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【小説】ZOMBIE ゾンビ その17【創作】

1 :本当にあった怖い名無し:2006/06/01(木) 23:36:15 ID:yPTiu5og0
このスレは、ゾンビ好きな人がゾンビをネタにした小説をupするスレです。

○過去ログ

(1)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://curry.2ch.net/occult/kako/1030/10304/1030468085.html
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako1.html (ミラー)
(2)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その2
http://curry.2ch.net/occult/kako/1034/10343/1034309472.html
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako2.html (ミラー)
(3)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1036704369/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako3.html (ミラー)
(4)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その4
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1047896148/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako4.html (ミラー)
(5)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1052060297/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako5.html (ミラー)
(6)【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5.5
http://makimo.to/2ch/hobby3_occult/1053/1053501319.html
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako6.html (ミラー)



2 :E-774:2006/06/01(木) 23:38:20 ID:yPTiu5og0
(7)zombi ゾンビその6
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1054460858/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako7.html (ミラー)
(8)zombie ゾンビその7
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1055955467/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako7a.html (ミラー)
(9)ZOMBIE ホームセンター攻防編 八日目
http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1062185351/
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/kako8.html (ミラー)
(10)zombie ゾンビその9
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1083297464/
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0501/22/1083297464.html (ミラー)
(11)【かゆ】ゾンビの世界で戦う小説【うま】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1100529954/
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0503/19/1100529954.html(ミラー)
(12)【小説】ZOMBIE ゾンビ その11【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1108381059/
(13)【小説】ZOMBIE ゾンビ その12【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1113141723/
(14)【小説】ZOMBIE ゾンビ その13【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1117637335/
(15)【小説】ZOMBIE ゾンビ その14【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1124753567/
(16)【小説】ZOMBIE ゾンビ その15【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1129125869/
(17)【小説】ZOMBIE ゾンビ その16【創作】
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1137418562/

3 :E-774:2006/06/01(木) 23:39:23 ID:yPTiu5og0
○作品保管庫
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://www.geocities.jp/dokidokiyunyun/
○避難所/雑談所
【小説】zombie ゾンビ【創作】分室
http://jbbs.livedoor.jp/movie/5375/
○2ちゃんねる オカルト板 ゾンビ小説スレ保管庫
http://zombiesurvival.fc2web.com/


4 :E-774:2006/06/01(木) 23:39:58 ID:yPTiu5og0
【スレのお約束】

1 基本的にsage進行でお願いします。
2 作品投稿のage・sageは、作者の判断にお任せします。
3 作品には感想をお願いします。感想についての批判は作者・読者ともに控えましょう。
  「感想・意見・批評」と「誹謗中傷」は異なります。
  よけいな争いごとを持ち込まぬよう、表現にはくれぐれも気をつけましょう。
4 煽り・荒らしは放置、反応なしでお願いします。

【マナー。その他】

1 連続投稿数は5〜10レスを目安にしましょう。
2 作品投稿は間隔に気をつけてください。場合に応じて間隔をあけましょう。
  投稿前と投稿後に宣言すると、スレの流れがスムーズになります。
3 自分の意見に返事を期待する作者は、トリップを付けたほうがいいでしょう。
4 個人攻撃、的外れな批難の類は流したほうが無難です。
5 496KBで警告メッセージが出力されます。
  512KBでスレッドが終了なので、950からか450KBを過ぎた時点で新スレッドへの
  移行を話し合いしましょう。


5 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/01(木) 23:52:50 ID:onaLa5lAO
>>1 E-774さんありがとうございます!!うp不能とは不覚でしたorz
今後は気をつけますm(_)m
ではラストを…


 そこであたしの精神は、辛うじて繋がっていた思考の糸はプツンときれ、無意識に叫びながらアクセルを踏み抜いた。
 世界はスローになり、女は香奈美に引きずられて車の下に落ちる。
 彼女の口が微笑み、「ありがとう」の形に動いたように見えた。
 それも一瞬で、次には香奈美の姿は消えて、車が何かに乗り上げたように跳ね上がる。
 ゴリュッ!という嫌な音が響き、あたしはさらに叫ぼうとしたが、目の前に電柱があっという間に迫り、ハンドルをきる暇もなく激しく激突した。

 エアバックが作動したけど、シートベルトをしていなかったあたしの体は前のめりの状態から一気に後ろに弾かれて、後頭部をシートに痛打した。

 薄れゆく意識の中では『ごめんなさい』としか呟けず、あたしの視界は白から暗闇へと徐々に塗り潰されていった。

以上です。なんとか1章完であります。おつきあいありがとうございました。
続きはいずれ…。ところでE-774ってAWACSの事でしょうか…?間違いならすいません。
ではノシ

6 :本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 00:04:59 ID:GZC0xQd40
>E-774さん スレたて乙です

>我流さん
・゚゚ '゚(*/□\*) '゚゚゚カナタン  でもIDワロス


7 :本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 09:01:17 ID:F+7XISO1O
我流さん…お疲れさまでした。次章、くびを長くしてお待ちしてます。
ッッて、IDがッッ。オチも華麗ですな…

8 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/02(金) 09:42:25 ID:LFKgfy64O
まさか…そんな…IDが
オナラごらぁ!
そんなオチがつくとは思わなかった。
>>6-7どうもです。期待される限り頑張ろうかと思います。ノシ

9 :本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 22:06:59 ID:pyZJaxU2O
作品のすばらしさに感動してたところに、おなら・・・。レーシングスーツ着ておならしたら悲惨だよ。

10 :本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 23:05:38 ID:Mghwwj530
おならワロタw

11 :本当にあった怖い名無し:2006/06/03(土) 22:13:24 ID:B3TjFag50
保守

12 :ゾンビ主夫:2006/06/03(土) 23:08:42 ID:kat1RURWO
ついに明日退院だぁ!
また、バリバリ投下します!

13 :本当にあった怖い名無し:2006/06/03(土) 23:13:30 ID:w4R1M5KS0
おめ! & よろ!

14 :本当にあった怖い名無し:2006/06/03(土) 23:47:57 ID:r2cMw0jM0
>>ゾンビ主夫さん
退院おめでとうございます!

15 :本当にあった怖い名無し:2006/06/05(月) 07:19:52 ID:jG03YqEQO
ゾンビ主婦さん、おめでとうございますm(__)m退院しても、無理はなさらずご自愛ください。

16 :本当にあった怖い名無し:2006/06/05(月) 23:12:33 ID:pZN8HBxEO
お腹空いた…

17 :本当にあった怖い名無し:2006/06/05(月) 23:30:23 ID:GjXo6Ea90
俺も

18 :本当にあった怖い名無し:2006/06/05(月) 23:51:57 ID:sFP87rKJ0
人間・・食べ・・・た・・い・・・・・・・亜wセdrftgyふじこlp;@:「

19 :本当にあった怖い名無し:2006/06/07(水) 00:21:07 ID:e39pgeXDO
保守

20 :本当にあった怖い名無し:2006/06/07(水) 13:07:09 ID:Z0CFUbnhO
☆ゅ

21 :本当にあった怖い名無し:2006/06/08(木) 06:57:40 ID:me6kWZ4uO
保守

22 :本当にあった怖い名無し:2006/06/08(木) 14:36:36 ID:BfLUee840
あなたはゾンビの現れた世界の住人となり、
ほかの仲間と協力して物語を進めていきます。
■■ゾンビゲーム■■
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1147073957

23 :ゾンビ主夫:2006/06/09(金) 00:54:01 ID:esUE+GGvO
嘘のような本当の話……
退院出来たと思ったら歯医者に行って歯根嚢胞?が発覚!
再度入院w
神は俺が嫌いらしい……

24 :本当にあった怖い名無し:2006/06/09(金) 01:39:17 ID:Tni+gi1VO
>>23
kwsk

25 :本当にあった怖い名無し:2006/06/09(金) 01:45:21 ID:LhKCFWih0
>>23
ぐぐったらグロかったw
大変だねwwwww

26 :本当にあった怖い名無し:2006/06/09(金) 01:52:43 ID:KyCQBVpFO
>>23
大変ですね、どうか治療に専念して下さい。

27 :ゾンビ主夫:2006/06/09(金) 03:30:27 ID:esUE+GGvO
入院中、口の中に違和感を感じて、退院後に歯医者へ、レントゲンを取ったら一発紹介状!
口腔外科を紹介されて次の日入院!
後日、手術ですって!奥様!
神を呪うとはどういう感情かわかりましたよ!ええ!
貯金と信心を無くしたよ。

28 :本当にあった怖い名無し:2006/06/09(金) 16:49:43 ID:RshQrs4uO
小説こないかなー(・∀・)

29 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/10(土) 16:57:32 ID:VpoepqQXO
保守兼ね駄文投下します。


ふふ、ばかな人間め。森に逃げれば俺様を撒けると思ったのか?
浅はかだな。俺に知能がないと勘違いしてるようだ。それに生きた人間の匂いがプンプンしてるぜ?

生きてた頃より鼻が利くんだよ、俺達ゾンビはな。
ほら、見つけた。森を選んだのがおまえの運の尽きだ。足をとられてうまく走れまい。枝が刺さって痛いだろ。
俺は痛みがないからガンガン行くぜ?逝ってるだけにな。
さあ、つ〜か〜ま〜えた〜!いただきま・・・
ん?足が動かんぞ?あれ・・・君は狐君かな?遠くから野犬の鳴き声が。頭上にカラス。
これはまさか。美味しそうな腐肉の香りに集まってきたのか・・・?
あ!人間が逃げる!待ってよ!俺を置いていかないで!!
うひい・・・足が食われた〜(;TдT)あぁ、犬達が続々と・・・
あ、転んじゃった。うっ!カラスが目ん玉つつきやがった!!
うあああァァァァ!森の仲間が、仲間達が俺をおおおヲヲヲ!
あ、そこダメ。頭は無理だから。やめてやめてあ〜〜〜〜〜〜〜〜ゴリッ!!!
・・・・・・・・・


30 :本当にあった怖い名無し:2006/06/10(土) 21:40:29 ID:62tTL2f80
>>29
ゾンビとか居ても実際は自然の摂理で
そうなるよね・・・特に夏はロケラン持った軍人よりも金色の鎧来た騎士よりも
恐ろしい大小さまざまな自然のお掃除屋さんが大発生。

31 :通勤電車男:2006/06/10(土) 22:53:16 ID:SY+i4wR+O
我流様、新作ショート作品お疲れ様です!。
ゾンビ主観のお話ですね。森の仲間達が大活躍!、悪いゾンビをやっつけちゃうぞ♪。
みたいな軽いテイストが素敵でした!。
ゾンビ主夫様、...なんと申しますか...えー、そのうち良い事ありますよ(^。^;)。
とにかくお大事になさって下さい。
新作の投稿ありがとうございました!。続編の投稿の方もお待ちしております!。

32 :本当にあった怖い名無し:2006/06/11(日) 02:23:43 ID:nfttJY54O
ゾンビ主夫さんの話し聞いて怖くなったので10数年振りに歯医者行って、舌の感触でも明らかに虫歯だと判る親不知を抜いてきました。
抜いた歯を見せて貰ったらゾンビよろしく腐りかけててかなりショックでした。


チラシの裏
ムシバラスって言う虫歯菌のキャラデザインが全く変わってないことに感激しました。

33 :本当にあった怖い名無し:2006/06/11(日) 19:26:59 ID:GT8HPwTOO
ムシバラス!テラナツカシスw

34 :本当にあった怖い名無し:2006/06/13(火) 01:01:43 ID:+wnR5galO
保守

35 :本当にあった怖い名無し:2006/06/13(火) 09:00:15 ID:MrlLtJe10
ホシュ

36 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 00:25:07 ID:jJHzk41G0
昨日誕生日だった

保守

37 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 00:30:46 ID:NU12CtzPP
>36
お(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!

保守

38 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 01:00:26 ID:jJHzk41G0
>>37
ありがd!



39 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 13:57:07 ID:vFzqNUsP0
前スレなかなか埋まらんね

40 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 18:27:36 ID:bWpjJNZEO
>>39ごめん…。

41 :本当にあった怖い名無し:2006/06/15(木) 22:03:08 ID:V/kkAnqQO
いずれ埋まるから、心配するな。

42 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/16(金) 22:42:33 ID:1nv5zpMgO
こんばんは。2章序盤を投下します。2章です。あの真奈美の話の。
間違いなく2章なのでご覧ください。


 まあ、あれだ。こんなのは有り得ないよな普通。ニュースじゃ暴動って言ってたんだけどな…。
 窓から見下ろしながら一応平常心を保ち、一人ごちる。この眼下の景色は明らかに殺人?てかカニバリズム?食ってるよおい…。ドッキリじゃないよなぁ。
 警察に電話したほうがいいと判じ、受話器に手を伸ばし110にコール。
「…只今回線が非常に込み合っております。時間をおいてからもう一度…」
 なんだよ使えないなぁ。そんなに通報多いのか?サイレン鳴りまくってるし。
 とりあえず家の鍵全部閉めとこう。侵入されたらやばいしな。
 と、階下に降りようとしたらいきなり携帯が鳴った。なんだよ、びびったじゃないか。誰かと思ったら高校の友人大村君
 今は授業中のはずだが、とにかく通話ボタンを押す。
「おお、どうした?」「あ!つながった!三枝おまえ無事か?今どこだよ?」
 繋がるなり大声で怒鳴られた。耳が痛いじゃないか!
「何だよ?いきなり叫ぶなよ〜。家にいるよ。今日はさぼるってメールしただろ」
「あ、そうだったな。いや、非常事態みたいだからさ、心配したんだよ。いい友人だな俺ハハッ」
 自分でいうかこいつ。まあいいツレだってのは否定しないけどな。

43 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/16(金) 22:45:07 ID:1nv5zpMgO
「で?あまり無事じゃないけど何かあったのか?暴動の件じゃないの?」
 家の鍵をかけて回りながら電話を続ける。窓から外を覗くと殺人者は居なくなっていた。
「無事じゃないって何だよ!?何かあったのか!?」
 「だから叫ぶなよ。ああ、家の前で人が殺された。というか食われてた。警察には連絡したよ。繋がらなかったけどな」
「淡々と語るなバカ!お前の冷静さがたまに憎たらしいぜ…」
 携帯の向こうで嘆く声。しょうがないじゃん性格だし?
「で?そっちはどんな非常事態?さっきから気になってるんだけど」
「俺の嘆きは無視か。ふんまあいいよ。どーせ俺はそんなキャラさ…」
 何言ってんだこいつ。もういいシカトしよう。
「…何か言えよ三枝。ったく、本題言うぞ。こっちでも同じ事が起きてな。敷地内に侵入してきた奴がいてさ、教師が止めに行ったんだよ、体育教師のクソ崎な」
 クソ崎。ああ、ムカつく筋肉バカか。「でクソ崎が食われたのか?」
「先を読むな!そうなんだよ。あいつ柔道段持ちだろ?だから皆簡単に捕まえると思ったわけさ。あいついきなり組み付かれて侵入者を投げ飛ばしてさ、そっから締め技かけたんだよ。
終わった、て普通思うだろ。そうしたら急に腕離してさ。右腕押さえたんだよね。そこから血がダラダラ出てきてた」
「腕食われただけ?あいつ速攻逃げ出したんじゃないの」
「いや、逃げようとしたみたいだけどさ、振り向いた瞬間に足掴まれて転んだ。で、上に乗られてく…食われた…。やべ…思い出したら気持ち悪…」
 そんな事が起きてたのか。サボってよかったような損したような…。クソ崎が痛い目にあうのは見たかったけど、知ってる奴が食われるってのはな。あまり心臓によろしくない。

44 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/16(金) 22:46:52 ID:1nv5zpMgO
「まいったぜ。最初は誰も喋れなかった。何が起きたのかさっぱりでよ。クソ崎の悲鳴が聞こえなくなってから女子が叫びだしてさ。そっから大パニック。学校中に悲鳴がこだましたよ」
 大村は最初とはうってかわって落ち込んだ声になってる。
「おい大丈夫か?んで今はどうしてるんだ?」
「ああ、全校生徒が体育館に避難した。警察に通報したらしいんだけど、サイレンが聞こえるだけで1時間もこのままだよ。嫌になるぜ、蒸し暑くてさ」
 確かに体育館は通風が悪いし、今の季節は悲惨だろうな。やっぱりサボって正解だね俺。
「帰宅できないのか?家のほうが安全な気がするけど。お前今からうちにこいよ」
 学校から俺の家までは自転車で15分てとこ。なかなか近いから、待機するならうちのほうが全然いいよね。
「そうしたいんだけどさぁ…、不審者まだ学校うろついてんのよ。体育館の入口は教師が見張ってるから無理。家に連絡は許可されてるからお前に電話した。10回以上かけてやっと繋がったよ」
 大村んちは共働きだっけ。じゃあ家にかけても意味ないよな。それで心配して俺か。こいつ本当いい奴だよね。

45 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/16(金) 22:50:53 ID:1nv5zpMgO
「んで、ここまで聞くと暴動じゃないみたいだな。異常殺人犯がそこら辺をちょこちょこうろついてんのかな?」
 いい奴だなんて思ったことはおくびにも出さない俺。だって恥ずかしいだろ?
「う〜ん、それなんだけどさ。誰かがネットに繋いで情報を調べたらしくてな。それによるとだな…あのな…」
「何だよ。勿体ぶらないで言えよ」歯切れが悪いからせかす。
「笑うなよ?いいか…落ち着いて聞け…。犯人はな、ゾンビ、らしい」
「……………………」
「………………」
 互いに沈黙。あー、とりあえずこうかな。
「何言ってルデスカ?お〜むらサ〜ン?しっかりしてくだサ〜イ」
「んなッ!お前笑うより質わりいぞそれ!俺が言ってんじゃねーよ、ネットだよ!」
 おほっ、怒っちゃった。だってゾンビって何だよ。そんな現実に映画みたいな事起こるかよ。
「だってさおまえ…それはないだろ、ゾンビって。確かに人食ってたけどさ。犯人はただの異常者じゃないの?」
「異常者がいきなり2人も発生か?こことお前の家の前。偶然に過ぎるだろ。しかも情報によると他にも同じ事件起きてるみたいだぞ。ネットに繋いでみろよ」
 そこまで言うなら見てみよう。PCを起動してネットに繋ぐ。
「今繋いでるから待ってろよ。っと…ん、何だこれ。…これマジで?」
「な?かなり話題になってんだろ」
 大村の勝ち誇った声が聞こえる。しかし…なんだこれ。本当にこんな事が起きてるのか?

46 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/16(金) 22:53:54 ID:1nv5zpMgO
で、ここまでです。話はリンクしますので、こちらは三枝がメインです。

主夫様の復活を待っていますね。お大事に!あれから虫歯の夢をよくみます…。
ではノシノシ

47 :通勤電車男:2006/06/16(金) 23:45:55 ID:OHBJIimBO
我流様、新章の投稿お疲れ様です!。
飢えたゾンビのごとく電車の中でアーウー言いながらお待ちしておりました!。
前章にて姿が見えなかった他の生徒さん達は体育館に避難してたのですね〜。
死亡フラグな雰囲気漂う体育館から無事に大村君は脱出出来るのでしょうか!?。
とても楽しみです!!。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

48 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/17(土) 00:25:31 ID:OHMGLFctO
>>47すいません、電車さん。え〜前章の真奈美は予備校でして…。
今章は高校になっております。三枝君高校生の設定でw
体育館に生徒集合とくればそれはもうね?
ではノシ

49 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/06/17(土) 10:05:30 ID:nZ8GZ2390
...6
 銃声が響き渡る高速道路の内側は、防音のために設置されたコンクリートの壁に遮られて、詳しい状況は判らねぇ。
 何とかして高さ三メートル程の壁を越えなきゃならねぇが、あっちこっち傷だらけのオレ達じゃ、どうやったって無理な話よ…。
 でもよ…。周りを見回したら、五十メートルほど先に、防音壁を突き破って大破した、大型トラックの残骸が見えてるじゃねぇか。
 あそこからなら、どうやら中に入れそうよ。
 それでオレ達は、痛む体にムチ打って、トラックの残骸に走り寄った。
 ボロボロのゾンビ野郎が一匹、こっちの臭いを嗅ぎ付けたのか、赤錆トラックの陰からフラフラと現れやがったが、ロン毛野郎のリボルバーから放たれた、357のマグナム弾がすぐに始末《かた》をつけてくれた。
 さすが、情報機関の工作員。…怪我しちゃいても、射撃の腕は鈍らねぇ。
 雑草の生い茂った、土手の斜面に足を取られながら這い登って行くと、更にもう一匹、ゾンビ野郎が現れやがった。
 泥やホコリで薄汚れたボロボロゾンビは、焼け爛れたトラックのホイールと、破壊されたコンクリートの防音壁の隙間を、獣みてぇに四つん這いで、這い出して来ようとしやがった。
 そんな死人の行動に、もう慣れっこになっちまったオレは、ベレッタのピストルで、ゾンビの額を打ち抜こうとした南の野郎を制して、てめぇのワークブーツのつま先で、そいつを思いっきり蹴り上げてやったのよ。
 ゾンビパワーを秘めた、オレの右足のキックは、腐れ野郎の喉仏に吸い込まれ、首の骨をへし折られたゾンビ野郎の顔が、サッカーボールみてぇに宙を舞って、コンクリートウオールの壁の向こうに消えていった。
 それからオレは、首から下のゾンビの死体を壁の隙間から引っ張り出すと、向こう側の状況を確認した。
 幸い他に、動く死体の姿は見えねぇ。
 オレ達は、ロン毛野郎を先頭に、素早くその隙間をくぐり抜けると、鉄屑に変わりかけてる廃車の群れに身を潜めながら、銃声が響く辺りを窺った…。
 ゾンビ野郎に取り囲まれた、南の国の装甲トラックの荷台から、人民服着た兵隊が、小銃を乱射してやがる。
 運転席の吹き飛ばされたフロントウインドウの向こう側じゃ、血走った目を見開いて、セルモーターを操作する、伊藤のクソ野郎の顔も見えてたぜ。

50 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/06/17(土) 10:06:10 ID:nZ8GZ2390
...7
 派手な銃声や、鳴り響くセルモーターの音に、注意を引きつけられた死人どもは、廃車の陰に身を潜めたオレ達には気づかずに、トラック目指して一直線に向かってく…。
 それで、オレ達はゾンビ野郎にも、南の国の奴らにも見つからねぇように、放置車両の陰を利用しながら、トラックの近くに移動したのよ。
 死人どもの呻き声に混じって、C国の言葉らしき悲鳴や怒号が聞こえて来る。
 …可哀想に奴ら、一人食われ、二人食われで残りは幾らも残っちゃいねぇ。
 装甲トラックの、ユニッククレーンの陰にゃ、あのエレベーターで、オレが足の骨をまっ二つにへし折ってやったスミスの野郎の姿が見えた。
 野郎は、しぶとく生き残って、ここまで来たらしいが、どうやらそろそろ年貢の納め時だ。
 スミス先生は真っ青な顔で、弾の無くなった自動小銃を振り回していたが、自由の効かねぇ体じゃ分《ぶ》が悪いってモンよ。
 …そのうち、トラックの荷台から、ゾンビ軍団に引き擦り降ろされて、蠢く死人どもの黒山に飲み込まれちまった。
 次の瞬間、知った顔の日本人民国の上官が、荷台の端に顔を出し、スミスが落ちてゾンビの集中した辺りに向けて、容赦なく手榴弾を投げやがった。
 激しい爆音と共に、吹き飛ばされた腐れ野郎の『ぶつ切り』破片が降り注ぐ…。
 どうやら、南の国の回収部隊に残ったのは、トラックの運転席で引き攣った顔の腹黒伊藤と、容赦なく自動小銃を振り回す南の国の上官野郎に、それに、ミサイルの向こう側で、派手に悲鳴を上げてる人民服の一等兵が一人だけよ。
 とりあえず頭数じゃ、こっちの方が多くなったが、両軍合わせたって、そこらに集まったゾンビの数には敵わねぇ。
 そんな状況に業を煮やしたのか、トラックのエンジン始動を諦めた伊藤のクソ野郎も、手持ちのピストルや手榴弾で、ゾンビを打ちのめし始めた。
 爆音や乱射音が響くたび、ゾンビの数は減っていったが、向こうだって、無限に武器が続く訳じゃ無ぇ。
 ゾンビ野郎に囲まれながら、小銃弾を打ち尽くしちまって、狂ったらしい人民服の最後の兵隊が、引きつった薄笑いを浮かべながら死人の海にダイブした。
 奴らが手榴弾を使い尽くし、小銃の弾が切れた頃が、いよいよオレ達の出番だぜ。

51 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/06/17(土) 10:06:55 ID:nZ8GZ2390
...8
 人民服の兵隊が食われると、それでいよいよ伊藤のクソ野郎も観念したらしい。
 奴は、トラックの運転席を飛び出すと、荷台の上官野郎に向けてC国の言葉を叫びながら、ゾンビの少なそうな方向に逃げ出したのよ。
 頃合いと見た桐山が、オレ達に指示しながら、リボルバー片手に廃車の陰を飛び出した。
 伊藤の野郎に飛び付こうとしていた、一匹のゾンビ野郎がマグナム弾食らって吹き飛んだ。
 クソ野郎は、血走った目でオレ達を窺っていたが、走り寄ったオレ達に銃口を向けはしなかった。
 …野郎も判っているんだ。この状況じゃ、敵も味方もねぇってことをよ…。
 それでオレは、他のゾンビ野郎に食い付かれねぇように注意しながら、装甲トラックに近づいた。
 荷台の上に居たはずの、日本人民国の上官野郎は、どうしたんだか姿が見えねぇ。
 襲いかかってくる何匹かのゾンビ野郎を撃ち倒しながら、伊藤の側に近づくと、トラックと廃車の隙間に懐かしいモンが転がってやがった。
 そう、オレのお気に入り、トラックのフロントウインドウを横一線に切り裂いた、玉鋼《たまはがね》の日本刀よ…。
 刃こぼれが激しい上に、少し曲がりかけてるが、ゾンビ相手なら、まだまだ使えそうだ。
 だからオレは、行く手を邪魔する一匹のゾンビ野郎を、左手のストレートパンチで吹き飛ばすと、日本刀を引っ掴んで思いっきり振り回したのよ。
 切れ味は鈍っちゃいたが、その日本刀の切っ先で、何匹かの死人どものどす黒い体液を、そこら中に振り撒いてやった。
 「逃げようとしやがったら、まっ二つにぶった切ってやる…。」
 オレは、ベレッタを構える腹黒伊藤に向かって、怒鳴りつけながらそう言ったのよ。奴は、青い顔しながらも、肩を竦めて無抵抗の意志を示しやがった。
 ロン毛の桐山と、怪我した足を引き摺る南の野郎が二人して、そんな伊藤のクソ野郎を押さえつけると、装甲トラックの荷台の上に這い上がった。
 ………
 奴らに続いて、トラックの荷台に乗り込もうとしたオレは、響き渡る銃声に、焦って顔を上げたのよ。
 ロン毛野郎の左の肩口から飛び散った鮮血が、オレの額に降りかかる。
 …撃ったのは、伊藤のクソ野郎じゃねぇ。どこに隠れていやがったか、南の国の上官よ。

52 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/06/17(土) 10:07:50 ID:nZ8GZ2390
...9
 呻き声を噛み締めた桐山が、賺さずマグナムリボルバーを撃ち返す。
 南の奴も、腹黒伊藤から取り上げたベレッタ9ミリで応戦したから、すぐにケリは付いちまった。
 人民服の上官野郎は、崩れ落ちるようにトラックの荷台を「おさらば」して、死人どもの仲間入りよ。
 だけどこっちは、片膝ついたロン毛野郎が、ミサイルを背に座り込んじまって、どうにも具合が悪いぜ。
 …肩口を貫通した拳銃弾は、致命傷になっちゃいねぇが、苦しそうに呻き声あげる桐山が、オレ達に指示を出してくれなきゃ、どうして良いんだか判らねぇ。
 オレは、仏頂面でトラックの荷台に這い上がった中村のアホと、心配そうに覗き込む南の奴に指示して、とりあえずゾンビ野郎を警戒させたのよ。
 拳銃弾が盲貫した桐山の肩口から溢れ出る鮮血が、巡航ミサイルに覆い被せたキャンバスシートを、真っ赤に染め始めた。
 そんなオレ達の状況を、薄ら笑いを浮かべながら、他人事のように見ていた腹黒伊藤が、何かに気付いたらしい。叫び声を上げながら、飛行機みてぇなミサイルの機体に飛び付いたのよ。
 こんな状況で更に「悪あがき」をしようってのか?。オレは、伊藤の野郎の横っ面をぶん殴ろうと、奴の側に近づいたんだ。
 「起爆装置が動いてる!。」
 腹黒伊藤の悲鳴のような声に、振り上げた手を押さえたオレは、奴の指さす先を見た…。
 キャンバスシートの合わせ目から見える、ミサイルの胴体は、側面カバーが外されて、奥に蛍光デジタルの数字が見えていた。
 半狂乱の腹黒伊藤は、制御装置らしいスイッチやキーボードを操作していたが、「起爆キーが無ぇ!。」って叫んでる。
 どうやらそいつは、ゾンビ野郎の仲間入りをした南の国の上官が、持って行っちまったらしいのよ。
 出力2キロトンの中性子爆弾を、ここでオレ達に『ぶん取られる』ぐらいなら、爆発させちまおうって魂胆か。
 計器板を覗き込んだオレは、LEDの赤い数字を確認した。
 …どうやらオレ達に残された時間は、30分も無ぇらしい。
 話を聞いた中村メガネ猿が、女みてぇな悲鳴を上げる。青い顔した南の奴も「どうする?。おやじさん…。」って叫んでる。
 どうするったって、時間は幾らも有りゃしねぇから、どこに逃げても同じだぜ…。

53 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/06/17(土) 10:11:55 ID:nZ8GZ2390
4話投下。

すまねぇな。
…なんだか、最近、忙しくって、ちっとも先に進まねぇ。

しばらくぶりなんで、ストーリーを、忘れちまってるんじゃねぇか?。

じゃ、またな。

54 :本当にあった怖い名無し:2006/06/17(土) 12:55:54 ID:OHMGLFctO
おやじさん久しぶり乙!!あと30分のクライマックスにwktkして待ってます!

55 :本当にあった怖い名無し:2006/06/17(土) 19:43:05 ID:G3/xdagu0
>>我流さん
乙です!大村君たちはこの先どうなるのかと、
とても気になります!!

>>おやじさん
お久しぶりです!ゆっくりでいいので、ラスト
までお願いしますね!!!

56 :通勤電車男:2006/06/17(土) 22:20:57 ID:2yZAPspwO
おやじさん、続編の投稿お疲れ様です!。
起爆装置起動!タイムリミットは三十分!。
作品読んで感想書き込む暇も無い程の(^_^;)凝縮された三十分になりそうですね!!。
ゾンビパワーでピンチを乗り切って下さい!。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!!!。

57 :本当にあった怖い名無し:2006/06/18(日) 12:59:51 ID:a0hDosikO
二人とも乙華麗!!

58 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:36:15 ID:E/ay7/0OO
(;'A`)暑いですね。仕事だるかった〜。
投下開始です。

 なんというカオス具合だ。情報が溢れすぎて会話すら成り立ってないよ。
「どうだ?なんて書いてあるよ?」「まあ待て大村。そうだな…ざっとこんな感じかな」
 ネット内じゃだいたいこうだった。『暴れてるのは人じゃなくゾンビだ』『警察が何人も食われてゾンビになった』
『〇市の化学研究所のB兵器が漏れたらしい』『襲われた椰子が生き返って周りを襲いだした』『リアルバイオハザードキタコレw』
 他にもいろいろあったけどまあ、重要なのはこれくらいかな。〇市ったら隣だし。嫌な予感するなぁ。こっちまで広がってきてんじゃないのこれ。
「見たとこざっとこれくらいだな。もう何百人も死んでるって書いてあるけど…。あんまり信憑性はなさそうだぞ?」
 大村に伝えたら、こいつ何気取り?ってくらいに命令口調なのね。
「チッチッ、三枝君、その情報の海から真実を探すのが君の仕事ですよ」
 あれですか。俺はあなたのワトソン君ですか。
「な〜んで俺がそんな事しなきゃならんのさ。面倒くさい」
「こっちと違ってクーラー効いた部屋で贅沢してんだろ。それに、ある程度真実味のある情報持ってたほうが、後から対処しやすいじゃん」
 む、正論。ちょっと悔しいから反抗的に返してやる。


59 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:38:10 ID:E/ay7/0OO
「は〜い先生。では只今より分析に入ります」
「不貞くされるなよ。後からお前の家行くからそん時に詳しく教えてくれや」
 あら見透かされてる。大村もなかなかやるじゃない。
「あ〜わかったよ、負けました。で、いつ頃来れそうだ?」
「そうだな。なんとか抜け出したいとこだけど…。ん、ちょっと待って、何かあったみたいだ。入口を誰か叩いてる」
 叩いてるだって?普通に入ればいいのに。「鍵かかってんのか?」
「ああ、あの不審者が入って来ないようにな。何人か教師がサスマタ持って見回ってるから、そいつら戻って来たんだろ」
 ふ〜ん。立派な教師魂だね。警察にまかせりゃいいのにさ。
「今ならトイレ行くとか言って抜け出せるんじゃないのか?」
「どうだろな。いや…なんか様子変だな。戻って来た奴が随分慌てて…」
ドオッ!!キ――――――ン!!!
 うわっ!?何だ?ハウリングみたいな大音量がいきなり入ってきたぞ!?
「おい大村!どうしたんだよ!!何が起きたッ?!」
「…から……バイ……行く…ツー・ツー・ツー」
 切れた?行くって事はうちに来るのか?何とか聴こえた断片でそう当たりをつける。
 何が起きたんだ?

60 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:40:07 ID:E/ay7/0OO
 察するにかなりやばい事態みたいだな。
 とりあえず玄関前で待機するか。学校に向かって行き違ったらまずいしね。
 おっと、一応護身用にバットでも準備しないと。靴棚脇に立掛けておいた木製バットを手に外に出た。

 で、動きが止まったよ。それはもう見事にさ。コイツの事なんてすっかり忘れてた。さっきの殺人犯。
 なんでいきなり目の前に立ってるんだよ、おまえ?思考停止しちゃったじゃないか!え〜と、とりあえず叫ぶか。
「ち、ちか…」いや、痴漢じゃないだろ。何言ってんの俺。
 「バァァあああぁ゛あぁ゛あ゛!!」
 うわっ?!奇声上げて突っ込んで来やがった!
『ゴスッ!』鈍い音。あ、つい殴ってしまった。正当防衛だよね?これ。急に襲って来る方が悪いから。
 でもコイツ全然怯んでなかった。それどころか、全く痛くなさそうだし。
 よく見たらコイツ…顔色おかしくないか…?目ん玉真っ白っぽいし…。まさかマジにゾンビ?
「うおッ、こっち来んなばか、オラァ!」『ゴン!!』
 今度は気合いを込めてぶん殴る。腕の骨いっただろこれは。…て、あれ?嘘だろ?
 俺を捕まえようとするみたいにに腕を上げて向かって来る。左腕途中からぶら下がってるんですけど!!

61 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:41:50 ID:E/ay7/0OO
 これはやばいと思った俺は、一旦家の中まで後退。鍵をかけて、覗き窓から様子を窺おうとしたら、
 ドンドン!ドン!
ドア叩きまくりかよこの野郎。びびったじゃないか!
 びびった自分と、びびらせた殺人犯の両方に腹を立てながら、とにかく落ち着こうと深呼吸。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。
 いやいや、これ違うし。まあ落ち着いたからいいか。だいぶ動転してたみたいだな俺。
 冷静になって考える。普通腕が折れたら、痛くて動かせないよな。というか泣くんじゃないのか?ってぐらいに痛い筈。骨突き出てたしね。
 襲ってきたあいつが悪いとは言うものの、自分がやったという事実にちょっと罪悪感も感じるけど。
 それにあの顔。赤いというか黒というか、健康な人間の肌じゃなかった。特に目はやばかった。薬でもやってんのか?
 そこでふと気付いた。やばい、大村が今から来る筈だ!アイツと鉢合わせたらかなりまずい。
 時計をみたら、電話が切れてから10分以上たってる。もう着いてもおかしくない。どうする…どうする!?
 考えがまとまってないその時に、悲鳴が聴こえた。うちのすぐ前だ。
「うおおおおおおお!何だよコイツはぁ!三枝ぁぁぁ!」
 大村か!?やばい!クソッ、もうなるようになれ!


62 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:43:27 ID:E/ay7/0OO
 親友を見捨てるわけにはいかない。大村だって同じ事をするだろうと、俺はわかってた。
 だから、バットを握りしめて玄関から勢いよく飛び出した。
「てめえの相手はこっちだよ!変態野郎!」
 外に出るなり怒鳴って、あいつの注意をこっちにひきつけた時、大村は自転車を振り回して応戦してた。やるぅ〜大村君てば。
 変態は自転車で殴られて、なかなか近づけずにいるみたいだ。  だけどそれを見て、さっきとは状況が変わっていた事がわかった。
 嘘だろ…同じような奴が一人増えてるよ??!
 変態が2人は分が悪い。なんとかして大村を家に入れないと。
 一人が俺と大村の間に立ちはだかってて邪魔だ。コイツをどうにか排除しなきゃならない。
 こうなったら…突撃あるのみ。行くぜ俺。気合いの見せ所だ!


63 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/18(日) 16:46:04 ID:E/ay7/0OO
以上であります。次回は対ゾンビタッグバトルにしたいです。
感想ありがとうございました!
ではノシ

64 :本当にあった怖い名無し:2006/06/18(日) 18:05:25 ID:2JAkw91J0
>我流さん
なかなか臨場感あっていいよ、これwktk

>おやじさん
久々乙!

65 :本当にあった怖い名無し:2006/06/19(月) 17:39:45 ID:DSOmlfdmO
http://c-au.2ch.net/test/-/movie/1130473315/i#b

66 :本当にあった怖い名無し:2006/06/19(月) 21:46:11 ID:1R1Ss91S0
>>我流さん新作乙!
マジで期待してるからwwww

67 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/20(火) 01:07:14 ID:+jNOcsACO
>>64-66ありがとうございますm(_)m期待に添えられるよう頑張ります。
真奈美の出番は少し後になるのでどうぞよろしく。

68 :本当にあった怖い名無し:2006/06/21(水) 09:50:45 ID:cCGiY7hL0
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1132568471/l50

350からの小説面白い


69 :本当にあった怖い名無し:2006/06/21(水) 22:40:10 ID:pU3D3XcZO
我流さん、すばらしい!

70 :通勤電車男:2006/06/21(水) 23:49:34 ID:/bVpX7kcO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。」産まれるΣ( ̄○ ̄;)!?
きっと元気で丈夫な漢の友情が産まれるのでしょうね〜(^-^)♪。
産声はバットを振り抜く風切り音!、ゾンビにぶつけてひしゃげた自転車が乳母車!!。
うはwwwクールなベイビーだwww。
対ゾンビタッグバトル楽しみにしております!。
ありがとうございました!。


71 :本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 10:13:56 ID:Ujaq7gQWO
電車さんが小説書くとおもしろくなるんじゃなかろうか。


72 :本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 19:15:46 ID:Z0OgtoPt0
同意。すごく気になる。

73 :本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 22:50:54 ID:+pveefw4O
未来はいつも 後から来ては 全てをさらって行く

74 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/22(木) 22:58:50 ID:Ujaq7gQWO
>>73深い…
日本戦前にコソーリ投下

「大村!こいつらが怯んだ隙に家に入れ!」
 俺の啖呵を聞いてこちらを向いた大村に、その口調のままに指示を出した。
「おう、わかった!しゃあこの野郎!」
…大村、お前武器持つと人格変わんのか?チャリが武器かどうかはともかく、大村の激しい攻撃に奴は手も足も出ないみたいだ。
 問題は俺の方か。さっきの様子から判断するに、生半可な打撃じゃ効果はないみたいだし。いやまあ、普通ならあれでKOなんだけどな。
 相手の動きをよく見てバットを正眼に構えた。けどこいつ、やっぱり無防備に迫って来んのね。慎重な奴よりよっぽど怖ぇよ!
 俺も舐められたもんだね。それとも、ラリってるからまともに物を考えてないだけか…。
 とにかく弱点は左側面。腕があの状態じゃ俺を捕まえるのはまず無理だろ。よし来い!
 ギリギリまで殺人者を待ち構えて、あと2歩で手が届くというところでサイドへステップ。そのまま前方へ踏み出し、相手の斜め後方へ位置どった。
 情けはかけない。ジャンキーにそんな優しさをかけてやる程、俺は人間出来てないんでね。
 渾身の力を込めてバットを振り抜く。『ボゴッ!』一撃めは相手の腰骨にメガヒット!すかさず二撃目を構え、今度は膝裏に痛撃を与えてやった。
 一撃目でよろめいたところへの、膝への追加攻撃。殺人者はその場にくずおれた。
 間違いなく関節を破壊したはずだ。これで動けないだろ、ザマミロ!

75 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/22(木) 23:00:27 ID:Ujaq7gQWO
 大村の助太刀をしようとそちらを確認したら、さらに状況悪化中。開いた口が塞がらないとはこの事かも。
 また一人増えてやがる…!もうウンザリだね。一体この街はどうしたっていう訳?警察は仕事してんのかよ!!
 役に立っていない警察への罵倒を内心に抱えて、とにかく助太刀に向かった。
「今行くぜ大村!持ち堪えろよ!」
「早くしてくれ!一人じゃ限界があんぞ!っと、危ねぇ…、クソっ!」
 ジャンキーの手が伸びて大村の肩を掴もうとしたが、済んでのところをチャリのタイヤで跳ね上げた大村は、危機を脱した。
 こいつ反射神経いいよね。流石に俺とタイ張るスポーツマンなだけはあるよ。
 と感心しながら、増加したジャンキーに、走り込んだ勢いそのままに前蹴りを喰らわせた。着地して大村に並び、
「さて大村君。とてもマズイ事態だと思いますが、あなたならどうしますか?」

76 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/22(木) 23:03:09 ID:Ujaq7gQWO
 あえて軽い口調で話しかけると、ノリのいいこいつは、息を上げながらもすぐに応えた。
「そうですな三枝さん。やはりここは正面突破が妥当では?チャリを犠牲にしましょうかね」
 チャリを犠牲か…なかなかいい案だな。というか現状では一番使えそうな手だと思う。
「OK、それでいこう」作戦の詳細なんて確認してられない。つまるところ以心伝心てやつ。いける。俺達なら問題は無いさ。
 俺が蹴りをお見舞いした奴が立ち上がり、互いに相対する形になる。もう一人も正面に立ち、様子を伺っている?と思ったのも束の間、奇声を発し、両手を持ち上げて向かってきた!
「大村!」「おう!」俺の声を合図に、大村がチャリを奴らに投げつける。
 チャリを二人で抱える形になった奴らに対し、俺は左、大村は右の相手に同時に蹴りを浴びせた。
 体重を十分に乗せた蹴りだ。仰向けに転がった二人の頭上を飛び越え、ハイタッチをして玄関に向かった。
 やっぱ俺達最高!と無言の笑顔を交わし、正面に顔を向けた瞬間だった。
 信じられない…。殺人者が立ち塞がってやがる!しかも砕いた筈の左足を地面に着けてだよ?!こんな人間の規定を越えたような奴相手にどうしろっていうんだ!

77 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/22(木) 23:07:25 ID:Ujaq7gQWO
 とっさに斜め方向に飛び込み、勢いを殺さずに回転して起き上がる。後ろを見やると、大村のほうが奴に近かったせいか、上着のYシャツを掴まれ逃げられなくなっていた。
「大村ぁ!今助ける!」バットを持ち上げ…ようとしたが手元にない!
 転がった時に手放してしまった。クソッ、時間が惜しいこの時に俺は何してんだ!!
「うわっ、このっ、離せ畜生!なんつ〜力してやがる!」
 大村がやばい。バットは殺人者の足下。素手でいくしかない。体を前に出した瞬間大村が叫んだ。
「来るな!扉開けてろ!」言うと同時に体を斜めにひねる。
 ピンときた俺はダチを信じて玄関に向け走り出す。扉を開け言った。「いいぞ、来い!!」
 腕を前に突きだし、お辞儀の体勢をとった大村の頭のほうから、Yシャツはスッポリと脱げた。
 殺人者はシャツを引っ張っていたため、(片足では流石に踏ん張りが効かないのだろう)尻から地面に倒れ込む。
 ピンチを脱したと思ったのも束の間、二人組が立ち上がりこちらに突っ込んで来ていた!
「早く来い大村!急げ!」必死に急かし、後ろを確認した大村も全力で扉の内側に飛込む。
 俺は叩きつけるように扉を閉め鍵をかけた。一拍の間の後、やつらが扉を叩き始めたが、家に入ればこちらのもの。もう安全だ。
 暫くあがっていた息を整え、落ち着いて座り込んだら、笑いが込み上げてきた。
「はは…ハハハハハハ」
 俺の笑いにつられたのか、大村も笑い始めた。
「アハハ…ハハハハハハハハハ!」
二人共笑いが止まらず、家の中には暫く笑い声がこだまし続けた。

78 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/22(木) 23:10:10 ID:Ujaq7gQWO
ここまでです。次回、大村脱出の巻。
が、あまり大した事は書けないかもしれない…。
ではノシ

79 :本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 23:14:09 ID:6jKc6y0S0
うむ〜 GJ!

我流さんの作品はリアルタイムで読めることが多いなww

これからもこの調子でよろしく

80 :本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 00:07:01 ID:VXCHrLQ10
我流さん、お疲れ様です!!
今回も楽しく読めました!v

81 :ゾンビ主婦:2006/06/23(金) 07:14:32 ID:uRKw7MrmO
ついに……つ〜い〜に!完全復活!!
もう神はいらん!ゾンビに魂を売ってやる!
と、言う訳で復活です。
お待たせしました!(えっ?待って無いって?)
歯を3本抜き歯茎を抉り、後はインプラントを埋めるだけ!
正確には昨日退院してたんですがなんやかやで忙しく挨拶が遅れました。すいません。
明日の夜から投下開始させていただきますね。それまでさらばです。

82 :本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 08:40:47 ID:Y9kTnmst0
>>81
偽者ハケーーン!!

83 :ゾンビ主夫:2006/06/23(金) 16:59:53 ID:uRKw7MrmO
すまそ…
久しぶり過ぎてコテ変換間違いしちゃった……
けど、本物だよ

84 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:28:52 ID:u6yAQpPfO
>>81主夫さんお帰り!退院おめでとうございます!ついに続きが読めるという事で、今からwktkですwwww

>>79もしや前章を昼にうpした時も…?
>>80どうも!楽しんでもらえるとまた頑張って書く意欲が沸きます。
では投下開始↓

85 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:30:52 ID:u6yAQpPfO
「ハハハ…はぁ…ほんっとになんだろなこれ。現実を疑うよ俺は」
 笑いの衝動が治まり、信じられない現象に愚痴がこぼれた。まったくなんだってんだ?
「フハッ、確かにな。まさかこんな非道いめに合うとはなぁ…。朝家出た時は、なにも変わらないいつもの朝だったのにな」
 大村もつられて愚痴をこぼした。『はぁ・・・』
 あっと、溜め息までシンクロしちゃったよ。俺も大村もかなり消耗してた。体力だけでなく、精神的にも。
 だってそうだろう?あんな得体の知れない奴らを3人も相手にしたら、いくらCOOLを売り(?)にしている俺でも、冷静さを保つなんて不可能だよ。
 あいつらはまだ扉を叩き続けている。どれ、窓から観察してみるかな。
「なあ、あいつらの事よく見て来よう。ゾンビなのか只のトリップ君なのかわかるかもだろ?」
 大村の返事を待たずに、言うなりリビングの窓に向かう俺。ガラスをコンコン叩き、奴らの注意をひいてみた。
「こんにちわ〜、お元気そうですね?僕らはこっちでちゅよ〜ん」
「バカッ!窓ガラスなんて簡単に割れるだろうが!なに誘ってんだよ!?」
 軽率な行動にみえたんだな。大村に怒鳴られた。だけどこいつの心配は、実は杞憂なんだよね。まあ見てなって。我が家の秘密を公開してやるさ。


86 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:33:22 ID:u6yAQpPfO
 案の定、音に反応してこっちに三人共向かって来たので、少し窓から離れてみる。大村ってば後ろに下がり過ぎ。おもしろいから、ネタバレは後にしよう。また怒るかもしれないけども。
「お、おい三枝!マジにヤバいぜ?!もう闘う気力がねぇよおれは…!!」
 大村の弱音が聞けたところで、そろそろいいかな?と思い、くるりと振り返って両手を広げ、芝居じみた台詞を吐いてみる。
「さあお客様、ご覧下さい。これが最新の防犯ガラスの力でございます」
「はぁ?お前はこの非常時に何言って…」
 …バン…ガタン…ンバン… 奴らは思い切り叩いているのだろうけど、内側の俺達に聴こえてくるのは小さな音だけ。
 ガラスには手形がつくだけで、割れる気配など微塵も感じられない。
「…説明しろ。一体どういう事だ?お前わざと黙ってたな…、さ〜え〜ぐ〜さ〜…」
 静かな怒りを孕んだ声が後ろから。不覚にも今日一番の恐怖を感じてしまった。なんて。
「まあ聞け大村。先月から、俺の両親が海外に仕事で越した事は知ってるな?で、一人日本に残る俺の事を心配してさ、越す前に最新の防犯防音ガラスに取り替えたんだよ」
「先に言っとけボケ!びびって損したじゃねぇか!!俺の反応観て楽しむのはやめろ、このドSが!」
 確かにSっ気はあるかもだけど、そこまで言うことないんじゃない?
「落ち着け。只の愛情表現だ。慌てる可愛いお前が見たかっただけなんだ、許せ」
 俺としては至極真面目に言ったつもりだったんだけど、どうやら知らず知らずに笑っていたようだ。
「笑いながら言う台詞じゃねぇ!」大村の鋭い突っ込みで気付かされた。
「いや、マジに悪かったよ。それよりほら、あいつらを観察しなきゃ!」
 自分のミスを誤魔化す為に、話題をそらす。面白いやら静かやらで、存在をすっかり忘れてしまっていた。
「お前は愛すべき友人だよまったく…。借りは返すから忘れんなよ?」
 いや大村よ、是非忘れてくれる事を祈っているよ。

 そして二人で並んで、例の3人の観察を始めた。その光景は、さっきまでの楽しい一時を一瞬で忘れさせる程に、凄まじいものだった。

87 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:35:24 ID:u6yAQpPfO
 我が目を疑うっていうのは、こういう時に使う言葉だよね。アンビリ―バブルってやつ。
 まず俺が殴った殺人犯。やっぱり、左腕だけじゃなく膝も壊れてるみたいだ。
 ズボンの上からじゃ傷は見えないけど、そこから血が滲み出ているから、骨が肉を裂いたのかもしれない。
 腕が折れているにも関わらず、両手を上げて窓を叩き続けている。左肘のあたりは、すでに千切れそう…、筋繊維でかろうじてつながっている状態だった。
 腕を振り回す度、その部分からは血液が雨のように飛び散っていく。しぶきが窓ガラスに張り付く。
 これには流石の俺も絶句し、血の気がスッと引くのがわかる。大村はフローリングに思わず吐いてしまったようだが、それを気に留める余裕は俺にはなかった。
「ウェっッ…なんだよこいつ…。なんでそんな腕で…ゲホッ…う…ハァ、ハァ」
 ほとんど吐いてしまったのだろう。もう唾しか出ない大村が呟いた。胃酸の酸っぱい香りが漂ってきたが、目前の光景に釘付けになった俺には、どうでもいい事だった。
 イカレてる。いくら薬をキメていても、痛覚が鈍くなってるといっても、限界があるだろう。
 凝視するのに耐えられなくなり、残りの二人の方に目をやった時、俺はこの三人の奇妙な共通点に気付いた。

88 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:38:14 ID:u6yAQpPfO
 勘違いかとも思ったが、念のためにもう一度全員を見比べた。殺人犯の方は流石にマジマジとは観れないけどね。
 …やっぱり勘違いじゃなかった。こいつらには明らかな共通項がある。
 肌の赤黒さ、紫にも見える。それと唇の白。まるで血の気が感じられない。そして特筆すべきはその目だ。
 さっき闘った時は注視する余裕なんてなかったけど、今ならはっきりとその異常さがわかる。
 黒目がない。瞳がほぼ白眼を剥いている。いや…かろうじて中心に黒い点が残ってるか?
 こんな顔つきをした人間がいるのか?それが一気に三人も?
 大村に確認をとろうとした時、
「悪い三枝…、俺にはもう無理。見てられない…。カーテン閉めてくれないか…」憔悴しきった、という感じの声音で言う。
 確かに長々と観ていたい、という類の光景じゃないよな。
「そうだな…閉めよう」一気に両側からカーテンを引き、外の景色をシャットダウンした。
「少し休もう。なんか飲むか?」「いや…とりあえず顔洗わせてくれ…。あ、床汚してごめん。後で掃除するからさ…」
 かなり参ってるな、大村。俺も平静を保ってるつもりだけど、気分はかなり落ちてる。とにかく二人共休息が必要だ。
 キッチンで水でも飲もうと、リビングを後にする。
後ろからは微かに、奴らが窓を叩く音が聴こえていた。


89 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/23(金) 22:39:43 ID:u6yAQpPfO
fin 大村の脱出話は先に延びました。予告するもんじゃないな…orz

ではノシ

90 :本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 22:59:21 ID:VXCHrLQ10
やった!また最新作をすぐに読めたぞ!w
お疲れ様です!!

91 :通勤電車男:2006/06/23(金) 23:38:07 ID:1f6wtxADO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
見事な連携タッグバトルでしたね( ̄ー+ ̄)!。
ドSの中にスプーン一杯分の友情と優しさを秘めた三枝君と、
武器を持つとちょっぴり大胆になる大村君。二人の活躍にwktkしております!
給料日の週末に飲みに行ってくれる友達私には居ませんが(´;ω;)
そんな辛い現実すら振り払う程wktkしております!!。

ゾンビ主夫様、退院おめでとうございます。
今後はインプラントで強化された歯でガリガリ喰える...Σ( ̄○ ̄;)。
「ゾンビ主夫plus」って感じでしょうか!?。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

92 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 00:51:41 ID:OAKJAE0c0
>我流さん乙、GJ

うん、2回目の時にリアルタイムしてましたねw
その次に香と真、作者まで間違えんなゴルァしたしww

そんなわけで見守ってます。

93 :ゾンビ主夫:2006/06/24(土) 01:48:10 ID:s2EWTvsb0
では、宣言通り投下しますね。


 その顔には怒りとも悲しみともとれる。複雑な表情を浮かべている。いや、微かに涙を滲ませていた。
「いや・・・・あの・・・・ごめん・・・・」
 しどろもどろになりながら謝る。
パァァァン!
 乾いたある意味小気味よい乾いた音が木々に木霊する。
 反動で向いた、先に顔をしかめた啓吾の顔が見えた。
(ああ・・・やっぱり・・・・)
「無茶しないでって言ったじゃない!あなたに・・・あなたに、もしなにかあったら、私はどうしたらいいの!?」
 それだけ言うと、奈美は俺の胸に顔を埋めて子供のように声を上げて泣きだした。
 その頭をそっと優しく撫でてあげる。
「ごめん・・・ごめんよ・・・心配を掛けたね。」
 締め付けられるような思いになる。
 しばらくそのまま奈美が泣きやむまで撫でてあげた。

 そして、奈美はそっと俺から離れると車へと戻っていった。
 俺は追いかけず男に銃を突きつけたままの啓吾に向き直る。
「いいのか?追いかけなくて?」
 顔をしかめたまま、こちらに問いかけてくるが、俺は首を横に振った。
「こういうときは少し時間を置いた方がいいんだ。それよりもこの人はどうする?」
 しかし、啓吾は肩を竦めて「どうしたもんかねぇ」とからかうように言う。


94 :ゾンビ主夫:2006/06/24(土) 01:50:03 ID:s2EWTvsb0
「お・・・俺をどうするつもりだ!?俺の山小屋だぞ!こ・・・こんな事していいと思って・・・・」
 そこまで言うが途中で、啓吾の突きつける銃が後頭部に強く押しつけられ遮られる。
「失礼。自己紹介が遅れたが・・・この山小屋の所有者の桂木という者だが・・・失礼だがどちら様かな?俺の親父には見えないんだが?」
 わざとおどけたように言うと男は見て哀れな程うなだれる。
 そのまま、重苦しい沈黙が辺りを占める。
 その沈黙を破ったのはやはりと言うか男だった。
「すいませんでしたぁ!俺もあの化け物に追われて山に入って、それで・・・何度か猟の途中見かけていたこの山小屋に籠もったんです!」
「だから?」
 啓吾は冷たく言い放つ。
「見逃してくれ、水に流せ・・・か?」
「アンタのやったこたぁ、決して許されるもんじゃねぇ。下手をしたら同じようにここに避難してきた人間を見殺し・・・いや、実際にあんたの手で殺したかもしれん。」
 俺は冷たい眼差しで言い続ける啓吾を止めるでもなく黙ってみていた。
 確かに、この男は人を殺したかもしれない。
 そして、俺には啓吾が何と続けるかもおおよそ見当が付いていた。
 男は啓吾に土下座をしながら人を殺してないと主張している。
「まぁ、殺った殺ってないは関係ない。命を取ろうって訳じゃなく出ていってもらいたいだけだ。」

 男はその言葉に少しだけ安堵の表情を浮かべると「解った。」と言って立ち上がり、俺に近づき手を差し出す。
 俺が持っている銃を返してくれっと言いたいのだろう。俺は啓吾に目を向けると首を横に振り、近づいてくる。
「悪いがライフルは返せん。信用できんからな?出て行った、次の瞬間には遠くからズドンじゃ間抜けすぎる。」
 そう言いながら手で銃を撃つまねをする。
「そんな!それじゃあ、死ねと言ってるようなもんじゃないか!!」
 激興する男に銃を突きつけ「死ぬのと殺されるのはどっちがいい?」激鉄をあげ、男の額に押しつける。
 押しつけられた銃口に男は押し黙るしか無かった。

95 :ゾンビ主夫:2006/06/24(土) 01:53:49 ID:s2EWTvsb0
 そして、諦めたのかトボトボとした足取りで小屋の横に隠してあった車へと向かう。
 俺達は黙ってその後をついて行く。勿論、銃を構えたままだ。
 男が車に乗り込みエンジンを掛け、山を下り始める。
 その車が見えなくなるまで、俺と啓吾は銃を決して降ろそうとはせず、しばらく眺めていた。
 啓吾は深く息を吐くと銃のセーフティを懸けてヒップホルスターへと納める。
「着いた早々からこれじゃあ、先が怖いね。」
 俺は啓吾に笑いながらそう言うと「俺は酒と銃さえあれば何処だって天国だ。」とまた豪快な笑みが蘇ってきた。
 いつもの顔に緊張から解放された、俺の腰は情けないが限界を迎えた。
 ヘナヘナとその場にへたり込むと持っていたライフルを地面に捨て大の字で転がった。
 啓吾も俺の横にドカッと座ると煙草を取り出し火を付けた。
(地面が冷たくて気持ちいい)
 小石や枯れた枝が背に当たるが、その痛みですら生きてることを実感させてくれる。


 今回はここまで・・・・また少し読みにくいかと思いますが、許してください。
続きは又明日・・・

>>我流さんいつもwktkしながら読んでます!入院中なんど勇気づけられたことか・・
今、ゾンビ騒動があったら俺死ぬな・・・とか考えてましたw
これからもがんがってください。  

96 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 01:58:43 ID:OAKJAE0c0
主夫さんGJ!!

またまたリアルタイムで読んだ(暇人

>ゾンビ騒動があったら俺死ぬな
なんのなんの、麻酔が切れて目を覚ましたら病院は無人で街は廃墟、
ってゾンビに近い映画がありましたっけなw

97 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 13:57:38 ID:sA+fR/8Q0
28日後

98 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 21:00:27 ID:WvnrZQ2vO
>>90-92、主夫さん、サンクス。
>>92あれは痛恨のミスだったw親父エピソードはあそこでしか挿入できなかったから、入れたらあんな事態に…orz
今後も気をつけなければノシ

99 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 22:23:50 ID:s06j4aWE0
ゾンビ主夫さんGJ!!!

100 :本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 23:54:21 ID:294bd6VZO
100

101 :通勤電車男:2006/06/25(日) 22:23:06 ID:CQWixmpTO
ゾンビ主夫様、続編の投稿お疲れ様です!。
小気味良い音の平手打ち。桂木さん...膿包があったら大変な事に(^_^;)。
ともあれ、無事?拠点も確保し一安心。追い払ったおじさんが
逆恨みとかしなきゃいいのですが...。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

102 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:17:39 ID:eDLkN1gyO
では…マターリと投下致します。

        ※       
 いつの間にか、随分と時間がたっていたようだ。部屋の窓から外を眺めると、既に日は落ち始め、夕暮れが街を包んでいる。
 あの後、とりあえず二階の俺の部屋に場所を移し、今後の行動を話合おうとした。でもあんな光景を目の当たりにしてしまうと、当然口は重くなる。きっかけを見出せぬままに互いに無言のうち、無為に時を過ごした。
 このまま黙って座り続けても何も解決なんてしない。そうだよ、とにかく何でもいいから動かなきゃならない。
 勢いをつけて立ち上がり、大村に話かけた。
「ぃよしっ!なあ大村、腹減らないか?適当に食い物持ってくるから、食いながら対策立てようぜ」
 食欲なんてない。空元気だと自分でも分かってるさ。だけど他にうまい話題なんて思い浮かばなかった。
「…そうだな。このまま呆けててもラチあかないよな…。うん、手伝うよ。あ、でもあれだ。肉は無理。ハハハ…」
 俺の空元気に気付いたのかどうか、大村は無理に笑いながら腰を上げる。そのブラックジョークには苦笑で返事をしておいた。
「じゃあキッチンに行こう。パンとかスナックを軽くつまもうか。体育館で何があったのかも食いながら教えてくれ」


103 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:42:54 ID:eDLkN1gyO
うお、やっと繋がった…。では続き↓

 「あの時電話が切れる直前にさ、ドアを叩いてる奴がいるって言ったろ?案の定見廻りに出てた教師達だったんだよ。でもドアを開けた途端に転がるようにして中に飛び込んで来た。何事かと思って、会話を中断して皆そっちに目をやった。
出て行ったのは5人だったけど戻って来たのは3人。俺は体育館の端の方に居て入り口からは離れてた。だから良く見えなかったんだけど、相当慌ててるってのは分かった。床にヘタリ込んでわめいてたんだよ。『大崎先生が』って聞こえた。
クソ崎は侵入者に殺された筈だったんだけど、もしかして生きてたのか?って思うだろ。でもそいつら、救急車よぶならまだしも、早くドアを閉めろって叫んでた」
 クソ崎が生きてたならまあ、そりゃ救急車を呼ぶよな。いくら嫌いだからといっても、大怪我してれば俺だってそんくらいするね。
「じゃああれか。侵入者が追って来たからドアを閉めさせようとしたんじゃないのか?『クソ崎を殺した奴が来た』て言おうとしたとか?」
 疑問をはさんでみる。しかし大村は首を振り俺の予想を否定した。
「違う。すぐに答えは出たよ。戻って来た教師の剣幕に圧されたんだろうな。ドア脇に立ってた奴が閉めようとしたんだ。そしたら…クソ崎がそいつの目の前に立ってた」

104 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:45:13 ID:eDLkN1gyO
 「クソ崎が生きてたのに締め出そうとしたのか?そいつ随分と冷たい教師だな」
 呆れて口を挟むと、大村は手を振って俺の性急さを諫めるように続ける。
「最後まで聞け。クソ崎は血まみれだった。遠目にはそう見えたよ。真っ赤だったからな。近くにいた奴らからは押し殺したみたいに小さい悲鳴があがってた。
そのドア脇に立ってた奴がさ、クソ崎に近づいた時だよ。最初はもたれかかったのかと思った。だけど違ったんだ。いきなり悲鳴が聴こえて、そこを中心に生徒達にも悲鳴っつーか努声つーか、それが広がってな。とにかく凄い声で何も聴こえなくなっちまった。
クソ崎の方にもう一度目をやったら、あいつが抱きついた教師の首から赤い物が吹き出てた。…たぶん食い千切ったんじゃないかな、んで赤いのはやっぱ血だと思う。
もうパニック状態だよ。また一人殺されたんだぜ?しかも教師が教師に。我先に別の入口から逃げ出そうとしてた。流石に電話してる場合じゃないからさ、焦って切ったんだよ。
皆自分が助かる為に必死だったんだろうな。中には押されて転ぶ奴もいた。そいつに足が引っかかってつられて転ぶのも何人か。でも誰も助けようとはしなかった。逆に踏み潰して行った…。見てらんなかった…あんなのは…」

105 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:47:33 ID:eDLkN1gyO
 その一言を最後に、大村は黙り込んでしまった。
 現場にいなかった俺には、その惨劇を目の前にしたこいつの気持ちはわからない。助けたくてもそれだけのパニック状態だ、きっと無理だったろう。
 それは大村にとってかなり辛い筈だ。本来とても優しい気性で、困っている人間に手を貸すのは、こいつにとってはごく当たり前の事なんだ。
 慰めの言葉をかけようにも、何も浮かんでこない。だから俺は黙って大村の肩に手を置いた。きっと言葉なんて、今は無意味だから。
 俺はあえて事務的に質問をする。
「だけどさ、よくその中から無事に脱出出来たな?一体どうやった?」
 うなだれていた首を持ち上げて、質問に答えた。
「ああ、それは三枝のお陰かな」「俺の?」「うんそう。お前」
 なんで俺のお陰なのか。現場にいなかった俺が何の役に立ったんだろう?
 顔に出ていたのだろう。俺の疑問を察したのか、大村が微かに笑いながら説明してくれた。

106 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:51:04 ID:eDLkN1gyO
「お前ってさ、いつも冷静に物事を判断して対処するだろ。冷たいって指摘する奴もいるけど、俺にとってはそれやっぱ凄い事だと思うんだ。最初は俺も皆と一緒に逃げ出そうとしたけど、三枝ならどうするだろうってふと思った。
んで、まずお前なら事態を見極める為に周りを観察するだろうなって考えてさ、逃げ出そうとした足を止めてそうした。で気付いたんだよ。皆校舎側の入り口に殺到してて、外に面した大扉には目もくれてなかった。
だからそこの鍵を落ち着いて外して、扉をスライドさせて開けた。勿論他の奴らにも声かけたよ、こっちから逃げろって。財布とか鍵とか必要な物は全部持ってたからさ、教室には戻らないでそのままこの家に直行してきた。
だからお前のお陰って訳。いつも近くにいたから見習えたんだよ。ありがとうな」
 臆面もなく言ってのける大村に対して、逆にこっちの背中が痒くなった。こいつ…そんな恥ずかしい事をマジに言うなよ!
「何言ってんだよ。そん時冷静になれたのはお前自身だろ。俺なんか何の役にもたってねえよ。ありがとうとか言うな」
 恥ずかしさのあまりついぶっきらぼうになる。だけど大村には通用せず、
「ああ、だけどやっぱありがとうな」と返された。
 もう舌打ちして照れ隠しをするしかなかった。


ここまでっす。間が空いて申し訳ない。
ではノシ

107 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/25(日) 23:56:14 ID:eDLkN1gyO
しまった!>>102>>103の間にこの一話の挿入忘れてた!!


 今のうちに、無理矢理にでも何か食べておいたほうがいいかもしれない。体力の回復もあるが、今後もゆっくりと食事を摂る暇があるかわからない。
 キッチンから細々とした食料、そして飲み物を部屋に持ち込み、まずは菓子パンを口に運ぶ。
 意外だった。食欲はないと思ってたんだけどな。一口めを飲み込んだ時には既にもう一口を頬張ってた。
 考えてみたら、昼前からいろいろありすぎて何も口にしてない。緊張で空腹を感じられなかっただけか。咀嚼されたパンが胃に到達したのがわかり、その瞬間猛烈な空腹感が襲ってきた。
 大村も同じだったらしく、黙って凄い勢いで飲み食いしていた。俺も負けないくらいにがっついてたんだけどね。

 胃が満足するまでひたすら食い続け、ようやく人心地ついた時には、持ち込んだ食品はあらかたなくなってしまった。
 互いに満足して息を吐き出し、本題に入るために俺から口を開く。
「さってと。こんな時でもやっぱり腹は減ってたんだな。満腹になったところで話してくれ。電話が切れてから何があったんだ?」
 大村は腹をポンと叩き、片膝を立てた姿勢で語りだした。
「ああ。あの時はかなり酷い状況だったよ…」


なくても話は繋がるかもだけど、スムーズにいくにはやはりこれが…。
ああまた凡ミス…orz気をつけると言ったばかりなのに…。読みづらくして本当申し訳ありませんorzorz

108 :本当にあった怖い名無し:2006/06/26(月) 00:37:03 ID:1vmBjB/j0
我流さん、乙!

なんも思わず読み進めてたよorz

109 :大福猫:2006/06/26(月) 23:08:13 ID:oM4lFN1O0
始めまして・・・大福猫と申します。
これから駄文をぽつぽつ投下していくことになると思います。
宜しくお願いします。
自分の作品は、バイオハザードにちとサイレンが混じっております。
どうか、温かい目で見守ってやってください・・・

110 :大福猫:2006/06/26(月) 23:09:45 ID:oM4lFN1O0
六月十日
今日も何も無かった
六月十一日 
今日も何も無かった
六月十二日
今日も何も無かった

六月十三日 
全てが、崩れた

逃走初日 六時三十二分
宮本家自宅 宮本 一馬

嗚呼、今日も学校か。曇り空の下、自宅のベットの上で一馬はそう考えた。
毎日毎日、同じことの繰り返し。平和が一番だと誰もが言うが、たまには
スリリングな時間を過ごしてみたいものだ。ぶつくさ文句を言いながら、
学校の用意をする。服を着替え、鞄に教科書、ノートなどを詰め込む。
途中で科学の宿題をしていないのを思い出し、一瞬硬直する。まあ、どうにか
なるかと思い直し、鞄に用意を詰めきる。鞄を抱え、階段を降り、台所へと向
かう。今頃は母が朝食の用意をしてくれているだろう。毎日感謝感謝。決して
口に出さない気持ちを思いながら、台所の引き戸に手を伸ばす。


111 :大福猫:2006/06/26(月) 23:10:59 ID:oM4lFN1O0
しかし、明らかな違和感を感じた。朝食の匂いがしない。普段ならここまで来
れば味噌汁の匂いがするのだが。そう思いながら扉を開けると、想像もしない
光景があった。
「母…さん?」
母が倒れていた。ちょうど冷蔵庫から食材を取り出したところで倒れたらしい
、テーブルの上に豆腐やら卵やらが出ていた。すぐに駆け寄り、肩を揺らし応
答を求める。返事が無い。一馬は混乱したが、すぐに次の行動に移った。
「救急車…呼ばなきゃ!」
すぐに受話器に手を伸ばし、ボタンを押す。しかし、電話がつながらない。
ああ、どうして電話がつながらないんだ!と苛立った。


112 :大福猫:2006/06/26(月) 23:13:04 ID:oM4lFN1O0
ごとっ
後ろから物音がした。母が起き上がったのかと思い、振り返る。母は起き上が
っていた。しかし、明らかに普段と違う。皮膚はどす黒く変色し、目は白目を
むいている。そして、顔は薄ら笑いを浮かべている。おいおい、どうしちまっ
たんだ。母に話しかけようとした瞬間
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
やばい、危険だ。体中のセンサーがそう伝える。そして、振り返ると一目散に
逃げ出した。

日常はすでに崩れ、非日常となった。
こうして、彼の望んだ「スリリングな日々」が始まっていく

今回はここまでで・・・
今後も宜しくお願いします


113 :通勤電車男:2006/06/26(月) 23:54:45 ID:q5xI7WLmO
我流様・大福猫様、続編&新作の投稿お疲れ様です!。
我流様、いやー大村君の直球な感謝の言葉に読んでるこちらも赤面(*^_^*)。
そして思わずぶっきらぼうな返答をしてしまう三枝君。
Σ( ̄○ ̄;)!、これが“ツンデレ”ってやつなんですね!?。
では後は若い二人にまかせて...(^_^;)。
大福猫様、退屈な日常のアウトブレイク。そして平穏な日々へのラストエスケープ!
..サイレンの音って不安感を煽りますよね(>_<)。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

114 :本当にあった怖い名無し:2006/06/27(火) 00:23:01 ID:sgKsDB9CO
>>113ちょwwwwそれウホッwwwwwwwwwwww

>>112GJ!サイレン怖くてやってないけど、雰囲気を味あわせてください!

