子だけじゃない。恐怖が首を無理やりに回転させる。
 通路に折り重なった塊。座席のあちこちに見え隠れする手足。体は前を向いているのに、顔を後部座席へと向けた教師。
「ひ、ひっ」
 恐怖に失禁しながら、寄りかかっているモノを突き飛ばす。拍子で揺れた光が、膝の上の何か小さなものを照らし出した。
 茶色と濁った赤色の混じったものの正体はもたれかかっていた彼女の舌だった。ボクはそれを理解すると同時に再度気絶した。
 次に目を覚ましたのは病室のベッドの上だった。
 動かない右腕に視線をやるとギブスで固められていた。
 体のあちこちにも固定されたような感触があり、顔には何か貼られていた。
 見渡したところ個室のようだった。
 窓から差し込む灯りはかすかに赤みを帯びており、時計も夕暮れ時に指しかかろうとしている。
 何が起きたのかわからなかったが、とりあえず左腕のそばにスイッチがあったので押してみた。
 すぐにと言うわけでもないが、さほど待たされずに看護士が部屋にきた。
 あとは忙しく面倒で取り立てて語るほどでもないことが続いた。
 医者と看護士は笑顔を見せ、母親は泣いて喜んでいた。
 事故のことを聞いたが、皆一様に曖昧な笑みを浮かべて『それは明日になってから』とはぐらかすばかりだった。
 右上腕、右肋骨、右足首の骨折。顔もひどくぶつけていたらしい。それが医者の説明だった。
 とりあえず一通り自分のことができるのは助かった。トイレの世話をしてもらったら立ち直れそうにない。
 渋る母親を「僕は大丈夫だから。母さんも疲れているんだから休まないと。また明日来てよ」と家に返したのもその為だ。
 居たら風呂からトイレからすべて寝たままやらされるだろう。
『一人でトイレにいけるの? 何かあったら看護婦さんに言うのよ。看護婦さん、この子のことよろしくお願いします』
 あきれるほど繰り返して、面会時間をたっぷり超過したところで母親はようやく帰っていった。

736 :思い出、病院、トイレ:04/11/06 18:42:04 ID:uVxb/Ba0
 テレビも新聞もパソコンも、もちろん携帯もない状態では起きているのも馬鹿らしく、その日はすぐ寝ることにした。
 だが今まで寝入っていたのにすぐに寝付けるはずもない。
 消灯時間を二時間ほど過ぎて、尿意を感じたボクはトイレに車椅子で向かった。リノリウムに緑の光が反射する。
 ナースセンター前を通る時は、気づかれないようにこっそりと身をかがめて突破した。
 トイレは廊下よりも床が低く入口の段差で苦労したが、無事な左腕の力を振り絞ってなんとかこなすことが出来た。
 用を足す前になんとなくうす寒いものを感じて個室の鍵を確かめる。どの扉も鍵はかかっていない。
 用を終えてトイレから出ようとしたところ、今度は登りで先ほどのように勢いをつければ何とかなるようなものではなかった。
 何度か試したがどうにも乗り越えられず、個室内のブザーで看護士を呼んで助けてもらおうとバックしようとした時だった。
 予想以上の勢いで車イスが後方に滑った。
 恐怖に駆られて回転しようとする車輪を握り締めるが、片手では止めきれない。
 右腕に力をこめるが、骨折の痛みでろくな力が出ない。
 事故で弱った体で無駄な足掻きを続けるが、徐々に個室へと引きずりこまれていく。
 個室にはだれも居ないはずだ。さっき自分の目で確かめた。
 それなのにだれかが自分を引きずり込もうとしている。
 もちろん心当たりなんてない。
 物音一つ立てずに、何時繰るとも知れない相手を待ち続ける「だれか」になんて心当たりがあるはずがない。
 となればあとは変質者ぐらいしかいないだろう。しかもこの腕力からすれば当然女性ではない。
 必死の抵抗の中、おぞましい想像が身の毛を逆立たせる。

737 :思い出、病院、トイレ:04/11/06 18:43:54 ID:uVxb/Ba0
 どれだけ無駄にあがいたのだろうか。車イスの後ろ半分は既に個室へと引きずられている。
 何者とも知れない相手に狭隘な空間へと閉じ込められる。
 それだけはなんとしても避けなくてはならない。
 ボクは左腕で後退を食い止めながら残る右腕で個室の壁をつかみ、それを支えにして車イスから身を前方へと投げ出した。
 トイレの床を這いずり、何とか逃げ出そうとする。恐怖が痛みを忘れさせ、身をもがかせる。
 だが脱出劇はそこで終幕を告げられてしまった。
 折れた右足首を何者かが握り締め、再度個室へと引きずり込もうとする。
 抵抗は無駄だった。トイレの床に段差は無く、どこにも指を引っ掛ける場所なんてない。
 一気に個室へと滑っていく。
 こうなれば無事な足で蹴り飛ばしてやろう。そう決心して身をよじり個室へと顔を向けた。
 足首を掴む腕。車イスを引きずり込んでいる腕、腕、腕……。それだけだ。他には何もない。だれもいない。
 そこには暗闇から伸ばされた赤黒く汚れた腕しかなかった。

「と、言うわけで腕は苦手なんだ」
 予想に外れて真剣な顔で話を聞いてくれた彼女にそういって思い出話を締めくくった。
 別段笑い飛ばされてもかまわなかった。こんな話を信じられるはずもない。
「どうやって、その、そいつらから逃げ出したの」
 少し間をおいてから、彼女は言葉を選ぶかのように慎重にゆっくりと問い返す。
「物音に気がついた見回りの看護士さんが、引きずり込まれそうになっているボクを見つけてくれてね。『だれかいるの?』って声をかけられた瞬間に腕は消えて、それで助かった」
「麻酔とかで幻覚を見たってことはないの」
「その一回だけなら、そう思えたんだけどね。それからもいろいろな場所で腕が出てくるようになっちゃった。それに捉まれた足首にはしっかりと手の形に青痣が出来ていたよ。車イスにも何人もの手の跡が残っていたしね」

