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【古今】暗黒の文学館二号館(再建)【東西】

1 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/11 08:36:35 ID:gvl1O8rE
「人類の最も強烈な感情は、未知のものに対する恐怖である。」
−ハワード・フィリップス・ラヴクラフト『文学における超自然』

前スレッドをご愛顧いただきまして、まことに感謝申し上げます。
怪奇・幻想文学にロマンを求める方々、今年もじっくりまったり
でよろしくお願い致します。

※再建です。よろしくお願い致します。

2 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/11 08:39:54 ID:gvl1O8rE
ダグラス・E・ウィンター編「ナイト・フライヤー」(新潮文庫)

’88編。収録作品は以下の通り。
S・キング『ナイト・フライヤー』(1)/P・ヘイルズ『昼食に女性を』(2)/D・エチスン『血の口づけ』(3)
C・バーカー『魔物の棲む路』(4)/T・テッシアー『餌』(5)/J・M・ハリスン『パンの大神』(6)
D・マレル『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』(7)/P・ストラウブ『レダマの木』(8)
C・L・グラント『死者との対話』(9)/T・リゴッティ『アリス最後の冒険』(10)/R・キャンベル『このつ
ぎ会ったら』(11)/W・ストリーバー『プール』(12)/J・ケイディ『暗黒を前にして』(13)

ホラー評論家・書評家のウィンター編纂の、当代きってのモダンホラー作家たちを集めた
作品集。超大御所から本邦では初訳出となる新進まで、実験作も含めて力作ばかり
なのですが、やはり表題作である(1)をはじめ、ベテランの作品群にずば抜けたものが
多い。特にマレルの(7)は名のある短編賞を受賞した、本作品集のみならず、モダン
ホラー史上に残るであろう屈指の作品。不遇の画家が晩年描いた作品に込められた戦
慄の秘密を追っていく作品なのですが、短編にもかかわらず二度三度と畳み掛けてくる
恐怖、匠の筆力には感服します。変則吸血鬼ものの(1)、カオ○シを想像させるモンスター
が登場する(4)、異なったアプローチで「子供」を描いた(8)(12)などどれも捨てがたい名作
揃いの逸品です。ウィンターの優れたエッセイも一読の価値ありです。(絶版)



3 :新参者 ◆1BoyUhe6Ns :05/01/11 12:59:13 ID:YBSUhD0k
スレ立て直後は、dat落ちを防ぐために、レスを多めにつけておいたほうがいいですね。
オカルト板は新規スレッドが毎日いくつも立つので、レスが少ないと、恐らく落ちやすいのでしょう。

前スレッド
【ぼっけえ】暗黒の文学館【きょうてえ】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1059377824/
【古今】暗黒の文学館二号館【東西】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1104793485/

4 :本当にあった怖い名無し:05/01/11 15:32:27 ID:3p2oBtAe
お、二号館気がつかなくてごめんなさい。
再建、おめでとうございます。
前スレの、恐怖館主人様や新参者様のレビュー、
とても参考になりました(まだ手に入れていない作品もありますが)。
これからも、よろしくお願いします。
いろいろ教えてください。

5 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/11 17:44:33 ID:gvl1O8rE
>>3
ありがとうございます。休み挟んだだけでDat逝きとは…
>>4
こつこつ参りましょう。ぜひレビュー等ありましたらお願いします。

6 :本当にあった怖い名無し:05/01/11 22:29:59 ID:XaO13BOh
御茶漬海苔みたいな名前の1さん、おつです
HPL好きとしてageさせていただきます

7 :前スレよりコピペ:05/01/12 00:27:11 ID:xEg9/Yw+
6 名前:恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM 投稿日:05/01/05 08:40:51 ID:/LfMnjwa
ブリジット・オベール「ジャクソンヴィルの闇」(ハヤカワ文庫HM)

’94の作品。アメリカ南部の小さな町、ジャクソンヴィル。ジェムとローリーはゴキブリ
の異常発生というケチがついたにもかかわらず、夏休みの到来に浮き足立っていた。
しかし平和そのものに見えた町にそぐわない、むごたらしい殺人事件が起こる。あち
こちを喰い裂かれた死体についていたのは「人間の」歯型。ただならぬ事件に町全体
が興奮と不安に包まれる中、第二、第三の惨殺事件が続発する。そこらじゅうに群れ
るゴキブリと、そして跳梁する不気味な影。なすすべない住民たちを嘲笑うかのような
怪奇現象のヴォルテージが最高潮に達したとき、ジャクソンヴィルとその住民に秘め
られた驚愕の事実が明らかになり、平和な町は地獄と化す!フレンチ・ミステリ界の
女流が、ホラーマニアとしての一面を遺憾なく発揮した衝撃作!!

以前このスレッドで紹介されました「ジャクソンヴィルの闇」です。フレンチホラーは不
案内なのでオベールのポジションがよくわからない。ゾンビ物定石のストーリー展開
の始末として、作者の見せ場であるはずの謎解きの部分がどうにも肌に合わない
というか、アングロサクソンスプラッタを読みなれた者としては非常に違和感のある
設定。スプラッタにファンタジー風味の真相という何だかてんぷらとスイカのような
食い合わせのような、消化不良のスカッとしない真相。着想・演出はいいと思うので、
死後の世界どうとかに逃げずに現実路線で走らせれば、ね。〆はむしろ定石どおり
でキレイに決っているのですが、謎解きの部分がね…。前半部分はサクサク読めて
ここからどう落とすかなと期待したのですが…


8 :前スレよりコピペ:05/01/12 00:28:21 ID:xEg9/Yw+
7 名前:恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM 投稿日:05/01/05 08:41:35 ID:/LfMnjwa
ルース・レンデル「殺す人形」(ハヤカワポケットミステリ)

'84の作品。顔に醜い痣を持ち人付き合いを避ける姉ドリーと、魔術師になることを目指
す弟パップ。二人とその父親は、やや内向的ながら穏やかな日々を送っていた。しかし
突然の父の再婚により家族の生活は一変する。ドリーとパップは魔術で継母に罰を与
えようと儀式を行い、偶然か必然か継母はその日のうちに絶命してしまう…その結果
に魔術への熱が冷め、大人としての自我に目覚め始めたパップと対照的に魔術の魅
力に憑かれ、ますます内向的になっていくドリー。そしてもう一人、トラウマを抱えなが
ら家族から爪弾きにされ孤独の底で彷徨う青年ディアミット。膨らんでいく被害妄想に
苦しむ彼は別の人格に逃げ道を見つけ、ついには殺人まで犯してしまう。
妄執の泥沼の中に嵌まり込んでいくドリーとディアミット。二人がもがき苦しんだ果て
に辿りついたのは…英国ミステリー界きっての女流が描く、孤独な魂の破滅を描いた
沈鬱なサイコホラー。

このストーリーの登場人物に共通する、孤独、コンプレックス、トラウマ。俗に「シリアル
キラー」と称される「怪物」たちの過去を追っていくと、多くは同様の状況に辿りつくの
ではないでしょうか。枯れかけた魂が逃げ込んだのが、この物語ではたまたま「魔術」で
あり「もう一人の人格」であった訳ですが、それが「ホラー」であったり「変質的な性欲」
であっても根源的に違いはないような気がします。人は環境によっていつ何時薄皮一枚
で隔てられた異常な世界に踏み込んでしまうかもしれないという意味で、本作は非常に
示唆的であり、幽霊(幻覚)という形をとってまで孤独を癒そうとする登場人物の内面の
葛藤と悲哀もきちんと描いた、暗いながらもバランス感覚に富んだ好作です。シブ過ぎ
る感もありますが、他の作家にはないこの淡白な感じもまた本作品(作家?)の持ち味
でしょう。奈良の事件の前後でしたので感慨深い作品でした。(絶版)