115 :ゾンビ主夫:2006/06/27(火) 04:51:09 ID:4FYjmXat0
>>大福猫さん、我流さん
新作&続編乙です。
そして、少し遅れてすみません。友人達に怪奇祝いだと飲みに連れ回されて帰ってきたのは、先程です。
少し遅めの投下です。

その後、妻と俺とで車から小屋へと半分だけ荷物を降ろした。(妻はまだ口を聞いてくれなかったが・・・・)
 万が一ここにゾンビが来た際にいつでも逃げられる様にだ。
 啓吾の奥さんの麻美さんは子供の啓一くんを小屋で寝かしつけている。
 熱が少しあるらしい。
(落ち着いたら後で看てみよう・・・)
 旦那の啓吾はというと少し用事があるとかで大きなバックを車から持って出かけて行ったっきりだ。
 荷物を降ろし終え、小屋の外で持ってきたコーヒーを妻と啜っていると小屋から麻美さんが出てきた。
「啓一君は大丈夫ですか?」
 ポットから彼女の分のコーヒーを注ぎながら、尋ねる。
「ええ、たぶん・・・私に似て身体の弱い子ですから多分疲れが出たんだと思います。」 コーヒーを手渡すと麻美さんも小屋の外にある木のベンチへと座った。
「後で、俺のバックから熱冷ましと栄養剤を出しますね。一応は診察もしましょう。これでも医師免許はありますから・・・」
「ありがとうございます。助かります。」
 そうこうしている内に山の木々の合間に人影が現れた。
 俺は一瞬、身構えたが、すぐに、その影の持ち主が啓吾だというのが解った。
(あんな立派な体躯のゾンビがいたら絶望的だな)
 そう思いながら立ち上がり、啓吾に歩み寄る。
 啓吾は軽く手を挙げて来る。




116 :ゾンビ主夫:2006/06/27(火) 04:52:27 ID:4FYjmXat0
「何処へ行ってたんだ?啓一君も熱があるのに・・・」
 その非難の声に、啓吾は頭をボリボリ掻く。
「俺は父親失格だな・・・」
「この周囲の警戒と侵入者用に鳴子を仕掛けてきたんだが山は静かなもんだ。」
(鳴子?)聞いたことがないその単語に怪訝な表情を浮かべる。
 俺の考えを読み取ったのだろう。啓吾が説明してくれる。
「簡単に言うと鳴子って言うのは木々の間にロープを張って、そのロープのに掛かったら音が鳴るような仕掛けさ。俺の場合は防犯ブザーに釣り糸を張ったもんだが・・・」
「あの化けモンがきたら釣り糸に引っかかり防犯ブザーのピンが抜けて音が鳴るだろう。本当なら手榴弾が欲しいところだがな!」
 そう言って豪快に笑う。啓吾に呆れ顔を向ける。
 全く、啓吾の用意周到さには感心させられる。  
「街の様子はどうだった?」
 啓吾は少し驚いた顔で話し始めた。
「暗視望遠で見ただけだから細かくは解らんが、それでも酷い状況だった・・・」
「街のあちこちで黒煙が上がってた。たぶん消火作業はされてないんだろうな。それに車もいたる所で事故をおこしてやがる。」
 状況は最悪なものになりつつあるようだ。頭の片隅にすぐに警察や自衛隊が鎮圧してくれることを期待していたんだが・・・・
 おそらくは公的機関は稼働はしているのだろう。しかし、それもいつまで保つか解らない。
「しかし、よく解ったな?俺が街の様子を見てきたって。」
「え?うん、どうせ用意周到な啓吾様の事ですから、それぐらいは当然かと思いましてね」 少しおどけて言うと、啓吾は肩を竦めて俺の横を抜けて麻美さんの元へと歩いていった。「啓一の様子はどうだ?」
「まだ微熱が続いてるの・・・ご飯は食べられるみたいだけど・・・」
 啓吾はその言葉に「そうか」と答え、麻美さんの横に座る。
 そして、置いてあったポットのコーヒーを直接、一気に飲み干す。
「お前も少し顔色が悪いな?奥でもう休め。何かあったら起こしてやるから」
「でも・・・」っと言い返そうとしている。麻美さんの頭を自分の胸に押し当てる。
 いつもの態度からは創造できない優しい手つきで頭を撫でる。


117 :ゾンビ主夫:2006/06/27(火) 04:53:55 ID:4FYjmXat0
 俺も妻に「奈美も小屋で休んでていいよ。っと、休む前に啓一君の血圧と検温しといてくれないか?」っと言うと、奈美は少しふくれた顔をして、「私の心配はしない訳?」
 そんな妻に「信用してるんだよ。奈美の看護士としての自己管理能力を・・・ね」
 その言葉に妻は「ズルイ人。」と笑顔で返してくれた。どうやら妻のご機嫌は治ったようだ。
 小屋へと入っていく妻の背中を見送ると、俺は啓吾の横へと腰を下ろす。
「父親としてはどうかは知らないけど、夫としては合格みたいだね。」
 啓吾の脇腹を肘でつつきながらそう茶かすと、啓吾は珍しく顔を赤らめた。
(こう見えても女関係は純なんだよな・・・)
 俺はカップに残っている冷めたコーヒーを一気に飲み干して背中を仰け反らせるように夜空を見上げる。
 後数時間もすれば夜が明けるだろう。
 それは人間に取って希望の夜明けとなるのか、それとも・・・・

 ボーッとそんなことを考えていると・・・・
「やっと、落ち着いた所で聞きたいんだが・・・その・・・」
 啓吾にしては珍しく歯切れが悪い言い方に、俺はちゃんと座る。
「あのな?研究者として答えて欲しいんだ。」
 俺は「うん?」と聞き返すと・・・
「あれは一体なんなんだ?」
 今更、何をっと思っていると。
「あいつらは生きた人間じゃねぇ。とりあえず数体しか見ちゃいないが明らかに致命傷を負ってる。いや、中には死んでなきゃおかしい奴までいた。だが、奴等は平気な顔で歩いてやがる・・・そんなモノがこの世にいるのか?」
 静かにだが一気に捲し立てると、啓吾はシガーケースから煙草を取り出す。
 俺は啓吾の言葉にハッとさせられた。
 確かに(リビングデット)などいる訳がない。
 人間の身体は丈夫な様に見えて、案外、脆い物だ。
 血液が2リットルも無くなれば死ぬし、痛覚があれば痛みだけでショック死もする。
 しかし、今まで見た奴はどうだろう?
 内臓が無い奴、腕が千切れかけている奴、あげくの果てには首が折れたまま歩いている奴もいた。
 医学上ではあり得ない。
 俺は夢を見た性なのか、医者として研究者として失念していた。
「・・・あり得ない・・・そんな生物・・・」
 

118 :大福猫:2006/06/27(火) 23:18:58 ID:llkB4PeZ0
続きを投下します・・・
感想をくれた方、ありがとうございます。
他の作家様に見劣りしないよう頑張っていきます・・・

神様。もう二度と我が儘は言いません。
日常を、返してください。

逃走初日 六時五十七分
青陵高校校門 宮本 一馬

家を飛び出し、とにかく走り続けた。行く当てなど無い。只、あの家から、母から離れたかった。走っている途中にも、同じような人を何人も見かけた。
皆、虚ろな微笑を浮かべ、意味のわからない言葉を発していた。時折、武器のようなものを持っている奴もいた。たぶん、誰でもかまわず殺す気だろう。
たどり着いたところは、学校の校門だった。そうだ、誰か人を探さねば。仲間になってくれる人がいれば、状況を打開する方法が見つかるはずだ。この時間なら、部の朝錬をしている人もいるはず―。
どごっ
そう思った瞬間、頭に激痛が走った。鈍器で殴られたのかもしれない。転びながら後ろを確認すると、案の定狂った人間、いや、ゾンビと言った方が正しい
だろう。それが、スコップを持って佇んでいた。ああ、ここで俺は死ぬのか。せめて、もう少し意味のある人生にしたかった。後悔ばかりの人生だった。そ
んなことを思いながら、目を閉じて最期のときを待った。目の前のゾンビが微笑を浮かべながら、スコップを振り上げた気配がした。
ぱぁん
今までテレビやゲームの中でしか聴いたことの無い銃声が聞こえた。目を開けると、目の前にいたゾンビは倒れていた。
「何で、諦めるんだ?」
声のするほうを向くと、ニューナンブ―現在警察が正式採用している銃を構えた友人、尾崎が立っていた。

「死にたいなら、そこにいろ。生きたいなら・・・立つんだ。」

今回はここまでです・・・
では、今後も宜しくお願いします

119 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/28(水) 17:44:41 ID:v6MQMonvO
度重なるミスにもめげずに投下ワッショイ(ノ'A`)ノ


 俺の照れ隠しなんてお見通しか?大村はクスリと笑い、おもむろに質問をしてくる。
「で?俺の方はこれくらいの情報しかない。いや…ここに来るまでに2、3人か。さっきの奴らと似たような人を見た気がするけど…。急いでチャリ漕いでたからな。よくわからん。ネットの方はどうよ?」
 え?ちょっと待て、それって結構重要な情報じゃないか?大村はサラッと言ってのけたけど、俺の脳はその発言の持つ重大な真実をみつけだした。
「その前に大村。それどこで見た?うちの近所か?それとも学校の近くか?」
 俺の真剣な眼差しに気圧されたように、大村は居ずまいを正す。
「どっちかといえば学校の近くだけど…もしかしてやばいのか?」
 そう。俺の考えが正しければかなりまずい事態かもしれない。もし大村が見かけた人間が、今家の前にいる奴らと同じ状態だとしたら…。
 学校に2人(クソ崎含む)、うちに3人、そして大村が見たという2、3人。たかだか半径5km圏内、それも全域じゃなく学校から俺の家までの道のりで8人の異常者。
 よく考えなくても解ってしまう。潜在的にはもっと多数の異常者が居てもおかしくはないことに…。
 この考えを大村に伝えようとした時、外から悲鳴と、窓ガラスが割れる音が部屋に飛び込んできた。

120 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/28(水) 17:47:06 ID:v6MQMonvO
「なんだ!?」大村が慌てて立ち上がって窓に駆け寄り、俺は続いてその横に並び外を覗き見る。
 なんてことだ。向かいの家の一階の窓ガラスが割られている。住人はどうしたんだ?今の悲鳴は女性のものだった。確かあそこは中年夫婦が娘の旦那、子供と同居していた。
 今日は平日だから、普通なら男達は仕事で家に居ない筈。
 が、俺の予想を裏切り、向かいからは男性の努声が響いてきた。
 なんだあいつら…。家に居たのに、襲われてたこっちを無視してたのか?ご近所付き合いなんてこんなもんかよ。
 俺が内心やや呆れているのとは反対に、大村は窓ガラスを叩き激昂してる。
「やめろお前ら!その家から離れろ!何する気だ!」
 あまりに激しくガラスを叩くので慌てて注意するはめになった。
「おい待て!下と違ってここは普通のガラスなんだ、割れたら危ねえだろ!」
 俺も大声で注意して窓を開けた。大村はちょっとすまなそうにしながらこっちをチラッと見たけど、すぐに眼下に視線を転じる。
「クソッあいつら、こっちが無理とわかって目標を変えたな。あの家の人達上手く逃げられるか…あっ、出てきた!」
 本当だ。大村の視線を追うと、玄関から家族が一斉に走り出して来た。…まずい!その先の陰の所に、奴らの一人が待ち構えてる!
「駄目だ止まれ!そっちに行くな!!」 突嵯に大声を挙げたが、間に合わない。
 先頭を走っていた中年の男――あの家の家主だ――が待ち構えていた奴に正面からぶつかり、お互い抱き合う形で道路に倒れこむ。瞬間
「うああああぁぁぁがぁぁぁアア!!」
 人一人から出せるとは思えないような絶叫が周囲に響き渡り、男性の首の辺りからは大量の鮮烈な『赤』が撒き散らされていった。

121 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/28(水) 17:48:38 ID:v6MQMonvO
 何が起きたのか一瞬把握できなくなってしまったんだろう、彼の家族はその場に棒立ちになり、漫然とその光景を眺めている。
 だけど、俺達はわかっていた。彼は食われたのだと。学校のクソ崎、家の前で起きた殺人、その後の食肉。何度も重なれば嫌でも理解できるさ。
「キャアアアア!「「お父さん!あなたぁ!」」
 彼女達の悲鳴が重なり、その声に引き付けられたんだろう。家の中から残りの奴らが出てきた。だけどあの一家はそれに気付いていない!
「おい、早く逃げろ!おじさんはもう駄目だ!後ろだ!」
 こちらの叫びに反応した旦那が後ろを確認し、もの凄い勢いで、妻の腕から子供を奪い取る。あの子はまだ歩けないくらい小さいと聞いた。
 妻と義理の母に「早く車に乗れ!」と怒鳴りつつ、自らは先に走り出している。
 だけど奴はすぐ近くだ。車に間に合うか?その時、大村が隣で腕を上げたのが視界の端に入った。次の瞬間、
 ガスッ!!
 小気味よい音と共に、奴の頭に白い球が当たり跳ねる。それは部屋に置いていた野球の球だった。
 奴は動きを止めて注意をこちらにそらし、その隙に例の一家は車に乗り込む。タイヤを激しく鳴らしながら駐車場を出、中心街の方向へ猛スピードで走り去って行った。

122 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/28(水) 17:51:43 ID:v6MQMonvO
 せめて礼のクラクションくらい鳴らしてけよ。まあそんな余裕はないか?
 車の走り去った方向を眺めながら、大村に言った。
「ナイス。いい仕事したよ。子供を助けた事に免じてボールの件は不問にしてやる」
「まあな。…だけどあのおじさんは助けられなかった…」
「けど4人は助けた。…出来るだけはやったよ」「だな…」
 全員を助けられなかった事を悔やんでるのか、歯切れの悪い返事しか返ってこない。納得できないんだろう。本当に優しいよ、お前。
 外からは クチャ…グチャグチャ… ニチャ… 奴らが肉を食う嫌な音が聴こえる。
 見ると、ボールをぶつけられた事なんて忘れたように、もう一人も混ざり、三人でおじさんを食ってた。
 その音にも光景にもウンザリして、無言で窓を閉めようとした時だった。
 チリッと脳がうずき、何かの違和感を感じる。何だ?わからないけど凄く変だ。一体何だろう、この得体の知れない違和感は…。
 何か重大な事を見落としている。思い出せ、考えろ、これはきっとこの事態の本質に繋がる問題だ。
 片手で頭を抱えて思案し、ハッとして外を再び見た。

   ない。居ない。『そこ』に『ある』べき『もの』がない。

 昼に殺されてそのままだった遺体。それがいつの間にか消えていた。


終了
>>大福猫さん ゾンビに武器持たせたら最強だな…、と恐怖を感じる今日この頃w乙です!
ではノシ

123 :通勤電車男:2006/06/28(水) 22:20:48 ID:SHV4JewYO
ゾンビ主夫様・大福猫様・我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
ゾンビ主夫様、...啓一君...お熱ですか...(・_・;)。
束の間の平穏は「家族への愛」が故により凄惨な展開に...?。
大福猫様、本来警官が持つべき銃を友人が持っているという時点で、
もう旧来の秩序は崩壊している事が読み取れます(>_<)。
「とりあえず生`」!!。
我流様、ゾンビものらしく確実に状況が悪化してますね!。
こーゆー展開タマランです!(o^-')b 。脱出編楽しみにしてます♪。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

124 :大福猫:2006/06/28(水) 23:20:42 ID:vVBEzec/0
投下です・・・
我流様、大村君の優しさに感動です!やっぱり遺体は原作どおり・・・?
ゾンビ主夫様、そこから先、どうなるか想像できずどきどきです!続編を心待ちにしてます!

死んで残るものは無い。なら…生きるだけ、だ

逃走初日 六時二十六分〜五十七分
青陵高校校門 尾崎 博則

運動部に所属しているは、だいたい六時十五分には学校に来る。バスケ部に所
属している博則も、その一人だった。六時には体育館の中を掃除し、一年生は
学校の周りを走る。県立の学校だが規模は異様に大きく、軽く十キロは走るこ
とになる。今日は最近はやっているインフルエンザのためか、正則を含め五人
と、普段と比べ異様に部員が少なかった。しかし、そんなことを気にも留めず
、もくもくと掃除をこなし、ランニングに移った。大体半分のところまで走っ
たとき、空気が重く感じられた。まるで、違う空間に飛ばされたような感覚だ
った。そう感じたとき、一緒に走っていた部員が話しかけてきた。
「なあ…あれ、人…だよな」
そういって指差した方向には、大体後、六十台と思われる女性が倒れていた。
すぐに駆け寄り、話しかける。返事が無かったので、すぐ近くの交番に向かい
、救急車を呼んでもらうことにした。五人のうち、三人が後ろから女性を担い
で運び、博則と第一発見者の部員、橋本が先に交番に向かうことにした。


125 :大福猫:2006/06/28(水) 23:22:17 ID:vVBEzec/0
大体三分ほどで交番に着いた。しかし、中には誰もいなかった。もしかしたら
同じようなことが起こり、そちらへ向かっているのかもしれない。と橋本が言
ったので、博則が探しに出ることにした。軽く周りを探してみるが、やはりい
なかった。やはり、何かへんなことでも起こっているのだろうか、と思い、と
りあえず交番まで帰ることにした。
ぱぁん
帰ろうと思った瞬間、銃声がした。同時に、橋本の叫び声がした。何が起こっ
たのか理解できないまま、交番に走った。そして、交番には銃で撃たれた橋本
と、銃を構えた警官が立っていた。橋本はこちらに気付いたらしく、何かを訴えようとした。しかし。
ぱぁん ぱぁん
警官の撃った弾丸は橋本の喉と眉間を貫いた。後ろの壁に、橋本の脳の一部分
と大量の血がかかった。なんだよ、これ。目の前で起こった出来事が夢のよう
に感じられた。しかし、振り返った警官の顔を見て、一瞬で現実に引き戻される。
警官は、薄ら笑いを浮かべ、こちらに銃を向けた。ああ、俺を殺す気だ。そう考
える前に警官に飛び掛っていた。銃を持っている手を左手で押さえ、右腕で腹
に肘打ちを見舞う。まったく苦しい顔をしていなかったが、それを確認するの
前に押さえた手を捻り、右手で相手の肘を押さえ、腕を折った。折った瞬間銃
が落ちた。警官の腹を蹴り飛ばし、すぐに銃をとり、構えた。相手がそれでも迫ってくるのを確認し、
ぱぁん
額を打ち抜いた。


126 :大福猫:2006/06/28(水) 23:24:11 ID:vVBEzec/0
博則の中にあった感情は相手を撃った罪悪感でなく、友を助けられなかった絶
望感でもなく、ただ、生きるという本能的なものだった。すぐに残弾数を確認
する。ニューナンブの装弾数は五発。すでに四発撃っているので、残り一発だ
けだった。ふと、警官のポケットを探ってみると、大量の弾丸―五十発ほど―
が入っていた。本来、一警察官がこんな大量の弾丸を持っているはずが無かっ
た。やはり、何かが起こっており、それは事前からわかっていたのだろうか。
そう思いながら再装填し、弾丸を全てポケットに押し込み外に出た。
すぐに残りの友人に伝えねば。使命感を感じながら外へ出た瞬間、足が止まった。
女性だけでなく、三人の友人も、警官と同じように、ゾンビのようになっていた。
そこから先は、しばらく記憶が飛ぶ。意識が戻ったとき、目の前にあったのは正確
に頭を一発ずつ打ちぬかれた友人達と女性の横たわる姿だった。

すぐに家に変えればよかったかもしれない。しかし、博則は学校へと戻った。
そして、校門に着いたとき、自分の親友、宮本一馬がゾンビに襲われていた。
もう、絶対に友人を殺させない―そう思い、スコップを構えたゾンビにむけ、
発砲した。

絶対、生き残る。少なくとも、こんなところでは死ねない。

今回はここまでです・・・
でわ・・・


127 :本当にあった怖い名無し:2006/06/28(水) 23:47:54 ID:XUK/UWTN0
我流さん
>>度重なるミスにもめげずに投下ワッショイ(ノ'A`)ノ
かわいいwwついつい笑ってしまいましたwwお疲れ様です!

>>大福猫さん
乙です!これから先が気になっています!!

128 :本当にあった怖い名無し:2006/06/29(木) 00:37:50 ID:wHF0i5Px0
>我流さん
だんだんリズムに乗ってきましたね。別編とどう組み合わさっていくか楽しみ。

>主夫さん
啓吾さんがなかなかの味を出してきていますね。山にいてこれからどうなっていくんだろう。

>大福猫さん
つまんね。だいたい高校生が拳銃持ってるところからしてご都合主義。
と、思ってたらだんだん話がつながってきて面白くなってきましたよ、これは。
警官が狂人なのかゾンビなのか、ゾンビだったら新しいタイプかな、、、今後にwktk

129 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/29(木) 20:47:42 ID:9EHw7zisO
正直、主夫さんの作品に出てくる『奈美』みたいな女性は好みだ。
>>電車さん さらに悪化させたいと思いますw
>>127普通に照れました…。さらにかわいくみせようとしたい俺は姑息ですwww
>>128もうすぐ絡みますよ〜。
>>大福猫さん なるほど、拳銃はそういう経緯で入手なんですね。疑問が解消されましたwww
では投下します。

130 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/29(木) 20:50:32 ID:9EHw7zisO
 なんでだ?いつから姿が見えなくなったんだ…。記憶を反芻しながら、この異常を解明しようと脳がフル回転している。こめかみが脈打つ。
 もしかして、あの3人に全て食われた?いや、それにしたって骨や衣服が残るだろ。じゃあ、こっちからは見えない位置に移動させられた…?
 推測が浮かぶ度に、その可能性を否定していく。じゃあ何故死体が消えた?
「何考え込んでるんだ?なあ、シャワー浴びていい?汗臭いの流したくてさ。ついでに服も頼むわ」
 思案に耽ってるところにいきなり話しかけられたから、少しびくついてしまった。だせぇ、俺。
「ああ、使い方わかるだろ。好きにしてくれ。服はそこのクローゼットの…」
 言いかけて気付いた。もっと早くに気付いてもよかった。数瞬前にその単語を思い浮かべてたじゃないか!!
 急いで窓に向き直りあいつらの服装を確認。同時に、消えた死体が着ていた服装を記憶の隅から引っ張り出す。
「おい三枝!さっきからなんだよ!黙り込んだり慌てたり、俺にも説明しろよ!」
「ちょっと待ってろ!俺だってまだ信じてないんだ!!」
 そうだ、ある訳ないんだそんな事は。だけど確かめなきゃならない。この疑念を解消させてくれ。そしてやっぱり有り得なかったと、俺達を笑わせてくれ。
 大村には邪険に当たってしまったが、今は許してもらうしかない。後からならいくらでも怒っていいからさ。
 一人二人と確認し、三人目を目にした時、俺の願いはしかし、露と消えてしまった。
 あの被害者はホワイトのパンツに、上は淡いグレーのストライプシャツを着ていた。三人目の奴のパンツは血で赤く染まり、シャツも破れて赤がタイダイの模様に広がっている。
 だけど間違いなく、それは死んだ筈の男が着ていたシャツだった。

131 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/29(木) 20:53:18 ID:9EHw7zisO
 ああ…まさか…嘘だろ?そんな事は現実には起きちゃいけない。いや、絶対に起きるわけがないのに。
 ポンッと肩を叩かれ、思わず後ろを振り返りながら後ずさってしまった。窓枠にしたたかに背中をぶつける。
 痛え…。この痛さは、紛れもなくリアルそのものだ。俺の突飛な行動に、肩を叩いた大村も驚きに目を丸くしている。
「な…そんなにびびんなくてもいいだろ…。顔色が真っ青だぜ?あんなもんをマジマジと見すぎたせいじゃないか?」
 心配は有り難いけど大村、それは見当違いってやつだよ。そんなんじゃないんだ。
「…ぁのな…ゲホッ!ゲホッ!」咳こんで上手く喋れなかった。喉の奥が貼り付いて塞がったみたいに。
「おい、大丈夫か!?ほら、これ飲めよ」
 差し出されたポカリを一気に流し込み、ようやく喉のつかえが取れた。
「サンキュウ…。なあ、お前ホラー映画とかよく観るだろ?勿論ゾンビ系も。こんな時に変な質問だけど…普通の人間はどうやってゾンビになる?」
 本当に今訊く事じゃないと、自嘲してしまう。けど大村は、俺がこういう時にふざけないと知っている。何か理由があると察して真剣に答えてくれた。
「まあ原因はウイルスだったり謎の粉だったり…。とにかくそういう謎の物体とか物質に感染してゾンビになるよな。あとはゾンビに食われたり傷付けられたりした奴は、やっぱりゾンビになる。脳味噌に損傷がなきゃな」
 そうだよな…。俺の記憶でもそうなってる。自信がなくて訊いてみたけど、やっぱりそうか。
「さっき気付いたんだ。有り得ない、馬鹿げてるとは思ったけど、どうしても頭を離れなかった」
 そして俺は、今迄に抱いていた疑念疑問、そして決定的な証拠の発見。その全てを大村に話した。

132 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/06/29(木) 20:55:50 ID:9EHw7zisO
 俺の話を最後まで黙って聴き終えた大村は、しばらく無言で立ち尽くしていた。そしてそのまま床に座ってコーラを飲み、口を開く。
「…正直俺も信じられない。だけどそう考えるとさ、クソ崎の事も説明がつくんだよな。あいつも生きてられるような傷じゃなかったはずだ。」
 そう。あいつらと闘ってた時はこちらも必死だったから、服装にも血にも気は留めなかった。腕が千切れそうになってる奴だって、あの傷では失血死していてもおかしくない事に今思い至る。
 死なない理由…。いや、もう死んでいると考えるべきか?生き返った、もしくは死にながらも動いている理由はなんだ?まさか本当にゾンビウイルスなんて物が存在するとは思えない。
 待てよ、確かネットでは隣市の科学研究所がどうのって書いてたな…。そこにヒントがありそうだ。
「大村、もう一度ネットに繋いでみよう。新しい情報があるかもしれない。お前はテレビを点けてニュースに合わせてくれ」
 OKと返し、大村はテレビの電源を入れ、俺はPCを再度起動させた。
 しかし目当てのサイトには繋がらない。書き込み量が多くてサーバがダウンするのはままあることなので、人の少なそうなサーバを経由して繋ごうとしたが、ここも無理だった。


今日は以上です。続きは近日中に…。ではノシ

133 :本当にあった怖い名無し:2006/06/30(金) 23:38:19 ID:dXBtH8NM0
遅くなったけど乙!

134 :本当にあった怖い名無し:2006/07/01(土) 01:12:25 ID:lFEg8sWU0
わからんニカ?           わからん!
           _, ,_            ,_
         <; `д´ >         <`   >
        (   ⊃┳O        ⊂(   ヽ
        ( ⌒) )┃_        ┃(⌒ ) )  _
   / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ /\    / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\
( ((  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○  ̄     ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ ) ))

       わからんニカ?  わからん!
             _, ,_ コツン ,_
           <; `д´>\/<`   >
          (   ⊃┳O ⊂(   ヽ
          ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) )   _
   (( / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\ ))
      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄

わから──ん! _, ,_  _, ,_   _, ,_ _, ,_ わからん――!
         <<Д´≡`Д>> <<д`≡´д>>
          ((   ⊃┳O⊂(   ヽ))
         (( ⌒) ))┃_ ┃((⌒ ) ))   _
    ((/ ̄ ̄ ̄`J)) ̄ / ̄ ̄((し' ̄ ̄ ̄/\))
      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄

            
           < `д´ >   <`д´>
          (   ⊃┳O ⊂(   ヽ
          ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) )   _
     / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\
      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄

135 :本当にあった怖い名無し:2006/07/01(土) 13:04:49 ID:cKswq76F0
age

136 :通勤電車男:2006/07/01(土) 23:16:40 ID:/fTPtRDhO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
「...目当てのサイトには繋がらない」
三枝君ひょっとして2ちゃんで情報収集するつもりだったのでしょうか。
ゾンビ系スレ...ここかΣ( ̄○ ̄;)!?。
おやじさんとか啓吾さんとかの活躍に触発されて大村君大暴れとか(^。^;)。
ゴミ文さんとか読んじゃうと...あぁ、プリッキュアな人に~ヽ('ー`)ノ~。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

137 :http:// softbank219181128003.bbtec.net.2ch.net/:2006/07/02(日) 02:03:56 ID:WbglkCF60
guest

138 :本当にあった怖い名無し:2006/07/02(日) 14:25:44 ID:YK2Jfc9RO
作家サマ方の作品をオムニバスとしてロメロじいちゃんに映像化してほしいですな。評価はそれぞれですが、色んなシチュエーションを楽しめるのは作家サマのお陰です。ありがとうございますm(__)m

139 :1/4:2006/07/03(月) 09:30:44 ID:4hOFhrlp0
勢いだけで。

―2015年8月15日
――日本国青森県津軽国定公園内七里長浜沖合
―――日本国防海軍本州上陸作戦支援特務艦隊旗艦『陸奥』艦橋
「既に伝えられている通り、諸君の任務は本州奪還の為の橋頭堡を築く事だ。
我々日本人は忌々しい死者達により10年もの長きに渡って本州の土を踏めずにいる。
だがようやく、向かい風は追い風となった。
我が日本国防軍は碌に戦えないまま敗走した自衛隊などとは
全く違うという事を連中に見せ付けてやって欲しい。
諸君の武運長久を祈る。」

「曙光作戦参加全部隊に命令、状況を開始せよ!」


140 :2/4:2006/07/03(月) 09:31:38 ID:4hOFhrlp0
2004年は我々人類にとって災厄の年といえるだろう。
アフリカ大陸のジンバブエ共和国で8月頃に突如発生した変異性エボラウィルス
通称『ゾンビウィルス』。
(ウィルスの感染により死亡した筈なのに動く人間の事を一般的にゾンビと呼称する)
ゾンビに噛まれると99%以上の確率で感染し72時間以内に死亡、
その後生体機能は停止しているにも拘らず動き、何故か人のみを襲う。
行動を停止させる方法は二つ、頭部を破壊するか全身を燃やすこと。

それが爆発的に拡散したのは特殊な感染経路による強烈な感染拡大能力と
アフリカという土地柄によるものが大きかった。
不衛生さも手伝って瞬く間にサハラ以南のアフリカ全土を
覆い尽くしたゾンビウィルスは勢いを保ちながら中東と欧州に飛び火した。

しかし、中東に上陸したウィルスは思わぬ弱点を曝け出していた。
知っての通りウィルスはゾンビに噛まれる事によってしか感染しない。
つまりゾンビに噛まれなければ発症はありえないのだ。
また、ゾンビの特徴に
・ゾンビはリミッターが外れた状態であるため体の状態を気遣う事無く移動するので
個体差はあるものの数ヶ月も経てば体の劣化が進み行動不可能となる。
・移動方法は徒歩だが通常の人間のように足を上げて移動するのではなく
足を引きずるようにして移動する。
という点がある。
この二つが仇となった。
砂漠の高温と極端な乾燥は劣化の度合いを早め
更に砂に足を取られ異常なまでの低速でしか移動できなくなった彼らは
碌に人間に接触しないまま次々と倒れていったのである。
(因みにゾンビ達はサハラ砂漠も越えられなかった為
感染拡大の経路は主に船舶と航空機だった。)
さて、こうしてサウジアラビア王国を始めとする
砂漠が国土の大部分を占める国家は事実上聖域となったのだが欧州はどうなのか。


141 :3/3:2006/07/03(月) 09:32:43 ID:4hOFhrlp0
欧州は、、、地獄だった。
やはり、人口密集が仇となったのだろう。
その拡散速度はアフリカを遥かに凌ぐものだった。
町にはゾンビが溢れ返り阿鼻叫喚の地獄絵図が展開された。
NATO及び各国軍は直ちに事態の収拾を開始したものの、まだワクチンや治療薬は
開発途中だった為有効な対策が打ち出せず小手先の対応に終始するばかり。
そんな最中、ついに海路により南北アメリカ大陸にウィルスが輸出されてしまった。

中南米が大混乱に陥り欧州と同じような様相を呈している最中にあっても
やはり、アメリカ合衆国の行動は極めて迅速だった。
サウスカロライナ州チャールストンにウィルスの上陸が確認されるや否や
軍が速やかにサウスカロライナ州全土の隔離を行い
州民を厳重な検査の上に脱出させた後に徹底的な爆撃によって
ゾンビの巣窟となりつつあったチャールストンを消滅させた。
更に大規模な掃討作戦を行い完膚なきまでに敗残兵達を叩きのめした。
(また、完全に機能が停止した事が確認された彼らの一部は研究対象となった。)
その後、合衆国は諸外国から自国民の引き上げと
各派遣軍の撤収を行った上で半鎖国体制への移行を宣言。
結果的にアメリカはゾンビを殲滅した初の国家となり
その行動は後に各国のゾンビ対策の規範となる。

日本はもうちっと先

142 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 10:31:25 ID:4hOFhrlp0
あと設定が固まってないのでちと矛盾があります。


143 :2/4(2/3)一部修正:2006/07/03(月) 10:56:19 ID:4hOFhrlp0
また、ゾンビの特徴に
・ゾンビは皮膚が無いにも拘らず腐敗には異常なまでに強いが極端な気候には
極めて脆弱である。(熱帯気候に最も適応しており、それ以外の地域では
少しずつ動きが鈍くなる。また、極端な環境では身体の維持が不可能となる。)
・移動方法は徒歩だが通常の人間のように足を上げて移動することが出来ず
少しだけ上げて引きずるようにして移動する。
という点がある。
この二つが仇となった。
砂漠地帯の高温と乾燥に曝された体は急速に劣化していき
更に砂に足を取られ異常なまでの低速でしか移動できなくなった彼らは
碌に人間に接触しないまま次々と倒れていったのである。

矛盾解消版です。

144 :↑とは別人ですよ:2006/07/03(月) 12:30:29 ID:SRbS6fn10
中国の場合は凄惨であった。
人口が密集しているため都市部はほぼ瞬時に壊滅。
人口の半分が失われた。しかしまだ6億人残っていた。
多くは農村に逃げ延びたが、ここで問題が発生した。
「ゾンビは死体である以上、もはや人間ではない。だから食べても構わないアル」
捕らえたゾンビを調理して食べることが流行ってしまった。
いわば経口摂取であるため、また加熱してあるためか感染に時間がかかったことが
被害を拡大してしまった。
再び人口の半分が失われた。しかしまだ3億人残っていた。
ゾンビを食用にすることが禁止され、誰もが事態が沈静化したと思った。
しかし、また問題が発生した。
生鮮食料の生産・流通がストップしてしまった中、配給された食糧を食べた人達が
全員ゾンビ化してしまったのである。
原因はコストをケチった生産業者が配給食糧にゾンビの肉を混入したためであった。
4000年の歴史に終止符が打たれた・・・

さて、隣接する朝鮮半島である。
驚いたことにここでは誰もゾンビに発症するものがなかった。
噛まれても、食しても、である。
染色体が破壊されるほど過剰に摂取され続けてきたキムチ、体内に充満するカプサイシン、
ゾンビウィルスへの抵抗力が極めて強く、これが人々を救った。
後にわかったことだが海外に移住していた彼らの同胞も同じく無事であった。
生き残った他民族の人々は慌ててキムチを求めたが、時すでに遅かった。
生まれた時からひたすらキムチを食べ続けていないと効果が出ないのである。
人類の大半は死んでしまい、韓民族だけが生き残った。地球は韓民族の世界となった。

すぐに人類は滅びてしまった・・・



>1/4〜さん
新作投入乙です。インスパイアされて変なもん書いてしまいました、ごめんなさいorz

145 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 13:24:10 ID:21bduPFJO
国防軍か…。凄く好きな設定の話だなぁw続き楽しみにしてます。
お疲れさまです!

146 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 18:34:24 ID:x4BzlMsn0
>>144
滅びる以前に、人間の殆どがイカレてる・・・。
結構楽しめました。

147 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 20:44:45 ID:4hOFhrlp0
>>145
ありがとうございます。
励みになります。

>>144
こうして地球において一時期には宇宙に進出する程の文明を築いた生物の歴史は
最凶の民族が銀河に誇るカンコクォリティにより粉微塵に粉砕されてしまった。

148 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 22:13:36 ID:nk5bbNTJO
韓叩きは余所でやれ。ゾンビ出しても作品から悪意しか汲み取れん。

149 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 22:44:16 ID:3JWNOyFd0
>>148
半島人乙!

150 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 23:10:15 ID:TM/f1VANO
>>149
いや、勝手にパロディをしたうえに、それを利用して韓中叩きはルール違反だよ。パロディするなら、純粋に楽しめるものにしないと。
韓中云々より、なによりも原作者さんに迷惑がかかる。

151 :本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 23:46:30 ID:SRbS6fn10
そうだな。
瞬間的に閃いたのでそういうことで不快な思いをする人もいるなどと考えずうpしてしまった。
ハンドル不詳の作者さんにはあらためて陳謝する。


152 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 00:28:57 ID:ZmnnC9d20
韓中を擁護する連中は連中に尻尾を振り続ける犬にすぎない。
日本を売った売国奴。非国民と同じ。

韓中になんら遠慮する必要は無い。韓中等の劣等人種は聖なる地球から
駆除して当然。

153 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 07:52:19 ID:gcbx/IPuO
同じ人間でしょう

154 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 08:13:44 ID:6mgkRwJAO
国防軍の話、楽しみです。多くの良作が生まれて、読み手としては嬉しい限り。

155 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 08:36:43 ID:LuTGs27uO
>>153
我が大和民族と韓中等の劣等人種を、同じ人間と考える発送自体が根底から誤りだ。
韓中の劣等人種は、エィズウィルスと同様に人類に悪影響しか与えない。

156 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 09:07:51 ID:J+Od/kL8O
>>151からは特に悪意は感じられん。少し考えが甘かっただけ。
そう責めるほどでもないとオモ。
>>152 >>155みたいな人々には勝手に言わせときましょう。

157 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 16:11:37 ID:zMmvTj4B0
>>156
韓国とか中国の奴らの話知らないから、そんな事言えるんだよ
暇あるなら調べてみ。信じる信じないは自由だけどね
ちなみに俺は152と155じゃない

158 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 16:45:42 ID:AX/3yVdfO
このスレはゾンビ小説のスレだろ?
生きてる人間に用はない。どちらもまとめて余所でやれ。
好き嫌い無しに喰らうゾンビ達を少しは見習え。

159 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 17:11:27 ID:3LB8eS1o0
この辺で止めときましょう。
前スレから見てる人は分かると思うけど、何を言っても結局平行線だし。
それに、作家さんがUPし辛くなってると思うよ。

160 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 17:20:09 ID:6mgkRwJAO
>>157
みんな知ってるよ。でも、場所をわきまえなきゃ、彼らと同じ…
作者のみなさん、お待ちしてます。

161 :ゾンビ主夫:2006/07/04(火) 17:38:08 ID:jumS5kha0
夜に投下しようかと思ったんですが気分転換にドゾー



やや呆然とそう呟くと横にいた、啓吾が「だろ?」と続ける。
「まぁ、考えたってしょうがねぇか?いるもんはいるしなぁ。」
 そう言って、立ち上がり軽く身体のホコリを落とすと小屋に向かった。
 おそらくは啓一くんの事が気になるのだろう。
 しかし、俺は啓吾の言葉も耳に届かなかった。
 深く・・・深く思考の海へと意識が潜っていく。
(何故だ?何故あんな奴等が存在できる?)
 俺の悪い癖だ。集中し出すと周りがまったく見えなくなる。
 いや、存在しなくなると言ってもいい。
(確か、ブゥドゥー教に死者を使役する呪術があると見たことがあるけど、アレも科学で立証されていた。今回も何らかの外的要因があるはず・・・)
 いくら思考を巡らせようとも結論には至らなかった。いくつかの仮説は立てる事は出来るのだが、あくまでも仮説でしかない。
(くそ!情報が少なすぎる!)
 頭の中で幾度も思考を張り巡らせ、数々の仮説をたてているうちに随分と時間が経ったようだ。
 ふと頬に暖かいものが当たり、我に返る。
 ハッと顔を上げると、既に日が昇り始めていた。
 時計を見ると5時36分。
 およそ、2時間前後ずっと考え事をしていたようだ。
(こんなに経っていたのか。)
 俺は立ち上がり小屋へ行く。


162 :ゾンビ主夫:2006/07/04(火) 17:38:48 ID:jumS5kha0
小屋の中に入ると、2段ベットで下に啓一君と麻美さんが眠っている。
 その横に椅子で眠っている。啓吾がいた。
 上では多分奈美が寝ているのだろう。
 そっと小屋へ足を踏み入れると、音はほとんどしなかったはずなのに、啓吾が目を開けてこちらを向いた。
 みんなを起こさないように小声で「寝てたんじゃなかったのか?」と聞く。
「寝てたさ。寝てても感覚は起きてただけだ。」
 啓吾も小声でそう答えると椅子から立ち、伸びをすると小屋の出口に向かう。
 俺の横を通り過ぎる時に肩に手を軽く叩くと「お前も奥で寝ろ。俺が外で見張って置くから・・・」
 そして、大きな欠伸一つ残して小屋から出て行った。
 その言葉に俺は昨日から丸24時間以上寝ていないことを思い出し、啓吾の言葉に甘えることにした。
 奥にある扉をそっと開けるとハンモックが一つ掛けてあったので、それに横になると内心、夢を見るのが怖かったが、そっと目を閉じる。
 肉体的な、そして精神的な疲れが出たのだろう。意識がすっと奈落の底に落ちていく。

 俺が次に目を覚ましたのは日も中点近くを少し過ぎた午後3時過ぎの事だった。
 目を覚まして最初は自分が何処にいるのか解らずに一瞬パニックになったが、意識がハッキリしていく内に記憶も戻ってきた。
(そうか・・・山小屋だ・・・)
 どうやら夢は見ずに済んだらしい。
 ハンモックからそっと降りるとおぼつかない足取りで扉を開ける。そこにはスヤスヤと眠る啓一君だけがベットで寝ていた。
(みんなは?)
 小屋から出てみると春らしい爽やかな日差しが目に飛び込んで来る。
 一瞬立ち眩みにあうが目を細め辺りを見回す。
 
「あら、やっと起きたわね。おねぼうさん。」
 そこにはみんなが簡易テーブルを囲んでいた。
(こうしてみるとただのキャンプみたいだな。)
 ふと見ると見知らぬ男が混じっていた。
 俺の視線に気付いた男がこちらに会釈をする。
 それに反射的に会釈を返すと、啓吾が俺達二人を見て、男を紹介してくれた。
「こいつは、俺の元自衛隊員で、今はサバゲー仲間の『坂井 利彦』、なかなか頼りになる男だぜ。」


163 :ゾンビ主夫:2006/07/04(火) 17:41:20 ID:jumS5kha0
みんな仲良くしよう。
一部の人間が悪だから、それが本質だとは限らないんだから・・・・

ゾンビだって・・・・ゾンビだってベジタリアンはきっといるはずさ!


164 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 18:24:46 ID:Ati88+/GO
>>163
ゾンビに例外などない!肉を引き裂き、腸を喰らってこそのゾンビである!

かの国議論はニュース極東で。なんか中途半端だがスレは荒らしたくないし。








ベジゾンビタソ・・・・・・ハァハァ

165 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/04(火) 19:12:20 ID:91ndNrqIO
同じく気分転換ドゾー

 おかしいな。どこを経由しても繋がらない。ならサーバ毎サイトがダウンしたか?たかが地域ニュースやチャット用のサイトにそれほど人が集中するとは思えないけど…。
 なら全国的な掲示板にいってみるかと考え直して、改めてそちらに繋ぎ直した。
『2チャンネル』 ここならジャンル分けされているし、早い奴ならすでに原因を解明してるかもしれない。
 ニュース板に飛び、『ゾンビ』『暴動』で検索をかけた瞬間だった。画面がいきなり切り替わり、見たこともないページに飛ぶ。
『貴方の端末からは、これ以上の閲覧は不可能です。閲覧が再度可能になる時期は未定となります。ご了承下さい』
 なんだって?訳がわからない。今までこんな事はなかったのに…。もしかして情報規制がかかってんのか?似たような掲示板にいっても、既に端末のアクセスがロックされているのか、さっきの画面しか映らなくなっている。
 トップページには行けるのに、板の閲覧が出来ない。この対応の早さは異常だ。なにかの大掛かり作為が働いているとしか考えられなかった。こうなったらパソコンなんて只の箱にすぎない。今役に立たないでどうすんだよ!
「クソッ!一体どうなってんだ!!」
 事態を読めない苛立ちのせいで、つい声を荒げてしまった。

166 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/04(火) 19:14:48 ID:91ndNrqIO
「うおっ、なんだよ。いきなりでかい声出して…。なんか問題発生したのか?」
 思わず出してしまった罵りの言葉に、大村が反応した。
「ああ、なんでか端末規制されたみたいだ。しかも今までされたこともないような。どこにも繋げられないない。お手上げだな…」
「は?規制てそんな簡単にされるもんか?しかもどこにも繋がらないなんて…。聞いたことないぜ?」
 俺だって聞いたことない。だけど実際にそうなってしまったからには仕方ない、次の手だ。
「こっちは諦めよう。TVの方はなんて言ってる?殺人事件については?」
 使えない物に未練を残してられる程の余裕はない。直ぐ様ニュースに集中する。
「そうだな…、動く死体については何も報道はないな。ただ、暴動の範囲は広がってるらしい。中心はやっぱ隣の市だな。隣接してる俺らのとことC市は、三分の一は危険区域に指定されてる」
 中心になるA市。それを半円を描くように両側から挟んでいるのが、俺達のB市、そして大村が言ったC市になってる。A市のもう半円部は海に面しているから、陸路で入るにはB、C市のどちらかを通らなくちゃならない。
 三市共に大きな面積を持たないし、全体の人口を合わせても20万人を少し超える程度にすぎない。
  それにしてもひとつの市、それにBC両市の三分の一だ。ただの暴動にしてはあまりに範囲が広い気がする。
 謎をもてあそんでいる時、画面に速報のスーパーが入った。
『只今、A市全域とB、C市の一部地域に避難勧告が出されました。後程詳しい情報が提供されますので、自治体の指示に従い速やかに避難を開始して下さい』
 スーパーは何度も繰り返し流れ、そのうちに画面は臨時ニュースを報道するアナウンサーの姿に切り替わった。

167 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/04(火) 19:16:04 ID:91ndNrqIO
終了。
ベジタリアンゾンビなら…共存できるかな…。
ではノシ

168 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 19:40:55 ID:K0sm4TZj0
一握りの英雄と一握りの悪党で歴史を語るならば
歴史は光と闇の愚劣な物語に成り下がるであろう、ってどっかの誰かも言ってますし。

それは置いといて
キバヤシの毒電波にやられたのでちとやっちゃいました。

―北海道札幌市某所
――新講○社ビル

キバヤシ:「国防軍の本州上陸作戦は知ってるよな?お前ら。」
ナワヤ:「何言ってんだキバヤシ・・・日本人で知らない奴なんているのか?」
タナカ:「そうですよ、キバヤシさん。」
キ:「いや、知ってるならばいいんだが・・・・。
そもそも俺たちが本州から逃げ出す理由になったゾンビだが
よくよく考えてみれば変じゃないか?」
ナ:「そりゃ死人が動くんだから変だろ。」
キ:「そう言う意味じゃない、奴らの狙うものは何だった?」
イケダ:「人間ですね。」
キ:「そう、正確には人間の肉だ。
死んでるわけだから栄養源にしてるとも思えないがとにかく人肉を喰らう。
ところでタナカ、お前はゾンビが人間以外の動物の肉を食った話って聞いた事あるか?」





169 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 19:42:57 ID:K0sm4TZj0
タ:「人間以外ですか?」
キ:「そうだ。犬でも猫でも猿でも構わない。」
タ:「いえ、よく考えれば聞いた事がありません。」
ナ:「おい、キバヤシ。それって妙じゃないか?なんで捕まえにくい人間しか狙わないんだ?」
キ:「気づいたか、ナワヤ。
そう、対象が人間である必然性が無いんだよ。
第一人間は捕食対象としては最悪だ。」
キ:「そこで思うんだが・・・実はゾンビウィルスは何者かが散布したんじゃないか?」
ナ・イ・タ:「な、なんだってー!!」
タ:「ちょ、ちょっと待ってくださいキバヤシさん。
自分がウィルスにやられる危険を冒してまで得する奴なんているんですか?」
キ:「居るんだよ。しかもそいつ等は自分がウィルスに感染する危険性が全く無い事を知っている。」
ナ:「一体誰なんだ!?」

キ:「なぁお前たち。
確かに俺たちに自由意志はあるだろう。
そして自分の行動は自分自身が選択しているはずだ。
でも、多分一度はある筈だ。
最初に到達点は決まっていて、そこに行くようにすべての物が配置されているんじゃないか、
自分がすべてを決めているようであっても
実は一つの結果に向けて誘導されてるんじゃないかって感じた事が。

170 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 19:51:31 ID:K0sm4TZj0
変な部分もありますが見逃してくださいな。

171 :本当にあった怖い名無し:2006/07/04(火) 20:01:37 ID:K0sm4TZj0
何か足りない気がするのでちょと追加。
タ:「つまり僕たちは日常的に何者かに操られてるって言うんですか!?」
イ:「何とかならないんですか!?キバヤシさん!!」
キ:「俺にだって・・・どうにもできない事だってある・・・。」

172 :通勤電車男:2006/07/05(水) 00:15:13 ID:6uE/LyMjO
139様・ゾンビ主夫様・我流様・168様、
新作&続編の投稿お疲れ様です。
139様、既にゾンビが発生した世界の状況が掴み易いですね。
本州奪還頑張って下さい(`・ω・)ゞ !!。
ゾンビ主夫様、啓吾さんのお仲間は無事合流出来た様ですね。
食べれる内に食べて、寝れる時に寝る。これが大事なんだそうですよ?。
我流様、状況の悪化を予想してた人物or組織が存在している...。
何やらキナ臭くなってきて、すごくドキドキしております( ̄ー+ ̄)!。
168様、キバヤシ氏にもお手上げ!。となると...、
あとは“あすか あきお氏”に出張っていただきましょう(^_^;)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

173 :本当にあった怖い名無し:2006/07/05(水) 00:38:07 ID:yE3Lb52pO
>>163
ベジタリアンのゾンビは、
仲間内からは酷い悪食として非難される為、
非常に肩身が狭いのです。

174 :ゾンビ主夫:2006/07/05(水) 05:35:58 ID:H6tsVWLu0
では、続きです。



その男、坂井さんは左手を差し出してきたので、それに答え、握手をする
「自分は坂井です。よろしく!」
「あ、どーも。西山 修です。」
 お互い握手をすませると、俺も簡易の椅子に座る。
「彼が無線の?」っと、啓吾に尋ねると首を微かに横に振った。
「あいつはまだ来てない。無事ならいいんだが・・・」
 啓吾はそう言うと顔を曇らせる。
「あいつなら大丈夫ですよ。桂木さん。一応はモトクロス選手ですから・・・」
「ああ、そうだな」と言うと、少し休むと言って小屋へと入っていった。

 俺は心配そうにその後ろ姿を見送ると、いつの間にか注がれていたコーヒーを口にした。「みんな、お腹が空いたでしょう?簡単なものだけど作ってきたから食べてちょうだい」 奈美が大きなトレイにオニギリと簡単なおかずを乗せて持ってきた。
「ありがとう。あ!啓吾を呼び戻さなきゃ。」
 立ち上がろうとした。俺を奈美が留める。
「桂木さんの分なら奥さんが小屋へ持って行ったわ。啓一君の分もね?」
 そして、俺の前に紙切れを差し出す。
「これが昨日と今朝の血圧と体温よ。まだ微熱だけど風邪とは、少し違うみたい。」
 そのメモを受け取り見てみると、確かに昨日と今朝の体温は37度2分と少し高めなようだ。風邪と言われれば風邪か疲労からくる微熱とも取れるが・・・・
 奈美が風邪とは違うかもというなら、一応、診察をしといた方がいいだろう。
「俺の診療セットと薬剤トランクはどこかな?」と言うと、奈美が既に小屋の中に入れてある。と返してきた。


175 :ゾンビ主夫:2006/07/05(水) 05:37:12 ID:H6tsVWLu0
 うーむ。いつの間に超能力を・・・っと馬鹿な事を考えつつ、オニギリを頬張る。
 食事が終わると坂井さんは見回りを兼ねて、地理を把握してくると言って、ライフル片手に山へと分け入って行った。
 俺も食後のお茶も早々に小屋へと入る。
 入り口近くにおいて合った。診療セットとトランクを持つと食事を終わらせたばかりの啓一君の所へと近づく。
「やぁ、啓一君。気分はどうかな?」と話し掛けながら、啓吾が空けてくれた椅子へと腰掛ける。
「うん。げんきだよ。」
 そう元気に言うと、にっこりと笑顔になる。
(こうしてみると啓吾そっくりだな)と感心する。
「そっか、じゃあ少しお腹を見せてくれるかな?」
 頷いて服を捲った。
 聴診器をそっと胸に当てる。次に背中にも当てる。
 次にリンパ腺を見る。
「はい。もういいよ。」と言うと啓一君は服を戻す。

「お腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりしないかい?」
 俺の言葉に首をフルフルと横に振る。
「少し下痢気味のようなんですけど・・・」
 横で心配そうに見ていた。麻美さんがそう言ってくる。
「そうですか。所で啓一君はお父さんが好きかな?」と話を変える。
 後ろでガタッと音がした。啓吾がいる方だ。
「うん!大好き!」
 満面の笑みでそう言う啓一君を見て、少し啓吾が羨ましく思えた。
「おいおい!何の診察だ?そりゃ。」
 啓吾が何か言ってるが無視する。
「軽い風邪のようですね。お薬を出しときますんで毎食後、飲んでくださいね?お大事に・・・」
 そう言って振り返り小屋の出ようとした時、世にも奇妙な、啓吾を見ることとなった。
 おそらくは照れているのだろうが、初めて見るその姿に妙なかわいらしさと可笑しさが突き上げてくる。
 俺は啓吾の脇腹に肘を軽く入れつつ、「父親としても合格らしいよ。」と呟いてから外へ出た。



176 :ゾンビ主夫:2006/07/05(水) 05:43:39 ID:H6tsVWLu0
 「ったく、意地がわりぃぞ?」とぶつくさ言いながら、啓吾が後に続いた。
 俺は何も返さず昨日?のベンチに座る。
 その姿に何かを感じたのか、俺の横に啓吾が腰掛ける。
「どうしたんだ?単なる風邪なんだろ?」
 俺の顔は意外と険しく、そんな俺の様子に一抹の不安を覚えたのか、啓吾が俺の肩に手を掛け強引に向かせる。
「啓一の事か?そうなんだな!?」
 俺は啓吾の狼狽えように驚きながらも「ああ・・・」
「何か悪い病気なのか?」
「おそらくだけど・・・」
 その後に続く言葉に、啓吾が固唾をのんで待つ。
 


ここまでです。
次の次辺りから急展開するかも・・・

>>電車さん
実は別人という落ちですた・・・
決して図星だったから変えた訳じゃないんだから!w

>>173さん
ベジタリアンはきっと陰湿なイジメを受けて・・・自殺したりとかしなかったりとか?


   

177 :本当にあった怖い名無し:2006/07/06(木) 09:09:18 ID:zPygGjrrO
>>174
お疲れ様です!
啓一くんどうなってしまうんだろう…心配です。
個人的に左手の握手も気になります

178 :本当にあった怖い名無し:2006/07/06(木) 21:38:45 ID:skWxJser0
そのうち進化して光合成をするゾンビとか悟りを開いて
霞を食べて生きるようになったゾンビとかが出現して・・・

179 :本当にあった怖い名無し:2006/07/07(金) 04:17:55 ID:N+Db4juBO
そしたら共存できるね

180 :ゾンビ主夫:2006/07/07(金) 06:00:31 ID:curNlFJv0
夜明けの投下です。


「ハシカだと思う・・・口腔内にコプリック斑があった・・・」
 その言葉に緊張の面持ちだった。啓吾は俺の頭を軽く叩く。
「なんだそりゃ!たかがハシカごときでびっくりさせるんじゃねーよ。悪趣味過ぎるぞ。」
 しかし、俺の顔は相変わらずしかめられたままだ。
「ハシカはちゃんとした治療法、ワクチンが出来るまでは十分人が死ぬ病気だったんだ。江戸時代は『命さだめ』と言われてたんだから・・・」
 啓吾はその言葉を聞いて、やっと事の重大性を理解したのか、力無くベンチに座り込み頭を抱える。
「・・・どうすりゃいいんだ?」
「今は風邪と同じで対症療法しかない。それで乗り切れればいいんだけど・・・・」
 俺はそれだけを言うと地面へ視線を落とす。
 啓吾も同じく地面を見つめたまま「もし、それで良くならなければ?」
「悪化すれば肺炎を併発する可能性が高い・・・そうなってしまったら、今の状況では打つ手が無い。」
 クソッ!と自分が座っているベンチを思いきり殴りつけると、啓吾は立ち上がり車へと向かう。
 俺は慌ててその後を追う。
「どうするつもりなんだ!?」
 とっさに、啓吾の腰に捕まり引き留めながらそう問うが、啓吾は歩みを止め無かった。
「ワクチンを取りに行く。」
 その言葉に、俺は手を離すと啓吾の前に回り込むとその顔に平手を入れる。
 それで、啓吾はやっとその足を止めた。
 顔には驚きの表情がありありと浮かんでいた。
「少しは落ち着け!合併症は今日、明日に併発する訳じゃない。」
「それに今の状況を一番理解しているのは、啓吾だろう?それに啓吾にワクチンの種類がわかるのかい?」
 啓吾は頬を押さえ、立ちつくす。
「どうすりゃいいんだ!」


181 :ゾンビ主夫:2006/07/07(金) 06:03:48 ID:curNlFJv0
そう叫ぶと後ろの方で小屋の扉が開く音が聞こえた。
 振り向くと、啓吾の声に驚いたのだろう。小屋の入り口から、奈美が顔を覗かせている。
 俺は心配いらないと首を振って見せると、小屋へと引っ込んだ。
「今は様子を見るんだ。いざとなれば俺に考えがある。だから、今は状況を見極めるのが先決だろう?」
 啓吾は両手で、俺の肩をグッと掴むとそのまま頭を下げる。
「頼む・・・啓一を死なせないでくれ・・・・」
 酷く弱々しくそう呟くと手を離し、小屋に向かう。
 俺はその少し小さく見える背に胸が苦しくなった。
(必ず助けてみせる。死なせるものか!)
 そう心の中で堅く誓うと、俺も小屋の方に向かった。



>>178さん
しかし、ゾンビに噛まれた野菜がゾンビ化して人間を襲うんですね!







182 :本当にあった怖い名無し:2006/07/07(金) 09:12:47 ID:tQ8IWcQw0
主夫さん乙

ワクワクドキドキ本当にハシカかよ、、、啓吾さんの狼狽っぷりもいいな

183 :1/2:2006/07/07(金) 09:22:51 ID:RzFeRH2X0
これらが2004年10月半ばまでの事の顛末である。
ウィルス出現より2ヵ月、ここまで一方的に叩かれ続けた人類だが
反撃の好機は冬将軍の到来と共に訪れた。

そう、ゾンビウィルスは『極端な環境に弱い』のだ。

―2004年10月21日
――日本国の某民間放送より
「さて現時点でのウィルス拡散状況ですが、御覧頂いている表にもありますとおり
アフリカ大陸の沿岸部、欧州の約70パーセントとユーラシアの一部、インド亜大陸の一部
南アメリカの東半分ほどとなっています。
10月に入ってからは各国の防疫体制の強化により拡散速度は大分低下していますが
未だに予断を許さない状況といえます。

それでは、これからのウィルス拡散の方向性並びに我々民間人にもできる
対策について東都大学医学部ウィルス学教室の・・。」

事態の収拾をほぼ完了した各国保健関係機関は
いよいよ変異性エボラウィルスの弱点を掴みつつあった。
・ ゾンビウィルスは血液及び空気感染せずゾンビに噛まれる事によってのみ発症する。
この特徴は以前も述べた。
なるほど、確かに死人が動くというのは恐ろしいイメージだし、
人口密集地では効率の良い感染方法に見えなくもない。
だが冷静になって考えてみると空気感染せず、媒介するのが図体の大きなゾンビである。
つまりゾンビさえ防いでしまえば万事解決するのだ。
ゾンビは蝿や蚊ではないから何時の間にか近づかれていて感染なんて事はありえない。
また、その身体構造上不整地踏破能力は
並みの動物より大分劣る上に飛翔は不可能、それに加えて動きも遅い。


184 :2/2:2006/07/07(金) 09:24:39 ID:RzFeRH2X0
世界保健機関を通じて各国に通達されたこの情報は
直ちに軍などの治安機関に伝わり、アメリカの例もあってほとんど同じ結論が下された。
以下のものは代表的な三点である。

―2004年10月27日
――ロシア連邦軍へ発令された極秘電文より
発:ロシア連邦軍最高司令官
宛:ロシア連邦軍全軍(地上・空・海・空挺・宇宙・戦略ロケット)
本文:特別命令209号発令時に於いては全軍は以下の行動規範を厳守し作戦を遂行せよ。
・ 『ゾンビ』との交戦に於いては歩兵による直接戦闘を禁じる。
・ 本令発令時に於いては対象の降伏を認めず、即時殲滅せよ。
・ 万が一負傷兵が生じた場合、追加命令無き場合即時殲滅せよ。

しかし、どんな場合にあっても例外という物は存在する。
現状を正しく認識せず、状況に合わない判断を連発し、
挙句の果てに碌な抵抗もせず国土の多くを失陥し一時期は存亡の危機に立たされた国家、
『日本国』。
現実逃避の代償は悲劇によって払われる事となる。


今度は日本人が出張ってきます。

185 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/07(金) 20:06:25 ID:lzT4LRxdO
投下します


 なる程ね…。やっぱりはっきりとした情報は手に入れてないのか。それとも今時あるはずはないんだけど、検閲でもされたか?
 ニュース速報を観ているうちに、情報の不自然さに気付いた。死者が一人もいないだって?怪我人は数十人?嘘も大概にしろっつーの。その程度で避難勧告がでるかよ。
「なんだよこのテレビ局、めちゃくちゃ適当言ってんじゃんか」
 大村も憤慨して抗議を口にし、他局にチャンネルをあわせたけど、どこを観ても情報にそう変わりはなかった。
「なあ三枝、これちょっと…いや、かなり変じゃないか?死人だって何人も出てるし、多分怪我人ももっとたくさんいる筈だよな」
「ああ。古い情報を報道してるのか、それか報道管制敷かれてるとかじゃね?今の日本でそんなことができればだけどな」
 できなくはないだろう。だけどそれをやるには政治家?それとも警察か、どちらにしろ指示を出したそいつの首が飛ぶだけじゃすまなくなると思うけど。国民とマスコミ双方から総叩きされるだろうし。
「どうする、俺達も避難しとくか?今なら玄関からダッシュすれば逃げられるんじゃないか?」
 とりあえずマスコミの虚偽情報の事は後回しだ。大村の提案を呑むかどうか考え、十分に吟味する。

186 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/07(金) 20:08:54 ID:lzT4LRxdO
 避難か。確か指定避難場所は…。
「なあ大村、俺達の高校って指定避難場所だっけ?俺の地区だと中学の体育館に避難することになってるんだけど」
 大村は中学からのダチだから、多分同じ場所の筈だが、一応確認した。
「あ〜、多分同じだろ、自信ないけど。高校は違うはずだぜ、私立だしな。どっちにしろあそこに避難するのは無理だろうけどな」
 最後の言葉にはちょっと悲しみが込められていた気がしたけど、どうだろう、わからない。
 確かに高校に避難は無理だろうな。まだ『そいつら』が残っているとしたら、わざわざ死にに行くようなもんだね。だとするとやっぱり中学校に行くしかないんだけど、正直気が乗らない。
「俺はさ、このまま家で待機してるほうがいいと思うんだよね。ほら、下はセキュリティしっかりしてるしさ。それに避難する過程が危険すぎる。ばったりあいつらみたいなのに出くわすとやばいだろ」
 そう伝えると、大村も俺と同じ考えだったらしく頷く。やはり移動の危険性について危惧してたみたいだ。中学までは2km程だけど、またあんな奴らに襲われちゃたまらない。
 さっきの動きからすると移動は早くないみたいだ。だけどもし多人数に囲まれでもしたらと想像したら、それだけでぞっとする。

187 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/07(金) 20:12:15 ID:lzT4LRxdO
 立てこもりに問題があるとしたらひとつか…。そこまで思考していた時、また外から物音が聞こえてきた。
「隣だ。3人出てきた」俺の言葉に大村が頷く。
「避難するみたいだな。荷物持ってるし…って走って行くのか!?なんで車使わないんだよ!」
 大村は隣人の軽率な行動に驚きを隠せないでいたけど、俺は答えを知ってた。
「あの家車ないぜ。毎朝チャリで仕事に行くのみかけてる」
「マジか…。だったら近所の人に乗せてもらうとかあるだろうに。あっ!あいつら気付いたぞ!」
 確かにゾンビ共(不本意だけどそう呼ばざるを得ないね、もう)は3人に気付き、その動きを追いかける。しかしゾンビはやっぱり行動が遅かった。
 荷物を持っているから隣家の人達もスピードがあがらないが、それでもゾンビをどんどん引き離して、ついには角を曲がり見えなくなった。
「逃げきった…か?」二人で、あの家族が曲がった角をみつめた。
「あぁ、逃げたみたいだな。ゾンビ共は追いつけないだろ。やっと角に着いたとこだし」
「あいつら足遅いのな。これなら余裕で…」俺の言葉に、大村が相槌をうった瞬間だった。
「うわああああぁぁぁ!ま、待ってくれ!やめ、やめ…あああぁぁぁァァァ!!!」「キャアぁあああァァァア!!」
 男性と女性二人の悲鳴が聞こえてきた。間違いなくさっきの家族だろう。曲がった先に別の奴らがいたということか?さっきの危惧が、謀らずも証明される結果になってしまった。 最初のゾンビ達も角の先へ姿を消した。もうあの家族は助からないだろう。
「またかよ、畜生!一体何人が死ぬのを見なきゃなんね―んだよ!」
 大村が叫び、俺は無言を通す。下が慌ただしくなったのはすぐだった。
 ゾンビが通りからいなくなった途端に、近所の5、6件から人々が一斉に出てきた。そして全員がゾンビとは逆の方向に、車や徒歩で移動し始める。
「こいつら…ずっと隠れてたのか。あの家族が犠牲になったのを幸いに一気に逃げ出そうってか!?信じらんねぇ…こいつら…クソッ!クソッタレ!」
 大村は怒りの感情そのままに怒鳴り、俺も余りの出来事に開いた口が塞がらなかった。

188 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/07(金) 20:16:19 ID:lzT4LRxdO
 人の本質を見た気がして、嫌悪感が体を包む。俺も自分の安全のためなら友人を裏切ってしまうのだろうか。そんな事はしたくない。俺は大村を必ず裏切らないと密かに誓い、拳を握り締めた。
「俺はお前を置いて逃げたりしないからな。ダチを見捨てるなんてできない」
 驚いた。大村も同じ事を考えてたんだな。つーかやっぱり恥ずかしいやつだよお前。声に出すなよ!
「お前…俺は黙って密かに決意してたのに…。面と向かって言うなよ。こっちまで恥ずかしくなんじゃん」
 俺に突っ込まれて急に恥ずかしくなったんだね。いきなり顔面を真っ赤に染めた。
「なっ!だっておま…これは決意表明というか…。いいだろ別に!お前だって密かに決意すんなよ!カッコつけたがりかよ!!」
 んなっ!?バツが悪いからってそういうこと言うかこいつ!
「はぁ〜?僕は大村君みたくクッサイ台詞言えない人ですから?謙虚でジェントルな男の子なもので」
「意っ味わかんね。マジ意味わかんねーよ三枝さん。どなたが謙虚なんですか?俺の昼飯のあんパン勝手に食ったの誰ですか?」
「いつの話だよ!だいたいお前いっつも………」
 その後は、互いに照れ隠しを目的とした意味のない口喧嘩を5分程延々と続けた。

終了。
>>主夫さん 啓一君はしかですか…。まさかゾンビに?とかドキドキしました。お疲れさまです!

国防さん(勝手に失礼)やはり日本は…続きが非常に楽しみです。乙であります(゚д゚)ゞ

189 :通勤電車男:2006/07/07(金) 23:35:31 ID:5BF/iZFoO
ゾンビ主夫様・183(国防)様・我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
ゾンビ主夫様、啓一君はしかですか...。主人公の腕の見せ所なんでしょうが、
「ワクチーンヾ(`ε´)/!!」と言ってお近くの病院へ突撃する啓吾さんの
勇姿が勝手に浮かんできてしまいました(^_^;)。
183様、我流様のおっしゃっていた「国防さん」を使わせて頂きたく思います。
いままで「誰かの生存劇」というのは数多くありましたが、「国家(人類)の」
というのはあまりなかったと思います。ミリタリー色溢れるマッシブな
展開に自然と背筋を伸して読まさせて頂いております(`・ω・)ゞ!!。
我流様、ご近所様を囮にして脱出とは死亡フラグ満点な方達ですね(^_^;)。
まあ世知辛い世の中なのである意味したたかと言えるのでしょう...。
それにしてもこの二人仲いーなー(*^_^*)。
こっちの進展にもwkt...いやいやいや(^。^;)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

190 :本当にあった怖い名無し:2006/07/08(土) 02:29:59 ID:uTvo/d1x0
>>ゾンビ主夫さん
毎回wktkしながら読んでます。
無粋ですが気になったので一言。
ハシカにワクチンは発症予防には有効だけど発症後の治療には無効では?
麻疹ワクチンは弱毒生ワクチンなので発症後では逆に麻疹ウイルスの補充になってしまう事に・・・

191 :本当にあった怖い名無し:2006/07/08(土) 02:32:58 ID:B5EovCzW0
ゾンビパニックの中、ある船が燃料尽きてある島に漂着した。
食料も残り少ない。船長は、乗客を船から降ろすために

イギリス人には 「紳士はこういうときにゾンビになるものです」
ドイツ人には 「規則ではゾンビに噛まれることになっています」
イタリア人には 「さっき美女がゾンビになりましたよ」
アメリカ人には 「ゾンビになったらゾンビコップの主人公になれますよ」
ロシア人には 「ゾンビになれば健康の心配なくいくらでもウオッカを飲めますね」
フランス人には 「ゾンビに近寄らないで下さい」
日本人には 「みんなもうゾンビになってしまいましたよ」
中国人には 「ゾンビって美味しいらしいですよ」
韓国人には 「日本ではゾンビになるのが流行ってますよ」
大阪人には 「阪神が優勝しましたよ」と伝えた。
船員「船長!まだ電車男さんが残っていますが!」
船長「ほっておけ。」
船員「なぜですか!」
船長「どこかで感染して感想をいいに戻ってこられても迷惑だ。」



192 :ゾンビ主夫:2006/07/08(土) 04:07:56 ID:YrOsGkkNO
>>190
はい。
確かに発症後のワクチン投与は逆効果ですね。
言葉足らずですいません。
この場合は肺炎治療のと脳内変換よろ!