738 :学校、保健室、夜:04/11/06 18:45:41 ID:uVxb/Ba0
 肩をすくめて苦い笑みを浮かべる。
 志保はなんと言っていいのかわからないのだろう、怪訝そうでそれでいて曖昧な表情をむけて困った風だ。
 ボクがこんな冗談を言う人間ではないと言うことと、実際に腕を見て気絶までしていることが話に信憑性を持たせている。
 でも現実には有り得ない話であることも事実だ。
「さ、教室に戻ろう。大丈夫だって。隙間からしかあいつらは手を出してこない。それに襲われるのは一人になったときだけだし」
 彼女の手を握り精一杯の笑みで元気付ける。
 暗い雰囲気も握り締めた手から伝わるぬくもりの前では無力だ。
 保健室を出て扉を閉める瞬間、先ほどまで寝ていたベッドに目を向ける。
 予想通り無数の手がベッドの下から突き出ていた。
 ボクは腕に向かって舌を出して、保健室のドアをぴしゃりと閉めてやった。

739 :本当にあった怖い名無し:04/11/06 18:47:45 ID:uVxb/Ba0
尻切れトンボ。
続きは明々後日ぐらいだと思う。

740 :本当にあった怖い名無し:04/11/07 22:42:27 ID:iAF7pCZL
お、おぉぉぉ〜〜

一気に読んでしまいました。
怖くてのめりこめる文章を読むと部屋がパンパン鳴るんですが、あなたの作品でもでした。

次回も楽しみにしとります!

741 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:26:09 ID:/yNOuwdd

「ZOMBIE 〜ONE OF THE DEAD〜」(15)

反射的に引っ込めた鼻の先から、歯がガチンッと閉まる音が聞こえた。
「ひゃあああっ・・・!!」
わたしは間一髪で、女子トイレの扉を閉めた。
アケミ!?
アレは、アケミ!?
ドンッ!とドアに体当たりしてくる。
わたしは必死でドアにカラダを押し付け、開かないようにする。
カラダが震えて、扉を押さえる力が出てこない。
ドンッ!とまたぶつかってきた。
アケミ・・・
そんな、アレがアケミだなんて・・・
彼女は首を傾げるような格好で、ドアの隙間から覗き込んでいた。
白い膜のようなものに包まれた、焦点の定まらない虚ろな瞳で、わたしを探していた。
アレは、人間の眼じゃない。
唾液がいっぱい溜まっていたのか、ニチャッと粘っこい糸を引きながら、口を大きく
開け、噛み付こうとしていた。
わたしを・・・食べるつもりだったの!?
ウソよ。
こんなのウソよ。
ウソ、ウソ、ウソ、ウソ・・・
わたしは、変わり果てたアケミの姿が悲しくて、声を上げて泣いた。


742 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:28:00 ID:/yNOuwdd

アケミはなおもドアをこじ開けようと、ものすごい力でカラダを押しつけてくる。
ドアがやや開くと、そこに指を強引に入れてきた。
「アケミ!!やめてよ、アケミ!!やめてええええ・・・!!」
わたしの涙は、醜い姿で甦ったアケミに対する憐れみではなく、いつのまにか恐怖に
よるものに変わっていた。
彼女はやめるどころか、ますます力を込めていく。
こじ開けられつつあるドアの隙間から、焦点の定まらない眼が覗き込んでくる。
わたしを認識しているのか、よだれを出しながら紅い舌を踊らせていた。
『グホォ・・・オォオホォオォ・・・』
人為らざる声を出す口から、生臭い息が吐き出された。
『ヒヒヒッ・・・グゲッ・・・ヒイイイッ・・・ウヒャッ・・・イヒャヒィ・・・』
その声にはもはや、知能の欠片すら含まれていなかった。
「いやああああっ・・・!!」
自分の憧れていたヒトが、好きだったヒトが、醜い怪物に生まれ変わってしまったことに
ショックを受け、恐ろしさのあまり、わたしはパニックに陥った。
そのため愚かにも、ドアからカラダを離してしまい、背後の壁際にへたり込んだ。
瞬間、ドアが勢いよく開き、アケミが入ってきた。
が、急に抵抗がなくなったためか、ドアの脇にいたわたしの横をそのまま走り抜け、
そして血に濡れたタイルに足を滑らせて転んだ。
ビタ〜〜ンッという豪快な音とともに、派手に床を滑っていくアケミの姿を見て、
わたしは笑い声を立てた。
彼女が起き上がり、驚いた?と微笑みながら語りかけてくるような気がしたのだ。
しかし奇妙な呻き声を出し、振り向いた彼女は、やはりわたしの知っている、いつもの
アケミではなかった。


743 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:30:01 ID:/yNOuwdd

アケミは全身、血にまみれていた。
制服をすべて脱がされ、丸裸にされている。
ふたつの乳房は無残にも噛み千切られ、白い骨が赤黒い肉の間から、見え隠れしていた。
そして股間の大切な部分も同じように、ざっくりと齧り取られている。
オンナとしての証が、ことごとく失われていた。
こんな屈辱的な仕打ちをされた彼女は、しかしそれらを隠すことも許されず、恐ろしく
醜い姿で、校内を徘徊しているのだった。
あの知的で、美しかった大きな瞳は白く濁り、スラリと細長い首筋は、片側の肉と骨を
失ったためか、首をかしげた、というよりも、不自然な方向へと捻じ曲がっている。
あんなに綺麗な女の子だったのに・・・
彼女は呻き声を上げながら、ゆっくりと立ち上がっていく。
逃げよう・・・早くここから、逃げなければ・・・逃げなきゃ・・・逃げ・・・逃げな・・・
下半身をガクガクさせながら、女子トイレを脱出したわたしは、向かいの職員室に行く。
だが、その扉は固く閉じられていた。
先生たちが、向こう側から押さえつけているのだ。
「開けてください!・・・開けて!・・・ねぇ、開けてぇ!開けてよぉ!!」
半狂乱のわたしは懸命にドアを開けようとするが、ビクともしない。
ドアを開けることを諦めたわたしは、ドンドンッと激しく叩いて叫んだ。
「・・・助けて!助けてよ、先生!!・・・助けてええぇぇぇ!!」


