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山の炭焼き小屋
- 136 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/12/28 21:22:56 ID:eNtXvmie
- 知り合いの話。
大学での研究のため、仲間三人である山系に入山することになった。
麓に丁度使われなくなった小屋があったので、持ち主を探し出し
「活動拠点として使わせてくれないか」と頼み込んだ。
持ち主は初め渋っていたが、やがて彼らの熱心さに負けたのか許してくれた。
ただ注意として、奇妙な言葉を告げられた。
「鍬が仕事を始めたら、すぐに山を下りなさい」
意味がわからなかったが、それ以上詳しくは教えてくれない。
気にせず、計画を立て入山したという。
小屋は少し荒れていたが、十分宿泊に耐える物だった。
気になって鍬を探してみたが、どこにも農具の類いは置かれていなかった。
現地での調査は順調に進んでいたそうだ。
山に入って一週間くらい立った、ある晩のこと。
知り合いは、微かな音に目を覚ました。
・・・ザック・・・ザック・・・ザック・・・
何か土でも掘っているかのような音だ。
やがて音は聞こえなくなり、彼は再び寝入ったという。
翌朝、仲間が小屋の後ろで小さな叫び声を上げた。
大人一人がすっぽりと入る程の大きな穴が、いつの間にかそこに掘られていた。
穴の数は三つ・・・丁度、仲間の頭数分だった。
皆が、例の鍬の話を思い出した。
何が起こっているのかはまったくわからなかったが、嫌な予感がする。
すぐさま下山したという。
結局、彼らは何回かに分けて短期入山し、目的を果たしたということだ。
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