193 :本当にあった怖い名無し:2006/07/08(土) 22:11:30 ID:zyheNyCrO
191さん!笑ったwブラックでシュールな展開。船長さんのような人が、ゾンビ渦から助かって人類を救うと思います。ありがとう!

194 :本当にあった怖い名無し:2006/07/08(土) 23:39:56 ID:xfDwNafNO
あの……落としものですよ?

         .∧__,,∧
        (´・ω・`)
         (つ大和魂と)
         `u―u´

  あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?

  誘導先
  アドレス
           まずはここに集合汁!!!!!

http://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1152366700/

 皇  国  の  興  廃  こ  の  一  戦  に  あ  り  !  !

195 :ブラボー!:2006/07/10(月) 02:19:22 ID:24kT9I7ZO
皆様、素晴らしい!
ドキドキ、ハラハラしながら、
朝から一日中読んで、気が付いたら、
こんな時間になっていました…。
家事も育児も疎かにしてしまいました…。
次回作、楽しみにしております!

196 ::2006/07/10(月) 20:29:10 ID:r5jxU2Ea0
201X年
4月13日午後9時
日本国内は、生きる屍が徘徊するようになった。
世界は、3日前に謎のウイルスがヨーロッパで発生した。


197 ::2006/07/10(月) 20:31:07 ID:r5jxU2Ea0
ミス↑

世界は、3日前に謎のウイルスがヨーロッパで発生してこの有様だ。
すいません書き間違えました


198 :木村:2006/07/10(月) 20:53:06 ID:r5jxU2Ea0
俺は山崎拓也
この宮城県仙台市で、警官をしている。
3日前に起きた事件で、警察組織はバラバラになってしまった。
そう、あの時間は交番でいつも同僚と話しをしていたはずだった。
3日前
「おい、山崎仕事終わったらいつこのところいくか?」
「ちょっと待って下さいよ、川上巡査長。俺、今月金ピンチなんですよ。」
山崎はそういいながら、机にある書類を整理していた。
「いつも、後先考えないで先輩はお金を使うからですよ。」
「おい、先輩にそんなこと言っていいのかな?山田。」
机の整理を終わった、山崎がお茶を飲みながら言った。
そこに一本の電話が来た。
「こちら○○交番です。どうしました?」
「たのむすぐにここに来てくれ。おかしなやつがいるんだ。」
と男から電話がかかってきた。
「その男はどういった、格好をしていますか?特徴は?場所はどこですか?」
「ここですか○丁目の商店街です。特徴は、う・・うあー助けてー」
ツーツーツー・・・・
「山崎、山田現場に行くぞ。」

199 :通勤電車男:2006/07/11(火) 00:10:18 ID:E8V6+cuFO
191様・196(木村?)様、新作の投稿お疲れ様です。
191様、ブラックですね(>_<)。そして船長さんの予想どうり感想つけちゃいました...ONL
196様、警察関係の人はこういった時まず一番に駆り出される
のでしょうから大変だと思いますが、市民の安全の為に頑張って下さい!。
そういえば昔巡査物語ってあったなー...ナツカシス。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

200 :本当にあった怖い名無し:2006/07/11(火) 01:43:19 ID:Prxg60lrO
>>198
新作たのしみです!一番日常的な展開ですよね。
山崎視点の文章が、途中から客観文になっているのが少し気になりました…

201 :191:2006/07/11(火) 02:17:01 ID:gI8Jx8X50
>>199
レスさんくす、、、っても改変コピペだから作品にもなってませんがww
中国人のくだり、タイムリーに叩かれてたから躊躇しましたが突進。
電車さんの名をまた借りるのも憚られましたが、常連作者さんの名を勝手に出して
すねて投稿拒否でもされた困るので当たり障りのないところでお借りしましたペコリ


>木村さん
完成度が今ひとつですが(俺にいう資格ないけどw)なかなかの出だし。
以降期待wktk

202 :本当にあった怖い名無し:2006/07/11(火) 09:01:11 ID:gI8Jx8X50
>>201
あ、ごめん、山田、山崎って別の人かww orz

203 :木村:2006/07/11(火) 18:11:54 ID:NzddetVC0
すいません
下手ですけど、頑張って投稿していきたいと思います。

204 :木村:2006/07/11(火) 18:19:43 ID:NzddetVC0
少し投稿したいと思います。

現場に着いた俺達は目を疑った。
人が、人を食べているのだ・・・・
「川上巡査長これは、どうなってるんですか?」
「わからん・・しかし我々は警察官だ。市民を守る義務がある。
俺と山崎は、市民を襲っている奴を取り押さえる。山田は、交番に戻って拳銃の予備弾薬を取って来い。」
「了解」


205 :本当にあった怖い名無し:2006/07/11(火) 19:15:21 ID:sfv4C4UI0
出来れば、もうちょっとまとめてから・・・

206 :木村:2006/07/11(火) 21:34:22 ID:NzddetVC0
すいません
今度からはもう少しまとめて投稿します

207 :本当にあった怖い名無し:2006/07/13(木) 08:57:11 ID:rMMM8XDiO
保守

208 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/13(木) 19:03:23 ID:rMMM8XDiO
お久しぶりです。投下します。

 言い争いもしんどくなってきたから、休戦を提案する。
「やめよう大村。もう俺達二人共恥ずかしい奴ってことで決着しないか?」
「…そうだな、仕方ない。俺もお前もクサイ人って事で。目下の問題はいつまでここに居なきゃならないか、だしな…」
 そう。さっきの騒ぎで忘れてたけど、立てこもりにはひとつ問題があるんだ。また怒られそうだけど言わないわけにはいかないよなぁ…。
「あー…それだけどさ。一個だけね、どうしても解決しなきゃならない問題があってさ。ちょっと聞いてくれる?」
 微妙に恐る恐る尋ねる俺の態度を不審に思ったんだろう。眉をひそめて聞き返してきた。
「何が問題?なんでそんな下手なんだよ。いいから言ってみ?」
 大村は腕を組んで発言を促してくる。なにこのプレッシャー。しょうがない、言わなきゃ何も始まらないし。溜め息をつきつつ覚悟を決めた。
「実はな…この家には食い物が全くない。それはもう見事に」
「は?だってさっき食ったじゃん。まさかあれしかなかったのか?あれで最後?」
 信じられないといった口調だ。だが真実なのだよ大村君。
「そうだ、あれが最後。夕飯は後で買いに行こうと思ってた」
 大村は沈黙してる。俺もこれ以上何も言う事はないから、こいつの発言待ちの状態だ。
「あのさあ…。食い物ないのにどうやって立てこもるつもりだったんだ?俺も食っておいてなんだけどさ、なんで保存食…レトルト品とか買っておかないんだよ」
「だってなぁ、一般男子高校生がだよ?毎日台所でご飯作るか?コンビニのほうが楽だろ、腐らせる心配ないし。だいたい台風とかならともかく、ゾンビが発生するなんて誰も考えねぇよ…」
 俺の反論(それも正論だから)を聞いて、それはそうかと大村も納得してくれた。そして食料はどうするのかと尋ねてくる。
「それな、やっぱり何処かで調達するしかないよな。危険は承知だけど、他に手はない」 それを聞いた大村は諦めの表情で、それでも実行に躊躇いはないんだろう。方法を聞いてきた。
「何か考えがあるんだろ?」「ああ、車を使う」


209 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/13(木) 19:05:33 ID:rMMM8XDiO

 海外に行った父さんと母さんが置いていった車がガレージに入ってる。鍵はあるし、どちらもATだから運転はできる。何度か乗せてもらったし。警察も無免許の高校生にまで手が回らないだろう。それどころじゃない筈だ。
「父さんの車だとRVだから小回りがきかない。だから母さんの軽自動車で行こうと思う。それでどうだ?」
 俺が運転できるのを知ってるから、一も二もなく頷いた大村。でもしっかり釘はさしてきた。
「それでいい。だけど安全運転が条件だぞ。お巡りに捕まりたくないし、事故も勘弁だからな」
「OK、じゃあ早速行こう。暗くなってきたし、これ以上あんなのが増えたら外になんて出られないからな。武器も持っていこう」
 そう言うが早いか、俺達は行動を開始した。俺は金属バット(木製は外に放置したままだ)、大村には大型のバールをガレージに行ってから渡した。
 車に乗り込み、ガレージのシャッターをリモコンで開ける。ジワジワと開くこの時間がじれったい。外にゾンビが居なければいいけど。
 シャッターが開ききり、あいつらがいないのを確認した俺はアクセルをゆっくりと踏み、車をスタートさせた。
「さ〜て、行くか大村。ドキドキのドライブタイムだ。気を抜くなよ?」
「お前こそ焦って運転ミスるなよ?んじゃあ目的地まで頼んだよ運転手さん」
 軽口で互いに緊張をほぐして、夜の帳が落ち始めた街に車を走らせた。死者が徘徊する俺達の街へと。

210 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/13(木) 19:07:31 ID:rMMM8XDiO
 目的地はコンビニ。スーパーでは店内が広すぎるし入り口がでかすぎる。ゾンビに簡単に侵入を許してしまうだろう。
 それに大型店は既に略奪にあってるかもしれない。おとなしい日本人といっても、こんな時は誰もが凶暴になってもおかしくない。 コンビニなら、出入り口に車を横付けして塞いでしまえる。あとはじっくり商品を選べるだけ選んで持っていこう。
「金は払うのか?店員いたら面倒だろ。まさか強盗みたいな真似は出来ないし」
 俺の案に大村が補完をしてきたが、そこは当然考えてある。
「もちろん人がいりゃ金は払うよ。居なければまあ…持っていき放題かな?」
 ちょっと楽しみになってきた。俺ってば犯罪者の素質あるのかな?と思ったら大村も少し楽しそうだった。悪戯しようとしてる子供みたいに、ワクワクしてる俺達だった。
 ややあって前方にコンビニ確認。予定通り助手席側をドアギリギリにつけ、自動ドアが開いた瞬間二人共車を飛び降りる。運転席はロック済み。
 互いにカバーしあえる位置に立って武器を構えたが、ゾンビどころか店員の姿も見当たらない。 店内を見渡すと多少棚が荒されていたから、先客がいたようだ。
 場所を移動してみたら大きな血溜まりができていたけど、その血を流したであろう人物の姿は見当たらなかった。


終わり。ではノシ

211 :本当にあった怖い名無し:2006/07/13(木) 20:27:52 ID:Cd8QyCWH0
我流さん 乙です。

微妙にスリリングでハラハラドキドキw

212 :木村:2006/07/13(木) 21:52:47 ID:VebcjgDr0
我流さんお疲れ様です
コンビに入った2人がどうなってしまうのか楽しみです

213 :本当にあった怖い名無し:2006/07/13(木) 22:17:19 ID:bq6SGd5i0
>>我流さん
乙です!終わりって…もちろんまだ続きますよね?

214 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/13(木) 22:29:32 ID:rMMM8XDiO
>>211-212ノシどうもw
>>213勿論www
ちなみに、もうすぐ2章を終りにしようと思います。ではまたノシ

215 :本当にあった怖い名無し:2006/07/14(金) 00:19:25 ID:uuXdALIy0
良かったwwwこれからも頑張ってくださいね!

216 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/14(金) 19:53:49 ID:7DvvtteFO
で、頑張ってみたわけです。ご覧ください。

 その血溜まりを目にした瞬間、俺の中の警報が激しく鳴り始める。これはひとまず大村を呼ばなきゃ。
「おい大村、ちょっとこっち来い、静かにな…」
 俺は声を潜めて呼びかけた。こっちのの緊張が伝わったらしく、大村も真剣な表情で隣に並ぶ。手にはカゴ一杯の食料品。仕事がお早いことで。
「これ見てみ」
 おれが下を示す。そして大村は足元の血溜まりを目にした。
「おいこれ…。こんだけの血が流れてんだから相当大怪我してんじゃないか?なんでこの場に居ないんだ?」
 その疑問は俺も感じた。なにしろこの血の量といったら、床の一角一面に広がる程だったんだ。これだけ血を流して動けるもんなのかな?
「あれ見てみろ」
 床を一心に見つめていたら不意に声をかけられ、大村を振り返ると、血溜まりの先を指差していた。
 その指先が示す方向をゆっくり見やった俺は、床に転々と残る血の跡と、赤い靴跡の両方を確認した。
 足跡は店の奥に続いているようだ。入り口を確認したが、そちらには足跡がない。もしかしてこれは…。
 俺達は顔を見合わせ、ゆっくりと頷いた。そして血を踏まないよう気をつけながら、足跡を辿る。
『STAFF ONLY』
 そう書かれた扉の前に立つと、中からカタカタと何かが動く音が聞こえた。


217 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/14(金) 19:56:24 ID:7DvvtteFO
 居る。間違いなく誰かが中に。ゾンビか?それともあの血を流した人物か?…若しくはその両方、血を流した人物がゾンビになってしまった可能性。
「どう思う?」「まあ、その最悪の可能性が高いよな」
 大村に尋ねると、やはりその結論に辿りついたみたいだ。闘うか逃げるか、普通なら逃げるべきだ。
「こっそり食料と水を確保して逃げよう。闘う危険を犯す必要ないだろ」
 俺の提案に賛成した大村は無言の頷きを返すと、別のカゴを持って静かに食料を集めだした。俺は持参したボストンバックに水、スポーツドリンク、お茶をやはり静かに突っ込んでいく。
 必要な分は集めたのでもういいだろうと思い、大村に声をかけようとした瞬間だった。
 バターーン!!
 いきなり扉を開け放ち、店員の制服を着た人物が飛び出してきた!
 ゾンビかどうか確認する暇もなかった。そいつは一番近くにいた俺に問答無用で襲いかかってきたからさ。
 とっさにバックを盾にしたけど突撃の勢いが凄かった。俺はバックごと後ろに吹っ飛ばされてしまった。
「ぐぅっ!いってぇ〜!」
 背中を強打し、さらにバックが腹の上にドスンと乗る。一瞬息が苦しくなって動きが止まってしまった。
 それを見逃さないとばかりに店員が馬乗りになり、バックをはさんで手を顔面に伸ばしてきた。
 やばい!!一気に不利な体制に持ち込まれてしまった!食われるのか!?
 相手の大口が迫ってきて、やはりゾンビだったかと、半ば死を覚悟した時だった。
「おおぉらあああぁぁぁぁっ!!」
 ゾンビはいきなり横に吹き飛んだ。見上げると大村の脚が高々と上がっている。渾身の蹴りを喰らわせたんだ。助かったぜ大村!
「サンキュー、マジに助かった。ちょっと死ぬかと思ったぜ、クソッ!」
 悪態をついて立ち上がる俺を支えながら命の恩人は武器を構えた。
「大丈夫か。やっぱそううまくはいかないよな。よっしゃ、闘ってやろうじゃない」
 そう言い放ち不敵な笑みを浮かべた大村を見て、頼もしいんだか危ないんだかと、判断をつけかねてしまった。

218 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/14(金) 19:58:48 ID:7DvvtteFO
 俺も落としたバットを拾い構える。まただ。こいつらには危機感とか慎重さとかいうのないのね。ただ前進有るのみって感じ。両手を上げてこちらに向かって来る。
 冷静になればこんなやつは敵じゃない。なにしろ単調な攻撃しかしてこないんだからね。
「大村、右!」「おぅ、左!」
 掛け声と同時に俺は右、大村は左に駆け出した。ゾンビはいきなりの行動に驚いたのか(そんな思考がまだあればだけど)どちらに手を伸ばすべきか迷っているようだ。
 その一瞬の隙を見逃さない。さっきのお返しだぜ!まずは脚、振り向いたところを膝に痛打。ゾンビは両膝を砕かれ床に倒れた。体を腕で支えて腕立ての姿勢になったが、続けて肘を殴りそこも折れた。
 腕も足も壊されて身体だけでもぞもぞ動き続けてる。…少し気分が悪い。
「もういいよな…?行こうぜ」「ああ…」
 俺達は急に陥った暗い雰囲気の中、その場を立ち去ろうとした。意識的に『トドメを刺す』という行為を忘れようとしたと思う。ゾンビになったとはいえ、元は人間なんだ。それはつまり『殺す』ということ。
 相手の骨を折るだけでもこの胸糞悪さだぜ?殺すなんてできるわけなかった。俺も大村にも、そんな覚悟は抱けなかったんだ。

219 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/14(金) 20:01:24 ID:7DvvtteFO
 倒れたゾンビが発する気分の悪くなるうなり声を無視して、荷物を手に取る。「食料それで十分か?一旦車に置いてもう少し持ってこうか?」
 事務的に問うと、大村も事務的に返してきた。
「ああ、念のためもっと運んでいこう。電気無しでも食えるやつがいいんだよな?」
「ん、最悪ガスコンロとかで温めるからな。そっちのがいいね」
 そう言って大村の方を向いた時、俺は信じられない物を見た。
 ゾンビが、さっきまでは3mは離れていた筈だったのに、いつの間にか大村の足元まで移動していた。音も気配もなく。
 いや、もしかしたら音はしていたのだろうか。二人共さっきの行為を忘れようと、こいつを意識から外していたから気付かなかったのかもしれない。
 そこからは世界がスローモーションになった。ゾンビの口は大村の足首へと真っ直ぐに向かっていく。その口内までがはっきりと見え、その禍々しい赤に寒気を覚えた。

「やめろぉぉぉ――――――!!!」

 俺は、我を失ったかのように叫んだ。



終了。ではノシシ

220 :本当にあった怖い名無し:2006/07/14(金) 20:04:55 ID:62yRWpTD0
お疲れです。
大村がそうなってしまうかが気になります

221 :本当にあった怖い名無し:2006/07/14(金) 20:39:11 ID:x3iG//u5O
ヒデェ! なんてとこで終わらせてくれるんだ。気になって仕方ないジャマイカ。
激しくGJです。

222 :本当にあった怖い名無し:2006/07/14(金) 21:23:02 ID:6W2+VlCu0
お久しぶりです。
139〜を書いている者ですがどうにも詰まったので
サウスカロライナのゾンビ掃討戦辺りの短編を書いてみようと思います。

主役は北方軍にすべきか特殊作戦軍にすべきか迷うところですが
いきなり特殊部隊ものに変わってもアレなので北方軍でいってみます。

223 :通勤電車男:2006/07/14(金) 22:48:48 ID:5Ung8ABdO
木村様・我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
木村様、とりあえず現場に到着しましたが巡査長、殺る気マンマンですね(^_^;)。
我流様、相変わらず見事な連携な二人ですね!。
そして話の切り方も。うぁ〜!き〜に〜な〜る〜~ヽ(>_<)ノ~!。
139(国防)様、米国の火力に期待しております('◇')ゞ !。
暑さを忘れさせる作品の投稿ありがとうございました!。
続編の投稿お待ちしております!!。

224 :木村:2006/07/15(土) 22:32:58 ID:MXyfln9C0
続き書きます。

俺と川上巡査長は市民に襲いかかっているやつに近づいた。
「無駄な抵抗はしないで、手を頭の上に上げ地面にひざを付けなさい 。」
一応、警告を言ったもののやつは聞く耳持たずに市民を襲っている。
「も一度言います。無駄な抵抗はしないで、手を頭の上に上げ地面にひざを付けなさい。」
そしてやつはようやくこちらに気づいた。
そして手を前に出し、こちらに向かってきた。
「川上巡査長、発砲を許可してください。」
「仕方ない・・・発砲を許可する。」
俺は、拳銃を出し上に向けて威嚇射撃を一発撃った・・・しかしやつは何も無かったかのようにこちらに向かってきている。
もう一発を足に撃った。やつは倒れたが地面にうつ伏せになりながら手を動かしてこちらに向かってくる。
とても人間とは思えない生命力だ。もう一発やつの頭に向けて撃った。
今度は動かなくなった。突然、無線に連絡が入った。
「こちら○○通り。人が人を食べている。応援を頼む。繰り返す。こちら○○通り。人が人を食べている・・・く・・く、くるなーうあー」
そして、数分後山田と応援の警官が4名来た。
「川上巡査長いったん、交番に戻って情報の整理をした方がいいと思います。」
そして川上巡査長、計6名ハいったん交番に引き返した。


225 :空中ぶらんこ:2006/07/16(日) 00:13:40 ID:v3UYvo66O
短文駄文投下したいと思います。



閉じ込められた。
この街に。
そしてこの装甲車に。

全国各地で発生した未曾有の同時多発的大規模暴動。
壊滅的な被害を受けた警察に代わり自衛隊による治安出動。
しかし暴徒の正体がゾンビであり頭部を撃ち抜かなければ活動を停止させるのが困難である事が判明した時、、
我々自衛隊は大多数の隊員と装備を失っていた。
「いいかオマエら。外へ出たら固まって移動するぞ。目標は正面ビル。ゾンビ共の頭を狙え。セレクターは3点射に固定。弾薬を節約しろ。味方の背中を撃つなよっ!。大丈夫。ビルまで行けば必ず助かるっ!。」
錬度の低いパートタイムの隊員−即応予備自衛官−達に言い聞かせる。
何度となくゾンビとの消耗戦を行いフルタイムの隊員は僅かしか残っていない。
そうでなければ入隊して1年にも満たない俺が班を指揮するなんてありえなかった。
俺は予備自衛官8人を率いて96式装輪装甲車による威力偵察を命じられた。
しかし突然飛び出したゾンビを轢いたドライバーがパニックを起こし暴走。
装甲車は片輪を放置車両に乗り上げ横転して止まった。
ショックで無線器は故障。
覗き窓から外を見る。
50メートル先の雑居ビルまで行けばなんとかなるかも知れない。
少なくともこのまま死を待つよりマシだ。
かなりの数のゾンビが寄って来ていた。
しかし大半はドライバーの死体に群がっている。
クソッたれドライバーは一人だけ真っ先に逃げ出しゾンビの餌食となったのだ。
出るなら今しかない。
「行くぞっ!。」
後部ハッチを開き外へ出る。

226 :空中ぶらんこ:2006/07/16(日) 00:15:42 ID:v3UYvo66O
正面にいたゾンビに対し引き金を引く。
89式小銃の3点射の発射音が小気味よく響く。
他の隊員も寄って来るゾンビ共に発砲し一丸となってビルを目指す
ビルの鍵を破壊し扉を開けようとした時、
「班長!。斎藤が!!。」
皆から落伍した1番若い予備自衛官の斎藤がゾンビに囲まれていた。
引き攣った顔で弾装を交換する事も忘れ小銃の引き金を引き続けている。
俺は斎藤を助けに戻った。
小銃のセレクターを連射にしゾンビ共を掃射した。
何とか間に合った。
斎藤を助け起こしたその時、俺の左足に痛みが走った。
留めを刺しそこねたゾンビに噛まれたのだ。
それが何を意味するか俺には解っていた。
多くの仲間達が受けた死刑宣告。
斎藤に皆のいるビルに向かいバリケードを作り救助を待つよう指示。
俺はゾンビを引き付ける為、ビルと反対方向に出来るだけ派手に発砲しながら走った。
全ての弾装を使い切ってやっと建物の陰に逃げ込んだ。
ゾンビ共が迫って来ている。
俺は胸ポケットから一発の弾丸−自分用の一発−を取り出しマガジンに詰めた。
最初から奴らの仲間になるくらいだったら自ら死を選ぶつもりだった。
何故か心は穏やかだった。
もしかして俺もゾンビ共も望みは同じかも知れない。
俺は、、俺を閉じ込めていたこの街からやっと開放される、、。

227 :空中ぶらんこ:2006/07/16(日) 00:23:25 ID:v3UYvo66O
以上です。
えーと、89式小銃のエアガンを買いまして。
あまりの出来のよさから勢いだけで短文駄文書きました。
ゾンビが標的になっているだけの申し訳のない駄文です。
すみません。

228 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 00:25:31 ID:y1V5GeQrO
>>空中ブランコさん
いや、こういう話大好きです!89式いいなぁwww
お疲れさまでした!

229 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/16(日) 00:29:32 ID:y1V5GeQrO
よっし、じゃあ俺も投下します。2章ラストということで。
大村君はこうなっております。↓

230 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/16(日) 00:31:26 ID:y1V5GeQrO
 『ゴチュッ!!』

 今までに聞いた事のないような音と共に、経験した事のない感触が手の平から伝わってきた。その手の先にはバットと、潰れて赤い何かを撒き散らしたゾンビの頭。
『俺は今何をした?この腕は…バットを振り降ろしたのか?』
 自分の行いが判然とせず記憶を振り返るが、全く覚えていなかった。頭の中がグルグルと回っているような感覚を覚えた。
「三枝……」肩にそっと手を置かれ我にかえる。大村が心配そうな顔で俺を見ていた。
 もう一度ゾンビを見るが、ピクリとも動かない。バットの先は血で赤く染まり、ぬめりのある肉のような物が辺りに飛び散ってる。これは脳味噌か…?まじまじと見つめ続けていたが、何も考える事ができなかった。
「三枝、大丈夫か?顔色が悪い…」
「これ…俺がやったのか…。殺しちゃったのか、俺」
「いや、うん…。でもさ、ゾンビになってるんだからもう死んでたんだぜ?だから殺したとは言えないかな…」
 いくらか冷静さを取り戻し、思考ができてきた。元は人間だし、動いていたということは生きてたということなんじゃないのか?それに虫を殺すのとは違う。化物でも人としての原形は留めているんだ。すぐには割りきれない。大村の慰めも今は意味がなかった。


231 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/16(日) 00:33:05 ID:y1V5GeQrO
 そうだ、大村の足…。ふと思い出して尋ねる。
「お前…怪我は?」
「あ…大丈夫だ。お前のお陰で無傷だよ。有り難う、ごめんな…」
 大村の足を観察すると、返り血でいくらかパンツが赤くなっていたが、確かに怪我はしていないようだった。ひとまずはそれだけでもよかったと胸を撫でおろす。
 今は駄目だ。殺したとか殺さないとか、倫理観なんて考えちゃいけない。考えたら動けなくなってしまう。まずは無事に家に戻る事が最優先項目だ。意思を強固に持て。状況のみを認識すべきなんだ!
 無理矢理にそう思い込む。常に冷静が俺の信条だ。大丈夫、乗り越えられるさ。こんなのはたいした事じゃないんだ…。
「行こう大村。荷物を車に積んでくれ。もう少し集めたらすぐにここを離れよう」
「え、ああ、そうだな、そうしよう。大丈夫か?」
「俺は平気だよ。今は一刻も早く家に戻らなきゃな」
 大村はまだ何か言いたそうに口を開きかけたけど、俺はそれをまたずに車にバックを運びこんだ。タイミングを逸した大村も黙って荷物を運び始める。
 バットはその場に捨てていった。血と脳漿がべったりとついた物なんて持っていたくなかったんだ。
 車に乗り込み、来たときとは打って変わった静けさが車内を包む。暗い雰囲気をさらに強調するかのような薄暗い電灯の灯りの下、俺は黙ってハンドルを握り絞めた。

232 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/16(日) 00:35:54 ID:y1V5GeQrO
 行きと同様に帰りも順調かと思っていたけど、甘かった。一方通行の道に入ってしばらくすると、前方にゾンビ共が10人程の群れを作っていたんだ。
 正面突破はできそうもない。人数が多すぎたし、軽自動車で当たっていくにはパワーが足りない。いや、本当は俺は恐れていたんだ。心の何処かで、また誰かを殺してしまう事を。
 脇道に逸れ、家々の間をできるだけ急ぐ。遠回りになってしまうが仕方ない。しかし二車線に出てすぐに窮地に陥った。
 道路の真ん中でトラックが横転して道を塞いでいた。周りには乗り捨てられた車とゾンビ達。
「こっちも無理だ!Uターンして別の道を行く!」
「でかい道路は駄目みたいだぜ?家に戻れそうか?!」
「大丈夫だ。人通りも車も少ない道がある。結構広い。少し飛ばすぞ!」
 ゾンビが車に向かってきたが、追い付けるわけがない。そいつらを尻目に車はスピードをあげる。あっという間にミラーから消えていった。
 途中で人かゾンビか判別できなかったが、手を上げてこちらを呼ぶような人もいたけど、かまっている余裕はなかった。
 こっちもギリギリなんだ。大村も拳を握り絞めて堪えていた。
 やがて車は目的の道路に入り、見回すと案の定人影は見当たらない。ほっと一息つき、自分が酷く汗をかいている事に気付いた。
「大村、エアコンつけてくれ」
 大村がエアコンをつけ、それが効いてくるまでは窓を開けようと、スイッチを押す。
 外の空気が入った瞬間だった。あまりの生臭さに息がつまる。
「なんだこの匂い!窓閉めよう!」
 すぐにスイッチをまた押して窓が半分程閉まった時、前方からもの凄い音が聞こえた。何かがぶつかって潰れたような…。
「今の聞こえたか?」「ああ、なんだろうな」
 しばらく行くと、答えはすぐに出た。一台の車が電柱に突っ込んでいたんだ。
 その後ろに車を止め、様子を窺う。車の下から人の足がのぞいていたが、動く徴候はない。
 俺は大村に頷きかけて車を降り、事故車に近づく。後部には人は居ない。運転席を見ると女性が一人、作動したエアバックにうつ伏せの状態でいた。
 肩が上下していたので生きてはいるようだが、声をかけても反応がない。気絶しているだけのようだった。

233 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/16(日) 00:37:52 ID:y1V5GeQrO
こうなりました。2章完であります。今までのを読み返してみると、たまに変な文脈もありましたが勘弁してくださいm(_)m

ではまたいずれノシシ

234 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 01:19:47 ID:JInq2R/00
我流さん乙

なるほどね、、、

235 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 01:44:34 ID:vGcob0910
私も小説書きたいと思うんですけど、今までと違うタイプのゾンビが出てもいいん
でしょうか?
無駄な質問すみません;



236 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 02:19:23 ID:mSYK3Xfc0
ある程度話を考え、投下しようか考え中です。
なかなかゾンビが登場しない上に、メインではなく殆ど物語の背景として
描かれてるような話でもよろしいでしょうか?

237 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 06:47:40 ID:v97WPgHUO
空中ブランコ
面白い話でした。
ただ一つだけ誤解している所があります。
即応と予備は非常時の場合でも階級が上ならば常備を指揮できます。


238 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 09:01:29 ID:Iy6Usqxg0
>我流さん

乙です

>>235-236

投下マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

239 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 13:03:40 ID:bfTd+3yZO
作家サマ方!休日のまったりした一時に緊迫と緊張、期待でドキドキしました。ありがとう。続きも確かに気になりますが、あまり無理なさらずに、楽しませてください。

240 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 15:39:22 ID:8QSCpNMiO
作品以外はなるべくsageて下さいね。

241 :空中ぶらんこ:2006/07/16(日) 17:37:08 ID:v3UYvo66O
>>237
ご指摘ありがとうございます
やっぱりやらかしていたかorz
ハイポート走いってきます

242 :本当にあった怖い名無し:2006/07/16(日) 19:31:30 ID:574LcsW20
>>空中ブランコさん
>>237を別にするとサイコーでした。
軍ヲタの自分はこういう自衛隊モノにすっごく萌えます。

243 :通勤電車男:2006/07/17(月) 00:11:29 ID:BTTqz0BjO
木村様・空中ぶらんこ様・我流様、続編&短編の投稿お疲れ様です!。
木村様、巡査長、死体そのままデスヨf^_^;。
空中ぶらんこ様、予備自衛官をもってくる辺りが通好みですね!。
勇敢な予備自衛隊員の散り際は潔く、一種の爽やかさすら感じました。
我流様、大村君無事でしたか..(^-^)。何はともあれ無事で良かった。
そしておもむろに謎の美女(?)登場で第二章ENDですか...。
またエラく先が気になる終わり方だなー、
一章のキャラとどう絡むのカナ〜('◇')なんてボーっと考えていた所、
久々に電車降り過ごしました..onz。
続編&新作の投稿ありがとうございました!。続編の投稿お待ちしております!。

244 :239:2006/07/17(月) 20:47:35 ID:oHqWQxPLO
お約束忘れてました。すみません。吊ってきます。皆様、私ガ、ゾムビになつたら、頭を・・・。ヤツラのなカマに・・・。

245 :本当にあった怖い名無し:2006/07/17(月) 20:58:46 ID:Xl4Mhqw00
(´・ω・`);y=ー☆     ( ゚д゚)・∵. ターン
                 ↑>>244

許せよ・・・

246 :本当にあった怖い名無し:2006/07/18(火) 10:48:56 ID:27L/+Z1s0
サウスカロライナ州の変異性エボラウイルス汚染。
この情報は連邦政府に多少の動揺をもたらしたがその後の対応は落ち着いたものだった。
既にありとあらゆる事態は想定されており今回の汚染も予想の範囲内だった為だ。

まず、事態発生直後に州全域に非常事態宣言が出され
直ちに軍・警察の主導で州外への民間人避難が行われた。

―9月17日のCNNで放送された番組より
「サウスカロライナ州に変異性エボラウイルスの上陸が確認されました。
連邦政府はこの事態を受け、サウスカロライナ州に非常事態宣言を発令。
現在軍及び警察の主導で避難が行われています。
先程から繰り返しお伝えしていますが変異性エボラウィルスは空気・飛沫感染しません。
感染はゾンビに噛まれる事でのみ発生しますので極力近づかないようにしてください。
万が一の場合銃による攻撃も有効ですが、頭部を破壊するか焼却しない限り
動き続けますので接近しないようにして直ちに避難してください。」


この時に陸軍伝染病医学研究所が開発したウィルス簡易検査キットが活躍している。
指の先から少し血液をたらすだけで簡単に感染の有無が判明するこのキットは見た目には傷が見当たらない感染者の識別に大いに威力を発揮した。
それでは万が一自分が感染していた場合にはどうなるのか?
良くて隔離、悪ければ即時射殺となる。
射殺とは非情なようだが輸送中に内部感染されてはたまらない。
有効な治療・発症防止法が無い今ではこれが最良だった。
これも、また欧州での感染拡大から彼らが得た教訓の一つである。
その後民間人の避難が完了し次第、警察・軍の順で退避が進む事となる。


247 :本当にあった怖い名無し:2006/07/18(火) 10:51:01 ID:27L/+Z1s0
なお、この時点での推定感染・発症者数は民間人1309名と警察官12名に留まっている。
警察官は退避の遅れからであり、民間人の大半はウィルスに感染した家族や患者等を
看護している最中に相手が発症し自らも噛まれるというパターンだった。
中には動きが遅いからとゾンビを撃ちにいった挙句に噛まれた愚者もいないではない。

推定感染路はアフリカからの貨物船内部に侵入していた
感染者を含む密航者グループを発端として船内で感染拡大、感染した船員が病院へ
搬送された後に医療関係者や家族へ伝染し、周囲へ徐々に拡散というものである。

また、ここまで被害が抑えられた理由としては
・ 連邦政府によるウィルスに関する知識の周知徹底
・ 連邦政府の対応の素早さ
・ アメリカ社会の特性
の3つが主なものであろう。
ここで3番目について少し説明させて貰いたい。


とりあえずここ迄です。
思いつきから書いてみたものの政府・軍制度や一般家庭での銃の取り扱い、
住民の自衛意識、警察官の行動、アメリカ国民の考え方、州の自治権等
調べているうちに文化の壁の厚さを思い知らされました。


248 :本当にあった怖い名無し:2006/07/18(火) 12:56:38 ID:rFk68l82O
乙!思いつきでこんなん書けるのがすごいwwww
続きに期待wktk

249 :本当にあった怖い名無し:2006/07/19(水) 01:27:33 ID:3093Il130
物語作品というよりは状況整理、資料として価値ありそうだな。

とりあえず捨てハンでもいいからコテハン作ってくれ。

250 : ◆YmGr2FP9X2 :2006/07/19(水) 06:02:21 ID:yN/1fSC70
捨てを付けてみました。

>>249
ええ。
本来は一人称か三人称で物語形式として書いているのですが
所謂物語とは違うものを目標とした実験的作品の意味も含まれています。
あっちの世界では「人類vsゾンビ」みたいなタイトルで
一連の事件後にこんな感じの内容の本が発売されているんじゃないかなぁ、とか。

251 :本当にあった怖い名無し:2006/07/19(水) 22:09:49 ID:BLivhisfO
空中ブランコさんの作品読んでて思った




まこしろさんまだかなあ
でも、家族とお仕事を優先させて下さいね

252 :木村:2006/07/19(水) 22:24:12 ID:7WIqxeL+0
川上巡査長、計6名は交番に退き返すまでに何人もの市民に会ったが、何も聞かれなかった。
もしかしたら、ここは比較的暴動が起きていないらしい。なので何事もなく交番にたどり着いた。
「川上巡査長、これはどういうことですか?なんで人が人を食べているではないですか。これは暴動なんかじゃないですよ。
あれは・・・ゾンビに見えました。」
交番に入った山崎が言った。
「わからん。まずは、状況の整理が優先だ。山田お前が交番にきたときは周りはどうだった?ゾンビみたいのはいたのか?」
「自分が来たときには何もありませんでした。ただ帰宅途中の学生、サラリーマンが多くみられました。」
山崎はすぐに電話を取って、警察署に電話を掛けた。
「こちら○○警察署です。どうしました?今こちらは忙しいんですよ。」
「○○交番の山崎です。さっきゾンビみたいのが出て、市民2名が襲われて亡くなりました。指示を下さい。」
「そっちにまで出てきたのか・・・・・」
「へ?そっちまでとは、どういったことですか?」
「いやこちらのことだ、きにしないでくれ。」
「指示は、市民を指定避難所まで誘導だ。以上」
「ちょ・え?待って下さい。」
電話からの声は聞こえなくなった。
「山崎どうした?上からの連絡はどういったものだ?」
さっきまで、部下と話していた川上巡査長が聞いてきた。
「上からの指示はこういったものです。我々は市民を指定避難所まで誘導しろといった指示です。」
「それだけか?」
「それだけです。」
ちょうどそのころ時間は午後6時を過ぎていた・・・・


253 :本当にあった怖い名無し:2006/07/19(水) 23:03:29 ID:5aGYs6ZkO
木村さん、うpする前に一度読み返してチェックした方がいんじゃね?。
誤字、文法の間違いが前から多いよ。

254 :本当にあった怖い名無し:2006/07/19(水) 23:54:45 ID:phoFx3Ya0
できればまとめてうpしてほしい、、、、

255 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:38:47 ID:Q06tOGdo0
時刻 5:30

ヘリは東京湾の横断して一直線に横須賀を目指した。
海上から見える東京の明かりはまばらで、世界有数の大都市・東京の姿とはとても思えない。
あのわずかな光の下で生き延びている人々がいるのだろうか・・・

「燃料は大丈夫?」
「満タンにしてありますが、全速ですからけっこう食いますね。」
「海自艦隊の位置は?」
「座標を確認して登録してありますから大丈夫です。最低限、そこまでは飛べるように設定してあります。」
「さすが最新鋭は違うね。そんなことまでできるんだ?」
高井は感心したように言うと、ずっと持ちつづけていたバッグの中を確認しだした。
「散弾銃の弾ですか?」
「そう。もらった弾を確認しておこうと思ってね。最後はコイツを使うことになるだろうな。」
「89式はダメですか?」
「ダメじゃないけど、イザって時は使いなれたのが一番ですよ。AKがあれば話は別だけどね。」
高井の言葉にヘリの中の全員が苦笑した。使い慣れた銃が「AK」というところがさすがに元「傭兵」である。
「佐竹一尉。すでに我々の機は横須賀でとらえられているはずです。無線で呼びかけてみますか?」
「そうしてくれ。返信がなくても呼びつづけるんだ。」
日高は周波数帯を米軍バンドに合わせると、マイクに向かって呼びかけた。
「こちら陸上自衛隊・木更津戦闘ヘリ団所属ヘリ。横須賀米海軍艦艇、応答願います。」
何度も呼びかけるが返信はない。ノイズが聞こえてくるばかりである。

256 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:39:38 ID:Q06tOGdo0
「こちら陸上自衛隊・・・」
「・・・・・・ザ・・・横須賀米海軍所属・・・中尉・・・ザ・・・・・・・・・・・・せよ・・・」
諦めかけていたところに聞こえた声。日高は興奮気味に叫んだ。
「聞こえます!こちら自衛隊機!応答願います!」
「よく聞こえる。着艦を許可する。降りられるか?」
「了解。こちらの指揮官と代わります。」
佐竹はヘッドマイクを着けると話し始めた。
「私は陸上自衛隊東武方面隊所属、佐竹一等陸尉です。そちらの指揮官と話がしたい。」
「指揮官は私です。一尉。米海軍ジョージ=ピーターセン中尉です。」
その言葉を聞いた高井は驚きの表情を見せた。
「ピーターさん!ピーターさんか?俺だ!高井だ!」
「タカーイサン!本当にタカーイサン?どうしてそこに?」
「いろいろ訳があってね。ピーターさん、ブルックナー大佐っていうのが指揮官じゃないのか?」
「どうしてそれを?」
「海上自衛隊のヘリからの報告を聞いたんだ。俺達は米軍が日本本土を攻撃しようとしているのを止めるために来たんだ!」
「そこまで知っているんですか・・・。ブルックナー大佐は亡くなられました。」
「何だって!?そいつが中止コードを知っているはずだが・・・」
「そう。だから、私も聞き出そうとした。この事態はすべて大佐が仕組んだことだった・・・
大佐が不正に命令システムにアクセスし、偽の命令を出したんです。」
「詳しいことは後でいい。とにかく、攻撃を中止させる方法を知りたい!どうすればいい?」

257 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:40:15 ID:Q06tOGdo0
「攻撃命令は各艦艇のシステムに直接、伝達されている。時間になれば自動的に巡航ミサイルが発射されるようになっている。」
「防ぐ方法は?」
「どの艦がミサイルを発射するのか分かりません。分かったとしても、その艦を撃沈でもしない限り、防ぐのは無理です。」
「中止コードが分かれば?」
「それなら攻撃は中止される。だが、コードは大佐以外に知らない。大佐が出した偽の命令記録でもあれば話は別ですが・・・」
「それだよ!それ!大佐は指令システムにアクセスしたなら、コンピューターにデータが残っているだろう?それを探し出そう!」
「しかし、それには基地に戻らなければ・・・基地は『感染者』で溢れています。不可能です・・・」
「どれくらいの『感染者』が侵入している?ピーターさん、俺達は日本を守らなきゃいけない。まだ、国内にはたくさんの生存者がいるんだ。」
高井は声を荒げる。橋本達は高井とピーターセンのやりとりを緊張した様子で見守っていた。
「我々が脱出する際で千以上。今現在はどれくらいかは・・・」
「基地内に残っている者はいないんだな?」
「かつて『いた』としても、今は『いない』でしょう。」
「基地に入ることは可能か?可能なら、俺達が行く!コンピューター操作に詳しい人間を一人貸してくれ。必ず、コードを見つけてみせる!」
もちろん高井にコードを見つけ出す確信はなかった。しかし、今、米艦隊の攻撃を止めることができる最後の手段はこれしかない。
しばらくの沈黙の後、ピーターセンが返事をした。
「わかりました。いいでしょう。基地へ案内します。」
その時、ヘリは準備揚陸艦の上空に達していた。

258 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:40:55 ID:Q06tOGdo0
時刻 5:30(同時刻)

「司令、攻撃開始時刻まであと1時間です。」
林一佐は決断を迫られていた。現状において中止コードを知る術はない。
米軍の攻撃から日本の本土を守るためには、米艦艇を撃沈する他にはない。
しかし、確実に撃沈できる保障はなく、こちら側にも甚大な被害が出ると予測された。
あと一時間・・・

林は意を決して命令を下した。
「米艦隊に発信。
『貴艦隊が0630をもって日本本土に対して攻撃を行うものであれば、当艦隊は全力を挙げて阻止行動を行うものなり。
展開中の全艦艇に攻撃待機命令を発令中。攻撃に関し再考されたし。』
以上だ。また、全艦艇に通達。
『我が艦隊は0625をもって米艦隊に対して全力攻撃を行う。総員、奮闘せよ。』」
命令を下すと林は疲れ切った表情を見せ、指揮官席にどっと座りこんだ。
「もう、これしか方法はないのか・・・」

259 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:41:41 ID:Q06tOGdo0
時刻 5:30(同時刻)

ポンさんの容態はわずかな時間にもかかわらず、見る見る良くなっていった。
完全に感染していない生体に対して抗ウィルス剤が有効であることが証明されたのである。
一方、感染者に対して、直接的に抗ウィルス剤が効果を発揮するかどうかは未だに分からなかった。
「宮本さん、本当の『感染者』にも効くんでしょうか・・・?」
「さあ・・・ただ、効果があることは証明されたのだから、今の時点で感染の拡大は防げる。それだけで十分です。」
「そうですね。まさか『彼ら』がここまで泳いでくるわけでもないでしょうし。」
二人は時折、ポンさんの様子を気にかけながら、抗ウィルス剤の複製を続けた。

「宮本二佐はおいでなりますか?」
医務室の扉をノックする音ともに声がする。
「どうぞ。入りたまえ。」
扉が開き、一人の下士官が部屋に入ってきた。
「どうした?」
「陸自基地より搬送した民間人の中に体調の不良を訴える者が出始めました。対応をどのようにすればよいかと。」
宮本と久米は顔を見合わせた。
「今、抗ウィルス剤を複製している。これを体調の悪い者から優先的に投与してくれ。すぐに回復するはずだ。」
「わかりました。医務官に取りに来させます。」
そう言うと下士官は部屋を出た。
「間に合ってよかったですね。お嬢さんに感謝ですよ。」
久米の言葉に宮本は黙ってうなづいた。

260 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:42:38 ID:Q06tOGdo0
時刻 5:45

準備揚陸艦にヘリが着艦すると、すぐに数名の兵士が近づいてきた。
その姿を見た高井はヘリを降りて出迎える。
「ピーターさん!よく無事で!」
「タカーイサン!すぐに基地へ向かいましょう。ワタシとフォーリー准尉が一緒に行きます。」
「アンタ、指揮官だろ?残らなくていいのか?」
「大丈夫デス!このフォーリー准尉は基地本部のシステム管理をしています。
大佐のコンピューターにアクセスできるのは彼だけです。」
「残り時間がもうない。急いで行こう。ただ、基地は『ヤツら』で溢れているかもしれない。
そうしたら、我々も無事ではいられないだろうが・・・」
「それは覚悟しています。大丈夫!タカーイサン!それにしても変わった装備ですね?」
ピーターセンは高井達の特殊戦闘服姿を見て言った。
「自衛隊の基地で開けられもせずにホコリかぶってたのを引っ張り出したんだよ。」
高井はにやりと笑って言ってみせた。

ピーターセン中尉とフォーリー准尉を乗せてヘリは飛び立ち、一路、横須賀米海軍基地を目指した。

261 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:44:10 ID:Q06tOGdo0
時刻 5:50

米太平洋艦隊空母 エイブラハム=リンカーン 戦闘指揮所

「ラインガー中将、予定時刻まであと40分です。巡航ミサイルはオートシュート(自動発射)に設定されています。」
「ロジャース中尉・・・全艦艇に搭載されているミサイルの弾頭変更にはどれくらいの時間がかかる?」
「は・・・?と言いますと?」
「私はいくら命令とは言え、同盟国である日本に、いや、たとえ同盟国でないとしても核攻撃を行うことはしたくない。」
「しかし、これは命令です。我々の判断で中止できるものでは・・・」
「分かっている。米本土でも一部の都市に向けて極地核が使われた。『感染者』を掃討するためとは言え、
同時に多くの国民を犠牲にした。これ以上、犠牲者を増やすことはしたくないんだ。
なんとか攻撃を回避する方法はないか?」
「命令は直接、戦闘指揮システムに送られています。どの艦から、何基のミサイルが発射されるのか、
ここではわかりません。」
「だから、弾頭だけでも変更ができないか?」
「それでは・・・」
「命令不服従であることは分かっている。その責は私が被ればいい。弾頭変更に要する時間は?」
ロジャース中尉は少し考えたあとに言った。
「最も多くのミサイルが発射可能なのはイージス艦『レイクエリー』です。同時に8基が発射されます。
ですから弾頭変更は最大8基となります。弾頭本体の変更は大変ですが、信管を作動させないようにするだけならば
1基当たり5分程度で可能です。0630には自動的に発射されます。やるならば、急がなければなりません。」
「できるか?できるならば、全艦に命令を出してくれ。」
「了解しました。・・・日本の自衛隊がどうにかして中止コードを見つけ出してくれれば・・・」
「それに期待したが・・・もう無理だろう・・・」
ラインガー中将は遠くを見つめながらつぶやいた。

262 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:45:14 ID:Q06tOGdo0
時刻 6:02

高井らを乗せたヘリが横須賀米軍基地の上空に達した。
暗がりの中にぼんやりと見える市街地はほとんど明かりらしいものはなく、生存者の気配を感じることができない。
上空から基地内の様子を窺うと、感染者と思しき「モノ」の姿がいくつか見て取れた。
その数は予想をしていたよりははるかに少ない。
基地が放棄されたことにより、他の場所に「獲物」を求めて移動したのだろうか・・・

「あれが本部の建物だ。屋上がヘリポートになっている。直接、下ろしてくれ。」
ピーターセンが指示をする。
ヘリは滑りこむように屋上に着陸した。
「行くぞ!気をつけろ!日高は上空で待機。建物の周囲に異常がないか警戒してくれ。田村、横田、貴様はヘリで上空から援護だ。」
佐竹が指示をすると他の者は素早くヘリを飛び降り、建物内に通じる扉の方へ向かった。
橋本がドアノブに手をかける。鍵はかかっていない。
横にある窓から中の様子をうかがい、とりあえず、扉の向こうは安全であると判断した。
ゆっくりと扉を開ける。
階段ホールはまったく危険がなかった。
特殊戦闘服を着ていないピーターセン中尉とフォーリー准尉を取り囲むように隊形を組み、階段を下りる。
ピーターセンの話では、この建物は15階建、司令管制室は8階であるとのことだった。
敵の侵入に備え、司令室のある場所は低い階でも高い階でもよくないからだと彼は説明した。
各階へ通じる扉はロックがかかっている。緊急時には全階のロックが自動的にかかり、その解除には士官が持つIDを兼ねたカードキーが必要である。
「そこが司令室のある階だ。コンピューター室は右に出てすぐの扉になる。」
ピーターセンはそう言うとカードキーを差し込んだ。
「まずはこの階の安全を確保する。ピーターセン中尉はコンピューター室へ。高井、一緒に行ってくれ。残りは周辺の状況を確認しろ。」
佐竹が各員に命令すると、高井はピーターセンの方を向いて言った。
「ここまでは安全だったけど、中はどうなってるかわからんよ。俺達がピーターさん達を守るから。急いでコードを探してくれ!」

263 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:46:12 ID:Q06tOGdo0
慎重に廊下に通じる扉を開ける・・・
幅の広い廊下が広がる。そこには「敵」の姿はなかった。あっけないほど容易に進入は果たせた。
ピーターセンが言った部屋までの距離は約20m。途中に別の棟へ接続するのだろうか、通路が見える。
廊下は全体に見通しがよい。この状態であれば、いきなり襲いかかられる心配はなさそうだ。
「行こう」
高井が声をかける。全周を警戒しながら扉へ近づく。
接続通路の先にエレベーターが見えた。エレベーターは作動できるらしく1Fのランプが点灯している。
部屋の前に着くと中の様子を確認し、扉を開けた。
「ここは管理用のコンピューターを集めてある部屋で、基地の内部、外部を問わず、
すべてのアクセスやデータのやり取りを管理している。
ブルックナー大佐が不正に命令システムにアクセスしたなら、ここに記録が残っているはずだ。」
フォーリー准尉は説明すると、一台のコンピューターの前に座って操作を始めた。
画面には、見ただけでは理解不可能な文字列が表示されている。
キーボードに何かを入力する度にその文字列が次々に新しい文字列が表示される。

「今村、廊下を警戒するぞ。来い。」
橋本が声をかける。
「俺も行こう。高井、ここは任せた。」
佐竹はそう言うと橋本らとともに部屋を出た。

「どこに隠れてやがる・・・早く出て来い・・・!」
ピーターセンはイラついたように言うと、時計に目をやった。


264 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:47:11 ID:Q06tOGdo0
時刻 6時12分

通路で警戒をしている三人は時折、窓から外の様子を窺った。
基地内には「感染者」がうろついている。それは上空から確認できていた。
この建物にヘリが降りたことは「彼ら」も気づいているに違いなかった。当然、「獲物」を狙ってくるだろう・・・
ここまで「敵」がたどりつく前に脱出をしなければならない。

その時、エレベーターのランプが1Fから2Fへと移った・・・

「出てこい・・・早く出てきやがれ・・・!」
必死でコンピューターのキーボードを叩きつづけるフォーリー准尉。
高井とピーターセンは息を呑んで画面を見つめた。

ウィィィン・・・

エレベーターが動く音に橋本が気がついた。
「一尉!エレベーターが・・・!」
2Fから3Fへとランプが変わる。
「来る・・・!」
「今村!来い!『敵襲』に備えろ!」
橋本は命令すると自らはコンピューター室に向かった。


265 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:48:12 ID:Q06tOGdo0
「高井さん!『ヤツら』が来ます!エレベーターが動いている!」
「なんだって!?」
高井は驚きの声を上げた。
「タカイサン。エレベーターは20人乗りくらいです。警戒システムが作動しているので、各階に止まります。」
「橋本さん。今、何階ですか?敵の数は?」
「さっき3階でした。ここまで、あと数分もかからない。数はわかりません!」
「ピーターさん!『ヤツら』は俺達が引き受ける!コードを頼む!行こう!橋本さん!」
高井はそう言うと、橋本ともに部屋を出た。
エレベーターホールに通じる通路の左右に佐竹と今村がポジションを取っている。
高井と橋本もそれぞれ左右に分かれ、エレベーターのランプを見つめた。
ここは8階。エレベーターのランプは6Fが点灯している。
各階に停止している時間はおよそ30秒弱。あと、一分足らずで「彼ら」が来る・・・

高井は小銃の安全装置を「レ」から「タ」に切り替え、そのまま壁に立てかけた。
そして、背中にしょっていた愛銃のベネリを手に取り、安全装置を外すとエレベーターの方に向かって構えた。

7F・・・・・・・・・・8F!

エレベーターの扉が開く・・・・・・人影!!

「撃て!」

エレベーターからのぞいた「人影」に一斉に銃弾が撃ち込まれる。
弾はエレベーターや壁にも命中し、あっという間にエレベーターホールは蜂の巣となった。
何事もなかったかのように閉まろうとするエレベーターの扉が、倒れ伏した「敵」の体に当たって再び開く。

266 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:50:03 ID:Q06tOGdo0
「5体だけ・・・これだけか・・・?」
橋本は銃を構えながらゆっくりと近づき、「敵」が完全に沈黙していることを確認した。
「これでエレベーターを使ってくるヤツはもういないな。」
佐竹が安心したように言った瞬間だった。

ドン・・・ドン・・・

階段室の方から何かがぶつかるような音が・・・!
「階段だ!向こうからも来る!」
高井は立てかけてあった小銃を手に取ると、階段室へと向かった。
橋本たちも後に続く。
高井は扉のところまで来るとすぐにバッグの中から予備の散弾を取り出してベネリに装填した。

ゴン・・・ゴン・・・

扉を叩くような音が響いてくる。
おそらくエレベーターに乗っていた「モノ」の一部が、途中の階で下りたのだろう。
さっきの銃撃音を聞き、「獲物」が上の階にいることに気がついたのだ。「彼ら」は間違いなくここを目指そうとしている。
もちろん、階段室への扉は電子ロックがかかっており、ロックを解除しない限り開くことはない。
それはわかっていたが、高井は「嫌な予感」がした。

267 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:51:14 ID:Q06tOGdo0
「橋本さん。『ヤツら』は下の階の扉を開けようとしているみたいだ。階段室に入られて退路を絶たれたらコトだ!階段の上から応戦しよう!」
「待て高井!第一、相手の数がわからんぞ。それに階段室はロックされているから破られないだろう?」
「そんなのわからん!万が一に備えてだ。階段を上ってくるなら、幅が狭いから一度に『来る』数は限られる。近づいてきた『ヤツ』から確実に倒せば大丈夫だ!」
「そうだな!階段を確保するぞ!今村、お前はコンピューター室側を警戒、確保しろ。向こうから来ないという保証はない。
橋本、田村と一緒にもう一度この階の安全を確認してくれ。他に進入経路がないとは限らん。」
佐竹は命令を出すと、橋本たちは階を調べ始めた。

高井は佐竹の顔を見てから扉を開けた。

ゴン・・・ゴン・・・ゴン・・・

下から響く音は次第に力強さを増しているようだった。
まちがいなく「彼ら」は上にいる高井たちの存在に気づいている・・・

268 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:52:40 ID:Q06tOGdo0
今村はコンピューター室の入り口まで戻った。
二人の様子を見るに、まだコードは見つかっていないようだった。
「フォーリー、まだ見つからないか?」
「今、3分の2までログを調べました。残りの中にあるはずです。」
「時間がないぞ。」
「何分ですか?」
「今、19分だ。」
フォーリーは汗ばんだ指先でキーボードに入力を続ける。

「こいつはどうだ!」
ひとつの文字列に対して画面の表示が切り替わった。
「まさかこんな・・・冗談キツイぜ・・・中尉!ありました!見つけました!」
「なに!あったか!すぐに太平洋艦隊に連絡しろ!」
「分かりました!・・・宛:太平洋艦隊・・・」

Aリンカーン艦上

「ラインガー中将!横須賀基地から連絡です!」
「何!?横須賀は放棄されたはずだ。誰が!?」
「『宛:太平洋艦隊 作戦中止を指令 中止コードを入力されたし 発:横須賀基地 ケン=ピーターセン中尉』」
「ピーターセン中尉?ただの士官が発信してきたのか・・・?回線を開け。直通回線で話をする。」

269 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:53:32 ID:Q06tOGdo0
横須賀基地

「中尉!太平洋艦隊から返信です。オープンバンドでの通信を求めています。回線、開きます。」
「・・・こちら太平洋艦隊司令官、ラインガー中将だ。ピーターセン中尉か?」
「閣下。ピーターセン中尉です。日本国内に対する攻撃を中止してください。今から中止符合を読み上げます。」
「わかった。入力の準備はいいか?・・・よし、読み上げてくれ。」
「中止コード・・・ゼブラ・・・オスカー・・・マイク・・・ブラボー・・・インディア・・・エコー」
「繰り返す。Zebra・・・Oscar・・・Mike・・・Bravo…India…Echo…入力完了。」
戦闘指揮所のコンピューターの画面に一気に多くの文字列が表示されたかと思うと、一瞬、画面が暗転した。
そして文字が表示された。

MISSION ABORTED

戦闘指揮所内が歓声にわいた。
「ピーターセン中尉!よくやってくれた!作戦司令は中止された!」
「自衛隊艦隊にもすぐに連絡を!」
スピーカーからも歓声が聞こえてくる。
その歓声を聞きながらピーターセンはあらためてフォーリーと硬い握手をかわした。

270 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:55:03 ID:Q06tOGdo0
その瞬間、コンピューターの画面が突如、切り替わった。
それに気づいたピーターセンとフォーリーは画面を見つめた。
画面に1文字ずつ文字が表示されていく。そして表示されたのは・・・

You’re already dead.

同時に高井たちにも階段室の扉のロックが外れる電磁音が聞こえた。
「中尉!大変です!セキュリティシステムが解除されました!『敵』が侵入します!」
「何!?大佐め!ワナを仕掛けていやがった!」

「どうした、ピーターセン中尉!応答しろ!」
「我々はこれから基地を脱出します。基地内は『敵』に侵入されています。このまま放棄します。」
「ヘリを向かわせるぞ。待てるか?」
「いいえ、閣下。それまでは持ちこたえられません。すぐに脱出を図ります。無事を祈ってください。それでは・・・!」
通信はその場で途絶えた。

271 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:55:46 ID:Q06tOGdo0
「急ごう。ソルジャー。我々の仕事は終わった。」
部屋の入り口付近で警戒にあたっていた今村にピーターセンが声をかけた。
今村はその言葉を聞き取ることはできなかったが、言っている内容は理解できた。

階段室では高井達が下の様子を警戒しながら、ピーターセン達を待っていた。
「急げ!破られるぞ!」
橋本がそう叫んだ瞬間・・・

ゴン・・・ゴン・・・バン!!ガシャン!!

「来た!」
高井は途中の踊り場まで駆け下りて階下をうかがう。

ゴッ…ズッ…ゴッ…ズッ…ゴッ…ズッ…

何かを引きずるような音が響く。相当の数らしいことはその鳴り響く音の重量感で感じ取れた。
高井は階段を上ってくる「影」を確認すると振り返って言った。
「すごい数だ!早く上へ!」

建物の上空で旋回しながら待機をするヘリ。その後部で地上を警戒していた横田が叫んだ。
「日高二尉!周辺に『敵』多数!」
「なんだって!?いつの間に・・・一体、どこから・・・?」
その時、無線機に佐竹の声が飛びこんできた。
「日高二尉!建物内に『敵』が多数侵入!退避する!収容してくれ!」
「了解!中止コードは?」
「そっちは大丈夫だ!すぐに上がる!急いでくれ!」
日高はヘリの高度を下げた。

272 :まこしろ:2006/07/20(木) 02:56:43 ID:Q06tOGdo0
「早く上がれ!早く!」

カツカツカツカツ…

高井は軽快に階段を駆け上ってくるその足音を聞き逃さなかった。
踊り場にとどまり、下へ振り向くと散弾銃を構えた。

「高井さん!」
「大丈夫!先に行って!」

そう叫んだと同時に二つの人影が目の前へ飛び出してきた。
「『第一種』!」
高井は叫ぶと同時に引鉄を引いた。

ドン! カシャ ドン! カシャ

素早く二発を発射する。音ともに「影」は下方へと吹き飛んだ。

カツカツカツカツカツカツ……

足音はその後にも続いてくる。まだ来る・・・「彼ら」が追ってくる・・・

273 :まこしろ:2006/07/20(木) 03:01:42 ID:Q06tOGdo0
みなさん、ご無沙汰しています。
しばらくぶりの投下です。いつも帰宅がAM1:00頃になってしまうのでちょこちょこと
続きを書いていましたが、気づいたら結構な量になっていたので、一気に大量投下です。
もう少し小出しにできるといいんですが・・・すいません。

>251さん
お気遣いありがとうございます。皆さんに励ましに大感謝しつつ完結めざしてガンガります!

274 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 03:32:54 ID:8czcDbBMO
まこしろさん乙です!!。
リアルタイムで読まして頂ました。
まさか中止符号が[ゾンビ]だとは。
思わずニヤリとしてしまいましたよ。
本当楽しませて貰いました。
ありがとうございます。

275 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 06:33:19 ID:YjHvLrZ5O
朝の一時にゾンビ…。相変わらず緊張感のある文で目が覚めました!コードがゾンビとは大佐も粋ですねwwww
お疲れさまでした!

276 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 08:06:02 ID:wJqNWS83O
まこしろさん、凄く緊張感あります。素晴らしい。ヘタな映像作品より臨場感あります。

277 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 08:29:02 ID:m0fnk9270
や、私が書くとどうしても緊張感とは無縁の
あまり感情の出ない淡々とした文になってしまうので見習いたいところです。

278 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 21:30:19 ID:8czcDbBMO
木村さん乙です。
このスレで警察ものは久々だと思うので非常に新鮮です。
続きが気になります。
後、作品投下終了を知らせて頂いた方が感想をレスしやすいので面倒かも知れませんが宜しくお願いします。
これからも作品を投下して是非物語を完結させて下さいね。
ありがとうございました。

279 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 22:31:17 ID:xaY6jPiH0
まこしろさん乙!一気に読んでしまいました!

280 :木村:2006/07/20(木) 22:39:21 ID:nSil8/nv0
すいません誤字などが多くて・・・・・・
これから気をつけたいと思います。本当にすみません・・・・・・

281 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:01:31 ID:gEzUjREKO
別にいいんじゃない?読めるし。がんばってください。
文句言う奴は投下できない人だからあんまり気にしないでいいと思うよ

282 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:02:00 ID:reukVDW60
まこしろさん、お疲れ様です!
待っていました!!!まこしろさんの作品を映像で
見てみたいものです。誰か・・・・・!お忙しいと
思いますが続き待ってます!