744 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:32:20 ID:/yNOuwdd

泣き叫ぶわたしに、男性教師たちは怒鳴るように言った。
「ここはダメだ!早く階段から逃げろ!!」
女性教師たちのヒステリックな泣き声がする。
「先生!!入れて!!先生!!怖いよ!!助けて!!怖い、怖いよぉぉぉ!!」
職員室のなかでは、なにやら口論が始まったようだが、扉が開く気配はなかった。
やがて、キイイッ・・・と女子トイレのドアが、開く音が聞こえた。
ビクッとして振り向くと、アケミがヨタヨタと出てくるではないか。
『・・・ウォモォゲクボ・・・ヒャンナイ・・・オォ・・・イヒ・・・ヒョホハハハ・・・』
寝ぼけたような口調の、わけの判らない言葉を出すと、アケミは濁った瞳を瞬きもせず、
口をパクパクさせながら、わたしに向かって歩いてくる。
歩くといっても、早歩きといった感じで、けっこう速い。
だがその歩き方は、奇妙なものだった。
首をかしげているため、上半身は全体的に斜めになっており、わたしを抱きしめるつもり
なのか、両手を前に突き出し、指をひっきりなしに蠢かせていた。
足を一歩前に踏み出すたび、カラダが痙攣するかのごとく斜めに跳ね上がる。
ボキボキッ、ミシミシッという、痛そうな亀裂音が聞こえた。
死後硬直という現象に逆らって、強引に動かしているせいだ。
腰を左右に大きく振りつつ、ガニマタ気味の股間から紅いものを垂れ流している。
まだ体内に残っている、血の塊だった。
「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ・・・」
カラダの底から湧き上がってくる嫌悪感で、全身が総毛立っていた。
アレは、アケミなんかじゃない。
ちがう。
アケミじゃない。
そう自分に言い聞かせながら、わたしは震える足を動かし、その場から逃げた。


745 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:35:04 ID:/yNOuwdd

階段は、廊下の両端にひとつずつあった。
一番近い階段は、職員室とトイレの向こう側にある。
そこへ行くには、化け物になってしまったアケミのわきを、すり抜けなければならない。
それは嫌だった。
となると、反対側の廊下の突き当たりにある、もうひとつの階段まで行くしかなかった。
現場検証のためにとでも考えていたのか、廊下は血に濡れたままになっている。
アケミが漏らしている血のせいか、さっきよりもビチャビチャだった。
わたしは生臭い匂いのする道を、一生懸命に走った。
上履きと靴下は、職員室にいるときに、バケツに汲んだ水で英語教師が洗ってくれた
ので、いまのわたしは、裸足にスリッパという状態だ。
床の材質のせいか、乾いているように見えた血痕は、意外と滑りやすかった。
薄い膜を張った血の表面を踏むと、そのなかからドロッとしたものが押し出される。
粘り気のある血の塊のせいで、わたしはまるで初めてアイススケートをしているヒトの
ように、廊下を何度も滑って転んだ。
足の裏が汗でじっとりと濡れ、さらに下半身が震えていたから、なおさら足がもつれて
しまったのだろう。
床にへばりつくたびに、後ろを見る。
アケミに追いつかれそうで、怖くて見ずにはいられなかったのだ。
そして彼女は、わたしの予想通り、すぐ後ろにまで迫ってきていた。
自分では走っているつもりでも、実際には腰が抜けたようになっているので、アケミとの
差はたいして縮まっていなかったようだ。
わたしは転んだ体勢から、すばやく四つん這いになり、あわわっと間抜けな悲鳴を上げ
ながら、ひたすら前へと進む。
途中でなんとか立ち上がるが、何歩も進まないうちに、また転ぶ。
その繰り返し。
まるでお笑いコントのようだが、わたしは必死だった。
スリッパは、いつの間にか脱げていた。
鼻を刺激する血の匂いが、全身にまとわりついてくる。


746 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:37:20 ID:/yNOuwdd

何度か転びながら後ろを振り返っていると、職員室から顔を覗かせている教師たちと
眼が合ってしまった。
転びまくっている自分が恥ずかしくて、鼻水を垂らしながら、エヘヘッと照れ笑いをする。
教師たちもそれにつられて、にこやかに笑った。
そして急に真顔になるや否や、バツが悪そうに職員室のドアを閉めてしまった。
わたしは泣き笑いの表情で、今度はアケミを見る。
彼女は、ハアア〜〜ッ、フウウ〜〜ッ、とよだれを垂らしながら追いかけてくる。
『キョウコ、元気ないけど、なんかあったの?』
『ねぇ、今日の帰り、ちょっと買い物にでも行かない?』
『あはははっ、キョウコったらさあ、カラオケでいつもさあ・・・』
アケミと過ごしてきた日々が、走馬灯のように頭のなかを駆け巡っている。
それは、もうずっと昔の、懐かしい想い出のような気がした。
乳房を失い、大切なところまで噛み千切られた彼女はいま、わたしの真後ろにいる。
濁った眼をした彼女は、ガニマタで歩きながら、わたしを食べようとしていた。
これは夢?
そうよ、これは夢なんだわ。
だってこんなこと、本当にあるはずがないじゃないの。
眼が覚めたらベッドのなかにいて、ホッとしながらエミにおはようメールを送って・・・
そうだ、学校のみんなにも、この怖い夢の話をしてやろうっと。
アケミってば、自分がバケモノにされちゃって、怒っちゃったりして。
ふふふっ、早く眼が覚めないかなあ・・・

・・・ああ・・・夢ならば・・・これが本当に夢ならば、早く覚めてほしい。
お願いです、神様。
こんな怖い話は、全部夢にしてください。
・・・怖くて、怖くて、さっきから気が狂いそうなんです・・・

(・・・来週に続く)


747 :東京くだん ◆pxvKLXYkO6 :04/11/07 23:40:35 ID:/yNOuwdd

現在のスレタイは「zombie」「ゾンビ」と、検索には便利だけど、
なにをやっているのか判らないスレなので、「小説」「創作」という
キーワードを入れてみたらどうだろうか?