以上、僭越ながら貼らせて頂きました

9 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/12 08:26:21 ID:7Ga5Z9oo
>>6
御茶漬海苔ですか…懐かしいですね。小学生くらいの時分、よく読んだ
記憶があります。上手くはないんですが、あのシャープで枯れた画風が
好きでした。

>>7>>8
恐縮です。ありがとうございます。

10 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/13 08:25:20 ID:qrNjo6mQ
アイザック・アシモフ編「クリスマス13の戦慄」(新潮文庫)

’86編。収録作品は以下の通り。
R・キャンベル『煙突』(1)/R・L・スティーブンスン『マークハイム』(2)/R・ブロック『クリスマス前夜』(3)
H・P・ラヴクラフト『祭祀』(4)/ギャスケル夫人『老いたる子守の回想』(5)/S・バリング−グールド
『グラウムル』(6)/H・G・ウェルズ『ポロ族の呪術師』(7)/作者不詳『幻の女』(8)/L・グーラート
『ヘルハウンド・プロジェクト』(9)/G・アレン『ウルヴァーデンの塔』(10)/J・T・マッキントッシュ
『フェイカーの惑星』(11)/J・マコンネル『終身刑』(12)/A・C・クラーク『常世の光』(13)

押しも押されぬSFの大家アシモフ博士のクリスマス・冬を舞台にした作品ばかりを集めた
クリスマス企画物。古今東西怪奇SFと、良く言えばバラエティに富んだ、悪く言えばやっつ
け仕事といった短編集ですが、有名作品が多かったのと、クラシックな怪談群と
(9)のようなサイバーパンク作品間のへだたりが、ワンテーマ企画とはいえ違和感あり。
師弟両雄がその作風を遺憾なく発揮した(3)と4)、オーセンティック怪談の(5)(8)、普段
読みつけないSF作品も(11)、(12)など単品では楽しめる作品も確かにありました。
ただ、こういった企画ものはトータルバランスが肝要だと思いますし、他のアンソロジーに
収録されている作品の多さからも、やっつけ仕事感のぬぐえない作品集となっています。


11 :新参者 ◆1BoyUhe6Ns :05/01/13 14:49:29 ID:Bh4U6GjY
>>4
ありがとうございます。
私まだまだ未熟者ではありますが、宜しくお願いします。
前スレでの自己分析を基に、少しでも良いレビューを書けていけたら、と思っております。
>>10
やはり、アンバランスさをお感じになりましたか。
>>2
ナイト・フライヤーは文句なしのお薦めですね。

ダグラス・E・ウィンターはいつも、序文で雰囲気を盛り上げてくれ、また、その評論家としての言は
実に素晴らしい。下手をすれば本編が負けてしまいそうな、面白さと質。
ナイト・フライヤーでは、本編とウィンターの「はじめに」の相乗効果がばっちり決まっていますね。

12 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/17 08:32:11 ID:/Z+TYNcE
仁賀克雄編「幻想と怪奇1」(ハヤカワ文庫NV)

’75編。収録作品は以下の通り。
A・ダーレス『淋しい場所』/R・ブロック『ポオ蒐集家』/R・ブラッドベリ『女』
P・ハイスミス『すっぽん』/J・M・リーイ『アムンゼンの天幕』/R・シェクリイ『夢売ります』
J・グッドウィン『繭』/R・マシスン『二年目の蜜月』/C・ボーモント『無料の土』
D・グラッブ『あたしを信じて』/P・K・ディック『植民地』
L・P・ハートリイ『エレベーターの人影』/J・クリストファー『はやぶさの孤島』
C・ジャコビ『水槽』

怪奇幻想文学翻訳の大家として著名な仁賀氏が、主に40〜60年代前半の「キング以前」
の作品ばかりを集めたアンソロジーシリーズの第1巻。「奇妙な味」派の作家からディック
のようなSF作家まで多彩なセレクトですが、年代が近いためかむしろ当時の怪奇幻想
文学界のニューウェーブの勢いを感じるようで違和感なく非常に好もしい。さらに本邦で
は(有名作家でも)本作品集のみの収録となっている作品も多く、貴重なアンソロジー
となっています。ラヴクラフトの作品へのオマージュに満ちたブロックや、ダーレスと
いったウィーアード・テイルズ系や、ブラッドベリとボーモント師弟、マシスンのようなカリ
フォルニア・グループの作家たちの輝くばかりの作品群。もちろんそれぞれに皮肉や恐怖
のスパイスが効いており、背景のみならず作品主体で愉しめる名シリーズ。


13 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/17 08:35:15 ID:/Z+TYNcE
仁賀克雄編「幻想と怪奇2」(ハヤカワ文庫NV)

’75編。収録作品は以下の通り。
R・マシスン『こおろぎ』(1)/・ヘンダースン『なんでも箱』(2)/T・スタージョン『それ』(3)
R・ブロック『ルーシーがいるから』(4)/H・カットナー『その名は悪魔』(5)
C・D・シマック『埃まみれのゼブラ』(6)/R・ブラッドベリ『トランク詰めの女』(7)
D・イーリイ『裁きの庭』(8)/R・ティンパリ『ハリー』(9)/P・ハイスミス『かたつむり』(10)
R・ラッセル『宇宙怪獣現わる』(11)

名アンソロジーの第2巻。今回は、現在ホラー・SFのマエストロと賞賛されている
大作家たちの、若かりし時の作品が多く収録されています。あの作家がこんな作
品を、とかその後の出世作の片鱗が窺えるような作品でいっぱいです。「音」の
怪談(1)、不思議な女の子と女教師の交流を描いた(2)、森を彷徨う不気味な怪物
(3)、「サイコ」の先駆的作品(3)、子供たちと「悪魔」の戦い(4)、ユーモア
短編(5)、ミステリー風(6)、「ヨットクラブ」で再評価された(7)、娘が話しかける見え
ない相手の正体は?(8)、ドイル・ホジスン風の怪物譚(9)、パルプ雑誌のノリの(10)
と、今回も盛りだくさん。多彩な才能が開花した、すばらしい時代の作品群です。


14 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/17 08:39:54 ID:/Z+TYNcE
仁賀克雄編「幻想と怪奇3」(ハヤカワ文庫NV)

’78編。収録作品は以下の通り。
F・ブラウン『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(1)/A・ダーレス『もう一人の子供』(2)
A・デイヴィッドスン『エステルはどこ?』(3)/R・ブロック『こころ変わり』(4)
B・ストリックランド『墓碑銘』(5)/L・P・ハートリイ『週末の客』(6)/G・カーシュ『海への
悲しい道』(7)/R・ブラッドベリ『死人使い』(8)/J・コリア『特別配達』(9)/C・ボーモント
『子守唄』(10)/J・ヨネ『牝猫ミナ』(11)/・フレムリン『特殊才能』(12)/R・マシスン
『俺の夢の女』(13)

名アンソロジー最終巻。ブラウン版「エーリッヒ・ツァンの音楽」(1)、ダーレスの
リリカルな絵画怪談(2)、大都会の中のブードゥーマジック(3)、タイトルと落ちの
妙技(4)、ビアス風(5)、「メリーさん」の原型?(6)、「壜の中の手記」で再評価
され、個人的に一番好きな(7)、葬儀屋の密かな趣味とは?(8)、マネキンに恋
した店員の運命(9)、親子の悲しい断絶(10)、異色のフレンチ短編(11)、自分の
奇妙な夢を語る男の目的は?(12)、妻の特殊才能を悪用するヒモ男の運命(13)
と、今回もレアでユニークな作品ばかり。それで特報ですが、2月にこれら全3
巻が菊地秀行氏の新たな解説付きで復刊するそうです!この時代のアンソロジー
は現在軒並み絶版ですので、貴重かつ嬉しい復刊です。書店で見かけたらぜひ
お手にとられてみて下さい。


15 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/18 18:00:21 ID:6y390F4P0
保守です。

16 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/21 16:07:01 ID:TGrYO3zw0
休日前保守…

17 :スレ違いスマソ:05/01/23 00:32:53 ID:KIO529ul0
>>恐怖館主人さん
予てからお尋ねしたかったのですが、そのコテ名の元ネタは、某伯爵の小説からですか?
他板でもよく貴方をお見かけいたしますので……。
見当違いでしたら、潔く吊ってきます。(`・ω・´)ノ

18 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/24 08:32:52 ID:00KGdWMK0
ディーン・R・クーンツ「呪われた少女」(扶桑社ミステリー)

’81の作品。どしゃぶりの雨の中、精神分析医であるキャロルは運転する車の前
にいきなり飛び出してきた少女を跳ねてしまった。そのころちょうど養子縁組の話
が延期されてしまったキャロルと夫ポールは、その少女-ショックで記憶を失い、
ジェーンと呼ばれていた-を引き取り、自宅でセラピーを始めた。その前後から、
二人の自宅を原因不明の家鳴りが襲い始める。そしてジェーンの深層から顕れる
いくつもの人格…無惨な末路を辿った人格達が訴えるものとは?そしてジェーン
はいったい何者なのか?邪悪な気配がジェーン、そしてキャロルたちに忍び寄る!