283 :通勤電車男:2006/07/20(木) 23:02:31 ID:oabegnH0O
250様・木村様・まこしろ様、続編の投稿お疲れ様です!。
250様、そんな本を読みながら「ワシが若い頃はなー..」等と
語ってみたいです。作品の硬派な雰囲気にメロメロしております(`・ω・)ゞ
木村様、暴動(?)が起きてる事すら気が付いていない市民を
避難させるのは難しそうですね(^_^;)。
まこしろ様、指令の解除=罠の始動とはブルックナー大佐、
「見せ場」が判ってますね( ̄ー+ ̄)!。いい悪役っぷりです。
核攻撃は阻止したものの高井&日高組の危機はまだ続きそう。
お仕事大変な様ですが夏バテなどしない様、頑張って下さい!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

284 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:10:04 ID:Gr2gcvyIO
やっぱり、まこしろさんのは緊張感があるなぁ。
あぁ…まこしろさんの作品を最初から通して見たい。
ここは作品別のまとめってないんですよねぇ…


285 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:49:17 ID:wJqNWS83O
>>281
文句ではなくアドバイスだと思うよ。

>>280
めげずに頑張ってください。まずは落ち着いて、誤字・文法・文章の言い回しに気を使えば、もっと良くなりますよ。
すいません、読み手は贅沢ですね。急がずに待ってます。

286 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/21(金) 00:01:47 ID:YjHvLrZ5O
3章投下。2章が『悪化』ならこちらは『共闘』とつけるか…


 ごめん…ごめんね香奈美……許して…。
『なんでわたしを殺したの…?なんでわたしがこんな風になっちゃったのに真奈ちゃんは生きてるの…?すごく痛かったのに、苦しかったのに…』
 ごめんなさい…殺したくなんてなかったのに…。弱いあたしを許して…。
『駄目だよ、許さない、許してあげない…。まだまだ生きたかったんだよわたし。なのに真奈ちゃんがわたしの未来を奪ったの…許せない。同じ痛みを味わって。苦しんで…』

 香奈美の腕があたしの首筋に伸びる。顔は近くにあるはずなのに、濃い闇のせいで肘から先が消失してる。
 妹の呪いの声だけが脳裏にはっきりと響いて、あたしは気が狂うんじゃないかと思った。
 ふいに刺すような痛みが首筋を襲い、見ると香奈美が歯を突き立てていた。赤い血が次々と流れ落ち、それがあたしと香奈美の体をを徐々に染めていく。
 香奈美が不意に口を離して顔をこちらに向ける。そこにはいきいきとして生を嘔歌していた頃の面影なんてなかった。肉と皮膚がただれ、落ち窪んだ眼窩に収まる白眼がただじっとあたしを見つめていた。
 恐怖で喉がひきつって声が出ない。ううん違う、出せないだけ。だってこれは夢だから。頭の片隅でそう理解しつつも、徐々に夢か現実か、その境界が曖昧になっていく。
 白眼の中心に鈍く光る黒点。その漆黒を見つめているうち、その深奥へと意識が囚われていく。
 浅い眠りが見せる悪夢から、深い眠りへ誘う深海のような闇。この瞳はそこへ繋がっている。
 あたしは悪夢から逃れるためにその闇に体を、意識を委ねる。
 沈んでいくあたしの身体を、返り血で真っ赤に染まった香奈美が身じろぎもせず見下ろすのが恐ろしかった…。

287 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/21(金) 00:03:13 ID:3evcYKPhO
 なんど浅い眠りと深い眠りを繰り返したんだろう。そのたびに悪夢と厳かな闇があたしを迎えた。
 また夢を見ていた時誰かの声が微かに聞こえ、ほんの少し意識が覚醒に近づいていくのがわかる。
「……てる…。…汗が……」
「起こす………?………待とう」
 遠いような近いような、でも間違いなく聞こえてくる男性の声。お父さんだろうか…?
 そんなわけはない。父は今家にいない…。…家?あたしは外にお母さんを迎えに…。じゃあここは?
 あたしの体が横たわっている物。この柔らかな感触はベッドのマットじゃないの?上にかかってるのは毛布?
 朦朧とする思考で考えてみた。じゃあ今は家にいて、さっきの出来事は全部夢だったの…?お母さんも生きてるし、香奈美も…あたしは香奈美を殺していない!
 その事実があたしの意識を一瞬で覚醒に導いた。目を開きゆっくりと身体を起こす。
「あ、起きた…!!」
 今度ははっきりと聞こえた。右側から。
「あ、お父さん…あたし夢を……」
 途中まで言ってそちらを向き、言葉が途切れた。
 そこに居たのは父ではなく、見知らぬ男性が2人。そのどちらも手に棒のような物を握り、あたしに向かって今にも振り下ろそうとする構えをとっていた。

288 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/21(金) 00:04:49 ID:YjHvLrZ5O
「だ、誰よあなた達!なんであたしの部屋に居るの!?」
 突然の出来事にどうしていいかわからず、毛布をかき抱きただわめくしかできなかった。
 一体何故知らない人があたしの部屋に?それも武器を構えて2人も!? 事態の把握ができずに震えているあたしを見て、二人共武器を降ろして後ろに下がった。
「あんたの部屋じゃない」
「え?」
 片方の男性が一言ぶっきらぼうにそう告げ、あたしは間抜けのように返事をした。あたしの部屋じゃない?どういう事?
「驚かせてごめん。でも落ち着いてほしい。何もしないからさ」
 今度はもう一人が 静かにそう言って棒を床に置いた。それはよくみたらゴルフでつかうクラブだった。
 最初に声を発した人より、この人の方が話やすいかも…。そう考えたあたしは、意を決して口を開く。
「あの…ここは何処ですか?あたしはなんでここにいるんですか…?」
 周りを見回してみると、確かにここは知らない場所。全くの他人の部屋だという事がわかった。
 我ながら馬鹿っぽいな、と思いつつも、他になんて質問をしたらいいのかわからなかったし。
「あぁ…話すと長くなるかもしれないけど…。とりあえずこの部屋は三枝、そこにいるやつの家の一部屋ですよ。そこに貴方を運んだんです」
 そう言って返事をしてくれた男性は、最初に一言を発してから黙っている男性を指さし、そして自分は大村だと名乗った。

289 : ◆9fw1ZntG8Y :2006/07/21(金) 00:06:02 ID:7ryab/z90
―地球衛星軌道上
――アメリカ宇宙軍所属軌道艦『モンタナ』
舷側窓の外側には漆黒の宇宙空間が広がっている。
かのユーリイ・ガガーリン以来約半世紀。
人の技術はついに宇宙戦闘艦を生み出した。
星に於ける神となり、愚か者に鉄槌を下す神の雷を持つ船。
ソレはその本来の姿など片鱗も見せぬ優美な姿を真空の海に浮かべていた。

「ああ、やっぱり地球は青いな。なぁ、ドミトリー?」
チャールズ・シモニー少尉はコンソールを操作している手を止めると唐突にそんな事を言った。
「今更何言ってるんだ、チャールズ。毎日腐るほど見てるじゃないか。」
いつもの事なのかドミトリー・スクリャーロフ少尉は振り向きもせずに答える。
「俺たちはあんな綺麗な星で生まれる事ができて幸運だったなぁと改めて思ったのさ。」
「お前がそんなロマンチストだとは思わなかったよ。そんなことより仕事を続けてくれ。時間が無いのはわかってるだろう。」
「わかったよ。続けますとも、天罰を下す準備をね。」
チャールズは皮肉っぽくそう言うと再びキーボードを叩き始めた。


290 : ◆9fw1ZntG8Y :2006/07/21(金) 00:07:32 ID:7ryab/z90
ユージーン・サザーランド中将が大統領からの命令を受け取ったのはつい1時間前の事だった。
サウスカロライナ州にゾンビが現れた事は地上からの通信で既に知っていたし、
彼の生まれた地である州都のコロンビアに住む彼の父母も無事避難したという事もわかっている。
そして、何れにせよ何らかの手段で攻撃しなければならないことも理解できる。
「中将」
しかし、どうにも釈然としないものを拭い去る事など出来そうに無かった。
『あれ』絡みだからだろうか?
「中将」
確かにリスクは小さくなっているのだろう。
結果を見る限りでもそれは事実だ。
「中将!」
と、彼の思索は肩を揺すられた事によって中断された。
「ん、ああ、どうした?」
そんな彼の問いかけに少し安心したような表情を見せながら副官であるシド・マッカーシー少佐は答えた。


上記のアメリカシナリオと平行でこんなの書いてみます。
事実の記述を書くだけでも少々味気ないので。
一応、ちゃんと二つの話はリンクしています

291 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/21(金) 00:08:23 ID:3evcYKPhO
完了。自分はまこしろさんみたく緊張感溢れる文って書けないっす。
なのでひたすらネガティブな文を書こうと頑張ります。あとは修行あるのみですよね。

>>木村さん
文章力は何度も書くうち上達するものだと自分は考えます。お互いに頑張りましょう!
ではノシ

292 :本当にあった怖い名無し:2006/07/21(金) 00:28:08 ID:MsEpnWoa0
まこしろさんにはまこしろさんの文章がある。
我流さんには我流さんの文章がある。
電車男にも電車男の文章がある。
ただそれだけ。

木村さんも赤の他人から自分の書いたものを意見されるなんて
なかなか貴重な体験をしている最中です。
木村さんも木村さんの文章を作り上げていってください。

293 :本当にあった怖い名無し:2006/07/21(金) 01:16:30 ID:gyd1836VO
>>251ですがまこしろさん乙です。
自分がこのスレを見始めた頃にちょうどまこしろさんが作品を投下し始めてそれ以来リアルタイムで読まして頂きました。
更に言えば、まこしろさんがコテハン使う前に書かれていた、ゾンビ世界から生き残るスレもリアルタイムで読んでました。
元サバイバルゲーマーでゾンビマニアの主人公と自衛官で同じくゾンビマニアの隣人とその家族の方々も無事にマンションから救助され、高井さん達とは別の場所でゾンビ掃討に大活躍していると信じています。
他の作者さん達の作品も何時も楽しみにしてますよ。
作者さんあっての小説。
そしてこのスレです。
此処の名無し住民はみんな作者さん達のサポーターですよ。
これからも宜しくお願いします。

294 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 10:20:22 ID:7ryab/z90
―2004年12月1日
この日をもって欧州の情勢は急速に変化を始めた。
冬が近づきゾンビの動きが徐々に鈍ってきた隙を突いての
ロシア・欧州各国共同でのゾンビ掃討作戦の開始である。
(なお、NATOはアメリカ欧州軍の本国撤収によって解体している)
この作戦は第二次世界大戦の欧州奪還作戦に因んで
『オーバーロード』作戦と名づけられる事となった。
それに当たって現在の欧州の戦況を簡単に説明する。

現在スペイン方面はピレネー山脈、
イタリア方面はアルプス山脈とスイスのベルンからクロアチアのサグレフへ、
サヴァ川沿いに移動しセルビア・モンテネグロのベオグラードでドナウ川に繋がるライン。
イギリスは上陸を許さず。
ドイツ方面はオランダのアムステルダムからドイツのフランクフルト、
さらに其処からチェコのプラハとハンガリーのブダペスト、
ルーマニアのブカレストを経由しパティア山脈を背にドナウ川まで。
ギリシャ方面はドナウ川付近でラインを構築。
フランスは国土の殆どを失陥したもののベルン―マルセイユで辛うじて踏みとどまっている。


295 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 10:21:18 ID:7ryab/z90
また、オーバーロード作戦の内容は
機甲部隊と航空部隊を中心としてギリシャ方面から
攻勢を掛けることによってフランクフルト―ベルンまで一気に戦線を押し上げる。
その後スペイン・イタリア方面軍は
ロアール川沿いまで前進した後オルレアンからパリのラインを。
ドイツ方面軍はベルギー、ルクセンブルクと
スイス、ドイツ、オランダの一部を奪還した後セーヌ川沿いパリまで進撃する。
そして、イギリス軍のノルマンディー方面シェルブール及び
ブルターニュ方面ブレストへの上陸が行われ次第
最終攻勢を開始、挟撃によって完全に殲滅しコタンタン半島並びにブルターニュ半島を奪還。
これによって欧州の地からゾンビを完全に駆逐するというものである。


シナリオが浮かんできたので少し上げました。

296 :本当にあった怖い名無し:2006/07/21(金) 10:44:16 ID:MsEpnWoa0
国防さん、オツです。

やっぱりゾンビ相手でも空爆だけじゃ制圧できないから陸兵の投入がいるんだろうな。
なまじ空爆でバラバラになってるから脳が生きてる頭だけのゾンビもいっぱいなんだろうな。
うっかり瓦礫に足突っ込むとガブッってきそうで嫌だなあ、、、


297 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 15:07:35 ID:7ryab/z90
作戦の中心はロシア連邦軍及びドイツ連邦共和国軍となる。
参加部隊は主力戦車・対空戦車を中心とする機甲部隊からなる地上軍と
ヘリコプター・爆撃機を中心とする航空軍に大別され
各国軍の指揮系統を一時離れて統合化される。
また、航空軍の一部にはアメリカ合衆国空軍の第五十宇宙航空団の一部と
第五爆撃航空団、第五百九爆撃航空団及び空軍特殊戦航空軍が参加する。
これは自国軍の投入を渋るアメリカとの必死の交渉の末に地上に関わりの無い部隊ならば、ということで譲歩を引き出した結果である。
海上軍はイギリス海軍とアメリカ大西洋艦隊所属の第二艦隊、
旧在欧艦隊所属の第五艦隊を中心とし、地上軍の支援を目的として行動する。

作戦の中心となる地上軍は
・ドイツ陸軍とロシア陸軍を中核とするドイツ・ギリシャ方面軍
・ スペイン陸軍・イタリア陸軍・スイス陸軍・フランス陸軍の残存部隊を
 中核とするスペイン・イタリア方面軍
の二つに大きく分けられ上記の作戦計画に従って進攻する。
この時点で地上軍部隊は兵員の露出を極限まで削減、
どうしても必要な場合を除いて完全装甲化せよ、との命令が徹底されている。
この処置は対変異性エボラウィルスワクチンの開発成功まで続けられた。
作戦部隊の特徴的な部分はこの作戦のためにかき集められた
『ゲパルト』や『2S6』を始めとする自走式対空砲の存在と
装甲車に増設された擲弾銃、火炎放射器だろう。
これらの装備に対して懐疑的な者も少なからず存在したが
結果的に彼らの予想は良い意味で大きく裏切られる事となる。

なお、これと同時期にサウスカロライナ掃討戦での
“徹底的な爆撃により”ゾンビの掃討に成功した、という情報は誤りであり
何らかの新型兵器が使用された可能性が高い事が判明している。


折角なので時間があるうちに投下しておきます。


298 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 15:23:15 ID:7ryab/z90
作戦の中心はロシア連邦軍及びドイツ連邦共和国軍となる。
参加部隊は装甲戦闘車と歩兵等から構成される地上軍と
ヘリコプター・爆撃機を中心とする航空軍、
航空母艦やミサイル戦闘艦を擁する海上軍に大別され
各国軍の指揮系統を一時離れて指揮系統が統合化された。


ちと修正しました。

299 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 15:31:24 ID:7ryab/z90
各軍の指揮系統は一元化された。

三度目の正直

300 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:01:54 ID:8rTf83S/0
...10
 核爆弾の起爆装置が作動した巡航ミサイルは、物音も立てずに装甲トラックの荷台に鎮座してやがる。
 その上、虎視眈々とオレ達を狙うゾンビどもが、トラック目掛けて躙り寄る。
 中村メガネ猿と南の野郎が、迫り来る死人の群れを一発一発確実に仕留めていったが、奴らの拳銃だって、何れは弾が切れちまう。
 …お先真っ暗なこの状況。
 元はと言やぁ、ミサイルの脇に立ち竦む、伊東のクソ野郎の裏切りから始まったことよ。
 それさえ無けりゃ、オレ達ゃとっくに帰りの船で、祝杯を挙げるてるはずだぜ。
 そんなクソ野郎は、オタオタしながらも起爆装置をバラそうと、ポケットからアーミーナイフを取り出して、装置のパネルに飛び付いた。
 爆弾の専門家でもねぇゲス野郎が、下手に弄くったらアブねぇだろ…。
 オレは、そんな伊東に、今までの恨みも込めて、思いっきり鉄拳パンチをお見舞いしたぜ。
 死んじまった城戸崎や平岡のことを考えたら、そんなモンじゃ足らねぇんだが、気を失って大の字に転がったクソ野郎の顔を見たら、少しは気も晴れたっけ。
 …だけど、いくら伊東の野郎を痛めつけたって、ミサイルのデジタルカウンターの数字は止まりゃしねぇ。
 刻々と変化するLEDの数字を見ているうちに、途方に暮れちまったオレは、「畜生め!。」って、でけぇ声で叫んじまった。
 その時よ。…肩口を撃ち抜かれて、呻き声を上げる桐山が、思い出したように、荒い息で話し始めた。
 奴の話じゃ、どうやらこの近くに、自衛隊の基地があるらしい。
 「…本州が『ゾンビの国』になっちまったから、そこにゃ誰も居ねぇだろうが、ベトンの厚い壁に包まれた地下の司令所なら、もしかしたら核の爆発に耐えるかも知れねぇ。」って言うじゃ無ぇか。
 …そこだ。…そこしかねぇ。
 それでオレ達は、逃げる算段を始めたんだが、話を聞いた南の奴が、何やら口を挟みやがる。
 ロン毛野郎が話した「駒門」の自衛隊基地は、ここから1キロも離れちゃいねぇ。
 東名高速を南に向かえば、左っ側に見えるから、逃げ込むだけなら、何とか間に合うだろうが…。
 「公称出力2キロトンの中性子爆弾じゃ、爆発の影響範囲は半径2キロにも及ぶ。…基地の地下司令所は本格的な核シェルターじゃねぇから、放出される放射線にゃ耐えられねぇ。」って言ってるぜ。

301 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:02:34 ID:8rTf83S/0
...11
 …助かるためには、もっと遠くに逃げるか、トラックを動かして爆弾を捨てに行くしか無ぇが、さっきの伊東の素振りじゃ、どうやらこのトラックは、調子が悪くってエンジンが掛からねぇらしい。
 それでオレは咄嗟に、トラックのサイドの窓から運転席に、飛び込んだのよ。
 伊東のクソ野郎は、大型のトラックなんか、運転したことも無ぇから、何がどうなってるのかも知らねぇだろ。…もしかしたら、エンジンを始動できるかも知れねぇ。
 オレは、粉々に飛び散ったフロントウインドウの向こう側に、ひょいと顔を出した腐れゾンビに、左ストレートを一発、お見舞いするとトラックのキーを捻ったのよ。
 「くうくうくう」と、糞詰まりみてぇなセルモーターの音がしやがる。
 こいつは、C国製のトラックを改造した車両だから、詳しくは判らねぇが、どうやらオレが日本刀で運転席を切り裂いた時、何かの加減で「排気ブレーキ」の操作系が逝かれちまったらしいぜ…。
 それほど難しい故障じゃ無ぇが、悠長に修理してる時間は無ぇだろ。
 オレは手っ取り早く、ハンドルポストに取り付けられてる、排気ブレーキのスイッチレバーを、ゾンビの腕で力任せにぶち壊すと、ついでにアクセルの連動リレーらしきケーブルの方も、引き千切ってやったのよ。
 これでダメなら、みんな揃って「あの世」行きだ…。オレは、心ン中で、「神様。仏様。」って叫びながら、キースイッチを捻ったぜ。
 ………。
 長めのクランキングに続いて、ジーゼルの轟々と唸るエンジン音が聞こえた時にゃ、オレは、ホッとして思わずヘラヘラ笑っちまった。
 エンジンさえ掛かれば、こっちのモンだが、核爆弾の起爆装置が作動した巡航ミサイルは、ワイヤーロープやチェーンでトラックの荷台に、ガッチリ固定されてる。
 その上、周りはゾンビ野郎だらけだから、そう簡単には荷下ろし出来ねぇ。
 それでオレは、荷台の奴らに「行くぜ。」って一声かけると、とりあえずクラッチを繋いで走り出したのよ。
 フロントガラスが吹き飛んじまって、ハンドルやダッシュボードにヒビが入った状態だから、それほどスピードも出せねぇが、道路上は、放置車両の間にサルベージ目当ての、ヤクザどもが作った走行通路が開いているから、こんなトラックでも、どうにかこうにか走って行ける。

302 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:03:49 ID:8rTf83S/0
...12
 トラックの轟音を聞きつけて、通路に飛び出してきた死人どもを挽き潰しながら、しばらく進んでいくと、中村メガネ猿が助手席の側の窓から顔出した。
 野郎は焦った口調で「もうすぐ、駒門の基地だぜ!。」って叫びやがる。
 …トラックのスピードを緩めたオレは、中村のアホと南の野郎を呼んだのよ。
 おれが「このまま、トラックを運転して、なるたけ遠くまで『荷物』を運んでやるから、お前らは、ロン毛の兄ちゃん連れて基地に逃げ込め。」ってそう言った…。
 そしたら…。南の奴が青い顔して止めやがるんだ。
 「そんな無茶したら、おやじが助からねぇ…。」ってほざくのよ…。
 …そりゃあ、みんなが助かりゃ万々歳だが、この状況じゃ、誰かが犠牲にならなきゃ、一人だって助かる見込みは無ぇ。
 それに、言っちゃ何だが、…こちとら、…いつ何時、「ゾンビ症候群」を発症するかは、判らねぇ体だ。
 …どうせ何時かは死んじまうんなら、すっぱり逝っちまった方が、オレ様らしいぜ。
 「…ぐずぐずしてねぇで、とっとと行きやがれ。」
 オレの行動を引き留めようと、必死で話しかけてくる南の野郎を怒鳴りつけると、『ぷい』と横を向いたのよ。
 そりゃぁ、目尻にうっすらと、涙が滲んでる南のツラなんか、まともに見たら、こっちもウルウル来ちまって、恥ずかしいからよ…。
 そのうち、要領のいい中村のアホが、負傷した桐山の奴を肩に担ぎながら、さっさとトラックを飛び降りた。
 「おやじ、…あの野郎、どうする?。」メガネ猿が、気絶したままの伊藤を顎で指しながら、脳天気な声で聞きやがる。
 奴みてぇなクソ野郎は、北海道に連れて帰っても、邪魔なだけだし、第一、こんなことになっちまった「落し前」だって、きっちりケリつけて貰わなきゃならねぇだろ。
 それでオレは、「気持ちよく寝てるんだから、起こしてやるこたぁ無ぇ。」って、中村のアホに言ってやった。
 南の野郎は、何時までも未練がましくオレを説得しようとしていたが、肩からの出血で、足取りも覚束無ぇ桐山の「…おやじさんの気持ち、…判らねぇのかい?。」って一言で、漸くオレの説得を諦めた。

303 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:04:33 ID:8rTf83S/0
...13
 「ぐずぐずしてたら、ゾンビ野郎が来ちまうぜ。」
 中村のアホの悲鳴のような声に、我に帰ったオレは、軍用トラックのクラッチを繋ぎながら、ロン毛野郎に話しかけた。
 とんだことになっちまったが、このまま行ったら、北の国でオレの帰りを待っている「姉ちゃん」と「娘っ子」のことだけが心残りだろ。
 だからそいつをキッチリ、桐山の野郎に頼んでおいたのよ。
 奴は政府の関係者らしいから、そこらは上手くやってくれるだろう。
 …ロン毛が、微かに頷きながら、オレに向かって軍人みてぇに敬礼しやがった。
 「達者でな…。」桐山、南、中村の三人に、一声かけたオレは、爆弾積んだトラックのアクセルを、ガルンと踏んづけてやった。
 …この先、どこまで走れるか判らねぇが、「踏み込んだアクセルだけは、絶対に離さねぇ。」って心の中に誓ってよ………。

304 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:06:04 ID:8rTf83S/0
..終章


...1
 ………「それからどうしたのか?。」だと。
 「原爆の爆発に巻き込まれたんじゃ、助かる訳は無ぇだろう?。」だと…。
 そりゃ。…お前らが、「面白れぇ話を聞きてぇ。」って言うから、話してやったが………。
 …お前ら、まさか俺が「おやじ」だと思ったんじゃないだろうな?。
 そりゃあ俺が、「おやじ」の口調に似せて話してやったから、間違えるのも無理はねぇが、俺は「おやじ」ほど、年を食っちゃいねぇぞ。
 「おやじ」に言わせりゃ、俺は自衛隊崩れのハンパ野郎らしいが、ハンパ者にはハンパ者なりの生き様《いきざま》ってのが有るんだ。
 のこのこ帰って、生き恥曝したって、「おやじ」が心残りにしてた、家族のことを見届けてやらなきゃ、トラックで行っちまった「おやじ」に、顔向け出来ねぇだろ。
 あの時…、俺達がゾンビ野郎に追い掛けられながら、命からがら駒門基地の地下司令所に辿り着いた、ちょうどその時…。
 …確かに爆弾が爆発したらしい衝撃を感じた。
 地下室の陰や天井が『ごうっ』と唸るような音を立てて、地震みてぇな横揺れを感じた俺は、咄嗟に床に身を伏せたんだ…。
 それでも、吹き飛ばされることも、生き埋めになることもなく、俺たちは生き残ったって訳だ。
 爆発したのが、2キロトンの中性子爆弾だったから、どうにかこうにか助かったが、広島に落とされた奴と同じくらいの威力だったら、とても生きちゃ帰れなかったろう。
 地上の放射能が消えるまで、基地のまっ暗い穴倉の中で、息を殺して過ごした俺達は、2日後の夕方、日干しに合ったモグラみてぇに、くたばりかけの姿で、どうにか地上に這い出した。
 建物は壊さずに、生き物だけ殺しちまう中性子爆弾だから、地上はそれほど荒れちゃいなかったが、それでも吹き飛ばされてきたコンクリートの破片や、雑木の屑がそこら中に転がってた。
 あの爆発で数は少なくなったが、相変わらずゾンビ野郎が俺たちを狙ってやがるから、「おやじ」の消息を確かめようにも無理な話だった…。
 桐山が持ってたラジオビーコンを、モールス代わりに使いながら、廃墟の街を逃げ回るのが精一杯さ。
 …そのうち、北政府の救助ヘリが俺たちを見つけてくれて、どうにか帰って来れたって訳よ。

305 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:07:09 ID:8rTf83S/0
...2
 あの高速道路で別れたっきりの「おやじ」が、生きているのか、死んじまったのか、………それは俺にも判らねぇ。
 「おやじ」のことだから、『馬鹿野郎め。』って呟きながら、そのうちひょっこり、帰ってくるかも知れねぇな。
 …それまで俺は、「おやじ」の名前を使って、「娘っ子」や「姉ちゃん」に、少しづつでも働いた金を送金してやるのよ…。
 そうすりゃ、「おやじ」の家族も、『出稼ぎに行ったまんま、帰って来ねぇだけ。』って思っててくれるだろう…。
 それが、何よりあの時の、『借りを返す』ってことに、他ならねぇからな。
 …さぁて、そろそろ消灯の時間だぜ。
 いよいよ明日っからは、青森上陸作戦だ。こっちも、たっぷり寝ておかねぇと、ヘマしたらゾンビ野郎の朝飯にされちまう。
 「おやじ」が帰って来りゃ、もっと面白れぇ話も聞けるかも知れねぇが、今日はこれで、お開きにしようじゃねぇか………。

(終)

306 :おやじ ◆bP7aENzd7c :2006/07/21(金) 20:07:49 ID:8rTf83S/0
…というわけで、これで終わりよ。

完結までに1年以上もかかっちまったが、
どうにか終わりまで書けて、オレもホッとした。

…と、思ったら通勤電車男との約束で、
次も何か書かなきゃならねぇ。

何時UPできるか判らねぇが、期待せずに待っててくれや。

じゃ、またな。

307 :本当にあった怖い名無し:2006/07/21(金) 20:47:54 ID:bI+okQE6O
おやじさん!お疲れさまです!
最初からずっと見てました。
終わるのは寂しいけど、終わりがないよりはずっと良いですよね。
良い作品でした、ありがとうございます。次も楽しみに待ってます。

308 :本当にあった怖い名無し:2006/07/21(金) 20:56:24 ID:3evcYKPhO
おやじさん、長期連載お疲れさまでした!!
連載終了は寂しいですが、新作が読めるかも、という期待でwktkです。
実生活もありますし、まずはゆっくりと休んで下さい。ありがとうございました!

309 :通勤電車男:2006/07/21(金) 23:01:40 ID:/EIRVJobO
我流様・国防様・おやじさん、続編の投稿お疲れ様です!。
我流様、第3章スタートですね!。前章最後に登場した女性は真奈美さんでしたか。
ひとまず自宅に戻れた様ですが、危機的状況は変わらない様子。
どの様に展開していくのか、そして三枝&大村君の蜜月関係は
真奈美さんにどの様な影響を与えていくのか(^。^;)、とても楽しみです!。
国防様、オーバーロード作戦ですか!。しかもドイツとロシアの宿敵コラボ!。
なんかものすごく根性ありそうですね。ドイツ・ギリシャ方面軍(^_^;)。
オマハビーチの再現等が無い事を祈っております(`・ω・)ゞ!。
おやじさん、遂に「おやじの章」は完結しましたね!。
後半の展開からこの様な結末になるのでは...と考えていましたが、
漢の散り様を魅せて頂きました(ToT)!。
でもおやじさんタフだからひょっこり生き残ってそうですね!?。
また、以前に私を作品で使って頂けるかもとの話、
覚えていて頂いてとても嬉しいです!。
もう喰われようが切られようが電車に乗り遅れようが(^_^;)
好きな様に使ってやって下さい!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

310 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/21(金) 23:14:54 ID:7ryab/z90
おやじさん、とても楽しかったです。
確か以前まとめサイトで作品を拝見させていただいた事がありました。
完結おめでとうございます。


311 :本当にあった怖い名無し:2006/07/22(土) 10:35:18 ID:MP9nk9lS0
おやじさんマジ面白かった〜
本当に楽しめました。ありがとう!
またいつか次の作品もすごく楽しみです。

312 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/22(土) 13:14:28 ID:fRu6MPW5O
>>292個性が大事ですね。いろんな人の意見が自分を成長させる…有難いです。

>>電車さん
そうです。一章ラストで気絶した真奈美が二章ラストで三枝達に救助される。時間は夜。
三章はまあ…あれです。今後もよろしくお願いします。

313 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:08:58 ID:+v2tL2vM0
ゾンビ氏のある一日

私はゾンビです。
つまり死んでいるのに動いていると言うこれまた不思議な状態なのです。
しかし!
普通のゾンビ達とは全く違う。
私には理性が残っています。
体のメンテナンスは怠りないし服だって着ている、それに見た目も普通。
何のことは無い、死んでいるというだけで他は何にも変わらないのです。
何故こんな事になったのかなんてわかりませんけどね。

さて、それでは皆さんには我が生活の一部をお見せしましょう。
出演しているゾンビな方々は人ではないので肖像権とか面倒なものはありません。
ご安心を。

―2010年5月8日午前7時
――東京・某ビル内
あー、あー。
よし。
皆さんおはようございます。
現在私はかつて東京と呼ばれた街にある六本木ヶ丘内の一室に居を構えております。
まぁ丘族だ何だかんだとテレビ局の連中が騒いでいた時期もありましたが
こうなっちゃ見事な物で旧丘族の方々の一部ゾンビとなってしまいました。
理性は失いたくは無いものです。



314 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:10:30 ID:+v2tL2vM0
と、用意が整いました。
というわけでそろそろ食事の時間です。
ゾンビというとやはり人肉を貪り食うみたいなイメージを持っている方も多いでしょう。
確かに大半のゾンビ達はそうですが中には『べじたりあん』なゾンビも居たりします。
彼らは人畜無害植物有害ですが見た目からはなかなか区別がつきません。

それから私の食事ですがドロドロのグロ画像を
見たい方には申し訳ないのですがあんな食べ方はしません。
勿論人肉なんか食べません、理性がありますから。

食事シーンは割愛です。
普通極まりないので見ても楽しくないでしょう。

食事が終わったところで散歩。
私の部屋は綺麗に整えてありますが
ビルを出ると荒廃した大都市そのものの光景が広がってきます。
一部崩れた高層ビルや割れたガラス、落ちた看板、折れた電信柱にゾンビとカラスと死体。
最初期に比べたら死体なんか殆ど見なくなりましたがそれでも時々見かけます。
もう慣れていますが余り気分のいいものではありませんね。

遠くから爆音を響かせて何かが飛んできます。
あれは陸上自衛隊のAH-64Jですね。
一日数回定期便のように現れては
ゾンビの密集している地点にロケットと機関砲の嵐を浴びせていきます。

それにしても、妙に今日のは飛行時間が長い。
なんとなく引っ掛かりますが、まぁいいでしょう。


315 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:13:38 ID:+v2tL2vM0
さて、着きました。
ここは以前古本屋だったところで大量の書籍が残っているので
暇つぶしに良く利用させてもらっています。

しかし、この東京も大分受ける印象が違うようになりました。
色々退廃的な部分や問題点やらあった都市ですが
やはり人が居なくなってしまっては何の意味も無い。
人が消えゾンビが現れ、それに伴って東京は死んだ。
いや、それは東京に限らず本州のありとあらゆる場所に言えることでしょう。

私は自由です。
恐らくこの世の何者よりも自由です。
事実上不老不死。
商品を勝手に取っていこうが、一日中寝ていようが、ビルのガラスを割ろうが
何をしようとも誰にも文句を言われない。
でも、何か空しい。
人間は社会的動物です。
私はもはや人間ですらないが、その精神は紛れも無く人間です。
自分以外の誰も存在しないのであれば自分は存在しないも同然かもしれません。

その内ここにも人が戻ってくるんでしょう。
それは五年先かもしれないし十年先かも、
ひょっとしたら半世紀先かもしれませんが何れ帰ってくるでしょう。
私は死なないからきっとその時もここに居るでしょう。
見た目は変わっていないから溶け込めるでしょう。

316 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:14:34 ID:+v2tL2vM0
けれど、私にとってはその何時かが無限の彼方にも等しい。
それまで到底我慢出来そうに無い。
『人は一人では生きていけない』なんて言葉があります。
最初聞いた時はそんなことは無いなんて馬鹿にしたもので。
今の私は不老不死で誰にも頼らず生きています。
生きては居ますがもうそれにも耐え切れない。
私が何をしても、誰も何も言ってくれないんですよ。
何をしても意味が無いんです。
かといって自分で死ぬ勇気も無い。

っと、自分語りはこの位にしておきましょう。
そろそろ、暗くなってくる。
家に戻る事にします。


こうして歩いている間にも何体ものゾンビを見ます。
私もあんな風に理性の欠片も無くなる事が出来れば
こんな事で思い悩む事も無くなるんでしょう。
なんか言ってる事が矛盾してます。
所詮無いものねだりですから

自分の周りに人が居る事こそが人類にとって最良である。
結局人間は無くすまでその重要性に気が付かないものですね。
それはいつの時代も変わらない。


317 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:15:41 ID:+v2tL2vM0
それではそろそろお別れです。
少しすっきりしました。
叶うなら、このテープを誰かの手に。

2012年6月28日


2016年9月11日
曙光作戦終了間際に新型兵器によって破壊された旧東京にて
回収された一本のビデオテープより


ネタが浮かんだのでちょっと書いてみました。

318 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/22(土) 22:17:28 ID:+v2tL2vM0
ああ、一番最初の年月日は無かった事にしてください。
矛盾が出てしまう。

319 :本当にあった怖い名無し:2006/07/22(土) 23:12:31 ID:QZfTuPgv0
>>おやじさん
乙です!長い間、お疲れ様でした。ずっと拝見させていただいていましたが、
本当にご苦労様でした。次回作にもwktkしております。

>>国防さん
 >>人畜無害植物有害
ワロタwwこれからも投下、頑張ってくださいね!。

320 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:19:25 ID:xViXETuS0
高井は右手に銃を抱えたまま左手をポケットに突っ込むと、人差し指と中指、中指と薬指で二発の散弾を挟み込んで取り出した。
素早く装填すると再び階下に向けて銃を構える。

カツカツカツカツカツカツ…

今度は二体どころではない。足音から高井は判断した。
「引きつけろ・・・引きつけろ・・・」
高井は自分に言い聞かせるようにつぶやく。階段の手すり部分から半身を乗り出すようにして階下に向けて照準する。
次の一団を阻止したら、一気に階段を駆け上ろうと考えていた。

カツカツカツカツカツカツ……ヴゥゥゥゥ……ガァァアア!!

飛び出してきたのは4体、いや5体、6体。高井は瞬間的に自分の判断を誤ったと感じた。

ドン!!カシャ ドン!!カシャ ドン!!カシャ ドン!!カシャ

立て続けに発射する。迫ってきた「敵」は至近距離から散弾を食らい、勢いで後にいた「敵」もろとも階下に吹っ飛んだ。
高井はまだ無傷の「敵」がいることがわかっていたが、すぐに振り返り階段を駆け上った。
撃たれた「仲間」の下敷きとなった「敵」は自らの上にのしかかった骸を放り投げ、高井(エモノ)を追いはじめる。

ハァ…ハァ…ハァ…

息を切らしながら高井は階段を駆け上った。途中、足を止めることなく、ベネリと89式自動小銃を持ち替えた。
ベネリの装弾数は7発。すでに4発発射し、残弾は3発。次の弾を装填している暇はない。
それに対して小銃はまだフル装填されている。使うなら当然こちらだ・・・
高井は極限状態においても戦い、生き残るための最善の方法を瞬時に選んだのだ。
ここは一体、何階なのだろう・・・かなり上った気がするが、まだ屋上には着かない。
橋本達は無事だろうか。自分のことを待っているのだろうか・・・
もし、上の階にも「敵」がいて、それがドアを破って待ち構えていたなら、万が一にも助からない・・・
様々な思いが一瞬のうちに頭の中を駆けめぐる。

321 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:21:32 ID:xViXETuS0
14F

ドアに書かれた文字が目に入った。
「あと1階・・・!」

グァァアアアアアア―――――!!

高井を追って来た「敵」が「元人間」であるとは思えない運動能力で階段下から一気に飛びかかった。

うわっ!!

足を掴まれ後へ引き落とされそうになる。
下に落ちれば命はない。
高井は反射的に体を前方に投げ出し階段に手をつくと、掴まれた足をぐるりと回して「敵」の手を振り解くとともに、その顔面に向けて蹴りを見舞った。
ボフッというにぶい音を立てて「敵」は階段下へと転がり落ちる。高井も反動で階段に倒れこんだ。

カツカツカツカツカツカツ・・・

322 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:23:31 ID:xViXETuS0
足音はまだ迫ってくる。近い・・・!
高井は踊り場に放り出された小銃に目を向けた。ひとっ飛びで届く距離ではない。
咄嗟に肩のベネリを手に取ると階下に向け、立ち上がろうとする「敵」に向けて引鉄を引いた。

ドン!

発射と同時に状態を起こすと滑りこむように小銃の方へ近づき手に取った。
すぐに階段の方へ目を向ける。
次の「追っ手」の影が階段の壁に映った。
高井は素早く小銃を構え、「影」が「実体」となった瞬間に指を引き絞った。

タン!タン!タン!

頭部を撃ち抜かれて倒れる「敵」。
高井は小銃を杖がわりにして立ち上がると、今度は階段の上へと走り出した。

カン カン カン ・・・

段と飛ばしながら階段を駆け上がる。動作とともに靴音が階段室に響く。

カツカツカツカツカツカツ……

運動能力だけを比較すれば、「第一種」の方が自分よりも優れていることは明らかだった。
15F・・・屋上まであと一階分。
足音は近づいて来る。明らかに自分より速い。
追ってくる数はわからなかった。ただ、一体、二体ではないことは間違いない。追いつかれたら最期だ・・・

323 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:25:11 ID:xViXETuS0
屋上への扉が見えた!あそこまで行けば・・・!
刹那、高井は背後に気配を感じた。
「クソッ!」
振り返ると、まさに「敵」が飛びかかろうとしている姿が・・・

高井は反射的に片手で小銃を向けるとロクに照準もせずに引鉄を引いた。

タン!タン!タン!タン!タン!

高井は「しまった」と感じた。セレクターが単発のままだった。
すぐに親指でセレクターを「レ」に切り替え、再び引鉄を引く。

タタタ!タタタ!タタタ!

数体が階段下に転がり落ちた。しかし、後から後から「敵」が現れる・・・
「残りの弾が・・・!」
高井は戦場での経験から常に残弾数を頭の中でカウントしていた。
残りは14〜5発。3点射で5回発砲すれば弾は尽きる・・・
ベネリの残弾は二発。
追ってくる「敵」はおそらく十数体はいるだろう。当然、弾はもたない。
しかし、高井は諦める気など更々なかった。最期の瞬間まで戦おうという気持ちを捨てていなかった。

タタタ!タタタ!タタタ!・・・タタタ!・・・タタ・・・・・・

小銃の弾が尽きた。
「敵」はリロードする時間を与えてはくれない。すでに後から「新手」が襲いかかろうとしている・・・!
高井はベネリを左手で構え引鉄を引き絞った。

324 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:26:52 ID:xViXETuS0
「しまった・・・!引鉄が引けない・・・!?」

さっき、咄嗟に発砲した際に次弾を装填していなかったのだ。

グァァァアアアアアア――――――!!

大きく口を開き手を伸ばして襲い掛かる「敵」。その顔面に小銃を投げつける。
「敵」は大きくバランスを崩したが、ひるまない。ただ、咄嗟の判断は一瞬の猶予を与えてくれた。
高井は腰の9ミリ拳銃を引き抜いた。

パン!パン!パン!

いくら至近距離とは言え拳銃で動く標的に、しかも頭部に確実に命中させることは困難である。
ご都合主義のテレビドラマやアクション映画のように、手にもった拳銃だけを撃ち落すなどという芸当ができる人間はいない。
弾は「敵」の体には命中するが、頭部には当たらなかった。

「畜生!!」

狙いを定める暇などない。一瞬でも長く生き延びる。ただそれだけのために高井は引鉄を引いた。

パン!・・・パン!ガシャ

拳銃のスライドがブローバックした状態でストップした・・・弾切れである。
弾が切れることは戦いの幕切れを意味している。
高井はストップしたスライドに一瞬目をやり、そして、手を伸ばしてきた「敵」を凝視した。

325 :まこしろ:2006/07/23(日) 14:32:03 ID:xViXETuS0
ここまでの投下です。日曜出勤にもかかわらず会社でコソーリとPCをいじってるので・・・
次は最終になるかと思いますので、しばらくお待ちください。

>おやじさん
完結オメ!おやじさんの作品はずっと前から読んでいました。
最後はちょっとホロッときてしまいましたが、「おやじ」がひょっこり現れたりすることを期待してます。


326 :本当にあった怖い名無し:2006/07/23(日) 17:24:18 ID:5gqPOXVJ0
>>まこしろさん。
乙です。

しかし、気をつけなされよ。
>ここまでの投下です。日曜出勤にもかかわらず会社でコソーリとPCをいじってるので・・・
会社は100%ログを取っている。
うちの会社では、勤務中に2chやってたのがばれて、懲戒解雇になったのがいるよ。


327 :本当にあった怖い名無し:2006/07/23(日) 19:11:14 ID:t7W3huTs0
>おやじさん
・゚゚ '゚(*/□\*) '゚゚゚
そうくるとはね、、、「けっ、ばかちんが、俺が死ぬわけねえってもんよ」編キボン。
さておき、長い間ありがとうございました。
時間はかかって構いませんから余力あれば続編よろしくお願いします。

>まこしろさん
おい!こら!この野郎!!
一番いいとこじゃねえか、、、
じらされるってのは身体に良くねえってもんよ。  〜おやじを偲んで


乙です。wktk!!


>国防さん
へええ、そういうスタイルもいいもんですね。
そのまんま本編につながるのかと思いますたw
堅苦しいドキュメンタリーとゾンビの軽い実況の極端なコントラストでもよかった鴨ww

328 :通勤電車男:2006/07/23(日) 23:16:58 ID:jVCHedXnO
国防様・まこしろ様、短編&続編の投稿お疲れ様です!。
国防様、この人生哲学に目覚めたゾンビ(^_^;)さんは、
無事成仏されたのでしょうか...。新型兵器によって生焼けとかに
なってない事を祈っております。ナムナム(-人-)。
まこしろ様、高井さんΣ(>_<)!?。今迄様々な修羅場を潜ってきた猛者も、
遂に...(・ω・;)。いやいや!きっとなんとかなると信じております!。
そして遂に次がラストとの事。寂しいやら早く結末を知りたいやらで、
もうなんて書けばいいんでしょう私( ̄○ ̄;)!。
えっと、負けるな高井さん(>_<)!。wktk!まこしろさん(>_<)!!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

329 :本当にあった怖い名無し:2006/07/23(日) 23:50:46 ID:YPIX1jEE0
前スレ、落ちた…?

330 :国防 ◆qDA3QyhYtg :2006/07/24(月) 08:35:45 ID:RrPg1r9h0
>>通勤電車男さん
新型兵器の設定は粗方出来ています。
死ぬときは一瞬ですから、ある意味彼にとっては僥倖。

さて、諸事情により当分の間殆ど現れなくなると思います。
偶には国防の事思い出してやってください。
それでは、また。

331 :本当にあった怖い名無し:2006/07/24(月) 19:01:35 ID:sDtDwkYm0
前スレの最後のほうに少しだけ投稿した者ですけど
ここでいいのでしょうか?

332 :本当にあった怖い名無し:2006/07/24(月) 20:59:15 ID:BVJxk0xOO
>>331
どうぞ。

333 :ゾンビの居る情景 / 親子:2006/07/25(火) 17:53:53 ID:aC5XfmCs0
親子のゾンビが居た。

母親は自分の身を犠牲にして、最後まで子供を守って居たようだ。

前側はきれいなのに、母親の背は噛み傷でいっぱいだ。
子供は、母親が守りきれなかったのだろう。足だけを食われている。

親は子を守りきれなかった。
子も、生き残ることは出来なかった。

だが、それで幸せだったのかも知れない。
こんな恐怖と混乱の世界で、2人仲良く寄り添って歩いて行ける。
親子2人でいつまでも永遠に。

334 :ゾンビの居る情景 / 東京丸の内〜:2006/07/25(火) 18:11:20 ID:1gztxZkx0
丸の内オフィス街。

そこに居るゾンビは、ほとんどがスーツだ。
血にまみれ、裾は擦り切れ、それでも彼らはネクタイを外さない。

生存時の記憶のままに、もと居た会社に入ろうとしているのか、
それとも中に生存者が居るのか。
まだ出来てそれほど時がたってないオフィスビルの周りに集まり入り口のドアを叩いている。
何度も、何度も、何もしゃべらず、ただ、延々と、叩いている。

ゾンビの群れを追っていくうちに、違う地域にたどり着いた。
スーツのゾンビが居るところは他にもあるかもしれないが、こんなゾンビが居るところは、
世界中に、ここしか無いかも知れない。

その地域の名は、
 




「秋葉原」

335 :ゾンビの居る情景 / 東京丸の内〜:2006/07/25(火) 18:13:53 ID:1gztxZkx0
なんか急に思い立って書いてみました。

336 :本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 19:54:29 ID:52E5aVDZO
メイドゾンビ、オタゾンビ、ゾンビモナー…。ウヒヒ!
お疲れさま

337 :本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 21:06:19 ID:xa5408bo0
乙!続き待ってるよ

338 :通勤電車男:2006/07/25(火) 22:16:25 ID:aPKauQ5dO
ゾンビのいる情景様、新作の投稿お疲れ様です!。
「...前側はきれいなのに、母親の背は噛み傷でいっぱいだ」
Σ(´;ω;)おかあさん頑張ったんだ...。ちょっとグッときました。
国防様、お忙しい様ですね、夏バテなどしない様お気をつけて。
一日でも早い戦線復帰をお待ちしております(`・ω・)ゞ!。
新作の投稿ありがとうございました!。

339 :本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 23:04:09 ID:5k4lOnbt0
情景さん

>>333  ・゚・(つД`)・゚・

>>334  凸(`Д´*)

340 :本当にあった怖い名無し:2006/07/26(水) 23:59:24 ID:70AywRx30
hoshu


341 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 08:42:35 ID:Qg0ggUwe0
保守下げ

342 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/07/27(木) 09:39:35 ID:1yJgG/d2O
申し訳ない、しばしお休みします。


343 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 15:12:50 ID:GR8FxTKC0
>>342
残念。事情は知らんが問題が解決したら再開よろ

344 :木村:2006/07/27(木) 21:49:34 ID:YnSuGWYX0
投下させてもらいます。すいません・・・

午後6時30分
川上巡査長達は、装備を点検し交番の中から使えるものを探してきた。
持ってきたものは、拡声器、地図、発炎筒、懐中電灯などだ。
外に出てパトカーの準備をしていた山田が交番に入ってきた。
「川上巡査長、車の準備が出来ました。指示を下さい。」
そして川上巡査長は拳銃の手入れをやめ、中にいる者たちにこう言った。
「今から市民の避難誘導を開始する。まず二つの班を作る。一班は、俺と応援に来た、木村巡査、本多巡査だ。
二班は山崎巡査、山田巡査、森巡査だ。二班はパトカーを使って遠くの市民を避難所に移動を呼びかけてくれ。避難所は、○○小学校だ。
以上解散。」
そして俺達二班は、パトカーに乗って5キロ先にある住宅街に向かった。

すいません誤字があるかもしれません。
出来ればでいいんですけど、日本の警察が使っている銃を教えてくれませんか?お願いします。

345 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 22:13:19 ID:z5BbdSM10
ニューナンブM60
多分。

346 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 23:31:10 ID:5rcC5xTb0
巡査物語、再開しないかなぁ……

347 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 23:39:03 ID:4mVDKLN/0
>344
追加が居るなら警察はお互いを巡査長とか呼ばないんだよね。
〜部長(巡査部長)、〜係長(警部補)、〜課長とか、割と普通の会社っぽいよ?
巡査長は、〜さん、もしくは年上なら先輩。

348 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 23:55:03 ID:z5BbdSM10
>>347
刑事(デカ)?

349 :本当にあった怖い名無し:2006/07/27(木) 23:57:02 ID:xsLglBU70
警部補は○○係長って呼ばれるの?!

350 :本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 00:20:05 ID:p3ReImdT0
>348
ついでに刑事はデカとは呼ばないよ。
あと、刑事はただの捜査系の警察官の名称で、役職ではない。
ドラマとかでは巡査<刑事みたいに描かれるけど、違うんだよ。
>349
そう○○係長って呼ぶ。
ドラマみたいに○○警部補とか○○警視正とかは絶対にいわないね。
○○参事官とか、○○補佐とか呼ぶ。

351 :本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 00:56:11 ID:23M/Gq0d0
便乗質問
例えば警察だと「交通課長」であり「警部」でありますよね。その下は「交通係長」「警部補」?
警部とか警部補とかの体系は職階でいいと思うけど課長とか係長の体系のほうはなんて呼びます?

民間にいると部長・課長・係長で済むし、せいぜい取締役会のメンバーで会社の長とかエライ人が
代表取締役・社長とか専務・取締役っていわれるくらいだから、よくわからんぽです。

352 :本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 01:06:10 ID:Hi0J2Qn30
普通の会社がいまいちわからないので、俺の知ってるので答えると
例えば、交通にもいろいろあって交通指導課、交通規制課、交通企画課、などある。
またその下に係(標識係、信号係など)がある。
と、ここまで書いたけど聞かれたこととちょっと違う気がしてきた…。
詳しくは日本の警察wikiを見てみて。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%AD%A6%E5%AF%9F#.E9.9A.8E.E7.B4.9A

あと、課長、係長は必ずしも本官じゃなくて警察職員がなることもある。(会計や施設等)

353 :木村:2006/07/28(金) 20:56:47 ID:9cInDgFu0
皆さん情報提供ありがとうございます。

354 :木村:2006/07/28(金) 22:50:35 ID:9cInDgFu0
投下させてもらいたいと思います・・・すいません

午後7時
山崎巡査長の二班は、近くの住宅街の住民に避難指示をしていた。
「さきほど、この近くで暴動が発生しました。住民の皆さんは一時、○○小学校に避難してください。
繰り返します。さきほど、この近くで暴動が発生しました。住民の皆さんは一時○○小学校に避難してください。」
それを聞いた住民達は避難の準備を始めたようだ。しかし、その指示に従わない住民もいた。
「山崎先輩、ここら辺の住民は20パーセントぐらいが避難を完了して、残りの50パーセントは避難を完了していません。
そして30パーセントの住民は指示を聞かずに家に閉じこもっています。」
それを聞いた山崎は、周りを見渡した。少しずつではあるが住民が家から出て、避難所の方に向かって歩いている人もいる。
「キャー・・・」
わりと近くで悲鳴がが聞こえてきた。
「山田、付いて来い。森はこの場で避難指示を続けろ」
山崎、山田の二人は急いで悲鳴の聞こえた方に急いだ。
見ると、やはり商店街で見たゾンビにが2体いた。
「くそ、またあいつらか。山田、威嚇射撃はしなくていいすぐ撃て。」
パン、パン、パン
住民を襲っていた二体のうち一体は倒れたが残りの一体がどんどん近づいてくる。
パン、パン、パン、・・・・・・
そして、もう一体いたゾンビも倒れたがかすかにピクピク痙攣している。
襲われていた、住民に駆け寄ったが、すでに大量に出血をして死んでいた。
「山田、急いで森のいるところに戻るぞ。もしかしたら森のいる所にもゾンビが向かっているかもしれない。急ぐぞ。」
山崎達は、森のいる所に急いだ。走っている途中に悲鳴が聞こえた。
「ウギャー」
「先輩、あれ森さんの悲鳴じゃないですか。」
「くそ、急ぐぞ山田。」
「了解」

355 :本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 23:12:31 ID:32wu2R6ZO
終わりでしょうか…?

356 :本当にあった怖い名無し:2006/07/28(金) 23:46:52 ID:aYw+x7B80
乙。ものすごく期待

357 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 01:18:24 ID:wZX4ngQQO
「キャー!」
グチャッ
「痛い!痛いっ!やめてーっ!」
バキッ…ゴリッ…ぐちゃっ…
「誰かっ…」
グチャッ…ぐちゃっ…
「…………」

358 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 01:27:20 ID:wZX4ngQQO
妹が喰べられていく姿を、ただ、窓越しに見ているしかなかった…。

あれから一体どのくらい時間が過ぎたのだろう…

車の周りには無数の死者が群がっている…。

こんなに囲まれていては動かせないよ…

いっそのこと、この身を投げ出した方が楽になれるのかな?

359 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 01:37:16 ID:wZX4ngQQO
何故こんなに死者が増殖したの?

半日でここまで増殖するなんて…

朝に妹とTVのニュースを観ていた時には、ここまで酷くなるなんて、
想像もつかなった…。

彰さん…

360 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 02:14:29 ID:CXa6Cukv0
とりあえずハンドルつけて

361 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 16:34:59 ID:r5+5x2fCO
よし、ハンドル取り付け完了。
ブウゥゥゥゥン
ドガッ バガッ ゴリゴリッ ブチャッ ブチュブチュッ
群がるゾンビどもをなぎ倒しながら、俺はその場を後にした。
「おいキッド、このあとどうすればいいと思う?とりあえずシャワーを浴びたいんだが。」
「はいマイケル。それではこの先の極楽湯にいきましょう。そのあと私のボディーも綺麗にしてくださいね。肉片や血などがこびり付いて臭くて仕方ありません。」
「そうだな。じゃあまずセルフスタンドに寄ってくか。」

362 :木村:2006/07/29(土) 18:13:31 ID:UYGnkhqp0
続き投下します。

森の悲鳴を聞いた山崎たちは、森のところに走っていった。
そこで見たのは、ひたすら拳銃をゾンビに撃っている森がいた。しかも森は肩から大量の血を流している。
山崎と山田は拳銃をゾンビに向け撃った。
カチ・・・?
しまった俺は先ほどの戦闘で拳銃に入っている弾を全部使ってしまったことに気づいた。
山田は、全弾撃ったが4発がはずれ、二発が腕などに当たった。しかしやつは何も無かったかのように森を襲おうとしている。
ドン・・・
銃声?
10メートル先から猟銃を持った男が手を振っている。
「おーい大丈夫かー?」
男は大声で言ってきた。
「こっちに来てくれ。」
山崎が言うと男は走ってこっちに来た。
「あなた名前は?職業は?」
山崎が何かを聞こうとしたら、山田が序組む質問を始めてしまった。
「俺か、俺は谷口健太。サラリーマンだ。」
「本当にサラリーマンか?」
山崎が聞くと谷口は
「元・・・陸上自衛官だ。」

363 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 18:48:31 ID:c3H9WgEX0
最近のナンブって、初弾抜いてないんだっけ?

364 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 20:03:01 ID:uIw7ie3r0
>>363
別にいいんでないの?
そこまで現実に拘らなくても。

365 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 20:34:39 ID:ciJSWDzB0
ま、知らないなら知らないでいいから、変に調べながら書くよりものびのび書けや。

366 :木村:2006/07/29(土) 20:40:07 ID:UYGnkhqp0
すいません知識不足で・・・

367 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 22:20:47 ID:eU4Ut80r0
支援

368 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 22:49:57 ID:c3H9WgEX0
>>木村氏
いやすまない。前にニュースで初弾を抜くか抜かないか議論してたからきになったんだ。
責めたわけじゃないので許してくれ。

369 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 22:56:21 ID:YNvUeUFHO
抜いてないよ。

370 :本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 23:14:05 ID:wBV9RbvSO
テレビドラマだって、視聴者にわかりやすくしてある。
よく、細かな設定を先に決めて物語を作ってはいけないとも言うし、木村さんらしく、のびのび書いてください。

371 :通勤電車男:2006/07/29(土) 23:14:06 ID:ouL8SzzPO
木村様・357様、続編&新作?の投稿お疲れ様です。
木村様、遂に部下の方から負傷者が(>_<)。
それにしても避難した人が20%と言うのが生々しい数字ですね(^_^;)。
357様、あれ?新作..かな(^。^;)。
いきなり喰われてるシーンですか!インパクト強いですね!。
暑い夏を忘れさせる展開を期待しております!。
我流様、あぁ我流様まで...(;_;)。お早いお戻りを!。お待ちしてます!!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

372 :本当にあった怖い名無し:2006/07/30(日) 20:53:06 ID:c2rbcUVk0
>>361
ワロタ

373 :本当にあった怖い名無し:2006/07/30(日) 21:35:16 ID:T6BWdLSY0
>>372
まあスレ趣旨から逸脱してはいないから、これも作品だよな。
書いた人、乙。

374 :本当にあった怖い名無し:2006/07/30(日) 23:09:14 ID:fh280yZNO
なんつーか最近テンプレとか読まないヤシ増えたよね・・・(´・ω・')

375 :本当にあった怖い名無し:2006/07/31(月) 00:28:12 ID:9Bq2pMV/0
続いてたんだ……このスレ。
久しぶり記念カキコ。


376 :本当にあった怖い名無し:2006/07/31(月) 13:23:10 ID:10MIv6d9O
こんにちは。
たぶんだれも覚えて居ないとは思いますが、anecdoteを書いていたslaveです。
どうもお久しぶりですが…御相談があります。
今回は前回までのまとめファイルと新規で書いた分と両方になりそうなのですが、新規のほうが今までより長くなりそうです。
切るのに適した部分も見つからず、書いただけ出したいのですがよろしいでしょうか?

377 :本当にあった怖い名無し:2006/07/31(月) 13:39:21 ID:92iS7xd1O
桶。カモーン

378 :本当にあった怖い名無し:2006/07/31(月) 15:11:18 ID:69ZTkuTbO
slaveさん降臨ッッ
お待ちしてます。

379 :本当にあった怖い名無し:2006/07/31(月) 23:23:38 ID:d5OqwqdE0
期待sage

380 :本当にあった怖い名無し:2006/08/01(火) 08:18:25 ID:fMkh4b8bO
slaveさん!おかえりなさい!

381 :本当にあった怖い名無し:2006/08/01(火) 11:15:10 ID:pjVLsPEw0
slaveさんの投下にwktk

382 :本当にあった怖い名無し:2006/08/01(火) 17:08:21 ID:IGI4CXk/P
slaveさんキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!


383 :通勤電車男:2006/08/01(火) 23:34:53 ID:lSx70gqLO
Σ(・▽・)ノ゛ slave様!
電車の中でカチカチしながらお待ちしております!。

384 :本当にあった怖い名無し:2006/08/02(水) 12:40:55 ID:sD5Gir1B0
slaveさんいらっしゃ〜い(・∀・)

385 :本当にあった怖い名無し:2006/08/02(水) 20:46:09 ID:3DeYQsVa0
DEAD RISINGはすごいな!
この板の人にはお勧め

386 :slave:2006/08/03(木) 03:24:46 ID:EwB0JRJ30
推敲に時間が掛かってしまい、遅れてしまいました…。
今回まで、の分を含めたまとめファイル
http://www.uploda.org/uporg467144.txt(486k)
hをつけておくので、もしかしたら携帯でも見られるかもしれません。
一度、目を通していただければより分かりやすいかと思います…。

では、始めます。

387 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:26:51 ID:EwB0JRJ30
9

同日、9時30分。
激しさを増す雨と、賑わいのない暗い店舗、点滅する廊下の蛍光灯。
隆之に呼ばれ戻ったスタッフルームの雰囲気はどこか遼平に対してよそよそしい。
一目置く、と云うよりは、単純に距離を置かれたような風だった。
結局、何か気遣うような皆の態度に、遼平はいたたまれず適当な言い訳をつけてその場を離れるとエスカレーターに設置したバリケードを乗り越え、
一階の喫煙所で一人物思いに耽っていた。すぐ右手側にはシャッターの下ろされた西側出入り口が見える。
昨日までなら勿論、今日ならなおの事だが、連中と壁一枚隔てただけの場所にいると言うのに、何故か不思議と恐怖は感じない。
むしろ、この状況が遼平にはひどく心地よく感じられた。
あの時、何をしたかはわからない。だが、何となく予想はついていた。
――また、「キレた」のだろう。
つまらない事で諍いを起こしたり喧嘩を売られたりと、そういったときにたまに見境がつかなくなって暴れだす事がここ数年幾度もあった。

388 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:27:31 ID:EwB0JRJ30
それが元々不仲であった両親が離婚した小学校卒業前にはその回数も顕著になり、
ある日遼平のその性格を揶揄した同級生数人に怪我をさせたことから彼を引き取った父親の実家のある墨田へと越し、中学期はそこで過ごす事になったのだ。
それからしばらくは環境も変わり、友人の類が少なかった遼平も苦心の末に何とか小さいながらも友人関係を作ってからはその気も治まってきていたようだったが、
これは実際遼平自身でこの一面を露呈させ嫌われぬようひたすらに押さえていた事もあり、彼らの見ていないところでは何度か問題を起こしてもいた。
それでも事なかれで中学期を耐えてゆくうち、高校へと進学し幼馴染である隆之と偶然にも再会したのだ。
思春期の多感な時期に三年ものブランクがあるにもかかわらず、彼は遼平を快く受け入れ、昔のように接してくれた。
そんな彼や、部活動を始めてからたくさんの気のいい友人達に出会い、何時しか無意識の内にその不安定な情緒は改善されていき今に至っている。
隆之も、こういった遼平の性格は承知していた筈だが、離れていた中学期のブランクや、この異様な状況も手伝って許容する事が難しかったのだろう。
いささか体のいい解釈ではあるが、少なくとも遼平はそう思っていたかった。
立ち上がり、暗いフロアを見回す。
こういったスーパは、遼平には親近感のある場所だった。
仕事の忙しい父と今年高校に上がった妹、祖母と暮らすようになってからは、必然的に彼自身が家事の類をこなす事も多くなり、
週に二三度はよく学校の帰りに買出しへと出かけていた。
毎月父から預けられる決められた食費の中から、毎日朝昼夜家族三人の食事を作ることが遼平の日課だったのだ。

389 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:28:18 ID:EwB0JRJ30
見かけのハードワークの割にけして稼ぎの良くない父から渡されるそれはけして多いとはいえなかったが、
それでも日々折り込みチラシの特売品やセール品をチェックする事で、何とかその月々を凌いでいた。
当然、小遣いの類は貰ってなどいなかったし、携帯の料金も、被服費も、交友費も、毎月自分のアルバイトで稼いだ金を充てていた。
だが、それでも遼平は父を恨む事はなかった。
稼ぎの悪い、甲斐性のない父。古臭い言葉で例えるなら男らしくない、女々しい。事なかれ主義で嫌な事があってもばつが悪そうに薄くなった頭を掻くだけだった父。
それでも、遼平にはたった一人の父親だったのだ。
家族は今ごろどうしているのだろうか。ふと、そんな心配が遼平の脳裏を過ぎる。
車中で騒いでいた事やその後の混乱もあり、自分が東京からどれほど離れた地域にいるのか見当もつかなかったが、ともすればここと同じ奇妙な殺戮が
向こうに波及していないとも限らないだろう。とりあえず己の身が安泰となった今、遼平は祖母と妹が心配でならなかった。
父親はまず大丈夫としても、祖母は寝たきりで八十を越えたいまでは痴呆も現れてきているし、妹は体躯も華奢で、
部員の少ない女子バスケットボールに友人の誘いで昨年の三学期になってから入部してみたものの、あまり体力に自信があるともいえない。
何とかして、外部の状況を集めたかった。だが、昨日試したとおりテレビは使えない、そして携帯も固定電話もなぜか繋がらない。ここから出たくとも、周囲は奴らが覆っている。
実際のところ、手立ては一つも無かった。八方塞である。
遼平は頭を抱える。

390 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:29:46 ID:EwB0JRJ30
10

同日、午前9時48分。
暗いスーパーの、硝子張りの正面玄関ら最も遠く、外から窺い知る事が出来ない従業員用の細い路地に彩は香奈子と共に座っていた。
彩がここに行き着いてから直ぐに追って来た数十人の“連中”が正面駐車場を徘徊するようになったが、屋内の自分達には気付いていないようだった。
リーダー格らしい武藤と、大江、山崎は裏口周辺の様子を見に行って、今は近くに居ない。
「――あいつらがはじめて出てきたのは、そう、今から三日前の夜のことだったかな。その日、私が家に、ああ家はアパートで、私は一人暮らしをしてるんだけど、
確かその時くらい。突然下の階で叫び声が聞こえて、私も行ってみたの」
彩は、香奈子からこれまでの話を聞いていた。
ここまでまるでなし崩しに連中から逃げてきたが、連中が初めてこの町に現れた時の事を聞いておきたかった。
一体どんなきっかけで奴らは現れたのか、何故人を襲うのか。
逃げ惑うしかない人間として立場は同じかもしれないが、それでも、この町の住民なら何か知っているかもしれないと思ったのだ。

391 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:30:30 ID:EwB0JRJ30
「下の部屋は103で……鈴木さんって言うんだけど、その人の部屋の玄関が開いたまんまでそう……凄く嫌な匂いがした。なにか生臭いような、魚みたいな。
 もう玄関の周りには鈴木さんの隣の人とか、とにかく沢山野次馬が見ててでも……誰も中に入ろうとはしなかった。 きっと怖かったんだと思う。 私もそうだったし。
そのうち同じアパートの若い人たち……元木さんと川原さんって人が私に警察に電話するように言って、中に入っていったの。
 だから私は直ぐ部屋に戻って充電したた携帯を持ってきて……その時また下で叫び声が聞こえて」
香奈子は暗い路地を少しだけ見回すと、続ける。今まで淡々とした語り口が、少し濁ったようにも感じた。
「さっきの二人だった。いつも良く顔をあわせてたし、間違いないと思う。びっくりして私が二階の手すりから下を覗いたらなんでかわかんなかったけど、
皆が逃げ出してた。 慌てて警察に電話をしたけど繋がらないし。何度もかけなおしてたらそのうち本当に下に誰もいなくなっちゃって……
  そのとき、下の部屋から元木さんが出てきたの」
「大丈夫……だったんですか?」彩は、もう次にどんな答えが来る予想はついていた。だが、そう訊かずにもいられなかった。
「……血だらけで、ずっときょろきょろしてた、私が声をかけたら――こっちを向いたの。鼻がなかった。そこから血がどぼどぼ流れてて、今度は大丈夫ですかって訊いたら……」
彩は何も云えなかった。

392 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:31:14 ID:EwB0JRJ30
「良くわかんないことを言いながら走って階段を上がってきたの。 だから私怖くて部屋に戻ってチェーンかけて……何度リダイヤルしても警察には繋がらないしどうしたらいいかわかんないし
でももう元木さんが普通じゃなくなってるのは何となくわかってて。 叩く音が聞こえた。凄く強く叩いててドアが壊れるんじゃないかと思った」
「それがずっと夜中まで続いたの。 眠れなくて、でも気付いたら朝で……。 いつのまにか元木さんもいなくなってた。外の様子をみようと思ってカーテンを開けたら……」
香奈子は俯く。声のトーンがまた、落ちた気がした。安心感を与えてくれた暗く、窮屈なこの場所も、今では気まずさのみが支配している。
「何もかも変わってた。 ベランダに出てみたらあちこちから叫び声とか隣の家からとかあちこち煙が上がってて……道路を見たら逃げようとする車で一杯で進めなくって
乗ってた人がみんな引きずり出されてた。 子供まで。どこを見てもそう。 みんなおかしくなっちゃったのかと思って……逃げようと思ったけれど外に出て襲われたら嫌だし結局動けなくて、
、その間ずっといろんな人に電話してみたけど全部ダメで、これからどうしようか悩んでた。ドアの向こうを覗いてみたらお隣のおばさんが
子供を食べてて……外に出ようがなかったの」
「それで……」
「どうしようもなくてずっとベランダから見つからないに外を眺めていたんだけど、だんだん外で暴れる人たちがみんな居なくなってきて……
外を覗いたら、おばさんもいなくなってた。だから今だと思ってバッグに携帯とかお財布とか入れて、何を持っていったら云いか分からなくて、結局普通のお出かけセットを持って、外に出たの」
香奈子は膝を抱えなおす。

393 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:31:58 ID:EwB0JRJ30
「外にはやっぱり誰も居なかった。どこを見ても、誰もいない。 だから今のうち、と思って車で逃げようと思って階段を下りて――下の駐車場へ行ったの。
 昨日の鈴木さんの部屋は……見なかった。 見れなかった。 急いで車に乗って、道路に出た。 誰も居なかったけど……おかしかった。あちこちに血の後があって何人か倒れてた。
 家から出たときは人の姿は見えなかったけど……それでも、沢山人が倒れてた。車も何台か道路で止まってた……はじめは行く当てもなかったけれど、とりあえずこの街を出ようと思ったの。
 この街って、盆地地帯でしょう?だから、ここから出さえすれば何とかなるかな、って。 でも、それは無理だった。あいつらが、追って来たの。運転していたから分からなかったけれど、
いつのまにかあちこちから出てきて……追いかけてきた。私実はペーパードライバーで……車も買ったばっかりだったし……赤信号になったのに慌ててブレーキを踏んだら車、ぶつけちゃって……
後ろを見たらあいつらがまだ追ってきてたから……あとはひたすら逃げて。それから次に気付いたらもう夜で……誰か、人の家だった」
「誰か?どうして人の家に――」
「大江さんがね、助けてくれたの。彩ちゃんがここで一番初めに会った人。 後で訊いたら、家の近くまで逃げてきてたのをたまたま見かけて入れてくれたみたいなんだけど……覚えてない。 必死だったんだと思う」
「それが、三日前ですか」「そう、だね。後は色々あって武藤さんたちと会って、ここにいるわけ。この後の事を聞いても、あんまり面白くないよ。誰かが食べられたーとか死んだーとか、そんな話ばっかりだもの」
生々しい回想だった。人が人を食べる、そんな状況は常識的に考えてもおかしい筈だった。けれどもこの街ではそのものさしすら通用しない。
この一連の出来事の中で、初めから街にいたはずの彼女の話でさえ、原因が何かすらわからないのだ。

394 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:33:37 ID:EwB0JRJ30
「でも……何でこの街を出ようとしないんですか?車だって誰かのを使えば直ぐ出られたはずなのに」
「……一度はやろうとしたの。武藤さんたちと会ってから」
計画だけはしたんだけど、と続けると香奈子ははっとしたように口をつぐむ。
「どうか……しましたか?」「う、ううん。なんでもない……とにかく、それよりしばらく大きな場所に立て篭もろうってことになってね。
警察署に行ったけれど生きてる人は一人もいないし、初めは大江さんの家でじっとしてたんだけど食べるものも少なかったし……
しばらく、根城になる場所を探そうって事になってたまたま行き着いたのがここだったの」
「これから、どうするんですか」
「分からない。 とにかく何日かは動かないで、ここにいようってことにはなってるけど……その先は……あの日からテレビもラジオも映らなくなったし
……電話も繋がらないから外の情報もないし、動きようがないの」
「……そうですか」彩は改めて己の置かれた状況を理解し、そして落胆せざるを得なかった。
「でも、大丈夫。助けはきっと来るよ。屋上もさっき車で塞いできたし、下も夜になってこっちの様子が完全に見えなくなってからシャッターを下ろそうって」
香奈子は傍らのバックから携帯を取り出すと、少しの間だけ開き、直ぐに閉じると言葉を繋ぐ。
「……今十時だから、あと半日位は動けないけれど……」
彩は焦る。この場で生きている人間に合えたことは少なからず幸運ではあるが、しかし、ここに「彼」が居ない事も事実である。
昨日見た唯一の灯火。そこに唯一の希望を見出し、ここまで来たと言うのに。


395 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:34:40 ID:EwB0JRJ30
「永野さん、従業員のトイレから見てきたけど裏にはまだ誰も居ないみたいだ」
彩側、店舗裏に近い方の扉から大江が戻ってくる。
「金網越しの駐車場に何人かいたけど、さすがに破ってくる事は出来ないみたいだ」
「そう……じゃあ、今日は大丈夫?」「多分、ね」香奈子の問に、大江は多少の自身を孕んだ返事を返す。
しばらくして、武藤と山崎も帰ってきた。ふたりは大江とは別に二階の従業員控え室から商店街側を見てきたらしい。
通りには彩が追いかけられたときと同じく、未だに数える事が出来ないほどに連中がひしめき合っているそうだ。
「さっきまでは人っ子一人も居なかった筈なんだがな……あいつら、俺がここに来た時と同じく、食えるもんがないと隠れちまうみたいだな」
「あとは、夜になるまで待つだけだ」そう云うと、大江は溜息をつき、彩より少しはなれた場所に座り込む。
「とにかく、しばらくはこのあたりから出ねえほうがいいな。ま、食いもんくらいなら外に見つからんでも持ってこれるだろうし、特にあれなことはないか」
武藤も座り込むとまた、ポケットからワンカップを取り出して蓋を開けた。山崎も、黙って壁にもたれかかりながら腰を降ろす。
「ああ、そうだ……彩ちゃん、だったか、これからどうする?ここに残るか?あいつらがもう少しして居なくなったら……行く当てはあるのか?」
ワンカップを持ち上げながら、武藤は彩に問う。
さっきは急に羽交い絞めにされて幾らか気が立っていたし、あまりこれからどうしたいかは話したくはなかったが、しかし、ここには香奈子のような信用に足りそうな人物も
居る事は分かったので、もう隠す必要はないと思って彩は昨日の晩にデパートの方角から明かりが漏れていた事を話し、これからもう少ししたらそこに向かう事も伝えた。
「もしかしたら人がいるかもしれないから――はぐれた人とも会えるかもしれないし」

396 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:35:51 ID:EwB0JRJ30
「そう……でも、危ないよ。今だって追いかけられてきたんでしょう?だったら……歩いていくなんて」少しの間を置いて、香奈子が云った。
勿論それは正論だろうと彩は思う。デパートへの距離が近いとはいえ、次も逃げ切れる保証はないのだ。
生きている人がそばに居ると言うのがいくらか心地よいのも確かだし、ここに留まりさえすればある程度は身の安全が保障されるだろう。
何も彼に会うことが至上の目的ではないし、そもそもデパートへ向かう事にしたのも「彼」や、誰かしら生存者が居るかもしれないとの期待があったからだ。
だから現状でも彩自身はある程度目的を果たした事にはなるのだから無闇に動き回る必要もないのである。
「そうだよ、無理に動く必要はないと思う。 あの日からテレビもラジオも役に立たなくて情報の一つもないけれど
――自衛隊とか、警察とか、そういうのの助けを待ってからだっていいんじゃないかな」香奈子の言葉に、大江も後に続く。
「でも――」「とにかく」武藤が口を挟む。
「あいつらがよ、居なくなるのが先決だろうな。 ま、何かするにしても暗くなってから出なきゃどうにもならんし、彩ちゃんもそれまでに決めといたらいいだろ。
もちろん、東京の親御さんや友達も心配だろうが……残ってくれるのも歓迎だ。 こっちもよ、仲間が一人でも多きゃ心強い」
両親。云われて、彩はようやくその存在を思い出す。 一体彼らはどうしているだろうか。
東京の両親に思いを馳せようと思って少しだけ彼らの顔を思い出そうとして――すぐに止めた。
思い出したくないことが多すぎる。彼らの不和を、今このときに思い出したくはなかった。