【小説】zombie ゾンビその10【創作】

まあ、スレちがいとか言われて、創作文芸板へ飛ばされてしまう
危険性もあるが。

>>739さん

深夜の建物は怖いよな。
病院、学校、会社、無人の駅のホーム。
人間は知能が高いから、闇に空想の敵を生み出して怯えるけど、
自分たちを守る建物にすら、恐怖の片鱗を見つけ出してしまうなんて
業が深い動物ともいえる。
別の見方をすると、世の中には闇に生きる異形の生き物が本当に存在していて、
それを本能的に感知しているのかもね。

ううっ、今度はsage機能がOFFになってるじゃんか。
過去ログあぼんといい、コテ記憶機能OFFといい、なんか専ブラの調子が変だな。


748 :本当にあった怖い名無し:04/11/08 02:43:41 ID:R7/ca1EA
>転びまくっている自分が恥ずかしくて、鼻水を垂らしながら、エヘヘッと照れ笑いをする。


なんかこの辺がもの凄く可哀想な感じでたまらんなぁ
誰か助けてやって欲しいが、自分の命が掛かると難しいのかな
キョウコまで死んで欲しくないな…それにしても、くだんさんは良いところで区切りますね

749 :本当にあった怖い名無し:04/11/08 21:13:52 ID:4mlGj7wi
ここ名無し何匹くらいが読んでんの?
70%くらい自演なようにも見えるんだが実際どうなんだおまえ。

750 :本当にあった怖い名無し:04/11/08 22:57:43 ID:ZqYWMnoR
>>749
なんでそう思うの?

751 :本当にあった怖い名無し:04/11/08 23:46:23 ID:sb/fs2QK
読んでるけどレスしてないよ

752 :本当にあった怖い名無し:04/11/09 00:23:18 ID:lh3l32Up
自演じゃないのが分かるのは作家さんだけだな。
俺は偶に感想書いてるよ。

753 : ◆dve/1Ebaqs :04/11/09 18:57:11 ID:/u/W4Of5
自演だったらもっとID変えていっぱい感想つけるんじゃないかな?
>>738の続きは明日には貼れそう。
でも現在477kbだから新スレが立たないとマズいかな?

754 :夜、教室、暴露 ◆dve/1Ebaqs :04/11/10 02:18:01 ID:ge54Clcy
 学際準備用の教室に戻ったボクと志保を迎える雰囲気はひどく居心地の悪いものだった。
 一瞬だけ向けられた視線は返事を返す暇も無くあちらこちらへと霧散し、あまりの様子に言葉を発する機を逃してしまった。
 作業を手伝おうと近づくが、歩み寄った相手はみな一様に黙々と手元を忙しく動かし始めてこちらの相手をしようとしない。
 やりすぎたことへの後悔と反省ではない。忌々しげな敵意が感じられる。
 何があったのか問い掛けようにもだれも顔を合わそうとせず、そのくせ正面以外からは痛みすら感じるような視線で射抜いてくる。
 ボクは志保を手近な女子グループのほうへと何気なく押しやり、教室の空気を変えた張本人へと足を向けた。
 何をすると言うことも無く壁際に積み上げた机に腰をかけ、そいつは蛇のような嘲笑を浮かべている。
「森山クン、ずいぶんと機嫌がいいみたいだね。いつも以上に薄ら笑いが似合ってるよ」
 先ほどの腕騒ぎの首謀者で日頃から意味なく突っかかってくるその男は、ますます白痴じみた表情で楽しそうに答えた。
「あんなのでびびって気絶したお前がおかしくてな。すげえ顔青くして倒れやがって。今時幼稚園児でもああはならねーよな」
 予想通りの悪罵に怒りが込み上げる。こちらの様子に興がそそられたのかさらに森山は悪意を垂れ流し続ける。
「大げさな演技かまして、忙しい中一人だけ保健室で休めて羨ましいぜ。下手すりゃ出し物が潰れてたんだぜ?
 必死に準備しているこっちは説教されてて、お前はぐっすりとご休憩かよ。時間もあんまねえってのによ」
 ――そういう筋書きか。大方教師の巡回時間にあわせて気絶するよう仕向けたのだろう。
 お化け屋敷の準備の遅れで苛ついているところに、タイミング合わせで中身を知っているのに気絶して休む男子生徒。
 傍からはサボりか嫌がらせにしか見えない。しかも夜間仕事が増えて気が立っている教師からの説教つきだ。
 ボクの沈黙を臆しているとでも取ったのか、森山は赤黒いメーキャップを残したままの両腕を見せ付けるようにして肩をすくめる。
 こちらは軽く細めた瞳に侮蔑をこめてただ黙っていた。
「少しは謝ったらどうなんだよ、「死神くん」? だいたいよぉ、頭のおかしなやつが学校に来るんじゃね―よ」

755 :夜、教室、反撃 ◆dve/1Ebaqs :04/11/10 02:20:35 ID:ge54Clcy
 弄うように右手の甲で頬を叩く。それでも反応しないのに安心したのだろう。ついに目的の言葉を口にした。
「お前さー仲間見殺しにして、そいつらの幽霊が見えるって言い出して入院させられてたんだろ。前の学校それで辞めさせられて
 こっちに逃げてきたんだよな。周りを身代わりにして自分ひとりだけ生き延びたなんて気持ち悪すぎんだよ。知ってんだぜ。
 病院のトイレで幽霊見て小便漏らしたんだって? 腕に襲われたとか言って泣きがはいってたって聞いたぜ」
「腕が怖い? 面白すぎんぞ、びびりが。毎朝自分の腕見て漏らしてんでちゅか、ぼ〜く〜ちゃん?」
 そこまで聞けば十分だ。その間抜け面は一生分拝ませてもらった。これ以上耐える理由は無い。
 ボクは得意満面の森山に微笑みかけ先ほどのやつと同じように肩をすくめる。と同時に、その喉に右腕を伸ばし吊上げてやった。
 あの日から鍛錬を欠かしたことは無かった。あらゆる隙間から突き出す腕たちをねじ伏せるにはやつら以上の腕力が必要だった。
 教室が一瞬前までと全く異なる沈黙に包まれる。敵意と薄気味悪さの混じった視線は恐怖と驚愕に染め直されていた。
 ボクは床の上に森山を投げ捨て、間髪いれずその背を踏みつけることで逃亡と無駄な口上をさえぎる。
「どこで聞いたかは知らないけどずいぶんと物知りだね。でもいくつか間違えているようだから本人の口から説明してあげよう」
 我ながら随分と冷静な口調だ。突き抜けた怒りは逆に精神を冷ますのかもしれない。
 背に乗せた片足に力をこめながら、教室を見渡すとみな凍りついたようにこちらを凝視している。志保とは視線を合わせなかった。
「入院したのは怪我が原因。脳の検査で少し延びはしたけどね。転校したのは前の学校でもお前みたいな馬鹿がしつこかったからだ。
 幻覚は運良く用を済ませてから見たから、この年で漏らさずにすんだよ。それと腕の幽霊についてだけどね。
 確かに幻覚かもしれないね。腕そのものはボクしか見ていないし、痣や手の痕なんて幾らでも偽造できる」
 傍らに立てかけてあったのこぎりを拾い、もがく守山の肩に押し当てる。