無駄を徹底的に排除しつつ、スピード感とスリルを確実に高めていくプロットはさす
がと言うべきか。全体的イメージは「12月の扉」(’85)と酷似したところがあります
が、テーマは異なっているので二番煎じ(こちらが先ですが)という印象はあまり受
けませんでした。ただミニマムな登場人物とコンパクトな背景に若干の物足りなさ
を感じるところもあります。この点はクーンツが「小説職人」であり、作品に対して
過重な負荷をかけずにリーダビリティを高めることに重点を置いていることに起因
しているのでしょう。文章も洗練されサックリ読めて、娯楽作品としては合格点の
出来ですが(ただ一点、どうしても納得いかない箇所がありますが)、記憶に刻ま
れるような作品ではないということです。


19 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/24 08:35:05 ID:00KGdWMK0
>>17
ええ、伯爵かどうかは不案内ですが、井上雅彦氏の短編集からの
借用です。他所で見かけたら、どうぞ暖かく見守ってやって下さい。

20 :17:05/01/24 18:11:19 ID:ERfBF8E70
恐怖館主人さん、レスありがとうございます。
実は、私が初めて購入したホラー小説が井上雅彦氏の短編集で、
ホラー小説にはまるきっかけとなった作家でした。
スレ違い失礼しました、これからも暖かく見守らせて頂きます。

21 :本当にあった怖い名無し:05/01/25 02:17:15 ID:Yzey0xpC0
井上雅彦の通称が伯爵。

22 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/25 12:36:33 ID:PlVKcyuq0
>>21
なるほど、そうなのですか。氏の作風から考えるとその通称も頷けますね。
>>20
見守るのみならず、レビューもお願いします。洋モノ限定というわけでは
まったくありませんので…

23 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/01/31 08:18:22 ID:22E48HBm0
ウィリアム・カッツ「恐怖の誕生パーティ」(新潮文庫)

’84の作品。サマンサは広告業主のマーティとの結婚生活にすこぶる満足していた。
12月5日はマーティの40回目にして、結婚して初めての誕生日。趣向を凝らしたパ
ーティにと、サマンサは夫の過去の友人・恩人を密かに招いて驚かそうと企画してい
た。しかし、連絡する先の全てでマーティを知る人物はおろか、記録さえも残されて
いないことに愕然とする。夫の語った経歴は全て嘘だったのか?では、夫はいったい
何者なのか?一方、周期的に鳶色の髪の女ばかりを狙う殺人鬼を追う警察は運命
の日-12月5日-を前に必死の捜査を展開していた…刑事たちの執念とサマンサの
疑念が交錯し、運命の日、恐怖の誕生パーティーの幕が開いた!

犯人が最初から分かっているスリラー作品は、通常のサスペンス・ミステリ作品に
比べて複雑かつ魅力的なプロットが必要とされるわけですが、本作品にはそれが
ない。ページ稼ぎのようなシーンの多用、ご都合主義、途中いろいろ展開を想像
させておきながら、一番ツマラナイ、そして誰にでも想像がつくようなラスト。
視点に一貫性がない。同じシーンの中でコロコロ視点が変わってまたいちいち説
明が付くのには閉口します。そして何より主人公サマンサの描写の薄っぺらなこと!
スリラー作品の勘所である緊迫感の演出が人物の希薄さによって台無しになって
います。かろうじてクライマックスには読ませるところがありますが…


24 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/02/04 08:53:05 ID:4qcf+6rm0
レアド・ケイニーグ/ピーター・L・ディクスン「子供たちの時間」(角川文庫)

’70の作品。撮影旅行に旅立った両親を待ちながら、海辺の家で女中と暮らすモス
家の五人の子供たち。何よりもテレビを観ることが大好きな彼らの邪魔をするのは
メキシコ人の女中アボカド。そう、彼女がいなければ誰にも邪魔されずにずっとテレ
ビが観られるのだ。彼女さえいなければ…ビーチでうたたねをするアボカドにそっと
近寄る子供たち。そしてテレビは彼らだけのものとなり、子供たちの時間がはじ
まった。しかし無軌道な子供たちは次第に状況に追い詰められていく。彼はテレビ
が観たかっただけなのに…70年代にホラー界を席巻した「恐るべき子供たち」テー
マのはしりとなった恐怖のメルヘンワールド。

カルト作品の出版が多かった時期の角川文庫の逸品。インパクト満点のカヴァーイ
ラスト(怪作揃いのこの頃の角川文庫の中でも一、二を争う迫力)もさることながら、
内容もかなりのインパクト。九歳を頭に末は四歳の五人の子供が、その無垢な邪悪
性を存分に発揮して(しかも彼らはそれが「邪悪」だとは気が付いていない。よって
後悔もしない!)ただただテレビを観続けたいがために生き延びんと予測の付かな
い行動を続けるさまは、その時代の感覚を忘れてしまった大人にとっては、もはや
異常な狂気の世界でしかありません。子供たちはただ思うがままに時間を過ごして
いるだけなのに、読者の嫌悪感と戦慄を掻き立てるという見事なプロットを備えた
隠れた傑作です。(「推理小説」という但し書きがついているのがまた不気味…)


25 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/02/10 12:04:49 ID:CQLoOmXR0
ニコラス・コンデ「サンテリア」(創元推理文庫)

’82の作品。不運な事故で妻を失い、男やもめで一人息子クリスと暮らす人類学者
キャル。新天地ニューヨークで彼は偶然無残な幼児惨殺事件の現場に行き当たる。
内臓を全て刳り抜かれながらも幸福そうな表情で死んでいた少年の死体に愕然
としたキャルは、その影に暗躍するヴードゥ教団の存在があることを知る。警察への
協力、そして人類学的な興味からヴードゥ=サンテリア教の指導者と目される男と
接触した彼は、その呪術的奇跡の顕在に次第に惹かれていく。しかし大都会に蠢
くヴードゥの呪力はキャルとクリスを呑み込まんと忍び寄ってきていた…

コンデ衝撃のデビュー作。「宗教」をテーマにした作品にはこれまでいくつか親しん
できましたが、人類学者という客観を重んじる主人公の葛藤を通じてヴードゥという
原始宗教を説得的かつリアルに描いた本作はその中でも特筆すべき出来に仕上
がっています。プロットは単純ですが、厚みのある背景設定と細やかな心理描写、
そして「犠牲を求める善とそれを求めない悪」の究極選択というテーマ性の高さに
より全く飽きさせない仕上がりとなっています。また悲劇性の高いラストは、底
冷えのするような戦慄を感じせるものがあり、地味ではありますが「カーリーの歌」
と並ぶ「宗教」テーマの傑作。お奨めします。


26 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/02/15 08:23:00 ID:fvkwiSjx0
ローレンス・ブロック「魔性の落とし子」(二見文庫)

’80の作品。真夜中にふと目覚めたロバータは、部屋の中にいるのが自分と夫だ
けではないことに気が付いた。青ざめた顔で、腕の中に赤ん坊を抱えた女が片隅
に佇み、ロバータが恐怖に固まった一瞬間後、二人は亡骸のごとく崩れ去り、窓
から消えていった!そしてその朝、夫婦の愛息がベビーベッドの中で冷たくなって
いた-その時からロバータは彼女たちの屋敷が呪われているのではないかと感じ、
同居する養女エアリエルの行動に不審を抱き始める。疑惑が加速していく中、屋
根裏からあの亡霊の女に、そしてエアリエルにそっくりの女の肖像画が発見され
た時、ロバータと家族に忍び寄る悲劇がその牙を剥いた!