397 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:37:07 ID:EwB0JRJ30
父は彩が高校に入学した日に職場をリストラされ、嫌でも毎日家に居る。 それだけならよかったが、「その人間」は、いつも荒れていた。
まるでテレビドラマの分かりやすい「馬鹿親父」のように酒に浸り、そして、家のものを壊し、母に暴力を振るっていた。
そう、本当に分かりやすい典型的な駄目人間である。
母は足りない生活費を稼ぐべくしばらくはパートに出ていたが、半年も経たないうちに父の暴力に絶え兼ねて誰にも云わず実家に帰った。
それでも、雀の涙より少ないような退職金も、雇用保険もある程度は残っていたので初めのうちは食べることくらいは何とか事欠かなかったが、
二年の終わりにその保険も給付が停止されてからはまるでその生活も一転した。
彩は進学の為と続けていた予備校も辞めざるを得なくなり、いわんや食べる事さえ一苦労で、彩は部活を引退してからは毎日妹の養育費や食費をアルバイトで稼がなくてはならなくなった。
時たま母が時々思い出したように仕送りしてくれる事もあったが、しかし、それだけではとても食い繋ぐ事すらできるわけがなく、その穴埋めの為に無理を言って仕事量を増やしてもらううちに
A判定だった志望校への成績さえも、もはや取り返しがつかないところまで来てしまった。
積み立ての修学旅行費も当然生活の糧になる事は例外ではなかったが、なんでも我慢するからそれだけは絶対に切り崩すなという妹の反対があったからこそ、
彩は最後の旅行とも思って京都へ向かっていた筈なのに。それさえこの災害で台無しになった。
彩は俯く。抱えた足を強く握り締めた。

398 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:38:01 ID:EwB0JRJ30
「ま、ゆっくり考えな。ここは安全だ……多分、な」武藤はそう云うと立ち上がり、二階へ続く階段を登っていく。彼の意図を察したのか、大江と山崎も各々で別な場所へと消えた。
そしてこの従業員用廊下へ残ったのは、再び香奈子と彩のみ。
大江や武藤の言う事は当然の事実で反論の余地はない。車も運転できない、ましてや多数の「暴徒」と戦う術を持たない一介の女子高生に東京まで戻る事などどうして出来ようか。
厳密な意味では目的は果たし切ったとは云えない。他人の協力無しで山越えなど出来たものではないだろう。
それに、この街にはまだ「彼」が居る筈だった。彩と似た境遇を持ち、苦労を共有してくれたあのひとが。
死ぬ事だって確かに怖いが、恐らく、それはこの先どうしたとしてもまとわり付いて離れないものであるのは確かだ。
だとしたら、これからの行動の予定に変わりはないだろう。もし武藤達の読みが正しいとして暴徒連中がもう少し時間を経てここからまたどこかに消えてくれるとするなら、
その時を見計らって出て行ったらいいだけだ。それが終わったら、なんとしてでも家に帰ろう。
彩ははやる心を押さえつつ、静かに深呼吸した。

399 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:38:35 ID:EwB0JRJ30
11

10月3日、午前9時53分。東京都、墨田。深川西高校。

高槻麻衣は、窓際の席から外を眺めていた。
目下に見える校庭はまるで水浸しでふやけきり、特にサッカー部が使うグラウンドの中心部に至ってはまるで小さな池さえ出来てしまったようにも見える。
――昨日とは比べものにならない程のそれに、麻衣は溜息をつく。
頬杖した右の腕に一層体重を掛けると、暗い空が見えた。午前中は明るかった筈のそれも、今では暗雲がたちこめたうえに激しい土砂降りを大地に撒き続けている。
多少高い土地に在するこの高校は、普段は遠くにそびえるビル群などが綺麗に見渡せて景観もそれなりに良いものなのだが、
ここ数日はまるで校庭と周辺の民家を遮る策の向こうすら見えないような、まだ午前中なのにもかかわらず日が落ちたかとさえ思わせるような鬱蒼とした景観のみが窓外を支配していた。
麻衣はこの教室から垣間見える眺めが気に入っていたのだが、しかし、これでは気も滅入ってしまいそうだと思う。
この調子だと、遠足もまた延期になりそうだ。本来ならば3年生の京都旅行に合わせた今日がその予定日だったのだが、この台風の接近に伴う豪雨のお陰で出発が延期になっていた。
同じ高校に通う麻衣の兄も晴れ間を喜びながら今日の朝早くに出発していたのだが、今となってはその面影すらこの景色にはなかった。
今日は三年生がいないことに加えて、他にも幾つかの部が毎年この時期に行われる新人戦に出場しているので相当な数の生徒と、引率に出た教師が居ない。

400 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:40:17 ID:EwB0JRJ30
屋外競技の種目が、ここ何日かのずれ込みのせいで後に支障をきたすとして強行的に開催されているそうだ。こんな雨の中ではまともな競技も出来ないだろう。
このクラスにも40人居るはずの生徒も、半分、いや、四分の一ほどもいない。一年生の各クラスもやはり、そのくらいか、それ以上に少ないのだろう。
そのせいで今日は親しい友人が、このクラスには殆ど居なくなってしまっていた。女友達に至っては、偶然にも皆大会欠席だった。
ちらと、黒板を覗く。2時限目の授業は数学Tだ。頭髪も白く、壮年の男性教師が2次不等式の例題を幾つか黒板に書き連ねながら、解答する生徒を問題ごとに指示している。
運良く、未だ麻衣の名前は挙がっていなかった。この教師は何かと今日の日付と同じ出席番号から順に生徒を呼ぶ癖がある。
ちなみに今日は10月3日なのだから、出席番号が24番の麻衣は普通に考えて呼ばれないという事も当然ではあるのだが。
それに、呼ばれたところで何ら困る事もない。麻衣は数学が好きなたちで、どんな問にも明快に道理が通るまで徹底的に考え通すし、
それでも分からなければ教師のところまで聞きに行く。だから何時間も続く同じ単元なら別段苦労はないのである。
麻衣は幾らも性格上ひどく気が弱かったがしかし、数学以外でも理屈を通す事は何よりも大事な事だと考えている。
もう一度、視線を窓外へと向ける。普段は芝刈りをする用務員や、厳しいと悪評な体育教師の指導のもと、グラウンドを周回する男子生徒の姿を見ることができるのだがもちろん、
この有り様ではそのような様子を眺める事は出来るはずもない。解くべき問題もなければ、眺められる風景もない。

401 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:41:42 ID:EwB0JRJ30
「――なあ、ちょっと教えて欲しいんだけど?」不意に、横から声が掛かる。
頬杖を解いて右手側を見れば麻衣にはよく見慣れた顔が――ひとつ後ろの席の井原裕紀が立っていた。
出席番号4番の彼は、解答者として指示されたのだろう。ノートにはあまり上手とは云えない角張ったような字で、問題二の式が写し取ってあった。
「それは……ええと……絶対値の中はa−3ってなってるよね?だから、aが3より小さい場合と、大きい場合に分けて解くの」
裕紀は背は170前後で並みといえば並みだが、部活に入っているわけでもないのに誰にでも気さくな性格で交友も広く、クラスの中でも人気がある生徒だ。
いわゆる、男子の中のまとめ役と云ったふうな立場である。
それに、アシンメトリ調にした黒髪がよく似合う精悍な顔つきが異性に人気になる他で、誰が見ても不思議と誠実そうに見えることも、裕紀の人気の一端を担っているのだろう。
かれはとりあえず言われたとおりにaが3より小さい場合と大きい場合に仕切ったところで、はたと手を止めた。
「……分ける、うん、訳がわからない」「――あのね」彼は場合分けの方法を理解していないのだろう。麻衣は仕方がないので自分のノートに大きく3と書くと、その左側に長い縦線を引く。
「その絶対値の中だと、aは3で0になるよね?だからとりあえず分けるとき基準になる値は3。3引く3はゼロになるけれど一応ゼロ以上になるからプラスとして、
でももしaに代入する値が2だったり4だったりしたら絶対値の中の数値はなんになる?」「ええと……2の時はマイナス1で、4の時はただの1」

402 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:42:32 ID:EwB0JRJ30
「そしたら、3より小さい場合……ここではマイナス1ね。この数字の符号はマイナスだからこの線の左側の値を代入すると、みんなマイナスになるの。3か、それより大きい場合はその逆で、みんなプラスの値になる。
 でも、aって数は結局なんだかわからないから、aがなれる全部の数の範囲をたとえ話で考えたのが、aが3より小さい場合と、3かそれより大きい場合なの」
麻衣はノートの上の3の下側と、それより右側にプラスの記号を、左3より左側に幾つかマイナスを適当に書き込みながら説明してみせる。
「あ、大きいとか小さいとかってそういう意味なのか」「そう。だから、とりあえずaが何の数字かはおいておいて、小さい場合と考えた時には絶対値を括弧に直してマイナスを外側に書き足して、
3より大きいなら今度はそのまま絶対値の符号を外して気にしないで計算してから、aに付いて解けばいいの」
「お!そうか……それでマイナスとプラスで計算して……よし」すっきりとしたような顔で、裕紀はさらさらと角張った筆跡で仮定を書き、各々の計算と値を求めた。
だが、aより大きい場合の仮定計算式の解が「マイナスaはマイナス3より大きい」となっていたので、麻衣は一言付け加えた。
「あ、これは最後に両辺の符号が入れ替わるから、不等号の口の向きを変えるのも忘れないでね」「あ……それ確かに先生が言ってたな、と。これでいい?」

403 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:44:24 ID:EwB0JRJ30
「うん、大丈夫だよ」麻衣の合意を得られたことで、裕紀は嬉しそうに笑んだ。
「やっぱ麻衣が教えてくれんのはスゲエ分かりやすいなあ、ありがと!」「やだ、そんなこと――」
「カズに教えてもらうよりよっぽど分かりやすいって」カズとは、彼の親友である斎藤和也の事だ。
彼と裕紀は麻衣の後ろで席が隣同士なので、様々な教科で教えてもらっているやり取りを麻衣は今までに何度も聞いていた。
「だって、和也くんのほうがきっと数学得意だと思うし」「いや、あいつは駄目だ。何でこの公式使えねえんだよとか文句ばっかり言うからさ」
それは事実だった。彼はよくじれったそうに裕紀に文句を言う。だが、それは真摯に、じれったくなるまでにどうにか分かりやすく教えようとする和也の苛立ちの現れだと麻衣は思っている。
だからこそ裕紀はそのくらいの事で怒らないし、和也も和也でそれを続けているのだろう。第一、そんな事で逐一口論になるくらいなら二人は端から親友なんてやっていない筈だ。
彼らとは小学校からの付き合いなのだ、そのくらいのことは麻衣も分かっているつもりである。
そう思う一方で、比べられて褒められると麻衣も嬉しくなってしまう。こうして謝辞の言葉に使い古されたような含みを感じないのはやはり彼の人柄、人徳なのだろう。
「そういえば和也くんは?」「ああ……なんか眠いって今日の朝から保健室にいるよ。まったく……できるやつはいいよな」そう云いつつ裕紀は笑う。麻衣も笑った。
「ほらー井原、あとはお前だけだぞ」教師の声が響いた。気付くと、他の三人はいつのまにか問題を解いて、とうに席へと戻っていた。
周囲の視線もいつのまにか麻衣の机の傍に座り込んでいた裕紀に集中している。
「うぇ、じゃ、ちょっと行ってくる」

404 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:45:35 ID:EwB0JRJ30
あれ?井原君てこずっちゃってんのかよ、などと彼と親しい友人のジョーク交じりの野次や笑い声の行き交う中でひとり、裕紀はふざけ笑いに顔を切り替えながら黒板へと向かっていった。
麻衣も、少しだけ雨に押されて暗くなった気持ちが晴れたような気がして、心の中で裕紀に礼を言った。
その後の添削も、裕紀のものは正解だった。
麻衣はそれに安心してから教えるのにノートに書いた部分を消そうとして――だがしかし、消しゴムを持った手を止める。
折角裕紀が感謝してくれた解説の跡を消すことは何とはなしに勿体無い気がしたからだ。
ほんの僅かな優越に麻衣はしばし浸ってから、新しいページを捲ってシャープペンを手にとるも、
新しい単元の公式を書き写そうとした時、動かした左腕で消しゴムを床に落としてしまう。
反射的に身を屈めて壁と机の合間に落ち着いているそれを拾い上げようとした折、麻衣の視界の外で不意に何かが動いた。否、動いた気がした。
刹那麻衣は伸ばす手を止め、窓を見る。普段ならば窓ガラスの映りこみと思って気にかけないところではあるが、しかし、
こうして自分が強く不明瞭な感を持った事を鑑みると、何とはなしにそれ以外のものの可能性を疑ってしまう。つまり、窓外に何かが居るのではないか、ということだ。
麻衣のいる二年六組の教室や同じ階のそれにはベランダがない。つまり、誰かが居るとしたら直ぐ下の校庭以外にない。
外は暗く視界も明瞭ではない。教室内の照明もあいまって、一層窓外の風景は見難くなっている。

405 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:46:22 ID:EwB0JRJ30
それでもこんな豪雨の中で校庭を歩く人間の顔が見たいと、麻衣はかけらほどのの好奇心にあかせて校庭を見回した。
「その人」は直ぐに見つかった。校舎側のサッカーゴールの正面辺りに「その人」はぽつんと立っていた。
この暗さのお陰で表情こそ判別できなかったが、シャワーのような雨に打たれ、「その人」はただ佇んでいた。
服は恐らくは女性らしいようなそれであるようだがこの闇のせいで大まかに見える分、スカートほどしか判別できなかった。
違う。そこまで見て麻衣はようやく気付いた。なにかがおかしい。
幾ら暗いとはいえ今はまだ午前中で、「その人」もそれなりに近くに居る。顔が見えないのはそう、顔や体中に濡れた黒髪がべっとり張り付いているからだ。
あれだけ長い髪が顔にかぶさっていたら、払いのけるのが普通の筈だ。
それに、「その人」は裸足だった。雨中とかそういうことの加味も無しにしてもそもそも、この国で裸足でいることは幾らもおかしい。
微動だにせず、ただ立ち尽くす「その人」。教室の中の日常と眼前の非日常に、麻衣は強いギャップを感じざるを得なかった。

406 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:47:27 ID:EwB0JRJ30
刹那、校舎の側から光りが漏れる。誰かが傘を差して校庭の「その人」に駆け寄ってくる。生活指導の宮岡だ。
彼は「その人」のもとまで行き、立ち止まる。身振り手振りしているところを見ると、「その人」に何か問い掛けているのだろう。
「その人」は何かをする素振りを全く見せない。苛立つかのように宮岡の動作が激しくなる。だが、「その人」はやはり何もしない。
とつとう宮岡は、「その人」の腕を掴み連れて行こうとしたが――唐突に驚いたような素振りを見せて、「その人」から手を離す。
刹那、鈍い光が二人の周りを舞った。次の瞬間、宮岡は尻餅をついて転ぶ。
急な一連の動作に麻衣は息を呑み、目を疑った。一体何事かと思って「その人」の右手に留まっている鈍い光を凝視する。
その正体を理解するのに、時間はいらなかった。彼女は良く見かけるものであったし、生活の一部に必要なものとして昔から見かけていたものだった。
宮岡の白いシャツが、紅に染まる。宮岡は右手を押さえた。宮岡は慌てた様子で後ずさりする。「その人」がふいに一歩踏み出した。
それから「その人」またそれを――包丁を振り上げる。麻衣は目を見開いた。

407 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:48:13 ID:EwB0JRJ30
雨音で声は聞こえない。だが宮岡は叫んでいた。恐らく、あらん限りの越えで断末魔をあげていた。この場所からでも分かるような、彼の硬直しきった表情がそれを物語っていた。
一度目は右肩に、続けて二度目は左胸へと突き出される。三度目は左耳を削ぎ落とし、四度目は右目を抉った。何かてらてらとした物体が、刹那ばかり虚空を舞う。
宮岡は倒れ、ひくりとも動こうとしない。それでも何度も何度も、「その人」は馬乗りになって宮岡を刺ししつづける。執拗に、酷く執拗に。
その獣のような荒れ狂った動作のその度に、水気を孕んだ黒髪がばさと揺れた。
「じゃあ教科書の56ページの公式のまとめから――」
麻衣は声が出なかった。ただ全身の筋を硬直させ、その光景から目を逸らす事ができずにいた。冷やりとした汗が、背中を走る。
「そうだな、7番の斎藤が休みだから」「先生、保健室です」「そうか、まあ……じゃあ隣の――高槻、ここを読んで」
ひとしきりの行動を終え「その人」は立ち上がる。膝を突いて汚れた服を気にするでもなく、ただ立ち上がってきた。

408 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:48:53 ID:EwB0JRJ30
「高槻ー、どうした、寝てるのかー」
ぐるり。「その人」は首をもたげる。初めは空を仰いでいるようであったが、違う。
「起きてるじゃないか――高槻、どうした?」
目が合った。いや、髪のせいで目などやはり見えない。だが、確実に「その人」は、麻衣を見ていた。鋭く、それでいて快楽に満ちたような目で、麻衣を射抜いていた。
まるで矛盾する状況の中でも、まるで心臓が凍りつくような、そんな小説で用いられる形容の意味を麻衣は今初めて身を持って知った気がした。
「麻衣、どうした――?」
何かが、肩に触れた。
「きゃあああああアッ!」麻衣は体を震わせ、思いきり背後のそれを振り払った。
刹那、空間が無音になる。その段に至ってようやく、麻衣は我に帰った。
振り向いた視線の先には、唖然とする裕紀。そのさらに後ろにもやはり、ペンの動きを止めてこちらを見るクラスメイトたちの姿があった。
「ど、どうしたんだよ」「あの、え、ご、ごめんね」
申し訳程度に謝って、急いでもう一度校庭を横目で一瞥する。

409 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:50:28 ID:EwB0JRJ30
その場にはやはり、まるでドラマの投身自殺者のように右足を不自然に、ハードルを越えるように折り曲げた宮岡が倒れているのみだった。
「お前なにしたんだよー」「いや、ちょっ、俺なんもしてない……よな?」
再度、麻衣の視線は釘付けになる。「その人」が、その場から忽然と姿を消していた。
「って麻衣……どうした」「あ、あれ――」麻衣は、傍に来た裕紀に校庭を指差す。
それから宮岡の事を伝えようと口を開くも、震えて掠れた声しか出なかった。
だが、麻衣の尋常でない様子を感じ取ったか直ぐに裕紀は校庭へと目を向けて――やはり、息を呑んだ。
「せ、先生あれッ!」裕紀が教師に向かって大声を張り上げる。
裕紀の指した先を見ようと、今度は廊下側のクラスメイト達がめいめいに疑問の声をあげつつ一斉に窓辺へと駆け寄った。
教師も、教科書を教壇に放り、慌てて窓外を覗き込む。
いち早く窓辺に張り付いた生徒たちから、ざわめきや悲鳴に似た声が上がる。
そんな中でも好奇心が働いたのか一部のクラスメイトは携帯電話のカメラ機能で写真を撮ろうとして、あちこちで電子音が響き出した。
麻衣は押し寄せる彼らに押し潰されそうになりながらも、宮岡を凝視し続けた。
何をどうしてよいかわからず、ただそうしているしかなかったのだ。
「高槻!宮岡先生に何があったか見たのか!?」ようやく現状を認識した教師が、麻衣を詰問する。
その様子はいくらか戦慄し、そしてこの場に居た麻衣さえも怪しむような含みがあった。
「そうだ、麻衣お前何か知ってんのかよ!」「麻衣ちゃんなんか見たの!?」その教師の言葉で、宮岡から矛先が麻衣へと向かう。

410 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:51:29 ID:EwB0JRJ30
急にそう問われても、麻衣は何から話そうかと思って答えあぐねた。「言わなきゃわかんね-って!」「そうだよ教えてよ!」
それに苛立ったのか、クラスメイトも次第に穏やかな口調だったのが、次第にきついそれへと変わってゆく。
友達だった筈の人間の視線が、刺さるように痛い。
だが、麻衣は何を答えればよいかわからず、ただ立ち尽くす。思考が混乱する。
「だ、だって……私――」現実に、否、現実的過ぎるが故の非現実に直面させられて、
人に感謝されてほんの少しだけ高揚していた麻衣の気持ちは、ただ落差を広げるだけの要素と化していた。
その幅の大きさゆえに大きなショックが麻衣を襲い、より一層に冷静な思考を失わせる。
「おい!何か知ってるんだろう!」教師は麻衣の肩を揺さぶる。だが、それになされるままに麻衣は放心していた。
俯き、唇を噛み締める事が、今の麻衣の精一杯だった。
未だに整理はついていなかったが、それでも今さっき見た光景の重要性を唐突に理解し、その責任の重大さだけが押し寄せてくる。
目頭が、熱くなった。鼓動が、緊張のあまり殊更に高まる。
「おいおい……待てって!言い過ぎんなよ!麻衣だって混乱してんだろ!」裕紀だった。
周りに殺到するクラスメイトを押しのけて、彼は麻衣の顔を覗き込む。
「――大丈夫か?」その言葉に、麻衣はかぶりを振る。
「そっか……とにかく、先生は宮岡先生んとこどうにかするとかさ、麻衣んとこ追い詰める前にやることがあんでしょ!?」


411 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:52:18 ID:EwB0JRJ30
「あ、そ、そうだな……わかった。じゃあちょっと行ってくるから……」 
裕紀の言葉に目が醒めたかのように、そして申し訳なさそうに教師は慌てて教室を出てゆく。
そのうち他のクラスメイトも、階下を一瞥すると各々の席へと戻っていった。
この場の鎮静効果は、おおよそ人徳の厚いの裕紀特有のものなのだろうか。麻衣も、彼に促されて椅子に座る。
大きく深呼吸して、鼓動を落ち着けようとするがそれもまるで上手くいかない。逆に、なぜか否応なくそれが高まる。
まるで心の底に混乱が落ち込まないような、何か引っかかるものがある気がした。何かを、忘れている気がする。
麻衣はもう一度、事の始まりを回想する。裕紀に数学を教えて、それが正解して、ノートに新しい単元を書き写そうとして、
消しゴムを落として――はっとする。
長い髪の毛。裸足で、薄汚れたスカート。包丁を持った「その人」の姿が、麻衣の脳裏に一度に思い起こされる。急な寒気が襲う。
「……裕紀くん!」
その事を伝えようとして裕紀のほうを振り向いた――その瞬間だった。
甲高い叫び声が、校内に木霊した。席に戻っていたクラスメイト達も、麻衣も、硬直する。
携帯を操作するもの、眠るもの、自習するもの。皆が階段の側に向きを改めて、動きを止めた。
裕紀は眼前で麻衣を見たまま唖然としていたが、直ぐに駆け出し、教室の引き戸へと走る。彼の行動に他何人かの男子も続いた。


412 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:53:26 ID:EwB0JRJ30
麻衣はまさかと思った。心の内に浮かんだたった一つの可能性を否定したかった。しかし、それは出来ずに終わる。
男子達は階下を見つめ続ける。隣のクラスからも幾人かが出て来、様子を伺っていた。
隣のクラスで授業をしていたであろう教師も数人現れ、その生徒にここから動かないように云って皆階段を下ってゆく。
普段は不必要に反発する男子生徒たちも、今回ばかりは教師の剣幕に圧されて取り敢えずはその指示を受け入れたらしい。
静寂が続く。いかなる音でも聞き逃すまいと、誰も彼もが音を殺しどうにかして下の様子を知ろうと躍起になっていた。
窓外に響く雨音が一層姦しく聞こえるような、重い無音。そんな中で、麻衣は一人「その人」のことを考えていた。
不意に、廊下の男子達がどよめく。何かが聞こえたのだろうか、だが、ここからでは彼らの密談は聞き取る事はできない。
次第に彼らはその度合いを高め、廊下の喧騒は次第に激しくなってゆく。
「やっぱ俺行って来る!」「おい待てって!何かおかしいぞ!」
廊下で騒いでいた三人ほどが、裕紀や数人の制止を振り切ってとうとう階段を下っていった。
彼らの上履きの足音は、直ぐにフェードアウトして消えた――その瞬間、階下で連続的にガラスの破砕音がする。
教室内で小さな驚嘆の声が幾つか響く。

413 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:54:41 ID:EwB0JRJ30
それも、一枚や二枚ではない。まるで階下全てのそれが叩き割られるような、凄まじいまでに連続したそれだ。
ここに至っては、教室の中の最早誰もが口を開こうとしなかった。否、開けなかった。
彼らは少しでも耳に音を拾って下の様子を知ろうとしれいたし、だが何より、そもそも現状が理解できず呆然とするほうが大きいのか。
思惑までは理解しかねるがとにかく、誰も話さない、話してはいけないという風潮が確実に醸成されていた。
常日頃に人と付き合う時間を余分に持てない麻衣にとってはこの場にすら知る者の顔も少なく、妙にこの状況がクラスから疎外されている気がしてならなかった。
階下で再び誰かが叫ぶ。今度は男性のようだ。更に誰かが叫ぶ。今度は女性、また誰かが叫ぶ。今度は男性――。
恐怖に怯えるような、痛みに悶え苦しむような。むしろそれらは断末魔と形容するのが正しくなってきたのかもしれない。
「もう何なの!?」とうとう不安が勝ち、一人の女子を皮切りに一斉に沈黙の堰は破られた。
「どうなってんだよ?」「知らないよそんな事!」「何なのもう!」
皆が皆口々に不安を口に出し始める。廊下に近い席の女子何人かが、教室を出て行った。隣のクラスからも数十人の生徒が押し寄せる。

414 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:55:39 ID:EwB0JRJ30
また誰かが下に降りた。そういえばまださっきの三人も戻ってきていない。それに続いて、また男子数人が降りていく。
それに続いてまた何人かが降りていった。
複数の上履きの音が遠くなり、そして消えた。
また階下で断末魔。もう、疑い様のない事実だった。「その人」が下で人を襲っているのだ。宮岡を刺殺した「その人」が。
数日前にも大阪の小学校で無差別の殺傷が起こった事を麻衣は新聞で読んだ記憶がある。
それと同じ事態が今間違いなくこの場で起こっているのだ。
次第に語調を荒げるクラスメイト達の混乱の中で麻衣は携帯を握り締めた。何度もミスタイプしつつ、110番をコールする。
もし何かの間違いでも何でも構わない。いたずらだと思われてもいい。今はとにかくこの不安から解放されたかった。
耳元で、何度もコール音が続く。麻衣はひたすらに彼らが早く受話器を取るようにと願った。三回、四回とコール音は続く。
だが、早く受話器を取るどころか彼らはまるで一向に応答する気配すら見せようとしない。十回、十五回、二十回、三十回――。
三十一回目のコール音のときに、一方的に呼び出しは切られた。
恐慌した麻衣は動揺を隠そうともせずに再びリコールするが、それもやはり応答しない。
更にもう一度、それから最後と思って掛けたリコールさえ、一度も取り次がれる事なく終わった。
「嫌……どうなってるの!」麻衣は慄くあまり、震える声で一人呟いた。その問に答えるものはない。
この場の誰もが、その問の答えを是非聞きたいと思っていることだろう。
いつのまにか廊下の生徒たちが少なくなっていた。皆、下の様子が気になって降りていったのだろうか。

415 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:56:20 ID:EwB0JRJ30
だが何人かの知っている顔や、裕紀は残っていてくれたので、麻衣はほんの少しだけ安堵する。少しの間を置いてその視線に気付いたか、裕紀が教室の中に戻ってきた。
教室中で交わされる怒号交じりの論争を諌めながらも、彼は麻衣の元へ小走りでやってくる。それから己の席に手をつき、一つ大きな溜息をする。
「……大丈夫か?」廊下で下に降りようとするクラスメイトを引きとめるのに何度も大声を出したのか、その声色はいくらか疲れた風だった。
「う、うん」「そっか――なんだか、訳わかんねえ事になってきたな」「……電話、警察に電話してみたけど繋がらないよ、駄目みたい……」
「マジか……っ糞、下はどうなってんだよ……降りてった奴は全然帰ってこねえし……だから行くなって言ったんだ」裕紀は床に座り込みひどく苦い顔をすると、頭を掻く。
「下に――宮岡先生と誰かがいたの」「え?」「髪の毛が長くて、裸足で……包丁を持ってた」包丁、と云ったところで、急に裕紀の表情が豹変する。
「……それをさっき……見たのか?」
「……うん。その人に宮岡先生が刺されて――それで気がついたらその人、校庭から居なくなってたの」
「そいつが……下に」裕紀は目を泳がせ、そして、俯く。それから無言で、床に拳をに打ちつけた。
「……多分、ね」「警察もよりによってこんな時にッ……何してんだよ……」裕紀は急に立ち上がる。
「……そうだ、さっきの奴ら引きとめねえとッ」「駄目だよ!もしかしたら二階まで来てるかもしれないよ!?」
「そんなら余計だよ!もう何十人も降りてって……戻ってきてないんだから」弾かれたように裕紀は走り出した。堪らず、麻衣もその後を追う。
六組の教室前廊下には、もう四、五人ほどしか残っていなかった。見れば廊下奥の一組側の階段にも何人か生徒が様子を伺うために出てきている。

416 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:57:05 ID:EwB0JRJ30
「行かないほうがいいよ!」気弱な麻衣もつい語調を荒げて裕紀を止めようとする。
「そうだって……お前まで行くなよ!」「危ねえって自分で言ってたんだから止めろって!」
麻衣の言葉に合わせて、周りに残ったクラスメイト達もそれに連動する。何人かは階段の前に立ちふさがった。
「だって相手は――頭がおかしい奴かも知れないんだろ!?」壁を作る友人達を、無理に押しのける裕紀。
「だったら……直ぐにでも止めないとッ!」
刹那、階下から怒声と足音。テンポが速い。走っているようだ。
その音が近くなるところを見ると、誰かが走ってきているのかもしれない。
「でも、ほらッ、誰か来たよ!?和也君かもしれないし……だからっ……少し待とうよ!」麻衣は必死に裕紀を説得する。
その間に更に足音は近付き、激しさを増してゆく。二階の踊り場を回った。
そして、足音の主が現れる。黒い長髪で、ブレザーを着崩した生徒。「カズ!」「和也くん!」二人は声を揃えて叫んだ。
「お前ッ……大丈夫だったんだな!」だが和也はそれに答えず、残り半階分の階段を二段跳びに跳ねる。それから、
「馬鹿何してんだお前らッ!さっさと逃げろ!」――唐突にそう叫んだ。
麻衣は戸惑う。いや、麻衣だけではない、裕紀や、クラスメイトとてそうだ。


417 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:57:49 ID:EwB0JRJ30
「何ぼうっとしてんだよッ!下はもう駄目だ!さっさとどっかに逃げろってんだよ!」もう一度、和也は怒鳴る。その言葉に周囲は沈黙した。
麻衣の体中を悪寒が駆け巡る。和也の言葉に誰もが沈黙し、雨音と荒い呼吸音だけが響くその場で、何か麻衣は不穏なものを感じ取った。
否、感じたのではない、聞いたのだ。耳を澄ます。また聞こえた。二度、三度、四度――それは続く。
音は次第に近付いていた。ひたり。ぴたり。ぴたり。まるで風呂場の濡れたタイルの上のような足音。ぴたり、ひた、ぴた。
悪寒は増幅する。からり。何か堅いものが擦れる音がする。ひたひたひたひたひたひたひたぴた。音の間隔が短くなる。
麻衣は裕紀、それと和也と目を見合わせた。この音に気付いている。心なしか、和也の顔色が心なしか青くなったように見える。
音のテンポがずれた。だが直ぐまた戻り――更に音は近付く。そこまで来ていた。二階からこの三階に続く踊り場までに、誰かが居た。
もう誰も音の一つも出そうとしない。これから登って来るであろうその人に、自分達の存在を気付かせたくなかったのだ。
だが、それとは正反対に、一同はまるで動けずにいた。否、動けなかったのだ。
――和也も、荒い息を無理矢理にも落ち着け、座ったまま踊り場を睨みつづけている。

418 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:58:43 ID:EwB0JRJ30
ぴたり、ひた。階段の手すりから「その人」の頭が覗く。麻衣は息を飲んだ。黒い、長い髪。濡れて、まばらに体のそこかしこに張り付いていた。
ひた、ぴた、ぴた。薄汚れた、白かったであろうスカート。ふと、麻衣の脳裏に違和感が過ぎる。
普通の女性だと思っていたのは、どうやら違うようだ。いや、女性ではない事が
不自然なのではない。包丁を持っていることでも、腰までびしょぬれた髪のことでもない。
「その人」が踊り場に立つ。麻衣は、気付いた。
「その人」は、異様に背が高かった。
悲鳴。蜘蛛の子を散らすようにクラスメイト達は逃げ出すのと、「その人」が階段を駆け上がるのは同時。
「その人」は、凄まじい勢いで階段を上がる。その度に魚が跳ねるような不快な音を伴う。「その人」は手に持った包丁を振り上げた。
「その人は」階段の最後の一段を跳び――。
気付けば、「その人」は眼前にいた。
「その人」が包丁を振り下ろす。もう駄目だ。自分に来るものだと麻衣は目ぎゅっとを瞑る。だが痛みは訪れない。
幾ら待ったかわからなかったが、しかし、鋭利な痛みは麻衣に訪れなかった。
恐る恐る、目を開ける。眼前には、暗い階段だけがあった。「――裕紀ッ!」誰かが叫んだ。はっとする。麻衣は横を見た。

419 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 03:59:28 ID:EwB0JRJ30
裕紀の胸に、巨大な、鈍い光の突起が現れていた。シャツの上から真っ赤な液体が染み出す。
裕紀はまるで何があったか分からないように、視界をゆっくり上に移す。麻衣の頬を、熱い何かが伝う。
「その人」が立っていた。裕紀の目の前に。包丁を突き立てて。
裕紀の胸から鈍い色のそれが離れる。麻衣の前で、空気が流れた。何事かわからず、裕紀は棒立ちする。
それから彼は胸を両手で探り――それからシャツの染みに気付き、云った。
「あ?なんだ――こ」また空気が流れた。裕紀の左眼に、鈍い光が細長い穴を穿った。空気が流れる。次は左肩に、次は喉に。鈍い光はなんの躊躇いもなく穴を穿つ。
次は左頬に次は左脇腹に次は右胸に次は鳩尾に次は首筋に次は右脇に次は左胸に次は右上腕部に。空気が流れる。次は、口に。
「裕紀ッ!」また誰かが叫んだ。「ぐええぇえええぇぇええええッ」眼前で上がる奇声。「うおおああああああああああああああああああッ!」響く怒号。
「その人」が、虚空を舞った。階段の上を、まるでダイヴィングのように華麗な回転を見せつつも、古枝の折れるような乾いた音を伴って踊り場に頭部から着地する。
刹那、麻衣は誰かに右腕を――和也が麻衣の右手を掴み、駆け出していた。「走れッ!」
「え……ッ?ひ、裕紀くんはッ!?」訳もわからぬまま、手を引かれた麻衣は四階への階段を駆ける。背後で、誰かが倒れた。同時に、階下から複数の足音が響く。
和也と同じ、逃げてきた人かとも思ったがしかし、「そうでないほうの予感」が強すぎて、麻衣は後ろを見られなかった。

420 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 04:02:04 ID:EwB0JRJ30
踊り場を回り、四階の教室が見えた。三年生は勿論居るはずもない。廊下や教室の電気はすべて落とされていて薄暗く、たった一階登っただけでまるで夜の校舎に迷い込んだように麻衣は錯覚した。
四階の床を踏みしめるのと同時に、三階で激しい悲鳴が響く。一人や二人――それも、男や女の区分すらない。
更に、何かが強く壁に衝突する音やガラスの破砕音が続く。
良く分からないうめき声や、奇声も多く聞こえる。直線距離にしてもたった数メートルの距離だというのに、
まるで麻衣には下の教室で何が起こっているかなど到底想像する事ができなかった。
それだけ、階下で起こっているであろう状況は麻衣や、並みの人間の想像力では持て余すものがあったのだ。
だからといって、踊り場辺りまでまた降りて現状を確認する勇気も気力も、今の麻衣にあるはずもなかった。
「連中……一人じゃねえんだよ……ガラスを割って……入ってきやがったんだ」「あの……さっきのは――」「……その内の一人だろ」和也はぶっきらぼうに言う。
返す言葉で「だけど――何で」こんなに沢山、と麻衣は聞こうとしたが、刹那、和也が人差し指を口の前に立てたので出掛けた言葉を留めた。
「――隠れる場所を見つけねえと」和也は呟くと、周囲を見回した。そして直ぐに彼は何かを指差す。その先には戸のない、押入れのような部屋――備品部屋があった。
前まで行き、和也は音を立てぬようそっとその建て付けの悪い引き戸を開ける。麻衣に入るよう促し、廊下を警戒しながら戸を閉めた。

421 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 04:03:41 ID:EwB0JRJ30
室内は長方形で、この出入り口のある一部分を覗き、外周に沿って高さ二メートル、奥行きが八十センチはある木製の二段棚がぐるりと取り囲み、
部屋の中央にも、長方形の短い側の辺と辺を中間点から二分するように、且つその両端を人が通れる程度に確保して同じ棚が一列分置かれていた。
そのどれもが、箱詰めの洗剤や石鹸、デッキブラシや掃除機などで埋め尽くされていた。
明り取りの窓も一つ校庭側に取り付けてはあったが、その雑貨類のせいで殆ど遮られている。
振り返って戸を見れば、誰かが裏表逆に設置したのだろう、差込型の簡易鍵がついていた。和也はそれを差込み開かないことを確認すると溜息し、壁に背を凭れる。
麻衣も脱力し、その場に座り込んだ。
「本当に……一体……どうしちゃったの?」
麻衣の口を突いて出る再度の問を、尤も一度目は裕紀に向けたそれであったが、誰へ向けるともなく呟いた。
「裕紀くんまで……私のほうが前に居たのに……あのわけも分からない人に――」
「クソッ!」和也も悪態を吐く。「あの野郎ッ……裕紀を……」そう云う和也の声が、震えていた。
何度も棚の柱に拳を叩き付け――それから、両手で顔を覆うようにして、その場にしゃがみ込む。


422 :slave-anecdote:2006/08/03(木) 04:04:33 ID:EwB0JRJ30
本当に、訳がわからなかった。それは和也だってそうだろう。「その人」に手始めに刺し殺された宮岡。眼前で滅多刺しにされた裕紀。
たった数分前に不等式を教えた人間が、小学校の頃からの付き合いだった人間がこうして死ぬ事など、誰が麻衣の立場に立ったとしても到底想像しうるものではない。
教科書を忘れて叱られる、例題を間違えて笑われる。そんな日常は、麻衣にはいつのまにか手の届かないようなところへ行ってしまった気さえした。
階下ではまだ、悲鳴や怒号が絶えない。しかし、この場所では廊下と比べて戸で遮断されたり、激しい雨音にその殆どがかき消されるのは麻衣にとって幸いだろうか。
とにかく今は、冷静になって考えたかった。何が起きているかを把握したかった。
雨は、一層強さを増す。

423 :slave:2006/08/03(木) 04:13:09 ID:EwB0JRJ30
終了です。
朝開いた方…驚くでしょうか。
雨のシーンが多いので、もし自然音で雨音(大雨)を持っている方がいらっしゃったら
聴きながら読んでいただければ面白いかもしれません…。

ではでは。

424 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 10:01:09 ID:V3+dPuDC0
>>385
100万個予約した

425 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 10:36:50 ID:xqeP3a0uO
slaveさん、復ッ活ッッ

包丁を持った不気味な奴は何者なんでしょう?ただのゾンビてはなさそうですね…
皆再会し合えるのか…!?

426 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 14:52:03 ID:TVNRgnI80
いや〜、slaveさん、面白すぎます。

>>425
喰うのが目的のゾンビっぽくないですね。デモンズみたい。

427 :通勤電車男:2006/08/03(木) 23:53:21 ID:gHKBQTHsO
slave様、続編の投稿お疲れ様です!。
すごいボリュームですね!。
お言葉通り朝電車の中でスレ開いて「ぅおわ!?Σ( ̄○ ̄;)」っと、
低く呻いてしまいました!。
それにしてもこの大女、怖いです(>_<)。ストーリーの核心となる
キャラなのだとは思いますが、夢に出そうです。
中の人とか居たらと思うと眠れなくなりそうです(´;ω;')。
でも後日読み返す時には雨音のCDを用意してみようかと。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

428 :anecdoteさん、乙です。つまらん妄想までしてしまいました。:2006/08/04(金) 00:36:48 ID:BcdDEIDD0
その大女は実は未来から送り込まれたターミネーター(飛び道具なしver)であった。
不思議な能力をもつ反逆者に苦しめられている未来人がその禍根を
先祖の時点で葬ってしまおう、という作戦である。

ターゲットである少女、麻衣は追い詰められ、叫んだ。

「そうだわ、ゾンビになれば刺されたって死なないじゃない!
 みんなゾンビになってしまいなさい!!」

一瞬にして世界の秩序が書き換えられ、再構成された。
世界はゾンビの世界となった。

彼女の思い付きによる無秩序な世界再構成を阻むべく、宇宙の意思より送られた
人型コミュニケーション端末である裕紀。彼は彼女の行為をリセットせねばならない。

そして現代人類の超能力者による機関から派遣された和也。彼の目的も同じ。
世界を正常な姿に戻すと同時に彼女を守り、そして未来に生ずる邪悪な政治組織から
現代人類の子孫を守らなければならない。

彼らの戦いが今、始まる。

429 :本当にあった怖い名無し:2006/08/04(金) 11:35:07 ID:z5GnbKE6O
>>428
勝手なパロディは控えたほうが…
度々荒れた原因もパロディだったし、続きを楽しみにしている作品のファンからも反感を買うと思うので。

430 :本当にあった怖い名無し:2006/08/05(土) 01:12:43 ID:NiAqn78aO


431 :本当にあった怖い名無し:2006/08/05(土) 21:33:25 ID:/CEklE2H0
>>430
ほ?
マジかよ?!!

432 :本当にあった怖い名無し:2006/08/05(土) 22:58:31 ID:4rUCWfBz0
>>430
乙です。

これまでのなかで最短作品ですね。今後の展開が気になります。

433 :本当にあった怖い名無し:2006/08/06(日) 01:15:18 ID:P/iQn38U0
最上層に浮上

434 :本当にあった怖い名無し:2006/08/06(日) 11:57:18 ID:3bkBuMLE0
遅くなりましたがslaveさん、乙でした。とても読み応えがありました!

というわけでage

435 :本当にあった怖い名無し:2006/08/06(日) 22:11:48 ID:GcbOd7rgO
>>430-432
この流れワロスw

436 :本当にあった怖い名無し:2006/08/07(月) 00:31:07 ID:ryy8l3GAO
きむタンクさんマダー?

437 :本当にあった怖い名無し:2006/08/08(火) 00:08:38 ID:W/xsqaas0
保守

438 :本当にあった怖い名無し:2006/08/09(水) 01:09:31 ID:xLdP+XeM0
ほうしゅう

439 :本当にあった怖い名無し:2006/08/09(水) 02:58:37 ID:J+hz/QRi0
作家の皆さんどうしたのでしょうか?
鼻を長ーくして待っています!まこしろさんや他の皆さん・・
もしかして・・デットライジングのデモをやって楽しすぎて・・
そんなことはないですね!私は楽しんでます。ロメロの御大の
ドーンの世界に入り込めますから!作家の皆さん楽しみに待って
ます!いつもありがとうございます!

440 :本当にあった怖い名無し:2006/08/09(水) 23:29:45 ID:CAcdVfHuO
ミリタリー路線の作家さんってまこしろさんや国防さん以外に誰がいたっけ?

441 :本当にあった怖い名無し:2006/08/09(水) 23:58:09 ID:YHezNbyS0
ゾンビがメインで出てこないような内容でもいいですか?

442 :通勤電車男:2006/08/10(木) 00:21:17 ID:0cw7bJ23O
>440様
多分それっぽい方はいらっしゃらないかなと思います。
知らないだけかもしれませんが(´・ω・)
>441様
何かしら絡んでいればよろしいかと思いますがいかがでしょうか?
新作の投稿お待ちしております!!。

443 :本当にあった怖い名無し:2006/08/11(金) 00:46:48 ID:7gu0iFhG0
かゆい
    うま

444 :本当にあった怖い名無し:2006/08/11(金) 22:34:36 ID:F5BJMxrR0
444GET!

445 :本当にあった怖い名無し:2006/08/12(土) 22:34:42 ID:/ZtFT7950
445保守!

446 :本当にあった怖い名無し:2006/08/13(日) 22:07:34 ID:SaUPJgBW0
お保守ウフ

447 :本当にあった怖い名無し:2006/08/13(日) 22:54:09 ID:F3OTv5ww0
447get捕手

448 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 01:06:17 ID:0+EPaEE7O
暫く投稿を見ていないな。

449 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 02:15:32 ID:L2urZNCG0
多分お盆休みですよ。

450 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 11:38:29 ID:0+EPaEE7O
なるほど。墓から皆さん蘇るんですね。
土葬ならば・・・

451 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 13:30:57 ID:Cr3afMJP0
ひこまろまだー?

452 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 14:05:56 ID:evkmmV6BO
>>451
うわぁ〜、ゾンビの玉手箱やぁ〜

違ぁーう!ま・こ・し・ろ やー

453 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 15:31:19 ID:YXI5SQMB0
お盆だったら、不運にもゾンビになって他界された方々の御霊も戻って来るんでしょうか?

ご先祖様達が地上に戻ってきても、地上は死者イパーイ!!では 浮かばれんね。

454 :本当にあった怖い名無し:2006/08/14(月) 23:26:50 ID:POLxNrWB0
魚屋の

おっさんが

屁をこいた



「ゾンビッ」

455 :本当にあった怖い名無し:2006/08/15(火) 06:36:07 ID:oylqihfN0
ゾンビの

おっさんが

屁をこいた




「ブードゥーッ」

456 :本当にあった怖い名無し:2006/08/15(火) 13:18:19 ID:FQRFZSANO
umai

457 :本当にあった怖い名無し:2006/08/15(火) 15:04:41 ID:Q7KyQ7Wf0
ブックオフの

おっさんが

屁をこいた




「ブーーック!!ォーーーフッ・・・」


458 :本当にあった怖い名無し:2006/08/15(火) 17:25:57 ID:8fXn3fqF0
創価

459 :本当にあった怖い名無し:2006/08/15(火) 18:43:46 ID:LG2eX+D5O
今頃は天に召されたゾンビの魂も帰ってきてるんですね。

460 :本当にあった怖い名無し:2006/08/16(水) 00:40:44 ID:kLE1uyZj0
創価会員が全員ゾンビになったらこの国も平和になるだろうか

461 :本当にあった怖い名無し:2006/08/16(水) 00:42:44 ID:Czra4+HqO
>>460
他のスレでどうぞ。

462 :本当にあった怖い名無し:2006/08/16(水) 09:40:39 ID:4jO32GSb0
だんだん寂しくなってきた;;

463 :木村:2006/08/16(水) 21:12:09 ID:xyI0CGZk0
久しぶりに投下します・・・

午後8時
俺達二斑は、避難誘導中にゾンビに襲われて森が負傷してしまった。
「山崎先輩、これからどうしますか?」
「とりあえず川上部長に報告してこれから避難誘導を続けるか決める。」
山崎は、パトカーの中にある無線で一斑の川上部長に連絡をした。
「こちら山崎です。川上部長応答してください。」
「山崎、どうした何かあったのか?」
「実は、森が負傷してしまってこれからどうしたらいいのかどうか聞こうとしていたとこなんです。」
「そうか、森が負傷したか・・・仕方ないお前らはいったん交番に戻れ。」
「了解しました。」
無線で連絡を終わった山崎はこれからどうするのか山田などに言った。
「俺達は、一旦交番に戻りそれから森を何とかする。良ければ谷口さんも一緒に来てくれませんか?」
「わかった俺も一緒に行こう。」
そうして山崎たちは、パトカーに乗ってその場を離れ交番に向かった。
周りからは悲鳴が聞こえたり、爆発などが起こっていた。
一方一斑は商店街の方で避難誘導を行っていた。
「皆さんあわてないで非難してください。」
拡声器を持った木村が避難指示をしていた。
ガシャン!!
突然5〜6m離れた店からゾンビが市民を押し倒して喰らいついていた。
川上部長はすぐに拳銃を抜いて撃った。
パン、パン、パン・・・
「あ〜ぅ」
うめき声を上げながらゾンビは倒れた。
「木村、本多気を抜くんじゃないぞ。」
「はい。」

464 :木村:2006/08/16(水) 22:34:19 ID:xyI0CGZk0
続けて投下します。

午後8時4分
一斑の川上部長たちは、避難指示を出していたがゾンビが市民を襲ったので急いで避難誘導を行っていた。
「住民の皆さん急いで避難所の○○小学校に避難してください。」
木村が拡声器を使って大声で叫んでいる。
川上部長は、先ほど拳銃を撃ったので拳銃に弾を込めていた。
「川上部長、だいたい避難指示は完了しました。我々もそろそろ引き上げましょう。」
「そうだなそろそろ他の地区の避難誘導にうつるか。」
そう言って川上部長達は他の地区の避難誘導に行った。
そのころ山崎たちは・・・
「山崎先輩、これからどうなるんですかね?」
山崎はこれからどうなるかなど考えもできなかった。
「自衛隊がうごうか、もしくは米軍が動くはずだ・・・」
元陸上自衛官の谷口はそう言った。
さすが元陸上自衛官だ、こういった時に頼りになる。
パトカーは住宅街を通っているが、いつゾンビの集団に合うか分からない。
そう思いつつ住宅街を抜けわりとひろい道に出た。
「酷い有様だ・・・」
パトカーの外には、避難中にゾンビにあって食われたものがいる。
その死体は、腸を引きずり出されている死体、腕が無い死体などまるでそこは地獄絵図だった。

465 :木村:2006/08/16(水) 22:35:54 ID:xyI0CGZk0
すいません。
久しぶりに投下させてもらいました・・・

466 :本当にあった怖い名無し:2006/08/17(木) 01:50:19 ID:TEjSb4RH0
すいません。
楽しみにしておりますた、後ほど就寝前に読ませていただきます。


467 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 06:36:02 ID:+9UOtGGUO
初です。携帯から投下しますわ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから、何年経っただろうか。
そうか、2年か。
2年前に細菌テロがあり、日本のほぼすべてが正体不明の病気になる。
死人が歩く、人を食らう、そして食われた人も同じようになる。
俺は、山小屋で自給自足をしている。ジープを使って麓の村から、林道で1時間ぐらいだ。
辺りは断崖絶壁で死人がここまではこれまい。
一応、油断はできないもので鳴り子は張り巡らしている。
ガソリンや消耗品も麓の村まで調達しているが、昼でも僅かだが死人が徘徊している。

468 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 06:59:17 ID:+9UOtGGUO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( ゚Д゚)<タバコが無くなったな。調味料もない。どうするか。
仕方ない、久々に村まで行ってくるとするか。
倉庫で厚手のつなぎを着て、ナタを護身用に持っていく。
銃などあればいいが、民間人が持てるはずもない。
ジープにエンジンをかけ、ラジオを聞くが、当然つながらい。
俺は、この先どうすればいいものか。考えたくもない。
麓の村まで、ジープを転がしていく。まだ死人は見ていない。いや見たくない。
林道では、死人はいないのか。とりあえずは安心。問題は村だな。
山の林道入り口付近にゆっくりと止めた。ここは見通しもよく拓けている。
双眼鏡で様子を見る。昼はやはり少ない。見た感じでは、2つの影しか見えない。
ずっと前に様子を見にきた時は夜だった。うようよイタ。
それでは行くとするか。

469 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 07:16:56 ID:+9UOtGGUO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まずは、スタンドからだな。スタンドは村にひとつしかない。
ジープを転がしていくと音を聞き付け、死人は手をのばしてくる。
見えた!GAS.ダディーの看板が。
とりあえず、テキパキと給油にうつる。モタモタはしてられない。
給油は完了。給油キャップを焦って落としてしまった。カッツーンと静かなスタンド内に鳴り響く。
これには、自分自身もびっくりした。その刹那、スタンド奥の扉がバーンと開いた。
大男と言うのだろうか。いかにも死人がこちらを見ている。
俺は大急ぎでジープに乗り、エンジンをかけ走りだした。
危ない。死人はあまり見たくない。
次は、雑貨屋だな。雑貨屋は小さい商店街にある。スタンドからジープで10分くらいか。


470 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 07:38:56 ID:+9UOtGGUO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
商店街が見えた。少し離れた所にジープを止めた。
空のボストンバッグを背負い、ナタを腰に付け恐る恐る商店街の方へと近づく。
この商店街での物資調達が一番恐い。この前も噛まれる寸前までいった。
そういえば前来た時、3人を潰したな。あれは確か、雑貨屋で1人と電気で2人だったっけ。
商店街入り口まで来た。本当に誰もいない。誰もいなくて安心だわな。
いるのは死人だけだし、でも必ずまだいるはず。
雑貨屋の前まできた。さすがに前に潰した死人は見る影もなかった。
いそいそと調味料やら、タバコやらをバッグに詰めていく。
まだ入るため、欲を出し酒屋へと足を向ける
本当に誰もいない。それが逆に恐い。ウイスキーや缶ビールを入れていく。
その時、手が何かに当たって日本酒の瓶が下に落ちる
(;゚Д゚)<ヤベ

ガッシャーン

俺ってオッチョコチョイだわ。
やっぱり出てきましたよ。死人さんがうようよと。俺は酒屋のシャッターを急いで閉めた。
が、半分しか閉まらない。・・・・・どうする。

471 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 08:00:51 ID:+9UOtGGUO
・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ・・・・・・・・・・
俺は酒屋の二階へと足を向けていた。逃げればいいのに何故か二階にいた。
押し入れがあったのでそこに隠れた。

ギシ、ギシ、ギシ
何かが二階へと近づく。

(;゚Д゚)<ヤバイヨ-

押し入れがある部屋までやって来た。

(;゚Д゚)<どうなるの俺!
襖をほんの少し開けるとあの大男がいた。すぐに閉めた。
ギシ、ギシ、ギシ

帰っていく。恐いので押し入れの中で少し待つ。
一時間ぐらい経っただろうか。襖をあけ、様子を見ようとした所、別の死人さんが立ちぼうけていた。
前掛けをしていたので家主だと思うが、どこにいた。しかも片腕がない
死人が俺めがけて襲ってくる。馬乗りになる死人。やめてくれ。両手で顎をもって噛み付くのを防ぐ
しかし、もの凄い力だ。反対側にどかし、即座にナタで脳天をぶっ叩いた。
それを引き抜き斬首してやった。アブネー。俺。
窓から様子を見る。死人の影がまだうようよ見える。
あぁ、どうするか。

472 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 08:03:12 ID:+9UOtGGUO
駄文、誤字脱字申し訳ない。
国語の成績は小、中、高とよろしくなかったので、見にくいとは思うが。勘弁してください。

473 :本当にあった怖い名無し:2006/08/17(木) 22:03:19 ID:Yk24n/9qO
仮面さん乙です。おもこわかったです!続きを楽しみにしてます!!

474 :本当にあった怖い名無し:2006/08/17(木) 23:03:36 ID:va4MUtty0
乙!!!とても楽しく読めました!!(´∀`)

475 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/17(木) 23:12:58 ID:+9UOtGGUO
感想サンクス。

( ゚Д゚)<続きは深夜ぐらいにうぷシマス。

476 :本当にあった怖い名無し:2006/08/17(木) 23:54:04 ID:va4MUtty0
支援

477 :通勤電車男:2006/08/18(金) 00:01:38 ID:pmE7Xui8O
木村様・仮面ライター様、続編&新作の投稿お疲れ様です。
木村様、少しずつ犠牲者が増えていってますね(>_<)。
自衛隊の早期出動を願うばかりです(`・ω・)ゞ。
仮面ライター様、既にゾンビ溢れる世界での物資調達。
正に死活問題なのでしょうが、「ギシギシ+大男=(;゚Д゚)< ウホッ!?」
ってな流れが頭に湧く辺り、私も相当暑さで脳腐っております...OTL。
まだ暑い日が続くと思いますが皆様体調など崩されません様、
お気を付け下さいm(_ _)m。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

478 :本当にあった怖い名無し:2006/08/18(金) 21:21:16 ID:RdI8SIlG0
>>「ギシギシ+大男=(;゚Д゚)< ウホッ!?」

ワロタwww

479 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 02:13:06 ID:0XB5dejJO
続き投下。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハァ、まだ死人さんがうようよ見える。勘弁してください。と、する内に夜になった。
窓から、覗きこむと遠くにショッピングモールらしきものが見える。明かりも付いてる。
そういえば2年前の細菌騒ぎの時に、確か半分完成してたんだっけな。

昼間は、誰もいないって分かってたし、食料もないから無視してたが、まさか明かりが付いてるとは。

見た感じでは人が誰かいそうだな。行って見る価値はありそうだが、川の向こうでバリケードで車は通れないし。

・・・・・・ガッシャーン・ジャリ・ジャリ・ジャリ・・・・
(;゚Д゚)<え?なになに。

(;゚Д゚)<一階で死人が何かにぶつかったの?

(;゚Д゚)<ヤバイナ。

窓から、覗くと死人さんが酒屋前に全員集合。

窓から屋根へ移動するか。二階まで来るのも時間の問題だしな。

480 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 02:31:17 ID:0XB5dejJO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
屋根に登ったはいいけどさ。瓦カヨ。
ジープを止めた場所は入り口付近だから。屋根つたって行くか。
しかし、この辺の家は古いわ。昭和かよ。

・・・カシャン、カシャン。足元の瓦が次から次へとドミノ風に滑り落ちていく。ドリフか?
と、冗談はさておき大急ぎで端の『みまつや商店』まで走り抜ける。
端まできた。パイプずたいに下に降り、ジープまでダッシュ。
瓦は、まだ落ち続けている。
ジープ付近に何か見える。死人だ。しかも上半身のみ。不気味だ。3人ぐらいいるか?

(´・ω・`)どうしよう。

おもむろに、俺はバッグから日本酒の瓶をジープから反対側にほうり投げた。

ガシャンバリン。死人が音の方へと足を向ける。
俺はジープへダッシュ。まだ上半身のみの死人がいるが無視無視。
ジープに飛び乗った。キーを入れるが焦ってエンジンがかからない。
そのエンジン音で周囲の死人に気付かれたか。万事休す。
§§§その時!!

481 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 02:57:08 ID:0XB5dejJO
・・・・バンバン!助手席側の窓を死人が叩いていた。ひえー。
バンバンバン。運転席側もキタ。きしょい。グロだわ。
よく昔に、3ちゃんねるの大型提示板のリンク踏んでたら惨殺画像やら、死人画像だった。それよりもグロい。

あぁぁぁ、俺、終わりか。

ふとバックミラーを見ると車の明かりが近づいてくる。助かったのか?俺。
ドドドドドド!銃撃音がする。久々に見る生きた人。車を止め連発銃で撃っている。
周囲の死人が、大体片付いた所で銃を持った人間が降りてくる。
俺もジープの窓を手で回して半分開けると、そこで助けてくれた人が苦痛の表情をしている。
顔をだして下を見ると上半身のみ奴が足に食らい付いてやがる。
周囲の死にぞこない?な死人がまた食らい付いている。両足に。
『に、逃げれ!いいから!』

ジープから飛び降り、車?ハンビーか?に乗る。
( ゚Д゚)?<バッグ忘れた
バッグを取りに戻ると男は丸いボールのピンに手を掛けている。
えっ?それって?何よ?まさかドカーンとか言うボールですか?
急いで、ハンビーに乗って男に感謝しつつ車をだす。5秒ぐらいして、爆発音が鳴り響く。
林道入り口まできた、周りには死人なし。あの爆発音で気をとられたか?
そして、俺は山小屋まで戻ってきた。鳴り子をセットしたりして、いろいろ考えた。
生きた人もまだいるのか。あのショッピングモールも気になるな。
山小屋からショッピングモールを双眼鏡で覗くとまだ明かりが付いている。
やはり誰かいる!助けてくれた男の仲間か?


482 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 03:26:46 ID:0XB5dejJO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
疲れた俺は、いつのまにか車で寝ていたようだ。もう朝。
今日は大雨か。雨だと鳴り子の音がかき消されるからな。嫌な予感がする。
ハンビーを簡易ガレージに入れると言っても雨漏りしすぎだが。
ハンビーの中にあるものすべて確認してやった。

M16、えっ?映画で見たことある奴か?
パイナップル。これは、あの男がもってたボールだ。
その以外に、HK.MP−5短機関銃。コルトM1917。レミルトンM700。 ブローニングM1910。
まだある。SIGの220と228。SPAS。ゴールデンベア。後ろの細長い箱は鍵がかかっている。
しかし、彼には全然わからない。銃の知識はさっぱりだから。

『うわぁ、こんなもん俺に扱えるのか?戦争できるぞ。弾もいっぱいあるしな』
俺は、短機関銃を手にとった。それを肩かり掛けて気取ってみせたりもした。誰もいないのに。
山小屋のロフト部分に挙がり、バッグからビールを取出し朝から飲み始めた。
明日は、ショッピングモールに行ってみるか。俺は酒も入り、昨日の疲れがとれてないせいか。眠ってしまっていた。

数時間後、彼は熟睡中だ



・・・・・・・・カランコロン・・・・カランコロン・・・・

鳴り子が鳴り響く。も雨の音で消される。

・・・カランコロン・・・・・・・・カランコロン・・・・・

483 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 03:30:22 ID:0XB5dejJO
続きはまた投下する。
読みにくいが勘弁してください。
職業柄、銃は触ったことありますがあまり触りたくないものですね。

484 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 04:14:51 ID:wvOIID1nO
>>483
kwsk

485 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/19(土) 10:40:56 ID:0XB5dejJO
警察官です。某県警で事務仕事してます。

486 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 11:58:50 ID:qM6x8K820
懐かしさの余り投下。矛先鈍ってなきゃいいけどね。
あと、最近の流れに反してたら御免。

487 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 11:59:29 ID:qM6x8K820
  1/5

 ゾンビの生態が少しずつ明らかにされるにつれ、被害件数は減少していった。
 どちらが結果でどちらが過程かはまだわからないが、被害が減っているのは喜ぶべき事には違いなく、各地の情勢不安は徐々に沈静化していた。
 今では、ゾンビ化というのは一種の事故と同義に捉えられている。
 だが奇妙なことに、ゾンビの生態はまだ完全解明されていないのだ。


 そこまでの説明を終えると、今井は集まっている一同を見渡した。
「これについては色々なフォークロアも伝わっていることは皆さんもの知っているとおりです」
 いわく、某大国の軍事実験の成果。
 いわく、宇宙からの侵略者。
 いわく、太古から封印されてきた魔物の復活。
 いわく、魔界の門が開いた結果。
 ただし、そのどれもがある一点だけは共通させていた。
【政府の上層部は知っている】という一点のみが、それらの都市伝説には共通しているのだ。
「都市伝説というのも結構馬鹿にしたものではない、というのが私の持論だが、このゾンビに関する風聞も同じだ」 

488 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 12:00:06 ID:qM6x8K820
 2/5

「はあ」
 と生返事。ハッキリ言ってどうでもいい。別に正義の味方がやりたくて警察にいる訳じゃない。
 気がつくとなっていた。それだけのこと。
 そもそも、世界がひっくり返ったようなゾンビ騒ぎの真っ最中にゾンビ退治で食ってた俺に、他の仕事なんてとてもじゃないがつとまらない。今じゃ立派な、ゾンビ事件専門の捜査官だ。
 上役はその辺りの事情を知っているので、こんな俺の態度にも苦笑で応じるだけだ。もっとも、ゾンビ捜査官――マスコミじゃ嬉しそうに「ゾンビハンター」とか呼びやがる――の大半が俺のような半端者なのだが。 
「とりあえず、要点は伝わっているんだろうな?」
「いや、まあそーいうのは頭脳派に任せて、俺は武闘派やってた方が性に合うんで」
「またそうやって、面倒くさいことは僕に押しつける……」
「黙れ」
 俺は樋口の頭を軽くこづいた。こいつも俺と同じく、騒ぎの最中にはゾンビを狩っていたクチだ。 
 俺とこいつの違いはただ一つ。俺は相手がゾンビであろうと暴徒であろうとなんであろうと、生き延びる自信がある。こいつは、ゾンビ相手だから生き残れた。それだけだ。
 なんでも騒ぎの最中にずっと守っていた女達に裏切られて以来女性不信らしいが、間抜けな話だ。いや、樋口でなくて女達が。
 裏切った女達はゾンビに囓られて全滅。多少のまずいご面相は我慢してつきあっておけば、命は助かったというのに。
 どーせお人好しなこいつのことだ、守っている代償を要求なんて考えもしなかったに違いない。女達は守られ得というものだったろうに。童貞君の夢を破るのはゾンビより恐い。そういうことだ。

489 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 12:04:12 ID:qM6x8K820
 3/5

 今井は周囲を見回した。
 多少の不安要因はあるが、あくまでも予想リスクの範囲内だ。
 この人数、この人員なら統制出来る。統制出来ない不要分子の数は、最大でも予想を超えないだろう。
 ゆっくりと一人一人の表情を観察しながら、今井はまず最初の爆弾を落とすことにした。
「ゾンビの生態は、我々がほぼ把握している」
 ざわめきは予想より小さかった。これは嬉しい誤算だ。それとも、信じられていないのか?
 今井は心の中で自嘲気味に笑う。確かに、逆の立場ならそう簡単には信じなかっただろう。
「今から配る資料をよく読んで欲しい。ただし、資料内容に関する質問はナシだ。そこまでの時間は今回想定していないからね」
 しばらくの沈黙の後、質問はナシと言ったにもかかわらず、一人が手をあげていた。
「それで、これを我々に見せる理由は?」
 やはり、話が早い。こうなるように人材を選んだとはいえ、それでも今井は笑みを隠せなかった。
「その資料が一般に知られていない理由を考えてみたまえ」
 質問者は少し間を空けると、やがて頷いた。そして、先ほどの今井のように集められた人員を見渡す。
「もしかして、我々って作為的に集められています?」
 今井は大きく頷いた。この理解までたどり着けば、後はただ一つの確認で済む。
 お前は敵か? 味方か?

490 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 12:05:19 ID:qM6x8K820
 4/5

 ゾンビになる原因はウィルス。
 瀕死の患者に投与すればゾンビ化する。
 感染方法は創傷感染と経口感染。
「ゾンビ化するとどうなるかは説明要りませんよね」
「当たり前だ。お互いゲップが出るほど見飽きただろうが」
 なんだかんだ言っても、樋口は俺にわかりやすく説明してくれる。かわりに、実戦で出張るのは代々俺だ。
 まあ、適材適所という奴か。もっとも、樋口の奴も伊達に騒ぎを生き延びちゃいない。避難民ではないのだ、こいつも。
「それでですね。問題はこの後なんですが、これを見てください」
 二枚の紙を渡される。
「馬鹿野郎、見方がわからねえよ。手抜きせずに説明しろ」
「グラフだけでいいですよ」
 言われてみると、同じような形のグラフがある。
「これが?」
「一つは破壊されたゾンビのデータ。ひとつは破壊されてからウィルスを注入された死体のデータ」
 「死亡」と「破壊」という言葉は俺たちにとって微妙に違う。「死亡」した人間はまだゾンビになれるが、「破壊」された人間はゾンビにはなれない。
「嘘だろ?」
「このデータが捏造でないかぎりは、嘘じゃありませんね」
「………つまりこういう事か? ゾンビに噛まれてゾンビになってから破壊したものと、人間を殺して破壊してからゾンビに噛ませたものは区別出来ない?」
「はい。そして、人間を殺すのは犯罪ですけれど、ゾンビを破壊するのは犯罪じゃないです」  
「それどころか、駅前ボランティアの清掃活動並みには褒められるな」
「死体の処理の仕方が増えちゃいましたね」
 俺は首を傾げた。動いていないゾンビは俺たちの専門外だ。
「これ、俺たちの仕事か?」
「まさか。だって、ゾンビ動いてないですよ」
「なに。じゃあなにか? とりあえず覚えとけってことだけか?」
「一般捜査の邪魔しちゃ悪いですからね。ただでさえ、僕らは嫌われてる」
「ま、エリートでもなんでもねえ、俺たちゃ中途採用のスペシャリストだからなぁ」

491 :本当にあった怖い名無し:2006/08/19(土) 12:06:26 ID:qM6x8K820
 5/5
 
 今井はグラスを掲げた。
「では、これからの新しい処理法に、乾杯」
 裏業者達がそれぞれ杯を掲げた。

 数週間後から、発生するゾンビがちょっぴり増えて、山の肥料と魚の餌が少し減ったという。

492 :木村:2006/08/19(土) 17:52:08 ID:0jApVEn20
投下します。

午後8時24分
山崎達は、住宅街を抜けわりと広い道にいたがそこはまるで地獄絵図だった。
「山崎先輩、酷すぎますよ早く行きましょうよ。」
山田がそう言った。
「そうだな。」
山崎はアクセルを踏み車を走らせた。周りはゾンビが人間を食べている様子しか写ってこない。
山崎達は着た道を戻っていたが途中から進めなくなってしまった・・・
「くそ、バリケードが置いてやがる。」
山崎が言った先には車を置いて簡単なバリケードが作られていた。
「先輩、これからどうやって進むんですか?」
山田が聞いてきた。当然だ森が動けないのにどうやって交番まで行くのか・・・
「歩いていこう。」
山崎が答えた。仕方ない車が無い以上歩いて交番まで戻るしかない。
辺りは、俺達の声を聞いてやってきたゾンビどもが集まってきている。急いで行動に移さないと・・・
「俺と山田は森に手を貸せ、すいませんが谷口さん先に行ってもらえますか?」
「ああ、わかった。」
そう言って谷口は軽く走りながらバリケードを越え様子を見に行った。
「いいぞ、大丈夫だ。」
谷口が言ってきた。周りにはゾンビが増えている。
「よし、山田森の左肩を持て。俺は右肩を持つ。」
俺と山田は負傷している森に肩を貸し急いでバリケードの手前まで来た。
「山田、バリケードに登って、谷口さんと一緒に森の肩を持て。」
山田はバリケードに登って谷口と一緒に森の肩を持った。やばい後7メートルぐらいしかゾンビたちと距離が無い。
俺は急いでバリケードに登って谷口たちのいるところまで走っていった。

誤字脱字があると思いますがすいません。

493 :木村:2006/08/19(土) 18:13:51 ID:0jApVEn20
続けて投下します。

午後8時18分
川上部長達の一斑は次の地区で避難活動をしていた。
するとそこに3台のパトカーがやってきた。
「なんですかね、こんなときに応援ですかね?」
木村が聞いてきた。そうするとパトカーが止まって警官たちが降りてきた。
「お前達、ついて来い。」
刑事の男が言ってきた。
「しかし私らには避難誘導をしなければ・・・」
「そんなことどうでもいい。いいから付いて来るんだ。」
そういって、刑事の周りにいた警官たちが川上達を連れて行った。
「一体これからどこに行くんですか?」
「大通りだ。」
刑事の男が言った。隣の警官は、拳銃を両手で震えながら持っている。
大通りに出るとパトカーなどが集まっていた。パトカーが止まった。
「降りろ・・・」
刑事が言ってきた。降りるとそこには機動隊員、刑事、警官などが25人ぐらいいた。
そうするとさっき俺達を連れてきた刑事が拡声器を持って言った。
「これより暴動鎮圧作戦を行う。」
暴動?ゾンビのことだろ。
「我々は、ここにバリケードを作り暴動達を食い止める。発砲許可は出ている。いいな質問は無いな。」
そういって俺達は、乗ってきたパトカーなどを使って簡単なバリケードを作った。

494 :本当にあった怖い名無し:2006/08/20(日) 14:46:37 ID:2cVkyIYFO
アゲますわ

495 :本当にあった怖い名無し:2006/08/20(日) 15:50:04 ID:5hf+BFF60
サゲますわ

496 :本当にあった怖い名無し:2006/08/20(日) 20:06:48 ID:ZB1VpTIjO
サゲサゲますわ

497 :通勤電車男:2006/08/20(日) 21:14:41 ID:hhI/ueEzO
486様・木村様、ショート&続編の投稿お疲れ様です。
486様、ブラックですね( ̄ー+ ̄)!。
駅前ボランティアの清掃活動並に「いろいろ」きれいにしてくれる。
それが裏業者クオリティ。逞しいです(>_<)!!。
木村様、寄せ集めとは言え暴徒に立ち向かう警官達...。
これから訪れるであろう悲劇に合掌。そしてwktk(^_^;)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

498 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/21(月) 00:03:54 ID:hF6pyEsYO
今、かなり構想して悩んでる。絶対うぷするんでちょっと待ってくれ。
ケツはわらないから、気長に待ってくれ。マジで

499 :本当にあった怖い名無し:2006/08/22(火) 00:08:47 ID:ElR//NQ4O
踏み台保守

500 :本当にあった怖い名無し:2006/08/22(火) 01:42:52 ID:br6cjSat0
500ゲト

501 :本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 11:26:01 ID:qo2H8HLbO
501ゲと

502 :本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 18:52:30 ID:VCaTA34J0
急速潜行

503 :木村:2006/08/23(水) 22:55:07 ID:XQ0Sbh3s0
投下します。

8時21分
川上部長たち一斑は、大通りでバリケードを作り終わって暴徒がやってくるのを待ち構えている。
「川上部長、本当にこれだけでゾンビ達を押さえられると思いますか?」
木村が聞いてきた。聞いてきてもおかしくは無い。こいつらは見るからに戦闘能力が低そうな連中ばかりだ。
「多分大丈夫だろう。」
私はそう言った。いやそのときはそう言うしかなかった。
「暴徒が見えたぞ。」
警官の誰かが言った。いよいよか・・・
「全員、拳銃を暴徒に向け構えろ。」
刑事のやつが言ってきた。どう見たってゾンビの数は80を越えている。
「あ〜ぅ〜」
不気味なうめき声が聞こえてきた。隣にいる機動隊員は足が震えてやがる。
あと5〜6メートルぐらいの距離になったときにさっきの刑事が
「全員、発砲開始。」
パン、パン、パン、パン、
ついに銃撃が始まった。 しかし、やはり数は少なくなることも無く前衛のやつが弾を交換しようとしたときにゾンビがそいつの足に噛み付いた。
ガシュ・・・
「ギャー。」
そいつにゾンビがどんどん群がって襲われた奴の肉を喰らってる。さっきの刑事は攻撃指示だけ出して逃げ出しやがった。
周りには、逃げ出すものや、ゾンビの群れに向かって突っ込んでいくやつもいる。
「おい、木村逃げる・・・」
木村は、ゾンビに倒されて食われていた・・・
「本多、どこだ?」
川上が叫んだらすぐにこっちに来た。
「いったん、ここから逃げるぞ。」
「了解。」
「川上部長危ない。」
川上部長は、すぐに振り向いたがすでに遅くゾンビに倒され首に噛まれた。
「本多、逃げろ。ぐあーーーー・・・」
川上部長は目の前でゾンビに食われて殉職した。 本多はすぐに、大通りから逃げた。

504 :木村:2006/08/23(水) 22:57:05 ID:XQ0Sbh3s0
ミスがありました。
川上部長たち一斑って書いてますが二班でしたすいません

505 :木村:2006/08/23(水) 22:58:07 ID:XQ0Sbh3s0
すいません勘違いでした・・・ほんとにすいません

506 :本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木) 03:09:05 ID:jMP2/gUnO
木村くん。
前にも言われたと思うが投下前に文章をチェックした方がいいと思うよ?。
なんとなく書きたい事は判るんだけど、文章の構成自体に
ミスがあると、せっかくの作品なのに雰囲気が台無しに・・・。

507 :本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木) 12:26:58 ID:w33e5gxd0
>>木村さん
まとめてうpキボンヌ

508 :本当にあった怖い名無し:2006/08/24(木) 15:01:53 ID:AlQl+KrZ0
鶴川サナトリウムは、早く続きをココに書くこと。

509 :本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金) 19:10:24 ID:17Fv1Q86O
封印破壊で世界は終わる。
いやはじまりなのかもしれぬ。


レグナーーーーーーあぅあぅあーー

510 :本当にあった怖い名無し:2006/08/25(金) 23:22:44 ID:paDJUG2c0
保守

511 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/08/25(金) 23:49:25 ID:IEbjgkA+0
近々投下しようかと思います。

512 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/26(土) 04:16:03 ID:tpRmykAhO
投下します。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カランコロン、カランコロン。
鳴り子が鳴り響く、しかし雨の音にかき消される。
死人が山小屋付近にわんさかやってきた。俺はまだ寝ていた。
ゴロゴロ、バリバリー。雷鳴が鳴り響く、俺はびっくりして、目が覚めた。
水を飲みに、炊事場に行って窓を見つめながら水を汲んで飲む。雨が強く降っているし、霧もある。

その時!!!