756 :夜、教室、反撃 ◆dve/1Ebaqs :04/11/10 02:25:11 ID:ge54Clcy
「下手に動くと痛いと思うよ。とりあえずおとなしくしていた方がいいと思うな。でも、まあ、痛いのはそっちだからどうでもいいか。
 うん、利口だね。君はおとなしくしていた方が幸せになれるタイプだ。いつもこう素直なら助かる」
 押し当てられた刃物の感触に暴れる同級生に、体重をかけてしゃがみながら囁く。
「話を戻そう。ボクが見続けている『腕』は文字通り腕しかなくてね。体がついてる状態じゃ怖くも何とも無い。
 弱点を見つけて有頂天になっていたところ悪いと思う。でもボクは隙間から這い出てくる腕たちが怖いんだ。
 だから、お詫びというほどのことじゃないけど、ボクが気絶するほど怖がっている姿の腕にしてあげるよ」
 乗せたままの右足で動きを封じ。
 左腕の肩関節を極めながらのこぎりを上腕部にそえて。
 
 ――挽いた。


以上です。
すーぷらったぁ、すぷらったぁ。
鋭くない刃物はホラーの基本です。錆びた刃を見せつけて長引く苦痛あたりを想像させるのは基本です。
順調に主人公のボクが壊れていってます。書いているほうは不思議です。
次のシーンはとうとう『腕』に襲われる山場です。
もちろん腕だけゾンビだけじゃなく、まるごとゾンビも出す予定ですのでお楽しみに。

そういえば新スレはどうしましょう?

757 :本当にあった怖い名無し:04/11/10 05:26:12 ID:WFxrjXc+
巡査物語さん、サンゲリアさんカムバックギボン

758 :本当にあった怖い名無し:04/11/10 13:08:01 ID:ZGOY7Jwk
そういや少女のやつとか魔術のやつはどうしたんだ

759 :本当にあった怖い名無し:04/11/10 16:55:39 ID:OZduOQ5z
「ボク」かっこいいな

760 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/11/10 19:10:27 ID:WJAvAdf5
 一度、来た道を戻ったオレは、岩槻のインターから高速道路にダンプを進めたのよ。・・・何でも学者先生は、
T大の医科学研究所とかに立てこもってるらしくて、場所は品川の白銀台なんだとよ。
 なにしろ下道は、放置された自動車やゾンビ野郎で一杯だろうし、ここからなら東北道から首都高に乗っかってくのが
一番よ。
 ホントは自衛隊の奴等のヘリコプター使って、空から救助して貰うのが良いんだろうが、あっちこっちが、こんな状況じゃ、
奴等も手が廻らねぇだろうなぁ。
・・・くよくよ考えねぇで、手っ取り早くやれそうなことを、やっちまうのがオレ様の主義だから、誰も居ねぇ浦和の料金所を
突破して高速をどんどん進んでった。
 そうは言っても、野郎どもはどこにでも現れる。・・・大破した車の影やら、ぶっ壊れた防音壁の隙間なんかから、
たまぁに何匹か、お客さんが寄って来やがるのよ。
 でもよ、オレが朝っぱらに苦労して取り付けたダンプのバンパーのH鋼材は無駄じゃ無ぇぜ。・・・跳ね飛ばされた奴は、
半身不随、鋼材に引っかかって落っこちネェ奴は、止まってる乗用車とのサンドイッチで上下分断にしてやった。
 高架の高速から見える景色じゃ、生きてる奴等もかなり居るみてぇで、ビルの屋上から煙が上がったり、布にペンキで
「SOS」って書いてある垂れ幕を下げてる建物も見えた。
 ・・・助けてやりてぇのは山々なんだが、こちとら先を急ぐ身の上だから、何にもしちゃやれねぇ。まだ通じる無線で
所沢の奴等に、その場所を教えるのが精々よ。
 自衛隊のヘリが、運良く通りかかってくれるまで、どうにか生き残ってりゃ良いんだが・・・。
 首都高速も、最初のうちは障害物も少なくって結構距離も進んだんだが、都内に入った頃から道路を塞ぐ車が増えて
来やがった。
 なにしろ高架2車線の首都高じゃ、車線をふさがれたら逃げ場も無ぇから、オレも用心してたんだが、遂に大渋滞に
填っちまった。・・・しかも、絶対動きそうもネェ渋滞車両の向こう側から、ゾンビ野郎がうろうろ近づいて来るから参ったぜ。