あまりに唐突な始まり方だったので、頭50ページあたりまでは大丈夫かな?と
いう印象を強く持ちました。しかし子供の不気味な側面のみを強調せず、逆に
ちょっと変わっていながら魅力的な少女としてエアリエルを描くことで、狂気に
駆られていく母親や周囲の大人たちとの対比を強調し、エアリエルと大人たち
との間に言い知れない不吉な「何か」が介在しているのではないかという読者
の疑惑を掻き立てるという二重プロットを展開しており、中盤に至って面白さ
がわかってきます。ブロックはミステリー畑では大いに評価されているようです
が、ホラーでもその筆が冴え渡っているようです。ただ最初の50ページをクリ
アできるかにかかってくるわけですが…


27 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/02/18 17:35:41 ID:6H6p3XZm0
週末保守です

28 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/02/24 08:44:57 ID:KHj4iXjM0
J・N・ウィリアムスン編「ナイト・ソウルズ」(新潮文庫)

’88編。収録作品は以下の通り。
R・R・マキャモン『夜襲部隊』(1)/R・マシスン『埋もれた才能』(2)/F・P・ウィルソン
『ソフト病』(3)R・キャンベル『追体験』(4)/R・ブロック『ささやかな愛を』(5)/W・F・
ノーラン『廃車置き場』(6)/G・ウィルソン『代理教師』(7)/J・ハーバート『モーリス
とネコ』(8)/J・A・サーモンソン『天使の交換』(9)/S・R・テム『隠れ場所』(10)/R・
ブラッドベリ『伝道の書のはるか後は』(11)/T・F・モンテレオーネ『夜は早く凍て
つく』(12)/C・L・グラント『老人たちは知っている』(13)/D・E・ウィンター『スプラッ
タ-ある警告』(14)/R・ラッセル『シャデク』(15)/J・N・ウィリアムソン『ワードソン
グ』(16)/J・R・ランズデール『大きな岩のある浜辺で』(17)/C・R・ソーンダーズ
『フェチットを越えた男』(18)/D・エチスン『あなたに似たひと』(19)/R・C・マシスン
『サード・ウィンド』(20)/A・ロジャース『死からよみがえった少年』(21)/S・キング
『ポプシー』(22)

モダンホラー作家を中心に、ブロックやマシスンといった巨星からランズデール
やC・マシスンといった新進作家までを取り揃えた超豪華アンソロジー。特に
ヴィエトナム戦争が残した不気味な爪痕を描いた(1)、疫病が蔓延する中、追
い詰められる人々(3)、マネキンを偏愛する男の末路(5)、公園に群れる老人た
ちが知ってしまった事実とは(13)、トリッキーというかそう来る?といった(17)、
本作中最も魅力的な、一年ぶりに地中から蘇った少年の戸惑いと成長を、
SF的な着想を備えつつリリカルに描いた(21)、そしてキング版「ドン・ドラキュ
ラ」(?)ともいえる、どこかコミカルな(22)といったところが注目でしょうか。


29 :本当にあった怖い名無し:05/02/24 09:47:48 ID:5P/YSte40
http://www.kokusho.co.jp/series/youkaigashu.htm
和物。
国書の妖怪画集。イイ!
ちょっと主旨違うか

30 :本当にあった怖い名無し:05/02/24 09:50:20 ID:5P/YSte40
絵本百物語
百鬼繚乱
妖怪百物語絵巻

この三つは画集でもあり、怪談集でもある

31 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/03/04 08:29:28 ID:n0ybGYsg0
バリ・ウッド「地下室の亡霊」(扶桑社ミステリー)

’95の作品。億万長者の一族でありながら地味で内気な主婦マイラは、自宅
の地下室に不気味な気配を感じていた。大規模なリフォームを行って漂う腐臭
は消えたものの、気配は消えるどころかいっそう強まっていた。軽い気持ちで
占い盤に尋ねた彼女は、その土地に伝わる魔女裁判の忌まわしい伝説に行
きあたる。幼馴染のブリッジ仲間と御祓いを試みたマイラだったが、その日から
彼女の周りで次々と惨劇が起こり始める。これは地下に巣食う亡霊の仕業なの
か、それとも…?

ワンテーマ追求型のウッドの定番テーマの作品。私は彼女の作品は初見です
が、各作品でいろいろな世代の主人公を同様の境遇に置き、固定テーマに多
角的な視点を与えるという、興味深い手法を採っているそうです。本作は超自然
的存在を匂わせつつも定番テーマを絡めていくという構成になっていますが、
頭でネタはわかっていても、生き生きとした登場人物達の友情物語、戦慄を覚え
る描写、そしてテーマ性の高いクライマックス…多彩で卓越したプロットにグイグ
イ引きこまれてしまいました。あっさりしたラストも、キャラクターと流れからすれば
ちょうどいい塩梅。他作品も読んでみたいですね。


32 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/03/11 12:39:25 ID:Yle1sNi10
保守です…

33 :世界の半魚人:05/03/13 18:46:34 ID:lRWsD/NY0
平凡社『ホラードラコニア少女小説集成1』、「ジェローム神父」原作・マルキ・ド・サド、訳・澁澤龍彦、カバーと挿絵・会田誠。かなりイイです。図書館では購入即書庫保存になりました。

34 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/03/14 08:17:14 ID:9eTO7r9q0
>>33
あのシリーズには私もそそられているわけですが、限定ボックス版
を大人買いしようかどうか迷っているところです…新進アートとホラー
のコラボも斬新ですしね。あーどーしよー

35 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :05/03/14 08:18:45 ID:9eTO7r9q0
トム・ホランド「渇きの女王」(ハヤカワ文庫NV)

’96の作品。吸血鬼伝説が息づくインド奥地で身の毛もよだつ体験をした医師エリ
オットは、逃げるように帰国したロンドンで診療所を開いた。しかし親友の一人が
血を抜かれた姿でテムズに浮かび、政府高官を務めるもう一人も失踪してしまう。
インドでの悪夢は英国まで迫ってきたのか?劇場の支配人、ブラム・ストーカーと
協力し親友を探すエリオットの前に、ルースヴェン卿を名乗る麗人、凶相のインド
藩王、そして不吉ながらも絶世の美女と、次々と謎の人物たちがあらわれる。霧
のロンドンを舞台に、虚実入り乱れて展開する、前作「真紅の呪縛」に続く一大
吸血鬼幻想!!