窓が割れ、死人の顔が見えるではないか。しまった。俺は短機関銃を構えた。
カシャ、カシャ、???。弾が入ってるのに射てない?パニくる俺。
やっと安全装置に気が付いた。タタタタタタン。死人は怯む様子もない。

バターン、ドアを勢いよく死人が開けた。ヤバい俺。
一旦ロフトまで駆け上がり、ハンビーのある簡易ガレージに行く。
エンジンをかけ、とりあえず脱出をこころみた。

513 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/26(土) 04:16:57 ID:tpRmykAhO
文才無くてスマソ。

514 :本当にあった怖い名無し:2006/08/26(土) 10:22:41 ID:x+Up2WUr0
>>我流さん
wktkしながら待ってます。

>>仮面ライターさん
乙です!続きを待ってます。

515 :仮面ライター ◆dBwtpaiUO. :2006/08/26(土) 19:32:53 ID:tpRmykAhO
いえいえ。

臨場感と緊迫感のある、まこしろ氏には負けます

516 :本当にあった怖い名無し:2006/08/26(土) 22:12:03 ID:vP8Mbyfp0
>>515

いやいや、いくらなんでもまこしろさんと比べるなんてまだまだ早杉ww

続きお願いね。

517 :通勤電車男:2006/08/26(土) 22:48:45 ID:pNT8yX9fO
木村様・仮面ライター様、続編の投稿お疲れ様です。
木村様、遂に川上部長逝ってしまいましたか...。
ご冥福を祈るとともに他の生存者の健闘を祈ります(`;ω;)ゞ!。
仮面ライター様、比較的安全だった山小屋にいきなり大量のゾンビ登場!。
何か裏があるんでしょうか...(;・ω・)。
我流様、お待ちしておりました~ヽ('ー`)ノ~!!。
通勤時間がより楽しみになります(*^_^*)!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

518 :本当にあった怖い名無し:2006/08/28(月) 00:10:18 ID:d6zxoBFf0
保守

519 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 02:39:53 ID:C5VSzahv0
更に保守

520 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 08:22:48 ID:iwk9LKh5O
ロメロじいちゃん、新作の撮影に入るんだってね。作家さん方も、負けないでくださいね。楽しみにしてます。

521 :桜木 ゾンビ ◆TjAvbk1aao :2006/08/29(火) 17:33:50 ID:A6IHp1zf0
悪意は無いのだが、ついつい書き込み。

まあ、ゾンビのホームセンターへの思い入れは凄まじいものがあるからな。
ゾンビ渦中に取引先のデブに、命を救ったお礼に誘われて、嫌々ホームセンターに
行ってみたんだが、 まず人数が凄い。
100人単位で襲ってくる。立てこもった俺らをみて「それじゃ足りないよ、 空気というか俺らの人数嫁」という顔をする。8人程度でいつまでも手間取らせてんじゃない、みたいな。
絶対、あいつら100人より、俺ら8人の方が生きがいい。っつうか、それほぼ死人じゃねえか。
で、ゾンビがドアを叩く。やたら叩く。不良風のデブ娘とデブ息子もこのときばかりは親父と協力。
普段、目もあわせないらしいガキがもう目の色変えて(死んだような目になって)アウアウアアーとか言ってる。稲中か? 畜生、氏ね。
服装も凄い、まず汚ねぇ。血とか内蔵とかこびりついてる。 洗え。洗剤で洗え。つうか輪廻しろ。
で、やたら襲う。襲っててゾンビ一家で食う。つかまった奴から食う。女子供はとか、
イチャイチャしてるカップルは最初にとかそんな概念一切ナシ。
ただただ、食う。ゾンビが食いちぎって、ゾンビがゾンビ家族に取り分ける。俺には回ってこない(食う気も無いが)。畜生。
あらかた片付けた後、「アウアウアー(訳:どうした食ってないじゃないか?)」などと、残った脂身を寄越す。畜生。
で、ゾンビ一家、5人分くらい肉を食った後に、みんなで雨降ってんのに口あけてホームセンターの屋上見上げて雨水とか飲む。
「アウアウアー(訳:今日は僕も飲んじゃう)」とかデブゾンビが言う。
おまえ、雨水どころか絶対生前コーラ2gがぶ飲みとかやってるだろ?
ゾンビ娘も「アウアウアー(訳:ああ、おなか減った、あなた美味しそうね)」とか言う。
こっち見んな、殺すぞ。
ゾンビ妻が「アウアウアー(訳:太っちゃったわね)」とか言って、
ゾンビ夫が「アウアウアー(訳:俺らの内臓はもう腐ってるから大丈夫さ)」とか言う。
ゾンビ語なんか意味がわかんねえ。畜生、何がおかしいんだ、氏ね。まあもう死んでいるわけだが。

まあ、おまえら、ロメロにホームセンター誘われたら、要注意ってこった。


・・・・書きたかったんやぁ!

522 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 19:03:08 ID:LKEIpHLDO
>>521
まあ、その・・・・・・・・なんだ。
イ`

523 :通勤電車男:2006/08/29(火) 19:25:32 ID:I4I0sOo2O
アウアウアー(゚△。)ノ゙!
(訳:桜木ゾンビ様、ショート作品?の投稿お疲れ様です。)
アウアウアー?(。△゚)/゙
(訳:何かのコピペでしたっけ?、「俺らの人数嫁」は吹きました(゚▽。)w)
アウアウアア゙ヽ(゚△。)
(訳:あとスレ違いではありますが、ゴッコの方もお疲れ様でした!。)
アウアウアーm(_ _)m。
(訳:また投稿していただけるとうれしいです!。ありがとうございました!。)

524 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 22:19:48 ID:apeUlPFO0
>>桜木ゾンビさん
乙。元ネタを知ってるだけに一層楽しめたw

525 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 23:48:54 ID:uyKnk7rbO
空中ブランコさんマダー?
ネズミーランドと89式でなんか作品投下してくれ

526 :本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 00:11:46 ID:RMkdB/7AO
なあ、おさるさん規制で投下しづらくないか?
一時間に10レスで引っかかるんだっけ?あと32行だったか

527 :本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 19:57:04 ID:abSNs5Eh0
そうなの?そりゃ投稿しずらい罠。

528 :本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 23:03:32 ID:H8mkqVh60
>>523
発見したので置いておきまつ。

まあ、アメリカ人のバーベキューへの思い入れは凄まじいものがあるからな。
海外赴任中に取引先のデブに、ディナー奢ったお礼に誘われて、嫌々行ってみたんだが、
まず肉が凄い。キロ単位で塊で買ってくる。手土産に持ってった肉をみて「それじゃ足りないよ、
貧乏人」という顔をする。エコノミックアニマルはいつまでも肉食には慣れないらしい、みたいな。
絶対、その肉4キロより、俺が買ってきた肉500gの方が高い。っつうか、それほぼ脂身じゃねえか。
で、デブが肉を切る。やたら切る。不良風のデブ娘とデブ息子もこのときばかりは親父を尊敬。
普段、目もあわせないらしいガキがダディクールとか言ってる。郷ひろみか? 畜生、氏ね。
鉄板も凄い、まず汚ねぇ。こげとかこびりついてる。 洗え。洗剤で洗え。つうか買い換えろ。
で、やたら焼く。焼いてデブ一家で食う。良い肉から食う。ゲストとかそんな概念一切ナシ。
ただただ、食う。デブが焼いて、デブがデブ家族に取り分ける。俺には回ってこない。畜生。
あらかた片付けた後、「どうした食ってないじゃないか?」などと、残った脂身を寄越す。畜生。
で、デブ一家、5キロくらい肉を食った後に、みんなでダイエットコークとカロリーカットのビールを飲む。
「今日は僕も飲んじゃう」とかデブ息子が言う。おまえ、酒どころか絶対薬やってるだろ?
デブ娘も「ああ、酔っちゃった、あなた素敵ね」とか言う。こっち見んな、殺すぞ。
デブ妻が「太っちゃったわね」とか言って、デブ夫が「カロリーゼロだから大丈夫さ」とか言う。
アメリカンジョークの意味がわかんねえ。畜生、何がおかしいんだ、氏ね。

まあ、おまえら、アメリカ人にバーベキュー誘われたら、要注意ってこった。


529 :本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 23:08:43 ID:uth1HjSh0
糞ワロタ

530 :通勤電車男:2006/08/30(水) 23:19:08 ID:eL1UeWtGO
>>528
お手数掛けて頂き恐縮ですm(_ _)m。
これですコレ!。なつかしいなぁ...。
スッキリと家に帰れそうです!。ありがとうございます。

531 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 08:14:47 ID:GCQp1UPiO
昔大型のトカゲ飼ってた。檻ないしおとなしいから放し飼いしてた。掃除の為に近づいたらいきなり噛み付かれた。気が付いたら、ほっぺの肉がごそっと無くなってて。トカゲ見たら旨そうに咀嚼してた。ゾンビに食われたらこんななんやと。

532 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 08:20:34 ID:GCQp1UPiO
ほっぺの肉が無くなった部分から血が吹き出してて。傷の状態を見るために鏡を見ながら口を開けたら、肉の無い頬から光が入って・・・。自分の経験から言うと、襲われるはずないって言う固定観念があるうちは生き残れない。トカゲにはならんかったけどな。

533 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 08:23:18 ID:GCQp1UPiO
ごめん、下げるの忘れてた。更に、連投スマソ。

534 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 09:50:41 ID:BY7BQeKh0
>>531
共食いするのか…(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブル
トカゲも案外怖いものなのですね。

535 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 09:55:40 ID:GCQp1UPiO
噛み付かれた瞬間って痛くないのよ。肉を持っていかれてから、血が流れる感覚。どろっと冷たいモノが流れて、我にかえってから激痛が襲うのよ。5年たっても傷跡は消えず、今だに痛い。

536 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 12:50:52 ID:ckzB+3Jr0
>>535
とりあえず貴重な体験だな。
ゾンビ相手のドンパチもいいけど、そうやって噛まれる側の描写を
徹底的にリアルにやっていってもいいかもね。


つかむしろジュラシックパークだろ、それw

537 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 13:56:38 ID:BY7BQeKh0
>>535
リアルで怖すぎwww


538 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 20:52:08 ID:YnTGvGYm0
そんなことより、まこしろさん・我流さん・slaveさんはまだかしら?

べ...別にどうしても読みたいワケじゃないんだからね!!
た、ただ続きが気になってるだけなんだからね!!!

539 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:09:06 ID:BY7BQeKh0
ゴミ文さんもお忘れなく!

540 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:11:17 ID:GCQp1UPiO
あ〜、そうだ。トカゲに顔肉喰われたら、ジュラパだなぁ。スレチになっちゃったなぁ。ごめんよぉ(T_T)/~

541 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:32:58 ID:UVFa8Z5Y0

ある日目が覚めたら其処は不思議の世界でした。

局部超銀河団のおとめ座銀河団の局部銀河群の銀河系の太陽系の第三惑星の『地球』の
弧状列島の日本国の東京の某所に住む
脊索動物門ほ乳綱サル目ヒト科に属する黄色人種の日本人である
江崎真樹(43歳男性、職業:会社員)は一見何事もないように見える朝を迎えた。
彼は多少変わっているもののごく普通の日本人であった。
別段何も変わりない朝の行程を順調にこなし、
チーズを乗せたトーストとブラックの珈琲を手にテレビジョンの
電源を入れた時に記念すべき初の異変が現れた。
「ん、なんだ?」
そう言った彼の目の前の画面には何時もの某局のニュース番組ではなく
かと言って放送前のカラーバーでもなくサンドストームが映っている。
奇妙に思いつつも他の局へ変えてみるものの映るものは皆同じ。
何時もの習慣を邪魔されて多少機嫌を悪くしつつも時間の無さから
電源を切り再びルーティンワークを終えていざ家を出た彼の目にある物が飛び込んできた。
「ひぁ!?」
そんな良くわからない叫び声を上げた理由はと言えば彼の前に鎮座する元人間の存在。
簡単に言えばゾンビである。



542 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:34:01 ID:UVFa8Z5Y0
さて、お隣の802号室に住む橋本佳織(仮名)さん25歳OLがひどい事になっている
理由はと言えばちょうどその日の日本標準時0500頃に地球衛星軌道上を通り過ぎた
銀河連邦共和国宇宙軍所属のペーシア航宙艦社製HSG-1228汎用航宙輸送艦(遮蔽装置つき)に
乗り組んでいた乗員が手違いで地球にばら撒いた某病原菌のせいなのだ。
この全宇宙最凶クラスの自然発生ウィルスは三重の特殊合金製気密ケースに入れられた上に
六文儀座にある某デパートの紙袋に入れられて食堂の隅に丁重に保管されていたのだが
前日の夜飲みすぎた乗員がその思いの丈をぶちまけるのにその紙袋を使った挙句に
ダストシュートに投げ入れてしまい、それが宇宙空間に投げ出されて地球の引力に
引かれて降下を始め、大気圏突入時に何もかも燃え尽きた。
と思ったら最凶クラスであるがためにそれを生き延びジェット気流に乗って全地球に拡散していった。
そのウィルスに触れた彼女は0.2839494958361727281秒にしてゾンビとなってしまったというわけだ。
因みに本作品の主人公である江崎真樹がそうなっていない理由は
6400000000分の1147という結構低いが絶望的ではない微妙な数字で偶然抗体を持っていたからである。
とはいえ実はこれは物凄い事。
というのも銀河連邦共和国内務省衛生局調べでは連邦共和国市民約586垓のうち
このウィルスに感染してゾンビ化しなかった者はいないのだ。
(ただし、一つ補足しておくが実際何人感染したかは不明)


543 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:36:06 ID:UVFa8Z5Y0

まぁそれはさておき、ぬぼぉぉぉっと動いている奇妙なゾンビーに腰を抜かしていた
彼はソレが近づいてきても全く動く事ができなかった。
どうせ抗体があるのでどこぞの平行世界のように噛まれたら自分もゾンビになる
なんてことは無いのだが見目はあまり宜しくないので気分のいいものではないだろう。
最悪の詩を聞かされる寸前のような手に汗握る時間がしばらく続き、
ゾンビが顔面まで後1メートルのところまで迫ってきたところで彼の肉体はなんとか運動を始めある意味最悪の事態は回避された。

「どうするべきなんだ、これから?」
と言ってもこの状況が何か改善されたわけでもない。
相変わらず外はゾンビだらけだし、彼は映画の主人公のように素晴らしい閃きがあるわけでもなければ
超人的な肉体能力を発揮できるわけでもない多少ヘンな人種と付き合いがある事を除けば極普通の日本国民だ。
とは言え結果的にそのヘンな方々が彼を引きずりまわしつつも良い方向へと導いていったのだから
これは大いなる皮肉と言うほかないだろう。

「とりあえず此処に留まっていても仕方ない。」
そんな訳で彼のとりあえずの行動指針は秋葉原に住む多少ヘンな人種壱号に会いに行く事と決まった。
何故そうなのか?
答えは殺しても死にそうに無かった上に生きていそうな気がしたから。
要約すれば『適当』である。
恐るべきいい加減さだが非常時の人間の思考なんてのはこんなもんである。
第一周りがこの様なのだから正常な思考をしろと言う方が無理な問題だ。

「電車もどうせ駄目だろうから歩いて行くとしよう。」
賢明な選択である。
車両の中に山と詰まっているゾンビ軍団を見たらきっと卒倒する事であろう。


544 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 21:37:57 ID:UVFa8Z5Y0
某ヒッチハイクガイドを多少意識して。
緊張感は無い文となりそうです。

545 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 22:17:55 ID:ckzB+3Jr0
>>544
酸素!

気の抜けた文体がいい味だしてるよw

今後のためにコテつけといてくれorz

546 :通勤電車男:2006/08/31(木) 23:20:17 ID:+Jj1DGHKO
>>541様、新作の投稿お疲れ様です!。
これまた今迄にないタイプの語り口ですね!。
酔った時に口走る様な自分でももう一度同じ事は言えません的壮大な設定を、
軽妙で不思議なリズムを感じさせる文章に乗って一気に読んでしまいました(^-^)!。
そして「適当」、いいですね適当!。
程良く脱力気味な主人公が適当にサバイバル!、素敵です(*^_^*)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

547 :本当にあった怖い名無し:2006/09/02(土) 13:50:31 ID:j56pKQ6yO
しゅ

548 :本当にあった怖い名無し:2006/09/02(土) 16:32:54 ID:BpHfrs0Y0
酒保開け

549 :本当にあった怖い名無し:2006/09/02(土) 23:47:27 ID:1PzqAgvt0
>>541-544
乙です。なんかものすごい勢いですねww。
今後も続きを期待しています。

550 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 01:09:58 ID:1s3MCNS30
やばい、電波は着てるのにかく環境がない。

551 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:48:03 ID:JHuTTkby0
グァァァアアアア―――――!!

高井は襲いかかってくる「敵」の姿を不思議なくらいに落ち着いて観察した。
目の周りは落ち窪み、口からは大量の唾液が溢れている。
肌はどす黒く、血の通った「生物」とは明らかに違うことがわかった。
それに対して、大きく開いた口の中に除く歯だけはやけに白く、まるで猛禽の持つ鋭い牙のように見えた。
これまでに数えきれない「敵」と遭遇し、戦ってきたが、これほどにまじまじと「相手」を観察したことはなかった。

異形のモノの姿に、高井は傭兵時代の出来事を思い出した。
アフリカの某国での作戦のこと。
高井はある作戦のオペレーションリーダーとしてある村に向かった。
村に到着してすぐに高井は違和感を持った。
情報では村の人口は100名ほどだが、他の村とは違い、若い男が比較的多く残っているということだった。
ほとんどの村では男達は兵士として戦場に送り出され、村に残っているのは女、子どもと老人だけであるのが普通である。
なぜそのようなことになったかのはわからないが、その国では「若い男=兵士」であり、高井達の「敵」となりうる可能性を
持っている以上は調査が必要であると判断され、高井達が調査に向かったのだ。
同行は3名。アメリカ人と2人のニュージーランド出身の兵士で,3人とも傭兵としての経験は十分にあった。
高井は部隊では「ハンチョー」と呼ばれていた。昔の軍隊で言うところの先任下士官のような役割、すなわち小隊の取りまとめ役をしていたためだ。


552 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:49:51 ID:JHuTTkby0
「ハンチョー、この村はなんかヤバイぜ。」
アメリカ人の兵が小声で言った。高井が感じたように他の3人も違和感を持っていた。
「俺もそんな気がする。が、仕事は仕事だ。さっさと終わらせてズラかろう。」
高井が振りかえってそう言うと,他の3人は小さくうなづいた。

高井達が感じた違和感・・・確かにその村には多くの若い男が残っていた。彼らはじっと高井達を見つめていた。
しかし,逆に普通の村で見られるはずの女性や老人(老婆)、子ども(少女)の姿がない・・・いるのはすべて男・・・
「家のなかに隠れているのか・・・?」
高井はそう思った。
四人で全周を警戒しながら村の中を進んだ。
数十の瞳が高井達を見つめている・・・
高井は村の長老と思しき人物を見つけると近づいていて,片言の現地語で「なぜ女性がいないのか」とたずねた。
長老は黙して語ろうとしない。高井は少し強い口調で再び聞いた。
すると長老は聞き取れないほどの早口で何をか叫ぶと高井に背を向けた。
高井はその様子を見た瞬間に直感的に生命の危険を感じて叫んだ。

「来るぞ!気をつけろ!」

声と同時に周りで高井達を見つめていた男達がゆっくりと近づいてきた。
目は瞬きもせずにこちらを見据えていた。瞳は白く濁っているようにも思えた。
何かに憑りつかれたようにゆっくりと歩を進めてくる。

553 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:50:59 ID:JHuTTkby0
「撃て!殺されるぞ!」
四方に向けて銃弾が撃ち込まれる。鳴り響く銃撃音の中,次々に「男たち」は倒れた。
普通,現地の人々は,こちらが空に向けて銃撃をしただけで蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
ところが「彼ら」は違った。逃げるどころか近づいてきた。それも機敏な動きではなく,ゆっくりと・・・
考えられないことであった。
銃撃は数分間続いた。
やがて,閑散とした村の中央に立っているのは高井たち4人だけとなり,周りは村の男達の死体で埋め尽くされていた。

「なんてことだ・・・一体,このクソッタレどもは何を考えてやがんだ・・・!」
アメリカ人が吐き捨てるようにつぶやいた。
「撃たれても逃げ出さなかったぜ。撃たれるのが怖くなかったみたいだった。」
一人のニュージーランド人が言う。
「ハンチョー,ここは俺達がいちゃいけねえ場所だぜ。早くズラかろう!」
もう一人のニュージーランド人が叫ぶ。
「生存者がいないか,最後にもう一度チェックしたら撤退しよう。」
3人は渋々,了解し2人ずつの組みとなって村の中を調査した。

「ハンチョー!来てくれ!」
ニュージーランド人の一人が叫び声をあげた。
声のする方へ高井達は向かった。
二人のニュージーランド人が集落から少し外れた場所に立っている。
その先は穴でも掘ってあるのか,くぼんでいるように見えた。
「どうした?何があった?」
「コイツを見てくれ・・・」
親指を突き出して下の方を指す。高井は指先から視線を先の方へ移した。

554 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:52:05 ID:JHuTTkby0
「何だ・・・?これは・・・?」
そこには信じられない光景が広がっていた。
そして,村に男たちしかいなかった理由がすぐにわかった。
視線の向こうには遠目から予想した通り,穴が掘られていた。ゴミ捨て場のような感じである。
しかし,そこにあったのはゴミではなかった・・・
おびただしい数の死体・・・そして死体の一部・・・
すべて女性と子どもである。
頭、胴、手足を切断され、中には内臓を引きずり出された死体もあった。
とても人間の仕業とは思えない惨状が広がっていた。
百戦錬磨の傭兵たちもこの光景を正視することはできなかった。
アメリカ人は思わずその場に戻したほどだった。
「男たちに殺されたのか・・・?それにしても何で死体をバラバラに・・・?」
高井は何がなんだかわからなかった。とにかくこの場を一刻も早く離れ,自分の生命を安全を確保しなければならないとだけ感じた。
高井達が基地に戻り状況を報告すると,部隊本部は直ちにヘリを要請し,ナパーム弾を使用して村を焼き払うことを命じた。
後に聞いた話では,その村ではある種の伝染病が発生していたらしい。その伝染病は男だけが感染し,感染した者は数日の潜伏期間を経て発症。
精神に異常をきたし凶暴化するとのことであった。自分の周囲の者を手当たり次第に襲い、殺す。
そして殺してもなお、凶暴性と残虐性はやむことなく、死体をバラバラにし、その肉を貪り食う。
おびただしい数の死体は感染した男たちによって殺された女性たちであった。
その伝染病の不思議な点は、襲う相手は感染していない者に限られ、同じ感染者は襲わなかったということだった。
感染者同士がなぜお互いを「感染者」として認識できるのかは不明であったが、「感染者」と思われる男たちだけが
殺しあうことなく残っていたところから
判断すると、それは正しいことらしかった。
その伝染病は多くの点で今の事態を引き起こした「ウィルス」と似ている。
噂では、その伝染病は米軍が開発した細菌兵器であるとのことだったが、真相はわかっていない。
それどころか、高井たちが見た事実でさえ記録からは抹消されていた。

殲滅作戦に高井は同行しなかった。そして,その数週間後,高井はアフリカの戦場を後にした。

555 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:53:10 ID:JHuTTkby0
今,目の前に迫っている「敵」はあのときの現地人と同じだ。
ただ目の前にいる「獲物」に向かって本能のままに襲いかかってくる。
そう言えば,あの村で見たおびただしい数の死体は,目の前にいる「ヤツら」に食い殺された人々の姿と同じに思える。
目の前にいるのはあのときの・・・

そうか・・・自分はもう同じ経験をしていたのだな・・・だから今も落ち着いているのか・・・
今,目の前にいる「敵」は初めての相手じゃなかった。
過去に遭遇したことのあるあの男たちとそっくり、いやまったく同じかもしれない。

「敵」が掴みかかる。
高井は思わず右腕を上げてかわそうとする。
「敵」は高井の腕を取るとその歯を突きたてた。
腕に噛まれたことによる「圧力」を感じる。
同時に走る激痛。
食いちぎられた腕の肉。
そこから噴出すおびただしい量の鮮血・・・

高井はこの瞬間に起こるであろう出来事を思い描いた。

がぶっ・・・

腕に歯の「圧力」を感じる・・・ダメか・・・くそっ・・・!

556 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:54:20 ID:JHuTTkby0
その瞬間,高井は想像とは違うことが起こっていることに気がついた。
「圧力」は感じるが痛みはない。
腕の肉を食いちぎられもしていない。

「だよな!?そうだよ!」

高井はそう叫ぶと,取られた腕を引き戻して振り解き、階段の上から力任せに「敵」に蹴りを見舞った。
そう、高井が着ているのは特殊戦闘服。このような事態を想定して作られたものに他ならない。
「敵」の最初の「一撃」を防ぐだけの力は十分にあったのだ。高井はそのことをすっかり忘れていた。

「来やがれ!」
思わず声が出た。高井は残弾二発となったベネリのスライド引いて次弾を装填し、目の前の「敵」に向けて発砲した。

ドン!カシャ

「敵」の体が後方へ吹き飛ぶ。後から迫っていた「敵」の足が一瞬,止まる。
ほんの短い時間だが、すでに傭兵時代の戦闘能力を取り戻していた高井には十分な時間であった。
高井は素早く腰のポーチから9ミリ拳銃の予備マガジンを取り出すとグリップ内に投げ込むように装填した。
同時にスライドが前に動き,次弾が装填される。

パン!パン!パン!

高井の執念が乗り移った弾丸が「敵」の顔面に撃ちこまれる。
外してたまるか!という執念である。

557 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:55:10 ID:JHuTTkby0
パン!パン!パン!カシャ

スライドがストップする。弾切れだ。
軍用拳銃でありながらたった9発しか装弾できないのはどうかしている。高井は以前からそう思っていた。
しかし,今は文句を言っている暇はない。残弾を有効に使うことに集中した。
銃を少し振るようにして空のマガジンをリリースする。それと同時に取り出してあったもう一本のマガジンをグリップに差し込む。

ガシャン

スライドを戻してすぐに引鉄を引く。

パン!パン!

マガジンはあと二本・・・その二本を撃ち尽くすまでは生き抜いてやると高井は思っていた。
ゆっくり後ずさりしながら射撃を繰り返す。
腰のポーチから最後の二本となったマガジンを取り出して左手で挟み込んだ。
振りかえって一気に階段を駆け上れば「敵」を振りきれるかも・・・いや,「第一種」がいる以上それはまず不可能だった。
射撃をやめれば,即,「敵」の餌食となるのは明白であった。
あと少し・・・しかし,一瞬たりとも隙をみせることはできない。

弾が尽きるまでの命か・・・まあ,いいだろう。
自分は戦場を渡り歩いて,多くの命を奪ってきた。
自らが生き残るためとは言え,人を殺めてきたことには違いない。
今はその報いを受ける瞬間が近づいてきたのだ。
高井は漠然とした思いを抱きつつも,残りわずかな弾をもって敵」を撃ち倒した。

ガシャン

再びスライドが後退した状態でストップする。
次のマガジンを・・・

558 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:56:12 ID:JHuTTkby0
「高井!伏せろ!」

背後から聞こえた声に体が反応する。膝をまげ、その場にしゃがみこむと同時に銃撃音が鳴り響いた。

タタタタタタ!
タタン!タタタ!タタタ!

あっという間に目の前に血吹雪が上がる。至近からの銃弾の威力は凄まじい。
無数の肉片が階段上に散った。

「手榴弾!」
橋本は階段を駆け下り,階段の手すりを背にしながら階下に向けて手榴弾を投げ落とした。

ドン!

轟音が階段室に鳴り響く。

「高井、早く来い!」
「佐竹!橋本さん!助かった!」

高井達は急いで屋上へと出た。
屋上では日高が操縦するヘリがローターを回転させた状態で停まっていた。
ピーターセンとフォーリーはすでにヘリに乗りこみ、その隣りには田村,ヘリのすぐ横で横田、今村が三人の帰りを待っていた。
「急いで!周りは『敵』だらけです!」

扉のところにとどまった佐竹が近づいて来る「敵」に銃弾を撃ちこむ。そしてすぐに振り返るとヘリめがけて走った。
横田と今村は自らが階段代わりとなり、高井がヘリに乗りこむサポートをする。
中にいた田村が高井の腕を取り、中へ引き上げた。
続いて、橋本と佐竹が乗りこみ、横田と今村は軽快にヘリの中へと飛び乗った。

559 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:57:22 ID:JHuTTkby0
「出せ!日高!」
「了解!行くぞ!」

日高はスロットルを開き、上昇レバーを引き上げた。
高井達の後を追って屋上に飛び出してきた「敵」が上昇するヘリに飛びつこうとする。
「第一種」・・・相変わらず驚異的な身体能力だ。あらためてその恐ろしさを感じる。
あと数秒遅ければ届いたかもしれないギリギリのところでヘリは屋上を離れた。

「助かった・・・覚悟を決めてたよ。ダメかと思った・・・ありがとう・・・!」
「礼を言うのはこっちだろ。お前が『ヤツら』を食いとめていなかったら間に合わなかった。無事なのはお前のおかげだ。」
「そうです。高井さんがいなかったら日本本土への攻撃だって止められなかったですよ。ありがとうございます。」
高井は佐竹と橋本の顔を見つめると、大きなため息を一つついた。
「なんにせよ助かった。とりあえずは・・・この先はどうなるかわからんけどね・・・」
そう言うと窓から地上の様子をのぞきこんだ。

地上には「エモノ」を求めて徘徊する「死者」の姿があった・・・
東の空はすでに明るくなり、紫色に染まった地上に多くの「影」がうごめいていた。

560 :まこしろ:2006/09/03(日) 10:58:17 ID:JHuTTkby0
<エピローグ>

海上自衛隊護衛艦「くらま」艦上

着艦するヘリを多くの隊員が見守っていた。
ヘリが着艦し、サイドドアが開く。
高井達が姿を見せた瞬間、わあっという歓声が沸き起こった。
鳴り止まぬ拍手と賞賛の声に少し戸惑いながら、高井達はヘリを降りた。
すると観衆の中から一人の士官が歩み出て、佐竹の前で立ち止まった。
「第二護衛艦隊司令の林一等海佐だ。一尉、よくやってくれた。全自衛官、全国民に代わって感謝したい。」
そう言って右手を差し出した。
佐竹は握手を交わすと口を開いた。
「自分の力ではありません。ここにいるピーターセン中尉とフォーリー准尉、そして橋本二尉とその部下、それから何よりこの高井のおかげです。」
「『高井』?あなたは・・・?」
高井は林の方に向き直った。
「私は元自衛官ですが、今はただの民間人です。ワケあってここにいる佐竹一尉,橋本二尉と行動を共にしていただけです。」
そう言うと林と握手を交わした。
「第七艦隊からも感謝の意を伝える電文が届いている。本当によくやってくれた・・・!」

561 :まこしろ:2006/09/03(日) 11:01:06 ID:JHuTTkby0
「林司令、国内はほとんどが『感染者』で埋め尽くされていますが、まだ相当数の生存者もいると思われます。我々はどのように行動するのですか?」
橋本が一歩、前へ進み出て言った。
「そうです。米艦隊からの攻撃を回避したというだけで、事態が好転したわけではありません。我々とてずっと船の上で暮らすわけにも
いかないでしょう。民間人の私が言うのも変な話ですが・・・」
高井が後に続けると林は気を引き締めるためか、目を一度、強くつぶってから言った。
「効果のある『抗ウィルス剤』が生成可能となった。今、複製可能な設備を持つ全艦艇で大量に生成している。感染初期段階では100%効果があることが確認された。
『感染者』に対してはその動きを完全に止めることができる!」
「それはすごい!ついにできたんですね。久米さんが・・・?」
「そう、久米医師と林医務官が完成させた。
それから、本日0700に、合衆国政府の命令として、アメリカ合衆国全軍が同盟諸国に対して救援活動を展開することになった。
我々,自衛隊も米軍のサポートを行うと共に災害救助活動を展開する。」

「『災害』・・・ね」
高井がぼそっとつぶやいた。
「そうですね・・・これは人が作り出した『災害』だったんですね・・・」
橋本が高井のつぶやきに応えるように言った。

562 :まこしろ:2006/09/03(日) 11:02:02 ID:JHuTTkby0
「司令!緊急伝です!」
通信士官と思しき隊員がにぎわう甲板に駆けこんできた。
「どうした?何かあったか?」
「生存者からの救援要請です!米軍の偵察機が発光信号を確認しました。」
「場所は?周辺の状況はわかるか?」
「確認されたのは千葉県柏市周辺。孤立したマンションに住人が立て篭もっているようです。『敵』に応戦する武器はなく,完全に篭城している状態のようです。」
「生存者の数は?」
「詳しくはわかりませんが,女性と子どもが複数いるとの情報です。」
「わかった。直ちに救出部隊を編成!救助に向かう。」
林は即断すると高井達の方に振り返った。
「君達は休んでくれたまえ。本当にご苦労だった。」
「ちょっと待ってください。」
高井が声をかけた。
「何だかんだ言って,我々が一番『敵』を知っています。経験のあまりない者が救出に向かっても危険が増すばかりだ。」
「では,どうしろと?」
「俺達が行きますよ。なあ?佐竹?」
佐竹はやれやれというような顔をしながらも言った。
「林司令。我々が行きます。数名のサポートをつけてください。」
「本当に大丈夫なのか?無理をせんでも・・・」
橋本が一歩前へ進み出て言う。
「司令。我々がここまで何とか生き残ることができたのは,『実戦』の中でそれなりのノウハウを得たからだと思います。
少なくとも我々の誰かが行った方がよいと思います。」
「橋本さん。『誰か』っつたって,俺達は『チーム』だからね。誰一人欠けても生き残れないよ。なあ?」
高井が最年少の今村の肩を叩いて言った。
「自分も行きます!自分も行きます!置いてかないでください!」
慌てたように言うその口ぶりがあまりにも滑稽で,高井達は思わず吹き出した。

563 :まこしろ:2006/09/03(日) 11:03:08 ID:JHuTTkby0
準備はいいか?発進するぞ!」
日高が声をかける。
副操縦席に座った高井が後ろを振り返ると橋本が親指を突き出してOKのサインを送った。

太陽の光を浴びてきらきらと光る海原をヘリが飛び立った・・・
いまだ「彼ら」が彷徨い歩く街へ向かって・・・

564 :まこしろ:2006/09/03(日) 11:06:59 ID:JHuTTkby0
みなさん乙です。
長らく書かせていただきましたが、これにて一応の完結とさせていただきます。
いろいろとありましたが、皆さんに励まされなんとかここまで書けました。
本当にありがとうございました。
次回作は書けるかどうか微妙なところですが、アナザーストーリー的なものが書けたら
いいなあと思っています。

読んでくださったみなさん、応援してくださった皆さんに心から感謝します。
本当にここで書くことができてよかったと思います。
ありがとうございました!!!!!

565 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 11:27:58 ID:ovb6KJX3O
まこしろさん乙です!!
遂に完結かぁ〜ご苦労でした

566 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 11:34:29 ID:8IvshZsO0
力作乙。



567 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 12:38:15 ID:HzdcX44Z0
まこしろさんsugeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
長編の物語を見事完結、お疲れ様でした。
長い間ずっと拝見しておりましたが、本当にすごいですね!
ゆっくりと休んで、もし余裕がございましたら、
次回作をお願いしますね!(^-^ゝ
本当にお疲れ様でした!!!。

568 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 17:47:57 ID:ysZH/1NIO
まこしろさん、お疲れさまでした。心から、恐怖をありがとうm(__)m

569 :通勤電車男:2006/09/03(日) 19:39:23 ID:ozTxHbFcO
まこしろ様、続編の投稿お疲れ様です!。
そして完走おめでとうございます(^з^)/゙!!!!!。
これ程の長期連載ともなれば様々なご苦労もあったかと思いますが、
それを乗り越えて堂々の完結!。
登場人物達もまこしろ様御自身もお見事です(`・ω・)ゞ。
「...光る海原をヘリが飛び立った...」
ここで「はfvぇdwぇぇ〜・・・(*゚Д゚)」と言葉にならない感嘆の溜息をついて、
隣に座ってたおじさんに怪訝な顔をされたのは内緒です。
今はゆっくり休んで頂いて、そしていつの日か再び
死と恐怖と絶望のゾンビ達を引き連れ、希望に縋る人間達の物語を!!。
ゾンビ達の様にいつまでも飢えながらお待ちしております!
長い間本当にありがとうございました!!!。

570 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 22:39:06 ID:urHScCkL0
>まこしろさん

つまんねえ、、、
























もう終わりですかよ。なかなかいい終わり方でしたね。
本当に長いことありがとうございました。
プライベートでもいろいろおありで大変だったようですね。そんな中での執筆、お疲れ様。
連載開始から読んでいた作品を完読できるのは気分のいいものです。
気が向いたらまた作品よろしくお願いします。

571 :本当にあった怖い名無し:2006/09/03(日) 23:04:27 ID:3G2CxxuVO
まこしろさんお疲れ様でした。
私生活が大変だった中、よくぞ大作を完結されました。
本当ありがとうございます。
どなたかまこしろさんの作品のまとめサイトを作ってくれませんか


と他力本願すみません

572 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 01:09:13 ID:OMcj+S5uO
まこしろさんお疲れさまです。
携帯からずっと見てました。
楽しい、恐ろしい作品をありがとう!

573 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 01:23:50 ID:Ju53K7E20
まこしろさんお疲れ様です。
最高の作品をありがとう!

574 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 03:49:07 ID:mRQjPyeP0
銃火器が身近に無い日本でゾンビものなんて出来ないと思っていたが、
昔のドーンオブザデッドの緩慢なゾンビなら、
日本でも生き残れそうな気がした。

リメイク版ドーンオブザデッドのゾンビだったら、
一月くらいで列島の日本人は絶滅しそうだ。

575 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 14:26:31 ID:/xb3ZFMeO
>>574
陸自の駐屯地の隣に住んでるウリは勝ち組。

576 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 15:28:38 ID:2V/pTIR4O
機甲師団の近くに住んでるウリはさらに勝ち組

577 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 15:41:21 ID:YKTgWbLD0
階下がスーパーな俺、最強

578 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 16:59:19 ID:/xb3ZFMeO
>>576
もし北海道なら無敵だな。
旧ソ連とガチで一ヶ月殴りあいを出来るように作られたとこだし、食糧も大量に。
外界から隔離されてるし。










引っ越すか。

579 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 17:10:41 ID:LZlr78lj0
>>578
ゾンビを見越しての引越しならあまり現実的ではないなwwwww

にしても、まこしろさん御疲れであります。

580 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 18:28:23 ID:UFeS6JCS0
でも一般人を装甲車に乗せてくれるかな。74式は乗った思い出がある。
BRDMならいっぱい乗れるな。

581 :本当にあった怖い名無し:2006/09/04(月) 21:25:51 ID:/xb3ZFMeO
ん〜〜乗せてくれるとは思うがなあ。
ゾンビで出動なら残留民救出が任務だろうし。

582 :小泉純一郎 ◆7/qRk.OXSk :2006/09/05(火) 02:18:03 ID:6vumCfea0
「久々の上物だな。あれにするか。。。」

昼下がりの閑静な公園。

濃いフィルムで車内を隠した黒のRV車の中で、
黒い革ジャンの上から、分厚い襟が首まで覆った戦闘服を
だらしなく羽織る男が呟く。

猛禽のような視線の先には、
裂けた袖が赤黒く染まったグリーンのメッシュパーカの少女が、
ただ天を仰ぎ佇んでいた。

男は、助手席に投げ置いていたオートマチック・ショットガンの
ラバー製のピストルグリップを掴むと、山猫のように静かに車外に降りる。

戦闘服の背に設けられたショットガンポーチに
短く切られた銃身のショットガンを収めると、
少女の、土に汚れた短いデニムスカートの
青白く血の通わない太ももに視線を落とした。

「喰いつきたいねぇ。ゾンビの気持ちが解るってもんだ。」

下卑た笑いで口元を歪ませた男は、低い嗚咽をあげる少女との距離を
背後から詰めていった。。。

583 :本当にあった怖い名無し:2006/09/06(水) 00:46:38 ID:z19/QgLn0
え゛、、、続きないの?

584 :本当にあった怖い名無し:2006/09/06(水) 02:28:48 ID:FqhNJlVV0
>黒い革ジャンの上から、分厚い襟が首まで覆った戦闘服をだらしなく羽織る

革ジャンの上に戦闘服って凄く動き難いと思うんだが・・・・

585 :ゾンビの居るアメリカンジョーク/国民性:2006/09/06(水) 08:55:51 ID:/hKH1PtG0
アメリカ人、中国人、イタリア人、そして日本人がホームセンターに立てこもっていた。

外のゾンビを見てアメリカ人がこう自慢した。
「俺たちのゾンビを見ろよ。大きくて、強そうだろ?」

イタリア人はこう自慢した。
「俺たちのゾンビを見ろよ。なんてセンスがいいんだ。美女しか襲ってないぞ。」

中国人はこう自慢した。
「きちんと調理して相手を食べているのは俺たちのゾンビだけだ。」

最後に残った日本人はこう自慢した。
「俺たちのゾンビほど礼儀正しい奴は居ない。見ろよ。」

日本人が指指した先には、日本人ゾンビが
襲う相手の前にきちんと行列を作って並んでいた。


586 :ゾンビの居るアメリカンジョーク/生前の行動:2006/09/06(水) 09:07:12 ID:/hKH1PtG0
世界中にゾンビが発生した。
しばらくたってニュースでゾンビの特徴が報道された。
頭が弱点、動きは遅い、生前の習慣に従って行動する、などだ。

それを聞いたある夫婦の夫が妻に向かっていった。
「あいつらは生前の習慣に従って行動してるって?どうりで隣の男子高校生のゾンビが
俺の留守にしているはずの時間の間だけ俺の家に来ると思った!」

587 :本当にあった怖い名無し:2006/09/06(水) 11:13:19 ID:z19/QgLn0
>>585-586.

まこしろさんの大作が終わったばかりの幕間はこういうショートがいいねw


588 :本当にあった怖い名無し:2006/09/06(水) 19:36:01 ID:gK3Np6160
>>584
 「黒い革ジャンの上から、分厚い襟が首まで覆った」戦闘服なんじゃね?

589 :通勤電車男:2006/09/06(水) 22:38:14 ID:igVvukjlO
小泉様・ゾンビの居るアメリカンジョーク様、新作の投稿お疲れ様です。
小泉様、がっちりと設定&世界観が構築されていそうな気配ですね。
ちょい悪っぽい主人公というのも独特の雰囲気がして
wktkしております( ̄ー+ ̄)!。
ゾンビの居る〜様、とても小粋にまとまっていてなんか素敵です(*^_^*)!。
「アメリカンジョークには爽やかな笑いを返すのが礼儀」と友人に教わったので一応。
ヾ(゚▽゚)ノ~HaーHaHahaha〜!!...なんか気の毒な人みたいだ...OTZ
ショート作品の投稿ありがとうございました。
またの投稿お待ちしております!。

590 :本当にあった怖い名無し:2006/09/08(金) 12:29:54 ID:YHYSRf6yO
ほ?

591 :本当にあった怖い名無し:2006/09/08(金) 13:08:13 ID:4ME2XM2FO
うほっ?

592 :本当にあった怖い名無し:2006/09/08(金) 13:55:20 ID:JA2473hi0
いや、違う。

593 :本当にあった怖い名無し:2006/09/08(金) 16:53:36 ID:v8WbxamwO
アッー!

594 :本当にあった怖い名無し:2006/09/09(土) 15:36:14 ID:Dhv5W4lBO
よし、投下しよう。



こう言わないと決心が鈍るからな…
あんま大したこと無いと思うけど、とりあえずしばらく待っててね。

595 :本当にあった怖い名無し:2006/09/09(土) 16:09:24 ID:y8UQ0XbIO
>>594
アゲルとは・・・・・・・中々の強気だな同志書記長。

596 :本当にあった怖い名無し:2006/09/09(土) 17:35:06 ID:Dhv5W4lBO
>>595
し、しまった!

597 :本当にあった怖い名無し:2006/09/09(土) 20:55:58 ID:nuRvl1PE0
>>594
コテもよろしくね。

598 :本当にあった怖い名無し:2006/09/10(日) 17:42:22 ID:pYlDZVxyO
出産おめでた

599 :本当にあった怖い名無し:2006/09/10(日) 22:24:02 ID:6TX7S9Ip0
つ、ついに生まれたのか!?

600 :本当にあった怖い名無し:2006/09/11(月) 00:08:00 ID:W/kELQljO
600げとー

601 :本当にあった怖い名無し:2006/09/12(火) 01:16:47 ID:JbjCCtNf0
リアルゾンビ盆踊り

http://www.youtube.com/watch?v=i86fiRjvafk

602 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:03:22 ID:JKBn5JI40
はじめまして。メリケンうさぎと申します。
皆さんの作品に触発されて、私も一つ書いてみました。
未熟者ゆえ、至らぬところも多いことかと存じます。
ご指摘・ご批判大歓迎です。
率直なご意見・ご感想をいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

なお、この作品は、「ゾンビ小説」として書いたものではありますが、
終盤になるまでゾンビは出てきません。
どうか気長にお待ちください。

603 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:04:39 ID:JKBn5JI40
 教室にはまだ誰もいなかった。言い知れぬ安堵感に胸を撫で下ろす。しかしそれも
ほんの一瞬のこと。廊下の向こうから聞こえてきた足音が、心臓をきつく締め上げた。
追い立てられるように自分の席へと向かい、肩に掛けていた鞄を降ろした。鞄の中
から筆記用具を取り出し、それを机の上に置く。足音は徐々に近付いてくる。ゆっくり
とした足取りで、着実にこちらへと向かってくる。胸中を支配する恐怖感。堪えきれず
机に突っ伏した。視界は一挙に暗転した。同時に足音は停止した。扉の開かれる音がする。
「おはよう、ってまだ誰もいねえじゃん」
 男子生徒の溌剌とした声が、室内の空気を振るわせた。その瞬間、針で刺された
ような痛みを胸の内側に感じた。そうだ、誰もいないのだ。この空間には誰もいないのだ。
いるのはたった今入ってきた一人の男子と、眠ってばかりいる根暗な男子だけだ。
眠ってばかりいる根暗な彼は、クラスの誰とも口をきかず、授業時以外は眠っているのだ。
そんな奴はクラスにとっては、いてもいなくても同じことだ。いてもいなくても同じことなら、
いないと見なした方が話が早い。したがって今入ってきた男子にとって、この教室には
彼自身以外誰もいないのだ。僕は、ここにはいないのだ。

 一時間目の授業が終了した。教科書とノートを机にしまい、そしてすぐさま机に伏せる。
眠い、眠いと自己暗示を掛け、時間の経過をひたすら待つ。周囲では生徒たちが
楽しそうに話している。昨日見たテレビ番組、最近の流行歌、バイトの話、恋愛の話。
聞くまい聞くまいと思えば思うほど、逆に聴覚は冴えてくる。それは苦痛以外の何物
でもない。新手の拷問にでも掛けられた思いで、地獄の十分間をやり過ごす。

 二時間目が終わった。不意に保健室に行きたくなった。なんとなく気分が悪い気が
した。常に気分は悪かった。自分でも可笑しくなるくらい、四六時中気分は悪かった。
その気分を正常に戻す唯一の方法は、学校から離れることだった。


604 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:05:51 ID:JKBn5JI40
 保健室にには白衣の女がいた。事務的な動きで女から手渡された体温計を、
脇の下に挟む。沈黙に包まれる空白の一分間。敢えて視点を定めずに、ただただ
空虚を見つめていた。
 チープな電子音が静寂を破る。力の入らない指先で体温計を抜き取り、白衣の女に
手渡した。女は興味の無さそうな表情で体温表示を見、そして小さくため息を吐く。
「平熱だけど?」
 不快感を隠そうとしない表情で言った。
「それでも具合が悪いんです」
 言い返すと、女は再びため息を一つ。
「ああもういいや、わかった、わかった」
 女は突如投げやりな口調になり、早退に必要な書類に記入を始めた。
「あの、いつもすいません」
 女の様子が哀れに見えて、そんな言葉が口をついて出た。しかし女は無反応のまま、
黙々と作業を続けていた。

 校門を出ると空が晴れているのに気付いた。しかしどうということはなかった。頭を
空にしたままで、家路を辿ることに専念していた。

 犬の糞を踏んでいたことに気付いたのは、玄関で靴を脱ぐ時だった。右手の中指の
先が潰れた糞に触れた。生温かい感触が、指先に残った。見ると、焦げ茶色の糞の
断片が、指先に付着している。不意にある衝動に駆られた。糞の着いた指先を、
ゆっくりと顔に近付ける。指先と鼻との距離がある程度まで縮まると、かすかに異臭が
漂い始めた。さらに指先を鼻へ近付ける。臭いはしだいに強くなる。指先と鼻先とが
触れる直前で指先を静止させ、思い切り鼻から息を吸い込んだ。鼻孔いっぱいに
広がったのは、紛れもない、糞の臭い。それは、懐かしくも愛しい香り。そんな香りに
酔い痴れながら、僕はあいつのことを思い出していた。


605 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:11:16 ID:JKBn5JI40
 僕が生まれる数年前から、あいつはこの家に住んでいた。僕がものごころついた
頃から、あいつは僕のそばにいた。僕とあいつはいつでも一緒だった。僕の両親
にとってのあいつは、単なるペットの犬に過ぎなかったかもしれないけれど、少なくとも
僕にとってのあいつは、唯一の仲間であり、無二の親友だった。人と接するのが
苦手な僕は、小学校でも中学校でも友達ができず、学校ではいつも一人で過ごしていた。
それでも、一度たりとも寂しさを感じたことは無かった。確かに僕は、学校では
一人ぼっちだった。けれども僕は、本当の意味での一人ぼっちではなかった。
僕の心にはいつでもあいつがいた。学校で一人でいるとき、僕は決まってあいつのことを
考えていた。家で僕の帰りを待ち侘びているあいつのことを考えると、それだけで寂しさは
吹き飛んだ。
 毎日、学校が終われば飛ぶように家に帰り、あいつを連れて散歩に出かけた。
学校でどんな嫌なことがあっても、ひとたびあいつと外へ出かければ全て忘れる
ことができた。僕は、あいつと一緒にいる時が一番幸せだった。他には何一つ
要らなかった。僕がいて、そしてあいつがいる。ただそれだけで幸せだった。
 けれども、そんな些細な幸せも、ある日唐突に終焉を迎えた。あれは中学三年の春。一年のうちで最も散歩に適した季節に、あいつは老衰でこの世を去った。
小さな庭の片隅に、手作りの墓を作ってやった。深く掘った土の中にあいつを納め、
上から土をやさしくかぶせた。ベニヤ板をのこぎりで切って墓標を作った。あいつの
名前を立派な字で書いてやるつもりだったのに、手が震えてうまくいかなかった。
それから家具屋へ行って、線香を買ってきた。ライターで火をつけて、墓の手前側の
土に挿した。白い煙が立ち昇り、青空の彼方へと吸い込まれて行った。


606 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:14:42 ID:JKBn5JI40
 あいつが死んでも、僕は毎日飛ぶように家に帰った。そして、あいつと散歩へ
出かける代わりに、あいつの墓に線香をあげ、両手を合わせた。そしてゆっくりと
目を閉じた。するとどういうわけか、あいつとの楽しい思い出が、際限無く頭の中を
巡った。それはまるで、あいつが僕を慰めるために見せてくれている幻であるかの
ようだった。
 季節は流れ、僕は中学を卒業、そして高校へと進学した。あいつが死んでから
ちょうど約一年。あいつは今でも、毎日僕に幻を見せてくれている。


 洗面所に行って手を洗い、指先に付着した糞を洗い流した。それから自分の
部屋へと向かった。

 部屋に入ってまず目に付くのが、乱雑に物の置かれた勉強机。その机の元へと
歩み寄り、二番目の引き出しを開ける。中には箱入りの線香と、ライターが一つ。
そしてあいつの首輪が入っている。箱から線香を一本抜き出し、ライターを手に持ち、
引き出しを元どおりに閉める。そうしてすぐに部屋を出た。


607 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 19:16:17 ID:JKBn5JI40
 つっかけを履いて庭へ出た。午前中だけあって外は明るい。軽めの深呼吸を一つ
してから、あいつの墓へと歩み寄る。墓の前にしゃがみ、墓の様子を正面から眺める。
まるで厚手の掛け布団のように、土が盛り上がっている。墓標には、汚い字で
「定吉の墓」と書いてある。線香を立てる場所には白い灰がたまり、茶色い土の上を
覆っている。ふと目を閉じると、あいつの眠っている様子がまぶたの裏に映った
気がした。
 ゆっくりと目を開き、手に持っていた線香に火をつけた。緑色の線香の先端が赤くなり、
間もなく白い煙が立ち昇り始めた。一筋の細い煙はまっすぐに空へと向かい、
どこまでも昇り続けている。僕はその細い白線を見つめながら、あの世というものに
思いを馳せた。あの青い空の遥か上方に、あの世と呼ばれる世界が広がっている
のだろうか。あいつもやはり、そこにいるのだろうか。だとすれば、この白い煙は、
僕のいるこの世とあいつのいるあの世とを結んでくれる、この上なく尊いものなのかも
しれない。
 そんなことを考えながら、僕はゆっくりとまぶたを閉じた。あいつの見せてくれる幻
の中で、あいつと戯れるために。

          続く

608 :通勤電車男:2006/09/13(水) 22:25:59 ID:vk4wWy+4O
メリケンうさぎ様、新作の投稿お疲れ様です。
主人公の大まかな性格と状況を非常に丁寧に描写されてますね(^-^)!。
無二の親友だった故・定吉さん(犬)を喪い心の拠り所を無くしている
主人公が今後どの様に成長or崩壊していくのか、そしてゾンビがどう
絡んでくるのか、とても楽しみにしております('ー`)ノ~!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

609 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/13(水) 22:48:35 ID:RZo6qcQ20
>>608
通勤電車男さま、レスどうもありがとうございます。
温かいお言葉、大変励みになります。
続編は近いうちに投稿するつもりです。
どうか温かい目でお見守りください。

610 :本当にあった怖い名無し:2006/09/14(木) 00:50:22 ID:sGFipthN0
>メリケンうさぎさん

乙!

なんかなあ、、、ゾンビスレにはもったいない、っていったらスレのみんな怒るかなあ、、、

なかなかいい感じです。この先どうなるかわからないけど、本当にあんまりゾンビが出ないなら

一般小説のほうで出してもいいんじゃないかな(勿論ここから出てけ、ってわけじゃないよ)

近いうちといわず早いうちに(?)続編よろ!!

611 :本当にあった怖い名無し:2006/09/14(木) 10:53:47 ID:pu8BS6s4O
メリケンさん、お疲れさまです。
定吉がどう絡んでくるのか…楽しみです。

>>610
ゾンビスレは何気にレベルが高いですね。必ずしも、パニックアクションにならないところが奥深い。

612 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:06:34 ID:xYpQa7cE0
>>610さん、>>611さん、
レスどうもありがとうございます。
嬉しい気持ちでいっぱいです。

さっそくですが、続きを投稿しますね。

613 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:07:32 ID:xYpQa7cE0
 ふと気がつくと、辺りは夕焼けに染まっていた。どうやら、墓の前で居眠りをして
しまったらしい。しゃがんでいただけのはずなのに、いつのまにか地べたに胡座を
かいていた。こんなことは今までに一度も無かった。おかしいなとも思ったが、やはり
疲れのせいかもしれないと考えた。新しい高校での生活にはまだ慣れておらず、
際限無く溜まり行くストレスが、精神的にも肉体的にも、疲労を誘っているのだろう。
まだ目覚めきらない意識の中でそんなことをぼんやりと考えながら、何気なく墓の方
へと目をやった。先ほど立てた線香は、すでに白い灰となっていた。そこからはもはや
煙は立ち昇ってはいない。
 ふと、先ほど自分で考えたことを思い出した。線香の煙は、僕とあいつとを結ぶ尊いもの。
だとすれば、線香の火が消えた今、僕とはあいつとを結ぶものは何も無いのではないか。
 そんなことを考え始めた瞬間、不意に強烈な感情が胸に襲い掛かった。それは悲しみと
寂しさの入り交じった、至極強烈な感情だった。いまだかつて味わったことのないほど
強烈な感情が、突如として襲いかかってきた。あいつが死んだあの日にさえ感じること
のなかった、悲しみであり、寂しさであった。もしかするとそれは、本来ならばあいつが
死んだあの日に襲ってくるはずだった感情なのかもしれなかった。
 考えてみれば、あいつが死んでからの僕はずっと、あいつの死という現実を
受け入れることができずにいたような気がする。あいつは本当は生きていて、ただ
土の中で眠っているだけで、僕が遊びに来ると不思議な力で幻を見せてくれるものだと、
そんなふうに考えていたのかもしれない。冷静に考えてみればおかしな話だ。死者が
幻を見せてくれるなんてこと、ありはしないのに。おそらく僕は、墓前に線香を立てて
手を合わせるという行動を通して、表面的にあいつの死を受け入れたふりをしていた
に過ぎないのだろう。本当は、胸の奥底では、あいつの死を受け入れてはいなかった
のだ。僕は今、そのことをはっきりと自覚した。

614 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:08:38 ID:xYpQa7cE0
 頬に生ぬるい感触が走った。それは止めどもなく溢れ出す涙であった。どうやら
僕は泣いていた。あいつが死んだあの日もその後も、一度も涙を流さなかった僕が、
今は溢れ出る涙を堪えることができない。あいつが死んでから、初めての涙。僕はもう、
どうしていいのかわからなかった。

 ひとしきり泣いた後、僕の心にはある考えが浮かんだ。僕はやはり、あいつの死を
受け入れることはできない。あいつは死なない。どんな時も、いくら離れていても、
あいつは僕の心の中にいた。だから、僕の心の中のあいつは、決して死んだりは
しない。どんなことがあっても僕のそばにいて、僕の仲間でいてくれる。だから、
あいつは死んだりしない。僕が生き続ける限り、あいつはいつまでも生き続ける。
決して死んだりはしない。なんだ、こんな墓なんか。死ぬはずもないあいつが墓の中
なんておかしいじゃないか。あいつは死んでなんかいないんだ。ただ土の中で
眠っているだけなんだ。だからほら、今だって呼びかければ、きっと返事が返ってくるはず。
「定吉」
 ささやくような小さな声で、僕はあいつの名を呼んだ。辺りは静寂に満たされていた。
あいつは返事をしなかった。わかっていた。そんなことは始めからわかりきっていた。
だからこそ、胸が張り裂けそうになる。
「定吉」
 もう一度確かめるように、あいつの名前をささやいてみた。やはり返事は返ってこない。
涙が、一度おさまったはずの涙が、再び頬を伝い始めた。その感触はなぜか不快で、
何かにからかわれているような気分になった。そして強烈に、孤独を感じた。

615 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:09:35 ID:xYpQa7cE0
「定吉ィッ」
 無意識のうちに、あいつの名を大声で叫んでいた。何度も繰り返し、叫び続けた。
静寂が恐かった。叫ぶのを止めた時に辺りが静まり返るのが恐かった。このまま
死ぬまで叫び続けたいと思った。けれどもそれは無理だった。やがて声は枯れ、
息は続かなくなった。
「さ、だきちぃ」
 もう、声は出なかった。僕は耳をふさぎたくなった。頭を激しく左右に振りながら、
両手を耳に近付けた。
 近付けた手は、急に止まった。耳が、何かを聞き取った。それは紛れもなく、犬の
鳴き声だった。それは遥か遠くから聞こえてきていた。犬は何度も繰り返し鳴いた。
それはしかし、定吉の声ではなかった。定吉とはまったく別の犬が、どこかで鳴いて
いるらしかった。けれども僕には、それが単なる偶然だとは思えなかった。それは
まるで、助けを求める定吉の声のように感じられた。

 考えるよりも先に、体が動いていた。僕は墓標を払いのけ、盛り上がった土を
左右に掻き分け始めた。土は見た目に反して固く、作業には大分時間がかかった。
僕はただただ一心不乱に、目の前の土を掘り起こしていった。爪の隙間に土が入って、
激痛が走った。それでも僕は作業を続けた。
 しばらくして、覚えのある感触が指先に走った。僕は作業の速度を上げた。

616 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:10:38 ID:xYpQa7cE0
 ついに全身をあらわにした定吉の体は、埋めた時と何ら変わりがなかった。僕は
迷わず定吉を抱き上げ、地中から地上へと出してやった。
 定吉は、安らかな顔で眠っていた。僕は、しばし呆然と、その安らかな寝顔に
見入っていた。
 まもなく、定吉の顔に変化が表れた。口元がわずかに動いたのである。試しに僕は、
定吉の体を軽く揺すった。すると次の瞬間、定吉はゆっくりとした動きで体をよじらせた。
「定吉ッ」
 喜びのあまり僕は叫んだ。定吉は顔で返事をした。そして間もなく、定吉は四本の足
でしっかりと立った。
「定吉、おまえ」
 驚き交じりの呼びかけに、定吉は元気よく返事をした。それは紛れもなく、あの定吉
の声だった。僕は定吉を抱き締めた。毛の触り心地、体の温もり、湿った鼻先。
どれもこれもが、定吉だ。
「あ、そうだ」
 僕は定吉から体を離した。
「ちょっと待ってろよ」
 僕は、駆け足で自分の部屋へと向かった。

 部屋に着くと机の引き出しを開け、中から定吉の首輪を取り出す。踵を返し、再び
庭へと向かう。

617 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:12:14 ID:xYpQa7cE0
 小さな庭の片隅には、確かに定吉が待っていた。僕は満面の笑みを浮かべて、
定吉の元へと駆け寄った。定吉は嬉しそうな表情をこちらへ向け、尻尾を左右に
振っていた。僕は部屋から持ってきた首輪を、定吉の首に着けてやった。
「さあ、散歩の時間だぞ」
 懐かしい言葉が口をついて出た。定吉は大きく返事をして、僕の足に体を
摺り寄せてきた。

 僕は定吉を連れて家を出た。歩き慣れた散歩コースを、定吉と共に歩く。これほどの
幸せは他にない。定吉の歩くペースに気を遣いながら、僕はゆっくりと歩き続けた。
「楽しいか?」
 僕が聞くと、定吉は元気よく返事をした。
「僕もだよ」
 自分で言って、ニヤけてしまう。ああ、なんて幸せなんだろう。僕がいて、そして
定吉がいる。二人は一緒に散歩をしている。それだけで僕は幸せなんだ。他には
何も要らない。ただ、それだけで、十分なんだ。

618 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:13:29 ID:xYpQa7cE0
 日が大分傾いてきた。東の空はすでに紫色となり、西方にわずか橙色が残るのみ
となった。時の過ぎるのはあっという間だった。僕と定吉の散歩コースは、悲しくなる
ほど短かった。あとは同じ道を辿って家に帰るだけだ。
「さあ、それじゃあ帰ろうか」
 名残惜しさを振り切るように、僕は定吉の方を見た。直後、僕は我が目を疑った。
「定吉ッ?」
 一瞬、目の錯覚かと思った。まぶたをこすってから、もう一度定吉を見た。目の錯覚
ではなかった。定吉の、左の眼球が、だらりとぶら下がっていた。
「おい、どうしたん……」
 しゃがんで定吉に顔を近付けた瞬間、強烈な異臭が鼻をついた。それは、何かの
腐ったような臭いだった。わけのわからぬ状態で、僕は定吉を見守った。すると
間もなく、定吉の足元が振るえ始めた。直後、定吉の体が急激に傾いた。定吉の脚は、
あらぬ方向へと折れ曲がっている。驚く暇も与えぬうちに、今度は舌が垂れ下がって
きた。きれいな桃色をしていた舌は、今はどす黒く変色し、表面には無数の凹凸が
できている。何かが落下する音がした。見るとそれは定吉の眼球であった。恐る恐る
顔を上げ、眼球のあった場所に目を向けると、そこには無数の蛆が湧き、音もなく
せわしなく蠢いていた。

619 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/14(木) 18:14:21 ID:xYpQa7cE0
 たまらなくなった僕は、定吉の背中をさすってやろうとした。ところが、手のひらに
触れた感触は、体毛の滑らかさではなく、やけに柔らかい感触と、湿り気を帯びた
手触りだった。指先には何か固いものが当たっている。不審に思った僕は、定吉の
背中から手を離し、自分の手のひらに目を向けた。そこには、おびただしい量の
赤黒い液体が付着しており、その液体は滴り落ちて僕の服を濡らした。

 僕はその場にへたり込み、みるみるうちに朽ち果ててゆく定吉の肉体を、
為す術も無く眺めていた。

 後に残ったのは、蛆の湧いた赤黒い物体と、それから、
まるでその物体を引きずった跡ででもあるかのような、不可思議などす黒い、
かすれ気味の線だけだった。そのどす黒い不可思議な線により、
僕の思い出の散歩道は、すっかり汚れてしまっていた。

          完

620 :本当にあった怖い名無し:2006/09/14(木) 19:41:00 ID:sGFipthN0
いいねいいねいいねいいねいいねいいねいいねいいねいいねいいねいいねいいね〜(キリガナイ)

ゾンビものというより「ペットセメタリー」だけど情緒的には「ペットセメタリー」を超えているかも。

暇があったら自作もよろ!!