761 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/11/10 19:12:53 ID:WJAvAdf5
 仕方なしにオレは、ダンプをバックさせながら、首都高の千住新橋のランプまで戻って行ったのよ。
 ・・・高速の入り口をバックしながら下って行ったのは初めてだったから、料金所のバリケードをぶっ壊しちまったが、
怒る奴はここらには居ねぇだろ。
 でもよ、下道にもゾンビ野郎の団体さんが、待ちかまえて居やがるのよ。
 いったい何匹のゾンビ野郎を引っ掛けたか判からねぇが、奴等の肉片にスリップしながらも、何とかそこを抜け出して
国道4号線に乗り入れた。
 荒川に掛かる千住新橋の上には、自衛隊のトラックがひっくり返って止まってた。・・・戦闘でもあったんだろう。
爆破された車両の破片や、弾の貫通痕だらけの乗用車が歩道にまで乗り上げてる。
 破片でも踏んでタイヤがパンクしたら詰まらねぇから、オレもダンプをゆっくり進めたんだが、自衛隊のヘルメットやら
背嚢袋まで落ちてるから、防戦側も相当な被害が出たんだろう。
 奴等の機関銃でも落ちてりゃ使えると思ったんだが、そんなにうまい話は無かったぜ。
 隅田川を渡って荒川区に入った頃には、正面からのお客さんも増えて来た。・・・野郎共のしつっこさには、
まったく嫌気が差して来る。・・・向かってくる奴は踏み潰しながらダンプを進めるんだが、奴等を踏み潰すたんびに、
嫌な音を立てて車体が跳ねるから、こっちも神経がどうにかなっちまいそうだ。
 そうこうしてるうちに、台東区の下谷警察署の前あたりにやってきたんだが、ゾンビ野郎の大群が道一杯に広がって、
いよいよ危なくなってきた。
 「こりゃ、やべぇ。」と思った瞬間、突然反対車線の道路が爆発しやがった。
 野郎共が何匹か吹き飛ばされて、ダンプのフロントウインドウにまで奴等の千切れた破片が降ってきた。
 次の瞬間、ダッダッダッとドラム缶を勢いよく引っぱたく音が聞こえてきたかと思うと、何匹かのゾンビ野郎が尻餅つくように
ひっくり返ったのよ。
 オレにも判ったぜ。・・・ありゃあ、自動小銃ってやつの音だ。・・・どこかに生き残ってる奴が居るんだよ。

762 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/11/10 19:14:22 ID:WJAvAdf5
 小銃の射撃音は、どうやら警察署の建物の方から聞こえてくるのよ。
 オレは奴等に囲まれねぇようにダンプを運転しながら、誰とも知らねぇ連中にホーンで合図を送った。・・・警察署の
建物は下り車線にあるから、遠くて良く聞こえねぇんだが、人の怒鳴り声が聞こえてきたぜ。
 やっぱり、生きてる奴が居るらしい。・・・そいつが噛まれてなければ、なお良いんだけどよ。
 さぁて、何とか助けてやりてぇンだが、警察の前には何十匹ってゾンビ野郎がたむろしてるだろ。敷地の中だってどんだけ
居るか判からねぇ。・・・ダンプで突っ込んで行っても、出てこれる保証は無ぇよなぁ。
 オレはゾンビ野郎がダンプに取り付かれねぇように注意しながら、警察署の前を通り過ぎるとき建物をよく見たんだが、
三階の窓が開いてて、自衛隊のヘルメット被った奴が手を振ってた。
 オレもダンプの窓を細めに開けて、「助けてやるから、待ってろ。」って怒鳴ったんだが、向こうに聞こえたかどうかは
判らねぇな。
 横に乗ってる姉ちゃんが、「どうやって助けるんだ。」って聞きやがったが、いい考えなんか浮かばねぇよ。・・・とにかく、
警察署の裏側に回り込もうと思って昭和通りを右折したのよ。
 そんで、金杉通りの交差点を戻るつもりで、もう一回右折したら角のガソリンスタンドに使えそうなモンが見つかった。
そいつは黄色い貝殻マークを横腹にくっつけた大型のやつで、どうやらスタンドへ配送中に店員もろとも運転手が
どっかに行っちまったらしい。
 そいつの後ろに掲示してある積載物の表示は「ガソリン」、「軽油」って書いてあるから、こいつは使えるってピンと来たのよ。
けどよ、あれを動かすにしても、またこっちのダンプを姉ちゃんに運転して貰わなきゃならねぇだろ。
 それで、オレは姉ちゃんにオレの考えを伝えたんだが、「危険すぎてダメだ。」って言いやがる。・・・そのうえ、「オレには
自分と娘っ子を安全なところまで連れて行く義務が有るから、無茶するんじゃネェ。」とまで言い出しやがるから、
オレも頭に来て「お前ら、降りるか?。」って聞いてやったのよ。
 本心じゃ無ぇのは判ってるだろうけど、それで何とか姉ちゃんも了解してくれたぜ。

763 :おやじ ◆bP7aENzd7c :04/11/10 19:16:01 ID:WJAvAdf5
久しぶりの書き込みだなぁ。
時間が無くて、なかなか書けねぇから、この次はスレが変わってるかもな。
んじゃまた。

764 :本当にあった怖い名無し:04/11/11 01:08:10 ID:MPNTweRk
乙です。そろそろ次ですかな

765 :本当にあった怖い名無し:04/11/11 04:16:25 ID:D00wqTNl
挽いちゃうのか?

766 :ちえんぶらっど:04/11/11 15:26:26 ID:RgLyuWc3
すべては回り続けるチェーンだ。俺も、お前も、空も大地も、この世の中すべてが。
吹き付ける風にもチェーンを感じる。
狂ってしまったこの世の中も、やはりチェーンしている。


しぶきかかる血と脳漿をかわす。正面のゾンビから抜き放った相棒を男は胸に引き寄せた。
それは愛しげにため息をついて男の懐へ帰ってきたことを喜ぶ。だがまだ終わってはいない。
後ろに迫ったゾンビめがけて間髪いれず、体を反り返らせ反動のスピードを利用した相棒の刃を叩きつけた。
神業ともいえる流れるよう斜め上空からの斬戟。チェーンソー術式第3の型が華麗に決まった瞬間だった。
チェーンが通過してもまだゾンビは襲おうとしてきたが、少しずつ体が斜めにずれ始める。
最後まで自身がどうやって袈裟切りにされたのもわからないまま、そいつは崩れ落ちていった。