前作以上に徹底したパスティーシュ作品で、「吸血鬼ドラキュラ」の手記や手紙に
よる例のくどくどしい構成を忠実に踏襲し、キップリングを髣髴とさせるインドでの
冒険譚、綿密に取材された吸血鬼という存在への病理学的解釈、19世紀末ロン
ドンでの様々な事件を織り交ぜながら、魅力的なキャラクター(ブラム・ストーカー
や前作の登場人物たちも登場します)が次々に登場し、マニアックな嗜好を満足
させる細やかな設定に溢れています。謎が謎を呼び、ミステリ的な要素もふんだ
んに散りばめたストーリーにはきっと満足いただけると思います。続編の邦訳を
強く希望します。


36 :世界の半魚人:05/03/19 13:55:14 ID:CCzsuZfS0
恐怖館主人さま すごい!なんでもご存じですね。参考にさせてもらっています。「渇きの女王」読みたいです、ロンドンが大好きなので。

37 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/03/22(火) 08:03:54 ID:JUk18EDQ0
エレン・ダトロウ編「血も心も」(新潮文庫)

’89編。収録作品は以下の通り。
D・シモンズ『死は快楽』(1)/G・ウィルソン『海はどこまでもぬれにぬれ』(2)
G・キルワース『銀の首輪』(3)/H・エリスン『鈍刀で殺れ』(4)/S・ベイカー
『静脈条虫』(5)/L・N・アンドレイエフ『ラザロ』(6)/H・ジェイコブズ『乾杯!』(7)
S・N・ファーバー『砂漠のヴァンパイア、よみがえる』(8)/E・ブライアント
『夜はいい子に』(9)/F・ライバー『飢えた目の女』(10)/T・リー『ジャンフィアの木』
(11)/S・キャスパー『闇の申し子』(12)/S・R・テム『夜想曲』(13)/G・ドゾワ&
J・ダン『死者にまぎれて』(14)/C・ウィリアムスン『その悲しみを…』(15)
J・ホールドマン『ホログラム』(16)/P・キャディガン『汚れ仕事』(17)

「ヴァンパイアリズム」をキーワードに、古典作品から新進作家まで、詩篇2つを
含んだ、17編の血の饗宴。古典的な吸「血」鬼譚から、メタファーとしてのヴァン
パイアを描いた現代的解釈の作品まで多様な作品が並んでいます。多くの作品
が「奪うものと奪われるもの」というテーマを中心に描いている中、不死に潜む虚
無性の恐怖をむき出しにした傑作古典(6)、ヴァンパイアリズムに「恐るべき子供
たち」というテーマをユーモラスに絡めた(9)、コマーシャリズムと絡めて、昨今「C
Mの女王」と呼ばれる彼女たちへの見方が変わるような(10)などが注目作品。
一番の注目作品を挙げるならば、ナチの絶滅収容所のユダヤ人吸血鬼という、
瞠目の設定に唸らされる(14)でしょうか。テーマがフィックスされているにもかか
わらず、これだけ多彩な物語が産み出されるのも、「吸血鬼」という存在の不変
の魅力によるものでしょうか。


38 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/03/22(火) 08:07:32 ID:JUk18EDQ0
>>36
いえ、私なんぞはまだまだマニアの「マ」くらいでしょう。
日々精進です(何か待ってるものがあるわけではありませんが…)。

39 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/03/28(月) 18:36:47 ID:JQYDel0P0
青心社の名アンソロジー、「クトゥルー」シリーズの最新刊が
5月中旬に発行されるようです!どうしちゃったの大瀧先生?
12巻から間もない上に、ラヴ全完結したばかりというのに…
うれしいことには変わりないですが…

40 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :皇紀2665/04/01(金) 12:06:17 ID:hNNieCTz0
保守です

41 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/04/04(月) 08:38:33 ID:HI0Wmx4W0
マーヴィン・ピーク「死の舞踏」(創元推理文庫)

’88の作品。収録作品は以下の通り。
『灰のひと撫で』(1)/『海賊船長スローターボード氏』(2)/『同じ時間に、この場所で』(3)
『死の舞踏』(4)/『闇の中の少年』(5)

わが国では「ゴーメンガースト」三部作で知られるピークの初期作から、病により、
精神身体の平衡を失う直前までに記した晩年の作品までを収めた短編集。
多くの彼の作品には共通して異形の者たち(獣人や奇形、極度に凶暴な人物)
が登場するのですが、彼らがこぞって完璧主義者で美的感覚を重視するという
逆説的なキャラクターを備えていることに興味を覚えました。画家でもあり、自ら
が美の探求者であったピークの、脳神経疾患により崩壊していく自身の中に最期
まで息づかせていた美への執着の発露のようで、ピーク自身の心境に心凍らせる
ものがあります。ただし、作品自体は取るに足らないものが多く、その点はお気を
つけ下さい。


42 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/04/08(金) 18:15:48 ID:4kVHZw1A0
保守

43 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/04/15(金) 08:22:49 ID:xm41O+oF0
ショーン・ハトスン「シャドウズ」(ハヤカワ文庫NV)

’85の作品。作家のブレイクは、NYで心霊術師マシアスの取材を行っていた。驚異的
なパワーを顕現させるマシアスは、人間の奥底にある邪悪な領域-シャドウズに干渉
して人々を自在に操作できるという。同じ頃、イギリス、フランスの研究機関でもシャド
ウズの脅威を観察していた。イギリスの女性研究員ケリーはブレイクとともにシャドウ
ズの謎を探るべく動き始め、ついにはシャドウズを操らんとする陰謀の存在に辿り着く。
しかし、すでに恐怖の歯車は回り始め、巨大な力が全土に解き放たれ、イギリスは阿
鼻叫喚の地獄と化した!ナスティ・ホラーの気鋭が放つ、脅威のパニック・ホラー!

以前ご紹介した「闇の祭壇」の前年に書かれた作品ですが、ミステリのフーダニット
的要素、ラストのカタストロフィ等、ほぼ同じプロットで、’80のハーバート「ダーク」の
ネタを取り入れて、ゴア(血糊)で味付けしたといった感じ。ミステリ部分の展開が
「闇の〜」より意外性があり、そこは評価できます。しかし、荒唐無稽さと怪しいキャラ
クターが散りばめられた「闇の〜」の方が総合的には完成度が高く、また、同テーマの
「ダーク」の方がスピード感、描写等で勝っており、やや中途半端な出来です。
ハトスンは邦訳された作品数が少ない(「スラッグス」、本作品、「闇の祭壇」)のでこれ
以上比較ができないのですが、三作の中では一番最後に回していい作品です。
(それでもそれなりに読めてしまうのですが…)


44 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/04/26(火) 11:20:18 ID:cmTtjVFw0
ジョン・ソール「惨劇の女神」(ハヤカワ文庫NV)

’80の作品。”パラダイス岬”に佇む館に越してきたペンドルトン一家。町の診療所
を任された父、カルヴァン。身重の母、ジューン。そして二人の十二になる養女、
ミシェル。新しい土地で不安と希望に満ちた一家の生活が始まった。しかし、ミシェ
ルが、館の中で見つけた古びた人形に「アマンダ」と名づけた時から、彼女の周り
に暗い影が忍び寄る。妹の誕生、突然の転落事故、友達からのいじめ、そして
彼女にしか見えない「アマンダ」の登場…障害に苦しみ、周囲への憎悪を募らせて
いくミシェル。その憤怒が頂点に達したとき、彼女は殺戮の女神と化した!

偉大なワンテーマ作家、ソールの第四作。実はほとんどの作品が邦訳されており、
わが国でも根強い人気を誇っているようです。過去の悲劇、現代のいじめ、幼児
虐待、陰惨な復讐という専売特許の怨嗟の無限連鎖という基本パターンの繰り
返しですが、被害者から加害者へと変貌していく主人公に共感を覚え、いつしか
起こる惨劇に小気味よさすら感じてしまっているところが恐ろしい。ショックを受け
たデビュー作「暗い森の少女」に比べると人外の存在がより強調されており、雰
囲気の絶妙さには劣りますが、及第点の作品ではあります。


45 :本当にあった怖い名無し:2005/05/05(木) 15:59:29 ID:OVnkitqg0
保守

46 :本当にあった怖い名無し:2005/05/05(木) 20:35:22 ID:6uCDf3pG0
保守

47 :本当にあった怖い名無し:2005/05/08(日) 17:22:12 ID:VxZIIPTM0
保守ついでに
>>24の「子供たちの時間」は俺も傑作だと思う。
絶版なのが悔やまれる。

48 :本当にあった怖い名無し:2005/05/09(月) 12:10:47 ID:qEGaOam50
age

49 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/05/10(火) 08:46:16 ID:z1At9ev50
ダン・シモンズ「愛死」(角川文庫)

