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なにそのツンデ霊☆四人目★

105 :たまねぎツンデレ ◆vSaTtgGg0. :2006/06/26(月) 16:49:14 ID:QOfoD3XG0
中途半端な話しをあげたお詫びに新しいものを。
原点に帰ります。
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雪降る深山、背負子に荷を乗せた男が山を登る。人里はなれた場所に小屋があり、男はそこに住んでいるのだ。
猟でとった獲物を金と食料にかえた、その帰路である。
思いのほか高く売れたため、男の懐はずっしり重かった。だが、足取りも重い。換金に予想以上に手間取ったためだ。
あたりはもう、暗い。
山には怪異が住まうと言う。特に冬の山は恐ろしい。
今は亡き祖父にも厳重に戒められていた。
『夜山を登ることはならん、特に冬山は』
男は禁を破った。懐には一介の猟師がもつには相応しくない額の金子があったからだ。
だから、男は夜の雪山を登る。

「もし、そこの御仁」女の声がした。
(すわ、怪異か)男は振り返るまいと懸命に耳をふさいで道を行く。
「御仁、待ちたもれ」女の声が追いかける。そればかりか赤子の声まで聞こえてきた。
「んあぁー、んあぁー」赤子の叫びが悲痛さを醸す。
男は肝の据わった男ではあったものの、憐れみの深い男でもあった。
つい、振り向いていしまう。
「あぁ、ありがたや」女は雪に埋もれかけていた。男は急ぎ、女の雪を払う。
「賊に襲われ、子を抱き逃げたるも力尽き、もはや動くことままならぬ。せめて我が子だけでも救いくださらぬか」
男は女を憐れに思い子を抱きあげた。と、吹雪が唐突に訪れ、視界もままならなくなった。
「我が子をよろしゅぅ…」猛烈な吹雪の音に混じり女の悲しげな声が聞こえた。
男は赤子が凍えるのを防ごうと懐に抱きいれた。
雪に長く埋もれたせいか、その身は想像以上に冷たかった。
泣く赤子をあやすうちに吹雪は次第に落ち着きを取り戻した。
と、不思議なことがおきた。一歩も動かなかったはずなのに女の姿が無い。吹雪に埋もれたのだろうか。
男は少し思案したのち、共倒れしては話にならんと帰路を急いだ。赤子はいつしか眠っている。


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