767 :ちえんぶらっど:04/11/11 15:27:01 ID:RgLyuWc3
「・・・これで終わりか」カウボーイハットをあげて男は周囲を確認する。
ほぼ真上から重く乾いた光がのしかかる。灼熱地獄があるならばまさにここだ。
古い西部の町並みをかすかに残すゴーストタウンの広場には、およそ50体分のゾンビの肉片が転がっていた。
その凄惨な空虚にたたずむのは、くたびれきった革ジャンとジーンズの細身の男ただ一人だけ。
男の名はセス。昔はもっと長い名前だったが、いまではなんの意味もない。
両腰に小型のチェーンソーを下げ、ふしだらけの手に持つのは刃渡り1m以上の巨大なチェーンソー「相棒」だ。
厚手の革ジャンを着込んでいるにもかかわらず、そのハットの影からのぞく肌にはほとんど汗がみえない。
体中には血液や内臓の破片がこびりついていたが、セスは気にすることもなく無造作にぬぐった。
「・・・ひねったか」舌打ちして埃だらけのジーンズの左足をまくる。
その下に鈍く光る鉄の塊がみえる。頑丈そうなのが取柄だけの不恰好な義足だった。
セスは痛みをこらえ義足の位置を左右にひねってをなおすと、ザックからぬるいビールを取り出してのどに流し込もうとした。
と、背後から死に切れていない両腕のないゾンビが、セスの顔めがけて噛みかかる!
「!!」セスは瓶を上空へ投げ上げると、上体はそのままに両足を180度に開いてすばやく体を沈めていく。
チューンソー術式、拝復の猛弧の型。頭上を狙ってくる敵から見るとセスが突然消えたように写るだろう。
カウボーイハットを目深にかぶったまま、ハンドガードを中心に相棒をくるりと回してブレードの狙いを定める。
ゾンビの顎へ真下からするどい突き。ひと時の間をおいて「残念だったな」と、葬送の言葉をかける。
トリガーを引くと、ブルンと誇らしげに排気を噴出して相棒がいななく。肉を寸断する確かな手ごたえ。
そいつは顔の前部を失なうと、血を撒き散らしながら後ろへ倒れた。
再び血だらけになったセスは何事も無く足のばねだけで一息で立ち上がる。
そして落ちてきたビールを見もせずにキャッチすると、あごをそらして飲み干した。
「・・・」しばらく時が止まったように微動だにしない。傷だらけの首筋を汗が一筋流れ落ちる。
セスはおもむろに大きくゲップを放ってつぶやいた。
「・・・まずいぜ」

768 :ちえんぶらっど:04/11/11 15:43:22 ID:RgLyuWc3
なにがまずいって、文章がまずい・・・モウダメポ_| ̄|〇illi

769 :本当にあった怖い名無し:04/11/11 17:32:31 ID:jLGfukVx
>>768
そんなことないですよ
こんな時間にupしていただいてじっくり読ませていただきました
続きも是非お願いします

770 :本当にあった怖い名無し:04/11/11 18:18:38 ID:zUkuRlLm
こおった湖のほとりを、ひとりの男があるいていました。
かれは寒そうに、毛皮のコートのまえをぎゅっとひきしめて、ふううとしろい息を吐きながら、
なにもない雪のうえをただただあるいてゆくのでした。

かれはするどくとがった、たかい木の立ちならぶ、うすぐらくふかい森のなかをすすんでいきました。
きつねも、鳥も、いきものの声ひとつ、聞こえてきませんでした。なんの音も、しませんでした。


771 :本当にあった怖い名無し:04/11/12 00:56:03 ID:rOYAF4dd
>>768
いやいや、カッコええ!


772 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:08:58 ID:ywDVpt8s
 「お父さん、これからどこへ行くの?」
 幌の中から聞こえる幼いキャシーの不安げな声にダンは
返事を返せなかった。
 だまったまま痩せた馬の背中ごしに前方を眺める。そこに映るのは
ただ荒れ野のみ。
 熱風にさらされひび割れた大地に希望はどこにも見えない。通り過ぎてきた
場所にもなかった。
 「また、おっかないゾンビに会わないよね?」
 何も答えない父に不安になったのか、キャシーが顔を出してたずねた。
 「ああ、大丈夫だよ。今度はお父さんがやっつけてあげるから」
 にこやかに娘に返事をかえすも、ダンの心の中は不安に渦巻いていた。

 この前まで、ダンたちが平和に暮らしていた山あいの土地は、
ゾンビの襲撃で崩壊した。
 そこはまずしい土地ながらも作物を収穫することも出来、5家族ほどで
平和なコミュニティが作られていた。
 守るのは時代で鍛えられた男が8人。武装は貧弱だが、大抵の襲撃には
傷ひとつ負わない強い男たちだった。
 だが、一週間前の早朝、見張りをしていたアルフの絶叫で飛び出したダン達は、
目の前で首を引きちぎられるその姿に戦慄した。
 襲い掛かってきたソンビたちは信じられないことに、いままでみたことも無いような
すばやい動きをしていたのだ。
 ゴリラのように半ば四つんばいで走りまわり、家畜にすばやく襲い掛かる。
腕が異様に太く、小木をひき抜けるほどに力が強い。いままでみた事もない光景だった。
 なお目を疑う事に、そのゾンビ達はまるで音というものを立てなかった。
見張り役だったアルフが自身の断末魔でしか警告できないくらいに。
 男たちはそれぞれ武器をもって果敢に立ち向かったが、人間以上に機敏に動くゾンビと
その怪力に翻弄され、一人、また一人と餌食になるほかなかった。
 ダンは敵わないとさとって住民全員に警告を発しながら、自身も眠るキャシーを腕に抱えて
必死に馬車で逃げ出したのだった。


773 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:16:14 ID:ywDVpt8s
 「マイクとベスとマリア、だいじょうぶかなぁ?」キャシーは荷台から
足をぶらぶらさせて不安げにつぶやく。
 ダンが最後に見た時、キャシーの友達のマイクとベス兄妹がいるファーガソン家も、
マリア・バンデラスの住む家も、共にゾンビに包囲されていた。
 とても助けられる状況ではなかった。
 ダンの心のなかでは、見捨ててしまった命に対して悔恨の気持ちが渦巻いていたが、
 「ああ、元気でピンピンしているさ。また会ったら遊んでもらいなさい」と努めて
あかるく言うほかなかった。