’93の作品。収録作品は以下の通り。
『真夜中のエントロピー・ベッド』(1)/『バンコクに死す』(2)/『歯のある女と寝た話』(3)
『フラッシュバック』(4)/『大いなる恋人』(5)

「エロス」と「タナトス」の相克を、ワーグナーの調に乗せて描く五編のノヴェラ集。
トーマス・マン「ヴェニスに死す」に掛けて、筆者が好む伝染する恐怖「HIV」テー
マと吸血鬼譚を熱波うねるバンコクを舞台に描き上げた(2)は、かの「カーリーの
歌」の熱狂を髣髴とさせる名作。第一次世界大戦中の悲惨な塹壕戦を舞台に
選んだ(5)、あらゆる人々がドラッグを多用し、過去の思い出にひたるばかりの
退廃した近未来のアメリカを描いた(4)、ネイティヴ・アメリカンの伝承をユーモラス
にかつ男性であるなら少々ゾッとするようなスパイスを効かせて綴った(3)、
そして「事故」が分ける運命の皮肉を描いた(1)と、様々なパターンの「愛」と「死」
の形が用意されています。


50 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/05/10(火) 08:51:33 ID:z1At9ev50
最近翻訳ホラー分野で奇跡の再版・訳出ラッシュですが、
創元推理文庫から今月末、
マーク・マクシェーン「雨の午後の降霊会」
ロバート・ネイサン「ジェニーの肖像」が再版されるようです!
青心社の「クトゥルー」もいよいよ今月最終巻がでるようで、
うれしい悲鳴です。


51 :本当にあった怖い名無し:2005/05/10(火) 18:49:38 ID:3VEij5fi0
「子供たちの時間」
古本市でゲットしたよ。テレビディナーとやらが食ってみたくなった。


52 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/05/20(金) 08:46:09 ID:1qGubVuq0
風間賢二編「フランケンシュタインの子供」(角川ホラー文庫)

’94編。収録作品は以下の通り。
M・シェリー『変身』(1)/M・シェリー『よみがえった男』(2)/H・メルヴィル『鐘塔』(3)
ジェローム・K・ジェローム『ダンシング・パートナー』(4)/E・E・ケレット『新フランケンシュタイン』(5)
H・P・ラヴクラフト『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』(6)/J・L・ボルダーストーン&W・ハールバット
『フランケンシュタインの花嫁』(7)/L・D・リイ『愛しのヘレン』(8)/J・コリア『腹話術奇談』(9)
H・ハリスン『ついに明かされるフランケンシュタイン伝説の真相』(10)/R・ブロック『プロットが肝心』
(11)/K・ヴォネガット・Jr『不屈の精神』(12)

神の叡智の探究、死の超越、創造者と被造物の愛憎・反逆・逆転、そして破滅…プロメテウスの
被造物たちが辿る破滅への道を描いた12編。初訳出は(2)(5)(7)(10)。中には「?」となるような
出来の作品もありますが、「フランケンシュタイン」誕生の片鱗が読み取れる(1)(2)、何度読んで
もゾッとする巨匠の(6)(映画版はかなり笑わせていただきましたが…)、古典映画のノヴェライズ
として貴重な(7)、脳外科手術とモンスター映画を絡めた(11)が読ませる出来。創造者と被造物の
悲恋を描いた(8)も、なかなか泣かせる作品。ただ、飛び抜けてすばらしい作品があるわけでもな
く、どちらかというと資料編としての価値の方が高いでしょう。


53 :本当にあった怖い名無し:2005/05/27(金) 18:11:47 ID:d8fnnnka0
保守

54 :新参者 ◆1BoyUhe6Ns :2005/05/30(月) 09:16:31 ID:XPCIZ6Xl0
半年前に買って、まだきっちり読んでないのですが……、
アンドルー・フォックスという人の『ニューオリンズの白デブ吸血鬼』(アンドリュース・プレス)はどうですか?
ダイエットに悩む白人ヴァンパイアが主人公で、彼はタクシーの運転手をやって、人間社会に潜んでいます。
世界最高の脂肪分とカロリーを誇るニューオリンズ市民の血を飲み続けたせいで、二百キロの超肥満体になったとか。
レビューを書ける段階でないので、とりあえず本のご紹介のみにて失礼します。

55 :本当にあった怖い名無し:2005/06/01(水) 11:38:14 ID:iVIXAXGV0
世界最高の脂肪分とカロリーを誇るニューオリンズ市民がおもしろい!

56 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/01(水) 12:26:29 ID:qBr/KjNP0
>>54
ニューオリンズといえばジャズとヴードゥー。ダン・シモンズ
あたりの「濃厚」ホラーの舞台になりそうなイメージですが、
「デブのタク運吸血鬼」なんて、もはやレイモン、ガートン風
のノリですな。

57 :本当にあった怖い名無し:2005/06/03(金) 00:04:54 ID:fYhRuLOL0
>>44
「惨殺の女神」じゃありませんでしたっけ。
ソールは大好きで、「暗い森の少女」から「闇に抱かれた子供たち」
ぐらいまでは読んだけど、段々お腹いっぱいになってきて止めました。
一番のお気に入りは「風が吹くとき」でしょうか。
でも「惨殺の女神」と「ゴッド・プロジェクト」だけは手に入らないんですよね。
古本屋もマメに探してますが。

58 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/03(金) 12:12:32 ID:QBC69pok0
>>57
おっと失礼しました。しかしあまり邦題タイトルがよくありませんね。
原題のComes the Blind Furyをもっと生かせば良かったのに…
ゴッド・プロジェクトも良さそうですが、私は次は妖虫の谷あたりが
読みたいですね。両者とも金太郎飴ソールの中では異色(?)のようです
からね。

59 :紙石鹸 ◆fP8/p/c8pk :2005/06/05(日) 23:34:28 ID:0LzWihBX0
原題タイトルと邦題タイトルの差はおおきいよねぇ
「戦場のメリークリスマス」が「メリークリスマスMrローレンス」とか
「スタンド・バイ・ミー」が「ザ・ボディ」(死体)とか。。。
「ET」の邦題が「かわいそうな宇宙人」って知ってた? 大笑いだー

失礼しますた。。。

60 :本当にあった怖い名無し:2005/06/10(金) 12:24:01 ID:OIp50i3X0
保守

61 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/14(火) 12:49:48 ID:EED+l4AB0
ジョン・ファリス「サーペント・ゴッド」(ハヤカワ文庫NV)

’77の作品。弟クリッパーの婚礼の日に駆けつけたチャンプは我が目を疑った。突然弟がサーベル
を抜き放ち、花嫁の喉もとを刺し貫いたのだ!血に狂ったクリッパーは父親の首を刎ね、自らにも
刃を突き立て、兄チャンプの目の前でくず折れた。しかしこのアメリカ南部随一の名家を襲った陰惨
な事件は始まりにすぎなかったのだ!同時期におこったイギリスでの不可解な爆発事件と、アメリ
カ南部の惨殺事件。実は二つの事件はアフリカ奥地の淫蕩な蛇神信仰に繋がっていた。
蛇神の誘いに呼び寄せられるがごとく、二つの事件の関係者たちが血塗られた一家のもとに集った
とき、毒蛇の罠がゆっくりと口を開きはじめた…黒人差別が息付くアメリカ南部の風俗とアフリカの
土着宗教をシンクロさせ、絡み合う蛇のごときエロスの香りを放つ重厚な一作。

若い頃のキングが熱狂的なファンで彼のようになりたかったと絶賛するファリスの作品。キングの推薦
作品はほとんどがアレなのですが、本作も残念ながら首をかしげざるをえない出来です。ハガード作品
を髣髴とさせるアフリカ奥地の神秘的な伝説や、ところどころに出てくる幻想的な描写にはおやと思う
ところもあるのですが、いかんせんプロットがめちゃくちゃな上にやたらとくどくど引っ張る箇所も多く、
おまけにご都合主義に人物を登場させてはほったらかす(ないしは殺してしまう)といういい加減さ。
途中で読むのが苦になってしまいました。ラストもなんだかうやむやな決着で不満が残る内容。
まあキング印の信頼性があまりないことは周知の事実なのですが…ちょっとあんまりな作品。関係
ないですが、キングが人にプレゼントする傑作ホラーの中にはかの珍作「人喰い猫」が含まれて
いるとか。…キングさん、友達少ないでしょ?