621 :本当にあった怖い名無し:2006/09/14(木) 19:56:21 ID:pu8BS6s4O
主人公が妄想で作り出した“ゾンビ”でしたかっ

しかし、悲しいですな…

622 :通勤電車男:2006/09/14(木) 22:13:30 ID:r99lZen7O
メリケンうさぎ様、続編の投稿お疲れ様です!。
逢魔が時に主人公が見た黄昏・誰彼。幻影でしたか...(´・ω・')。
何ともやりきれない切ない作品でしたが、その情景を想像すると
夕陽の美しさと腐肉を引きずる笑顔の主人公が強烈なインパクトを
醸し出していて、とても味わい深く印象に残りました!。
ご都合が合うようでしたらまた投稿していただけるとうれしいです!。
ありがとうございました!。

623 :本当にあった怖い名無し:2006/09/15(金) 08:30:27 ID:lWcw/6U8O
線香→定吉→毎日香つながり?と思いましたが、改めて読み直してみたら、幼い頃一緒に育った愛犬の面影や思い出が蘇り、大切な思い出を改めて宝物だと思える良作でした。残酷なラストですが、私は満足しました。ウサギさん、ありがとうございます。

624 :本当にあった怖い名無し:2006/09/16(土) 01:49:32 ID:p0zKHlzv0
楽しそうなスレですね。

625 :メリケンうさぎ ◆tXqDcg93yw :2006/09/16(土) 02:07:34 ID:XDVLBrFt0
レスくださった皆さん、どうもありがとうございました。
次の投稿時にも、どうかよろしくお願いします。

626 :小泉純一郎chiwawaheika:2006/09/16(土) 03:47:09 ID:PGM8479d0
>>582 続き

「よお、元気か?」

ゾンビの少女が、低い嗚咽を漏らしながら振り返る。

生気を感じさせない青白い肌。
切れ細の目の中の白濁した瞳。

生前は手入れしていたであろう黒のストレートヘアは
埃に汚れている。

男は、両手を伸ばそうとした少女に間髪を与えず喉輪を掴む。

羽織った袖無しのボディーアーマーに設けられたマガジンポーチから、
ゴム製の野球ボールを取り出すと、少女の噛みつこうと開いた口に
詰め込んだ。

627 :小泉純一郎chiwawaheika:2006/09/16(土) 03:48:57 ID:PGM8479d0
「ぐぅ、ぐふ」

無表情の少女の顎が、外れそうな軋みをあげる。

「かわいい顔してるな、栗山千明に似てるって言われないか?
死体にしておくにはもったい無いぜ。」

男が力を込めると、筋を破ったような鈍い音と共に、
少女の口の中にボールが納まった。

粘り気のある唾液が、口の端から零れ落ちる。

男は、少女の首から手を離した。
少女が男の血肉を貪ろうとすがりつく。

垂れた唾液が革のジャケットを汚したが、
男は、ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべながら、
腕にすがりつく少女と車に戻っていった。

澄んだ秋空の下、公園でふざけあう恋人。

ポケットに両手を突っ込み、鼻歌交じりの男は、
そんな夢想をしながら歩いていた。

人の気配を感じ、ゆっくりとした歩みで
車を取り囲もうとするゾンビ達を前に。。。

628 :小泉純一郎 ◆eY7y.oEbgE :2006/09/16(土) 03:53:03 ID:PGM8479d0
キャップ失敗しちゃいました。
変えるので、問題無いですけど。

何はともあれ、アンデッドが歩き回る人類の黄昏の中、
ひきこもり青年が送る前向きな日常物語です。

よろしくお願いします。

629 :本当にあった怖い名無し:2006/09/16(土) 12:17:08 ID:2mteWFpbO
こちらこそ楽しませてくれて有難う。

630 :本当にあった怖い名無し:2006/09/16(土) 22:48:13 ID:qFHd+nS60
>>628
わけわかんねーけど読んでて引き込まれるね。続きよろ!!

631 :本当にあった怖い名無し:2006/09/16(土) 23:32:26 ID:xLd1hR9y0
遅くなったがメリケンうさぎさん乙!!!!!!!!
とても怖いラストですがこういうの、いいですね。
主人公の少年はきっと嬉しそうに笑いながら定吉と……
なんというせつない話なんだ(ノд`)
次回作も待ってます!

632 :本当にあった怖い名無し:2006/09/18(月) 11:33:03 ID:rnGw0/jPO
ウホッしゅ

633 :通勤電車男:2006/09/18(月) 22:08:12 ID:xjpApB8HO
小泉様、続編の投稿お疲れ様です。
何かの目的があるのかゾンビから逃げる・戦うではなく、
「調達」って感じですね。しかも妙に慣れてるし...(;・ω・)。
ひきこもり主人公の自室(監○部屋?)がどうなっているのか
もの凄く気になっております( ̄ー+ ̄)ノ"!!。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

634 :本当にあった怖い名無し:2006/09/19(火) 19:37:02 ID:oCbi6HZ80
保守

635 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/09/20(水) 23:40:06 ID:RFA2zsTx0
投下開始

大村君に三枝君。二人が誰でどういう人物かなんて、その時はどうでもよかった。ただ、大村君が放った一言があたしに現実を突きつけた。
「助けて運んだ…って。あたし…車が電柱に…。それであの子を…香奈美が…夢じゃなかったんだ…」
少しでも期待してしまった自分が愚かだったのかな。きっとそう。だってこの手には、ハンドルをぎゅっと握り締めた感覚がしっかりと残っていたんだから。
そして…そう、あの音と感触。胃の奥から湧き上がってくる不快感。何かを…ううん、もうそんな言葉では誤魔化せない。
香奈美と、そしてあの女性を轢き殺した時の音とその身に乗り上げた衝撃。まざまざと思い出されてきた。
「あの子?かな…何?」
聞き返されてハッとした。いつの間にかうつむけていた顔を上げると、二人があたしのことを注視している。
「あ、いえ…何でもないです。あ、あたしは福永 真奈美です。あの…助けてくれて有難うございました」


636 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/09/20(水) 23:41:51 ID:RFA2zsTx0
まるで何かを誤魔化しているみたい。我ながら怪しいと思う。だけど助けてくれたとはいっても見知らぬ人間だもの。
あたしが犯した罪は、どんなに親しい相手にだって簡単に言える事じゃない。それが初対面の相手ならなおさらだった。
妹を殺してしまったという事実。自らを省みずにあたしを助けようとしたのに。もう戻れないんだ。
怒鳴ってしまったことを謝ってない。あたしの狭い心が生んだ、愛されている妹への妬み。
なんでこの子の周りにばかり愛情があふれているの?そう思って冷たい仕打ちを幾度と無く繰り返したっけ。
けど、本当はあたしにも愛情はそそがれていた。父がそれを教えてくれた。
ただ香奈美があまりに光に包まれているような気がして、あたしはそれに気付けなかったし、気付こうともしていなかったんだ。


637 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/09/20(水) 23:42:42 ID:RFA2zsTx0
どうしてあたしは、こんなにも愚かなんだろう?もっと早くにそれに気付くことができていたなら、きっとすべては変わっていた。
香奈美にもずっと優しく接してあげられたはず。けれどもう、全ては夢、都合のいい幻想なんだね。
後悔なんて言葉、今ほど実感できたことはなかった。一生この罪を背負って生きるしかないんだ。
あの子に謝ることも、一緒にお茶を飲んでケーキを食べるなんてこともできない。
母はもういない。父も安否がわからない。家族全員が揃うことは二度とありえない。一人残されたあたしはどうしたらいいの?


638 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/09/20(水) 23:43:28 ID:RFA2zsTx0
罪の重さは、今では十分にわかっていた。けれど、それを理由に後をおって自殺なんてできない。あたしにはそんな度胸も勇気もない。
死ぬことは恐ろしかった。こんな状況になってもまだ自分の命が惜しかった。あたしはどこまで卑怯で、卑小な人間なんだろう。自分ですら生きている価値を見出せないぐらいなのに。
これからどうしよう…。どうしたらいいの?誰でもいいから教えて、道を示してよ!
あぁそうだ。自分では死ねないけれど、もしかして誰かがあたしを殺しに来るかも。母を殺した奴ら?別の誰か?それともこの目の前にいる二人が?
もう誰でも良かった。このとめどなく溢れ、ループする思考から開放してくれるのなら


639 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/09/20(水) 23:45:11 ID:RFA2zsTx0
続く

遅くなりました、申し訳ないっす。
続きはできるかぎり早く落とします。
ではノシ

640 :通勤電車男:2006/09/21(木) 00:17:05 ID:avUEK7xAO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
ア-ウ-電車内で唸りながらお待ちしておりました(/。Д゚)/゙。
真奈美さん、潰れちゃいそうですね...。
でもちょっと天然と言うか素直な大村君と、そんな大村君に素晴らしいツンデレっぷりを発揮する
三枝君が側に居れば、心の痛みも少しは和らぐ..かな(^_^;)?。
これからの三人の活躍を楽しみにしております。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!!。

641 :本当にあった怖い名無し:2006/09/21(木) 01:32:04 ID:8JdcM1zk0
>我流さん

乙です(チョイヒサシブリスギ)

以下、電車さんとほぼ同文。珍トリオ結成おめ!!でいいのかな。

642 :本当にあった怖い名無し:2006/09/23(土) 00:34:33 ID:BGNvwS5A0
保守

643 :本当にあった怖い名無し:2006/09/24(日) 01:49:30 ID:cK6qPbYd0
保守&浮上

644 :ホテル・ルワンダ:2006/09/24(日) 15:34:13 ID:BUq9pwjF0
・・・今日はいい曇り空だ。晴れだと直射日光で体温が上がり、肉体の腐乱が進行してしまう。
毎日、こんな日和だと身体の保ちも良いのだが・・・。

と、ぼんやりしてたら遠くで悲鳴が・・・おおっ久しぶりの生者が?よ〜しお仕事♪お仕事♪
愛用の金属バットを握り締めて悲鳴の方角に小走りダッシュ!すぐに現場に到着。

路地裏で11、2才くらいと6、7才くらいの姉妹らしき少女二人がゾンビ達に取り囲まれてる・・・させるかっ!

バット振り回しつつその場に乱入、とにかく近場のゾンビ共の頭をどつき倒す!
ヤツ等も“お仲間”からの攻撃を理解できず、抵抗らしい抵抗出来ずに脳天割られていく・・・。

『早グ、逃ゲロ!』

腐った喉と舌をなんとか動かして姉妹に言う。喋る死体に驚く少女達だけどすぐに姉の方が妹を連れて路地裏から駆け出す。

・・・テメェ等は行かせない!姉妹を追おうとするゾンビを懸命にボコる俺。
この場に及んでもまだ“御馳走狙い”かよ。まぁおかげでその場に居たゾンビ共を楽に始末できた。

一仕事済ませて、まだピクピクしてる死体を尻目に路地裏を出る・・・やはり人助けは気持ち良いぞナ。

すると、逃げ出したはずの姉妹がまだそこに居てこっちを見つめていた。
その視線は、こちらのゾンビの頭上50cm・・・つまり直接“俺”を凝視してる・・・まさか?。姉が俺に話し掛けてきた。

「貴方・・・幽霊?」

・・・やっぱり。俺が見えてる?


645 :本当にあった怖い名無し:2006/09/24(日) 16:36:57 ID:MzV+p5d00
ホテル・ルワンダさん乙!!!続きが気になりますね。

646 :本当にあった怖い名無し:2006/09/24(日) 18:34:08 ID:lMYc4wQqO
ルワンダさん、お疲れさまです。幽霊が取り憑いた死体がゾンビを倒すというオチ、なかなかです!
>>645
短篇では?続きがあるなら失礼ですが、オチもついてて良い感じだと思いました。

647 :通勤電車男:2006/09/24(日) 21:18:25 ID:Rq7FtgdmO
ホテル・ルワンダ様、新作の投稿お疲れ様です!。
Σ(`・ω・)ゾンビの中の人ですか!。それなら安全に退治できますね。
まぁ死んでりゃ安全も何もないかもしれませんが(^_^;)。
おやじさん作品の「おやじ」は一部ゾンビで大活躍でしたが、
ゾンビに「憑いて」大暴れってのは新鮮でwktkしております(^o^)!。
続編がありましたら読んでみたいです。投稿ありがとうございました!。

648 :645:2006/09/24(日) 22:01:48 ID:MzV+p5d00
>>646
しまった('A`)短編でしたか。
失礼しました。次回作も待ってます!

649 :本当にあった怖い名無し:2006/09/24(日) 23:09:51 ID:AFAYHipf0
こら、お前ら勝手に終わらすな。

ホテル・ルワンダさんの中の人も、たとえ短編のつもりだったろうと
みんなで続編キボンしてたら続き書いてくれると思うぞ。



続編キボン

650 :本当にあった怖い名無し:2006/09/24(日) 23:23:22 ID:NpkcZ1XIO
続きあるような終わりかたじゃないか?



続編キボン

651 :本当にあった怖い名無し:2006/09/25(月) 21:49:21 ID:+In6wGrD0
もうね






























誰でもいいから新作or続きキボン

652 :ホテル・ルワンダ:2006/09/26(火) 00:19:11 ID:9Tjbq8fx0
とにかく、こんな所でお見合いしてんのもなんなのでとりあえず二人をこちらのアジトに連れて行く事に。
「ここは危険だから安全な場所に移動しよう」と言うが姉妹無反応。
大声で話しかけても二人とも首をかしげるばかり・・・どうやら“姿”は視えても声までは伝わらないらしい。

しょうがないので『ツイデ来イ』と、ゾンビの口を借りて言うと警戒しつつもおとなしく姉妹はついて来た。
ここから歩いて数分、現在俺がとり憑いてるパジャマ姿のオッサンゾンビの生きてた頃の住居らしい庭付き一戸建て。
オッサンを庭の植木の影に座らせて眠らせると分離。幽体状態でフヨフヨと漂う俺にビビる姉妹だったが、手招きすると素直に家の中へ。

玄関から台所へ通ると、弾かれた様に姉妹は冷蔵庫に駆け寄り、目の色を変えて中の食材を漁りだす・・・ムム、かなり餓えてるな。
そんな姉妹を尻目にしつつ、さてどうやって意思の疎通すんべ・・・いちいちゾンビ、マイク替わりすんのもメンドイし。
『コックリさん』でも用意させようかしら・・・と思ってたら、壁にかかる非常用避難袋が目に入った・・・そうだ!。
まだ電気の生きてる冷蔵庫から取り出した食い物を夢中に貪る姉妹の注意を何とか惹いて、壁の避難袋を指差す。

「えっ、あの袋を取ればいいの?」

うんうんと大げさにうなずく俺に、袋を差し出す姉。身振りで中身を出す様に告げる。
取り出された缶詰、乾パン、ミネラルウォーターに喜ぶ姉だが、俺が求めるアイテムはそんなのじゃなくて・・・そう、そのトランジスタラジオ!。
スイッチを入れて!あ、選局しなくていいからそこに置いてくれればいいから。

さて・・・コツを思い出せ・・・ラジオに触れる様に手を重ねて精神集中・・・。

『・・・ハロー、オレの声は聴こえるかい?』

「「ええっ!?」」

突然、ラジオの雑音から流れ出した俺の声に目を白黒させて驚く姉妹・・・これぞ必殺『霊界ラジオ』の術!。

『心配しなくて良いよ、こんなナリしてても俺はキミ達の味方だから。まずは二人の名前を聞いてもいいかい?』

653 :本当にあった怖い名無し:2006/09/26(火) 00:33:52 ID:HYWQFeGq0
ルワンダさん乙華麗

654 :本当にあった怖い名無し:2006/09/26(火) 00:41:45 ID:mbtl1cW30
とりあえずキボンしてた甲斐があったよ。ルワンダさん、乙です。

こりゃまた新種のヒーローの登場ですね。活躍キボン

655 :本当にあった怖い名無し:2006/09/26(火) 02:03:57 ID:Lnr24HPN0
こういう作品に出会えるから、このスレの巡回はやめられないんだよ。

656 :通勤電車男:2006/09/26(火) 23:44:20 ID:LMDcN0NDO
ホテル・ルワンダ様、続編の投稿お疲れ様です!。
「オッサンを庭の植木の影に座らせて眠らせると分離」
駐車場ならぬ“駐ゾンビ場”みたいですね(^_^;)。
気分や目的に合わせて乗る(憑く)車(ゾンビ)を換えてみたりとか。
ともあれ死んだ人が生きてる人を、死にぞこないから守る。
そんなシチュエーションに激しくwktkしております(o^-')!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

657 :本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 07:58:57 ID:mMHsnyAn0
ルワンダさん面白すぎです!

658 :本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 15:21:12 ID:p68f64Vw0
ルワンダさん支援
他の作者さんもよろしくね!

659 :slave:2006/09/28(木) 12:48:17 ID:q5+m61quO
お久しぶりです。
話もうpしないで申し訳ありませんが一言だけ……



いかん、東京オブザデッド(三日)には手を出すな!!!111

660 :本当にあった怖い名無し:2006/09/29(金) 20:30:19 ID:RB3fiVed0
和風ゾンビでマシなのはジャンクぐらいかな



661 :本当にあった怖い名無し:2006/09/29(金) 23:49:43 ID:luTv2ka/O
まこしろさんの作品が3部作構成で映画になれば最高なんだけど、、、

662 :本当にあった怖い名無し:2006/09/30(土) 10:52:26 ID:DbPzZ+Pz0
>>slaveさん
お久しぶりです!!心にとめておきますwww

663 :本当にあった怖い名無し:2006/10/01(日) 07:07:24 ID:9SB5LET2O
みんな真面目にデッドライジングやってるかい?
脳内妄想しつつ、やったら脳汁出まくりだぜ!


664 :本当にあった怖い名無し:2006/10/01(日) 22:09:16 ID:XuVXv/Dl0
なぜ皆「東京ゾンビ」に触れない?

665 :本当にあった怖い名無し:2006/10/01(日) 23:22:31 ID:7q6vRZcQ0
>>664
観てないからなんとも言えんww
しかし、邦画のゾンビ物って大抵コメディタッチだよな。

666 :本当にあった怖い名無し:2006/10/02(月) 16:00:49 ID:M8TkTGXi0
666 THE NUMBER OF THE BEAST

667 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 22:58:30 ID:fv6uerQZ0
「あの…真奈美…さん?どうしたの…?すごく顔色が悪いですけど…大丈夫ですか?」
声をかけられて我に返った。そんなはずないじゃない。この人達があたしを殺すなんて。
助けてくれたのに。わざわざ殺す為に手を差し伸べる人がいるの?どうかしてるわ、あたし。今とんでもないことを考えていたんじゃ?
「いえ、大丈夫です…。ちょっと気が動転していて…。平気です、ありがとう」
冷たい言い方になってないかな?うまく笑えただろうか。命の恩人に対して適切な対応かな?
こんな時香奈美ならちゃんとするんだろうな…。あたしはうまくできた自信がない。


668 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 22:59:23 ID:fv6uerQZ0
「えと…大村さんでしたっけ?ほんとに平気ですから…。あの、助けてもらったっていうのは解ったんですけど、その、どういう事になっていたんですか?
気絶してからどれくらい時間が経っているのかも解らなくて…」
我ながら失礼だなとは思うけど、どうしても知りたかった。あの場所からここに運ばれた経緯と、香奈美がどうなっていたかを。彼らは見た筈だもの。二人の人物を。
「ああ、それはあいつ…三枝が…ってあれ?居なくなってる」
そうだ、もう一人三枝って人が居たっけ。いつの間にか部屋から姿を消していた。
もしかして、さっきのあたしの勘違いを怒って出て行ってしまったのだろうか?だとしたらあたし並に心の狭い人だな。助けてもらっておいてこんなこと言えないけど。
あれは仕方なかったじゃない。起きたら知らない人のベッドの上だったなんて…。普通はわかんないよ…。



669 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 23:00:18 ID:fv6uerQZ0
「あの、三枝って人…もしかして怒ってたんですか?さっきあたし勘違いしたから」
思い切って大村さんに尋ねてみた。
「え?いやいや、あいつはそんなに心狭い奴じゃないですよ。普段はあんな邪険な態度とるような奴じゃないし。もっと明るいいい奴です。頼りになるしね」
「へえ…なんかよく知ってるんですね。親友って奴ですか?いいなあ」
あ、なんだか嫌味っぽいかも。またやってしまった。男の子にまで嫉妬してる。本当にあたしって奴はどうしてこういう言い方しかできないんだろう。


670 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 23:01:15 ID:fv6uerQZ0
「うん、親友ですね。俺はそう思ってるし、あいつもそう思ってくれているって自信はありますよ」
あたしの口調なんてさっぱり気にしていない様子で、彼はそう言って笑った。
どうしたらこんなにも自信が持てるのだろう。相手がそう思っているなんて言い切れるくらいに。
男の子の友情は女には解らないなんて言うけど、女同士の友情すら上手く育めなかったあたしには、どう足掻いても理解できそうになかった。
「そう…なんだ。なんかすごいですね」
本当に素直にそう思ったから、不思議な程にスルリと感想が口からこぼれていった。



671 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 23:02:24 ID:fv6uerQZ0
「すごくなんかないよ」
その言葉と共に前触れもなくドアが開けられ、三枝さんが部屋に入ってきた。
と同時に、寝室に甘い香りが立ち込める。なんだかほっとする香りだった。
「大村、やめろ」
「何を?」
「その恥ずかしい話をだよ!でかい声で何喋ってんだ、初対面の奴相手に!廊下でこけそうになったじゃねーか、ったく」
「照れんな、し・ん・ゆ・う」
そう言って大村さんは三枝さんの頬を指先でつついた。


672 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/02(月) 23:03:15 ID:fv6uerQZ0
ここまでで。
ではノシ

673 :本当にあった怖い名無し:2006/10/02(月) 23:29:13 ID:z9r/8/WB0
>>我流さん
いい感じですね〜すごく続きが楽しみです!

674 :本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 01:02:18 ID:DEDLzz5/0
うん、いい感じ。つづよろ!!

675 :本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 09:31:01 ID:tG7dIv9P0
なんか禁断の関係の香りがしてきたw

676 :本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 19:41:36 ID:gyTZ9WRo0
ツンデレかw

677 :通勤電車男:2006/10/03(火) 23:03:39 ID:9sJ2MAqDO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
真奈美さんお目覚めですね。何よりです~ヽ('ー`)ノ~。
そして起き抜けの相手に容赦無くデレっぷりを披露する大村君(^_^;)。
これは三枝君を取られない様、大村君なりの牽制なのでしょうか!?。
三枝君のツンな、そしてこのまったり感を打ち破る激しい展開を
楽しみにしております(o^-')b!。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!!。

678 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/03(火) 23:11:17 ID:ILHZu1bx0
スパーン!!
瞬間、小気味のいい音と共に大村さんの頭がのけぞった。
三枝さんが手のひらで頭を殴ったんだ。大村さんはおでこを押さえてしゃがみこんでいる。
「いい加減にしろ、殴るぞ。殴ったけど、さらに殴るぞ?」
「痛ってぇ…。殴ってから言うなよ!てかさらに殴るのかよ?!」
「これ以上何も言わなけりゃ殴らねーよ。くっさい男め、とにかく座れよ。彼女に事情説明するから」
「わかったよ、ったく。おー痛え」
びっくりした。あんなにも思い切り…、あたしにはそう見えたけど、もしかしてこれが男の子の間では普通なのだろうか?
大村さんも全然怒っていないみたいだし。かなり痛そうだったんだけど。
でも…親友ってところに関しては否定の言葉がなかった。そこがちょっと、ううん、かなりかな?羨ましいと思ったし、なんだかかっこいいとも思えた。


679 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/03(火) 23:12:31 ID:ILHZu1bx0
「はいこれ」
「え?なんですか?」
いきなり目の前にカップを突き出され、どうしていいか一瞬わからなくなった。
「ココアだよ、ホットの。あったかい物飲めば落ち着くって聞いたことあるから。シナモンも入れてみた」
さっき居なくなったのはこれを作りに行っていたから?
落ち着くってことは、あたしの気が動転していることを気遣ってくれたんだろうか。
だとしたら、あたしの第一印象の判断はまるで見当違いだ。冷たい、心の狭い人だと最初の雰囲気だけで決め付けてしまった。
なんて恥ずかしいことだろう。こんな好意を示してくれる人に対して、なんて失礼なことを思ってしまったのだろう。
謝りたい。でもいきなりごめんも変だし、理由を聞かれたらそれこそ面と向かって失礼な言葉をぶつけなきゃならない。
駄目。そんなことできないよ。
「ありがとう…」
逡巡したあげく、結局ありきたりの言葉しか返せなかった。


680 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/03(火) 23:13:26 ID:ILHZu1bx0
カップを両手で包むように持ち、湯気をあげる飲み口にそっと唇を近づける。
「おいしい…」
思わず安堵の溜息がもれた。それは憔悴した心に沁みるような優しい甘さで、熱すぎない程よい温度でとても飲みやすかった。
出来立ての紅茶やお茶なんかは、最初は熱すぎて冷ましながらじゃないと飲めないけど、このココアは違った。
きちんとあたしが飲みやすい温度に調整されている。なんだか涙が出そうになって、慌てて下を向いた。
こんなにも細やかな気遣いができる人が、心が狭いわけないよね。
改めて、自分の判断の間違いを恥じた。
「お、うまいじゃんココア。あったかいのって確かになんか落ち着くな。三枝ご苦労」
「なんで上から口調なんだよ?礼ぐらい言えよな。まあお前のは適当に作ったんだけど」
そうだ、お礼を言わなきゃ。
「あ、あの!とってもおいしいです、ありがとう。なんだかほっとしました…」
「あ、今のは大村に言ったんだから、真奈美さんは気にしなくていいっすよ」
「なんだよそれ!女の子にばっかり優しいのかよ!三枝のスケベ!俺泣いちゃうからな!?」
「勝手に泣け」


681 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/03(火) 23:14:08 ID:ILHZu1bx0
二人のやりとりが何だか微笑ましくて、思わず笑みがこぼれた。そしてハッとした。
ああ、あたしまだ笑えるんだ…。笑えるよ、香奈美…ごめんね?あなたを犠牲にして一人だけ助かって、それでもまだ笑えてる。
ごめんね?でもあたし嬉しいんだ。まだ笑える自分がいるってことがたまらなく嬉しいの。
あたしは立ち直れるかな?もしかして、香奈美の分まで生きていいのかな?生きられるのかな?


682 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/03(火) 23:16:17 ID:ILHZu1bx0
「ん、落ち着いたみたいだね。そろそろ事情を説明していいかな?あ、ココアのおかわりもあるから、ほしかったら言ってください」
あたしの笑顔をみて頃合だと思ったのだろうか。三枝君が居住まいを正した。大村君も椅子に座りなおしてこちらに視線を向けた。
「ココアは今のところ十分です、ありがとう。説明、お願いします」
何を聞かされるのだろう、心の準備は十分ではなかったけど、ココアのおかげで大分緊張はほぐれていた。
三枝君が一つため息をつき、あたしに自らが知る全てを伝える準備をする。
その口から発せられた言葉。それはとても理解できない、信じることもできない突拍子もない事だった。

続く
なぜにみんなウホッワールドへ…
フラグ立ってんの?解らない
ではノシ

683 :本当にあった怖い名無し:2006/10/04(水) 05:37:56 ID:iVgx+ril0
大村に萌えた。
なあ、俺が貰っていってもいいよなあ?

684 :本当にあった怖い名無し:2006/10/04(水) 15:36:18 ID:LsKdxfWIO
大事に可愛がってね

685 :本当にあった怖い名無し:2006/10/04(水) 19:37:04 ID:RS0xQegxO
我流さん、乙です。今後の展開が気になりますが、無理をせずに投下してください。健康第一ですから。
私的には、ここに投下してくださる作家サマ方、ROMの皆様、コテハンの皆様も健康であるようにお祈りしてますm(__)m皆様が元気だとゾンビも元気ですからw

686 :本当にあった怖い名無し:2006/10/05(木) 18:21:12 ID:ZgSXC9w40
我流さん、お疲れ様です!
フラグは…もう十分すぎるくらい、たっていますよwww

687 :本当にあった怖い名無し:2006/10/05(木) 21:09:48 ID:LrvBVyQ70
スレ趣旨に反して悪いんだけどさ、、、


作者さん、みんなゾンビが出ないときの方が上手いよね。

688 :通勤電車男:2006/10/05(木) 22:22:55 ID:zMAMe+LCO
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
真奈美さん、いろいろありすぎてだいぶダウナーな人に(;_;)。
しかもこれから自分達の置かれた状況が分かるにつれ、より一層
凹んで行くのでしょうか...カワイソス(´・ω・')。
でも、きっと三枝君&大村君と一緒なら!...うーん、多分ダイジョウブ?。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

689 :本当にあった怖い名無し:2006/10/05(木) 23:03:47 ID:wKlfmsuGO
>>687
それは致命的じゃないか

690 :本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 03:14:02 ID:L0MgBKo9O
>>687
まこしろさんやslaveさんは?

691 :???:2006/10/06(金) 12:59:34 ID:pzBe1Q8GO
上手い&下手かはよく判らんが、楽しく読めるから俺はそれでいい

692 :本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 14:45:32 ID:vVXRGYg5O
「お母さん、こっちこっち。」人気のない道を少女が歩く。
その後をボロボロの服、青白い肌、肉の無くなった腕を持つ女が続く。
うめき声を上げながら少女の肩を、腕を掴もうとするが後一歩のところでスルリと逃げられる。
「お母さん、早く。お父さんが待ってるよ。」

少女とヘルメットを被ったゾンビは、人気の無い道をどこまでも歩く。

693 :本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 18:10:47 ID:O+c6QQHS0
>>692
イイネー(・∀・)

694 :本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 22:58:54 ID:ynul3ayxO
うーん。

695 :本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 23:03:52 ID:YE1T/4L+O
大槻ケンヂのステーシーなんかより、
ここの皆さんの話の方が、はるかに上手い。

696 :本当にあった怖い名無し:2006/10/08(日) 14:55:49 ID:T6KvVc8uO
うほっしゅ

697 :本当にあった怖い名無し:2006/10/08(日) 19:35:21 ID:sqxhVPBeO
ステーシーはノイローゼ中に書いたやつだろ?オーケンは彼女にゾンビを熱く語り禁句をくらった勇者だぞ

698 :本当にあった怖い名無し:2006/10/08(日) 20:02:02 ID:25kgy8sJ0
昨日、死霊のえじき見たがいい作品だな

699 :本当にあった怖い名無し:2006/10/08(日) 20:40:53 ID:T6KvVc8uO
ヌイグルマ−にゾンビ出てるぞ。

700 :本当にあった怖い名無し:2006/10/08(日) 20:41:02 ID:ocPqGCw00
ステーシーの話自体は嫌いじゃないな。
映画化した奴が駄作に仕上げたから悪い。

701 :本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 01:09:07 ID:qmh6ZZn3O
筋少の再殺部隊は名曲。作者さん来ないね。電車さんの通勤の友とついでに携帯厨の自分のためにまこしろさんのまとめサイトが欲しいです。。

702 :本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 01:22:50 ID:jwJbduVMO
屍の医者は面白そうだよ

703 :本当にあった怖い名無し:2006/10/10(火) 18:25:18 ID:8kLvJLSNO
フォシュ

704 :本当にあった怖い名無し:2006/10/10(火) 23:05:00 ID:PYFn/va+0
募集あげ

705 :本当にあった怖い名無し:2006/10/11(水) 15:23:19 ID:Fo+DEo/IO
たった今アンデッドを観たんだが、予想以上に面白かったので驚いている

706 :本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 17:53:57 ID:WK3cA1oi0
すいません。このスレの一番最初のスレってどこかにありませんかね?

707 :本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 19:40:36 ID:D/2EwonBO
>>705
僕が観たオーストラリア映画のアンデッドと同じ作品かな?
豚を二匹結ぶ女や、短パン保安官や、全裸で歩く髭おやじや、車の天井に張り付く妊婦や、顔がピカピカ光るマント男なんかが出てくるやつ?
あれ面白いよね、笑えるし。

708 :本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 21:00:51 ID:tRb9+Bit0
>>706

つ >>3

709 :本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 23:53:42 ID:qS6GRisx0
>>707
面白そうだね、俺も見てみようかな

710 :本当にあった怖い名無し:2006/10/14(土) 10:21:37 ID:tnqlaPVbO
sage

711 :本当にあった怖い名無し:2006/10/14(土) 20:33:17 ID:U+J1c850O
>>707
そう、それそれ。
パッケージからあんま観る気がしてなかったけど、すごい良かった

712 :本当にあった怖い名無し:2006/10/15(日) 12:25:02 ID:/zP5DNuiO
まとめサイトないですか?探し方が悪いのか、ぐぐっても出てきません。親切な方、教えてください。

713 :本当にあった怖い名無し:2006/10/15(日) 18:27:09 ID:pfnTlk3cO
>>712
>>1から読みなされ


主夫さんまだ〜?

714 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:06:08 ID:kQWk2rbu0
初めまして、ほんの少しですが投下します
まだゾンビは出てきません。
稚拙な文章ですが、おつきあい頂ければ幸いです。

715 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:10:22 ID:kQWk2rbu0
伊津見市 14日 13時20分  コーポ・たくあん荘

薄暗い部屋の中を電子音が静寂を破る。
ベッドから手が伸びてきて、音の発生源を探す。
音の発生源を捕まえて、布団の中に引きずり込む。

・・・おかしい、音がやまない。
寝ぼけた頭を働かせて、やっとその音が目覚まし時計ではなく、携帯電話から発せられていることに気が付く。
「あい、桐生です」
「おい!まだ寝てるのか!?桐生、おきやがれ!3時に大学へ来い!」
一方的に告げて、電話は切られた。
だんだんと意識がはっきりしてきて、まずは時計に注意が向かう。
何時間眠っただろう?今回の山行は疲れたな・・・
うわ・・・14時間寝てるよ。飯でも食うか。

テレビを付ける。
「・・・は緒祖松会長を背任の容疑で逮捕し・・・」
ろくなニュースもない。

716 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:10:52 ID:kQWk2rbu0
「メシでも買ってくるか・・・」
家で作っても良いが、少し外に出たかったのでベッドから降りて近くのコンビニまで何か買いに行くことにした。
テレビを付けたままにして、財布を持ち外に出た。
「あー良い朝だ」
「トシゾー、朝と言うには遅いよ」
部屋のドアの前でタバコをふかしているアニメ柄のTシャツを着た男に諭される。
「うるせー、夜でも俺が起きたその時が朝なんだよ」
「駄目人間だね、僕もそうだけど。どこへ行くんだい?」
気さくに話しかけてくるこの隣人はジャン・ペッカ・オマネン、フィンランド人の留学生だ。同じ大学に通っている。小学校の時を日本で過ごしていたそうで、淀みのない日本語を話す。
「コンビニさ。ジャンも来るか?」
「今ゲームやろうとしたとこだから良いよ。あと一人攻略すればCG回収率100%だから・・・」
「あっそ、ついてけねえよ」
「ああー、もう、ノリが悪いなあ。嫌いじゃないくせに」
「ばか、外でこう言うのを話すのは気が引けるんだ、とりあえず行ってくる」
俺はその場を去った。

その頃、誰もいない桐生の部屋で傷害事件が多発しているというニュースを付けっぱなしのテレビが報じていた・・・。

717 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:11:49 ID:kQWk2rbu0
伊津見市 14時55分 桜花大学内

飯を食べて着替えてから俺は大学にやってきた。約束の時間ぎりぎりである。
「大変な事ってなんだ?」
俺は大学内の体育館の横に造られたぼろっちい小屋に顔を出した。
弱小ワンダーフォーゲル部、会員7名の馴れ合いサークルだ。
恥ずかしながら、山岳部と間違えて入ってしまった、自分の所属する部だ。
そして、会員には俺を先ほど呼び出した張本人の吉原がいる。
「何って、お前これなんだよ!?」
そこには4つばかりの段ボールが転がっている。
「お前、ちょ、これ、俺の注文したMREじゃないか!何でここに!」
俺は早速箱を開けながら米軍の戦闘糧食、MREを取り出す。
「どうももこうも、お前がここに送りつけたんだろう、代引きで!」
「ああー、間違えてこっちにきてたか。何で届かないのかなあと思ってたんだよ」
「あのなあ、俺が金持ってなかったらどうする気だったんだよ。それに私物置きすぎ」
「すまんなぁ、"ソープ"。ほら、3パックやるから許せ。」
ソープというのはこの吉原のあだ名だ。由来は、まぁ名字から自ずと想像が付くだろう。
「いいか、近いうちに整理しろよ。あと立て替えた金くれ」
「おkおk。で、電話で呼び出すくらい何だから、どうせ他にも用事あるんだろ?」
財布の中から金を出して吉原に渡しつつ、会話をふる。

718 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:12:45 ID:kQWk2rbu0
「うん、実はね池田が暴漢に襲われたとかで、今日やるはずだった装備の整理を手伝って欲しくてね。
お前さんは昨日帰ってきた時に済ませてるから、悪いがあいつのぶんやってもらえるか?」
池田とはこの弱小サークルの貴重なメンツで、温厚な奴だが、がたいが良い。そんなあいつに喧嘩ふっかけてのしてしまうとはどんな奴だよ・・・。
「ああ、全く構わんよ。せいぜい寝袋干すくらいだろ。これ終わったらジャン誘って銭湯行こうぜ」
例の隣人のフィンランド人も同じ部に半ば強制的に入部させられているから、吉原とは共通の友人である。
何かやる時はこの3人で固まることが多い。
「いいねえ。いい加減部室の流しで体洗うのは飽きたよ。行こう行こう。」吉原は嬉しそうに頷いた。

719 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:14:12 ID:kQWk2rbu0
19時 たくあん荘近く 銭湯

「え、池田の容態が芳しくないって?」
「うん・・・」メールを確認している吉原が心配そうな顔で頷く。
「池田が、どしたの?」まだ着替える気配すら見せず、フルーツ牛乳片手に腰巻きバスタオル姿のジャンが話しかけてくる。
「ああ、見知らぬ誰かに襲われたらしいんだよ。それで装備の整理が出来ないから俺があいつの分片づけたんだよ。」
新たなメールが来たようで、吉原は携帯を開く。
「なんでも、大きなケガをしたそうでそこからばい菌が入り込んで破傷風とかにでもなったのかも・・・って見舞いに行った成田さんが言ってる。」
成田さんとは部の紅一点だ。ぶっちゃけ、可愛げのない女だ。
「良くないね。でも、ダイジョウブだと思うよダイジョウブ」
久しぶりに足を伸ばせる風呂に入ったとかで、このフィンランド人はどこか浮かれている。まったく、幸せな奴だ。
「とりあえず、お前は着替えろ。ソープ、せっかくだし家寄ってくか?」
「ああ、良いね。飯食わせてよ」
「おkおk、行こうか」

「ああ!待ってよ、僕まだ着替え終わってないよ!」
ジャンを少し焦らせるためにすでに着替え終わっている俺たちは銭湯の外に出て待つことにした。
すると、10mと離れていないところでうずくまっている怪しい人影に俺は気づいた。

720 :まぐろ味付:2006/10/16(月) 01:14:59 ID:kQWk2rbu0
今回はここまでです。それでは続きの作成に掛かることにします。

721 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 03:53:00 ID:pQ5ZuxCb0
ここは僕の街だ。

戦後に山を切り崩し出来た歴史の無い街。
メインストリートに並ぶのはアメリカの
模倣をしたのだろうか?ポプラが秋の風に
吹かれている。

そしてゾンビたちは月明かりを浴びて長い影を
引きずり、さまよい歩く。
「ねえそこの芝生はKさんのお気に入りだよ。はいっちゃだめじゃないか」
屋根に上るとショットガンで狙いをつける。
西の空は燃えている。
そろそろここにも火の手は来るだろう。

月を見上げ、神の与えてくれた自然の美しさに
涙をこぼす。
胸に聖書をそして神の名を呼ぶ。さようなら。
僕は銃口を咥え。そして引き金を引く。

さよなら多摩センター。最初から死んでいたんだこの街は。





722 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 04:41:43 ID:pQ5ZuxCb0
俺は人間恐怖症で人の目を見て
話せなくて、話していると緊張して汗をかく
きもい男なんだ。

寝坊して昼になると、いつものように下(6階)の
レストラン街に行く。
レストラン街にいるのはトモちゃんで大学生だ。
いやだったと言うべきか?こんな状況では。
文学部日本語学科で卒業したら従兄弟と同じ会社に入って
かわいいお嫁さんになるのが夢だったという、ぽっちゃりした女の子だ。

「ともちゃん、今日は生肉を使おう。
生鮮食料品早く使わないともったいないよ」
「保存する方法は無いかしら?私今、ダイエットしてるの」

もちろんジョークってやつだ。トモちゃんは笑ってる。
俺はトモちゃんが愛しい。ゾンビが世界に出る前に
こんな会話が出来たらもっと人生は楽しかったろう。






723 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 04:53:23 ID:pQ5ZuxCb0
「トモちゃん・・・・」

俺たちは、大して減ってない腹をかかえ
小型のプロパンガスでステーキを作る。

「これ、この店で一番高級な肉ね。脂っこいけど」

眼下には銀座の町が広がっている。
ゾンビたちは今日も忙しそうに(あいつらは腹が減らないのか?
っていうか食うもんもうないだろ?)
歩き回っている。俺はワインが飲みたいというトモちゃんに
なるべく高そうなワインをセラーから選んで来る。

「お嬢様。こちらがブルゴーニュの1940年モンです」

少女のように笑うトモコ。

俺たちは、いつまで冗談が言えるのだろう?
彼女は昨日、俺の胸の下で泣いていた。
当ての無い未来。引き伸ばされる時間。
生きてる意味の無い日々。

いや考えるのはよそう。夜になれば嫌でも考える。
光の無い夜には絶望がやってくる。光ひとつ無い闇に
身を浸し窓を見下ろした街は地獄だ。この闇こそ人間の深淵だろうか?
神よ、ああ神よ。

724 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 06:12:21 ID:f/6n5yf/0
一年前

体操着の袋が宙を舞う。
ストローの先から零れ落ちるのは
牛乳だろうか?紙パックは教室の後ろから放物線を描き
最前列の史朗の背中に当たる。
いちだんと大きい爆笑が巻き起こる。
史朗はただ背中を丸め時が過ぎるのを待っている。
涙は出ない。もう彼の心は乾ききっているのだ。


現在

そして世界は崩壊し学校も崩壊した。
秩序は乱れ再構築する。
その真ん中にいるのはゾンビだ。
そして中心はやがて拡大し周縁を飲み込むだろう。
その前に、史朗にはやることがある。
許せない男がいる。いや女も。
達矢とルミコ。あのカップルを殺すまでは・・・






725 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 06:30:45 ID:Ln8raq4I0
「史朗は、まだ生きているのよ彼に謝れば?」
達矢は窓の埃を無意識にいじりながら
窓の外のゾンビを眺める。
ゾンビは死なないのだろうか?自然に
エネルギーはなんだ?永久機関は存在しない・・・

「黙っててくれ。俺だってお前に何するかわからんぜ?」

ー史朗の家

史朗はゾンビの動き方を観察する。
歩きかた。表情。筋肉の動かし方。
それは史朗にとって楽しかった。
何よりも・・・生まれてこの方、こんなに
充実した日々は無い・・・

やがてゾンビの動き方をマスターすると
絵の具と泥を使いゾンビのような
化粧を始める。今日は新月だ。明かりは無いだろう。
闇とゾンビに扮した史朗は、やつらのいる
学校を襲い、奴らを殺すつもりだった。
殺し方も考えた。復讐のときだ。







726 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 07:13:06 ID:Ln8raq4I0
ものごとは、うまくいかないものだ。
小説も現実も・・・

ゾンビの予想外の多さに計画を遂行することが
出来ないと感じた史朗は破れかぶれに
学校のバリケードを叩き壊した。
多くのゾンビが学校に進入した。
生きる肉の匂いをかぎつけて・・・
ゾンビに追われた史朗は屋上に逃げる。
そこには同じように逃げてきた達矢とルミエがいた。

「俺たちは、もうすぐ死ぬ。やつらには勝てんよ」

達矢は史朗を殺そうと持っていた包丁を
投げ捨てる。

「殺したければ殺せ。お前は俺を殺す権利がある」



727 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 07:13:38 ID:Ln8raq4I0
やがて、ゾンビは屋上にやってきた。
史朗は給水等に上り、ルミエと達矢が来るのを待った。
はしごを上るとき蹴落とすつもりで。

「俺たちを上らせないんだろ?」
「史朗君。許してね。許してくれないだろうけど
許してね」

史朗は足を出さずに進路を空けて「この馬鹿やろう」久しぶりに
だした声は擦れていた。
そしてゾンビはやってきた。いまや屋上にあふれんばかりだ。
給水等のはしごに手こずってるゾンビもやがてここに来るだろう。

「俺は校舎の方に樹を伝って行ってみる」

史朗は三メートルは先にあるケヤキに指をさした。
二人は困惑しやがてうなずいた。


おわり




728 :本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 07:19:07 ID:Ln8raq4I0
給水等 ×
給水塔 ○

729 :>>721-728 ken:2006/10/16(月) 22:59:57 ID:JL7DSxmL0
都下の中学校。
井戸のある中学。

僕らが何千回目の大富豪を終えたとき
またいつものように夕日が沈もうとしていた。

暗く数字が読めなくなった僕は
あきらめてトランプを場の中央に置いた。

「やめる?」

「ちょっと休ませて」

僕は立ち上がり西の空を眺める。
幾羽ものカラスが赤く染まった空を
無きながらゴマ粒のような姿で
旋回している。あいつらは、どこからやってくるのだろう?
代々木公園か?井の頭公園?いや開いたビルディングや
家屋なぞ無数にある現在では、どこにだって住めるのだろう。
やがて人間のいなくなった世界に立つのはゾンビだろうか?カラスだろうか?
いや、あいつらカラスかもしれない。世界を見下ろし
電柱に立つ姿を見て立場が逆転したのを知ったのはずいぶん前。
何度も泣き、絶望の嗚咽をもらし知った事実。
それがこういうことだ。人間はもはや世界を構成する
ピラミッドの最下級にいる。そこから落ちるのも時間の問題かもしれない。




730 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/16(月) 23:11:57 ID:KLO5lC+D0
「ねえ?話があるの」

僕らは目を上げ幸恵のほうを見る。

「さっき、話してたんだけど私たち出来るだけ食料を備蓄
したほうがいいんじゃないかってこっちで話してたのよ。
そりゃ今は水だってあるし食料もある。でも他に生きている人たちが
いないとも限らないでしょ?それで食べられるものは
出来るだけ集めようって・・・これはでも私たちの考えだから
男子の意見も聞いてからにする。もちろん。それでどう思う?
まだ、待ったほうがいい?」

僕らは校庭で職員や教師たちが残していった
車の運転の練習をし近くにあるスーパー(それはコープという)まで行き
食料や雑用品。それから、ありとあらゆる
使える品を持ってきた。でもその時仲間の一人がやられた。
バックヤードに通じるドアから突然でてきたやつに
食われたのだ。リスクを犯してまで行く必要があるのか?
それが問題だった。でも本当に必要なものは燃料だ。
これから冬になる。今のように厚着をして過ごすというのも
無理かもしれない。それに薬。春になったら畑も作らなくては
いけないだろう。種も欲しい。

「必要なものをピックアップしないか?コープで
そろえられないものもあるだろうし、それなら一度に行って
リスクを抑えたほうがいい。どうかな?」


731 :通勤電車男:2006/10/16(月) 23:52:51 ID:669FFwn/O
692様・まぐろ味付様・ken様、新作の投稿お疲れ様です。
692様、非常にコンパクトに纏められてますね!。それにも関わらず
「ヘルメットを被った母ゾンビ」
「・・・お父さんが待ってるよ」
等、様々なワードがこちらの想像を掻き立てます!(^o^)。
まぐろ味付様、ゲーム好きなフィンランド人!。頼もしい...のか(^_^;)。
「昨日までデッド○イジングしてたのサ〜♪」に期待してしまいますw。
...ソレニシテモ..オイシソウナ..オナマエデスネ..(/。△゚)/"
ken様、登場人物がいっぱいですね。そのうち合流するのでしょうか?。
だとすれば何かいろいろあった様な史郎・達矢組の行動にwktkです!。
あーでも“おわり”ってあったので、終わりデスカネ(^_^;)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

732 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/17(火) 00:41:53 ID:nI+Pqsgl0
>>731
どうもありがとうございます。
>>721>>722-723>>724-727
それぞれ短編として読んでいただけるとうれしいです。
>>729以降は、なかなかストーリーが浮かばず
眠くなってしまいました。作者がつまらないのに
読んでる人が面白いわけないと思うので辛いです。



733 :本当にあった怖い名無し:2006/10/17(火) 01:01:17 ID:wFvafzFm0
>>732
別に作者が面白いと思ってるからといって読んでる人が面白いと思うわけでもないしww
書き出しなんてそんなもんです。そのうちノッてくるでしょ。続きガンバ。

734 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/17(火) 02:45:21 ID:nI+Pqsgl0

春は、やってこないだろう。
少なくとも僕らの場所には。
仲間は皆、死んだ。
でも俺は思うんだ。人間は繁栄しすぎたんだってね。
そう、地球にとって環境を一番壊したのは誰だい?
いや俺は何かを説こうって言うじゃない。

美しい音楽、美しい文明、永遠を語り合った愛。友情。
僕らはいろいろなものを生み出したし、いろいろな
ものを失った。でも、もういいじゃないか?
僕ら人間は良くやったよ。俺が言うべきじゃないかもしれないけど
もう潮時だよ。いや・・・違うのかい?





735 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/17(火) 02:45:57 ID:nI+Pqsgl0
幸恵の生んだ赤ん坊を屋上で冬の空に掲げる。
「神様。これが僕らの答えです!
どうですか?皆、死にました。僕らは正しかったですか?
正しい道を歩みましたか?」

俺は、もう以前の世界を忘れてしまった。
ゾンビのいる世界こそ日常、新しき正しき世界だと
見ている自分に驚いてしまう。
俺が死んだあとまた何か生まれそして死ぬのだろう。

さあ、時間だ。答えは見つかったかい?ケンよ。
太陽は傾きかけている。寒さが激しくなってきた。
とりあえず下に戻ろう。コーヒーを飲んでまた考え直せ。
新しいアイディアがうかぶだろう。
いや、もうたくさんだ。十分だよ。

俺は、立ちすくみ夕日を眺める。美しい夕日を。
いまは何も考えずにいたい。なにも

おわり



736 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/17(火) 03:37:25 ID:nI+Pqsgl0
ゴメンナサイ。

>>幸恵の生んだ赤ん坊 ×

>>幸恵の生んだ死んでしまった赤ん坊 ○

737 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/18(水) 01:33:30 ID:50C8H27u0

ゾンビがいるよ。ゾンビが踊る。
華やかな衣装を着てゾンビが踊る。

「母さん。あれは何だい?」「父さん。ゾンビですよ。
私たちも踊りましょう」チークタイムは夢の中。
二人の見る夢は、遠い昔の幻か・・・
桃源郷のその先に行って見ましょう二人きり。

光の浴びてシャワーを浴びて。
流行のステップ踏んでみよう。
夜は長いよ。まだまだゾンビはやってくる。
眠らない街、東京の生と死が交差する。
太陽は死んで月が昇る。
さあさあ僕らも一緒に踊りましょ。
ドンドンツクツクドンツクドン。




738 :本当にあった怖い名無し:2006/10/18(水) 15:06:21 ID:OSQlcWabO
メメントモリをイメージした。

739 :本当にあった怖い名無し:2006/10/18(水) 22:26:49 ID:2AZ1yS4sO
親切な方のお陰で過去からの作品を堪能いたしました。作家サマの数だけ、色んなゾンビと被害者、生存者がいますね。作家サマ方の才能に多謝!これからも、楽しませてください。

740 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/19(木) 04:42:55 ID:6H2k1XZg0
レジの前まで来ると
信吾が突然泣き出した。いや号泣というべきか?
俺は手足を振り回す信吾をあやしながら
右手で財布を探す。ちくしょう何だってんだ。
寝てたんじゃないのか?さっきまであんな大人しかったのに。

「お会計1050円になります。お箸はおつけしますか?」

「いや。けっこうです。ありがとう」

店員から弁当をを受け取ると
今や、かろうじて押さえつけている信吾を
抱きかかえ足早に店を出ようとした。

自動ドアが開く瞬間、ふと視線を感じ後ろを振り返ると
若い女が宅急便の送り状を書いているレジの後ろで
さっきの店員が口を大きく開けて睨んでいる。
その口は耳まで届かんばかりだ。
猫のような形相は絵の具のような青に染まっている。
私は疲れているのだろうか?ノイローゼだろうか?
叫びたくなる気持ちを抑え、外に出た。

741 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/19(木) 04:45:22 ID:6H2k1XZg0
ドアが閉まる瞬間、意を決し
もう一度、振りかえると店員は女の紙を見ているばかりだ。
もちろん人間の顔をしている。

私は立ち止まり考える。
買い物を忘れたふりをしてもう一度店内に戻り確認すべきか
それとも育児ノイローゼと納得し家に戻るべきか?

「うん。これは重大だよ、ワトソン君。なぜなら
普通、人は肌色って言うぐらいであんなごみ袋みたいな顔の色の
人はいない」

「なら、引き返してみろよ何もかもはっきりする」

「うん。それはどうかな。無意味って奴じゃないか?
ありえないことを確認するために戻る。それは無意味って奴だよ」

やがて冗談を飲み込み恐怖の海が満たし始める。

逃げろ。今はとにかく!逃げることが先決!
いや確認!しっかりしないと気持ち悪い!
もどって確かめろ!



742 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/19(木) 23:58:48 ID:PBr+H+pC0
よしとりあえず、もう一度見てみよう。
ただし・・・

俺はノボリに寄り添うように立って壁の代わりになってる
大きなガラスの前でタバコを探した。
いつのまにか泣き止んでいた子供を抱えなおすと
自然を装い店内を観察する。
レジには誰もいない・・・倉庫だろうか?
通路に座って品物の補充でもしているのだろうか?
このままじゃ胸の収まりが悪い。
どうしよう・・・おいどうする?

俺は意を決してもう一度店内に入った。
自動ドアが開き右に曲がる。足は震えていない。
だいじょうぶだ。
床をスニーカーが踏む感触もしっかり伝わってくる。
雑誌コーナーを眺めつつ、スナック菓子の棚を横切る。
大きな冷蔵庫の前に来たとき、バックヤードへの
扉が開きムラサキ色の制服を着たあいつが出てきた。
手には品物を補充するため平型のケースを持っている。


743 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/19(木) 23:59:20 ID:PBr+H+pC0
とたんに信吾が泣き出した。やっぱり信吾は・・・超能力・・・
不審な目であいつは赤ん坊を見る。
俺は見てない振りをし商品を探す振りをする。
ああ・・・なんていう事だ。
顔は青かった。まるで絵の具のように。口は耳まで裂け
その口元は血液だろうか?赤黒く染まり、大きく固まったものは
乾きポロポロ落ちてきそうだ。

『気づいて無い振りをしろ!振り返るな!』
音を立てて信号が体を駆け巡る。
それは古代からの本能だろうか?第六感だろうか?
我らがマンモスを取っていた頃からの、そして
今は退化してしまった脳の扁桃体からのメッセージ。
『まだ、生きていたければ・・・子供を守る父親なら
振り向くな!お前は何も見ていない!』

俺は歯を食いしばって信吾をあやしつつ
冷蔵庫の扉をあけジュースを選んだ。

やばてやつがレジに入った頃、俺はジョージアの青いコーヒーを
選びドアを閉めた。そのとき生臭い匂いが見えない雲のように
俺の鼻にやって来た。目が眩むようだ。なんなんだこの匂いは?
これは・・・俺が釣りに行った日曜日の夜
魚を捌いたゴミ箱が何日かすると発する匂いを濃縮したような・・・
昔、東南アジアの市場、陰になって一日中乾くことの無い
通路を歩き観光客気分で品物を見ていたときこんな匂いがした。

やつの匂いだ。
間違いない。あいつは・・・死んで・・・
ゾンビ?ゾンビだ!



744 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 01:00:40 ID:gJ0BzfXe0
それは難しかった。
ブルーリボン主演男優賞?
アカデミー主演男優・・・
膝は自分の意思で制御するのが難しいほど
震えていた。深夜放送のショッピング番組。
こんな運動をするのは商品は無かったか?
「はい、こちらが今話題の乗って痩せる。
乗るだけで痩せれる。ゾンビーウォーカーです。
お待たせしました。以前は放送と同時に注文が殺到!
前商品を改良しパワーアップして戻ってきました!
この商品はゾンビに食いつかれるときの恐怖を
イメージして我が社独自の運動アルゴリズムにより
TVを見ながらでも、本を読みながらでも
知らず知らずに・・・」

恐怖と緊張、そして意味無く沸きつづけるくだらない冗談。
俺はレジに向かいつつ一世一代の芝居をしなければならない。
俺がゾンビだと知っていることを気づかれてはならんのだ!絶対に!

それから俺は機械のようにインプットされた
あるいは学習したコンビニの買い物客という
動きをやりこなす努力をした。それは非常に難しかった。

「そちらの袋にお入れしますか?」

「ありがとう」

745 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 01:02:48 ID:gJ0BzfXe0
釣りを受けるとき改めて自分の手のひらが汗で
びっしょりなのに気がついた。プールから
あがったばかりの手のひら。
高校生の頃、自意識過剰でこんなことに悩んでたっけ。
オーケーノープロブレム。俺は多汗症。
全然、緊張なんかしていない。
俺は自意識過剰でこんなの普通・・・異常じゃない・・・


やり過ごしたのだろうか?
信吾を左手に袋を右手にもちつつ
ドアに向かう。もちろん振り返ってはならない。
ドアの向こうには表彰台が見える。
ポールニューマン、ジャックニコルソン。
そうそうたるメンバーから日本人で初めて受賞した
主演男優賞。プレゼンターは、キッドマン。
美しきニコールキッドマンが待っている。
静まり返ったのちの大歓声。ホールには割れんばかりの
拍手の波、波、波・・・どうもありがとう!






746 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 01:03:23 ID:gJ0BzfXe0
「お客様」

静寂。ざわつく観客。
何かあったのだろうか?
賞にまちがいでも?行きかけた足で振り返る。
口に苦いものが溢れてきた。
耳の裏に針で刺したような痛みが走る。
ノープロブラム、俺はゆっくり振り返った。

奴が持っているのは見覚えのある信吾のオシャブリだった。
レジでじたばたしてる時、信吾が落としたのだろう。
やつの手からオシャブリを受け取ろうとする。

「なあ?お前、気づいてるんだろ?」

俺は、50センチの距離でやつの顔を凝視した。
目の奥には深く宇宙が広がり星がみえるよう。
口からは積み上げられたまま
放置したレンガのような歯がのぞく。
腐敗臭・・・胸から胃液がせりあがって来た。

《パパ。やつはカマを掛けてるだけ。
気づいてない振りをしてだいじょうぶ》


747 :本当にあった怖い名無し:2006/10/20(金) 01:45:50 ID:URlzi6ul0
wktk

748 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 02:54:08 ID:nGvVZQ5g0
頭には飛び込んできた未知なる声がなっている。
なんなんだ?これは信吾の声か?
超能力。エスパー。

俺は黙りそして若干、怒ったような顔をする。
客に向かってなんて「お前」は無いだろう。
何て口の利き方するんだというばかりに
そして、きちがいには関わりたくないという風に・・・
大事なのは正体には気づいてない振りで。

「何ですか?」

やつの目は恐ろしいほど深みを増して
吸い込まれそうな気がするくらいだ。
哲也。自分を見失うな。
俺はこの場合にとるもっともいい行動を思いつく。
おしゃぶりを諦めた振りをして
外に向かうのだ。頭のおかしな店員がいちゃもんをつけ
ナイフを持ち出す前にさっさと逃げた感じで。




749 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 02:59:52 ID:nGvVZQ5g0
「おい!待て」

俺が逃げようとしたとき冷たい風とともに新しい客が入ってきた。

俺は急ぎ足でドアに向かう。
ドアが開く瞬間、俺は振り向き
もう一度ゾンビを見た。

ゾンビは蛍光灯の下でセブンイレブンの
制服を着て漆黒の瞳をこちらに
向けて見つめている。

これから何かが始まるのだ。
俺の人生をいや、この街?いや人類を揺るがす出来事。
俺は、どうすりゃいい?
今はただゾンビの目に答えを見つけるばかりだ。
その宇宙のような大きな瞳に・・・


一章 おわり

750 :本当にあった怖い名無し:2006/10/20(金) 13:23:26 ID:msv/OzWkO
KENさんうめぇ

751 :sage:2006/10/20(金) 15:46:24 ID:w5791EsX0
うまいですねw乙です(´∀`)

752 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 18:10:46 ID:eZT1Doqa0
その夜、デニーズにて
家族 俺 ユキ ユリ 信吾

俺はさっきのコンビニであった出来事
嫌な予感、ゾンビ、腐敗した息、
信吾に超能力があるかもしれないこと
そしてどうやら、他の客はゾンビには見えず
普通の人間に見えるのだろうということ。
蛍光灯の下で見たあいつの目の恐ろしさ。
切れ上がった赤い三日月の口。すべてを俺はユキに話した。


ー深く長い沈黙ー

ユキ?当惑しているのかい?
俺の頭がおかしくなったとでも?
どう言えば俺が傷つかず病院に連れて行けるか
考えているのかい?俺は狂ってなんかいないんだよ?
違うんだ違うんだ違うんだ。

俺の席の横でユリが不思議そうな顔をして俺たちの顔を
見比べている。チョコレートパフェのクリームで
手のひらがべとべとになりながら夫婦の只ならぬ事態を感じているユリ。
ごめんねユリ。大変なことになっちゃったんだ
ユリちゃん・・・パパどうしよう?

753 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 18:28:37 ID:eZT1Doqa0
「ユキ・・・」

俺が信じさせる言葉を捜そうとしたとき
頭に軽い痺れがやってきた。まさか・・・

《パパ、ママ。これは本当のこと。本当のことなの。
ママ?パパを信じてあげてゾンビは本当なのよ。
ママ。ママはパパを杏林病院に入院させる準備を考えてる。
ママの友達が通院してるところ。友達が行って良かったと
言ったのを聞いたの。担当の安達先生・・・》

ユキは目を大きく見開いて
さらに大きくなろうとしている。
指が自然に口元に行き唇を覆う。

《声》は消えていた。
俺の頭の痺れも無くなった。
ユキ。こういうことなんだよ。目でユキに訴える。

やがて落ち着いたらしいユキは、
冷めたコーヒーを一息に飲みほした。

「ねえ?タバコくれない?今夜は長い夜になりそうだわ」


754 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 22:07:53 ID:mBzJ432y0
「でも、あなたにはゾンビが見えたってことは
あなたにも超能力があるんじゃないの?
さっきの《声》が聞こえたのだから私も超能力者かも
知れないけど・・・極端に言えばね」

ユキは助手席で信吾をあやしながら俺に言う。
俺は《声》のおかげでユキが信じてくれたことで
ほっとしていた。駐車場から車を出し
渋滞している駅前に走らせる。スターバック、タリーズ
ここも随分、お洒落になった。
行き交うカップルは春と冬の間で肩を寄せ合い
手をつなぎ温もりを分かち合っている。

バックミラーを見ると
ユリは後ろの席で、ファミレスのレジ横に置いてあった
おもちゃを買ってもらい楽しそうに遊んでいる。
彼女にはどう伝えたらいいのだろう?
さっきの《声》は伝わったのだろうか?
様子はいつもと変わらない気がするが・・・

755 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 22:09:53 ID:mBzJ432y0
「よく分からないけど信吾の超能力に
影響されてるんじゃないかな?俺たちに超能力は無く
ただの受容体に過ぎないけど信吾が力を発揮するとき
何かの加減で同じように見えてしまったり感応する」

「でもさっきの《声》は何なのよ?あれは女の子の
声でしょう?ユリとも違う。しっかりした言葉だったし
もちろん信吾でもないわ」

中央線の吉祥寺駅、高架下の信号機。
黄色から赤に変わり俺はブレーキを踏む。
ハンドルの上にもたれかかりただ、渡っていく
歩行者の列を眺める。

「俺にもよくわからん・・・ただ・・」


「パパママ。《声》はアイちゃん。アイちゃんが天国から
伝えてるの」

突然のユリの声に吃驚して後ろを振り向くと
ユリはじっとこちらを見つめ返す。
俺たち夫婦は顔を見合わせる。なんということだ。

信号が青に変わった。車を出すが
落ち着いて話したいのに止められる場所が無い。
マルイの裏にしよう。あそこなら落ち着いて話せる。

「ユリちゃんどうしたの?アイちゃんは死んじゃったでしょ?
いつも、ママが仏壇に線香を上げてるでしょ?ユリちゃん。
どうしたの?アイちゃんの声が聞こえるの?」

756 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 22:10:41 ID:mBzJ432y0
ユキがユリに聞いている。
アイは俺たちの最初の赤ん坊、生まれて
すぐ死んでしまった。乳児突然死症候群それが
病院でもらった病名だ。俺たちが新婚の頃、朝、起きるといつも
するはずの泣き声が無かった。ずいぶん熟睡できたと
思ったものだ。それが夜泣きをしなくて
起こされなかったせいと気づいたのはずいぶん後になって
からだけど・・・

「パパ。マルイの裏のピザ屋の横のところ
入っていって。落ち着いて話せる場所に・・・早くパパ!」

「今、行く。分かってる!」


757 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 23:37:00 ID:iLnaHDS/0
吉祥寺南町 1 路上にて

「ママ。怒ってる?」

ユリの話しが終わった。一人で部屋で遊んでいるときに起こった
不思議な話。ドアを抜けて何かが部屋に入ってきたような気がしたこと。
呼んでみたけど返事が無かったけど怖くなかったこと。
夢の中で会った女の子アイちゃんの話。


それを聞いたユキは静か泣きやがてユリを抱きしめた。

「ユリちゃん・・・」




758 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/20(金) 23:37:37 ID:iLnaHDS/0
@@@

「ユリ」

バックミラーに映ったユリの顔はしっかりしている。
話を聞いてもだいじょうぶだろう。

「じゃあ、ユリ。あの《声》が死んだアイちゃんのもので
アイちゃんは天国で大きくなって今、10歳だと。
そしてママは超能力の遺伝子を持っていたけど
ママは力が小さくママは自分の力に気づかなかった?」

「ユリにも力は無いの。アイちゃんが信吾やパパ、ママ、ユリに
伝えてるだけ。でも信吾は大きな力を持ってるみたい・・・
なんだかよく分からないけどものを動かしたり」

俺は、俺の手の中であどけない顔で眠っている信吾の顔を見つめる。
わが息子よ。君はそんなに力を持っているのかい?
王子様。パパに教えてくれないか?君のその力を。








759 :本当にあった怖い名無し:2006/10/20(金) 23:38:34 ID:HerAksUA0
>Kenさん

なにが「作者がつまらないのに読んでる人が面白いわけないと思うので辛いです」だよ!
どんどん面白くなってきてるじゃねーか。これからもよろしく。

760 :まぐろ味付け:2006/10/21(土) 02:06:12 ID:wW7seMfh0
おひさしぶりです。
また投下します。


761 :本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 02:09:13 ID:wW7seMfh0
"俺"、桐生俊造と友人の吉原は自宅近くの銭湯の前でまだ着替えの終わらない友人を待っていた。
そのとき、俺たちは電柱の下でうずくまっている人が居ることに気が付いた・・・。


伊津見市 19時 たくあん荘近く 銭湯「阿部の湯」

どうせ酔っぱらいが喧嘩でもしたのだろう。
俺と吉原はお互い顔を見合わせる
「なぁ、ソープ・・・どう見ても酔っぱらいなやつがのびているぜ」
「見りゃあわかるよ。ほっておくのもなんだ、お前介抱してやれよ」無責任に吉原は面倒なことを俺に押しつけてくる・・・。

「あの…大丈夫ですか?」
とりあえず、俺はうずくまっている人――服装からして男性のようだ――に声をかけた。
体を揺すってみるが、反応がない。
「おい、これ…なんかヤバいぞ」吉原が異変に気が付く。
「うわ…血だ」俺は男性を少し起こして気が付いたのだが、
彼の着ている背広の左肩が真っ赤に染まっていたのだ。
「救急車呼ぶわ」吉原は携帯を取り出した。
「あれ、つながんねぇなあ。銭湯の電話借りてくるわ」
「じゃあ俺はその間この人看てるよ」
再び銭湯に向かう吉原の後ろ姿を見届けて男性の方へと振り向いた。
その時だった。
いきなり男性が目を覚まして俺につかみかかってきたのだ。
不意を付かれたために俺はのけぞって、そのまま組み伏せられてしまった

762 :まぐろ味付け:2006/10/21(土) 02:13:02 ID:wW7seMfh0
まずい
非常にまずい。
完璧なマウントポジションで身動きがとれない!
そして俺の頭は手で地面に押しつけられる。
相手は錯乱しているようで、変な金切り声を上げている。
下手をすると俺は殺されるかもしれない。

死んだら俺の物は誰の所有になるんだろう…

いかん、「ブラックホークダウン」と「ウォレスとグルミット」をまだ返していない。
延滞金を払って貰うことになりそうだよ…ごめんな父ちゃん母ちゃん…

慌てているが、どこか冷静になっている自分に気が付く。

「ペルケレ(クソっ)!」
急に怒号が響き渡り、男の頭がはじけてその破片と血が降り注ぐ。
俺に乗っかっていた男は体制を崩し、頭から手が離れたそのとっさの瞬間を逃す事無く
男を払いのけることに成功した。
何が起こったのか頭ではまだよく理解しておらず、俺に降り注いだものを確かめる。
ちょっとだけ冷静になってみると、男の頭なんかはじけてもいないことに気が付いた。
「・・・・・・・・・」
頭蓋骨の破片だと思ったそれはただのガラス。
だとすると、あの血は?
「なんだよ、フルーツ牛乳か・・・」その甘ったるい臭いと、顔に降り注いで
少しだけ乾いてきてべと付いてきた感覚と何よりもその味でフルーツ牛乳であることはもう疑いようがない。

763 :まぐろ味付け:2006/10/21(土) 02:13:39 ID:wW7seMfh0
「トシゾー!危なかったね。なんだいあいつは!」
もう感覚は普通に戻り、冷静さを完全に取り戻すとジャンが声をかけてきた。
小脇にフルーツ牛乳の瓶をいくつか抱えている。吉原も一緒だ。
「お前が助けてくれたのか?たまには役に立つな」
「たまにはってどういう事だよ!ギャルゲーコピーしてやんないからな!」
「馬鹿!人のいる前でそんな恥ずかしい話題を出すな!」
いつの間にか周りには野次馬がたかってた。どう見ても銭湯にいた皆様方だ。
「なあ、あのオヤジどうすんよ?」
吉原が俺と男の両方を気にするように声をかけてきた。
「ひぃぃぃ!殺さないでくれ!あっちへ行け!俺を食うなあああ!」
俺の上に乗っかってた男は相当酔っぱらっていたそうで、幻覚まで見えているようだ。
「ソープ、これはケイサツ呼んだほうが僕は良いと思うね」ジャンはいたって現実的な提案をする。
「俺は反対だよ!警察が嫌いなんだ。救急車呼んだんだろ、俺の方は特に怪我ないしそれでおk。
それより、湯冷めしちまったし、フルーツ牛乳まみれだから風呂にまた 入 ら な い か ?」
「ウホッ!いい湯船! お前俺のケツにシャンプーしろ!」吉原はまんざらでもないようでついてくる。
「ちょっと!僕は湯上がりのフルーツ牛乳もう飲んじゃったよ!」
「助けてくれたお礼だ!また奢るぜ。権蔵ジイさん、再入浴すっぜ!」番台のオヤジに声をかける。
「バカモン!ワシのケツをなめろ!一回出たんだから金払え!」唾を思いっきり飛ばして、番台は毒を吐く。
「ファシストめ!魔女のバアサンの釜で焼かれちまえ!」俺も毒を吐き返して目もくれずに脱ぎ始める。
そして律儀にジャンだけが金を払ってついてきた。

764 :まぐろ味付け:2006/10/21(土) 02:16:14 ID:wW7seMfh0
「助けてくれ!俺を食おうとするんだ!これを見てくれ!食いちぎられてるんだ!うわああ、助けてくれえ!」
救急隊員に介抱されながら先ほどの男が救急車に押し込まれて行く。
阿部の湯の番台、権田平蔵――縮めてよく権蔵と呼ばれている――はその様子を静かに見ていた。
大戦で実戦を経験した彼は、男が短いうちにもの凄い恐怖と苦痛を詰め込まれたことを察した。
そして、テレビの方に向きなおり、呟やく。
「かわいそうに。社会の歯車がおかしくなり始めたのやもしれんのう・・・」
付けっぱなしのテレビは多発する狂気に満ちた暴行・殺人事件を報じていた。

明らかにおかしくなりつつある状況に、早い内から気がついた数少ない人間だった・・・。

765 :まぐろ味付け:2006/10/21(土) 02:21:09 ID:wW7seMfh0
今回はここまでです。
>>731、 通勤電車男さん、御批評感謝です!
デッドラ○ジングは盲点でした、もしかしたら話の中にチラッと見せるかもしれません。
しかし、やったこと無いしなあ・・・(^^;)

あと、kenさんのお話がすごく好きです。
すごく書き方が詩的で引き込まれて行きます。
続きをもの凄く楽しみにしております。

それではこの辺で・・・

766 :本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 15:54:00 ID:0QFGcRuH0
http://www.youtube.com/watch?v=RB4YLBAdIv4

767 :通勤電車男:2006/10/21(土) 20:01:56 ID:jcV1g5cJO
ken様・まぐろ味付け様、新作&続編の投稿お疲れ様です。
ken様、この短期間にも関わらず凄い投下量ですね!。
そしていよいよ長編?スタート~ヽ('ー`)ノ~。
ゾンビ+超能力+育児ノイローゼ風味パパ= ここから導き出されるストーリーは
一体どんな希望と絶望を魅せてくれるのでしょうか。
人類の明日は赤ん坊のご機嫌次第(^_^;)!?。
まぐろ味付け様、何とも小林源文テイスト溢れる銭湯デスネ(^。^;)。
読んでいるこちらも自然と彫りの深い顔になりそうなんですが、
これから訪れる状況を考えるとそれ位の方がいいのかも。
権蔵さんの戦場経験を頼りにしております(`・ω・)ゞ!!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

768 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/21(土) 22:24:14 ID:6VuAx9wv0
PM 21:01

我が家への道は皆、無口だった。
俺は、ただ前を走るテールランプを眺め
やさしいエンジンのうなりを聞きつつ
家路に急いでいた。いつもと変わらぬ路線バス
飛ばしていくオートバイ。それらを見ても
心に浮かぶのは、ただ具体的なイメージを
伴わない断片的な意識のかけらだった。
まだ心は高ぶったままだ。
今日、起こったことは何なのだろう?
果ての無い悪夢じゃないか?
俺は冗談のように頬もつねる。
答えは分かってる。そう。これは100%リアルな現実だ。

幹線道路から、我々の住むアパートへ左折する。
もうすぐ我がアパートだ。
その時また信吾が泣き始めた。

「パパ?」

ユキが不安そうな声を出す。
警戒信号か?《声》はやって来ない。

「ただ泣いてるだけかな?」

769 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/21(土) 22:25:09 ID:6VuAx9wv0
俺はアパート前の駐車場には入れず
20mほど前の道路に停車しエンジンを切った。
もちろんライトもだ。

「ねえユリ?おうちの電気消したかしら?」

ここからわずかに見える
アパート二階、私達の部屋のドアの横、台所の
電気がつけっぱなしだった。
ゾンビだろうか?いや、まさか・・・
我々の家が分かるとでも?ただ気が高ぶって
不安なだけだろうか?