 突然、馬がいなないて前足をあがかせる。ダンは馬車を必死に操って転倒をまぬがれた。
 「ドゥドゥ、どうしたんだ?蛇でもいたか?」馬をなだめて落ち着かせる。
 だが、馬はしじゅう足踏みをして恐怖を現したまま、鼻息を荒げて落ち着く様子がかない。
 「キャー!!」幌の中からキャシーの悲鳴がひびく。
 ダンは錆びの浮いたショットガンを掴みあわてて幌の敷居を開けた。
 ダンの目の前には怯える娘の姿、そしてその向こうに幌馬車をめがけて向かってくる
4つ足のけものの群れ。
 「しまった!!」ここはゾンビ犬のテリトリーだったことを失念していた。
 キャシーを腕にかき抱き、馬車の後方から向かってくる犬の群れにショットガンを振り向ける。
だが黒波のようなゾンビ犬の群れにはなにもならないだろうと悟り、運命を呪った。
 「だめか・・・っ!!」
 ダンは自分自身のことよりも、胸の中の娘を思って硬く目をとじた。


774 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:23:11 ID:ywDVpt8s
 ギャン!キャワ!!
 ゾンビ犬の悲鳴が耳にとどく。
 「?」いぶかしく思ってダンが目をそろそろと開けると、ショットガンの照星の向こうに
細身の人影がみえた。
 その男は凶暴なゾンビ犬を近寄せないように、たやすくつぎつぎと蹴りつけている。
 男の革ジャンとジーンズは風雨に晒されて汚れ、血を浴びたかのごとく赤く黒光りしていた。
頭上にはつばの広いカウボーイハットを目深に被る。
 異様なことに、人一人で持ち上がりそうにない巨大なチェーンソーを無造作に肩にかけていた。
 こんな荒野をどうやって歩いてきたのだろう、なぜか小さなザックしか身に着けていない。
 腰につけた太い皮ベルトの両側には、拳銃ではなく刃渡り30cm程のチェーンソーが
ぶらさがる
 ダンの脳裏に行商人から聞いた噂話がよみがえる。あのとても信じられない話の。
 「マスターチェーンソーだ・・・、ほんとうに実在していたのか・・・」ダンはその人影に
目を見張ったままつぶやいた。

775 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:24:22 ID:ywDVpt8s
 マスターチェーンソー。チェーンソー術免許皆伝者。
 チェーンソー武術は古来より伝われてきた数々の武術が統合した究極の一である。
 それは時代が求めたゆえに結実した果実であった。
 この時代の、ゾンビにひとたび噛まれると死に直結する戦いは人類にとって消耗戦だった。
 銃器や火器は非常に有効であるものの、新たに供給されるはずもなく、使い切れば
それは死につながる。
 剣や刀などの刃物で応戦する者もいたが、人間の体はやすやすと切断できるものでもなく、
同時に攻撃されればなすすべもなかった。
 そこで必然として求められた武器は、本来武器ではなかったチェーンソー。
 使い慣れた人間が扱えば、その威力は人の胴体はおろか硬木までも瞬時に断つことができる。
 そしてそれを効果的に使いこなすため、各武術の達人達が著したものが
「チェーンソー秘伝絵巻(上巻)」である。
 だが、これを書き下ろした武人たちは、自身でその修行にはいったものの、誰一人として
マスターすることはできなかった。
 なぜならば、その修行は危険を極め、一度でも失敗すれば五体満足ではいられないからだ。
 破断せよとむせび啼く凶器はつねにチェーンしつつ震える。少しの振動が自身を傷つけて
しまうその緊張に人間は耐えられるものではなかった。
 そのために人にはマスターできるものではないと、門外不出の封印をされたハズであったが・・・

 いつのころからか、人々のなかで放浪のチェーンソー使いの話が噂されるようになった。
 いわく、瞬時に100体ものゾンビを倒したとか、
 いわく、弾よりも早く動ける体の持ち主だとか。
 ダンはむなしい希望が生んだ英雄崇拝としか思っていなかった。いままでは。
 いま、あの凶暴なゾンビ犬の群れを目の前にして飄々と立つ男の姿をみると、
なぜか信じざるをえなくなってくる。
 自分がその人物にショットガンの照準を合わせたままにしているのも忘れて、
ダンは目を張りつづけた。


776 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:25:38 ID:ywDVpt8s
 ゾンビ犬たちは急に出てきた人間に、爛れた脳が意識できる程度には
不可解さを感じ取った。
 こんなに不用意に群れの真ん中に立ち入ったエサはいままで無かったからだ。
 だがエサはエサ、二本足の生き物はうまい。犬の全身が肉を食せよと命じてくる。
 本能の赴くまま、群れはいっせいに大地を蹴った。

 輝く閃光が二筋の軌跡を描いた。まぶしく照りつける日差しよりもきらめく。
 男にとびかかったゾンビ犬は一瞬滞空したかと思うと、尽く地面へ打ちつけられる。
すべの犬の首と胴体が離れていた。
 それはまさに電光。
 落雷のようなエンジンの響きが今更ながら耳に轟く。
 自分の見た光景が信じられず、ダンは惚けたまま身動きもできなかった。
 「・・・ふん、犬、か・・・」カウボーイハットの下で男がぼそりとつぶやく。
 ゾンビ犬はいまの光景が理解できていないらしく、唖然としたように男を遠巻きに
眺めるだけだ。


777 :ちえんぶらっど:04/11/12 13:26:32 ID:ywDVpt8s
 しばし奇妙な停戦状態のなかで、巨大なチェーンソーのアイドリング音だけが響く。
 チェーンソーを肩に戻して男がゾンビ犬の群れをひととおり見渡した。
 「・・・こいよ」そう言って左手で侮蔑のジェスチャーを作る。
 その意図が理解できずゾンビ犬たちがいぶかしそうに思ったように見えたが、
次の瞬間、思い直したかのごとくいっせいに男へと牙を剥いて疾った。
 その津波のような同時攻撃に飲み込まれる寸前、男は片頬で笑みをうかべて
チェーンソーのスロットルを最大に噴かしあげる。
 ダンにはそのエンジン音が巨大なチェーンソーの血に飢えた咆哮のように聞こえた。
 カウボーイハットの男が両手でブレードを天に突き上げ鬨の声をはなつ。
 
 「レッツ、チェーンリアクション!!」


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