62 :本当にあった怖い名無し:2005/06/15(水) 23:54:18 ID:miBfORKo0
キングはわりと悪趣味かつ安っぽいホラー好きだよね。
わざとそういうの奨めてるのかと思った。
あと「キング絶賛」しか売りが無い作品なんで出版側が煽ってるとかじゃないの。

63 :本当にあった怖い名無し:2005/06/20(月) 09:38:24 ID:LKYl+YjV0
>>37、自分が吸血鬼モノにハマるきっかけになったやつだ。懐かしー。
『海はどこまでもぬれにぬれ』はこういう解釈もアリかーと思った記憶が。

64 :本当にあった怖い名無し:2005/06/20(月) 23:27:16 ID:IzEUQoku0
>>63
おれ、吸血鬼モノ好きで買ったけど、「37」は駄目で、途中で止めたのよ。
そんなに良かったのなら、もう一度挑戦してみるわ。

65 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/21(火) 12:13:34 ID:lJvLK1HX0
ハーバート・リーバーマン「魔性の森」(角川文庫)

’73の作品。土地の境界線を確認するために、測量人に率いられニューイングランドの広大な森に
分け入った8人の男女。しかし測量人が突然の発作に倒れたとき、ピクニック気分は一気に吹き
飛んでしまった。全く不案内な森の中を測量人を抱えて彷徨ううちに、彼らは次第に互いへの敵意
をむき出しにし始め、口を開けばいがみ合う始末。しかし、闇が深まっていく中、彼らが気が付か
ないうちに、森は不気味な姿に変貌しようとしていた…広大な迷宮のなかで露になる人間の本性、
そしてひたひたと迫る絶望と狂気。リーバーマン版「不思議の国のアリス」とも言うべき、憧憬と冷
酷な現実の間を行き来する大人の童話的作品。

登場人物は限定され、プロットは平坦。しかし、人物像・心理状態が極めて緻密に描かれている
ため、平坦さにむしろリアリティを感じます。ただただ森の中をグルグル巡っているだけの一本道
の作品ですが、そのいい意味での無駄のなさが、いわゆるモダン・ホラーとは一線を画する要素
となっています。ラストからするとダーク・ファンタジーと無理やり分類できるかもしれませんが、
敢えて「童話」という形容をしたくなる作品(表紙イラストもいいですね)。リーバーマンにはもう
一つ、「地下道」というよりホラー寄りの作品が邦訳されているようですが、ぜひこちらも読んでみ
たいですね。メジャーたりえないですが、他にはない味わいがあります。私は好きな作品ですね。


66 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/21(火) 12:17:41 ID:lJvLK1HX0
>>62
キング「一流」のジョークなんですかね?「昔キングで今エルロイ」
というらしいですが…
>>63
寄寓にも今回書き込んだリーバーマン作品もそうでしたが、「アリス」
の中の詩篇は結構残酷な隠喩を含んでいるものが多いようですね。

67 :本当にあった怖い名無し:2005/06/29(水) 22:48:29 ID:0eLrW3qr0
むか〜し、ジェイムズ・ハーバートの「霧」と「鼠」というのを読みました。
妙に印象に残ってます。サンケイノベルズの趣味の悪い表紙がまたよかったです(笑)
何となく最近読んでみようか思い立ちまして、少し調べていたらここへ流れ着きました。
なにかハーバートのものでお勧めがあったら教えていただきたいです(よろしく)。

ちょっと板の傾向と違うのですが、今思い浮かぶ恐怖小説は
橘外男「蒲団」と岡本綺堂「魚妖」です(笑)

68 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/06/30(木) 21:30:57 ID:1fkZc15b0
>>67
サンケイノベルズはなぜか「犬」「猫」「鼠」と動物ホラーの
作品も多かったですね。
ハーバートは私の読んだ限りでは「ダーク」が面白かったですね。
未読ですが「奇跡の聖堂」(ともにハヤカワ文庫NV)が最高傑作とか…
ハトスンの「スラッグス」がマイ最狂動物ホラーですが。

69 :67:2005/07/01(金) 00:27:40 ID:yWNkP3hT0
>>恐怖館主人様
どうもありがとうございます。「ダーク」あたりから読んでみようかと思います。
スレッドの上のほうをみておりますと、いろいろ最近の出版事情が知れて面白いです。
「雨の午後の降霊祭」も再版になったのですね。今は無きトパーズ・プレスの出版でした。
映画の方も最近見られるようになりました(こちらもイイです)。
「ジェニーの肖像」はハヤカワのがどこかに眠ってます(笑)。
再版といえばヘレン・マクロイ「暗い鏡の中に」を再版して欲しいです。
ドッペルゲンガーを題材にしたミステリーとホラーの間の子ですがゴシック味たっぷりです。
カーの「火刑法廷」似た構成ですね。ラヴクラフト御大の全集もついに完結いたしましたか(笑)、
アーカムハウスの版で辞書を引き引き読んだのが懐かしいですね。
ジョン・ブラックバーンの「小人たちがこわいので」なども思いましますが、これは最近出てないのですねえ。
マッケンの「戦争伝説」(だったかな?)に似た感じの短かめのホラーでした。
今手元に国書のベンソンの怪奇小説集とジャンレイの「幽霊の書」があります
(このあたりも再版したのでしょうね)。

モダンホラーというよりも古典的なやつが多いのでややスレの方向からは外れ気味ですが
ついつい書いてしまいました(笑)。ウェイクフィールドの怪奇小説集を最近ぽちぽち集めております。


70 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/07/01(金) 12:47:02 ID:yuwdkTSG0
>>69
かなりの玄人とお見受けいたしますw
「雨午後」(当世風に)は再版本を読みましたが、正直期待したより
あっさりと言うか、あらすじだけでオチがよめてしまうストレートさ
にガックリ来てしまいました。
「暗い鏡の中に」以下に挙げられた作品は全て絶版状態で、再版の噂
も耳にしませんね。私としては国内唯一のベンソン短編集の復刊を希
望しますが…

71 :67:2005/07/01(金) 17:04:55 ID:aHqmfoW20
>>恐怖館主人様
英語が苦手でなければベンソンはこちらでどうぞ
http://www.ash-tree.bc.ca/atp111seamist.htm

72 :67:2005/07/01(金) 17:28:43 ID:SoqVqN8z0
>>恐怖館主人様
「雨午後」は英国ミステリを好きかどうかで評価は分かれます(笑)。
古くはクライムクラブを企画した植草甚一氏が思いいれたっぷりに
そのエッセイで取り上げた事が大きいです。それを受けてトパーズプレスの
瀬戸川猛資氏が翻訳を企画しました。同じようなものにモールの
「ハマースミスのうじ虫」があります。どちらも落ちは初めからわかります。
映画の方がよかったですね、私は(笑)

73 :67:2005/07/01(金) 18:00:22 ID:z7ASGFXK0
それはそうと「怪奇幻想の文学」全7巻、新人物往来社は今ないのですね。
これは少しどうにかして欲しいです(犯罪です(爆))。

「独逸怪奇小説集成」前川道介訳 を本屋さんで見かけました。高いのが難点ですが
まとめていいかもしれません。創土社の再版ものも時々出てますね。
エーヴェルスの「吸血鬼」を文庫で読みたいです。因みにエーヴェルスは「アルラウネ」
が面白かったです。ホムンクルスのお話でした。クロウリーの「ムーンチャイルド」は
今は無いのでしょうか?(たいした事ないけど同種のものなんで)。モームの「魔術師」は
面白かったですね(読み応えがあったような気が・・・)