「少しバックしてアパートから見えない位置に車を
動かそう」

と俺が思いギアを持った瞬間
突然、喉に熱い衝撃を感じてシートに叩きつけられた。
力が一瞬のうちに抜けていく。銃の音がした。
ああ・・・やられた、ちくしょう。
Tシャツが見る見るうちに血に染まっていくのが分かる。
あいつめ・・・
俺が音のしたほうを確認しようとしたとき
駐車場の奥の林で二発めの銃声とともに火薬が光るのが見えた。


770 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/21(土) 22:26:30 ID:6VuAx9wv0
「パパ!パパ!」

体が沈んでいく・・・ああ・・
駄目なのか・・・ユリ、シンゴ・・・
駄目だった。パパ負けちゃったよ・・・

「パパ!パパ!」
ユキはシートの間に体をいれ後部座席から
哲也(パパ)の横に移ろうとする。

ミンナニアエテシアワセダッタ・・・サヨナラ

林の中から二つの影が現れた。
警察官の制服に身を包んだゾンビ二人だ。
銃をしまいゆっくりこちらに歩いてくる。
超能力の遺伝子を持つものを生け捕りにするつもりなのか?
あいつら・・・パパの命を・・・許さない・・・
お前らは許さない・・・

「信吾。あの二人を殺しなさい!!」

信吾はただ泣くばかりだ。
ユリは怯えてユキに寄り添っている。

ユキは信吾の肩を持ち激しく揺さぶった。

「しっかりしなさい!お前は岩泉家の長男でオオオオオオオオオ!!!!」


771 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/21(土) 22:27:35 ID:6VuAx9wv0
ユキは狂ったように信吾の体を揺さぶり続ける。
やがてそれにあわせたように信吾が大声で泣き叫び始めた。
音を立て割れたフロントガラスが蜘蛛の巣状のひびを
広げ始めた。

「シンゴオオオオオオオオオオ!!!!!」

突然、ゾンビ達は常夜灯の照らす駐車場の舞台で止まると
右向け右と左向け左をとり中央で向かい合わせになった。
ゾンビはすばやく抜いた銃口をユキに向かわせようとする

「オタガイノアタマヲウチナサイ」

するとゾンビ達の腕は糸で吊られた人形のように
ユキに向けていた銃を動かし相手のコメカミに銃口をつけた。
まるでこれから社交ダンスが始まるように・・・


「ウチナサイ」

夜の駐車場にさらに一発の銃声が響いた。


772 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/21(土) 22:54:53 ID:6VuAx9wv0
「パパ?」

ユキは問いかける。

哲也は最後の力を振り絞って呟いた。
「ユキ・・・ニゲロ・・・
アイツラノナカマガクル・・・・・・・」

そして哲也は最後の力が抜けユキの腕の中で逝った。
ユキは死んだ哲也の体を助手席に移し
エンジンをかけた。アパートの住人がドアを開けるのが見える。
野次馬の声がする。
早くしなくては逃げなくては・・・どこへ???

「ママ?」

「ユリ。行くわよ」


773 :本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 23:17:07 ID:6Rtpq/bYO
もしかしてライブ投下?

774 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 01:52:51 ID:a34KNA4j0
「パパ、アーン」

「いいよもう」

今日はカレーだ。我が家ではキャンプ場ではいつもカレー
なのだ。普段は手伝わないユリも手伝ってくれる。
ーなあ?指切っちゃうんじゃないの?
だいじょうぶ過保護にさせてたら強い子になんないのよ。
そういう子のうちにはフランクドットが来ちゃうんだもね
ーなんだよ、フランクドットって?
こわーいお巡りさん。レインコートのお巡りさん。それは・・・


「ママ?」

ユリ?

「ママ!」

信吾の泣き声がする。

「あいつらが来るよ!」

そうだ意識が戻ってきた。逃げなくてはゾンビだ・・・確かガソリンが。
メーターを見るとガソリンがエンプティに近い。ああまずい。

「ユリ。寒くない?信吾はだいじょうぶ?」

「だいじょうぶ。二人とも元気だよ!。」


775 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 01:54:13 ID:a34KNA4j0
ありがとう子供達。
去年の夏に来たキャンプ場の駐車場。
知らず知らずのうちに眠ってしまったらしい。

パパ?私達は助かるのかしら?

助手席で「くの字」になっている夫をきちんと座らせてやる。
ああ・・・体が痛い。凍えるようだわ。

やがて遠くに、くぐもった音が聞こえる。あれはヘリコプターだろうか?
ああ・・・やっぱりもう駄目だわ車は・・・

ユリが不安そうな目で見つめる。
だいじょうぶよ。ママを信じて。

上空から見えないようキャンプ場に車を突っ込んだ。
(幸いこんな季節じゃ管理人も客もいなかった)
そして森の深くまで行き車を外からも上からも見えない
位置まで持って行きエンジンを切る。

確かこの近くに隠し湯があったはず・・・
あそこまでいけば・・・
あの道を覚えていれば・・・

「ユリちゃん!歩くわよ!お母さんから離れちゃ駄目よ!」


776 :本当にあった怖い名無し:2006/10/22(日) 01:54:46 ID:NY2tsXDv0
わけわかんない心地よさww

久々の怪作

777 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 01:55:04 ID:a34KNA4j0
私は助手席のパパにキスをする。
ごめんね。こんな私で・・・ごめんね・・・
夫の頬を手のひらで繰るんだ。やさしかった夫。
馬鹿なところもあるけど、あなたを深く思っていた。
アイちゃん。パパをよろしくね。

私は哲也を抱っこして道無き道を進んだ。
太陽の方向からしてこっちだろう・・・
あの時は国道から入ったけど、こっちからでも
いけるだろううまくいけば廃屋があったはず。


778 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 01:57:08 ID:a34KNA4j0
何分歩いた?何時間?そうだ確認しとかなくては
ー9時22分ーまだ、そんな時間なの?
車から出たのは何時だったろう?足が冷たい、腰の骨が割れるようだ。
どうしようどうしよう、そろそろ温泉が見えてこなくては・・・
私は間違ったの?ユキ?私は道を間違ったの?温泉へ行く道は
少なくとも少し踏み固められてたはず。あんたは一回もそんなの見ていない。
方位はあってるの?

「ママ?」

突然、立ち止まったユキにユリがぶつかりそうになる。

あの山を目標に歩いてきた。
・・・確か南は時計の針と12の間を、
そう、針を太陽にあわせて二分した場所。じゃあ東は・・・
だいじょうぶ合ってる。
でもユキ?だいじょうぶなの?あなたはこの前は国道から
山道を歩いたのよ?通ったのはここじゃないじゃない。
冷静になりなさい冷静に。

空を見れば木々の間から青い空をバックに
刷毛で塗ったような雲が見える
山には澄み切った風の音
時折、鳥のなく声が聞こえるだけだ。
しかし、汗をかいた体を容赦なく山の冷たい風が
吹き付ける。哲也を抱えなおす。風邪をひいてないだろうか?
眠っているようだけど・・・

779 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 01:58:33 ID:a34KNA4j0
「ユリ。寒くない?疲れてない?」

「少し」

ポケットを弄っても食べられるものは
ひとつも無かった。ボールペン、携帯電話・・・

携帯電話!

液晶を見るとアンテナが立っている。
まずい、早く消さないと。
電源を入れてるだけで位置が分かると聞いたことがある。
それにもしものときのために電気を節約しないと・・・
あわてて哲也を地面に降ろし電源をオフにする。
疲れた。腕の感覚が無い。少し休もう。


「ユリちゃん。休みましょう」



雲が動いていく。風の音が聞こえる。
《ママ、ユリ。東を見て。温泉の湯気が見えるはず。
近くに小屋があるわ、そこで休みなさい。
まだあいつらは車を発見できてない。でも油断しちゃ駄目
町に行っては駄目、もう少し我慢して》

「ユリ?」

「ママ!温泉が見えるよ!」



780 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 02:05:15 ID:a34KNA4j0
間違い

>>777

私は哲也を抱っこして道無き道を進んだ。 ×

私は信吾を抱っこして道無き道を進んだ。 ○


>>778

吹き付ける。哲也を抱えなおす。風邪をひいてないだろうか? ×

吹き付ける。信吾を抱えなおす。風邪をひいてないだろうか? ○


>>779

あわてて哲也を地面に降ろし電源をオフにする。 ×

あわてて信吾を地面に降ろし電源をオフにする。 ○

スイマセン。ゴメンナサイ。

781 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 02:30:46 ID:unK9UElo0
私達は廃屋(そこは更衣室兼休憩場になっていた)
に行って服を脱ぐと温泉に入った。
湯は白く硫黄の匂いが心地よかった。
今日は服を乾かしここに泊まろう。しばらくして
チャンスがあれば、また逃げられるはずだ
痛みは湯に消え、骨には温かみが戻ってくる。
肉体は弛緩し温泉の優しさに身を投げ出す。

しかし、涙が頬を伝うのはなぜだろう?
ああ・・・


782 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 02:32:56 ID:unK9UElo0
訓練された犬は夕方になると車を発見し
警察官の身を乗っ取ったゾンビと警察官、機動隊。
総勢1000人を超える人間がユキ、ユリ、信吾を包囲し始めていた。
指揮を執る人間の中にも人間を乗っ取ったゾンビが
もちろん含まれていた。
ユキには二人の警官を殺した殺人容疑がかかっているのだ。
彼らは必死だった。ただし事実を知っているのは
ゾンビ達だけで他の多くの人間はユキたちが超能力者だと
言うことを知らない。もちろん同僚がゾンビに乗っ取られているなど
知る由も無かった。ゾンビ達はうまく話を作り上げていたのだ。

周囲には非常線が張られ住民達は非難させられた。
ヘリコプターは暗くなり始めた山をサーチライトを使って
ユキたちを探し始めた。


ユキ達はヘリの音がし始めたとき、廃屋を見下ろせる
山の斜面に隠れに行った。

やがて暗いオレンジ色に山が包まれた頃
山奥に興奮した犬の声がこだまし始めた。
ユキたちが出てきた山の奥から犬を連れた
懐中電灯を持つ警官達が現れた。
国道からの山道にもバイクの音が聞こえ
迷彩服を着た男達が銃を担ぎながらやって来た。


杉の樹の根本で三人は温泉の様子を観察する。


783 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 02:35:17 ID:unK9UElo0
体はもう冷え切って歯がなり始めた。
逃げなくては。




あれから何時間、歩いただろう?
彼らは私達を見失ったのか?
でも、もう、私の死もすぐそこまで来ている。
ベッドで休みたい。ゾンビなんてどうでもいい。
白いベッドで休ませて。
瞼を閉じれば哲也と幼い頃のアイの姿が見える。
ママは心配してるだろうか?
私だって子供になりたい。ママだって子供なのよ!
寒い寒い寒い。ママは警察官の尋問を
受けているのだろうか?パパとママははびっくりするだろう。
私は警官殺し。
フフフでもほんとはねえ、警官じゃなくて
ゾンビなのよ。そして信吾は超能力者なの・・・

もうだめ歩けない・・・
ユリの足音が聞こえる。シッカリもの。この子はなんでこんなに強いの?
誰に似たの?

784 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 02:38:05 ID:unK9UElo0
「ねえママ?聞こえる?《声》があっちに行けって
早くしなさいって!ママ!あっちに行けって!急いでって!」

ー何よユリ?どうしちゃったの?
おかしくなっちゃったの?ママは眠いの・・・休ませて・・・


曇りかけた瞼の向こうに街灯が見える。
道だろうか?道には行っては行けないでしょ?
ちがったの?

「ママ!車が来るって!早くして!」

ユリは私の肘を持つ。
ーそんなとこ持ったら信吾が落っこちゃうわよユリ・・・

何歩か行きかけたとき
足が滑り突然、風景が消えた。頭に殴られた衝撃があり
落ちたんだと気づいたとき顔面を泥で打ち
そのままアスファルトの道路まで転がってった。

「信吾は・・・」

信吾は腕の中で眠っている。
安心し力が抜けてその場に座り込んだ。



785 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:25:01 ID:yZBfaLtt0
「ママ!車!あの車よ!」


下りカーブから現れたヘッドライトがユキの目に入った。

ー危ない!!

ドライバーは街灯の下に人の姿を見たような気がした。
暗闇から突然、少女が現れた。
「あぶないいいいいい」
獣の声のような大きな音で軋ませたタイヤは落ち葉にスリップし
一回転半した。わずかにコントロールされた車は
そのままゆっくり弧を描くと反対車線のガードレールに
ぶつかりガリガリという金属音をさせ車に大きなニの字を
側面に書くと満足げにようやく静止した。

アスファルトとタイヤが作るゴムの焼けた匂いが周囲に立ち込め
突然の音に鳥が驚き何度か羽ばたくと星空に消えていった。

そして静寂。

786 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:29:30 ID:yZBfaLtt0
やがてドアが開いた。降りてきたのうちの一人は
安藤優子だった。
フジテレビの取材クルーが通りかかったのだった。
取材はもちろん警官殺しの犯人だ。




「お母さんは、眠ってしまったようね?」

「怪我は無いみたいです。切り傷と・・・
脳震盪。だいぶ疲れてるみたい。でもこの人たち
あれですよね?」

「違う!ママは人を殺してなんかいない!
ゾンビなの!ゾンビがやったの!」

ユリが叫ぶ。



787 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:30:05 ID:yZBfaLtt0
安藤とスタッフは顔を見合わせる。
ドライバー、カメラマン、アシスタントの女性
それと安藤の4人だ。
安藤はジュースのふたを開けてユリに渡してやる。

「ユリちゃん飲む?何があったか、おばさんに話してもらっていいかな?
おばさんのこと知ってるかな?」

ユリは飲まない、まだ話したいことがあるのだ
休むわけにはいかないのだ。

「安藤さん。TVに出てる人。信吾は超能力を持ってて、その力を
あいつらに・・・ゾンビに狙われているの・・・
パパは殺された。ゾンビに殺されたのよ。」


788 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:36:43 ID:yZBfaLtt0
「こりゃ。警察に行ったほうがいいんじゃないですか?
俺達、かくまった事になって罪になりますよ。
なんか、ちょとあれみたいだし」

といってドライバーはこめかみの横をぐるぐるまわした。

安藤は、そう言ったドライバーに厳しい目を送る。
ドライバーはふて腐れ舌打ちした。


「ねえ。ユリちゃん。ご飯食べる?おなか空いてるでしょう?」

「ご飯なんかいらないよお!!!ユリは嘘なんかついてない
嘘なんかついてない!!」

安藤の手を払うと
そう言って泣き出した。

「どうします?」

「とりあえず東京に電話してみるそれで・・・」




789 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:43:10 ID:yZBfaLtt0
その時、信吾が、ぐずがり始めた。
と同時にユリの頭が痺れ始めた。
ああ・・・来てくれたのねアイ。
遅かったじゃない?


最初はぐずってるだけの泣き声が
やがて大きく泣き始めた。
そして火のついたように泣く出す信吾

「どうしたの?信吾、あいつらが来たの?」

信吾の只ならぬ様子にユキも目を覚ました。

「信吾?」

「ママ。だいじょうぶよ。ママ!アイなの!」

今やありあまるエネルギーで信吾が泣き始めた。
すると突然、あたりの機材、カメラ、ケース、マイク
コード、レフ版、ペットボトル、CDケースが
音を立てて振動を始めた。

「なななんだこりゃ!!!!」
「ちょっと!!止めてええええ」


790 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:47:03 ID:yZBfaLtt0
やがて車は振動しだしシェイカーに入れられた氷のように
小さく細かくそしてうねりをもってゆれ始めた。
もはやきちんと座っているのが難しいくらいだ。

「ぎゃああああああああああ」

信吾は泣き続ける。

「アイなの?」

ユキの問いにうなずくユリ


やがて妙な感覚とともに振動は少しずつ
おさまっていった。でも、何かがおかしい?
これは、なんだ?何が起こってる?
クルーは踏ん張っていた手足を
離しつつ首を傾げる。

窓の外の風景が沈みはじめた。いや・・・

「ああ・・・なんだってんだ。いったい?あれが信じられるか?」

791 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 03:52:32 ID:yZBfaLtt0
車は信吾の泣き声とともに上昇しつづけ
やがて杉のてっぺんが窓の横
触れるくらいになる頃、静かに静止した。


フロントガラスの先、一面には那須の夜景が広がっている。
それは澄み切った夜特有の美しさで
眼下の瞬き始めた。

星のように・・・涙のように・・・


おわり


792 :本当にあった怖い名無し:2006/10/22(日) 09:07:06 ID:6hwndsxq0
オモロイ

793 :ken ◆r7Y88Tobf2 :2006/10/22(日) 18:29:53 ID:KFc8gGtS0

>>791でこの小説としてはおわりです。

筒井康隆氏、スティーブン・キング氏の
小説がなければこの小説は生まれませんでした。

レスを下さった皆さんありがとうございます。





794 :本当にあった怖い名無し:2006/10/22(日) 21:58:02 ID:N1zCluuSO
投稿前に一度チェックして脱字をなくしておけばなお良かったと思う
って前にも言ったか。スマソ

795 :本当にあった怖い名無し:2006/10/23(月) 01:05:03 ID:hIo478Yo0
>>794
そんなに神経質になりなさんな。
どっかの厨房に「誤字ハケーン」って喜ばせてやる社会奉仕だと思ってさ。

796 :本当にあった怖い名無し:2006/10/23(月) 01:58:55 ID:vk7hmE1a0
ken氏スティーブン・キング&ゼイリブ風味もして面白かったっす。
ただ、安藤優子とかフジテレビとか実在の名前は一寸いじるとかして使った方が良いですよ〜

797 :本当にあった怖い名無し:2006/10/23(月) 21:55:45 ID:lDjEM4TiO
kenさん、乙です。まさに、オカルト板に相応しい、福袋的作品でした。ありがとさんです!

798 :本当にあった怖い名無し:2006/10/24(火) 13:09:09 ID:f8GHggUnO
KENさん、よかったっす!簡潔に、潔く締め括るのがまた良い。
ただ、確かにマスコミが実名なのは残念。雰囲気が崩れるかな…
安藤優子が現場に行くのも考えにくいですしね。

799 :本当にあった怖い名無し:2006/10/25(水) 15:07:19 ID:gpNAl7LYO
( TДT)あ”〜、昨夜夢の中で、
椎名林檎とユーミンの曲をモチーフにした、素晴らしいゾンビ話を思いつて、おお喜びしたのに、
起きたらぜんぜんおぼえてないよ。

800 :本当にあった怖い名無し:2006/10/25(水) 18:48:43 ID:GX7VB52d0
KENさん、乙ですた〜(´∀`)
面白かったよ。次期作にも期待!!

801 :本当にあった怖い名無し:2006/10/25(水) 22:26:30 ID:tr6B6DxZO
〉〉799サマ。思い出したら、ぜひ書いてくださいね。クビを引っこ抜いて、長くしてお待ちしてます。いや、私のじゃなくゾンビのクビを・・・。

802 :本当にあった怖い名無し:2006/10/25(水) 22:31:19 ID:tr6B6DxZO
下げるの忘れてました。自分のを長くするために吊ってきます。ゴメンナサイ。

803 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:20:40 ID:xMOACqeh0
「まずこれだけは念頭に置いていてほしいんだ。俺たちは真奈美さんを騙そうとか、馬鹿にしようとしているわけじゃないって事を。
そしてこれは俺たちの推論で、真実ではないかもしれない。だけど現実に起きていることだ。他にうまい答えも見つからない、今のところ」
さっきまでの表情も険しかったけれど、今はそのときよりも真剣な表情をしている。三枝君はあたしに何を伝えようとしているのだろう?
その時あたしは、彼らが発する重苦しい雰囲気に気圧されて、思わずうなずいていた。
「あんたはこの考えに反対かもしれない。普通ならそうだ。俺だって最初は自分が馬鹿になったと思ったよ。だけどあながち間違いではないと思う。
とにかく聞いてくれ。質問は後で。答えられる限り答えるから」
そう言った後彼は一瞬押し黙り、あたしの目をまっすぐに見つめ、告げた。
「あれは、ゾンビだと思う」


804 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:21:56 ID:xMOACqeh0
3―2

「いってぇ…。思いっきり叩きやがって…」
「あ〜…その…大丈夫か、三枝?」
「ん〜まさかびんたされるとは思わなかったぜ。怒るかも、とは思ったけどな…」
じんじんと熱をもった頬を氷で冷やし、俺たちはリビングで今さっきの出来事を思い返していた。
『あれは、ゾンビだと思う』
そう告げたあと、彼女はきょとんとした表情で俺を見つめ、その後に大村のほうに顔を向けて、また俺を見つめてきた。
『はぇ?』
彼女が発した台詞はそれだけだ。無理もないと思う。確かに突拍子も無いことだというのは自覚していた。
その反応は、まあ普通だろう。小首を傾げての『は?』は思いのほか可愛らしかったけどね。
その姿に見とれて説明の言葉を忘れていたのは誰にも言えない。


805 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:22:44 ID:xMOACqeh0
で、その後が問題だった。言い方がストレート過ぎたかと思い、言い回しを変えてみた。
『ゾンビって知らない?死者が生者を襲って、そいつを食う。食われたほうも時間を置いて甦って、同じ事をする。細かい説明は省くけどだいたいこんな感じで』

それがこの街だけではない、隣市でもいたるところで発生しているようだと教えたのだけれど、無言。俺の説明が終わっても彼女は黙ったままだった。
「あの、真奈美さん聞いてますか?」
彼女が呆けた表情のままでいたので、少し身を乗り出して近づいてみた。
口が微かに開き、聞こえるか聞こえないかの声音で囁いた。
「ふ……」
「ふ?」
「ふざけないでよ!!」
バシッ!!!


806 :799:2006/10/25(水) 23:23:03 ID:gpNAl7LYO
>>801
出来ればそうしたいです。
冗談抜きで、必死に思い出そうとしていますw

807 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:23:58 ID:xMOACqeh0
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。今の大声は彼女が発したのか?俺はなにをされた?
一拍遅れて左頬にじんわりと熱が広がり、ああ、俺は彼女に殴られたのだ、と理解した。
「馬鹿にしないでよ!そんな話信じられるとでも思ってるの!?言っていい事と悪いことの区別さえ出来ないわけ?!」
涙をぼろぼろと流し、真奈美さんは憤りを顕わにした。
おかしい。最初に言ったはずだぞ?馬鹿にしているわけじゃないと。推論だとも言ったはずだ。
「酷いよ…。あた、あたしがどんな目にあったか知らないくせに…!ゾンビ?香奈美やお母さんがそいつらにやられたって言うわけ?!
いい人だと思ったのに、優しいって思ったのに…こんな…人でなし!!」


808 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:25:11 ID:xMOACqeh0
彼女の罵声は止まらなかった。感情の制御がうまく出来ていないようだった。
徐々に支離滅裂になっていく。
「うっうっ…馬鹿馬鹿。人を食べるって…だってあいつら…でも。お母さんは…。香奈美はあたしを…?どうして…」
俺は殴られた頬を押さえてその様子をじっと見ていた。止めることができなかった。
「真奈美さん落ち着いて!しっかりして!」
見かねた大村が横から止めに入ったが、彼女のあまりの興奮ぶりにどうしていいかわからない様子だった。
腕を振り回して近づかせてさえくれなかったんだ。
「来ないで!!あたしに触らないで!やめて!いや…いや…だ…」
あまり騒がれて奴らの注意を惹かれても困る。数が少ないとはいえ、この周辺にも潜んでいるのは確実だ。


809 :我流 ◆9lGm2pUfeQ :2006/10/25(水) 23:26:29 ID:xMOACqeh0
彼女の腕を取って何とか落ち着かせようとした時だった。
その言葉を最後に、真奈美さんの体から力がふっと抜けて、まるで事切れてしまったかのようにぐにゃりと前のめりに倒れそうになった。
それをすんでのところで抱きかかえ、慌ててベッドに横たえた。
「真奈美さん?真奈美さん!?」
返事がない。
「なんだ、どうしたんだ?いきなり意識失ったのか?」
大村も事態の急変に対応できなくておたおたしている。
「わかんね。呼吸は…してるな。というかこれは…」
呼吸は、なんとも穏やかなものだった。今まで暴れていた人間のものとは思えないくらいに。
これは間違いない。眠っている。だけど何で急に?
一体どうなってんだ。これ以上のトラブルを抱えるのは精神的にも限界だった。
俺は大きく溜め息をつき、床にペタリとへたり込んだ。

つづく
ではノシ

810 :本当にあった怖い名無し:2006/10/25(水) 23:56:36 ID:gpNAl7LYO
我流さん、乙です!
やはり我流さんの話は面白い〜。
しかし、何か真奈美さんトラブルメーカーっぽいなぁ。
気絶してる間に、外に放りだしちゃえw

811 :通勤電車男:2006/10/26(木) 00:03:03 ID:ynftjxzSO
ken様・我流様、続編の投稿お疲れ様です。
ken様、投稿の勢いを殺さず一気に完結!。お見事でした(o^-')b。
あまり語彙が豊かでないので何と表現したら良いか判りませんが、
「kenワールド」とでも言うか独特な雰囲気があって、とても印象的でした。
我流様、三枝君今回はなんだかチョッピリ損な役まわりでしたね(^_^;)。
それにしても真奈美さん、大丈夫なのでしょうか...。
こんな時こそ大村君の癒し系スキルの真価が問われる時なのでは!?。
いや、シリアス展開では三枝君の独壇場か!?。
焦らし上手なストーリーに電車の中でジタバタしております~ヽ('ー`)ノ~。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。

812 :本当にあった怖い名無し:2006/10/26(木) 20:02:42 ID:xSsmqHR50
「PLANE DEAD」のサイト見たけど、かなり面白そう。
閉鎖的な場面で展開するゾンビ映画大好き。
通勤電車男さんもその経験を生かして、電車を舞台にしたゾンビ小説書いてよ。

813 :801:2006/10/26(木) 22:12:58 ID:muo+bA3kO
いやぁ〜、あんまり自分を追い詰めないでください。実は私もゾンビ絡みの夢を見るのですが、私と同じ夢だったら・・・。と言うwktkとgkblってヤツですから。ハイ。スミマセン。

814 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 02:49:30 ID:IxFyBIEV0
Dawn of the Dead (remake) 2007年公開
ttp://www.youtube.com/watch?v=PB7bepFqDbI&mode=related&search=

どうやらこちらも「病気が起源な走るゾンビ」のようですw。
リメイク版のドーンオブザデット後はもはや「走るゾンビ」が常識になったらしいw。


815 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 03:21:44 ID:8ngkFTHU0
Day of the Deadか楽しそうだなww

816 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 07:28:55 ID:FXA2n3n6O
100m何秒だろうな。怖すぎる。

817 :〜もどき...( ´Д`)ノ:2006/10/27(金) 13:57:05 ID:13sdJmWs0
短いですが・・・。
【1/2】

公園のベンチ。
目の前で子供たちが走り回っている。何だろう・・・野球かな?
野球になっていない、野球だ。どうでもいいか。
そんなどうでもいい光景が、すごく幸せな光景に見えた。今の気分的な問題かな?
多分そうだ・・・・・。
僕の方に体をよせて、隣で眠る美菜子。今のこの日差しがそんなに心地よく感じたのかな?
たしかに心地いい。それも気分的な問題かもしれない。
言いたかったことが言えたんだ。高校を卒業して5年間・・・やっと言えた。ずっと言いたかった。
僕の言葉に美菜子は、今までにない優しい笑みを浮かべ頷いてくれた。
「時が止まればいい」・・・こういう時に使う言葉なのかな?
本当に、この時間がずっと続けばどんなに幸せだろう?
僕は美菜子の左手に視線を移した。薬指の指輪 ―― あんなに喜んでくれるなんて・・・
子供の頃から当たり前のように傍にいたけど、これからは、本当に2人だけで、ずっと傍にいられる。
ゆっくりと空を仰いだ。柔らかい日差しが視界に広がった。そして、僕の視界を奪った ――――

818 :〜もどき...( ´Д`)ノ:2006/10/27(金) 13:57:43 ID:13sdJmWs0
【2/2】

静寂の中で目が覚めた。
首の後に痛みを感じた。壁にもたれ、座ったまま寝ていたみたいだ。
コンクリートの壁に囲まれた殺風景な部屋。三番街の廃ビルの5階。
目の前に、床に横たわる美菜子。抉れた腕の傷、頭から流れた大量の血・・・。
突然引き戻された現実に、鋭利な刃物で胸を突き刺されるような感覚に陥った。
守ってあげられなかった・・・"どんなことからも守る"そう言ったのに・・・
僕を恨んでるかな・・・嘘をついた僕を・・・いや、美菜子ならきっと、許してくれるさ。
あんなに優しかった美菜子 ―― きっと許してくれる ―― 傍に行くと約束すれば・・・
右手の銃に視線を移した。ゾンビたちに殺されて、倒れていたお巡りさんから取った。
何か、格好悪い銃だな。こういう形の銃って、普通6発入ってるんじゃないのかな?
弾の装填数は5発、でも、突然起き上がったお巡りさんに2発も使ったから、残りは3・・・いや、
2発だ。美菜子に使ったじゃないか。守るどころか、自分の手で・・・・・
そろそろ行こうか。まだ、3階にいるかな・・・? 美菜子に噛み付いた、青シャツのゾンビ。
あいつだけは必ず殺すと決めた。・・・もう死んでるのか。いや、だとしても、もう1回僕の手で殺す。
美菜子を奪ったんだ・・・絶対に許さない。美菜子・・・敵は取るよ、絶対に。
あの青シャツの頭に一発、僕の・・・自分の頭に1発。2発で丁度だな・・・
立ち上がり、ドアノブに手を触れた。耳を澄ました ―― ドアの外には誰もいなさそうだ。
「美菜子、すぐに戻ってくるよ」
僕は美菜子に背を向けたまま、そう言い残し、ゆっくりとドアノブを回した。

819 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 21:02:04 ID:SUseYsde0
でも「走るゾンビ」が当たり前になったら、ちょっと嫌だな。

820 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 22:41:19 ID:1p5cU1NuO
ちょっとじゃなくて、すごくやだ。

821 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 23:00:18 ID:G4N0aqCk0
>〜もどき...( ´Д`)ノさん

こういうの好きなんだな。
短いけど十分すぎるほど内容が伝わってくる。
ゾンビが出てこないゾンビ小説ってのも待望してたんだわなww
次回作きぼん。

822 :本当にあった怖い名無し:2006/10/27(金) 23:41:34 ID:KrNP9h6eO
>>814
え?またドーンがリメイクされるの?

823 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 00:28:07 ID:zkUdEf3l0
俺ドーン見るかどうか迷ってる…
面白いのか、怖いのかどうか教えてください。

824 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 00:31:13 ID:KJoFkV240
作品あげてくれたのにとことん無視かよ・・・

825 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 00:41:29 ID:bkhQhW8g0
まったく、、、ゾンビに油揚げをさらわれた気分だったよ。

826 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 00:42:24 ID:bkhQhW8g0
そうおもって僕は、天をあおいだ。
ゾンビが、くるりと輪を描いた。

827 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 00:44:38 ID:gP97Ru5uO
昨日、バイオハザード観たけどおもしろかったなぁ

828 :本当にあった怖い名無し:2006/10/28(土) 21:37:14 ID:apxDCcumO
長年生きてると人間って恐いって思ってました。でも、もっと恐いのは人間の想像力であり、その産物の死者の可能性ですな。恐怖を生み出し、それを娯楽にする作家の皆さん、ありがとうm(__)m

829 :通勤電車男:2006/10/28(土) 22:50:16 ID:fHzPz6kcO
〜もどき...様、新作の投稿お疲れ様です!。
あたたかな陽の射す穏やかで幸せな公園での一コマと、その過去を
冷たい廃ビルで一人恋人の屍体を前に夢に見ている主人公。
このコントラストは強烈ですね!。短いお話にも関わらずこの様な
状況を迎えるまでの悲しいドラマを感じさせてくれて、
なんだかグッときてしまいました(;_;)。機会がありましたら
また投稿していただけるとうれしいです!。ありがとうございました!!。

830 :本当にあった怖い名無し:2006/10/29(日) 19:04:44 ID:N4Jzf0erO
バタリアン4が最悪につまらない。

831 :本当にあった怖い名無し:2006/10/29(日) 19:26:52 ID:W4rUqIwXO
>>830
5はどうよ?

832 :本当にあった怖い名無し:2006/10/29(日) 19:50:04 ID:mZCbcZ4t0
>>831
観てない。今からウエストオブザデッドを観る。

833 :〜もどき...( ´Д`)ノ:2006/10/29(日) 23:19:38 ID:2/4rItwR0
>>821
>>829
ご感想ありがとうございます。
短い話の中で、伝えるべきものをしっかり伝えられているかどうか
少し不安だったのですが、良い評価を頂けたって事は・・・それなりに出来て
いたってことでしょうか。
次は少し長めの話を考え中です。
ある程度出来上がってきたら、また上げさせてもらいますので、
よろしくお願いします。

834 :本当にあった怖い名無し:2006/10/31(火) 11:17:55 ID:bGYeUEc1O
ウェストオブ〜
いいよ。笑えるわこれ。

835 :本当にあった怖い名無し:2006/11/01(水) 10:57:24 ID:AUja7mhiO
http://i.pic.to/6xscy

836 :本当にあった怖い名無し:2006/11/02(木) 16:30:59 ID:DQKcAP5G0
生きてる

837 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 00:53:23 ID:0y9NmiRuO
久しぶりに覗いてみたら酷いな・・・ここの荒廃ぶり・・・


おまいらみんな食われちまえ!

838 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 02:55:35 ID:0bzBMMTB0
>>837は、一通り言いたいことを
書き込むと満足げにパソコンを閉じるのだった。
しかし何かがおかしい。
閉めたはずの玄関が開いている。

>>837よ。
満月の夜は気をつけろ。
角を曲がって見かけぬ影がやってくる。
廊下の泥は何だろう?猫が外で遊んできたのだろうか?
ゾンビはお前を狙っている。お前の足を腕を太ももを。
寒い夜に暖かい湯気を立ち上がらせる内臓を腹いっぱい食うのを。
そして最後に、そのろくでもないことを考える脳を
指でしゃぶりつくす。
奴らがやってくるときには生暖かい風が吹くという。
地獄のような天国のような風乗ってやってくる。



839 :ジンロ:2006/11/03(金) 05:25:31 ID:x2TNnW7ZO
ゲームサロンのバイオハザード小説スレで書いてたんですが……
512KBを越えたんで投下できず、明日までに新スレ建たなかったら、こちらに移住しようかと思ってるんですが、題材がバイオなもので投下してもいいのでしょうか?

840 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 07:03:34 ID:P/iAgwRD0
ゾンビをどう定義するかだな。

走るゾンビまではほぼ無条件に受け容れられてた。
もう少し前にはプレデターのゾンビやら蚊のゾンビまでいた。
だからあとは話の内容次第なんじゃね?

841 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:24:49 ID:oFTDh3Yk0
それではお言葉に甘えて・・・・・
拙い文章ですがお許し下さい。


バイオハザード


 俺は今までいくつかの戦場を渡り歩いてきた。
 地獄の様な戦場・・・だが、時には笑い、悲しみ、仲間と死線を乗り越えて来ることが出来た。
 しかし、ここは何だ?
 「地獄」と形容するのですら生ぬるい・・・・・

 俺はいつもの気怠い日々を過ごしていた。
 歳も30半ばを迎え、体力の衰えを感じ、傭兵として戦場から身を引き、今では戦闘インストラクターとして働く日々。これはこれでやりがいはあったが、何度も命をやりとりしていた体に、平和な日々という物は毒らしい。
 そんなときに飛び込んで来た話が、ある企業の私設軍隊の話だ。
 企業の名前は『アンブレラ』
 世界に展開する一流企業だ。
 一流企業が裏の仕事を任せるために私設軍隊を作るのは良くある話だ。
 俺は破格の報酬と待遇に・・・・・何より今もう一度戦場の風を感じるために誘いに乗った。
 いくつかの任務を終え、気付けば部隊長の任を受けるまでになっていた。

 そして、部隊長として最初の任務がこれだ。
「クソ、一体何なんだ!?」
 部下の一人、ブライアン伍長がそう呟いた。
 敷設された軍用テントの中で俺を含めた部下の4人が集まっていた。
 見張りの交代まで後、3時間ある。



842 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:26:39 ID:oFTDh3Yk0
「上の方からは何も教えられてないんですか?」
 そう言って来たのは部隊一冷静な男、コールマン軍曹だ。
 俺は黙って首を横に振るとシガーに火を付けた。
「いや、命令はあくまでここの死守だ。もし、脱走者を発見し次第射殺せよとだけだ。」
「所詮、俺達は駒ですか・・・・」
 俺は煙を外に逃がそうとテントの入り口を開けると目に飛び込んで来たのは、高さ5メートルはあろうかという無骨なコンクリートの壁だ。
 夜風に乗って形容しがたい怨嗟の声が聞こえてくる。
 その声を忌々しく顔を歪め、火を地面でもみ消し入り口を閉じる。
「い・・・・いつまで続くんですか・・・・」
 そう、震える声で言ったのはウチの部隊で唯一女性、衛生兵のエレンだ。
「心配するな、任期は1週間と言う約束だ。もう少しだけ我慢してくれ。」
 俺がそう言った時だった。遠くで銃声が響く。
 皆一様に傍に置いてあったアサルトライフルを手に立ち上がりかける。
 俺はそれを手で制すとテントから顔だけだして外を確認する。
 また、銃声と共に笑い声が聞こえてきた。
 そして、テントに戻る。
「暇つぶしにアレでも潰してるんだろう・・・」
 その言葉に安堵の表情と共にライフルを元に戻して、座り直した。
「今、見張りについてるのは、確か・・・・」
「ああ、ダリオのクソ野郎共だ!」
 ブライアンは吐き捨てるようにそう言いカップに入ったブランデーを一気に飲み干す。
「私、あの人達嫌いです!」


843 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:27:29 ID:oFTDh3Yk0
 そう言ったのは、先程までテントの端で震えていたエレナだ。
 俺とコールマンは顔を見合わせ肩を竦める。
 俺達の部隊とダリオの部隊は何かと反目してきた。
 任務を遂行する上で何度かかち合ったことがあり、その際にいざこざが絶えなかった。
 やり方の違いはあった。だが、それだけではない!
 ダリオ達のやり方は、手段のために目的を選んでいる節があった。
 人質の交渉するために出撃したにも関わらず、人質ごと犯人を射殺したこともあった。
 (アンブレラ社)も、それを許容していた節があったのだが・・・

「いつもは反目しているが今回だけはなるべく協力してくれよ?もし、アレを外に出したらコトだからな・・・・」
 俺がそう言うと渋々ながらも、皆頷く。
 皆もわかっているのだ・・・・いや、あの光景を見て解らぬものなどいない。
 死者の群れが跳梁跋扈し、生者を喰らっていく。正門で遭遇したあの光景を・・・・
 アレ等が外に放たれ、世界中がこの街・・・ラクーンシティと同じようになっている光景を想像するだけで、背筋に冷たい物が走る。
「時間まで銃の手入れを忘れるな。それとあまり飲み過ぎるなよ?特にブライアン・・・」
 俺の言葉に反応したブライアンは、注ぎかけていたブランデーをピタリと止めバツの悪そうな顔で懐に入れた。
 それを見て苦笑を漏らすと、俺はテントの外へと足を向ける。
「どちらへ?」
 コールマンが、俺の背中にそう問いかける。
「ああ、少し夜風に当たってくる。」
 そう言うと「僕もお供します。」っとコールマンもテントから這い出した。
 外は相変わらず渦巻く怨嗟の声と、時折聞こえる銃声。まさに地獄だ。
 俺達はテントから少し離れた場所にある車に寄りかかりシガーに火を付ける。
「あのゾンビ達どこから現れたんでしょうか?」


844 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:29:52 ID:oFTDh3Yk0
 その言葉に、俺はゆっくりと煙を吐き出し「さぁな・・・」とだけ答える。
「ゾンビ・・・か?言い得て妙だな。だが、俺達に取っては原点は関係ない。求められる物は経過と結果だ・・・」
 そう言うと車に背を預け、ズズズズッと座り込む。
 コールマンは車のボンネットに飛び座る。
「経過と結果・・・・ですか・・・・」
 そう呟いて、コールマンは後ろに手を付いて体を反らし、夜空を見上げる。
 俺もつられて空を仰ぐ。
 煌々と月が世界を、俺達2人を優しい光で照らしていた。
「何も考えず、行動することは容易い。しかし、そこには意志がない。死して歩くに等しい。」
 ふと、そんな言葉が頭を過ぎり無意識に口に出ていたようだ。
 コールマンはその言葉に姿勢を戻し、こちらを見つめる。
「深い言葉ですね・・・ゲーテですか?」
「いや、俺の祖父の口癖だ。子供の頃は何の事かまったく解らなかったが・・・・・今なら何となく解るような気がする。」
 俺は立ち上がるとズボンをパンパンと土をはたき落とす。
「そろそろ、帰るぞ。少しでも休んでおいた方がいいからな。」
「了解です。アンディ少尉」


845 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:31:50 ID:oFTDh3Yk0
 二人がテントに戻ると、そこには銃を分解、整備を終えたブライアンが寝そべっていた。「遅いッスよ!少尉と軍曹の分も整備しときました。」
 ブライアンはそう言って起き上がると、こちらを向きアグラをかく。
「ああ、すまんな!」と自分のライフルを手に取り、作動を確認する。
「うむ・・・作動が滑らかだ。さすがは工作兵出身だな。」
 俺はそう言うとマガジンを装弾積みの物と変える。
 コールマンも自分のライフルを手に作動を確認する。
「今度、僕の家の掃除機も直してもらおう。」と真顔でボソリと冗談とも本気とも取れない事を言いながら、彼は何度も頷く。
「相変わらず、冗談と本気が判らん奴だ。」
 俺の言葉にコールマンは顔を真っ赤にする。
 そんなコールマンを見てブライアンは腹を抱えて笑っている。

 つかの間の平和・・・・仮初めの平穏・・・・それが永遠に続くわけでない事は俺も、含め皆分かっていた。
 だからこそ、今この時間を大切にしたい。

 いつも通りのやりとりと、軽い冗談。
 それを何度か交わした後、隊員達はそれぞれテント内で仮眠を取りはじめた。

 どれ位の時間が経っただろうか、不意にテントの外、微かに土の踏む音が聞こえた。
 その微かな音に反応し、皆はじかれる様に飛び起きライフルを手にする。
 戦場で培われた勘、という奴だ。
 互いに視線だけを交わし、その勘が確実なものだと確認してゆく。
 空気が戦場独特のピリピリと焼け付くように変化していくのが手に取るように解る。

 複数の気配が布一つ向こうの世界で満ちている。
 明らかにテント・・・・いや、テントの中にいる者達に殺気を向けられている!
 俺はライフルを、慎重に最善の注意で装弾する。
 ・・・・ガチッ・・・・・
 そっと装弾したつもりだが、音が鳴るのは否めない。
(相手にも聞こえたか・・・・?)
 テントのすぐ外・・・・入り口から三歩程、離れた所で足音が止まる。     
 みんなに緊張が走る。
 そして、テントの入り口が音もなくゆっくりと開いてゆく。

846 :ジンロ:2006/11/03(金) 08:34:05 ID:oFTDh3Yk0
取り敢えずはこんなものですが、比較的モンスターより、ゾンビよりな書き方をさせていただきますのでご容赦を・・・・・
続きはもうあるんですが、今日はここまでと言うことで・・・・・

847 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 08:42:38 ID:lBpO4ZTcO
緊張感のある文章だと思います。
ただ、たまに脱字や繋がりがわからない一文があったのが残念(´・ω・`)

続きが楽しみです!お疲れ様でしたm(_)m

848 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 09:52:02 ID:ubRAoy5qO
ジンロさん乙。
でもバイオならこのオカ板にもバイオ小説スレあるから
そっちのほうがいいかも。

849 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 10:43:42 ID:ubRAoy5qO
ごめん。なかった・・orn
でもバイオものはどうだろ。

850 :ジンロ:2006/11/03(金) 17:44:50 ID:x2TNnW7ZO
そうですね……
お目汚しすみませんでした。
他を当たる事にしますね。

851 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 18:37:06 ID:bss0Yt5A0
続き待ってます。

852 :ひろし:2006/11/03(金) 20:58:03 ID:bss0Yt5A0
少し書いてみますた。投下しようかどうしよう。でもせっかく書いたので
思い切って投下してみます。

 プロローグ
 
 世界中でゾンビが大量に発生し、世界の秩序は崩壊し、
生き残った人々は、もはや人間的な感情を失いつつあった。親
は生きるために子供を食らい、子は親に逆らって立ち、不信と
悪業が横行する。
 人々は地下に逃れたが、そこは暗闇で覆われ、もはや光はな
く、愛も希望もすでに絶えた。力あるものが生き残るという摂
理は、この時にあっても変わることない。ある者は低俗で動物
的な暴力で人を支配し、昼の間も姦淫を行い、あくなき欲望に
身を任せ、人殺しを続ける。力のない者
は耐え忍ぶしかなく、血の涙を体に滲ませながら、ただ耐え忍
ぶ。絶望の中、自ら命を絶つ者は少なくない。
 地上ではゾンビが徘徊し、地下では悪が跳梁するこの世界を
神がお見捨てになるだろうか?それとも、これこそが聖書に書
かれた、最後の審判の時なのだろうか?
 人々は天に向かって血の叫びをあげる。神は我々をお見捨て
になったのか?なぜ神は全ての悪をお許しになるのか?なぜ、
我々を完全な姿で創造してくれなかったのか?しかし、神は答
えない。
 手を伸ばしても、そこには何もないこの世界で、暗闇
と絶望に包まれたこの世界で、それでも人々はわずかな希望と
光を見出そうとする。すべては虚しいことだとわかっていても。
 信じるものは救われるのだろうか?我々は救われるのだろう
か?最後の時は近く、もはやそこには希望も愛もない。絶望の
みが全てを包む。

853 :ひろし:2006/11/03(金) 20:59:17 ID:bss0Yt5A0
 冷ややかさが身に染みる早朝、建都は廃墟となったコンビ二
で、食料を探していた。お腹が吸い込まれそうな空腹感の中で、
わずかな期待感を抱いてやって来たのだが、やはりめぼしい物
は見付からない。ゾンビが発生して3ヶ月、ほとんどの食料品
は、多くの人々に略奪された。この小さなコンビ二も例外では
なかった。結局手にしたのは、ソーセージとガム、飴、
スナック菓子数種類の数点だけだった。これでは3日間我慢し
ていた空腹感を満たすことはできない。だが何もないよりは良
い。建都はわずかな満足感を覚えて、ソーセージにかぶりつい
た。久しぶりに味わう肉の味だ。
 ゾンビが発生する以前――平和な生活を送っている時は、こ
のような物を食べると、合成添加物のせいで気分が悪くなった
ものだが、今ではそのようなことを意識することすらない。冷た
いソーセージは口の中で、ゆっくりとほぐれていく。早く飲み
込んでしまいたい衝動を抑え、噛み続ける。少しでもこの至福
の瞬間を楽しみたかった。この幸せがいつまでも続けば良い。
ソーセージがいつまでもなくならないで欲しい。そう思った。
これを食べきってしまえば、また食料に対する不安や、ゾンビ
や地下世界にいる奴等への恐怖に悩まされなければならない。
そのことは彼の心に計り知れない重圧を与え、彼の神経は疲れ
きっていた。
 その疲れを癒すため、彼は廃ビルの一室で眠りにつく時、い
つも神様に死を願う。彼にとって明日など必要のないことだった。
明日は過酷な現実に過ぎない。その過酷な現実から逃れるために
は死ぬこと以外にない。自殺も考えないではなかったが、だが心
の底では生に執着しつづけている。だから3ヶ月もたった一人で
生き残ってこれたのだろう。体は骨と皮だけに痩せ細り、目は光
を放つのをやめ、顔は土色になり、大人のように老けた。それは
今の彼の心を体現ししているといっても良い。

854 :ひろし:2006/11/03(金) 21:00:11 ID:bss0Yt5A0
 建都はソーセージを食べ終えると、コンビ二の外へ出て、バイク
に乗り走り出した。時速50キロ。昼間はゾンビが出没することはな
く、安心して移動できる。
 心地よい風を受けながらスムーズにバイクは走る。 
 この荒廃した世界にあっても、風は心地よいものなのか、と改め
て考える。その風は少しの悪臭を放っていた。恐らく、そこら中に
散らばる死体のせいだろう。道行く道に死体は転がっている。生体
機能を完全に失い、ゾンビにすらなれなかった死体が。
 3ヶ月前、初めて死体を見た時、それは魂の抜け殻にすぎない、と
感じた。死体になんの存在価値があるだろうか?死体など肉にすぎ
ないではないか。今、存在価値のない死体が視界を流れて去って行
くが、それに対し感傷に浸ることはできない。むしろ死んであらゆ
る苦痛から解放された魂に、嫉妬さえ感じる。死は解放でしかない。
死に苦痛はない。生前、彼らはどのような思いで生活し、どのよう
な気持ちで死んでいったのだろうと考え、悲しみを感じることはある。
しかし今の建都の現実に比べれば、そのようなものは大して彼の心
に影響しないことだった。

855 :ひろし:2006/11/03(金) 21:01:37 ID:bss0Yt5A0
 ある中学校のはずれに、建都の住む廃ビルはあった。昼間であって
も、重たい雰囲気をかもしだしている廃ビルの一室を、彼はどうして
も好きになれず、例えそこに柔らかいソファーがあって、テレビが設
置されていたとしても、くつろいで過ごす事はできなかったろう。し
かし、そこは四方をコンクリートの壁に囲まれた、何もない殺風景な
部屋にすぎなかった。
 建都はスナック菓子の袋を開け、一口一口丁寧にかじった。これに
使われている塩が、舌から口全体、そして体全体に染み渡り、生き返
った気分になる。塩とは、これほどうまいものなのか、と気づかされ
る。素材の味を意識する暇もなく塩の味だけを求め、一口一口丁寧に
かじり続けた。喉が渇いたところで、昨日、川からペットボトルに汲
んできた水をがぶ飲みする。多少臭みがあるが、今ではそれはもう慣
れた。
 こうして過ごしていると、3ヶ月前の平和な日々が自然に脳裏に蘇っ
てくる。空調の行き届いた自分の部屋、床にはカーペットが敷かれて
いた。友達とそこで、母親が用意してくれたお菓子とお茶を楽しんだ。
夜7時ごろ、友達が帰った後で下のキッチンにいってみると、テーブル
に並んだ料理から、暖かい湯気が立ち込めていた。テーブルには、ビ
ーチュー、ご飯、白菜のスープ、アジの塩焼きが並んでいた。味付け
は多少薄めの、口に残らないさっぱりとした味付けだった。建都は母
親の料理が好きだった。
 母親は外見だけでなく、心まで綺麗な人だった。建都が生まれて、早
いうちから離婚し、女手一つで彼を育ててきた。建都の悩みは全て彼
女に打ち明け、そして彼女はどんな悩みでも真剣に聞いてくれた。そ
れだけ建都の心は母親に依存していただけに、今は生きているかどう
か、あるいは自分と同じ恐怖と絶望を味わっていないか、気懸かりだ
った。(続く?)

856 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 21:05:25 ID:AlGe0/Gn0
ジンロさん乙です。

続きを是非お願いします!

857 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 21:18:03 ID:C8q32m57O
>>853
健都って地下から抜け出したの?

858 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 23:32:52 ID:6jzb79VY0
>>853
健都の母ってどうなったの?

859 :本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 00:02:32 ID:C8q32m57O
>>852
プロローグはとてもよくできていました

860 :ジンロ:2006/11/04(土) 15:28:32 ID:XKys/2Hx0
 続きですが・・・・
 もし、スレ違いやダメならいってくださいね。
 荒れの元にはなりたくないもので・・・・・

 その瞬間、俺はテントの床を蹴り、テント外に転がり出る!
 屈んだ状態ですぐさまライフルを構え、その場にいる者を確認。ポイントする。
「仲間を撃つつもりか?勘弁してくれや。」
 そこにいたのは今、見張りをしているはずのダリオと彼の部下達だった。
「何をしに来た?返答によっては・・・・」
 ダリオの額に光点が灯る。
「何をだと?交代の時間が来たから、俺様が親切にも教えに来てやったんだぜ?」
 俺は先程まで肌を灼いていた殺気が引いて行くのを感じて、ゆっくりと銃を降ろす。
 テントに向けて手のひらをしたにする。
 しかし、未だに警戒は解いてはいない。「なら・・・いいんだがな・・・・」
 ダリオは振り向き、部下に肩を竦めると・・・
「おいおい!臆病者は大変だなぁ!?ちょっとしたことでビクビクしなきゃならねぇなんてなぁ?」
 そう言った瞬間、ダリオ達が下品な笑い声を上げる。
「・・・んだと!?もう一度言ってみろ!」
 テントの中から、ブライアンが出てくる。
 ダリオ達に怒りの足取りで近づいて行くが、それを俺は無言で制する。
「交代だったな。引き継ぎする事はあるか?」
 挑発に乗って来なかったことが面白くなかったのであろう。ダリオはチッと舌打ちして「ねーよ!」とだけ言うと、きびすを返し部下を引き連れ自分たちのテントへ戻ってゆく。
「どうして、言わせたままにするんっすか!?」
 怒りが収まらない、ブライアンが突っかかって来る。
 それに、俺が何かを言う前にコールマンが肩を掴んで止める。
「よせ!少尉だって、腹が立っているはずだ。だが、ここで揉めてどうする?相手もこちらに警戒していた。あのままやり合えば人死にが出てただろう?」
 その言葉に納得仕切れない様子の、ブライアンはライフルを片手に足早に塀の上に上がる為の階段へ向かう。
「まったく子供だな。アイツは・・・・」
 俺はそんなブライアンに苦笑を漏らすと、弾薬の入ったバックとライフルを持って階段へと向かった。
 その後ろにコールマンとエレナが続く。
 


861 :ジンロ:2006/11/04(土) 15:30:14 ID:XKys/2Hx0

 壁の上に立つ。今日はこれで三度目だ。
 夜風が腐敗臭と怨嗟の声を運んでくる。
 眼下にはゾンビの姿は無い。ただ、もう動くことのない死体が築かれていた。
(よくもここまで殺したもんだな・・・・)
 死体はことごとく頭部が打ち抜かれて倒れていた。
 おそらくは、ダリオ達の戦果だろう・・・・
 ふと女の死体を見たとき、えも言えぬ不快感が込み上げてくる。
 その死体はちょうど乳房の部分が打ち抜かれ、最後に額が打ち抜かれていた。
(ゲス共が!)
 非道な趣味に吐き気さえ覚えるが、顔には出さずに部下達の元へと歩いていく。
 銃を肩にかけ、ブライアンの側に立つ。
 暗視双眼で辺りを見ていたブライアンだったが、一瞬その動きが止まる。
「何か・・・・用ッスか?」
 ふてくされているような声が彼の口から出る。
「いやなに。まだ気にしてるのかと思ってな?」
「気にしてないッスよ・・・」
 即答でそう答えるが暗視双眼から目を離さない。
(どうも、厄介だな。)
 子供のようなその仕草と反応に、思わず頭を掻いてしまう。
 後ろからトントンと肩を叩かれて振り向くと、エレナがそこに立っていた。
 そして、そっと耳打ちしてくる。
「こう言う時はそっとしておいた方がいいと思いますよ・・・」
(確かに・・・・)
 俺はブライアンの肩をポンっと叩く。
「何かあったら無線で知らせてくれ。頼りにしてるよ。」とだけ言うと、その場を後にする。



862 :ジンロ:2006/11/04(土) 15:31:52 ID:XKys/2Hx0

 地獄を眼下に、どれぐらい経っただろうか?不意に無線がコール音を鳴らす。
 無線機に手を伸ばして応答する。
「こちらアンディだ。」
『少尉ですか!?ブライアンです!すぐにこっちへ来てください!』
 ブライアンの慌てた声が無線機から飛び込んできた。
「どうした?緊急か!?」
 そう言ったが、ブライアンはとにかく来てくれの一点張りだ。
 無線で連絡を告げる時は、用件と状況を細かく報告しろとあれほど注意したのだが。
(やれやれ)と肩を竦めると、ブライアンの歩哨ポイントまで駆ける。
 ブライアンの所に着くと、近くに配置していたエレナとコールマンは既に到着しており暗視双眼で何かを覗いている。
「なんだ?生存者か?」
「解りません。でも、徐々にこちらに向かっております。」
 コールマンが暗視双眼をこちらに手渡してきた。
 俺が受け取ると、代わりにコールマンはバックからスナイパーライフルを取り出し、それで覗き込む。
 俺も暗視双眼を覗き込んだ。
 その先にまだ距離があるものの二つの光点が浮かび上がる。
 光点・・・おそらく車のヘッドライトであろうそれも、こちらに向かって来ているようだ。
「車?距離は解るか?」
「距離およそ1,2マイル(およそ2`)速度は測りかねますが・・・・あの早さなら接触まで5分弱かと思います。」
 俺の質問に答えたのもコールマンだ。
 コールマンの持つドラグノフだと今の距離は射程圏外だろう。
「軍曹!対象が塀との距離0、2マイル(およそ300b)に入ったらタイヤを狙撃しろ!」
「0、2マイル。了解しました。」



863 :ジンロ:2006/11/04(土) 15:34:00 ID:XKys/2Hx0
 コールマンを除く部隊のみんなが固唾を飲む。
「距離推定0、7マイル!運転者確認!生存者です!」
 エレナの言葉に暗視双眼をから目を離さず応える。
「こちらも目標を確認した。予定は変わらず!」
「了解!」
「ブライアン!車の停車時に戦闘になる可能性もある。射撃準備!なるべく紳士的にやれ。エレナはサーチライトを準備!」
 ブライアンは暗視双眼を置き、肩に掛けていた銃に素早く弾を装填し、立射で狙いを定める。
 エレナは近くに設置されていたサーチライトに取り付き、いつでも照射出来る体制に入る。
「狙撃地点まで5,4,3,2,1・・・」
 最後のカウント代わりに、コールマンがトリガーを引く。そして発砲。
 パァァァァン!
 一発の銃声が辺りに響き渡る。
 車は右前輪は寸分違わず打ち抜かれてバーストする。
 右前輪のコントロールを失った車は、そこを支点にクルクルとスピンした後、塀の手前でようやく停止する。
 少しの沈黙・・・・
 時間にするとほんの2・3分のことだったが、動きがあるまで非常に長く感じた。
 車の運転席と助手席が開かれ、2つの人影らしきものが現れる。
「ライト!」
 エレナの操作するライトが、停車した車を中心にその者達を照らし出す。
 おそらく親子だろう。
 15歳前後の女の子をかばう様に覆い被さり、おびえた表情を見せる40前後の婦人の姿が浮かび上がった。
(親子か・・・・)
 俺は側にある拡声器を手に取る。
「ここは現在、『汚染区域』として封鎖されている!速やかに街に戻りなさい!」
 俺がそう言うと親子も何かを叫び返してきた。
「街は奴等が一杯で帰れないんです!助けてください!」
「ダメだ!それは許可されない!速やかに戻らない場合脱走者として射殺する!」
 俺がそう言っても親子は下がらず、その場から動かない。
(クソッ!)
 

864 :ジンロ:2006/11/04(土) 15:34:51 ID:XKys/2Hx0
今日はここまでです。
明日また投下しますね。

865 :本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 17:10:47 ID:U5s3gGo00
ジンロさん

うん、なかなか面白いよ。微妙にスレ違いなのかもしれないが気にしない。
むしろ別スレの人から「何そんなとこで油売ってんだよ!戻れ!」ってなるかもしれないw
とにかく上げた以上、最後までここで頼むね。

ひろしさんも乙です。これからの展開が気になりますね。

866 :通勤電車男:2006/11/04(土) 21:55:06 ID:qslHE2QzO
ジンロ様・ひろし様、新作?の投稿お疲れ様です。
ジンロ様、バイオ設定作品ですね。厳密にはスレ違いかもしれませんが
良い刺激になるのかもしれません(o^-')b。
いずれにせよ車から出て来た親子をどうするのか、
あぁもう気になりまくりな訳デズヽ(。д゚)/゙。
ひろし様、塩の味を噛み締める主人公に極限状態を感じました。
心を母親に依存していた彼の、それでも生にしがみつく逞しい成長を
母親は喜んでくれると思います!...生きていれば(>_<)。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。

867 :本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 22:29:24 ID:u8lCmWzS0
ジンロさん乙です。
このあとの親子がどうなってしまうのかが気になります。

868 :本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 23:46:12 ID:yGkaMJq+O
もうすぐ512KB

869 :ひろし:2006/11/05(日) 00:45:57 ID:3+pLSctK0
>>857,858,859>>866
読んでいただいてありがとうございます。とってもうれしいです。
建都は一時期地下に退避してましたが今は地上にいます。母親はどうなったのか
考えてません。最後に建都と母親の再会はドラマチックだな〜とは思うんですが。
>>859誉めていただいてうれしいです。前、雰囲気のある文章書ける人みて
すごいなあと思ってたんですが、少なくともプロローグの部分は少し自信がつき
ました。ありがとうございます。

870 :本当にあった怖い名無し:2006/11/05(日) 00:56:39 ID:uL/6Y1syO
>>869
ひろしさん、がんばってくださいね(^-^)

871 :ジンロ:2006/11/05(日) 07:24:16 ID:eQojcboI0
少し早いですが今日の分を投下です。


 仕方なく肩のライフルを手にすると、寄り添い合う二人に向けて発射する。
 タンッ!
 二人の足下に着弾して地面が小さな土埃が舞う!
 ビクッと身を震わせ二人できつく抱き合う。しかし、その場から動く様子は無い。
「次は威嚇ではない!最後の警告だ!直ちに街へと引き返せ!」
 母親らしき婦人は声を引き絞るように悲痛な声で叫ぶ。
「街に帰ってどうしろと言うの!?あの・・・あの化け物に生きたまま食べられる位なら・・・・ここで死んだ方がましよ!!」
 それだけ叫ぶとその場に泣き崩れる。
 娘はそんな母親をかばうように覆い被さった。
 静かになった塀の内部に母親の泣き声だけが響く。
 その時!?
「何をするんです!?止めなさい!」とコールマンの声が聞こえてきた。
 俺は咄嗟に振り向くとそこにはポールにロープの端を結びつけ、塀の内側にロープを投げ入れようとしている。ブライアンの姿だった。
「何をしている!?」
 俺が体で止めようとしたが間に合わず、ロープは弧を描き塀の内側に伸びていった!
「ブライアン伍長!あなた何をしようとしているのか解っているのですか?これは重大な規律違反ですよ!?」
 そう叫んだのは、コールマン軍曹だ。
「規律?ハッ!んなもんクソ喰らえだ!」
 俺はそんなブライアンを殴りつける!
「おまえは・・・・」
 そう言ったとき、俺とブライアンの間にエレナが立ちはだかる。
「やめてください!」


872 :ジンロ:2006/11/05(日) 07:26:22 ID:eQojcboI0
エレナはブライアンにしゃがみ込むと腰のメディカルパックを開ける。
 しかし、ブライアンは治療をしようとするエレナを押しのけ、勢いよく立ち上がる。
「少尉は・・・・少尉は平気なんっすか!?あの親子を見殺しにして?」
 ブライアンは俺の襟を両手で捻りあげて続ける。
「アンタに人としての誇りは無いのか!?軍人だから・・・・上の命令だけ守る?それでアンタはいいのかよ!?」
 ギリギリと俺の襟を締め上げていく。
「言いたいことはそれだけか?」
 俺はブライアンの肘の急所を下から叩き、手がゆるんだ瞬間!その手を取って捻りあげて押し倒す。
「痛ッ!」
「ったく!少しは考えて行動しろ!」
 俺に関節を完全に決められているにも関わらず、もがき暴れる。
「ガァ!は・・・なせ!」
 しかし、腕ははずれるところか、さらに決まっていく。
 俺は溜息一つ吐いて折れないように少し緩める。
(やれやれ・・・・)
「暴れるな!まずは落ち着け!俺は見捨てるとは言ってないだろうが!」
「「えっ?」」
 みんな間の抜けた声を上げ、ブライアンも暴れるのを止める。
「コールマン軍曹、脱走者は見つけ次第に射殺だが・・・・」
「はい・・・」
「さっきの揉み合いで大切な万年筆が塀の内側に落ちてしまった。取ってこようと思う。」
 そう言って塀の際まで歩いていく。
 その後ろをみんなついて行く。
「しかし、その間にあのゾンビ共に襲われたら大変だ。そうだろう?」
 そこまで言われて、ブライアンも気付いたのだろう。
「はい!少尉が戻られるまで援護いたします!」
 俺はその豹変に苦笑を漏らす。
「し・・・しかし・・・・」
 コールマンは意義を唱えようと口を開き掛ける。
 その時コールマンの袖が引っ張られ見てみると、エレナが口に人差し指を立てていた。
「なに、取ってくるだけだ。」っと言ってロープを腰に巻き、降下の準備をして、塀の内側へと身を躍らせる。


873 :ジンロ:2006/11/05(日) 07:26:57 ID:eQojcboI0
「まぁ、もしかしたら『生存者』をうっかり見つけて保護してしまうかもな?」
 それだけを言い放つように一気に降下した。
(生存者と脱走者か・・・・詭弁だな・・・)
 降下しながら自嘲の笑みを浮かべる。
 そして、地面に着地して、辺りの様子を探る。
 少し離れた茂みに何かがいる気配がする。
 しかし、姿は見えずこちらを伺っていることぐらいしか判断できない。
(ゾンビか?しかし、奴等に様子見なんて知能があるとは思えんが・・・・)
 茂みに注意しつつ、親子の元に近づく。
「こ・・・こないで!」
 娘の方がこっちに気付くと母を背にかばうようにこちらに立ちはだかる。
 その足は今にもへたり込むかのようにガクガクと震えているのが見てとれる。
「信じられないかもしれんが、あなた方を保護しに来た!」
 ライフルを足下に置いて手を挙げ近付いてゆく。
「う・・・嘘よ!?」
 そう言いつつ後ろへジリジリと後ずさる。
 俺は頭をボリボリと掻いて苦笑する。
「心配するな。俺達は何もしない。」
 その時!茂みの気配がザワリと動いた!
(!?)
 俺はライフルに飛びつくと茂みに向ける。
 左手で無線を取り、コールボタンを押した。
『少尉!どうかしましたか!?』
 無線に答えたのは、ブライアンだった。
「そちらから11時の方向の茂みだ!奴等が来るぞ!」
 その言葉が合図だったかのように、茂みから「それ」が飛び出してきた!
 エレナが茂みにサーチライトを向けると・・・・
 そこには犬がいた!


874 :ジンロ:2006/11/05(日) 07:28:37 ID:eQojcboI0
いや、かつては犬だった物と言うべきだろう。
 目は窪み、皮膚は所々腐って垂れ下がっている。
 この任務に就く際に見た資料の中に載っていたのを思い出す。
(確か・・・ケルベロスか!?)
 平たく言えば軍用犬のゾンビだ。
 思い出し、ケルベロスにポイントした瞬間。
タンタタタンタタタタ・・・・・
 ライフルのフルオート音が聞こえてくる。
 ブライアンの援護だ!
 ケルベロスは銃弾の雨にも関わらずこっちに走ってくる。
(こい!仕留めてやる!)
 しかし、トリガーを引き絞る瞬間、ケルベロスは方向を急に変え親子に向けて疾走する。
「しまった!!はじめから狙いはそっちか!?」
 ケルベロスは一直線に親子に向かう。
 親子は咄嗟の事に何が起こっているのか解らず、その場から動くことは出来ない。
 ライフルで狙うが、射線上に親子がいるため撃てない。
 しかし、次の瞬間!ケルベロスの姿が横に吹き飛んだ!
『少尉!今です!』
 無線から聞こえてきた。コールマンの声に反応するかのようにM16がフルオートで無機質な連射音を放つ。
 銃弾は引きつけられるかのように、ケルベロスの体に次々と吸い込まれてゆく。
 着弾の度、ケルベロスの体が跳ね・・・足が・・・肉が・・・削れてゆく。
 それでも尚、獲物を求め立ち上がろうとあがく。
 俺はケルベロスに近づくと、頭にライフルを押しつけて再びトリガーを引き2度目の死を与えてやる。


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