74 :67:2005/07/01(金) 22:03:59 ID:CIdz2wE40
光文社文庫 島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』
独特のエキゾチズムが溢れていて読ませます。しかし、「付き合いきれないよ〜」と
いう方もいるかもしれませんね。全部読みたい人はこちらの版を古本屋さんでどうぞ。
ttp://tantei-jp.hp.infoseek.co.jp/complete/hayashi002.htm
古い桃源社版でもよろしいです。

独特の読後感をのこすウォルポールの「銀仮面」をお読みになったことがあるでしょう。
http://park8.wakwak.com/~w22/208.htm
初の翻訳集ですがやはり表題作が最も切れ味がよろしいです。「オトラント城」の
作者の子孫ですね。



75 :本当にあった怖い名無し:2005/07/04(月) 01:16:43 ID:3LArBrkT0
hosyu

76 :本当にあった怖い名無し:2005/07/04(月) 10:30:17 ID:GwD6ynnx0
車谷長吉の私小説はかなり暗黒入ってますよ。あと永井龍男の「青梅雨」
雨の季節はじめりとした日本文学の闇がいい。

77 :本当にあった怖い名無し:2005/07/04(月) 10:53:15 ID:GwD6ynnx0
マクロイ「暗い鏡…」はこのまえ草思社から出た短編集に入ってるのか!と思ったら
それの習作的な短編だったのでガカーリ
ハヤカワはミステリ文庫でも徐々に廃刊が進んで来てますね。
ちょっとホラーはいってる「ドーヴァー4/切断」なんか最高なのに。

78 :恐怖館主人 ◆m2/JIAzxUM :2005/07/04(月) 12:22:31 ID:22lDXVMA0
>>67
博覧強記でいらっしゃいますね。私などよりもだいぶん先達で
いらっしゃるようで恐縮致します。
いわゆる「モダン・ホラー」の悪影響を受けているのかもしれませんが、
(ヴィクトリアンの味のある怪談短編は大好きなのですが)ワンテー
マで中編以上引っ張られると、どうも辟易してしまいます(まだまだ若書き
ならぬ若読みなのでしょうか…)ベンソンは"The Collected Ghost Story
of E.F.Benson"を購入したきり手をつけていません…「怪奇幻想の文学」
の古書は結構な高値でこれもペンディング。創元のクロウリー著作は絶版
中ですね。

79 :67:2005/07/04(月) 22:57:36 ID:e5K0rf420
>>76さん
「青梅雨」・・ホラーじゃないけどイイですよねえ。なんともしれん雰囲気が
よろしいです。

日本物なんですが「青白き裸女群像」橘外男 、桃源社いかがでしょうね?
ttp://www.h4.dion.ne.jp/~fukuda/kyu/0112hon.htm
ぐっとB級ぽくってお薦めです。文章はあまり上手くは無いのですが
その発想に驚嘆します(笑)。桃源社の版はまだよく見かけますので
入手はやさしいです、古本サイトでどうぞ(今2000円くらい)。
因みに特定の病気を扱っているため再販はされないでしょう。
最近出た「橘外男 ワンダーランド」でははずされてます。
B級ホラー3本立てでお楽しみください、どうですか?(笑)

80 :67:2005/07/04(月) 23:15:28 ID:e5K0rf420
>>恐怖館主人様
>博覧強記でいらっしゃいますね。
いえいえ、ご主人様こそ他の板で広いジャンルの知識をお持ちのようで・・
凄いです。わたしのはちと年くって垢がたまってるだけです(笑)。

>ワンテーマで中編以上引っ張られると、どうも辟易してしまいます
よくわかりますよ〜(爆w)。書かれた時代も違いますのでスピード感
などモダンホラーと比べれば格段の差です。円朝の牡丹灯籠よりも
稲川さんの怪談のほうが恐いのとよく似てます。
これは英国ミステリーの場合なのですが上記の故瀬戸川氏が「夜明けの睡魔」
のなかでP.D.ジェイムスを引き合いに面白い事を書いてました。
2/3は我慢して読め・・ということだそうです(笑)。残り1/3のためにすべては
書かれてある・・と。英国ものがお好きなら一度目を通されると面白い本です。
(すでにお読みかもしれませんが)。私の場合はコリンズの「月長石」で似たような
体験があります。

81 :67:2005/07/04(月) 23:36:38 ID:e5K0rf420
「怪奇幻想の文学」全7巻については一時期はまとまったものがなかったもので
ほとんどバイブル的存在でした。現在では収録された多くの作品は読めるのでは
ないでしょうか?。実は各巻の跋文が力がはいっていていいのですが、これも荒俣、澁澤、
種村氏については彼らの著作で読むことができると思います。

「青白き裸女群像」をリライトしたものに「地底の美肉」というのがあって
映画化されてます。天地茂が主演ですが最近見られるようになってます(女吸血鬼)。
またケルトの土俗信仰を題材にした「ウィッカーマン」も見られるようになりました。
文学ではないですがお暇な人ドゾー(笑)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HNH3/250-1248047-4397068
http://www.allcinema.net/dvd/wickerman.html

82 :67:2005/07/05(火) 00:59:03 ID:TGC39Jpm0
国枝史郎「神州纐纈城」も「青白き裸女群像」と同類のテーマを扱ってますが、
圧倒的に橘外男の方が俗悪です。でどちらが読みやすくぐっと面白いかというと
橘外男です(笑)。国枝史郎「神州纐纈城」は文庫で読めると思いますので
比較するのも面白いと思います。長文失礼です。


83 :本当にあった怖い名無し:2005/07/07(木) 14:29:23 ID:uLM0gNME0
P・D・ジェイムズの場合、ラストまで我慢して読め、の様な…
我慢して読んでる、「エリアーデ幻想小説全集」です。
私の場合、西村京太郎くらいしか読まない親父が何故か買ってきた「ホーニヒベルガー博士の秘密」
(ペヨトル工房みたいな会社のだった)を厨房の頃読んだ印象が強く、今になって2巻、3巻と読み進むと
漂ってくる政治的な重苦しさが印象的でした。
(でもこの人の愛弟子が実際、政治的理由で亡命先?の大学内で殺害されてるらしいから凄い)
「ムントゥリャサ通り」で酔い、「ジプシー娘の館」のラストシーンには涙。少々高いけど買って良かった。


84 :67:2005/07/07(木) 22:15:44 ID:jonDzoIR0
>>83さん
http://www.editus.co.jp/book_G_eliade.html
たった4冊で消滅してしまった、エディションアルシーヴのソムニウム叢書からですね。
懐かしいです。表題作と「セランポーレの夜」の2編の翻訳でした。
帯に曰く
「夢の魔力(タントラマジック)、聖なるものの解読者(エルメヌート)、M・エリアーデが
綴る幻のタントラマジックノベズ、遂に刊行!! 本邦初訳」

個人的には「ムントゥリャサ通りで」(法政大学出版局)の方が好きでした(笑)。
エリアーデの幻想小説の翻訳としては2番目でしたね。

85 :67:2005/07/07(木) 22:42:04 ID:evCN8OlS0
上のほうでえらそうな事を書きましたが、エリアーデに関しては我慢できたのは
2冊まででした(爆)。「エリアーデ幻想小説全集」も本屋で見たとき凄いとおもいましたが・・。
同出版社のこちらが気になって買ってしまいました(笑)。作品社は「少年十字軍」
マルセル・シュオッブも再版してくれた出版社でしたね。
http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/kaigaibungaku/tanpin/3437.htm
しかし、「令嬢クリスティーナ」くらいは読もうと思ってます(笑)。

86 :67:2005/07/07(木) 22:56:55 ID:evCN8OlS0
上記は記憶違いでした。マルセル・シュオッブは王国社です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900456594/qid=1120744495/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-0534989-1701816
欲しい人急げ!(笑)

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